糖質制限食とケトン体その1
ケトン体が作られるメカニズム
ケトン体が作られるメカニズム
糖質制限食を実践していくうえで知っておきたいケトン体について解説していきます。
一回目はケトン体が作られるメカニズムをお話しします。
アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンの総称。
脂肪酸ならびにアミノ酸の不完全代謝産物である。
ケトン体体が作られる仕組み
インスリンが枯渇しグルコース代謝に異常をきたしたとき
Ⅰ型糖尿病患者がインスリン注射を中断した場合や、Ⅱ型糖尿病患者が大量のペットボトル飲料を一度に飲んだ場合などに、グルコース代謝に異状をきたしケトン体が大量に作られます。(急激な高血糖による「糖毒性」で、一時的にインスリン分泌が止まってしまうため)
この様な状態をケトーシスと呼びます。
細胞内にグルコースを取り込む役割をするグルコーストランスポーターのGLUT4(GLUTとは糖輸送体でGLUT1~GLUT14まであります)は、主に脂肪細胞、筋肉細胞(骨格筋、心筋)に認められます。
ふだんは細胞内に沈んでいますが、インスリンが追加分泌され感知すると、細胞膜上へと浮上してグルコースを細胞内に取り込みます。
このためインスリンが枯渇していると(インスリン作用の欠乏)筋肉や脂肪組織がグルコーストランスポーター(GLUT4)を介して血糖を細胞内に取り込むことが出来ず、 エネルギーとして利用できません。
そのため、体内に蓄積した脂肪酸をβ酸化することによりアセチルCoAを取り出し、肝臓でケトン体を作りエネルギーとするのです。この様なケトーシスは、グルコース代謝に異状をきたし代償的にケトン体でエネルギー代謝を賄おうとして引き起こされたものです。
これはグルコース代謝に異状をきたした結果としてケトン体が増加(ケトーシス)したもので、きわめて危険な病的なケトン体上昇です。
これによりケトン体が異常に蓄積して血液が酸性に傾く「ケトアシドーシス」という病態に陥り、重症化すると血液のpHが酸性となる「アシデミア(酸血症)」を引き起こします。
ケトアシドーシスの流れ
インスリン作用欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用の低下・脂肪分解の亢進→高血糖・高遊離脂肪酸血症→ケトン体生産の亢進
インスリン作用がある程度保たれている場合
糖質制限、絶食、激しい運動、高脂質食(ケトン食)などによってケトン体が生成(ケトン体上昇)されケトーシスになります。
糖質制限などにより糖質の摂取が減りますと、ブドウ糖に代わるエネルギーとしてケトン体が作られます。
これは、インスリン作用がある程度保たれている状態でケトン体が生成される生理的なケトン体上昇で、安全なケトン体増加です。
したっがって、インスリン作用が保たれているためケトアシドーシスにはなりません。
まとめ
脂肪酸→β酸化→アセチルCoA→ケトン体