通仙園

撮影会予定

山陽新報 昭和十年十一月九日(土曜日)

各觀光地の

撮影競技會

全面的宣傳を目標に

倉敷地方觀光協會の新計畫

倉敷地方觀光協會内にある酒津水門、福山城址、寶貴山(安養寺)、柳井原遊水池、連島寶島寺、本莊村通仙園(兒島)などは本社の新選名勝投票に大活躍をなし、觀光時代の活溌な動きを反映したが、同觀光協會では更に明春の觀光シーズンに備へて全面的に區域内の宣傳紹介に力瘤を入れるべく近々評議員會を開くことになつた、打合事項は多方面に上つてゐるが、その中で注目されるものは撮影競技會で、右は本社倉敷支局が今夏主催した備南風景と産業寫眞競技會に、交通、季節等の都合で撮影洩れとなつた箇所を主として舞臺に入れ、懸賞つきで競技を行はうとするもので詳細は評議員會で確定する筈である

観梅ハイキング(案内)

山陽新報 昭和十一年三月二日(月曜日)

本莊村へ(兒島郡)

探梅ハイキング

本社支局後援 眞盛りの日曜日

海景公園通仙園の所在地兒島郡本莊村は昔から梅の名所として知られてゐる、次ぎの日曜日の八日頃が眞っ盛りといふので倉敷スキー山岳クラブでは本社倉敷支局後援で本莊村を目標に觀梅ハイキングを決行することになり一日には淺野、木村兩幹事がコースの下檢分に出かけ本莊村役場の土井觀光主任らと打合せるところがあつた、倉敷を起點として下津井に結んだ新縣道西兒島海岸線をとり入れたハイキングコースはこの催しが草分けであつて、全線處女地を行く新鮮さを滿喫することができる

行程は八日午前九時倉敷市榮町山陽新報社支局前を貸切大型自動車で出發、九時三十分兒島郡呼松港着、水島灣海岸縣道を徒歩一里本莊村宇頭間着十時二十分(觀梅)、十一時出發徒歩二十町通仙園着十一時半(晝食、史蹟講演、寶探し等)午後一時二十分出發赤崎町龍王山登山(内海展望)午後三時迄に味野町驛に到着、下津井鐵道にて茶屋町に出で省營バスで午後四時五十分倉敷驛歸着解散―▲會費一圓子供五十錢(自動車及汽車賃に充當)辨當一回分持參、湯茶の用意あり▲申込み三月五日までに倉敷市元町ミキヤ運動具店内倉敷スキー山岳倶樂部

梅は本莊村宇頭間(元太城趾附近)が本場であるが、通仙園は本社の新選名勝投票二十秀に据つた國立公園水島灘に面した明粧地であり、源平水島合戰の有力な史蹟である、龍王山は南兒隨一の高臺で鷲羽山などを膝下に内海一帶の展望をほしいまゝにすることが出來る

観梅ハイキング(報告)

山陽新報 昭和十一年三月十日(火曜日)

清香を趁うて

處女コース

颯爽の一行三十餘名

本社後援觀梅ハイキング

倉敷スキー山岳クラブ主催、本社倉敷支局後援の觀梅ハイキングは八日の日曜日に兒島郡本莊村へ向けて決行した、朝から吹雪模樣の悪天候に沮まれて、申込みの人員は半減したが、それでも婦人數名を交へて一行三十餘名午前九時に本社倉敷支局前を大型自動車で出發、兒島郡呼松港に出で新縣道水島灘海岸線の明色を雪の中に賞揚しながら本莊村に入り元太城趾附近宇頭間の梅の名所に到着した時にはすつかり大雪となつたが、區長さんの案内で山畑の斜面や元太城趾に至る一帶數百本の梅林を隈なく探勝、七分通り開いた梅花の清々しい香りに早春の歡びを滿喫した、ついで傳説の地金濱に出で中田呼松郵便局長の好意で同氏の別邸に休憩、茶菓の接待を受けなから晝食、こゝも亦紅梅白梅の庭園である、正午過ぎ海景公園として初登場した通仙園に到着、郷社本莊八幡宮で本莊村役場から湯茶の饗應を受け、水島合戰の史蹟通仙園の突端で寶探しに興じたり、同村觀光主任土井氏の史蹟名勝講演を聞かせてもらつたり、約二時間をこゝに過ごして出發、大部分は本莊村通生の行場湯ヶ山から赤崎町の龍王山に登山、南兒隨一の高臺から内海四國の眺望を極め、一部は山麓を赤崎町菰池に出て善光寺別院に參詣、味野驛に落ち合ひ、豫定のコースを殘さず踏破し處女コースの開拓に万丈の氣を吐きつゝ下津井鐵道により茶屋町に出で省營バスで午後五時二十分歸倉、解散した(寫眞は中田別邸に休憩した一行)

ツツジの開花予定

山陽新報 昭和十一年四月二十日(月曜日)

躑躅の名所

通仙園

岡山縣廿秀地

滿開は五月一日頃

岡山縣兒島郡本莊村通仙園は秀麗な水島灘の煙霞を臨む景勝地でつゝじの名所としても既に著名であるが、本社選奬二十秀地に選ばれたのでこれが宣揚計畫をたて、村當局が中心となり非常な乘氣を見せてゐるが、今年は五月一日ごろがつゝじの滿開期となる模樣なので、そのごろまでに附近一帶の美化工作を行ひ滿開期には文字通り全山つゝじの絢爛圖を展げることになつてゐる、これと同時に行樂客を誘致するため新に風景スタンプも作製する計畫である

つつじが見頃

山陽新報 昭和十一年四月二十七日(月曜日)

通仙園

のつゝじ

縣下二十秀地の一たる本莊村通仙園では昨今數千本のつゝじが昨今見事に咲き揃つて妍を競ひ新緑の山膚を淡紅の一色に深め美觀を呈してゐる、村當局では行樂客を誘致するため山麓より頂上に至る遊覽道路の改修、展望台の設置など明粧施設を終り、二十七日は同所で觀躑躅宴を開くことになつてゐる

観光スタンプの作成

山陽新報 昭和十一年五月五日(火曜日)

通仙園に觀

光スタンプ

本社推奬縣下二十秀地の兒島郡本莊村通仙園の宣傳に乘出した同村當局では今回風景スタンプを作成これを本莊八幡宮社務所に備へ付け四時訪れる行樂客の捺印を歡迎することになつた、スタンプの圖案は八幡宮の鳥居を中央に社殿名物のつゝじを配し翠島を浮べた水島灘などを描いてゐる(寫眞は同スタンプ)