余弦定理と三平方の定理

余弦定理と、中学校3年生で学ぶ三平方の定理との関係を調べてみましょう。

まず、三平方の定理の図を書きますが、最初から直角三角形にしないで、適当な三角形に対して、各辺の上に立つ正方形を作図します。

次に、「多角形」ツールを使ってそれぞれの正方形を多角形とし、その面積を表示します。

インスペクタを使って色も変えておくとよいでしょう。

面積表示は |Poly0|=29.54 のように表示されているでしょう。値は図の大きさによって異なります。先ほど多角形を登録するときに、頂点を時計回りに一周すると面積は負になります。もし、負の値になっていたらやりなおしましょう。

これを、単に面積の数字だけにしましょう。「文字列を追加する」ツールを選んで、表示されている文字列をクリックすると編集可能になります。左辺を削除して、右辺の数字だけを表示します。

あとの2つの正方形についても同じように面積を表示しましょう。

さて、作図はできました。三平方の定理は△ABCが直角三角形の場合の定理なので、△ABCを直角三角形にしましょう。最初から垂線を立てて直角三角形、としなかったのは、直角三角形以外の場合も考えるためです。

画面下のツールバーから磁石アイコンの「グリッドにスナップする」ツールを選びます。座標軸と方眼が表示されるので、△ABCが直角三角形になるように、各頂点を格子点にもっていきます。値も整数となり、わかりやすくなりました。

次のようにしても直角三角形です。方眼を数えれば、三平方の定理を使わなくてもAが直角であることが言えます。

次の図は、一見△ABCが直角のように見えますが、よく見るとB,A,Fが一直線上にありません。

ですから鈍角三角形で、当然2つの正方形の面積の和ともう一つの正方形の面積は一致しません。

では、ここで、関数を定義するツールを用いて、次の式を計算します。

2*|A,B|*|A,C|*cos(arctan2(B.xy-A.xy)-arctan2(C.xy-A.xy))

式の意味を説明しましょう。

|A,B|は点Aと点Bの距離です。

|A,C|は点Aと点Cの距離です。

cos(・・) は、三角関数余弦の値です。

arctan2(B.xy-A.xy) はABがx軸となす角です。したがって、

arctan2(B.xy-A.xy)-arctan2(C.xy-A.xy) は∠BACになります。このとき、A,B,Cの位置関係によっては負の角になりますが、余弦の値を計算しますので構いません。

「一行のCindyScriptを入力」というウィンドウに入力して、計算ボタンを押します。

表示されている数を見比べてください。直角をはさむ2辺の長さの平方の和と斜辺の長さの平方の差になっています。

つまり、次の式が成り立っています。余弦定理の式ですね。

点Aを動かしてみると様子がよくわかります。

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