正葉曲線を動的に描く

極方程式 r=sin(nθ) で正葉曲線が描かれる様子を動的に表示します。ただ点を動かしていくだけでなく、そもそも sin(nθ) の値がどんな動きをするのかを、おなじみの直交座標でも見てみましょう。そうすることにより、「なぜ n が偶数のときは2n枚、奇数のときはn枚なのか」もわかりますし、さらに新しい疑問も生じるでしょう。たとえば、「sin(nθ)+m と、定数を足すとどうなるだろうか」などです。それがわかると、さらに新たな疑問も出てくるでしょう。これが面白いところです。

さて、ここで重要なことを確認しておきます。

極座標系では、点の位置を極からの距離rと、始線からの回転角θで表します。rは距離ですから正の実数です。しかし、極方程式で曲線を描くときは、rが負の場合も認めるということです。rが負の場合は数直線と同様、負の向きに、すなわち、弧度法で θーπ の向きに点を取るということです。

このことを確認した上で、r=sin2θを考えてみましょう。

直交座標系での y=sin2θ のグラフは次のようになります。(0から2πまで)

r の値の動きは、0→1→0→−1→0 を2回繰り返します。0→1→0で葉が1枚描かれます。では次の、0→−1→0ではどうなるのでしょうか。

だいたい予想はつくと思いますが、実際に動かした途中図を示します。

rが負の場合もしっかり描かれていることがわかりますね。

では、nが奇数の場合はどうか、r=sin(3θ)で確認してみましょう。

πまでに描いたものを次の2πまでにもう一度描いていることがわかります。3θで葉は3枚ですが、1枚の葉を2回描いていたのですね。

r=sin(nθ)+m が描く図形

r が負の場合も図が描かれることがわかりました。では、r が負にならないような方程式ならどうなるでしょう。−1≦ sin(nθ) ≦ 1 ですから

r=sin(nθ)+1 とすれば、rは負になりません。まず、直交座標系で y=sin(2θ)+1 のグラフを描き、その値の動きから、極方程式 r=sin(2θ)+1 が描く図形を想像してみましょう。

まず、θ=0のとき、r=1 ですので、出発点は極座標の ( 1 , 0 ) です。θ=3/4π のときr=0になりますので、ここまでで葉が1枚描かれるはずですが・・

いや、1枚にはなりませんね。出発点が ( 1  , 0 ) ですので閉じた図になりません。では、次のπまでの間に描かれるのでしょうか。

いや、r > 0 ですから( 1 , 0 )の方には戻りません。となると?

正解図はこちらにあります

ここまでわかると、一般に r=sin(nθ)+m がどのような図形を描くかも想像できるようになるでしょう。

では、nを分数にしたら?

想像するだけでなく、それを確かめるためにツールを作りましょう。点を動かしながら図形を描いていくために、コンピュータの内部時計を利用して点を動かしていくというスクリプトを書きます。それにはまた説明が必要なので、こちらのページで説明をします。

次のようなツールをつくりました。