楕円の七宝つなぎ
七宝つなぎで,円ではなく楕円にしたものです。
楕円の描き方はいろいろあります。Cinderellaでは,2つの焦点と通る点1つを指定して描きます。
このとき,楕円の縦横比が問題で,3:5のときは簡単に描けますが,それ以外の場合はちょっと面倒になります。
(1) 楕円の焦点と1点をとる
磁石ツールの「グリッドにスナップする」をクリックしたら,そのまま座標軸も表示しておきます。
原点が左寄りなので,平行移動ツール をクリックして画面上でドラッグし,原点を中央にもってくるとよいでしょう。
「点を加える」ツールで横軸の4,ー4,縦軸の3のところに点を取ります。
このAとBを楕円の焦点,Cを通る点とします。
(2) 楕円を描く
「焦点と通る点で決まる楕円」ツール を選択し,点A,B,Cの順にクリックすると楕円が描かれます。
このとき,楕円は横軸の5,ー5のところをちょうど通ります。
横の長さが10(長軸半径が5),縦の長さが6(短軸半径が3)と整数になるので,このあとが描きやすいのです。
(3) 複写する
動かすモードにします。いま,楕円がハイライトしています。もしハイライトが消えていたら,楕円をクリックします。
Ctrlキーを押しながら C のキーを軽くたたくと,この楕円を記憶することができます。(画面上は変化がありません)
次に,Ctrlキーを押しながら V のキーを軽くたたくと,記憶した楕円が貼り付けられます。
点C'をドラッグするとコピーした楕円を動かすことができるので,座標(5,6)に持っていきます。
編目の交点にスナップ(吸い付くようになる)する性質を利用してぴったり置きましょう。
もう一度,Ctrlキーを押しながら V のキーを軽くたたくと新しく貼り付けられるので移動します。
一度記憶した図は,次に Ctrl + C で別のものを覚えるまで記憶しています。(たまに消えてしまうこともあります)
こうして次々に貼り付けて配置していきます。
画面が狭くなったので,下の「画面を矩形領域に縮小」ツール をクリックし,画面上で適当に左上から右下にドラッグすると画面が縮小されます。
失敗したら,「取り消し」ツール で戻せます。
これでたくさん複写できるでしょう。
最後に,すべての点を選んでインスペクタで大きさを小さくし,ラベルを非表示にし,すべての2次曲線を選んで色を黒に変え,背景を白にすればできあがりです。
ラベルはコピーする前に非表示にしておいてもよいでしょう。
なお,このように,焦点が格子点にあって縦横比も整数の比になる場合は作図もしやすく,編目の交点(格子点)にスナップさせればぴったり配置できますが,縦横比が整数でない場合は焦点の位置が格子点にならないので作図が困難になります。
それでもやってみたい人のために,簡単にガイドしておきます。
焦点の位置は,(長軸半径の2乗)ー(短軸半径の2乗) の平方根で決まります。
たとえば長軸半径が3,短軸半径が2のときはルート5です。この位置は作図も可能ですが,面倒なので,ちょっとプログラムを書いて位置を決めることにします。
焦点の2つの点は適当なところにとり,通る点だけ,縦軸上の2の位置に置いておきます。
スクリプトメニューからCindyscriptを選び,表示されたスクリプトエディタのウィンドウの左側の Draw アイコンをクリックして,次のようにスクリプトを書きます。
A ピリオド xy イコール 鍵括弧 sqrt 丸括弧 5 閉じ括弧 コンマ 0 閉じ鍵括弧 セミコロン 改行(Enter) です。
Bも同様
A.xy は点Aの座標で,sqrt(5)がルート5です。
書いたら,Shift + Enter (Shift キーを押しながら Enter キーを軽く打つ)でこのスクリプトが実行できます。
すると,A,Bが焦点の位置に置かれます。
このあと,すべてを選択して Ctrl + C と Ctrl + V でコピーするところからは前と同じです。