Q森正之:信頼得た侍従の日記 保坂正康 2018.10.10

下野新聞14面「現論」2018.10.10 昭和天皇の孤独伝わる

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**********感想に代えて 森正之**************************************************************************************************

「戦争は犯罪である 加藤哲太郎の生涯と思想」小松隆二 春秋社 2018/6/22刊

名作『私は貝になりたい』の著者・加藤哲太郎が真に伝えたかったこととは何か。獄中で書かれた論文・エッセイを手がかりに、戦争の悲惨さと不条理を徹底的に突き詰め、平和への道を模索するBC級戦犯の姿を活写。戦後73年を経てなお、現代人の心情に根底から訴えかける哲太郎の反戦争論と平和社会論の真骨頂。(春秋社HPより)

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p.119

・・・私は赤木曹長という人物の遺書という仮りの形で、BC級戦犯死刑囚の一部の人々の気持ちを語らせました。

「天皇陛下よ、なぜ私を助けてくれなかったのですか。きっとあなたは、私たちがどんなに苦しんでいるか、ご存じなかったのでしょう。そうだと信じたいのです。だが、私には何もかも信じられなくなりました。耐え難きを耐え、忍びがたきを忍べということは、私に死ねということですか? ・・・(中略)・・・ こんど生まれ変わるならば、私は日本人になりたくはありません。いや、私は人間になりたくありません。牛や馬にも生まれません。人間にいじめられますから。どうしても生まれ変わらねばならないのなら、私は貝になりたいと思います。貝ならば海の深い岩にへばりついて何の心配もありませんから。何も知らないから、悲しくも嬉しくもないし、痛くも痒くもありません。頭が痛くなることもないし、兵隊にとられることもない。戦争もない。妻や子供を心配することもないし、どうしても生まれかわわらなければならないなら、私は貝に生まれるつもりです。・・・・・」

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