日英学術交流150周年記念事業のご案内とボランティア募集

Post date: Feb 18, 2013 3:17:28 PM

運営:University College London (Prof Malcolm Grant, Provost)

後援:日本大使館、英国大使館

協賛:カガクシャ・ネットヨーロッパ支部を含め、多くの日英交流関連組織、日英の大学

趣旨

  • 150年前の長州ファイブに始まる日本人留学生、英国関係者の偉業を祝福する

  • 現在の日英交流を活性化させる

  • 日本や英国の若い人材の国際化を促進する

  • 日英交流の更なる発展を目指す

長州五傑(1963)

今から丁度150年前、国中が攘夷か開国かで揺れていた幕末期の1863年、長州藩の5人の若者が日本国の存続を懸けイギリスに密航した。同時期にアメリカに密航を企てた吉田松陰が刑場の露と消えた歴史から、これは彼らにとって間違いなく自らの命を賭した決断であった。彼らはユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の聴講生として勉学に励み、帰国後それぞれが様々な方面で活躍することとなった。

「異国の学問や技術を会得し『生きたる機械』となって帰って来い」

伊藤博文(当時22歳)

初代内閣総理大臣に就任、大日本帝国憲法として発布し、日本を立憲主義国家に導き政治を確立。

井上馨(当時28歳)

初代外務大臣に就任、政治的・経済的に欧米列強国と並ぶために不平等条約改正に尽力。

井上勝(当時20歳)

イギリスで鉄道や鉱山学を学び、帰国後鉄道頭に従事、メイドインジャパンに拘り日本人だけの力による鉄道建設を実現。

山尾庸三(当時26歳)

見習工として働きながら科学を学び造船技術を習得。帰国後、国力強化を目指す人材育成の必要性を主張し、世界初の工学部の前身となった工部大学校設立。

遠藤謹助(当時27歳)

大蔵省に入った後、大阪貨幣局長となり、造幣技術者の養成を通じ日本人技師の力による造幣を確立。

薩摩藩英国留学生(1865)

ほぼ時を同じくして、1863年の薩英戦争で強大な西欧文明の力に痛感させられた薩摩藩も、1865年に15名の留学生と4名の使節団をイギリスに派遣した。

このまま日本が欧米文明に遅れ続けると、日本もこれらの植民地と同じ運命になってしまう。

この留学生の中には、後の初代文部大臣となる森有礼、天皇による統一国家日本を作る必要性をイギリス外務省に働きかけた松木弘安、明治政府の駐仏公使となる鮫島尚信など国家運営に大きな影響を与えた人々に加え、東京大学初代校長の畠山義成、東京博物館初代館長の町田久成など文教における貢献者、大阪商工会議所創設者の五代友厚、日本最初の機械紡績工場を建設した新納久脩五代友厚、北海道開拓使となりサッポロビールの生みの親となった村橋久成などと商工業への貢献者も多くいた。

Prof. Alexander William Williamson

アレキサンダー・ウィリアム・ウィリアムソンは、当時UCLで化学の教授をしていたイギリス人。『ウィリアムソン教授は、日本からの学生を自宅に迎え入れただけでなく、そのうちの4人を自らの化学教室に受け容れて教育した。遠国より到来したばかりで、まだ言葉も喋れない学生たちに対する、教授のこのような応対は、実験中の大怪我のために実際的な研究から遠ざかりかけていた時期だったとはいえ、よほどの配慮と決断を要しただろうし、その奥には測り知れない人間的慈愛が、人種や国籍、信仰の違いを超えて働いていたものと思われる。』

彼の眠っているロンドン郊外のブルックウッド墓地には、明治維新前後にロンドンで病死した若い留学生たちの4つの墓石もおいてある。

イベント情報

日英学術交流150周年記念事業式典

7月3日(水曜日)

  1. 日英学術交流150周年記念事業式典(夕刻,主催UCL, 於ロンドン大学Senator House)

    1. 長州ファイブの薩摩の留学生が築いた道の経緯・現状についてスピーチ

    2. グラントUCL学長,林大使,日本人同窓の代表,日本人学生の代表,

    3. 式典に参加した人による記帳等

  2. 日英学術交流150周年記念事業レセプション(夕刻,主催UCL、於UCLの中庭(記念碑のある場所))

    1. 植樹, 雅楽の演奏(記念碑の前で), 鏡割り等

※イベントは参加登録制になる場合があります。詳細は追ってご連絡いたします。

  1. 7月2日(火曜日)ウィリアムソン教授夫妻顕彰碑除幕式(14時~16時頃,主催:三輪精舎,於ブルックウッド墓地)

    1. 雅楽の演奏

    2. 顕彰碑の前で林大使が除幕、挨拶

    3. 4留学生の墓,ウィリアムソン教授のお墓への献花

    4. お経、正行寺住職竹原智明師の御法話

  2. 除幕式関係者対象レセプション(18時半~,於日本大使館)

映画「長州ファイブ」上映会

日時:

  • TBD (6月中を予定)

場所:

  • UCL

  • 日本大使館

内容紹介

幕末の世、日本の未来のために刀を捨てた、サムライがいた。

2007年 第40回ヒューストン国際映画祭 グランプリ受賞作品

攘夷の嵐が吹き荒れる幕末期に幕府の禁を破ってイギリスへ命がけの密航を果たし、後に近代日本の幕開けに大きな足跡を残した長州藩の5人の若者、「長州ファイブ」と呼ばれる、伊藤博文、井上馨、井上勝、遠藤謹助、山尾庸三の激動の運命を描く歴史ドラマ。

ペリー率いる黒船の来航以来、尊皇攘夷の気運が勢いを増す幕末の日本。

そんな中、西欧に人材を派遣し見聞を広め学問や技術を習得することが必要と説く佐久間象山の言葉に深く心を動かされた長州藩の若者、志道聞多。見つかれば死罪という国禁を犯してまでもイギリスへ渡りたいという聞多の情熱は、藩主の毛利敬親にも聞き入れられ、藩は密航を黙認するのだった。

こうして、志道聞多と彼の情熱に突き動かされた山尾庸三、野村弥吉、伊藤俊輔、遠藤謹助の5人は、日本の未来のため、遥かなる異国の地、イギリスを目指して危険な航海に旅立つのだった。

イギリスの最新技術や知識を日本に持ち帰るため、自らを“生きたる機械”にせんとしたファイブの運命とは・・・

シンポジウム (各種団体主催、日本大使館後援)

  • 英国や日本で様々なセミナー・シンポジウムを開催

  • 現在20件程シンポジウムを予定

  • 一般者向けのセミナーも予定

ワークショップ (英国大使館主催)

  • 日本で科学技術関連のワークショップ

  • 展示会、コンサート、映画上映会

その他

  • 大学、企業側の要望により新しい内容を含めることも可能

ボランティア募集

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