斜方投射
1.斜方投射
物体を速さvで、水平面となす角がθであるように斜めに投げ上げたときの物体の軌道を表す方程式を求め、Cinderella.2で表示します。
まずは、CindyLabで作った斜方投射のシミュレーションを見てみましょう。
この運動で、物体の速度は水平方向と垂直方向に分けて考えることができます。
斜めに投げ上げたときの速さをv m/s、vを水平方向に分解したものを vx 垂直方向に分解したものをvyとします。水平方向には力が加わらないので一定の速度で動きます。垂直方向には重力が働き、その分下方への加速度となって −gt が加わります。ここで、gは重力加速度という定数で、地球上ではおよそ9.8 m/ss です。
投げ上げてからt秒後の位置は、水平方向には一定の速度で動きますが、垂直方向の速度は時間tの関数となっているためつぎのようになります。
このように、x と y が別の変数 t で表されるとき、これを媒介変数表示といい、 t を媒介変数といいます。ここでは、媒介変数は時間 t ということになります。
では、これをCinderella.2で表示しましょう。
「スクリプト」メニューから「CindyScript」を選んで、スクリプトエディタを表示します。左側の「Draw」スロットをクリックしてスクリプトを書きます。スクリプトは、vとθに適当な値を代入して、Plot関数を使って表示するものです。媒介変数表示のときの書きかたは
Plot([xの式,yの式])
Plot関数を使うとき、変数は、Cinderella.2の内部変数#を使うのが普通ですが、tにしても大丈夫。したがって、次のようなスクリプトを書いて実行ボタン(歯車アイコン)を押すか、Shift+Enter キーを押せば実行されます。このとき、描画面の下のメニューにある磁石アイコンをクリックしておくと、軸と方眼も表示されます。
ここで、スクリプトを書くときの注意をいくつかしておきます。
・各行の末尾にセミコロン ; を書く。これがないと正しく動作しない。
・コマンド・関数はすべて小文字
Mathematicaでは ParametricPlot と単語の先頭を大文字にしなければならないが、CindyScriptではすべて小文字だ。
・円周率は pi (小文字)
・θは漢字入力で「しーた」を変換すれば出てくる。
・Plot関数は()で囲み、()の中には、[ ] を使う。Mathematicaでの括弧の使い方とは違う。
・tの定義域を指定しなければ、0以上の定義域が自動的にとられる。定義域を明示したいときはつぎのようにする。
0 ≦ t ≦ 2 であれば、plot([v*cos(θ)*t,v*sin(θ)*t-1/2*g*t^2],start->0,stop->2); とする。
これで、vとθを適当に書き換えて実行すれば、いろいろな初速度と角度での放物線の変化を見ることができます。
物体としてボールを使い、画面上で初速度をインタラクティブに変更できるようにしたものがこちらにあります。
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