デカルトの三叉曲線 作図手順

Cinderellaでの作図手順を示します。ここでは、放物線を描くのに、作図ツールを使います。作図ツールでは、焦点と準線を指定して放物線を描くことができます。

まず、下のツールバーの磁石アイコンをクリックして、軸と方眼を表示しておきます。

はじめにy軸を描きます。「直線を加える」ツール(下図で濃い灰色に反転しているツールボタン)を選んで、y軸上の適当な2点をドラッグして直線を引きます。

固定した半径の円を描くツールボタンを選びます。(下図の濃い灰色に反転しているボタン)

インスペクタが開いて、半径を決めるように促されます。初期値は2です。2ならそのまま、それ以外の値でしたら2にします。

y軸としてとった直線上の適当なところ(とはいっても(0,2)がよいでしょう)をクリックしますと、その点を中心とした半径2の円が描かれます。

y軸のところの直線を引いた直後ですと、図のようにその直線がハイライトし、インスペクタには「識別名a」が書かれていますが構いません。そのままクリックすれば円が描かれます。

もうひとつ、固定した半径の円を描きます。こんどは半径を1にして、中心は先ほどと同じ点です。

これで同心円が描かれます。

固定した半径の円を描く理由を説明しておきましょう。デカルトの三叉曲線では、放物線の頂点から一定の距離にある軸上の点をとるのでした。Cinderellaで図形要素を動かしたとき、一定の距離を保ちながら2つの点が動くようにするには、その2点を半径の決まった円の直径の両端にするとよいのです。すると、円がひとつで済みそうですが、実は放物線を描くためには焦点と準線が必要で、これも連動して動く必要があります。そこで2つの円をとったのです。

では、同心円上に2点をとりましょう。「点を加える」ツールを使い、同心円の中心Cの下方にそれぞれ点を打ちます。次の図はひとつとったところです。

同心円上に点D,Eをとりました。

次に、準線を引きます。準線は、先ほどの同心円の外側の点Dを通り、y軸に垂直な直線です。「垂線を描く」ツールボタンを選び、y軸上の適当なところでクリックしてそのまま点Dまでドラッグします。クリックするとすぐに垂線が引かれるので、それが通る点をDにしてやる、という感じです。

これで焦点(C)と準線が引かれ、放物線を描く準備ができました。

ツールボタンから「焦点と準線で決まる放物線」を選びます。先ほどの作業の直後ならば、準線がハイライトしていますので選ばれた状態です。(もしそうでなければ準線をクリックして選びます)画面左下に「焦点を選んでください」とガイドが出ているので、焦点Cをクリックしますと、放物線が引かれます。

次に、定点をとります。「点を加える」ツールで、適当なところをクリックします。ただし、すでに書かれた図形上はだめです。

上の図では、Eが放物線の頂点、Cが焦点です。デカルトの三叉曲線では、頂点Oから一定の距離にある軸上の点は焦点とは限りません。しかし、ここでは焦点を兼用してしまいましょう。「直線を加える」ツールでFからCまでドラッグして直線を引きます。

放物線と直線の交点を求めます。「2つの曲線の交点を求める」ツールボタンをクリックすると、画面左下にガイドが出ます。「交点を求めたい図形を2つ選ぶ」となっていますが、ひとつはいま描いたばかりで選択状態になっていますので、あとは放物線を選べばよいのです。放物線上の適当なところでクリックします。

これで交点ができました。図は完成です。

ツールボタンの上段一番左の「要素を動かす」ツールを選び、点Cをドラッグしてみてください。2つの同心円が同時に動き、G,Hの位置が変化すれば成功です。

点Cをドラッグすれば、G,Hの動きが分かりますが、「軌跡」ツールを使って軌跡を表示しましょう。「軌跡」ツールを選ぶと、左下に「最初に動かす点を選んでください」というガイドが出ます。「動かす点」はCですので、Cをクリックします。

左下のガイドが「動かす道(直線)はすでに指定されています。軌跡を描く点を選んでください」に変わります。軌跡を描くのはGとHですが、Gをクリックしましょう。

すると、GとHの軌跡が赤で表示されます。Gだけ指定したのにHの軌跡も出るのは、GとHは「直線と放物線の交点」という同等な性質を持つ従属点だからです。

右側の軌跡がちょっと変ですが(点Fから左が直線になっている?)ま、よしとしましょう。(軌跡の方程式を求めて、CindyScriptで描いてみると、Fから左がずれていることがわかります)

直接軌跡の曲線を表示するのではなく、点をドラッグしたときに軌跡が「足跡」として残るようにすることもできます。インスペクタの「特別な表示の設定」ボタンを選び、「足跡を描く」をクリックしてチェックマークを入れます。すると、下図のように足跡が表示されます。

なお、下図では、インスペクタを用いて、点の名前をすべて変え、作図だけに使った同心円などは「表示しない」モードにしています。動かす点が分かりやすいようにその点だけ色も緑色に変えています。

Cinderellaの作図機能でここまでできます。

このあと、さらに方程式から軌跡を表示したり、点Aをドラッグする代わりにアニメーションで動くようにするには、CindyScriptでプログラミングをします。

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