2次関数のグラフと方程式・不等式
2次関数のグラフと2次方程式・2次不等式の解
2次方程式の解法(因数分解・解の公式)はすでに知っているものとします。この節では、2次関数のグラフと2次方程式の関係、そして、2次不等式の解法を考えていきます。
2次関数
・・・ (a)
のグラフとx軸との共有点(接点または交点)のx座標を考えます。
ここでのポイントは
ある点が曲線上にある ⇔ 曲線がある点を通る ⇔ その点の座標は曲線の式を満たす
ということです。
x軸上の点はy座標が0ですので、(a)式で y=0 とすると、2次方程式
ができます。したがって、グラフとx軸との共有点のx座標はこの方程式を満たすわけですから、2次方程式の解ということになります。
では、(a)のグラフ上の点で、x軸上以外の点についてはどんな式を満たすのでしょうか。
Cinderellaで、グラフ上の点と(a)の右辺の符号を調べるものを作って状況を観察しましょう。
上の図で、−1<x<2 のとき、式の符号は負になり、x<−1 , 2<x のとき、式の符号は正になることがわかるでしょう。
このことは、−1<x<2 やx<−1 , 2<x が2次不等式の解であることを示しています。すなわち
ということです。
このように、グラフを利用すると、不等式を解くことができます。このことは2次不等式には限りません。
たとえば、3次不等式でも
となります。
2次方程式の解の存在範囲
高校数学(数学Ⅰ)では、2次不等式のあとに、2次方程式の解の存在範囲の問題を扱います。高校生にとって難解なところです。
次のような問題です。
この問題は、後に2次方程式の解と係数の関係について学んだときに再登場します。解と係数の関係を用いて条件式を立てるのですが、グラフを用いる方が応用がききます。
ここでは、教科書とは異なるアプローチでこの問題を考えてみます。
まず、「文字係数の2次関数の頂点のy座標が2次関数になる」ことを理解しましょう。
すると、文字係数の2次関数のグラフは、係数を変化させると、頂点が放物線を描くように動くことになります。
このことを、Cinderellaを使って確かめましょう。
この図では、x軸上の点をドラッグすることにより、aの値を変化させることができます。
図で緑の放物線は頂点が描く放物線です。aの値を変化させると、頂点がこの放物線に沿って動きながら
青の放物線全体が動きます。2次方程式の実数解はx軸との共有点のx座標ですので、上図では、異なる2つの正の実数解があることになります。
さて、問題は、そのための条件を拾い出すことです。
「異なる2つの実数解を持つ」のですから、判別式D>0 はもちろん条件の一つです。
その2つの実数解が正の数であるために、あと2つ条件があるのですが、それを、上図でaの値を動かしながら発見するわけです。
そのために、もとの式が変えられるようになっています。
ヒントのひとつは右の方にある「軸表示」ボタンです。
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