この章は深田が赤城山で示した「山には厳しさをもって我々に対するものと、暖かく我々を包容してくれるものと、二種類ある」の後者の典型であり、八幡平と同じくその「真価はやはり高原逍遥にある」のであるが、深田はそのことを「闘争的で現実的でドライな」穂高信者と「平和的で浪漫的でウェット」な乗鞍信者に喩えて実に味わい深く(ちょっとやりすぎ感もあるが)表現している。
私はこの山に3月のスキー場リフト終点から、5月のバス終点の位ヶ原から2度ともスキー&アイゼンで登り、3,026mの頂上から滑走したのだが、深田の言う乗鞍信者のような「湖沼や森林や高原に暇をかけてさまよう」ことは全くしていない。私は決して「闘争的で現実的でドライな穂高信者」ではないが、だからといって乗鞍信者にもなりきれていないようだ。
一方、深田の言う「四ツ岳から大丹生岳、恵比須岳、富士見岳、乗鞍主峰と続く広大な山域」の山上湖や森林や高原を是非一度は歩いてみたいと思っている。果たして私は乗鞍信者に近づけるだろうか。
ところで深田は位ヶ原から見る乗鞍岳を日本で最もすぐれた山岳風景の一つに数えている(これまた、文庫本に掲載されている乗鞍岳の写真は位ヶ原からのものではない。たぶん十石山(北東)の方角からのものではなかろうか)。私も、乗鞍高原から初めて見えた真っ白な乗鞍に感激し、登っていく途上においても、次第に大きくなっていくその姿から目が離せなかった。
深田がこの章の最後に書いている乗鞍主峰から見た御岳と白山の間、「その二つの間には限りない果てまで山並みが続いていた・・・・・ここにして飛騨こそ真の山の国という感が深かった」には白川郷や高山市があり、そこは私が雪山や夏山で何度も訪れた地である。まだ登り残している山も多い。
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この章は深田が赤城山で示した「山には厳しさをもって我々に対するものと、暖かく我々を包容してくれるものと、二種類ある」の後者の典型であり、八幡平と同じくその「真価はやはり高原逍遥にある」のであるが、深田はそのことを「闘争的で現実的でドライな」穂高信者と「平和的で浪漫的でウェット」な乗鞍信者に喩えて実に味わい深く(ちょっとやりすぎ感もあるが)表現している。
私はこの山に3月のスキー場リフト終点から、5月のバス終点の位ヶ原から2度ともスキー&アイゼンで登り、3,026mの頂上から滑走したのだが、深田の言う乗鞍信者のような「湖沼や森林や高原に暇をかけてさまよう」ことは全くしていない。私は決して「闘争的で現実的でドライな穂高信者」ではないが、だからといって乗鞍信者にもなりきれていないようだ。
一方、深田の言う「四ツ岳から大丹生岳、恵比須岳、富士見岳、乗鞍主峰と続く広大な山域」の山上湖や森林や高原を是非一度は歩いてみたいと思っている。果たして私は乗鞍信者に近づけるだろうか。
ところで深田は位ヶ原から見る乗鞍岳を日本で最もすぐれた山岳風景の一つに数えている(これまた、文庫本に掲載されている乗鞍岳の写真は位ヶ原からのものではない。たぶん十石山(北東)の方角からのものではなかろうか)。私も、乗鞍高原から初めて見えた真っ白な乗鞍に感激し、登っていく途上においても、次第に大きくなっていくその姿から目が離せなかった。
深田がこの章の最後に書いている乗鞍主峰から見た御岳と白山の間、「その二つの間には限りない果てまで山並みが続いていた・・・・・ここにして飛騨こそ真の山の国という感が深かった」には白川郷や高山市があり、そこは私が雪山や夏山で何度も訪れた地である。まだ登り残している山も多い。
p255 田村将軍:大同二年(807)征夷大将軍・坂上田村麻呂・さかのうえのたむらまろ、 が斐太平定の折りに戦勝を祈願して登山したのが 乗鞍の歴史の始まりとされています
p256 木食上人(もくじきしょうにん):出家した後,米,野菜を食せず,木の実,山菜のみを食して修行する僧の通称。特に有名なものに次の二人がある。(1)応其(おうご)〔1536-1608〕は戦国時代,真言宗の僧。近江(おうみ)の人。俗姓は藤原氏。37歳で高野(こうや)山に入る。1585年豊臣秀吉が高野山を討とうとしたとき,秀吉と折衝,討つことの非をねんごろにさとした。ために秀吉の帰依(きえ)を受け厚遇された。青巌(せいがん)寺,興山寺の創建者で,詩歌にひいでた。(2)五行(ごぎょう)〔1718-1810〕は江戸後期の遊行(ゆぎょう)造像僧。甲斐(かい)の人で,名は明満(みょうまん)。俗姓は伊藤氏。22歳で仏門に入り,45歳で〈木食戒〉を受け,終生それを守った。千体造仏を発願し,1773年から全国を回り,各地に特異な木造仏を残している。円空(えんくう)と並称されるが,丸みの多い曲線的表現と柔和な微笑が特徴。 ほかに以空(いくう),養阿(ようあ),義高(ぎこう)などがいる。