高松稻荷山

保勝会の設立(予定)

山陽新報 昭和十一年五月十日(日曜日)

稻荷山に觀光協會近く發會式を擧行に決定

備中稻荷山の靈地保勝と觀光客誘致施設の目的で客月二十四日ケーブル山頂に座談會を開いたが右決議に基き事業着手の第一歩として八日夜稻荷山谷屋旅館に同地宿屋料理店組合全員を集め

大森高松町長、西田總社署長、稻荷山代表菱川同山■長、ケーブル代表田中觀光主任、秋山町議、矢尾本社員等各委員相談役ら出席

大森町長座長として座談會決議事項を委曲報告稻荷山保勝會設立の可否を諮り滿場一致設立を決定、その目的たる

(一)靈地の尊嚴を維持し大衆信徒に對し益々崇高の念を集中に努むること(ニ)觀光遊覽客誘致する爲同山關係各交通機關會社と常に聯絡を執り特に團體客吸収に努むること(三)接客法の根本改善(四)土産品の研究及賣店の改善(五)奥の院の施設を助長せしむること、其他必要と認むる事項

につき各自意見の交換を行うた結果山上産物組合其他同山民打つて一丸とし該保勝會員となるは勿論全町に會員を募集することに決定、本月中に同山居住民及全町各代表者を擧げ稻荷山公會堂に會合規約の制定委員の選擧を行ひ發會式を擧行することゝなり同夜深更散會した、因に期日は大森、西田兩氏に一任した