関西定住だより(田中慎造) 2010.4.28

小生、関西に定住し、関東の皆様には久しく御無沙汰致しております。身近のとりとめないこと二、三申し上げ、近況とさせていただきます。

1 日頃より健康には留意しておりますが、加齢にともなう節理には勝てません。16年前より血圧降下薬を服用し、11年前には頸部変形性脊椎症を患い、横好きだったゴルフも一切やめましたが、ときおり不意に手足の痺れや痛みに悩まされます。

そこで、日々我が家の老犬と散歩に努め、また、近くのエキスポパークホテルのクラブで時折水中ウォークに精を出しております。

2 住友倉庫の東京総務課長時代(S50年)、東京大手町の住銀ビルに事務所を賃借していた関係で、管理会社大手町建物の臼井武夫社長の知遇に少々あずかり、よく仕事にかまけて、氏の住銀北京駐在員時代(S15~21年)の体験、町の観察方法、北京の空気、中国人の気質、美意識、などよく話をききました。

そうこうして、中国の歴史や地理に興味を持つようになり、中国とは何か、氏がかくも北京に愛着を抱くのは何故か、おぼろげながら理解出来るようになりました。臼井さんはその後、S56年、東方書店より、[北京追想ー城壁ありしころ]を出版されておられるので、是非御一読ください。

従って,我々夫婦共通の趣味である旅行の方向は中国に傾斜し、目標は長い歴史をもつ六大古都。

北京は別格として、杭州につづき、西安、開封、洛陽、そして南京(此処と西安の城壁は特に雄大)をクリアーし、忘れていたのは戦時首都であった重慶。

この度念願かない、この4月16~23日、J.T.Bのツアー[重慶と新三峡くだり」に参加。特に重慶では一日ツアーを離脱し、一人で市内を散策。重慶に来ているのだ、との感覚を噛みしめることが出来、心より満足しました。また、興味あったStilwell将軍博物館へも回ることが出来ました。

特に驚かされたのは、重慶のモノレール(2号線、日立の技術移転で完成)。長江と嘉陵江の合流点に位置する山河の起伏をぬい、14階建ビルの7階に駅舎を設けたり、次々とUP-DOWNし、まさに世界最大、最長,最遅のジェット コースターそのもの。このモノレール往復乗車で、市内俯瞰の半ばは可能ともいえる物でした。

3 ここ二、三年,年相応に家内ともども物忘れか、聴音劣化か、言った、聞いてないとの熱い応戦があり、このままではいかん、ぼけ防止を兼ね、一昨年秋、一念発起し、在職中購入していた宮崎市定全集全25巻(岩波書店)の通読を志しました。

要点をメモしながら、先生の平明にして含みある文章を追い,第1巻「中国史」、第2巻「東洋史」とまずまず進みましたが、第4巻「論語」でつまずき、昨年末までにやっと、科挙の前身ともいえる第6巻「九品官人法」に辿り着きました。

現在は第9巻「五代宋初」入り口で、汗をかいております。どれもこれまで消化不良で、さて、第25巻まで幾年かかりますことやら。「史記」も読みたい。中国の小学生必須の「千字文」も読まねばと、願望は高く抱いております。真にもって、中国の歴史と古典は迫力あり、奥深いと思います。

以上 (2010-4-28)

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