三角関数のグラフ:基本

「関数f(x)のグラフ」とは、y=f(x) のときに、xの値と対応するyの値を座標とする点の集合:点でできる図形です。しかし、三角関数の場合には、「集合」というより、xの値(角)が変化するときに、対応して変化するyの値をプロットしたもの、と考えるとよいでしょう。なぜなら、三角関数は、物体の運動を表すのによく使われるからです。(プロットとは、点を打って描く、という意味です。)

では、三角関数の定義に従ってグラフを考えてみましょう。半径rの円において、x軸の正の部分を始線とし、動径OPが表す角をθとます。このとき、次のようにsinθ,cosθ,tanθを定義します。

円の半径が1の場合(単位円)sinθ=y , cosθ=x となります。普通はこちらで考えることが多いでしょう。

さて、ここで、2つの用語「始線」と「動径」に着目しましょう。「始線」は始まりの線、「動径」は動く半径です。つまり、点Pは「動く」のです。動いてできる角がθということになります。

さらに、この角を弧度法で測ることにし、点Pは円周上を時計回りにも反時計回りにも回れることにします。Pが動いてできる角がθですが、Pの動く向きは時計回りと反時計回りの2通りがあるので、反時計回りを正の角、時計回りを負の角とします。また、Pは円周上を何周でも回ることができます。反時計回りに1周で2π(弧度法)、さらに回れば、2πより大きな角になります。弧度法の単位はradianですが、通常、この単位は略します。

以上のことに基づいて、sinθ のグラフを描きましょう。

次の図を見てください。グラフの横軸がθ、縦軸がyです。左の円は単位円で、動径CPが動いてできる角がθです。

点Pは単位円周上を回っています。今、3分の2πほど回ったところです。単位円なので、Pのy座標がsinθの値です。図では横軸からPまでの高さとなります。点Qはθ座標が角で、座標がPと同じ、すなわちsinθの値となる点です。したがって点Qの動いた跡が y=sinθ のグラフということになります。

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