〈文化〉“書く”という挑戦 作家 伊集院静さん 伝記小説「琥珀の夢」を巡って・戸松

P 戸松孝夫 2017.12.31

「琥珀の夢」に関しては、11月23日に下野新聞の紹介文が本ネットに投稿されていたのを読んで、僕は次のような感想を書いたが、今回12月27日付聖教新聞の作者とのインタービュー記事をみて、僕の感想を下記のように変更させて頂きたい。

僕は前回の紹介文が事実に即していると解釈して、当日のネットに「当紹介文を読んで、本著書上・下巻を買ってみようとの気持ちは起きなかったが、下記点については、好奇心から全文を読んでみたいと思う」と書いたが、

今回の記事で、作者がインタービューで「主人公が神戸港から客船に乗って横浜や小樽へ旅をする場面があり、船の中で西洋の人々と出会い、ウイスキーと出合う。ここは私の創作です」と告白したので、僕はこの逸話に興味がなくなった。

前回紹介文では ①船上で出会うのは英国人たち ②見よう見まねでテーブルマナーを身につけた ③彼らが食後楽しみに口にする琥珀色の飲み物 等の語句から、僕は当然外国航路だと思った。日本でもついこの数年クルージングなる遊びが市民権を得て、神戸→横浜→小樽間に客船が動いているが、飛行機がない当時、客船の役割は外国への足だと思っていた。

参考までに、前回の感想文中、今回僕が取り消したい箇所は次の通りです。

「親の遺産を全部はたいて高価な一等船室での船旅に挑戦し、ウイスキーとの運命の出会いをした場面には多大な興味がある。英国紳士に喰らいつき彼等の姿を真似しながらウイスキーを飲む習慣を自分のものにしたプロセスは、異文化の習得に挑戦していた若き日の自分と重なるような感じもする。また今はクルージングと称して完全なレジャーになっているが、当時は唯一の外国へ移動する手段だった船旅の様子を詳しく知りたい。」

以上

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