爽やかなレモンの香りが魅力のハーブ「レモンタイム」。料理の風味付けからハーブティー、ガーデニングの彩りまで幅広く活躍します。丈夫で育てやすいため、初心者にもおすすめのハーブです。
分類: シソ科イブキジャコウソウ属
原産地: 地中海沿岸
特徴: レモンのような爽やかな強い香りを放つ、タイムの一種です。立性のものが一般的ですが、這うように広がる品種もあります。春から初夏にかけて、ピンクや白色の可愛らしい小花を咲かせます。
利用法: 鶏肉や魚料理の香りづけ、ハーブティー、ハーブビネガー、ポプリ、ガーデニングのグランドカバーや花壇の縁取りなど。
置き場所・土壌
レモンタイムを元気に育てるための最も重要なポイントは**「日当たり」「風通し」「水はけ」**です。
日当たり: 日当たりと風通しの良い場所を好みます。半日陰でも育ちますが、日照不足だと香りが弱まったり、徒長(ひょろひょろに伸びること)したりする原因になります。
土壌: 乾燥した環境を好むため、水はけの良い土が不可欠です。市販のハーブ用培養土や、赤玉土(小粒)7:腐葉土3などの配合土がおすすめです。地植えの場合は、腐葉土やパーライトを混ぜ込んで水はけを良くしておきましょう。酸性の土壌を嫌うため、植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜ込んでおくと良いでしょう。
置き場所: 高温多湿が苦手なので、真夏の西日が当たる場所は避けたほうが無難です。鉢植えの場合は、夏場は涼しい半日陰に移動させると夏越ししやすくなります。
植え付け
適期: 春(4月~5月)と秋(9月下旬~10月)が適期です。
方法: 苗を入手して植え付けるのが一般的です。
鉢植え: 根鉢より一回り大きな鉢に、鉢底石を敷いてから植え付けます。
地植え: 株間を20~30cmほど空けて植え付けます。複数の株を植えると蒸れやすくなるため、間隔を十分にとることが大切です。
水やり
乾燥気味の管理が基本です。水のやりすぎは根腐れの原因となり、失敗する最大の要因です。
鉢植え: 土の表面が完全に乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。受け皿に溜まった水は必ず捨ててください。
地植え: 植え付け後に根付いてしまえば、基本的に水やりの必要はありません。日照りが続く真夏に、地面がカラカラに乾いている場合に与える程度で十分です。
肥料
肥料の与えすぎは、かえって香りを弱めたり、軟弱に育つ原因になったりします。
基本的に不要: 地植えの場合、特に肥料は必要ありません。
与える場合: 鉢植えで生育が鈍いと感じる場合は、春と秋の生育期に、緩効性化成肥料を少量施すか、規定より薄めた液体肥料を月に1~2回与える程度にします。
剪定・収穫
剪定は、収穫を兼ねて行うのが効率的です。風通しを良くし、株の老化を防ぐために重要な作業です。
時期: 一年を通して可能ですが、特に重要なのが梅雨前と花の後です。
梅雨前(6月頃): 高温多湿による蒸れを防ぐため、株全体の半分~3分の1程度を刈り込み、風通しを良くします。
花の後: 花が終わったら、花茎ごと切り戻します。エネルギーの消耗を防ぎ、株を元気に保ちます。
秋・冬前: 冬の休眠に備え、伸びすぎた枝を切り戻して株の形を整えます。
方法: 清潔なハサミで、枝の途中にある葉や新芽の上で切ります。木質化(茎が茶色く硬くなること)した部分だけを残して強く切り戻すと、新しい芽が出にくいことがあるので注意しましょう。
収穫: 若くて柔らかい枝先を摘み取って利用します。香りが最も強くなるのは、開花直前と言われています。
増やし方
レモンタイムは「挿し木」で簡単に増やすことができます。
時期: 春(4月~5月)と秋(9月~10月)が適期です。
方法:
元気な枝を10cmほどの長さに切ります。
下のほうの葉を取り除き、切り口を水に1時間ほど浸けます。
挿し木用の土や赤玉土を入れたポットに挿します。
土を乾かさないように管理すると、2~3週間で発根します。
病害虫
基本的に丈夫なハーブですが、高温多湿の環境では病気が発生することがあります。
病気: 灰色かび病、うどんこ病など。風通しを良くすることでほとんど予防できます。
害虫: アブラムシなどがつくことがありますが、大きな被害につながることは稀です。見つけ次第、手で取り除くか、牛乳スプレーなどで対処しましょう。
冬越し
耐寒性があるため、特別な対策なしで屋外で冬越しできます。
冬になると地上部が枯れたようになったり、葉が赤茶色に変色したりしますが、根は生きています。
霜や寒風が厳しい地域では、株元を腐葉土やバークチップで覆う(マルチング)と、より安全に冬越しできます。
冬前に軽く切り戻しておくと、春に新しい芽がきれいに出やすくなります。
レモンタイムを上手に育てて、その爽やかな香りを日々の暮らしに取り入れてみてください。