フィボナッチ数列と黄金比

フィボナッチ数列とは

次の漸化式で与えられる数列をフィボナッチ数列といいます。Web上を探せばいたるところに出ているでしょう。

 

具体的に書いていくと

0 , 1, 1 , 2 , 3, 5 , 8 , 11 , 19 , ・・・

となります。

これを図形的に表現してみましょう。第2項から始めます。次のように、正方形をつなげていくのです。

実際に動かしてみることのできるものがこちらにあります。

フィボナッチ数列が興味深いのは、黄金比との関わりでしょう。そして、自然界にフィボナッチ数列・黄金比と関わりのある事象がたくさんあるということです。

フィボナッチ数列の隣り合う2項の比は、

に近づいていきます。これを黄金比といいます。

その様子を見るつぎのようなツールがあります。

さて、この値は、フィボナッチ数列の一般項の中にも現れます。

3項間漸化式は、2次の特性方程式を解くことにより一般項を求めることができます。(大学入試問題レベルの計算です)

ここで出てきた特性方程式の2次方程式はいろいろな場面で出てきます。そして、その解が黄金比です。

相似長方形の辺の長さ

ある長方形の短辺を1辺とする正方形を切り取った残りの長方形ともとの長方形が相似である長方形があります。

残りの長方形は、やはり「短辺を1辺とする正方形を切り取った残りの長方形ともとの長方形が相似」となります。

この長方形の2辺の比を計算しましょう。

短辺を1,長辺をxとすると、正方形を切り取ってできる残りの長方形の短辺はx-1,長辺は1ですので、相似であることから

1 : x = (1-x) : 1 

となり、内項の積=外項の積 で得られる2次方程式が、

 

となります。これは、先ほど登場したフィボナッチ数列の特性方程式と同じです。

つまり、この長方形の2辺の比は黄金比になるのです。

この長方形は、縦横のバランスが美しい、ということで、絵画の額などに使われています。

この「短辺を1辺とする正方形を切り取った残りの長方形ともとの長方形が相似」を続けて行く様子を見るツールがあります。

正五角形と黄金比

正五角形の辺と対角線の比が黄金比です。

ACをxとし、BC=1 として、xを計算します。△ABCと△BCDが相似で、AD=BD=BCですので、相似比から

 

が導かれます。

植物とフィボナッチ数列

植物の成長にフィボナッチ数列が現れます。はなびらの数や、葉のつき方などです。

「Pukiwiki版科学的逍遥」の「研究室/フィボナッチ数と植物」というページに詳しく載っています。

葉のつき方(葉序)をCinderellaでシミュレートしたものがあります。次のようなものです。

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