接線と弦のなす角(接弦定理)

「接線と弦のなす角は円周角に等しい」という性質は、以前は中学校で学んでいました。いまは高校の数学Aで学びます。また、以前は「接弦定理」と呼ばれていましたが、いまは教科書にはその用語はなく、「接線と弦のなす角」となっています。

この性質(定理)を使う上で問題なのは、「どちらの角かわからなくなる」ということでしょう。

次の図で、弧ABに対する円周角(青の角)と等しいのは、赤の角と緑の角のどちらですか。Aが接点です。

覚え方はいろいろあるのでしょうが、ここで、図形問題に取り組むときに大切な方法ー動的に考える(動かして考える)を勧めます。

点Cを円周上で動かしてみるのです。頭でイメージしてもよいし、図を描いてもよい。すると、弦ACが動くので、緑の角は変化します。点Cを動かしても円周角である青の角は変化しませんから、青の角と等しいのは動かない方の赤の角であることがわかります。

また、「動かしてみる」という方法は、この定理を証明するときにも有効です。

点Aを動かして、次の図のように、ACが直径になったとき、「直径のうえに立つ円周角は直角」「接線は半径と垂直」という性質を利用して証明ができるのです。

上の図をCinderellaで作図して動かしてみるとよいでしょう。上の図では角の印をつけたり色を変えてありますが、そこまでやらなくでも性質はわかります。

Cinderellaを持っていない人は、こちらにありますのでやってみましょう。

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