角の二等分線と辺の比

角の二等分線と辺の比についての性質は、図形の性質や辺の長さを調べるときに有力な手段です。非常によく使うのが内角の二等分線と辺の比、ときどき使うのが外角の二等分線と辺の比です。ここでは、これらの性質を「動かして」見ることによって、理解と記憶を助けます。

内角の二等分線と辺の比

三角形ABCにおいて、角Aの内角の二等分線とBCとの交点をDとすると、AB : AC = BD : DC が成り立ちます。

証明は、Cを通りDに平行な直線を引いて、相似三角形を作ります。

Cinderellaでの作図は次の順に行ないます。

(1) 直線ABを引きます。インスペクタを開いて、色を赤にします。

(2) 線分BC,CAを引いて三角形を作ります。

(3) 直線AB上に重ねて線分ABを作ります。青の線分が上書きされます。

(4) 角の二等分線ツールを選んでAの二等分線を作ります。

(5) 交点を加えるツールを使ってAの二等分線と線分BCの交点を作ります。名前は自動的にDになります。

(6) Cを通りADに平行な直線を引き、インスペクタで色を赤にします。

点Aをドラッグすると図形が変化しますが、AB : AC = BD : DC という関係が観察できるでしょう。

きちんと長さを表示したい場合はそれぞれの線分の長さを表示します。

外角の二等分線と辺の比

三角形ABCにおいて、角Aの外角の二等分線とBCの延長との交点をDとすると、AB : AC = BD : DC が成り立ちます。

証明は、Cを通りDに平行な直線を引いて、相似三角形を作ります。

作図は内角の場合と同様です。

ところで!

多くの人は、2つの定理を別々に覚えているのではないでしょうか。

しかし、この2つは別の定理ではありません。

「角の二等分線は、対辺を隣り合う2辺の比に分ける」

という一つの定理です。

「分ける」というところ、内角の二等分線なら内分、外角の二等分線なら外分です。

証明も、作図した通り、「二等分線の平行線を引く」ということで同じですね。

別々に覚えずに、まとめて覚えましょう。

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