ベクトル

高校生はベクトルが苦手なようです。理由はいくつかあるでしょうが、理解するためのポイントをしっかり抑えるのが大切です。それは

ベクトルには

図形的な意味と代数的な意味との2面性がある

ということです。

高校数学では、ベクトルの最初で

「ベクトルとは、向きと大きさをもったものである」

という定義を学びます。

しかし、これがなかなかのくせ者で、向きと大きさを矢線で表すので、「矢線がベクトル」と思い込んでしまうのですね。これがつまづきのもと。

しばらくして、「(a,b)をベクトルの成分表示」というあたりで混乱が生じます。

さらに、いまの教育課程ではなくなりましたが、行列に入って、行ベクトル、列ベクトルが出てくるとさっぱり意味がわからなくなります。

「矢線がベクトル」と思い込まないのが大切なのです。

成分表示がでてきたところで、「(a,b)で原点からの距離(大きさ)と向きが決定できるのだから、『ベクトルとは、向きと大きさをもったものである』という定義と別に矛盾は生じない」と思える人はそれほど苦労しないでしょう。たぶん、「位置ベクトル」になっても大丈夫です。

さて、高校数学でのベクトルの節の難関は、「ベクトルの終点の存在範囲」と「ベクトル方程式」でしょう。

これらは、ベクトルを動かして考えることができるようになると理解が進みます。Cinderellaでインタラクティブにベクトルを動かしてみましょう。

(1) ベクトルの終点の存在範囲

(2) 直線のベクトル方程式

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