サイクロイド曲線

直線上をすべることなく転がっていく円周上の定点が描く軌跡(サイクロイド曲線)の方程式を求めましょう。

転がる円の半径を r , 中心を C , 定点をP , 円とx軸との接点をQとします。最初に、円の中心は ( 0 , r )にあり、x軸の正の方向に転がっていくものとします。

また、 着目している定点Pは最初は原点にあるものとします。

次の図は、r=3で、1.25πだけ回転したときの図です。

回転角に対応する弧が赤で、その弧の長さだけ進んだ距離がx軸上に赤で表示されています。この図からPの座標を計算します。

まず、円の中心Cの座標を求めます。

赤いラインの長さは rθ ですから、Cのx座標は rθ , y座標は半径と同じ r です。

次に、円Cで考えて、Pの位置を計算します。これを「Cの座標系で考える」ということにします。ここが大切なところです。高校数学の参考書ではベクトルを使っているものもありますが、ここではベクトルは使いません。むしろ、この「Cの座標系で考える」ことができるかどうかが鍵です。

転がる円の中心を原点として次のような直交座標を考えます。

この座標系で考えると、点Pは座標(0, -r ) すなわち 角3/2πのところから、時計回りに回って現在のPの位置に来たことになります。(赤いラインです) 時計回りは負の角なので、Pの位置は 3/2π-r の角の位置であると考えられます。このとき、三角関数の加法定理を使って、次のように計算します。

これが、Cを原点としたときのPの位置です。

ところで、もとの座標系では、点Cの座標は

x=rθ , y= r 

でした。ですから、Pの座標は次のようになります。

θをtの関数とすると θ=ωt ですが、ω=1  ということにして

3=4; 

plot([r*(t-sin(t)),r*(1-cos(t))]);

とスクリプトを書けばサイクロイドが描けることになります。

インタラクティブに動かすことのできるものがこちらにあります。点Pの動きを確かめながら、方程式を求める手順を確認しましょう。

<「媒介変数と曲線」Indexに戻る