【海外サイエンス・実況中継】面接官から見た3つの重要ポイント

Post date: Jan 30, 2012 7:32:38 PM

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_/ 『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』

_/ November 2008, Vol. 40, No. 1

_/ カガクシャ・ネットワーク → http://kagakusha.net/

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今週は、Vol. 34, No. 1 にて「留学本では教えてくれない海外大学院のホン

ト」を書いてくれたサウスカロライナ大学の佐藤さんに、もう一方のテーマに

ついて紹介してもらいます。過去ログは、カガクシャネットのウェブサイトか

らご覧頂けます。

http://kagakusha.net/modules/weblog/details.php?blog_id=87

今回は、佐藤さんが会社勤めをされていたときの経験をもとに、面接官からの

視点で重要な点を挙げてもらいました。なかなか聞くことのできない、貴重な

意見ですね。これから面接を控えてる方、ぜひ参考にしてみて下さい!

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Ph.D. 取得後のキャリアを成功させるには~様々なケースから学ぶこと

面接官から見た3つの重要ポイント

佐藤 修一

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サウスカロライナ大学の佐藤です。こちらに留学する前に4年間弱会社勤めを

しました。その際、多くの学生と面談し、人事に報告をしたことがあるので、

そのときのお話をします。当たり前のこと、私の会社独自のこと、そしてキャ

リアプランには直接関係のあることではないですが、お付き合い下されば幸い

です。

学生を面談する上で、会社の人事が一番重視していたのは、「その学生と一緒

に働いてみたい気持ちになれるか」でした。会社の目的は、お客様にサービス

を提供し、利益を計上し、それを社員及び株主に還元することです。すなわち、

個人の利益ではなく、会社全体の利益を目指します。そのため、会社では研究

室にいるとき以上にチームワークが求められ、ときには興味の湧かない仕事に

も従事し、わがままなお客様にも付き合わないといけません。社員は優秀であ

るに越したことはないのですが、それ以上にお互いに良き同僚として、自分の

役割を果たし、仲間として助け合いながら、目標を達することが重要です。面

談中はこのことを常に念頭において、この学生と一緒に働いたらどうなるか、

コミュニケーションはきちんと取れそうか、会社との相性はどうか、などを探っ

ていました。

2つ目は、学生がその会社に本当に興味を持っているかを重視しました。就職

活動で学生が何社も受けるのが当然ですが、一方で会社側は自分のところが第

一志望であって欲しいと願います。わがままですよね(笑)。私がいた会社は

さらに特殊な事情がありました。その会社はいわゆる外資系で、社員のほとん

どが中途入社、さらに出入りも激しく、社員の定着率が決して高くないところ

でした。そんな中で新卒を採用するのは、自社で一から教育を施して、愛社精

神を高め、会社への定着を図り、さらに将来の会社の核となる幹部の育成を目

的としていました。だからこそ、新卒には会社を良く知った上で入社してもら

いたい、という希望が会社側に強くあったのです。したがって、面談中では学

生がどれだけ私が説明することを既に知っており、もっともな質問をするかに

気をつけていました。

3つ目は、学生がどんなことをやってきたか、良く耳を傾けるようにしました。

この辺りは皆さんが問題なくアピールできるところかと思います。ただ気をつ

けることは、聞き手に合わせた説明をして下さい。どんなに素晴らしい発見・

成果であっても、相手が理解できなければ意味を持ちません。また、それらが

その会社と関係がなさすぎても、興味を持ってもらえません。したがって、会

社ごとに、そして面談中は聞き手の反応を伺いながら、いろいろと説明を変え

る臨機応変な柔軟性を、普段から意識して磨いておいて下さい。

以上簡単ながら、以前どのように私が面接したかを思い起こしながら、重視し

た3点を挙げました。対策としては、恐らくどこの就職ガイドでも書いてある

ことかと思いますが、自分を知り、相手を知り、それを短い面談中にいかにう

まく伝えることだと思います。一方で面接は水物です。研究と違い、面談の相

手は人間なので、どんなに準備をしてうまく話しても伝わらないときや、興味

を持ってもらえない場合もあります。そんなときは落ち込まずに、逆にそこに

行かなくて良かったと考えて、また次を探す方が得策です。

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自己紹介

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佐藤修一

上智大学理工学研究科化学専攻修士課程卒、4年弱会社に勤める(営業)。

2000年1月に渡米。南ミシシッピ大学アスレティックトレーニング学

科卒 (BS), NATA 公認アスレティックトレーナーとなる。クイニピアック

大学分子細胞生物学科(修士課程)に1年在籍後、南ミシシッピ大学で

運動科学学科修了 (MS). 1年間PTクリニック勤務を経て、2006年7月より

現在のサウスカロライナ大学運動科学学科博士過程在籍(D3)。

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編集後記

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南部と言われるサウスカロライナも朝晩急に寒くなり、冬の装いを見せてきま

した。街頭にはクリスマス向けの飾りつけを見つけることが出来、サンクスギ

ビング、クリスマスと大きな休日が間近に控えていることを感じさせてくれま

す。私もこれらを祝う気持ちの余裕を持ちたいものですが、いつになったら出

来ることやら。(佐藤)

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