木野山櫻

観光客誘致案

山陽新報 昭和十年十一月十六日(土曜日)

十勝投票を機に

觀光客誘致

玉島商工會の馬力

準備協議會開かる

玉島町商工會では十三日午後七時から安藤商工會長宅に觀光客誘致に關する具體案並に年末大賣出し計畫準備等について協議會を開いたが本社主催の縣下十勝十五景投票を契機として伸び行く玉島に景勝を誇る円通寺、養父ケ鼻、木の山櫻などを利用し、これ等に各種の施設を施し一層觀光客誘致に努め町發展に盡さんとする計畫で名勝案内所、宣傳、ポスター、繪はがきその他で直ちに實施することゝなつた、尚本年の年末大賣出しは特に斬新な方法によつて顧客の滿足を得ようといふ興味ある催しでこれ等については目下幹部が立案中である

浅口郡内の準備状況

山陽新報 昭和十一年四月八日(水曜日)

櫻の花時近く

淺口の十五景廿秀地

それぞれ觀光誘致準備を進む

本社の選奬による淺口郡内の縣下十五景地でもある円通寺(玉島)寶島寺(連島)はいづれも保勝會で當選記念碑の建設を計畫され近くその運びとなる模樣である、遙照山(金光)も亦靈顯あらたかな古刹、山上の藥師院改築中であるが近日竣工の豫定で上棟式を盛大に行ふためそれぞれ準備してゐるが、これを契機に一大遊園を設け本社選奬の名に恥ぢない名勝地となすべく關係者間では寄々具體的協議を進めてゐる、又二十秀地として入選した玉島町木野山櫻は著しく精彩を加へ櫻の名所として躍進すべく境内の擴張、櫻樹の増殖も行ひ目下保勝會世話係は觀櫻客誘致に電燈の施設、雪洞の配置、その他着々と準備を進め、新しいスタンプは同町大島幹造、武林一義氏の考案寄贈があり本年は一層光彩を増すと共に開花期となれば多數の觀櫻客が晝夜に亘り盛況を極めることと今から豫想されてゐるが今春は豫期せない天候異變に惱まされ例年よりは開花が幾分遅れ氣味であつたが昨今の暖氣に蕾もおいおい紅をさし十二、三日頃からは賑いかけることであらう、なほ新調のスタンプは遠望に水島灘を置き櫻花の下に玉島町海産物を配列したものである

桜の状況

山陽新報 昭和十一年四月二十日(月曜日)

木の山の櫻

美觀を誇る

本社推奬二十秀地木ノ山神社の櫻は一町に餘る廣々とした境内に吉野、八重、彼岸などの各種類取りまぜて數百本重疊して咲き開き頂上からは讚豫の連山を一眺に集め得て朗媚の風光に昨今觀櫻客は晝となく夜となく殺到し盛況を呈してゐる

櫻花愈撩亂

【下】縣下二十秀地木の山の櫻