2014/11/14 Class 6
投稿日: 2014/11/14 7:26:27
記録
[11/13, 1530-1700. 学生 Um がオフィスアワーに来訪.欠席分ほかいろいろ]
渡辺3章106-113頁.1106 まで
渡辺3章114-119頁.1117 まで
渡辺4章122-127頁.1137 まで
渡辺4章128-133頁.1155 まで
中間試験 1. 最後の人が提出したのが1210
7名出席
アナウンスメント
Take-home makeup も in-class exam もすでに Moodle にアップロードしてある.makeup を提出する場合は次回の授業開始時までによろしく.オフィスのドアの横のポストに入れてくれてもいい.(事情があって遅れる場合は連絡のこと.)
[追記] 提出期限は11月21日の授業開始時.ただし当日オフィスアワーで makeup について質問したければ授業前後に申し出て欲しい.答案の書き直しと提出期限の数時間の延期を認めることがある.
In-class exam で合格点を獲得した人の makeup 答案は採点しないつもり.どうしても確認したい疑問がある人は講師に直接質問したほうがよい.
すでに take-home makeup できっちり試験準備をした人にとっては,それを答案としてまとめて提出するコストは微々たるものだろう.そのコストがゼロだとすると,提出する戦略は提出しない戦略を「弱支配」している (普通の言い方をすれば「提出することで損はしない」) ことに注意.すでに in-class で合格している場合は提出しても提出しなくても結果に影響はなく,in-class で不合格の場合は提出することで合格の可能性が出て来る.ただし makeup の合格基準は厳しいので,満点に近い点数でないと合格点には達しない.
第1回中間試験 (in-class) の結果は以下のとおり:
受験者は 7 名.
答案は次回返却する.三原の採点では,チェックマーク (√) は正解で,丸はまちがいや問題点を意味するので注意.
素点11点満点から零基準点3点を差し引いた値である8点を配点とした.答案右肩に例えば「10-3=7」などと記入しているのは,「素点-零基準点=最終評価でカウントする点数」の意.この「最終評価でカウントする点数」が4点以上ならば合格にした.(合格点4点は素点に直すと7点であり,満点の約64パーセントにあたる.)
得点分布は以下の通りで,平均6.14点中央値7点.合格6名不合格1名:
8, 8
7, 7
6
4
3
以下に誤りの例をいくつか挙げる.Makeup 提出時や期末受験時には気をつけること:
問題1 (i) 問題文中にない文字 t2, t3 を使っている.
問題1 (ii.2) 意味をなさない式; 左辺が u1 で 右辺が u2 になっている; 不等号を等式なしの > にしている; for all s1 ∈ S1 とすべきところを for all t1 ∈ S1 (t1 が特定の戦略であることに反する) とか for all t1 ∈ T1 ( T1 という集合は与えられていない) としている.
問題 2 (iii) ある戦略 s が他の戦略 s' を支配すると答えておきながら,s は s' を弱支配しないと答えている.支配は必ず弱支配になっているのに.
問題 2 (iv) 「戦略の組」を「戦略」と呼んでしまっている.ナッシュ均衡になっていない戦略組を答えている.
中間試験の答案は学期後成績が確定するまでは保管しておくこと.
授業の内容への補足
「ゲーム理論: 授業内容補足」の第3章と第4章の該当部分をチェックすること.
(蛇足) 113--114頁.セカンドプライスオークションとその応用については三原によるエッセイ「情報を引き出すことと得たい結果を計算すること: ゲーム理論と社会選択理論から」(リンク) でも取り上げている.お金の受け渡しをすることなく,いちばん高い評価額の者にモノを渡す方法などを議論している.よかったら読んでみて欲しい.
第4章に登場した社会選択理論は三原麗珠の専門でもある.
[「授業内容補足」から] こちらの社会選択理論 10 分間コースでは,本日やった投票のパラドックス (コンドルセのパラドックス) にもかかわる根本的な定理 (アローの不可能性定理) を紹介している.
[追記] 社会選択理論の多少本格的な科目としては,昨年度三原が筑波大学大学院で開講した集中講義「社会選択理論の基礎」を挙げておく.希望者がいれば香川大学でも関連科目を開講してもいいのだけど,だれも開講してくれと言ってくれない (笑).
[蛇足] ところで18世紀のコンドルセとボルダ,20世紀真ん中のアローという偉大な投票理論家の次に続くのはだれか? こちらのページのどうでもいい「記録」 その 2 にその答えが.;-)
スタンフォード大学の優秀なゲーム理論家が一般向けに提供するゲーム理論入門コースのビデオを集積したサイトでは,10分ていどに区切った講義ビデオが入手できる.この科目と同じような内容をより数学的にあつかっている.たとえば部分ゲーム完全均衡を扱った本日の講義に関連が深いのは Game Theory I - Week 4 あたり.
より初歩的な講義ビデオとしては,たまたま見つけた囚人のジレンマ解説ビデオなんかもある.簡単なことを長々と解説していて退屈かもしれないが,英語の勉強にはなるかも.
シラバスの「読みもの」で挙げた伊藤秀史が「ミクロ経済学と合理的選択 (裏題名:『読むエコ』の読み方)」という経済学の学び方についてのエッセイを書いている.決定版ともいえる神取『ミクロ経済学の力』以外のテキストが挙げられているので,こんご経済学を学ぶ学生は参考にするといいだろう.
課題および次回の予定
取り組むべき課題,読むべき文献,次回の予定については,シラバスの「授業計画」を参照.特に課題を見落とさないように注意.
次回 Class 7 では,武藤 III 章71-93頁を1145までやり (武藤『ゲーム理論入門』も持参のこと),中間試験2に直結する「問題解説2」のうち補助教材演習5.1をやる予定.