第1回 平面幾何 線分の垂直二等分線

シンデレラの基本的な使い方を学ぶために、中学校の教科書にあるような作図をしてみましょう。

 

中学1年の平面幾何に線分の垂直二等分線がでてきます。そして、垂直二等分線の性質として、「垂直二等分線上の任意の点と、線分の両端との距離は常に等しい」ことが示されます。

では、まずこれをやってみましょう。Cinderella.2の作図機能を使って線分の垂直二等分線を引き、その上の点と線分の両端との点との距離を計測するのです。次の手順です。

(1) 「線分を追加する」ツールボタンを選んで(クリックし)、適当な場所に線分を引きます。まずどこかをクリックしてそのままドラッグしていけば線分が引かれますので、適当なところでマウスボタンを離します。

(2) 「中点を追加する」ツールボタンを選んで中点を取ります。線分の両端をドラッグで選ぶようにすれば中点をとることができます。

(3) 「垂線を追加する」ツールボタンを選んで中点から垂線を引きます。このツールは、ある点を通る垂線を引くもので、選ぶ順序は 直線->点 です。したがって、直線上の適当なところをクリックしてそのまま中点までドラッグしていけば垂直二等分線が引けます。

(3) 「点を加える」ツールボタンを選んで垂直二等分線上に点を取ります。このとき、ぴったり垂直二等分線上に点を取るために、Cinderellaに備わった便利な機構を使います。Cinderellaでは、新しい点や直線を描くとき、既に描かれた図形上に点を取ったり、既にある点を通るように直線や円を描くとき、その図形の近くからドラッグすると、その図形に吸い寄せられるようにぴったり合わせることができるという機構が備わっています。ですから、垂直二等分線の近くでクリックしたら、マウスボタンを離さないでそのまま垂直二等分線上にドラッグしていくのです。するとバチンと吸い寄せられるように点が直線上に乗ります。さらにこうして作った点は、常にその直線上にあるようにしながら動かすことができます。

(4) 「線分を追加する」ツールボタンを選んで、垂直二等分線上の点と線分の両端を結んだ線分を引きます。

(5) 「距離を測る」ツールボタンを使って2点間の距離を測ります。いま取った、垂直二等分線上の点と、線分の端の点をドラッグするようにして選択すると、物差しのガイドが出て、ぴったり両端を指定したところでマウスボタンを離すと、2点間の距離が表示されます。これを線分の両端について行ないます。

(6) 「要素を動かす」ツールボタンで、垂直二等分線上の点を動かしてみましょう。このツールボタンが選ばれている間は、任意の点をドラッグして動かすことができます。垂直二等分線上の点をドラッグして動かすと、それにつれて距離が表示されます。常に2つの距離が等しいことがわかるでしょう。

以上の手順をムービーにしてYouTubeに掲載しましたのでごらんください。

http://www.youtube.com/watch?v=c1Rv4agvkMA

さて、今の作図は、Cinderella.2の作図機能を用いました。紙の上に鉛筆で作図するときは定規とコンパスを使います。その時の手順は、上のものとはちがいますね。では、定規とコンパスを使うのと同じ手順で垂直二等分線を作図しましょう。違うところは、中点の取りかたです。(2)のところを次にように変更します。

(2') 「固定した半径の円を描く」ツールボタンを選びます。すると、半径を設定するためのウインドウが開きます。これを「インスペクタ」と呼んでいます。作図したもの(オブジェクトという)についてのいろいろな設定をするためのウィンドウです。ここの「半径」を設定します。4くらいが適当でしょう。半径に4を入力したら、線分の両端をクリックします。それぞれ円が描かれます。

つぎに、「2つの曲線の交点を求める」ツールボタンを選んで、2つの円の交点を求めます。このとき、いま描いたばかりの円が、光ったようになっているはずです。これは、その円が選択されていることを示します。ツールボタンを選んだら、もう一方の円をクリックします。すると2つの曲線が選択されたことになり、その交点ができます。できた交点は、光ったようになっている、つまり選択された状態になっています。

最後に、この2点を結ぶわけですが、このまま(2つの点が選択された状態になっているまま)、「直線を追加する」ツールボタンを選びます。すると、この2点を通る直線が光ります。

もし、ほかの動作をしてしまって、2点が選択された状態になっていなければ、「直線を追加する」ツールボタンを選んだ後、二つの点をドラッグして選択すれば直線が引かれます。

次ができ上がりの図です。