第12回 2次曲線

x,y の2次の方程式で表される曲線を2次曲線といいます。典型的なものはつぎの3つです。

この3つは、円錐曲線とも呼ばれています。円錐を平面で切断したときの断面の形が、切断する向きによって放物線、楕円、双曲線のいずれかになるのです。

これらを一般的な式で表せば

となります。

上の式を y=f(x) の式で表そうとすると、放物線はできますが、楕円と双曲線は+と-に分けなくてはなりません。楕円の場合では

で、+の方が楕円の上半分、-の方が下半分を表します。y=f(x) の形の表現に対し、の形の方を陰関数といいます。

現在、高校数学で扱われるのはxyの項を含まないものです。

b=0 ならば放物線です。

a,bが同符号ならば楕円です。a=bならば円です。

a,bが異符号ならば双曲線です。

さて、Cinderella.2には、陰関数の形で表された式から図形を描く機能はありません。Mathematicaでも、第5版まではありましたが第6版では廃止されてしまいました。ですから、CindyScriptで円

をこのままの形で表示することはできないのです。

ではどうするのか。実は、これらの曲線はすべて媒介変数表示ができるのです。そして、その方が便利なのです。たとえば、円運動を扱う場合には、x=rcosθ, y=rsinθという媒介変数表示の方がいろいろな点で有利です。平面上の点の運動において、速度や加速度はベクトルで表されますので、x,yに分かれている方が便利だということです。

この回はひとまずここまでにしておきます。(あとから追記するかもしれませんが)

・xyの項があるとどうなるのか

・陰関数の表現と媒介変数表示とはどのようにすれば関連付けられるのか

については、他の回、たとえば「行列と変換」などの回で関連した内容が出てくるでしょう。また、宿題としてもよいかもしれません。文献を当たってみましょう。