P戸松孝夫「P大島昌二:ザルツカンマーグートからドロミテへ」を読んで2018.9.29

2018年9月29日

P戸松孝夫

先ず感心したのは、7時間の時差を克服して、体力減退にもめげず、ぎっしり日程が詰まった12日間の旅を楽しんでこられた大島兄の素晴らしい活力である。昨年も中国の奥地へ潜入したレポートを読ませてもらったが、日頃「山歩き会」で鍛えている頑強な身体と精神力で、今回もたっぷり欧州の大自然を満喫してきたと思われる。「空飛ぶ老人ホーム」と言われるパッケージ・ツアを効果的に利用したようだが、やっぱり参加者は年寄りが多かったのだろうか、でも我々のような80歳超の後期高齢者には聊かきつい旅だったのでは?片道10時間の直行便はビジネスクラスにでも座らない限りエコノミー症候群の可能性があるし、10日間連続毎日バスでの移動は足腰の痛い年寄りには辛いのでは?でもバス運転手の労働時間規制で9時―5時というのは乗りっ放しの乗客にとっても救いのように思われる。毎日早く宿に入って夜はゆっくり出来る日程は年寄り向きの良いアイデアだが、観て回ることに貪欲な日本人の若者からは勿体ないとの不満が出そうな感もする。このバスは日本人ツア客専用で、ガイドも含め日本語で簡単にCommunicationがとれるようになっているのだろうか。

奇岩怪石が続く雄大な景色を解説入りの12枚の写真でじっくり見せてもらい、10日間も毎日次々とこういう光景に遭遇出来る旅を羨ましく思った。何れも適格な角度から鮮明に撮られている写真だが、現場で実際に自分の眼で風景を観るのとは違い、広い空間に存在する山々や谷の相互関係が鳥瞰図的に掴めず、アルプス不案内な僕にはいま一つ迫力が感じられなかったのは当然か。現場で観たことがある景色なら、部分的な映像から全体図が容易に浮かび上がってくるのだが。僕は現役時代に欧州の国々や諸都市は殆ど回っていながら、山岳地帯は商用に結びつけるのは無理なので、引退したら是非行こうと思っているうちに、体力的に自由には動き回れない身分になってしまっていた。旅と言えば毎年冬の3ヵ月間南国で静かに暖をとっているだけで、今や観光旅行はお呼びでないことに気が付いた。好奇心だけは衰えてない積りなのだが、体力は年々着実に落ちるとの認識に欠け、元気なうちにアルプス巡りの夢を実現しなかったことを、今回大島レポートに接しつくづく後悔している次第である。

本文に登場する数々の地名はミュンヘンとかインスブルクのような国際都市以外は行ったこともなく、恥ずかしいことだが初めて耳にする場所ばかりで、添付地図上で辿って位置関係を掴むのが精一杯だった。 以上

⇒ P大島昌二:ザルツカンマーグートからドロミテへ 2018.9.27

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