早稲田大学 2006年 解説

まず、状況を図にしましょう。

次は解答例です。

解答例では「整理して」とあるだけですが、実際の計算は思ったより面倒かもしれません。

点Pの座標 p ,q について、PがC上の点であることから 

として使うのですが、このことに気がつくかどうかがキーポイントになります。

早稲田大学の実際の問題では、この式も示されて、右辺の係数をマークすることになっています。

ですからあまり頭を使うこともなく、計算だけの問題になってしまっています。

実は、Pの座標を(p,q)とせず、(4cosθ+5,4sinθ)とおけば、sinθとcosθの2乗和は1ですので、「気がつく」必要もなく計算できます。

さて、一般化しましょう。不動点が存在するための条件を求めます。

A,Bの位置関係だけが問題なので、Aを原点にしても一般性は失われません。また、Aを中心とする円の半径も1としてしまってもよいのですが、これは r にしておく方が計算結果からAとBの関係がよくわかってよいでしょう。

ここでも、Pの座標を ( r cosθ,r sinθ) とおくことができます。ただし、それほど計算が楽になるわけではありません。

「解の一方がpによらない定数となるための条件」が「ルートの中が完全平方式になること」は、早稲田大学の問題を実際に解いてみることによってわかるでしょう。いきなりこの問題を出されたらわからないかもしれません。

さて、このような問題は、作図ソフトが得意とするところです。円の描画は簡単で、点Bを動かしてみて試行錯誤することができます。計算結果を確かめるのにもよいです。Bが半径の中点のとき(Aの左でも右でも)確かに不動点になることが確かめられます。

アプレットがこちらにあります。

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