方程式 x²-x-1=0 の周辺

黄金数は,2次方程式

の正の解です。

したがって,黄金数をΦと書くと

が成り立つわけですが,-Φ-1 を右辺に移項したり,両辺をΦで割ることで次の関係が得られます。

これだけならどうということはないようですが,これが結構面白い性質です。

(1) 小数部分が同じ

ΦとΦの2乗,Φの逆数を比べると,小数部分が同じになります。

Cinderellaで表示してみましょう。

式を見れば当たり前のことですが,実際に並べてみると不思議な感じがして面白いですね。

次に,この方程式が出てくる場面を考えましょう。

(2) 無限に続く平方根

の値を求める問題です。

この値をxとおき,両辺を2乗すると となりますが,後ろの平方根は x ですので

が得られます。

ただし,この無限に続く平方根の値が収束する(ある値になる)という条件が必要ですので,このあたりを厳密に考えると難しくなります。

すなわち,この値は黄金数Φです。

(3) 連分数

分数の分母がまた分数で,その分母がまた分数で・・・ となっていく分数です。

これも,やはりこの値をxとおくと

が導けて,分母を払えば黄金数の2次方程式になります。

(4) 相似な長方形

長方形から短辺を1辺とする正方形を切り取ったとき,残りの部分がもとの長方形と相似になるものを考えます。

この長方形の短辺と長辺の比が黄金比になっていることを確かめましょう。

AB=1 とし,AD=x とおくと,ED=x-1です。

すると,長方形ABCDと長方形EFCDが相似になるというので,

AB:BC=EF:ED

です。これを xで表すと

1:x=(x-1):1

です。内項と外項の積をとれば,黄金比の2次方程式ができます。

この長方形に関する話題には続きがあるのですが,それはまた別の項で。

(5) 相似な二等辺三角形

下図のように,二等辺三角形の底角の二等分線を引いてできる三角形が,もとの二等辺三角形と相似になるものを考えます。

このようになるのは,頂角Aが36°のときに限ることを確かめてください。

このとき,BC=1,AC=x とすると,黄金比の2次方程式ができます。(確かめてください)

この形は,正五角形に出てきます。

BCを1辺とする正五角形を考えてみましょう。このとき,点Aがその正五角形の一つの頂点となります。

また,Aから底辺に垂線AHを下すと,AH=1/2ですので,

sin18° と cos18°が 黄金数を用いて表せることになります。

このあたり,高校数学の問題演習としてよく出てきます。