フィボナッチ数列

隣り合う2項の和が次の項である数列をフィボナッチ数列といいます。

「隣り合う2項」なのでまず2つの項がなければなりません。通常は0,1 とします。

すると,

0,1,1,2,3,5,8,・・・

となっていきます。

第n項をan とすると,

a1=0,a2=1,an+2=an+1+an

で定義されます。

(1) 特性方程式と漸化式

3項間の漸化式から一般項をnで表す方法は,高校数学の範囲です。

漸化式から特性方程式と呼ばれる2次方程式を作り,その2つの解を用いて,漸化式を2通りに変形しますと,それぞれが等比数列の形になって一般項がnで表されるのでした。

ではやってみましょう。

漸化式から x^2=x+1 とおくと,2つの解は 

です。そう,黄金数ですね。

このあとは次のように計算を進めます。

この一見複雑な式から整数列ができるのですね。

Cindyscriptを用いて確かめてみましょう。

スクリプトは

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phi1=(1+sqrt(5))/2;

phi2=(1-sqrt(5))/2;

f(n):=(phi1^(n-1)-phi2^(n-1))/sqrt(5);

repeat(20,t,

  print(f(t)+",");

)

-----------------------------------------------------------------------

初項から20項までを表示しています。実行画面は次の通り。

(2) 隣接2項の比

隣り合う2項の比 an+1/an とできる数列を作ります。初項0ははずして,1,2,3/2,5/3,・・・ となります。

この数列が収束するとしましょう。(収束することの証明はここではパスします)

すると,

となり,黄金数を求める方程式ができます。

つまり,収束する値は黄金数です。

ここで,上の計算に初項は登場しないので,an+2=an+1+an という漸化式が成り立てば,初項とは無関係に上の式は成り立つことになります。

(3) 自然界とフィボナッチ数列

ひまわりの花の並び方をはじめ,自然界のいろいろなところにフィボナッチ数列や黄金数が現れることはよく知られています。

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