萬野善昭近況ご報告2010.7.27

萬野善昭 近況ご報告 2010.7.27 萬野善昭 記

歩く習慣

  • 振り返って見ると、Q組の大部分の諸兄には、およそ半世紀にわたるご無沙汰をしていたことになります。
  • 誰しも人生はそれぞれなりに波乱万丈ですが、小生にもいろいろありました。
  • しかし幸いにしてというべきか、何とか曲がりなりにも五体満足に近く、多少よろけがちではありますが、毎日姿勢を正して一時間前後は歩いています。
  • 歩く習慣は、40過ぎに心筋梗塞であの世を覗き、退院後医師の強い勧めで日課として歩き始め、それ以来余程の事が無い限り、旅先も含め欠かしたことはありません。
  • この歩きは、散歩とは違い、きょろきょろせずに前方を見てしっかり歩く、心臓に軽い負担がかかる程度に歩く、腰を建てて姿勢を正し、且つシャッチョコ張らずに上体から力を抜いて歩く、という指示がついてました。側副血行とか云って、動物には自前でバイパスを造る能力があるそうです。

梓川のほとり

  • 55の歳に、信州は梓川のほとりで約五年程の間、早めのリタイアー後の病を抱えた敗残の身を養った事がありましたが、その頃は特に肝臓(C型肝炎)の状態がよくなく、歩くしか手はないと思い定めて毎日2時間は雨が降っても雪が積もっても、まさに槍が降ろうとも、欠かさずに歩きました。
  • 住んでいたところは、今は市町村合併で安曇野市と名を変えましたが、当時は梓川村と称し、安曇野の一角で梓川沿いの字倭(やまと)という農村で、小さな集落の端にある農家の裏の敷地の隅に建てられた木造アパートの2階、2DKの借家に家内とふたり侘び住まいしました。
  • 失意の季節ではありましたが、ここでの単調な生活と、まわりの田園の風景は大いに気に入ってました。
  • 見渡す限りの田んぼに囲まれ、晩秋から次の年の初夏までの半年以上も雪を頂いて聳える常念岳が間近に見え、また6月頃には周りの田んぼに蛍が舞い、日が暮れてからの軽い散策を兼ねたホタル見物は、その時期の毎夕食後の楽しみの一つでした。
  • 又昼間の歩きは、幾コースかありましたが、その一つは梓川沿いの道で、住んでいた辺りから上流へ向かって梓川の右岸堤に農道を兼ねた道が数キロにわたって続き、一番よく歩いた道でした。お陰でかなりの程度まで、健康を回復する事が出来ました。
  • この梓川村に命を助けてもらったと信じています。

カヌー

  • 三年ほど前に高校の頃の友人の勧めでカヌーを始めました。
  • 木津川の上流で、京都と奈良の県境にある笠置というところに獅が淵という流れがゆるやかになった場所があり、普段はそこから10キロ~20キロの川下りをやってますが、今年は秋に、当初からの夢である高知県の四万十川での初体験を目指しています。
  • この高校時代の友人はカヌー歴30年で、連れ合いをガンでなくしてから止めていたのを、私がやるというので再開し、今は何処へカヌーに行くのも常に一緒に行こうということになってます。やはりこの年ですから、単独行動は慎まねばなりません。とはいうものの、本当は一人ででも行ってみたい気はするのですが、家内の許可がおりません。

沈(チン)

  • ご存知の方もおられるでしょうが、カヌーはちょっと重心を掛け間違うと、いとも簡単に転覆します。転覆して水中に落ちることを“沈”(チン)といいます。最初の頃、チンは老いの身としてはとても恐ろしかったのですが、2,3度のチンで慣れました。
  • 泳ぎは出来るのですが、心臓の欠陥を抱えているので3分以上の力泳は無理です。
  • しかし最近のライフジャケットは実によく出来ていて、今はどんなところでチンしても、恐怖感は全くありません。
  • 水に落ちても、身体の力を抜けば、自然に仰向けになり、後頭部を支えられた形で首から上が水の上に出て、まるで安楽椅子にふんぞり返っている心地です。
  • 夏であれば水温も心地よく、そのまましばらく流れに身を任せて青空を眺めていると天国です。
  • 私の場合はカヌーといっても、もうおわかりでしょうが、競技的な事は一切やりません。
  • 川下りと湖水や池の周遊に限ってます。つまり、すべてマイペース。
  • 川下りの途中で、川底のごろごろした石を船底に感じながら波しぶきの立つ早瀬を乗り切る瀬越しがありますが、この瀬越の時はスピードが落ちると流れに押されて艇が横向きになり、即チンということになるので、瀬を越すまではパドルの手を休めるわけにはいきませんが、一分を越すような瀬はまずありません。

情報収集

  • 勿論、初めての川や湖は予定コース全域についての情報収集は必須であり、またコースをよく知った経験者に同行を頼む事もあります。
  • もう一つ、雨で水嵩が増して、流れの速度が速すぎると判断した時は、冒険は厳禁です。
  • いつまでもやれるスポーツの一つとしてお薦めしたいと思います。
  • 始めた頃の写真を貼付します。(末尾に拡大写真)
  • 一枚目は獅子が淵でパドルの練習をしているところ、二枚目は瀬越にかかり、パドル操作を早めているところ、3枚目はチンをして、助けを待っているところ。
  • この時はカヌー教室のグループでの川下りだったので、チンの場合は同行のインストラクターがすぐに助けにきてくれることになってました。
  • 出発前にインストラクターからチンしても、絶対にカヌーを流さぬようにしっかり掴まえておくことを厳命されてたので必死にカヌーを抱えているところです。


アユルヴェーダ医学

  • ここ10年で一番印象にも残り、いろんな意味でよかったなと思ってるのは、アユルヴェーダ医学に出会ったことです。因みに小生は西洋医学をここぞと云う所では信用してません。
  • 手術、抗がん剤、放射線を拒否したことからアユルヴェーダ医学との縁が開けました。
  • もしアユルヴェーダ医学に興味をお持ちの方がおられれば、私の知り得た事を全てお話します。
  • 興味をお持ちでない方には無縁のことですから、ここでは省きます。

相場

  • 普段は一日のかなりの時間を相場に割いています。
  • 勿論、趣味ではなく、生計がかかってます。
  • 従って、こつこつとしたやり方、悪く言えばちまちまとした手法ですが、もう約20年になります。
  • 相場と云うと一般にはすぐ“一獲千金”を狙ってるのかと思われがちですが、逆です。
  • 米国に有名なプロでラリー・ウィリアムズという人がいますが、彼の場合は「確率的に有利と判断したところで、小さく賭けることと、それをこつこつと積み重ねること」を常に心がけているそうです。勿論、賭けることと損切り設定はワンセットで、逆行すれば即損切りです。

小豆

  • 今は、殆どは株ですが、商品も少しやります。商品相場は梓川を引き払った頃から始めましたが、早い段階で小豆だけに絞りました。FXはやりません。
  • 一般には、小豆は赤いダイヤとも呼ばれて小説にもなり、近寄ると恐ろしいように評判された時期があったようですが、本当は商品相場の中では一番安全なもののひとつです。その理由はごくかいつまんで言うと、一年を通じての値の動きに上限と下限があり、株のようにうっかり空売りをかけると上は青天井、下手に買うと底は会社の倒産というような世界ではないのです。
  • 小豆の需要者は主としていわゆる和菓子屋であり、値段が上がり過ぎると採算上仕入れが減少し、一方で値が下がり過ぎると生産者である北海道の農家が赤字を避けて生産を絞らざるを得なくなる。
  • つまり和菓子屋にとってはこれ以上値が上がると採算が取れなくなる限界があり、逆に農家の方は、これ以上値が下がると作っても食えないという限度があります。しかも先物相場ですから、いわば架空を売買するのですから、限月決済に徹すれば、買った小豆が腐っていた(株でいえば、会社の倒産等)などという心配はあり得ません。
  • 要は植え付け期と収穫期という季節性があり、そこから一年単位の波動が生まれますが、途中で思惑により乱れが激しいのは商品相場の常とはいえ、天井近くでは売りに回り、底近くでは買いに回るという基本を守れば大過はありません。

レバレッジ

  • それともう一つ要注意はレバレッジです。小豆の場合、レバレッジは約10倍ですが、これをフルに掛けていると、思惑が外れた場合、悪くすると2,3日で元金が飛びます。という事は、相場が思惑通りに動けば勿論、元金は2,3日で倍になります。私の場合は、もし元金が10あるとすると、1が賭け金の基本単位で、どんなに美味しそうに見える場合でも、仕掛け始めは必ず1からです。10の10倍の100まで賭け金を膨らませることは出来るのですが、怖くて出来ません。
  • ツキが回ってきたと感じても、精々2か3までです。つまり精神衛生の為に、キャッシュ率を常に高くしてます。言い換えると、ちまちましたやり方です。精神衛生状態が悪いと、必ず判断に狂いが出ます。一番怖いのは、逃げなければならない時に凍りつき、目をつむってしまう事です。ちまちまやってると、損切りは楽です。

餡の輸入

  • 唯、残念ながら近年は北海道の小豆農家を保護するという関税障壁が、時代の流れとともに取り払われ、中国からの“餡(あん)”の形での輸入が増えてしまい、小豆の相場つきも変貌して、やりにくくなりました。
  • また今は、高級和菓子屋以外での和菓子の餡は殆ど中国からであり、たとえばスーパーなどで販売される和菓子はすべて中国から既に餡になった形で輸入されたものが使われてると考えてほぼ間違いない状況です。
  • ダイヤのような光沢のある北海道産小豆を綺麗に洗って、注意深くことこと煮て造る純日本製の餡の風味は段々遠くなってきています。
  • 小豆相場の動きも、以前のように一定の枠内での動きとは云えなくなりました。そんなこともあってか、市場参加者も減り、その内に小豆市場が廃止になるのでは、というような噂もあります。小豆については、足を洗う潮時かなと思ったりしています。

思いつくままに、身の回りのことを書き連ねましたが、近況報告に代えさせて頂きます。

2010.7.27 萬野善昭 記

  • ①獅子が淵でパドルの練習をしているところ
  • ②瀬越にかかり、パドル操作を早めているところ、
  • ③チンをして、助けを待っているところ。