5/12【海外サイエンス・実況中継】アメリカ就職活動インタビュー

Post date: May 11, 2013 9:17:31 AM

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_/ 『海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継』

_/ May 2013, Vol. 59, No. 1

_/ カガクシャ・ネットワーク → http://kagakusha.net/

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-----------------What's New?--------------------------------

◆大学院生、ポスドク、研究者のためのキャリアフェア、CPPが

サンフランシスコにて開催されます。詳しくは、

https://sites.google.com/site/kagakushanetwork/news/cpp2013kyariaforamunogoannei

をご覧ください。

◆海外の日本人研究者同士の、大規模かつ有機的な結びつきを深めることを目的とする

United Japanese researchers Abroad (UJA)さんを相互リンクで紹介しています。

詳しくはこちらのリンクページをご覧ください。

http://www.kagakusha.net/Links/unitedjapaneseresearchersabroaduja

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-- From editors --

今週のメールマガジンでは、スタンフォード大学材料工学科の博士課程を

修了された松田佑介さんのアメリカでの就職活動の様子をお送りします。

リクルーティングや面接の流れについて、その様子が手に取るようにわかる

インタビュー形式の記事です。ぜひお楽しみください。

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■出身大学、学部学科、大学院留学先、学部学科を教えてください。

東北大学機械系を卒業し、スタンフォード大学材料工学科博士課程に

2008年9月に入学し、2013年1月に卒業しました。

■ キャリアプランについてはいつごろから考えていましたか?

留学前より卒業後の出口戦略は漠然と考えていました。それを具体化し

行動に起こす作業は卒業の一年ほど前から始めました。

■ 就職先はアカデミアですか?それとも企業就職でしょうか?

■ それは、どういった分野ですか?大学院研究との関連性はありましたか?

4月8日よりDow Chemical CompanyのMaterials Science, Core R&D

groupにSenior Engineerとして勤務します。Dow Chemical Companyは

アメリカ、ミシガン州ミッドランドに本社を置き日本を含む160カ国

以上に拠点を持つ世界最大級の化学メーカーです。在籍するMaterials

Science, Core R&D groupは研究所の一部門で自動車、環境・エネルギー

電子機器等向けの材料研究に取り組んでいます。職務内容は大学院での

研究との関連性があります。

■ 就職先をそちらに選んだ動機を教えてください。

自分の好きなこと・やりたいこと・得意なことができ、またそれ

らを通じて会社に貢献できると思ったからです。将来目指すキャ

リアの実現につながると考えたことも大きな動機です。また、

同社にいるかつての研究室の同僚が入社を薦めてくれたのも大き

いですね。

■ 就職活動時期、就職活動のプロセスについてお願いします。

■ どういったプロセスを経てオファーをいただきましたか?

就職活動は卒業の1年前から始めました。2012年12月から大学のキャリ

アコンサルタントと一緒に履歴書の更新やMBTI, Strong Interest

Inventory, StrengthFinderといった各種適正試験を受け自分の適性の

確認作業を行いました。2013年2月には大学主催のキャリアフェアに参

加しリクルーターとの面談やその後の電話面接を通じインタビューの

練習をしました。また研究室のOBを通じてInformational Interview

(OB訪問)も行い自分に合いそうな会社(規模・業種等)を考えました。

本格的な活動は2013年の9月に入ってからです。面接は半導体装置メー

カー、材料メーカーそしてDow Chemicalの3社受けました。面接に至っ

た経緯ですが、半導体装置メーカーは学会で知り合ったマネージャー

からの誘いによるもの、材料メーカーは大学のキャンパスリクルーティ

ングによるもの、そしてDow Chemicalは同社にいるかつての研究室の

同僚からの誘いによるものでした。

Dow Chemicalでの採用プロセスをもう少し具体的に述べましょう。

2012年の9月初めにDowで働いているかつての同僚から「採用マネー

ジャーが大学に訪れリクルーティングをするから話をしてみないかと

メールが来ました。その同僚とは過去に一緒に研究をしておりとても

信頼していました。その彼がDowはエキサイティングでとても良い会

社であるといっていたのでぜひ参加することにしました。採用マネー

ジャーとは大学で1時間ほど面談し、次のステップであるDowでの面接

(on site interview)に招待されました。Dowでは一時間のセミナー

を2回行い、3日間かけて5部門30名強と面接をしました。一対一の面

接に加え、朝食・昼食・夕食での面接と盛りだくさんでした。3日目の

最後に人事部と福利厚生等の説明を受け面接が終了しました。オファ

ーは翌日に頂きました。

■ 実際にあった面接での質問を教えてください。

主に研究とBehavioral questionsが中心でした。Behavioral

questionsはリーダーシップ経験について、共同研究の経験、どの

ように人を説得するか、困難な状況ではどのように対応するかと

いった質問を受けました。

■ 面接で気をつけることを教えてください。

簡潔かつ面接者や状況に応じた説明を行うこと、職場・職務について学

ぶこと、自分自身であること、面接を楽しむことの4点を心がけました。

説明はよく用いられるSTARを参考にしました。また説明に使用する言葉

や詳細度は面接者の立場(職種、専門性、マネージャー等)によって変

えるようにしました。面接では職場・職務が自分にあいそうか、またや

りたいことができそうか理解できるような質問を投げかけました。

■ 就職活動において重要だと思われたことを教えてください。

信頼できるネットワークを通じて面接までたどり着くことが最重要と

思います。アメリカの就職活動で最も難しいのは面接に到達すること

だとよく言われます。しかしながら、ネットワークを介することで面接

まで比較的容易に到達できると言われています。実際に、オンラインで

応募した会社からは連絡がなかった一方、ネットワークを通じた場合

面接まで進むことができました。

面接過程では、通常最初に行われるセミナーを上手に行うことが大切

のようです。セミナーがうまくいくとその後の面接が円滑に進みやすい

ようです。一対一の面接でも会社や職場について学び、それらを次の

面接に生かしていくことも大切と思います。

信頼できる相談者の意見をもらうことも大切と考えます。私は大学の

就職コンサルタントや共同研究者、よく知る大学のコミュニケーション

のプロフェッショナルから有益な助言をもらいました。共同研究者は

企業のマネージャーでもあり採用者側からの視点を教えてもらい、

非常に参考になりました。コミュニケーションのプロからはプレゼン

テーションやセミナー要綱のチェックをしてもらいました。

日ごろから練習・準備をしておくことも大切です。大学主催のキャリア

フェア等に参加しすること、面接はできるだけ受け面接技術を磨くことが

よいと良いと考えられているようです。

■ 就職活動での苦労、大学院生生活において就職活動準備としてするべき

■ ことを教えてください。

自分が何が好きで得意か、また何をやりたいかをよく理解しておくことが

大切と思います。それ(ら)はどこでできるか、そこへ入るにはどのような

知識・能力・経験が必要かよく考え調べそして準備しておくことが大切だと

考えています。

■ 松田さん、ありがとうございました。

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