【海外サイエンス実況中継・特別号】大学院留学:職務経験が有利になる

Post date: Jan 09, 2012 5:21:29 PM

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_/ 『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』

_/ June 2007 Vol 12 No 2

_/ カガクシャ・ネットワーク → http://kagakusha.net/

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今週は、なぜアメリカの大学院を選んだか,の特別号をお送りします。先週

に引き続き、カーネギーメロン大学で化学工学を専攻する川尻さんです。

前号ではシステム工学について紹介してくれましたが、今回は、アメリカの

大学院に留学したきっかけについて語ってもらいます。川尻さんがそうで

あったように、企業での経験が大学院入学に有利に働くのは、アメリカなら

ではですね。

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なぜ日本でなくアメリカの大学院を選んだのか?

川尻 喜章

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私は日本の大学を卒業してそのまま同じ大学の修士課程に進みましたが、

日本の大学の博士課程に進むことは考えていませんでした。もちろん、研究

分野は好きでしたし、アカデミックポジションに就ける可能性が開けると

いうのは魅力でしたが、何より、学費と生活費という経済面、さらには、

民間企業へ就職するとしたらむしろ不利になってしまうという、2つのデメ

リットは大きなマイナス要因でした。これらについては今さら私が言うまで

もなく、メーリングリスト*でもたびたび話題になっている問題です。

* このマガジンの母体となっている「カガクシャメーリングリスト」

http://groups.yahoo.co.jp/group/Kagakusha/)のこと

かくして修士課程を修了後、民間企業の研究所に勤務することになりました。

幸い、学生時代に学んだ知識を活かせる仕事に就くことができました。そし

て入社まもなく、アメリカやヨーロッパの大学教授たちと接する機会に恵ま

れました。彼らは私のような若輩者にも対等の目線で質問、議論してきます。

ステータスの高さにもかかわらない彼らの謙虚さに、非常に驚きました。

さらに会社では、海外の会社とのやりとりを任せられることが多かったので

すが、その中で、アメリカやヨーロッパの会社では博士号を持った人たちが、

極めて幅広く活躍していることを知るようになりました。会社の研究員だけ

でなく、マーケティングディレクターや社長、役員といったマネージメント

職の人たちまでもがPh.D.ホルダーなのです。これらの会社では自社に勤め

るPh.D.の数を一つのステータスとしています。

「年齢が高い」「視野が狭い」などと言う理由で博士を冷遇する日本の会社

とは正反対に、欧米ではPh.D.を持つことが産業界においても、キャリア

構築における重要な要素なのだと知るようになりました。彼らは当然エンジ

ニアリング、サイエンスなどのバックグラウンドがありますから専門的な

話題も十分理解できますし、もちろんそれだけでなくビジネスにおける交渉、

コミュニケーション、素早い意志決定に長けていて、自分たちとの圧倒的な

差を感じるようになりました。そのうちにこのような人材を送り出すアメリ

カの博士課程とは一体どんなところだろう、と興味を持つようになり、そし

てこれが後にアメリカPh.D.課程へ進むこととなるきっかけとなりました。

かくして私のアメリカの大学院についての調査が始まりました。最大の懸念

はPh.D.取得後の就職でしたが、今の時代、アメリカにおける外国人エンジ

ニア雇用についての情報や統計資料は、インターネットで簡単に入手できま

す。さらには、アメリカの理系大学院は授業料や生活費の工面をする必要が

ない、というのは非常に大きな魅力です。

そしてKagakushaメーリングリストの存在も知り、アメリカの大学院にすで

にいらっしゃる皆さんや、私と同時期に大学院受験する方々に、勇気づけら

れました。4年の職務経験があるためストレートに進学する学生に比べ年齢

が高いわけですが、メーリングリストで私の職務経験は大学院受験、そして

Ph.D.取得後の就職に有利になれど不利になることはないということを

知りました。Kagakushaメーリングリストの皆様には本当に感謝してお

ります。

今はアメリカでPh.D.課程に在籍する私ですが、今までの人生でもっとも

楽しい日々を送っています。あの時は本当に良い進路選択をしたと、心から

思っています。これからは自分の研究と同時に、こちらの大学院の情報を

日本にいる方々に提供し続けたいと考えています。

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自己紹介

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川尻 喜章

1999年関西大学工学研究科修士課程修了(化学工学)。企業の研究所に

勤務した後、2003年よりカーネギーメロン大学化学工学科博士課程に

在籍、現在に至る。研究分野はプロセスシステム工学、動的最適化。

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編集後記

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Ph.D.取得後には再び産業界に戻ろう、と大学院入学当時は思っていました。

ところが、もともと大学教育自体に興味があったのと、大学院での研究が

あまりに楽しかったため、アメリカのアカデミアで就職活動を行いました。

これからは研究者としてだけでなく、教育者としても力を尽したいと思って

おります。

(川尻)

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