【海外サイエンス・実況中継】出願プロセスを始める前に知っておこう!~その3~
Post date: Jan 30, 2012 7:31:47 PM
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_/ 『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』
_/ November 2008, Vol. 39, No. 1, Part 3
_/ カガクシャ・ネットワーク → http://kagakusha.net/
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先週に引き続き、YKさんに「留学本では教えてくれない海外大学院のホント
~実際の体験から」の3回目を紹介してもらいます。前回までで、アメリカの
理系大学院に出願する際のポイントが説明されています。そして今回は、出願
後に何をするかに関してです。日本のような筆記試験の場合、試験を受けてし
まったらその後は何もできないのですが、アメリカのように書類審査に基づく
場合、出願後の行動も重要です。その後にどう動くかで、合否の可能性が変わ
る場合もあります。これから出願を控えている方には特に必見です。
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留学本では教えてくれない海外大学院のホント~実際の体験から
出願プロセスを始める前に知っておこう!~その3~
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●出願後は結果が来るまで何もしなくてもよいのだろうか?
最近は、オンラインでの出願が一般的なので、自分のアプリケーションの進行
具合は、インターネットをつかって即座に知ることができます。しかし、出願
後に何もせずにただ結果を待っているだけでは、せっかく苦労して提出した出
願書類に磨きをかけることができません。私が日本の大学院の修士課程に3ヶ
月間だけ在籍していた際、同期の中国人の女性が、「どうしたら複数のプログ
ラムに合格できるのか?」と私に訊いてきたことがありました。彼女も私と同
じ2005年秋学期の入学を目指し、いくつかの大学院に出願しましたが、ひとつ
も合格しなかったそうです。テストのスコアは、それほど悪くありませんでし
た。しかし、出願後の最後の一押しが足りなかったのかもしれません。
一般的にバイオ系の場合、ひとつのプログラムが「授業料免除+財政援助つき
で合格通知を出すことのできる外国人枠」は限られています。(詳しくは前回
お送りした、「奨学金のソースを知る!」をご参照下さい。)例えば、アメリ
カ人・外国人含めて毎年20人ほど受け入れるプログラムの場合、外国人枠はせ
いぜい5~6名でしょう。このわずかな枠に対し、世界各国から想像を絶する
数のアプリケーションが寄せられるのです。トップ10 にランクするプログラ
ムでは、さらに多くの倍率となっているでしょう。200倍なんてのも普通です。
とりあえず、手当たり次第にトップ校へ出願している人が多いのも事実ですが。
大学からの財政援助なしの合格で構わない、もしくは日本の所属先・財団から
奨学金をもらえるような場合、出願後にそれほど張り切る必要はないかもしれ
ません(【注】ただし、出願後にどこかの財団から奨学金がもらえることが確
定したならば、それは合格率を引き上げる要素になるので、追加申告するべき
でしょう)。超一流校には財政援助なしで合格、地方の州立大学にはフルサポー
ト付きで合格した場合、最初の2年間は自腹を切る覚悟で、ネームバリューな
どの点から前者に入学するのもアリかもしれません。しかし、それは東京の私
立大学に進学する以上の初期費用がかかることを覚悟しなければなりません。
また、サポートがなければ、CV(curriculum vitae, 履歴書)の賞与(Honor/
Academic Awards)欄にも記録できません。お金が尽きて途中で帰国、なんて
ことになったら本末転倒です。
やはり財政援助をもらうためにも、最後の一押しは大切だと思います。あまり
に競争率が高い場合は少しランクを下げて大学院に出願するのも手です。これ
は好みの分かれるところですが、私は財政援助を頂いてこそ意味があるものだ
と思っています。
最後の一手といっても、特にこれといった必殺技があるわけではないのですが
(^^;)、私はこんなことをしてみました。
◎研究内容に興味のある先生方に、出願した旨のメールを送る(全部で30名ほ
ど)。出願前にコンタクトしていた先生がほとんどだったのですが、出願後に
初めてメールを送った先生も数名いました。もちろん CV を添付して。自分に
まだ興味をもっている先生はちゃんと返信してくれます。選考委員に直接掛け
合ってくれる先生もいます。とにかく自分を売り込むこと。ただし、ウソのな
い範囲で。
◎オンラインで出願作業を進める場合、Additional Informationを頻繁にアッ
プデートする。更新できる範囲のものは常に最新の状態にしました。たとえば、
学会の出席実績、研究室内セミナーでの発表実績など。
これらがうまくいけば、あちら側からインタビューをしたい旨の連絡がくるは
ずです。直接現地に呼ばれることもあるみたいですが、アメリカに住んでいな
い場合は電話でのインタビューが多いと思います。片言でもよいので自分の研
究計画をハッキリと述べることができればベストです。リラックスして臨めば
失敗しないはずです!
次回はいよいよ最終章となり、「Ph.D. 取得後のキャリアを充実させるには」
へテーマを変えます。筆者の実体験に基づき、サイエンスの Ph.D.と投資銀行
のつながりについてお話をします。現在荒波に飲まれている証券業界において
サイエンティストが如何に活躍できるのか、簡単ではありますが紹介をさせて
いただこうと思います。乞うご期待あれ!
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自己紹介
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2005年京都大学薬学部卒後、同大学院医学研究科医科学修士課程に3ヶ月
のみ在籍、同年8月に南カリフォルニア大学神経科学科博士課程入学。約2年
半の間学位研究に従事するも、08年2月に修士号と共に休学、帰国。3月よ
り東京の米系投資銀行にてセルサイド・アナリストとして活躍中。
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編集後記
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仕事柄、帰宅が深夜になることが多いのですが、会社の周りは最近にぎやかに
なってきました。クリスマスシーズンにあわせてイルミネーションが始まった
ようです。当地のイルミネーションは日本で有名らしく、こんな時間でも多く
の人だかりがあります。外は寒いですが、家族や恋人たちが肩を寄り添いなが
ら歩いているのをみていると、心があったかくなりますね。今年も残すところ
はや1ヵ月半となりました。月日の流れは本当に早いものです。やり残したこ
とは今のうちに片付けてしまいたいものですね!(YK)
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