1.SIMILE 直喩
あるものを他の本質的に異なったもので直接比較する
「・・・に似た」「・・・のような」「そのように」など
例 詩篇 1:3“その人は、水路のそばに植わった木のようだ。”
2.METAPHOR 隠喩・暗喩
あるものが他のものによって表現される比喩。
例 マタイ 5:14 “あなたがたは、世の光です。”
3.パラドックス・逆説
論理的な考え方に反する矛盾したような陳述。
例 マタイ 16:25“いのちを救おうと思う者はそれを失い、わたしのためにいのちを失う者は、それを見いだすのです。”
4.HYPERBOLE 誇張
大げさに表現。惑わそうとするからではなく、誇張し、印象を強めるため。
例 ガラテヤ 4:15“・・・もしできれば自分の目をえぐりだしてわたしに与えたい”
5.RHETORICAL QUESTIONS 修辞的疑問
質問形だが答えを必要としているのではない。受け手が事の成り行き、その結果等を考慮するようにしむける。
例 コリント1 1:13“キリストが分割されたのですか。”
6. IRONY 反語・風刺・皮肉
言われていることと違ったこと、または正反対のことを意味する表現法。ユーモア・皮肉の効果をねらう。
例 コリント1 4:8“あなたがたは、もう満ち足りています。もう豊かになっています。私たち抜きで、王さまになっています。いっそのこと、あなたがたがほんとうの王さまになっていたらよかったのです。
そうすれば、私たちも、あなたがたといっしょに王になれたでしょうに。”
7.ANALOGY 類似
異なったものにある、多数の類似性を示す完全比較。
例 ヨハネ 15:1-9“ぶどうの木とその枝”
8.PERSONIFICATION 擬人法
生命のないものや、動物を人間の性質をもって表現する。
例 イザヤ 24:23“月ははずかしめを受け、日も恥を見る。”
9.EUPHEMISM 婉曲
遠まわしに鋭くならないように表現する。
例 創世記4:1“人は、その妻エバを知った。”
10. アポストロフィー・頓呼法
物に対して人格があるように呼びかけたり、その場にいない人や架空の人物に対して、あたかもその場にいるかのように呼びかける。
例 コリント1 15:55“死よ。おまえの勝利はどこにあるのか。死よ。おまえのとげはどこにあるのか。”
11.イディオム・熟語・慣用句
特定の人にしか意味をなさない特有の表現。
例 士師 15:1“…サムソンは…「私の妻の部屋にはいりたい。」と言ったが…”
12.ANTHROPOMORPHISM 神人同形同性質表現法
人間の形態や行動の属性を神にあてはめて表現する。
例 イザヤ 59:1“見よ。主の手が短くて救えないのではない。その耳が遠くて、聞こえないのではない。”
13.LITOTES 緩叙法
控えめに表現する。「誇張」に対する表現方法で「反語」としてよく用いられる。
例 使徒 15:2“…少なからぬ紛糾…”(口語訳)
14.METONYMY 換喩・転喩
ある言葉に置き換えて他のことを表現する。
例 ローマ 3:30“割礼のある者”とは“ユダヤ人”のこと。
15.SYNECDOCHE 提喩
あるものの一部分を述べることによって全体を意味させる表現。
例 ガラテヤ 1:16“…血肉に相談もせず…” (口語訳)
象徴的表現法
TYPES 型・象徴
ある事やこれから出現する人物の予表、ひな型。
旧約時代の人物やでき事はしばしば、新約時代の人物やでき事のひな型です。
例 コリント1 5:7 過越しはキリストのあがないの影。
SYMBOLS シンボル
これは、通常の意味に霊的な意味合いをもたせるものではありません。目に見えない概念をイメージ化し、視覚としてとらえるのです。シンボルの意味を解くことに私的な解釈をほどこしたり、こじつけたりしてはいけません。書き手の意図していることを、文化的背景、解説の原則、書全体に渡るメッセージによって見い出していかなければなりません。多くの場合、著者自身の具体的な定義を考慮に入れるべきです。
黙示録には、シンボルが多く出てきます。 例 1:12,20