※そもそもペーパーティーチャー(潜在教員等)という言い方は好きではありません。
先生不足の解消に…求む“潜在教員” 県教委がPRイベントで掘り起こし狙う (南日本新聞)https://373news.com/_news/storyid/198877/
昨今、教員免許を持っていながら様々な事情で教職を離れた方や教職に就かなかった方を掘り起こすというイベント、事業が全国的に行われています。ここではその根本的な問題について述べます。
「教員免許を持っていながら様々な事情で教職を離れた方や教職に就かなかった方」「教員免許を持っているが現時点で教職に就いていない方」を総称してペーパーティーチャー(潜在教員)などと呼称されています。
会社員、公務員、パート、アルバイト、退職者等々がいらっしゃると思います。
都道府県教育委員会が求めるのは、採用倍率が低くなっている小学校の受験者、または臨時・非常勤講師だと思われます。上記のうち、このような働き方が可能かどうかで考えると、常勤フルタイム正規の会社員や公務員がこのような働き方を選択することはまず無理でしょう。ということは、「非正規で働いている人が、非正規の職に就く」ことが非常に多いのではないかと考えられます。
臨時講師や非常勤講師は、その任用期間を過ぎた後の雇用は保障されていません。また、年度途中での任用も考えられるため、それまでの間に別の仕事をすることを躊躇することになります。したがいまして、「時間勤務(パート、アルバイト等)の仕事をしており、今後も同様の働き方を模索している方」「一般的に考えて賃金が発生する仕事をしていない方」「すでに退職した方」がこのイベントの対象になるのではないでしょうか。
記事の中で学生時代に予備校講師を務めた方が、「契約が1年ごとで、満了後の身分保障がないのが不安。もう少し考えてみたい、と慎重な姿勢を見せた 」のは極めて自然な考えで、非常に妥当な姿勢だと思います。