日本全国、日当たりの良い場所ならどこにでも生えるスベリヒユ。そのたくましい生命力の裏には、ユニークな特徴が隠されています。ここでは、その基本的な生態についてご紹介します。
スベリヒユは、日本全国の畑や道端でよく見かける、ありふれた野草です。多くの人にとっては生命力の強い「雑草」かもしれませんが、実は古くから食用とされ、栄養価が非常に高い「スーパーフード」として近年注目されています。
[スベリヒユの画像]
分類: スベリヒユ科スベリヒユ属
特徴:
地面を這うように茎が伸び、赤紫色を帯びていることが多いです。
葉は肉厚で、触るとツルツル、スベスベした感触があります。これが名前の由来(滑り莧)と言われています。
夏から秋にかけて、黄色い小さな花を咲かせます。
生息地: 日当たりの良い場所を好み、畑、道端、空き地など、どこにでも自生します。乾燥に非常に強く、真夏の炎天下でも元気に育ちます。
驚異の生命力: 非常に繁殖力が強く、引き抜いても茎や根が少しでも残っていると、そこから再生します。また、こぼれた種でもどんどん増えていくため、農家からは厄介者扱いされることも少なくありません。
スベリヒユが「スーパーフード」と呼ばれる理由は、その豊富な栄養素にあります。
オメガ3脂肪酸: 植物の中ではトップクラスの含有量を誇ります。特にα-リノレン酸が豊富で、血液をサラサラにする効果や、アレルギー症状の緩和、中性脂肪の減少などが期待できます。
ビタミン・ミネラル: 抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eや、マグネシウム、カリウムなどのミネラルもバランス良く含んでいます。
その他: メラトニン(睡眠を促すホルモン)や、抗酸化物質であるベタレイン色素なども含まれています。
スベリヒユは少しぬめりと酸味があるのが特徴です。様々な料理で美味しくいただけます。
1. 下処理
食べる前には簡単な下処理をしましょう。
洗浄: 土や汚れをきれいに洗い流します。
茹でる: 沸騰したお湯に塩を少々入れ、30秒〜1分ほどさっと茹でます。茹ですぎると食感が損なわれるので注意してください。
水にさらす: 茹で上がったら冷水にとり、アクを抜きます。これでぬめりや酸味が和らぎ、食べやすくなります。
2. 調理法
おひたし・和え物: 最も手軽で定番の食べ方です。茹でて水気を絞ったスベリヒユを、醤油とかつお節で和えれば簡単なおひたしに。ごま和え、からし醤油和え、ポン酢和えなども絶品です。
炒め物: 豚肉や卵、豆腐などと一緒に炒めると、シャキシャキとした食感が楽しめます。ごま油との相性も抜群です。
味噌汁の具: わかめや豆腐のように、味噌汁の具としても活躍します。少しぬめりが出て、美味しいです。
天ぷら: 生のまま衣をつけて揚げます。肉厚な葉がホクホクとした食感になり、独特の酸味がアクセントになります。
サラダ: 若くて柔らかい葉先であれば、生のままサラダに加えても良いでしょう。ただし、アク(シュウ酸)が気になる方は、さっと茹でてから使うのがおすすめです。
採取場所: 公園や道端で採取する際は、犬の散歩コースや自動車の排気ガスが多い場所は避け、できるだけ清潔な場所に生えているものを選びましょう。
シュウ酸: スベリヒユにはほうれん草などにも含まれるシュウ酸が含まれています。健康な人であれば問題になる量ではありませんが、気になる方や、結石などの持病がある方は、必ず茹でてアク抜きをしてから食べるようにしてください。生で大量に食べるのは控えましょう。
身近な雑草から、美味しくて健康に良い一品を作ってみてはいかがでしょうか。