【海外サイエンス・実況中継】アメリカ就職への道: 第三回

Post date: Dec 30, 2013 7:16:15 AM

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_/ 『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』

_/ Dec 2013, Vol. 65, No. 2

_/ カガクシャ・ネットワーク → http://kagakusha.net/

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- From editors --

アメリカ就職活動記事の第三回になります。前回は仕事の見つけ方までを

ご紹介いたしましたが、今回は企業研究から、phone interview のプロセス

までをご紹介いたします。お楽しみください。

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-企業研究

企業研究が重要なことは言うまでもありません。多くの時間を割く必要は

ないかと思いますが、会社の主な事業、基本的な企業情報は知っておくと

役に立ちます。会社の多くはホームページを持っており、ホームページには

“Careers”という項目があります。

例えば、アメリカの代表的な大企業であるGEのホームページを例に取って

みると、www.ge.com ただ単に仕事を検索する“Search Job”メニュー以外に、

なぜGEで働くか(“Why GE?”)、GEでの生活(“Life at GE”)などのメニューが

あり、GEという会社の組織、文化、について学ぶことが出来ます。

また、Pfizerのホームページを見てみると、www.pfizer.com

Careersの項目は小さな字で書いてあって見つけにくいのですが、

いったん見つけると、http://pfizercareers.com/

というキャリアに関する非常に充実したリンクへと飛ぶことが出来ます。

このpfizerのページでは会社の文化や、会社内の仕事のファンクション、

福利厚生までざっと説明してあり、会社について学ぶのに役に立ちます。

また、Job Search Engineで仕事を検索すると、Job postingのページに

少々ですが、会社の説明文が書いてあります。このようなページは企業の

概要を学ぶのに非常に有用です。

プロセスを理解する

会社によりJob postingからインタビュー、オファー、採用までのプロセスが

多少異なるかもしれませんが、今の会社およびこれまでインタビューをした

経験から一般的なプロセスについて説明してみたいと思います。

-Internal Postingとは

Internal posting (内部掲示)とはJob Postingが実際にインターネット、新聞、

学会のウェブサイトなどに掲載される前の社内での公募になります。社内に

適正人物がいた場合は、そのポジションは埋まってしまいます。また、

Internal Postingが社内の人から社員の知っている人(リフェロー)まで含む

場合もあります。

Internal postingでポジションが埋まらなかった場合、External posting (公募)

としてJob postingが会社の外の媒体に出てゆきます。External Postingが

始まってももちろん、その会社の社員が知人をリフェローすることは可能です。

会社によってはリフェローした人物が本採用までたどり着いた場合は、

その社員にReferral Stipendの支給します。額は会社によって異なりますが、

例えば、一人につき1500ドル、2000ドルなどだったりしますので、会社内部の

人が知り合いを紹介する“Incentive”はゼロではないと言えます。

-External posting (公募) からスクリーニング

External Postingが始まると、アプリケーションが会社の方に届き始めますが、

まずはHR (人事) の方でキーワードや募集要件を元にレジュメのスクリーニングを

行います。この段階で、要件を満たしていないアプリケーションは残念ながら、

篩で落とされてしまいます。レジュメのスクリーニングの段階でHRの担当者が

出願者に電話をし、Phone Screeningを行う場合もあります。これは出願者が

ポジションに対して適性なバックグラウンドを持ち、もっと専門的なスクリーニングを

受けるに足る人物かを判断するためです。

Phone Screeningでは会社に興味を持っている理由、これまでの経験、技術、

Achievement、教育について聞かれるでしょうし、それらが出願中のポジションに

どのようにつながるかを問われるでしょう。またあなたがどの程度そのポジションに

興味を持っているかをHRは探ろうとしています。また、他州のポジションであれば、

引越し(relocation) は可能か、という質問もあるでしょうし、現在、仕事を

している場合は給料はいくらもらっているか、給料に対する要望はあるか、

なども聞かれます。また、外国人である私たちには常について廻る質問ですが、

米国で合法的に働けるか、という質問を受けることもあるでしょう。OPTをすでに

取得、あるいは申請中であれば、そのことを説明することが出来ます(OPTの項を参照)。

-研究者・技術者によるスクリーニングおよびPhone Interview

HRによるスクリーニングを生き残ったレジュメは実際に人を雇う部署の

マネージャーやメンバーによるスクリーニングを受けます。もちろん、

最初の段階でのアプリケーションの数・出願者の質にもよりますが、

アプリケーションの数は当初の半分以下になっていることもあります。

部署のマネージャーやメンバーはより専門的な目でHRから回ってきた

レジュメをチェックして、さらに候補者を絞ります。

部署のマネージャーやメンバーによるスクリーニングを生き残ると次の

段階としてPhone Interviewがあります。Phone Interviewを行うどうか

会社次第ですが、近年は長引くアメリカ経済の低迷を反映して、

Phone Interviewの重要性が増し、現地に赴いてOn-siteのインタビューを

受けられる候補者の数は減っているように思います。

技術者によるPhone Interviewには複数の人が参加している場合も

あります (例えば、部署のマネージャーとメンバー数人などのように)。

その場合、複数の人が、レジュメおよびHRのスクリーニングの情報を元に、

より専門的なスキル、知識、経験について質問をしてきます。

Job postingを見れば、そのポジションが普通はどのような知識、技術、

経験が要求されるか書いてありますが、実際は、それ以外にも会社側が

望む技術や経験があるかもしれません。実際、私もPostingに一切書いて

ない技術に関して経験があるかどうか何度か聞かれたことがありますので、

単純ではありませんが、少なくとも、Job Requirementsに書いてあることと

自分のバックグラウンドがどのようにマッチングするか、その部署、

会社に自分がどのように貢献できるかをポジティブに説明できるように

準備しましょう。満たしていないRequirementsがあった場合はその対応の

返事も準備しましょう。

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発行責任者: 石井 洋平

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