8.妖怪学参考図書 解題:山内瑛一編

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妖怪学参考図書解題

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壒嚢鈔 あいのうしょう  七巻(刊本は一五巻一五冊)。<著>行誉(未詳)室町時代の真言宗の僧。<成>一般的な問題を扱う「素問」巻一―巻四が文安二(一四四五)年、仏教に関する問題を扱う「緇問」巻五―巻七が翌三(一四四六)年。<版>正保三(一六四六)年。<内>類書。事物の起源・語源・語義・仏教など、僧俗にかかわる事柄を五三六項目にわたり、多くの和漢の古典からの引用によって説明し、考証したもの。良胤(号は大円)著といわれる『塵袋』に書名および内容の範をとっている。のち天文元(一五三二)年、『塵袋』と『壒嚢鈔』の二書の重複部分などを取捨選択して、『塵添壒嚢鈔』(編者未詳)が成立し、『壒嚢鈔』といえばこれを指すようになった。<複>『壒嚢鈔』慶長一六年写。「原装影印版 増補古辞書叢刊」本、雄松堂、一九七八年。『塵添壒嚢鈔・壒嚢鈔』正保三年版、臨川、一九六八年。<活>『壒嚢鈔』現代思潮社、一九七七年。これは昭和一一年の『日本古典全集』の複製本。

青森新報 あおもりしんぽう  日刊。青森、青森新報社。明治三三(一九〇〇)年創刊。

赤星そうし あかぼしそうし  三冊。<著>秋里籬島(?―一八三〇?年)江戸後期の読本作者・俳人。姓は池田、名は舜福、字は湘夕、秋里籬島は号、別号は籬島軒。<成><版>文化七(一八一〇)年。<内>豊前沢田村奇談、平家蟹、太宰府の奇梅など、九州旅行中の見聞談二〇話を集めたもの。<蔵>哲学堂文庫。

曙新聞 あけぼのしんぶん  東京曙新聞 とうきょうあけぼのしんぶん

阿含経 あごんぎょう  <成>ブッダ入滅後から紀元前一世紀ころまでに完成。<内>最古の原始仏教経典。ブッダの直接の説法を多く含んだ経蔵の総称で、パーリ語で書かれた南方仏教所伝の五部(長部・中部・相応部・増支部・小部)の経蔵と、北方仏教所伝の漢訳されて伝えられた四阿含(長阿含経・中阿含経・雑阿含経・増一阿含経)の二種が数えられる。両者は内容的に多く共通している。<活>『大正新脩大蔵経』一(一・二六・九九・一二五)。<訳>『国訳一切経』阿含部七・四―六・一―三・八―一〇。

東鑑 あずまかがみ  吾妻鏡 あずまかがみ

吾妻鏡 あずまかがみ  五二巻五一冊(北条本・島津本)または四七巻四七冊(吉川本)。<著>未詳。<別>『東鑑』。<成>鎌倉時代。<版>古活字版、慶長一〇(一六〇五)年。<内>歴史書。治承四(一一八〇)年の源頼政の挙兵から、文永三(一二六六)年に六代将軍宗尊親王が辞任して京都に戻るまでの鎌倉幕府の歴史を、和風漢文をもって編年体で記述したもの。<複>『振り仮名つき吾妻鏡』寛永本、汲古書院、一九七六年。<活>『新訂増補

 国史大系』三二―三三、『吉川本吾妻鏡』(国書刊行会、一九二三年)、『全訳吾妻鏡』(人物往来社、一九七六―七年)

愛宕宮笥 あたごみやげ  三巻四冊。<著>未詳。<別>『あたごみやげ』、『愛宕土産』。<成><版>元禄一二(一六九九)年。<内>愛宕参詣に託して火の用心のことについて述べ、戒めとしたもの。

熱海温泉記 あたみおんせんき  未詳。

熱海志 あたみし  一冊。<著>菊岡沾涼(一六八〇―一七四七年)江戸中期の著述家・俳人。名は光行、別号は南仙・独南斎など。<成>延享元(一七四四)年奥書。<内>地誌。

アナーレン・デル・フィジーク・ウント・ケミー   Annalen der Physik und Chemie. <内>物理学と化学の年報。

阿難七夢経 あなんしちむきょう  一巻。<訳>曇無蘭(未詳)東晋代の訳経僧。<別>『七夢経』。<内>阿難の見た七つの悪夢を仏が解釈し、未来の悪世の相を示したものとした。<活>『大正新脩大蔵経』一四(四九四)

アネロイド晴雨計詳説及用法 あねろいどせいうけいしょうせつおよびようほう  <著>英国気象協会。水路部訳・刊、明治二五(一八九二)年、三二頁。付録として天気予知法が添付されている。

阿毘達磨倶舎論 あびだつまくしゃろん  三〇巻。<著>世親(ヴァスバンドゥ、五世紀ころ)インドの仏教思想家。<訳>玄奘(六〇二―六六四年)唐代の大翻訳家。<別>『対法論』、『聡明論』、『倶舎論』。<成>五世紀ころ。<内>『阿毘達磨大毘婆沙論』の教理を整理して組織的・批評的に編成したもので、界・根・世間・業・随眠・賢聖・智・定の八品から成り、それに付録的な破我品がつき九章で構成されている。<活>『大正新脩大蔵経』二九(一五五八)。<訳>『国訳一切経』毘曇部二五―二六。

阿毘達磨倶舎論本頌 あびだつまくしゃろんほんじゅ  一巻。<著>世親(ヴァスバンドゥ、五世紀ころ)インドの仏教思想家。<訳>玄奘(六〇二―六六四年)唐代の大翻訳家。<別>『倶舎論本頌』、『倶舎論頌』、『倶舎頌』。<内>『阿毘達磨倶舎論」の偈文の部分のみを集めたもの。<活>『大正新脩大蔵経』二九(一五六〇)

阿毘達磨順正理論 あびだつまじゅんしょうりろん  八〇巻。<著>衆賢(サンガバドラ、未詳)インドの説一切有部正統派の論師。<訳>玄奘(六〇二―六六四年)唐代の大翻訳家。<別>『倶舎雹論』『随実論』、『順正理論』、『正理論』。<内>説一切有部の法相を詳説したもの。<活>『大正新脩大蔵経』二九(一五六二)。<訳>『国訳一切経』毘曇部二七―三〇。

阿毘達磨大毘婆沙論 あびだつまだいびばしゃろん  二〇〇巻。<訳>玄奘(六〇二―六六四年)唐代の大翻訳家。<成>二世紀ころ。<別>『説一切有部発智大毘婆沙論』、『大毘婆沙論』、『婆沙論』。<内>部派仏教の説一切有部の根本書である『発智論』の詳細な逐語訳的注解書。説一切有部の教学の集大成であるとともに、当時のインド思想界の百科全書的な性格をもつ論書。<活>『大正新脩大蔵経』二七(一五四五)、『大日本校訂大蔵経』四二―四三。<訳>『国訳一切経』毘曇部七―一七。

阿毘曇 あびどん  阿毘達磨大毘婆沙論 あびだつまだいびばしゃろん

安倍晴明物語 あべのせいめいものがたり  六巻七冊。<著>未詳。<別>『清明物語』、『安倍晴明記』。<版>寛文二(一六六二)年。<内>巻一―巻三は一代記と題簽に副題が記され、巻四、天文の巻、巻五、日取の巻、巻六(上・下)、人相の巻とあり、各題簽の副題にそれぞれ秘伝と書かれている。巻一―巻三は二一話、巻四は一〇話、巻五は三七話、巻六は二三話(上)と一四話(下)から成っている。なお、作者は浅井了意ともいう。<活>『仮名草子集成』一。

阿弥陀経 あみだきょう  仏説阿弥陀経 ぶっせつあみだきょう

安斎随筆 あんさいずいひつ  三〇巻三〇冊。<著>伊勢貞丈(一七一七―八四年)江戸中期の故実家。号は安斎、俗に貞丈という。<別>『安斎雑記』、『伊勢貞丈随筆』、『安斎筆記』。<成>江戸中期。<内>有職故実に関連する書籍類から雑多に項目を掲げて抄出し、批判や感想を記したもので、三一六六項目から成る。貞丈の没後、門弟らが遺稿を整理して編集したもの。<活>『新訂増補 故実叢書』八―九。

安斎漫筆 あんさいまんぴつ  <著>伊勢貞丈(一七一七―八四年)江戸中期の故実家。号は安斎、俗に貞史という。<内>考証・雑記。<蔵>国立公文書館内閣文庫(写本)

晏子春秋 あんししゅんじゅう  八巻。<著>晏嬰(?―前五〇〇年)春秋末期の斉の政治家。字は平仲。晏子と称される。<別>『晏子』。<内>晏嬰の言行を後人が録したもので、内編六、外編の八編から成り、二一五の説話を収めている。晏嬰が斉の霊公・荘公・景公の三君につかえて、君を諌め、民を治めたことなどを記している。

安政雑書万暦大成>あんせいざっしょばんれきたいせい  大雑書 おおざっしょ

安楽集 あんらくしゅう  二巻。<著>道綽(五六二―六四五年)隋・唐代の僧。<成>隋末唐初(六〇八―六四五年)。<内>多くの仏教経典を引用して、『観無量寿経』の念仏思想を明らかにしようとしたもので、仏教を聖道門と浄土門に分け、末法の世における念仏の教えの正当性を主張している。この主張は弟子善導によって大成されて、日本浄土教に大きな影響を与えた。<活>『大正新脩大蔵経』四七(一九五八)、『浄土宗全書』一。<訳>『国訳一切経』諸宗部五。

云波草 いえばぐさ  五冊。<著>田中元陳(未詳)。<別>『いへは草』、『いえはくさ』。<成>享保二〇(一七三五)年。<版>元文二(一七三七)年。<内>天地神明のことから人事百般にわたり、感じたことを教訓的に論じたもの。<蔵>国立国会図書館。

異苑 いえん  一〇巻。<著>劉敬叔(?―四六五または四七一年)六朝時代宋の文学者。<内>怪異な話を集めた志怪小説。三八〇余条から成る。<活>『学津討原』一六、『津逮秘書』一一、『説郛』一一七。

医学正伝 いがくしょうでん  八巻。<著>虞搏(未詳)。<内>朱震亨の医説の精髄を、張仲景・李杲などの説を参照して五二項目の問答形式で論述したもの。

伊香保温泉遊覧記 いかほおんせんゆうらんき  一冊。<著>編・正田治兵(未詳)。改正舎、明治二二(一八八九)年、二六頁。<内>紀行。

異魚図賛 いぎょずさん  <著>楊慎(一四八八―一五五九年)明の学者・文学者。字は用修、号は升庵。<内>魚の図三巻計八七種、賛をなすもの八六首。海錯疏一巻計三五種、賛をなすもの三〇首を付している。

威儀略述 いぎりゃくじゅつ  一冊。<著>祐海(未詳)。<成>享保一九(一七三四)年。<版>宝暦四(一七五四)年。<内>仏教。威儀・巡堂・旋遶・拝像・入門・出行・盛香・滅灯・著衣・献供・飯食・礼拝・合掌・問訊・曲躬・焼香・衣鉢・道場の一八項について僧の威儀を述べたもの。<蔵>哲学堂文庫。

遺契 いけい  一三巻五冊。<著>服部南郭(一六八三―一七五九年)江戸中期の儒学者・漢詩人。名は元喬、字は子遷、別号は芙蕖館など。<別>『南郭随筆 遺契』、『南郭先生遺契』。<内>辞書。<蔵>国立国会図書館(写本)

夷堅志 いけんし  現存五〇巻。<著>洪邁(一一二三―一二〇二年)南宋の学者。字は景盧、号は容斎、諡は文敏。<内>神仙怪異の諸事を雑録したもの。書名を列子の「夷堅開而志レ之」の語からとっている。<活>『新校輯補 夷堅志』(民国一六)

医心方 いしんほう  三〇巻三〇冊。<著>丹波康頼(九一二―九九五年)平安中期の医家。<成>永観二(九八四)年。<版>安政元(一八五四)年。<内>中国の本草書や医書をもとに編述された、現存する日本最古の医薬総合事典。<複>『医心方』(仁和寺本、巻一・五・七・九・一〇、荻野仲三郎、昭和一〇年。成簣堂本、巻二二、昭和一二年)。<活>『日本医学叢書』二、『日本古典全集』五期。

頤生輯要 いせいしゅうよう  五巻。<著>貝原益軒(一六三〇―一七一四年)江戸前期の儒学者・本草家・教育思想家。名は篤信、字は子誠、別号は損軒。<別>『益軒先生養生論』、『養生論』。 <成>正徳元(一七一一)年。<版>正徳四(一七一四)年。<内>保命長寿に関する事柄を諸書中より抄録し、その数百項におよぶものを、さらに一二門に分類した衛生保養のための書。<活>『益軒全集』七。

伊勢鎮座記 いせちんざき  未詳。

伊勢万筆 いせまんぴつ  五巻五冊。<著>伊勢貞丈(一七一七―八四年)江戸中期の故実家。号は安斎、俗に貞丈という。<内>有職故実。<蔵>国立公文書館内閣文庫(写本)

伊勢物語 いせものがたり  <著>未詳。<成>未詳。<版>慶長一三(一六〇八)年古活字版、寛永六(一六二九)年。<内>色好みの男を主人公にした歌物語。<複>『伊勢物語』(三条西家本、昭和二四年。伝東常縁筆武田本、昭和三四年)、『古典保存会』三期・四期、『古文学秘籍叢刊』、『続扶桑珠宝』。<活>『群書類従』物語、『校註国文叢書』六、『校註日本文学叢書』一〇、『校註日本文学大系』二、『古典文庫』(冷泉為和筆本、谷森本)、『日本古典全集』(伝一条兼良自筆本)、『日本古典文学大系』九、『日本文学全書』。

異端弁正 いたんべんせい  三巻。<著>詹陵(未詳)。字は雪厓。<成>嘉靖四(一五二五)年。<版>寛永二一(一六四四)年。<内>各項目ごとに儒説を掲げて説明し、儒学の立場から、虚無や安易な悟りを説く老荘楊墨の説および釈氏の説を異端とし、とくに教外別伝を説く禅を異端として排斥している。<蔵>哲学堂文庫。

一言集 いちごんしゅう  勇士物語 ゆうしものがたり

一言雑筆 いちごんぞうひつ  三巻三冊。<著>未詳。<別>『童訓心目一言雑筆』。 <成><版>正徳元(一七一一)年。<内>巻上「天地人仏神一体同性一心のこと」など一二条、巻中「阿字伊字前後のこと」「亡魂子産のこと」など二〇条、巻下「心の色葉意趣利益のこと」など一二条から成り、いろは歌にたくして仏教の教えの心髄を述べている。<蔵>哲学堂文庫。

一条摂政御集 いちじょうせっしょうぎょしゅう  一冊。<著>藤原伊尹(九二四―九七二年)平安中期の公家・歌人。伊尹は名、「これただ」とも読む。三河公・一条摂政と称す。諡は謙徳公。<別>『一条摂政集』、『豊景豊陰謙徳公集』。<内>歌集。三部構成から成る家集。<複>『一条摂政御集』(尚古会、昭和一二年)、『一条摂政御集』(松かげ会、昭和三三年)。<活>『王朝文学』一〇、『国文学論攷』昭和九年、『私家集大成』中古1。

一葉抄 いちようしょう  一〇冊。<著>藤原正存(未詳)。<別>『源氏物語一葉抄』、『源氏一葉』。<成>明応四(一四九五)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<活>『翻刻平安文学資料稿』第一期、『源氏物語古注集成』九。

一話一言 いちわいちげん  <著>大田南畝(一七四九―一八二三年)江戸中・後期の狂歌師・戯作者・幕臣。名は覃、別号は蜀山人・四方赤良など。<成>安永四(一七七五)年ころから文政五(一八二二)年ころまでの約五〇年間の筆録。<内>随筆。学問や芸術、歴史、江戸の生活などの風俗、天災・巷談などの時事に関するもの、および自身の行動記録など、森羅万象にわたる関心事を雑多に記録したもの。<活>『大田南畝全集』一二―一六、『蜀山人全集』四―五、『日本随筆大成』新版別巻一―六(旧版一期別巻)

厳島宮路の枝折 いつくしまみやじのしおり  一冊。<著>編・村田良穂(未詳)。広島、松村善介刊、明治一一(一八七八)年、和二九丁。

逸周書 いつしゅうしょ  一〇巻。<著>未詳。<別>『汲冢周書』。<内>周の時代の誥誓号令を録したもの。<活>『漢魏叢書』二七―二八、『古今逸史』一四、『四部叢刊』二五一、『玉函山房輯佚書』八〇。

一宵話 いっしょうわ  一宵話 ひとよばなし

遺伝論 いでんろん  一冊。<著>T・A・リボー(Ribot, T. A. 一八三九―一九一六年)フランスの心理学者・精神病理学者・哲学者。<内>医学。〔原書〕 L'he´re´dite´, 1873.

医道便易 いどうべんい  <著>平沢常知(未詳)。<別>『医学便易大成』。佐原村(千葉県)、正文堂、明治一四(一八八一)年、和二冊(乾六〇、坤四五丁)

稲荷神社記秘訣 いなりじんじゃきひけつ  一冊。<著>羽倉広満(未詳)江戸前期の神職。広満は名。<内>神道家の憶断によって、稲荷の名義、神祭のこと、および狐神とが混合したことなどを論じている。<蔵>宮書(池底叢書二、写本)

稲荷神社考 いなりじんじゃこう  二冊。<著>前田夏蔭(一七九三―一八六四年)江戸後期の国学者。<成><版>天保七(一八三六)年。<内>建社原始、神名釈義並神像、神位次第など八項に分けて、稲荷神社に関する詳細な考証をなしたもの。<蔵>国立国会図書館。

狗張子 いぬはりこ  七冊。<著>浅井了意(一六一二ころ―九一年)江戸前期の僧・仮名草子作者。了意は法号、別号は瓢水子・松雲など。<別>『狗波利子』、 『犬はりこ』。 <成>元禄元(一六八八)年ころ。 <版>元禄五(一六九二)年。 <内>『剪灯余話』を中心に唐代の異聞・怪談を集めて翻案したもの。『御伽婢子』の続編。<活>『仮名草子集成』四、『近代日本文学大系』「怪異小説集」、『徳川文芸類聚』四、『日本名著全集』「怪異小説集」。

稲生物怪録 いのうもののけろく  三巻三冊。<著>柏正甫(未詳)。<別>『稲生妖怪語』、『絵入稲生逢妖談』、『稲生物語』。 <成>文化三(一八〇六)年。<内>備後国三次(現在広島県三次市)の藩士の子、稲生平太郎(のち武太夫)が数え年一六歳(寛延二年=一七四九年)のとき、平太郎をなめまわす巨大な老婆、はね歩く田楽串しになった目のまるい小坊主の首、もえあがる行灯など奇想天外な化け物が現れ、一カ月の間、平太郎ひとりでそれらと闘い、最後に魔国の頭・山ン本五郎左衛門が平太郎の勇気をたたえ、木槌を授けて化け物一族をひきつれて空のかなたに消えていったという物語。<活>『新修平田篤胤全集』九、『平田篤胤全集』三。

いはらき  日刊。水戸市。いはらき新聞社。明治二四(一八九一)年七月五日創刊。昭和一七(一九四二)年一月三一日,統合紙『茨城新聞』となったが、同二二年七月五日、『いはらき』に復題し継続している。

今斉諧 いまさいかい  五巻・続志一巻・補遺一巻。<著>古賀侗庵(一七八八―一八四七年)江戸後期の儒学者。名は煜、字は季曄、別号は蠖屈。<成>文化七(一八一〇)年初稿、同一三(一八一六)年成稿。<内>見聞したところの怪異談二三八条を漢文で記したもの。<蔵>国立国会図書館(写本)

因果経 いんがきょう  過去現在因果経 かこげんざいいんがきょう

因果物語 いんがものがたり  三巻三冊(片かな本)・六巻六冊(平かな本)。<著>鈴木正三(一五七九―一六五五年)江戸前期の仮名草子作者・禅僧。<成><版>寛文元(一六六一)年、片かな本が義雲・雲歩編で刊行。平かな本は寛文年間に増補されて三巻本から六巻本になった。<内>正三が諸国を遍歴して書きとめたもので、怪異譚をかりて仏法の因果の理を伝えようとするもの。<複>古典文庫『因果物語』(一)(二)。(一)は平かな本、(二)は片かな本。<活>『仮名草子集成』四、『袖珍名著文庫』(片かな本)

淫祀論 いんしろん  一冊。<著>近藤芳樹(一八〇一―八〇年)江戸後期・明治前期の国学者。<成>天保一四(一八四三)年。<内>正社と淫祀の区別をして、淫祀の由来・沿革を述べ、淫祀の除くべきことを論じたもの。<蔵>国立国会図書館(写本)

印度史 いんどし  一冊。<著>J・ミル(Mill, J. 一七七三―一八三六年)イギリスの哲学者・経済学者。<内>インドの歴史。〔原書〕 History of British India, 1817.

印判秘決集 いんばんひけつしゅう  <著>盛典(一六六三―一七四七年)江戸中期の国学者・真言宗の僧。<成><版>享保一七(一七三二)年。<内>名字・印判・花押のことについて論じたもの。「第一、三国流行並に相承伝来」から「第一〇、判形列位並に名乗帰納」まで一〇に分けて論じている。<蔵>哲学堂文庫(寛保三〔一七四三〕年、増補版)

陰符経 いんぷけい  一巻。<著>未詳。<内>道教の書。『黄帝陰符経』という。神仙抱一演道・富国安民演法・強兵戦勝演術の三章、四四七字から成る道家の思想をとり入れた兵法の書。道家の修養法が中心となっている。<活>『重較説郛』、『広漢魏叢書』。

陰陽五要奇書 いんようごようきしょ  <著>郭璞(二七六―三二四年)六朝・東晋の学者・文学者。字は景純/その他著。豊川村(大阪)、岸田佐右衛門、明治二二(一八八九)年、一八四・一六五頁。<内>合冊本。郭璞『元経』、趙載『璇璣経』、陳復心老人『陽明按索』、劉伯温『左元直指』、幕講『三白宝海』を収録している。

陰陽式 いんようしき  未詳。

陰陽方位便覧 いんようほういべんらん  三巻三冊。<著>白井為賀(未詳)江戸後期の易学家。<成><版>嘉永七(一八五四)年。<内>占卜。森重勝纂輯本(文化一一年刊)の補訂。<活>『陰陽方位便覧』(明治二三・二七年)

宇治拾遺物語 うじしゅういものがたり  一五巻。<著>未詳。<成>建暦二(一二一二年)―承久三(一二二一)年の間に成立し、のち増補された。<版>八巻、寛永(一六二四―四四年)ころ古活字版。一五巻、万治二(一六五九)年。<内>説話。霊験譚・法力譚などの仏教説話、笑話、滑稽談、民話など一九七話を収録している。『今昔物語集』、『古事談』、『日本霊異記』などの先行諸書に依拠した説話が過半をしめている。<複>笠間影印叢刊(書陵部本)、陽明叢書(陽明文庫本)、『宇治拾遺物語』(古活字版)。<活>『岩波文庫』、『角川文庫』、『校註日本文学大系』一〇、『新訂増補 国史大系』、『日本古典全書』、『日本古典文学全集』、『日本古典文学大系』二七。

宇治大納言物語 うじだいなごんものがたり  三巻。<著>源隆国(一〇〇四―七七年)平安中期の公卿。宇治大納言と称される。<内>説話集。鎌倉末期には散逸したという。『今昔物語集』、『宇治拾遺物語』などの中世説話集と密接な関係があるとされる。室町―江戸期にはそれらとの混同がおこった。 宇治拾遺物語、今昔物語集。

于周語単襄公語 うしゅうごたんじょうくご  未詳。

有宗七十五法記 うしゅうしちじゅうごほうき  三巻三冊。<著>宗禎(未詳)江戸中期の僧。<別>『七十五法記』。<成>享保一三(一七二八)年自序、同一五年跋。<版>享保一七(一七三二)年。<内>『阿毘達磨倶舎論』などにもとづいた説一切有部の教義綱要書。『七十五法名目』の不備を補う目的で著され、倶舎学の入門書として用いられたといわれる。<活>『大正新脩大蔵経』七一(二三二五)、『仏教大系』七十五法・略述法相義。

雨窓閑話 うそうかんわ  三巻三冊。<著>松平定信(一七五八―一八二九年)江戸後期の大名・学者・歌人。号は楽翁。<別>『白河夜話』、『明君白河夜話』。 <版>嘉永四(一八五一)年。<内>織田信長吝嗇のこと、秀吉奥方の素性、細川侯和歌のこと、感情の発句のことなど、三〇余条の古今の雑話を集めたもの。各条の終わりに勧戒の言を付記している。<活>『日本随筆全集』一九、『日本随筆大成』新版一期七(旧版一期四)、『百家説林』正編上。

仮寐夢 うたたねのゆめ  六巻六冊。<著>小崎智節(未詳)江戸前期の人。別名は川西逸人・観海居士。 <成>元禄六(一六九三)年序。<内>漢文随筆。巻一「東山弄花」から巻六「解頼政嘲」まで八二条。巻三に「鬼神」「天狗」、 巻五に「妖由人興」「蘇生ならびに輪廻」などがある。<蔵>哲学堂文庫(元禄六年、六巻二冊)

うつほ物語 うつほものがたり  二〇巻二〇冊。<著>未詳。複数の作者により書き継がれたものと考えられている。<別>『空穂物語』、『宇津保物語』。 <成>平安時代後期。<版>二〇巻三〇冊、延宝五(一六七七)年。<内>文学史上最初の長編物語で、『竹取物語』(伝奇的傾向)から『源氏物語』(写実的傾向)への中間に位置する作品。貴宮をめぐる求婚物語、藤原仲忠一家の理想的な生活と立太子をめぐる政治的情況、永遠を志向する音楽美の世界などから成る。<複>『俊景本宇津保物語と研究・第一巻資料篇』久曾神昇、一九八三年、翻刻併載。<活>『宇津保物語 本文と索引・本文編』一九七三年、『校注古典叢書』一三―一四、『日本古典全書』、『日本古典文学大系』一〇―一二。

空穂物語 うつほものがたり  うつほ物語 うつほものがたり

海賦 うみのふ  <著>木玄虚(未詳)西晋の人。<内>海を詠んだ賦。『文選』巻第一二所収。 文選。

羽翼原人論 うよくげんにんろん  <著>円通(一七五四―一八三四年)江戸後期の天台宗の僧。号は普門・無外子。<別>『略解羽翼原人論』。 <成><版>文政七(一八二四)年。<内>仏教。唐の圭峰(宗密)の『原人論』の略解。付録として良遍の「自行思惟」を付している。<活>『羽翼原人論』京都、法蔵館、明治一九(一八八六)年。和三一丁。付・自行思惟(良遍)

盂蘭盆経 うらぼんぎょう  仏説盂蘭盆経 ぶっせつうらぼんぎょう

盂蘭盆経疏新記 うらぼんぎょうしょしんき  二巻。<著>元照(一〇四八―一一一六年)宋代の僧。号は安忍子、字は湛如。大智律師ともいう。<別>『新記』、『疏記』。<内>宗密(七八〇―八四一年)の『盂蘭盆経疏』の注釈書。<活>『卍字続蔵経』一・三五・二。

雲臥紀談 うんがきだん  雲臥紀譚 うんがきだん

雲臥紀譚 うんがきだん  二巻。<著>暁瑩(未詳)宋の高僧。字は仲温。<別>『雲臥紀談』、『感山雲臥紀談』。<成>南宋紹興二(一一五五)年。<内>閑居中に見聞した逸話や、修行上の警策とすべき資料を収集し、五二章(上巻)と四四章(下巻)にまとめたもの。<活>『卍字続蔵経』二・乙・二一・一。

雲斎録 うんさいろく  未詳。

雲室随筆 うんしつずいひつ  <著>雲室(一七五三―一八二七年)江戸後期の画僧。名は鴻漸、法名は了軌。<別>『雲室道人筆記』、『雲室筆記』。 <成>未詳。<内>雲室の経歴を中心にして、交遊のあった学者・詩人・画家など四〇余名の逸話や人物評を記したもので、伝記資料の典拠ともなっている。<活>『少年必読日本文庫』四、『芸苑叢書』、『日本画論大観』中。

運斗枢 うんとすう  春秋運斗枢 しゅんじゅううんとすう

雲萍雑志 うんぴょうざっし  四巻四冊。<著>未詳。<成><版>天保一四(一八四三)年。<内>随筆。多年の見聞の漫録で、全一六一項から成り、多くは志士・仁人などの言行をあげて、平易な和漢混交文で善を勧め悪を懲らそうとしたもの。多方面にわたる興味ある話題にあふれている。<活>『岩波文庫』、『日本随筆大成』新版二期四(旧版二期二)、『百家説林』正編下。

雲楽見聞書記 うんらくけんもんしょき  二巻一冊。<著>雲楽(未詳)。<別>『見聞書記』。<成>未詳。<内>「無銘の刀剣奇代のこと」から「人参自方間違のこと」まで二六の奇談・奇話を集めたもの。<蔵>哲学堂文庫(写本)

英華故事 えいがこじ  五巻二冊。<著>浅井了意(一六一二ころ―九一年)江戸前期の僧・仮名草子作者。了意は法号、別号は瓢水子・松雲など。<別>『賞花吟』、『賞華吟』。<成>宝暦一四(一七六四)年。<版>安永六(一七七七)年。<内>巻一「世間風流」など七編、巻二「仏道因縁」など五編、巻三「宝算を祝し奉る」など九編、巻四「諸人の目を悦ばしむる」など一一編、巻五「玅香薫馥」など四編の計三六編から成る。花に関する故事と和歌でつづった花の随想。巻五の最後に「蜀州の紅梅女に化すること」「白蓮花の精、美女となりて人に契りしこと」という中国の話が引かれている。貞享五(一六八八)年に成立し、享保二一(一七三六)年に刊行された『賞花吟』の改題本。 <蔵>哲学堂文庫(安永六年)

栄花物語 えいがものがたり  四〇巻。<著>正編(三〇巻)は赤染衛門、続編(一〇巻)は平季信女(出羽弁)などの女性の執筆と考えられている。<別>『栄華物語』、『世継』、『世継物語』。 <成>平安時代(一一世紀)。 <版>古活字版二〇冊、元和・寛永(一六一五―四三年)ころ。<内>宇多天皇から堀河天皇までの約二世紀にわたる宮廷を中心とする編年体の歴史物語。藤原道長の栄華を物語文学の手法で記している。<活>『岩波文庫』、『校註国文叢書』一〇、『新訂増補 国史大系』一五、『史籍集覧』通記類、『日本古典文学大系』七五―七六、『栄華物語全注釈』(全八巻・別巻一、角川、一九六九―八二年)

盈進斎随筆 えいしんさいずいひつ  学山録 がくざんろく

営造宅経 えいぞうたくけい  <著>(未詳)。<内>占卜。

永代大雑書三世相 えいたいおおざっしょさんぜそう  <著>未詳。<別>『永代雑書三世相』、『永代大雑書』。 <成><版>天保九(一八三八)年。<内>「袁天綱」からはじまり、最後の「三体いろは」までの二〇八項目を掲げて、天文・暦・陰陽・家相・人相・男女相性・出産・夢判断・病気養生・まじない秘伝など、生活上の雑多な事柄を記し、その吉凶禍福や善悪などを示したもの。<蔵>哲学堂文庫。 大雑書。

永代重宝 えいたいちょうほう  一冊。<著>未詳。<成><版>未詳。<内>暦・居判形相性・日の出入り・男女相性・まじない・うらない・万宝家建雑書・手相明鑑・人相八相の図論・夢相金鏡録など、日常生活に役立つ雑多な知識を述べたもの。大雑書の類。<蔵>哲学堂文庫(書名は題簽。刊記なし)

永代重宝記 えいたいちょうほうき  永代重宝 えいたいちょうほう

易雅 えきが  未詳。

易学 えきがく  二巻。<著>王湜(未詳)宋の人。

易学啓蒙 えきがくけいもう  二巻。<著>朱熹(一一三〇―一二〇〇年)南宋の思想家。朱子学を大成。字は元晦・仲晦、号は晦菴・晦翁。<内>邵雍の『先天図』にもとづいて、①本二図書一、②原二卦画一、③明二蓍策一の三項に分けて説明している。<活>『朱子遺書』。

易学啓蒙通釈 えきがくけいもうつうしゃく  二巻。<著>胡方平(未詳)宋の人。号は玉斎。<内>朱熹の『易学啓蒙』の解釈書。<活>『通志堂経解』三。

易学通解 えきがくつうかい  二冊。<著>井田亀学(寛政〔一七九〇年代〕ころ)江戸中・後期の易学者。名は長秀、亀学は号。<成>文化六(一八〇九)年。<版>文化六年、嘉永四(一八五一)年。<内>易六四卦による占い方を述べたもの。<活>『易学通解』訂正三版。文玉圃、明治二三(一八九〇)年、和二冊(上四五、下四五丁)

易経 えききょう  <著>未詳。<別>『易』、『周易』。<成>上・下二巻の経と十翼から成り、経は卦辞と爻辞、十翼は伝といわれ、彖伝上・下、象伝上・下、繋辞伝上・下、文言伝、説卦伝、序卦伝、雑卦伝の一〇編から成る。このなかで「繋辞伝」は易の原理論にあたるとともに、形而上学的言説を含み、中国哲学史上からも重要とされる。八卦を伏羲が、これを重ねた六四卦を新農が、卦辞を周の文王が、爻辞を周公が、十翼を孔子が作ったといわれる。<内>儒教の五経の一つ。宇宙間のあらゆる現象の理法を、陰陽二元を組み合わせた六四卦によって究明しようとするもので、人事百般を関連づけた倫理・道徳の書、卜筮の書とされる。<活><訳>『新釈漢文大系』二三―二四(上・中)、『全釈漢文大系』九―一〇。

易大伝 えきだいでん  易伝 えきでん

易断 えきだん  高島易断 たかしまえきだん

易伝 えきでん  <著>京房(前七七―前三七年)漢代の易学者。字は君明。<別>『周易大伝』。<内>『周易』の注釈書。

閲古随筆 えつこずいひつ  二巻二冊。<著>穆文煕(未詳)。<内>随筆。<蔵>哲学堂文庫。

江戸塵拾 えどちりひろい  五巻。<著>芝闌室主人(未詳)。 <別>『江都塵拾』。 <成>明和四(一七六七)年自序。<内>「霊符の社」から「筆談」まで、江戸における種々の俗談を八二項目集めたもの。序に、『江戸砂子』の塵を拾って名づけたとある。<活>『燕石十種』五。

江戸名所図会 えどめいしょずえ  七巻二〇冊。<著>斎藤幸雄(一七三七―九九年)江戸中期の国学者。号は松涛軒長秋/同幸孝(一七七二―一八一八年)江戸後期の国学者。号は莞斎/同幸成(一八〇四―七八年)幕末・明治前期の国学者。号は月岑/画・長谷川雪旦(一七七八―一八四三年)江戸後期の画家。<別>『東都名所図会』。 <成><版>天保五(一八三四)年一〇冊、同七(一八三六)年一〇冊。三代五〇年にわたって完成。<内>詳細な江戸の絵入り地誌で、江戸町内の神社・仏閣・名所古跡・地名などを、多くの絵をはさみ平易な文章で解説したもの。<活>『大日本名所図会』二、『日本図会全集』一期一―四。

淮南鴻烈解 えなんこうれつかい  二一巻。<著>高誘(未詳)後漢の学者。<内>『淮南子』の注釈書。

淮南子 えなんじ  現存二一巻。<著>劉安(前一七九―前一二二)前漢高祖の孫。文帝の一六(前一六四)年、淮南王となる。<別>原名は『淮南鴻烈』という。<内>道家・陰陽家・法家などの諸学派の説を網羅して、古今の治乱興亡・吉凶禍福・奇聞逸話などを論じた百科全書的な著作。<活>『新釈漢文大系』五三―五四・六二。

絵本朝鮮征伐記 えほんちょうせんせいばつき  二〇巻二〇冊。<著>鶴峰戊申(一七八八―一八五九年)江戸後期の国学者。戊申は名、字は世霊・季尼、号は皇舎・海西/画・橋本貞秀(一八〇七―?年)江戸後期・明治前期の絵師・戯作者。橋本貞秀は号、別号は歌川貞秀・玉蘭斎など。<別>『朝鮮征伐記』。<版>嘉永七(一八五四)年。<内>実録体小説。絵入り。豊臣秀吉の朝鮮の役を書いたもの。<蔵>哲学堂文庫。

絵本百物語 えほんひゃくものがたり  五巻五冊。<著>作・桃花園三千麿(未詳)江戸後期の人。別号は三寿・桃山人・桃華山人/画・竹原春泉斎(未詳)江戸後期の絵師。姓は松本氏、竹原春泉斎は号、別号は春泉・清秀。<別>『桃山人夜話』。 <成><版>天保一二(一八四一)年。 <内>巻一「白蔵主」から巻五「舞首」まで四四話から成り、一話ごとに妖怪の挿画がある。<活>『古典文庫』六二七「怪談百物語」。

煙霞綺談 えんかきだん  <著>西村白烏(?―一七八三年)江戸中期の易学者。白烏は号。<成>明和七(一七七〇)年序。<版>安永二(一七七三)年。<内>諸国を遊歴中に見聞した市井の奇談・怪説を集録し、私見をも加えたもの。<活>『日本随筆大成』新版一期四(旧版一期二)

円覚経 えんがくきょう  大方広円覚修多羅了義経 だいほうこうえんがくしゅたらりょうぎきょう

淵鑑類函 えんかんるいかん  四五〇巻。<著>編・張英(一六三七―一七〇八)清代の学者。字は夢敦、号は楽園/その他編。<成>康熙四九(一七一〇)年。<内>類書。清の康熙帝の命により、明の兪安期の『唐類函』にもとづいて、古今の故事来歴を明らかにするために、唐・宋・元・明の諸書より詩文・事跡を集め、全体を四四部門に分類して編纂したもの。故事を検索するのに便利といわれる。

延喜式 えんぎしき  五〇巻五〇冊。<著>藤原時平(八七一―九〇九年)平安前期の公卿/同忠平(八八〇―九四九年)平安中期の公卿/その他著。<成>延長五(九二七)年。<版>正保四(一六四七)年。<内>律・令・格の施行細則を集成した法典。これ以前の『弘仁式』、『貞観式』を集成し、三千数百条の条文を二官八省の役所ごとに編成したもの。平安時代の公家制度万般を知る資料で、巻一―巻一〇は神祇制度について詳しく記され、なかの祝詞は信仰・思想史研究上の根本資料の一つとされる。また、公家社会の公事・年中行事の典拠とされた。<活>『校訂延喜式』皇典講究所編、昭和四―七(一九二九―三二)年。『新註 皇学叢書』三、『新訂増補 国史大系』二六、『日本古典全集』二期、『日本精神文化大系』三。

役君形生記 えんくんぎょうしょうき  二巻二冊。<著>秀高(未詳)。<別>『修験役君形生記』。 <成>天和四(一六八四)年。<版>元禄六(一六九三)年。<内>修験道の祖、役行者の伝記。行者の前生より入寂にいたる一代の行跡を賛嘆したもの。上巻に証誠行者、過去契約、小角誕生、幼稚遊戯、悪鬼随逐、箕面入滝の六項、下巻に大峰修行、金峰修行、葛城修行、久米路橋、豆州配流、勅許帰洛、慈父報恩、新羅帰入、異類化度の七項を記している。<活>『増補改訂 日本大蔵経』九四「修験道章疏」三。

艶遣通鑑 えんけんつうかん  未詳。

燕石雑志 えんせきざっし  五巻六冊。<著>滝沢馬琴(一七六七―一八四八年)江戸後期の戯作者。名は解、字は瑣吉、馬琴は号、別号は曲亭、著作堂主人・蓑笠魚隠など。<成>文化六(一八〇九)年。<版>文化八(一八一一)年。<内>随筆。古今の事物につき、和漢の書を博捜引証し、また自らの考えを述べたもの。鬼神論、鬼神余論、俗呪方、田之怪などがある。<活>『日本随筆全集』五、『日本随筆大成』新版二期一九(旧版二期一〇)、『有朋堂文庫』「骨董集・燕石雑志・用捨箱」。

猿著聞集 えんちょもんじゅう  猿著聞集 さるちょもんじゅう

燕南記譚 えんなんきたん  前集三巻・後集三巻六冊。<著>天嶺性空(一六六九―一七四〇年)江戸中期の臨済宗の僧。法諱は性空、道号は天嶺。<成>前集は享保一〇(一七二五)年、後集は同一七(一七三二)年自序。<内>随筆。木魚、修レ福偈、大黒神・鬼子母神安二厨家一、跳魚入レ船、治二歯痛一、心経攘レ災、禍福自召、夢中偈、枯井有レ毒などから成る。<蔵>哲学堂文庫(享保一〇年、三巻一冊)

遠碧軒記 えんぺきけんき  二巻四冊。<著>黒川道祐(?―一六九一年)江戸前期の医者・地誌家。名は玄逸、字は道祐、号は静庵・梅庵・遠碧軒。<別>『遠碧軒随筆』。<成>延宝三(一六七五)年。<内>随筆。天象・神祇・寺院・人倫・人事・典籍・器財など二〇部門に分類(全七四三条)し、地誌・故実・見聞などを記している。宝暦六(一七五六)年に難波宗建が、今はその存在が不明の多くの冊数から成る『遠碧軒随筆』から抄記し、分類・編集したもの。<活>『随筆大観』三、『日本随筆全集』一九、『日本随筆大成』新版一期一〇(旧版一期五)

延命地蔵経 えんめいじぞうきょう  延命地蔵菩薩経 えんめいじぞうぼさつきょう

延命地蔵菩薩経 えんめいじぞうぼさつきょう  一巻。<訳>不空(アモーガヴァジュラ、七〇五―七七四年)唐代の密教訳経僧。<内>民間に信仰のあつい延命菩薩の利益を説いている。日本撰述の偽経ともいわれる。<活>『訓読 延命地蔵菩薩経』(明治四四年)

延命地蔵菩薩経直談鈔 えんめいじぞうぼさつきょうじきだんしょう  一二巻一二冊。<著>必夢(未詳)。 <別>『仏説延命地蔵菩薩経直談鈔』、 『説法因縁地蔵経鼓吹』、 『地蔵経鼓吹』。<成>元禄一〇(一六九七)年。<内>『延命地蔵菩薩経』の注釈書。<蔵>哲学堂文庫。

桜陰腐談 おういんふだん  二巻二冊。<著>実貫(?―一七二〇年)江戸前期の真言宗の僧。字は泰音、号は梅国。<成>宝永七(一七一〇)年。<版>正徳二(一七一二)年。<内>随筆。和漢の事物の起源、古諺・物名の由来、その他世俗の行事などを漢文により問答的に記述・解説したもの。<活>『仙台叢書』一。

奥羽日日新聞 おううにちにちしんぶん  日刊。仙台、奥羽新聞社。明治一六(一八八三)年一月五日、『陸羽日日新聞』(明治一三〔一八八〇〕年六月、『仙台日日新聞』を改題・追号)を改題・追号した。明治三六(一九〇三)年一月一日、『奥羽新聞』と改題・追号した。<内>時事。おもな関係者―友部鉄軒。

王氏易学 おうしえきがく  易学 えきがく

王氏農書 おうしのうしょ  農書 のうしょ

王充論衡 おうじゅうろんこう  論衡 ろんこう

往生要集 おうじょうようしゅう  三巻。<著>源信(九四二―一〇一七年)平安中期の天台宗の僧。通称は恵心僧都。<別>『地獄物語』。 <成>寛和元(九八五)年。<版>承元四(一二一〇)年。<内>念仏往生を勧めた書。往生するための教理と実践について、経論の要文を集めて、一〇門(一、厭離穢土、二、欣求浄土、三、極楽の証拠、四、正修念仏、五、助念の方法、六、別時念仏、七、念仏の利益、八、念仏の証拠、九、往生の諸行、一〇、問答料簡)に分けて詳細に論述している。念仏に対する独自の体系を構築し、日本浄土教を開く大きな礎石となった。また、地獄思想を広め、文学・美術などに大きな影響を与えた。<複>『最明寺本 往生要集』影印編・訳文編 築島裕ほか編、汲古書院、一九八八・九二年。<活>『岩波文庫』、『恵心僧都全集』一、『原本校註・漢和対照 往生要集』花山信勝校訂・訳註、小山書店、昭和一二(一九三七)年、『浄土宗全書』一五、『大正新脩大蔵経』八四(二六八二)、『東洋文庫』八・二一、『日本思想大系』六。

往生要集指麾鈔 おうじょうようしゅうしきしょう  二五巻二五冊。<著>遊安(?―一六九五年)江戸前期の浄土宗の僧。字は廓瑩・廓栄、法名は明誉・念称。<版>天和三(一六八三)年。 <内>源信『往生要集』の注釈書。<蔵>哲学堂文庫。

王代一覧 おうだいいちらん  日本王代一覧 にほんおうだいいちらん

欧米各国政教日記 おうべいかっこくせいきょうにっき  二編二冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育者。号は甫水。不思議庵主人と称す。東京、哲学書院、上編明治二二(一八八九)年八月、下編同年一二月、一〇六・七六頁、索引六・付宗派名称七頁。<内>西欧各国の宗教・風俗・教育に関して見聞したことを記したもの。

大磯名勝誌 おおいそめいしょうし  <著>一嚢一笻道人(未詳)。『大磯名勝誌・相州大山記』のうちの一つ。天籟書店、明治二二(一八八九)年、四八・二三頁(合本版)。<内>地誌。

大江広元日記 おおえのひろもとにっき  三九冊。<著>大江広元(一一四八―一二二五年)鎌倉前期の幕府官僚。<内>日記。<蔵>東京大学史料編纂所。

大岡仁政録 おおおかじんせいろく  二〇巻冊数不定。<著>未詳。<内>実録。享保二(一七一七)年から元文元(一七三六)年の間、江戸町奉行として令名のあった大岡越前守忠相のさばきを扱った実録体小説。寛政年間(一七八九―一八〇一年)前後に出た『大岡政要実録』(二〇巻、冊数不定)とほぼ等しいという。<蔵>東北大学附属図書館。

大鏡 おおかがみ  三巻・六巻・八巻本がある。<著>未詳。<別>『世継』、『世継翁』、『世継物語』。<成>平安中期―後期。<版>慶長、元和ころ古活字版。<内>物語風歴史書。文徳天皇から後一条天皇の時代におよぶが、藤原道長一代の権勢を描こうとしたもので、その裏面にひそむ策謀を暴露し、道長に対しても厳正な批判を試みている。同時代を扱う『栄花物語』が編年体であるのに対して紀伝体で描かれている。<複>『影印校注古典叢書』九・三〇、『貴重古典籍刊行会叢書』一期・二期、『古典保存会複製書』一期・五期。<活>『岩波文庫』、『校註国文叢書』九、『校註日本文学大系』一二―一三、『古典文庫』、『新訂増補 国史大系』二一、『日本古典文学大系』二一、『日本文学全書』二三、『有朋堂文庫』、『校定大鏡』(明治三〇年)

大系図 おおけいず  尊卑分脈 そんぴぶんみゃく

大阪朝日新聞 おおさかあさひしんぶん  日刊。大阪、大阪朝日新聞社。創刊の明治一二(一八七九)年一月二五日から同二一年一二月三〇日までは『朝日新聞』の紙名。明治二二(一八八九)年一月三日に紙名変更した(明治二一年七月一〇日、『東京朝日新聞』が創刊された)。昭和一五(一九四〇)年九月一日、東京・大阪の紙名を統一して『朝日新聞』と改題した。<内>時事。おもな関係者―村山竜平・上野理一。

大阪新報 おおさかしんぽう  日刊。大阪、大阪新報社。明治三三(一九〇〇)年一〇月、『大阪商業新報』を改題・追号した。大正一二(一九二三)年二月一一日、『大阪都新聞』と改題した。おもな関係者―原敬・加藤恒忠。

大阪毎日新聞 おおさかまいにちしんぶん  日刊。大阪、大阪毎日新聞社。『大阪日報』(明治一八〔一八八五〕年九月一日、『日本立憲政党新聞』を改題・追号)を改題・追号して、明治二一(一八八八)年一一月二一日発行した。明治四四(一九一一)年、『東京日日新聞』を合併して商法上の支社とした。昭和一八(一九四三)年一月一日、東京・大阪の紙名を統一して『毎日新聞』と改題した。<内>時事。おもな関係者―柴四郎・本山彦一。

大雑書 おおざっしょ  日の吉凶や方角の善悪などを記した暦注の本に、三世相、種々の占い、故事などを加えて編集したもの。寛永一三(一六三六)年に、それまでの万年暦を改訂した『大雑書』が刊行されて、陰陽・暦・天文などの事項のほかに、家相・人相・男女相性・出産・命名・夢判断・まじない・商売・病気養生など、日常生活にかかわる雑多な項目が次第に取り入れられるようになった。日常生活の諸相が吉凶禍福を根底にして記述されている。江戸期のものに『新撰大全永暦雑書天文成綱目』天保六(一八三五)年、『三世相解嘉永大雑書』嘉永四(一八五一)年など、明治期のものに『三世相安政雑書万暦大成』明治一六(一八八三)年、『永代大雑書三世相(民家必用)』明治二三(一八九〇)年、『永代三世相万暦大雑書』明治二五(一八九二)年など多くの類本がある。

大雑書三世相 おおざっしょさんぜそう  永代大雑書三世相 えいたいおおざっしょさんぜそう

鋸屑譚 おがくずばなし  二巻二冊。<著>谷川士清(一七〇九―七六年)江戸中期の国学者。名は昇、字は公介、号は淡斎、医名は養順・昇卯。<成>未詳。<内>古今の書に記載の事物について、その字義、語源、起源、その他歴史、地理、歌詩など一二七項目にわたり考証し、それぞれの出典を示すとともに自己の見解を述べている。<活>『日本随筆大成』新版一期六(旧版一期三)、『百家説林』正編上。

桶狭間の役 おけはざまのえき  未詳。

小田原記 おだわらき  <著>未詳。<別>『異本相州兵乱記』。 <成>未詳。<内>戦記物。小田原城を本拠とした戦国大名・北条氏五代の歴史を書いたもの。<活>『国史叢書』「室町殿物語・足利治乱記・異本小田原記」、『続群書類従』二一輯上。

落穂集 おちぼしゅう  <著>大道寺友山(一六三九―一七三〇年)江戸前・中期の兵学者。名は重祐、別号は知足軒。<成>享保一三(一七二八)年。<版>延享元(一七四四)年。<内>見聞記。江戸城築造、初期幕政、幕閣および諸大名の逸話、島原の乱、明暦の大火など多岐にわたっている。徳川家康の一代記である『落穂集』とは別であり、『落穂集追加』といわれるもので、「追加」の語が抜け落ちて流布したという。<活>『改定 史籍集覧』一〇、『大日本思想全集』三。

御伽厚化粧 おとぎあつげしょう  五巻五冊。<著>作・画、筆天斎(未詳)江戸中期の読本作者。 <成><版>享保一九(一七三四)年。 <内>怪異小説。芭蕉の妖精、大鯰の怪、化け猫などの動植物に関する怪異談のほか、「赤関留二幽鬼一」などの幽霊説話を収めている。全一五話から成る。<活>『徳川文芸類聚』四。

御伽空穂猿 おとぎうつぼざる  五巻五冊。<著>静観房好阿(一六九八―一七六九年)江戸中期の談義本作者。別号は静観堂・摩志田好話・西向庵。<成><版>元文五(一七四〇)年。 <内>怪異談。巻一「猿に盗を教えて渡世とせし事」など三話、巻二「慳貪の富商悪疾を請し事」など三話、巻三「盗賊人を欺き敵討と偽りし事」など三話、巻四「一言観世音利生の事」など三話、巻五「秩父慈眼寺の観音霊験の事」など四話の計一六話から成る。<活>『徳川文芸類聚』四。

御伽婢子 おとぎぼうこ  一三巻一三冊。<著>浅井了意(一六一二ころ―九一年)江戸前期の僧・仮名草子作者。了意は法号、別号は瓢水子・松雲など。<別>『御婢子』。 <成><版>寛文六(一六六六)年。 <内>中国の怪異小説『剪灯新話』や『剪灯余話』などから翻案して六七編の怪異譚としてまとめたもの。<活>『近世文芸叢書』三、『近代日本文学大系』「怪異小説集」、『日本名著全集』「怪談名作集」。

御伽反故 おとぎほご  未詳。

御文五帖一部示珠指 おふみごじょういちぶじしゅし  九巻九冊。<著>厳蔵(未詳)江戸中期の真宗の僧。号は教応・暁応。<版>天明五(一七八五)年。 <内>御文の注釈書。<蔵>大谷大学。

於茂秘伝草 おもいでぐさ  一冊。<著>伴林光平(一八一三―六四年)幕末の国学者・歌人・志士。名は光衡・光平、号は蒿斎・岡陵・斑鳩隠士など。「ばんばやし」ともいう。<別>『おもひ出草』、『於母比伝艸』。 <成>文久二(一八六二)年。<内>随筆。自ら奉ずる古学の立場から国体の重んずべきことなどを、四字題で述べている。以筆換桙・学問要路・君臣名義・湯武弑奪から忠逆反名・妖怪神異・死生随神・家狗噉主まで、全二一項目から成る。<活>『畑中家蔵 伴林光平遺稿集』、『日本精神文化大系』一〇(抄)、『武士道全書』七、『武士道叢書』下(抄)、『やまと叢誌』五。

思出草紙 おもいでそうし  一〇巻。<著>東随舎(未詳)江戸後期の戯作者・狂歌作者。姓は栗原氏、通称は幸十郎、別号は二流間主・青雲軒主人・松寿館主人。<別>『古今雑談思出草紙』。 <内>狐人に化したること・通悪魔がこと・情ありて立身せしこと・北国の飛脚死霊のために乱心すること・夢に一首の歌を得しことなど、古今にわたる諸国の奇談・珍説を記したもの。<活>『日本随筆大成』新版三期四(旧版三期二年)。 <蔵>哲学堂文庫(写本。三巻二冊。天保七〔一八三六〕年)

織唐衣 おるからきぬ  六巻六冊。<著>未詳。<別>『和歌絵入 緒留加羅幾怒』。<成>宝永二(一七〇五)年序。<版>宝永三年。 <内>巻一「教の巻」、 巻二「倫の巻」、 巻三「敬の巻」、 巻四「稽の巻」、 巻五「言の巻」、 巻六「行の巻」に分けて、中国古典を引用して説いた教訓書。<蔵>哲学堂文庫。

温故要略 おんこようりゃく  五巻五冊。<著>盤察(?―一七三〇年)浄土宗の布教僧。号は厚誉・不絶。<別>『三国事蹟 温故要略』。 <成>享保七(一七二二)年。<内>俗間の故事・俚諺の典拠などを考説したもの。<蔵>哲学堂文庫。

温知叢書 おんちそうしょ  一二冊。<著>編・岸本操(未詳)、標註・内藤耻叟、小宮山綏介。<別>『近古文芸温知叢書』。東京、博文館、明治二四(一八九一)年―二五(一八九二)年。<内>叢書。『近代世事談』(第三編)、『近世奇跡考』(第八編)、『牛馬問』、『近世事物考』(第一二編)を収録。

陰陽外伝磐戸開 おんようがいでんいわとひらき  一〇巻。<著>賀茂規清(一七九八―一八六一年)江戸後期の神道家。烏伝神道の開祖。家名は梅辻、賀茂は本姓。<内>理・事・物・無心の感・有心の感・譬諭・間違伝などの部に分け、因縁説・奇法・妖術などを論弁し、合理的な解釈を加えたもの。<活>『陰陽外伝磐戸開』長谷川正信刊、明治二(一八六九)年。他に柏廼舎刊、明治六(一八七三)年、和二冊(上四九、下四六丁)。井上勝五郎刊、明治二四(一八九一)年、四四〇頁。

怪異談叢 かいいだんそう  五巻五冊。<著>伊丹椿園(?―一七八一年)江戸中期の読本作者。名は好寛・源曹、椿園は号、別号は雲盈・観笑処士。<別>『古今奇談 ★(きがしら+每)草紙』、『怪異譚叢』。 <成>安永八(一七七九)年自序。<版>天明元(一七八一)年。 <内>『太平広記』、 『宜室志』など、中国の怪異小説一四部のなかから二〇編を選び翻訳したもの。林羅山の『怪談全書』の続編として著すとしている。<蔵>哲学堂文庫。

怪異弁断 かいいべんだん  八巻八冊。<著>西川如見(一六四八―一七二四年)江戸前・中期の天文暦算家・地理学者。名は忠英、別号は恕軒・求林斎など。<別>『和漢変象怪異弁断天文精要』、『万物怪異弁断』。 <成>正徳四―五(一七一四―一五)年。<内>天文・占卜。巻一から巻四までを天異編、巻五から巻八までを地異編とし、和漢古今の書から怪異に関する事実を抽出して、それに自己の見解を加えて述べたもの。<活>『西川如見遺書』五。

海外怪妖記 かいがいかいようき  未詳。

海外経 かいがいきょう  山海経 せんがいきょう

海嶠志 かいきょうし  未詳。

開元遺事 かいげんいじ  開元天宝遺事 かいげんてんぽういじ

開元天宝遺事 かいげんてんぽういじ  四巻。<著>王仁裕(未詳)五代の人。<別>『開元遺事』。<内>唐代の遺事を拾い集めたもの。遺事一五九条。<活>『百川学海』、『顧氏文房小説』、『五朝小説』、『説郛』、『唐人説薈』、『和刻本漢籍随筆集』。

海国日報 かいこくにっぽう  日刊。東京、海国日報社。明治三八(一九〇五)年一二月一日―大正三(一九一四)年七月一五日。以後『亜細亜日報』と改題。

怪談 かいだん  怪談全書 かいだんぜんしょ

怪談御伽桜 かいだんおとぎざくら  五巻五冊。<著>雲峰(一六七八―一七四八年)江戸中期の俳人。号は雲峰・年々翁・花洛誹林・都塵舎。<成><版>元文(一七三六―四一年)ころ。<内>浮世草子。<活>『未刊珍本集成』。

怪談御伽童 かいだんおとぎわらわ  五巻五冊。<著>静観房好阿(一六九八―一七六九年)江戸中期の談義本作者。別号は静観堂・摩志田好話・西向庵。<別>『古今実説 怪談御伽童』。 <成><版>明和九(一七七二)年。 <内>読本。巻一「速霊神の来由の事」ほか二話、巻二「八千代稲荷霊験の事」ほか二話、巻三「安房国浪人横難を遁るゝこと」、巻四「三州八名郡山伏の死霊のこと」ほか一話、巻五「城ノ主水谷川に奇情の事」まで一〇話から成る。<活>『古典文庫』五五一「近世怪奇談」。

怪談故事 かいだんこじ  未詳。

怪談実録 かいだんじつろく  五巻五冊。<著>紀常因(未詳)江戸中期の怪談作者。名は常因、号は浪花軒・浪華亭。<別>『近世怪談実録』、 『古今奇聞怪談実録』。 <成><版>明和三(一七六六)年。 <内>巻一「奥州の士、奇女を娶る」「妾の怨念、妻の一言に服す」「人の肉を食いし僧」「浅香山、怪物を捕う」、 巻二「女の怒り、生きながら祟をなす」「畳屋某家の怪異」「亡魂改葬を願う」、 巻三「清道白雲、武術を争う」「医師怪物を見現す」「越後の霊火、付蓑虫、鎌鼬」、 巻四「東漸寺の老狸」「猫満太正宗」、 巻五「回国老僧の話」「医工、欺かれて辱しめを受く」まで一四話から成る。<蔵>哲学堂文庫(文政七年)

怪談諸国譚 かいだんしょこくたん  未詳。

怪談諸国物語 かいだんしょこくものがたり  五巻五冊。<著>北条団水(一六六三―一七一一年)江戸前・中期の俳人・浮世草子作者。名は義延、別号は団粋・白眼居士など。<成><版>享保一一(一七二六)年。 <内>「離魂病の娘」「恩を忘れぬ狐の働」「隠れ里の美女」など二七話の奇事異聞集。『一夜船』(正徳二年)の改題再版本。<活>『帝国文庫』「珍本全集」前。

怪談全書 かいだんぜんしょ  五巻五冊。<著>林羅山(一五八三―一六五七年)江戸前期の儒学者。名は信勝、字は子信、剃髪して道春。<別>『怪談』、 『怪談録』。<版>元禄一一(一六九八)年。<内>中国の怪異説話の抄訳書で、『捜神記』、『幽冥録』などの志怪・伝奇の書を、多く『太平広記』、『古今事文類聚』などの類書を通して翻訳したもの。絵入り。なお、古写本『怪談録』は哲学堂文庫に所蔵(二巻二冊)されている。<活>『仮名草子集成』一二、『日本名著全集』「怪談名作集」。

怪談旅之曙 かいだんたびのあけぼの  四巻四冊。<著>作・波天奈志小浮禰(未詳)、画・岡田玉山(?―一八〇八)江戸中・後期の絵師。名は尚友、字は子徳、別号は金陵斎。<成><版>寛政八(一七九六)年。 <内>巻一「嫉妬之上成」、 巻二「鼈之執心」「川殺生の報」、 巻三「木地ひきの廻国」、 巻四「無題」「髪切乳女」の全六編から成る。<蔵>哲学堂文庫。

怪談登志男 かいだんとしおとこ  五巻一冊。<著>慙雪舎素及(未詳)。<成>寛延三(一七五〇)年。<内>浮世草子。素及子著『怪談実妖録』の要をとって五巻にまとめた怪異小説。全二七話から成る。動植物に関する奇談や幽霊説話などのほかに、孝子譚や実録風の話など怪談と関係ないものも混在している。<活>『徳川文芸類聚』四。

怪談とのゐ袋 がいだんとのいぶくろ  怪談殿居嚢 かいだんとのいぶくろ

怪談殿居嚢 かいだんとのいぶくろ  五巻五冊。<著>大江文坡(?―一七九〇年)江戸中期の読本作者・神道家。名は匡弼、号は菊丘臥山人・臥仙子など。文坡は字。<別>『怪談とのゐ袋』、 『とのゐ袋』、 『古今怪談殿居嚢』。 <成>明和五(一七六八)年。 <内>読本。<蔵>哲学堂文庫。

怪談弁述鈔 かいだんべんじゅつしょう  扶桑怪談弁述鈔 ふそうかいだんべんじゅつしょう

怪談弁妄録 かいだんべんもうろく  五巻一冊。<著>丹羽桃渓(一七六〇―一八二三年)江戸後期の絵師。修姓して丹、名は元国、別号は桃渓山人。<成>寛政一二(一八〇〇)年。<内>読本。巻一・四話、巻二・三話、巻三・四話、巻四・三話、巻五・五話の計一九話から成る。各話の終わりに見解を述べている。書生鬼のために殺さる・野狐侠客をあざむく・天狗老婆をいざなう・美丈夫二婦に恋せらる・色を好みて古狸に災いせらる、などの怪異談。<蔵>哲学堂文庫。

怪談藻塩草 かいだんもしおぐさ  五巻五冊。<著>作・画、速水春暁斎(初世、一七六七―一八二三年)江戸後期の絵師。名は恒信のちに恒章、別号は春暁。<別>『絵本怪談藻塩草』。 <成><版>寛政一三(一八〇一)年。 <内>「矢部が霊神に崇る話」「戸浪山怪異の話」「出羽の怪女が話」「明家の怪異の話」「狐僧と成る話」など、全一二話から成る怪異談。<蔵>哲学堂文庫。

怪談破几帳 かいだんやれきちょう  五巻五冊。<著>作・流霞窓広住(未詳)江戸後期の読本作者・狂家作者。姓は山田、通称は彦六、別号は山家広住・山家人・流霞窓主人/画・赤松亭秀成。<別>『野史種百章 破几帳』、 『奇談百章 破几帳』、 『破几帳』。 <成><版>寛政一二(一八〇〇)年。 <内>「古寺」「江州幽霊」「那須野怪物」「妖怪屋敷」「古物怪」「大蛇」など、全二一話から成る怪異談。<蔵>哲学堂文庫。

怪談録 かいだんろく  怪談全書 かいだんぜんしょ

海潮賦 かいちょうふ  <著>盧肇(唐の人)

海南新聞 かいなんしんぶん  日刊。松山、海南新聞株式会社。明治一〇(一八七七)年四月二八日、『愛媛新聞』(明治九〔一八七六〕年九月一一日創刊)を改題した。昭和一六(一九四一)年一二月一日、戦時合併により『南予時事新聞』および『伊予新報』の二紙と統合して『愛媛合同新聞』となる。<内>時事。自由党・政友会機関紙。

貝原養生訓 かいばらようじょうくん  養生訓 ようじょうくん

怪物輿論 かいぶつよろん  五巻五冊。<著>十返舎一九(一七六五―一八三一年)江戸後期の戯作者。本名は重田貞一、別号は酔斎。<成><版>享和三(一八〇三)年。 <内>読本。巻一「斉念、魘鬼となって私怨をひく話」、 巻二「妖火は悋持の方金を護る話」「狗の霊、形を変じて両子を啖らう話」、 巻四「轆轤首が悕念、かえって福を報う話」、 巻五「岩倉少女、淫欲に逼って鬼となる話」の五話から成る。<活>『古典文庫』四九七「怪物輿論」。

怪物論 かいぶつろん  <著>ヒッパート(未詳)

怪妖故事談 かいようこじだん  五巻五冊。<著>下津寿泉(未詳)江戸中期の医者。寿泉・春抱と称す。<成><版>安永三(一七七四)年。 <内>『斉諧記』、 『異苑』、 『捜神記』、 『本草綱目』、 『医説』などの書籍から身体にかかわる怪異を集めたもの。巻一の「乳中より雉出ること」から巻五の「目に物を曲がるごとくに見ること」まで、一五五話を収録している。『奇疾便覧』の改題本。<蔵>哲学堂文庫。

海録雑事 かいろくざつじ  南宋の葉廷珪の『海録砕事』のことか。二二巻。<内>類書。

河海抄 かかいしょう  二〇巻。<著>四辻善成(一三二六―一四〇二年)南北朝時代の公卿・歌人・古典学者。法名は常勝。<別>『源氏物語河海抄』。 <成>貞治年間(一三六二―六八年)。 <内>『源氏物語』の最初の本格的な注釈書。『源氏物語』著作の由来、名称、作者、旧跡、漢詩文の引用出典、用語の典拠などを明らかにしている。<活>『国文註釈全書』三、『紫明抄・河海抄』(石田穣二校訂、昭和四三年)

下学集 かがくしゅう  二巻。<著>東麓破衲(未詳)。<成>文安元(一四四四)年。<版>元和三(一六一七)年。<内>国語辞書。天地門から畳字門まで一八門に分類して漢字をあげ、それに片仮名で和訓をつけ、漢文で注をつけている。その和訓および注解は室町時代の国語資料として貴重とされる。寛文九(一六六九)年に山脇道円による『増補下学集』(五巻二冊)が出版されている。<複>『古辞書叢刊』第二(元和三年版、昭和四三年)。<活>『岩波文庫』。

化学書 かがくしょ  一冊。<著>吉田彦六郎(一八五九―一九二九年)明治期の化学者。

垣根草 かきねぐさ  五巻五冊。<著>都賀庭鐘(一七一八―?年)江戸中期の医者・儒学者・読本作者。庭鐘は名、字は公声、号は草官散人・巣庵・莘荑館など。<別>『席上奇観 垣根草』、『古今奇談垣根草』。 <成><版>明和七(一七七〇)年。<内>読本。全一三話から成る。中国小説の翻案で、作中に作者の意見や教訓をもり込み、淫祀批判や文武両道の主張なども述べている。<活>『日本名著全集』「怪談名作集」。

郭躬伝 かくきゅうでん  <内>『後漢書』七六所載。郭躬は後漢の人。 後漢書。

学芸志林 がくげいしりん  日本最初の総合的な学術雑誌。創刊第一巻第一冊(明治一〇〔一八七七〕年八月)―終刊第一七巻第一〇〇冊(明治一八〔一八八五〕年一一月)。東京大学の法・理・文三学部の紀要的な性格をもち、付録三冊とともに計一〇三冊が発行された。明治一九年の東京帝国大学発足のために廃刊となった。<複>『学芸志林』(全一八巻、原書房、昭和五二年)

学山録 がくざんろく  六巻六冊。<著>中村蘭林(一六九七―一七六一年)江戸中期の儒学者。名は明遠、字は子晦、別号は盈進斎。<別>『盈進斎随筆』。 <成>寛延三(一七五〇)年序。<版>寛延四年。<内>随筆。巻一「天地部」、巻二「事物部」、巻三「言論部・行事物」、巻四「芸文部・霊異部」、巻五「文辞部」、巻六「称謂部・字義部」から成る。<蔵>哲学堂文庫(六巻二冊)

格致艸 かくちそう  未詳。

格致叢書 かくちそうしょ  <著>編・胡文煥(未詳)明の人。字は徳甫、号は全菴。<内>叢書。経訓・総経訓・小学・韻学・史学・掌故など三七類に分けて、一類ごとに数部、全部で三四六種を収めている。格致は『大学』の「格物致知」の意。

角毛偶語 かくもうぐうご  五巻五冊。<著>南渓(一七九〇―一八六八年)江戸後期の浄土真宗本願寺派の学僧。号は淮水。<成>弘化元(一八四四)年。<内>仏教。中井積善(竹山)『草茅危言』の排仏論に対する論駁の書。<蔵>哲学堂文庫。

鶴林玉露 かくりんぎょくろ  一八巻。<著>羅大経(未詳)南宋の人、字は景綸。<内>天地人の三集に分け、一集に各六巻をあてて、南宋の社会・経済・官制・文学・人物に関する逸聞を記し、朱熹・張栻・陸象山・蘇軾などから多く引いている。<活>『説郛』二一、『和刻本漢籍随筆集』八。

花月新誌 かげつしんし  雑誌。東京、花月社。明治一〇(一八七七)年一月四日創刊第一号を発行し、明治一七(一八八四)年一〇月三一日第一五五号をもって廃刊した。明治二四(一八九一)年三月一四日に同名の雑誌が創刊されている。

花月草紙 かげつそうし  六巻六冊。<著>松平定信(一七五八―一八二九年)江戸後期の大名・学者・歌人。号は楽翁。<別>『花月双紙』。 <成>文政元(一八一八)年。<内>随筆。花のこと・月のこと・学問のこと・観相の論・虫の名・老農のこと・禍福・老鯉・ねざめの床など一五六章から成る。<活>『岩波文庫』、『日本随筆全集』一三、『日本随筆大成』新版三期一(旧版三期一)、『百家説林』正編下、『有朋堂文庫』。

過去現在因果経 かこげんざいいんがきょう  四巻。<訳>求那跋陀羅(グナバドゥラ、三九四―四六八年)劉宋代の僧。<別>『因果経』。<内>釈尊自らの過去世(原因)から現在(結果)にいたる経歴を説く仏伝。<活>『大正新脩大蔵経』三(一八九)。<訳>『国訳一切経』本縁部四。

鹿児島朝日新聞  かごしまあさひしんぶん  大正二(一九一三)年一一月、『鹿児島実業新聞』(明治三三〔一九〇〇〕年一月二七日創刊)を改題し、昭和一七(一九四二)年一月末日、『鹿児島新聞』と戦時合併した。同年二月一一日から『鹿児島日報』と改題して発行し、昭和二一年二月一一日、『南日本新聞』と改題して現在にいたる。<内>時事。

花史左編 かしさへん  未詳。

華実年浪草三余抄 かじつとしなみぐささんよしょう  一二巻一五冊。<著>麁文(未詳)江戸中期の俳人。姓は鵜川氏、名は政明、号は建渓・三余斎など、麁文は字。<別>『俳諧三余抄』、『華実年浪三余抄』、『華実年浪草』。<成><版>天明三(一七八三)年。<内>俳諧歳時記。季語二七六〇余を四季に配列して考証解説したもの。<蔵>哲学堂文庫。

夏小正 かしょうせい  一巻。<著>戴徳(未詳)前漢の学者。字は延君。<内>もと戴徳の『大戴礼』中の編名。毎月の物候を記している。上代に四時の行事を民に指示したもの。<活>『説郛』四。 大戴礼。

家相図説 かそうずせつ  家相図説大全 かそうずせつたいぜん

家相図説大全 かそうずせつたいぜん  三巻三冊。<著>松浦東鶏(未詳)江戸後期の易占家。名は久信・庸信、字は子実、東鶏は号。<別>『図説教授 家相大全』。 <成>享和元(一八〇一)年。<内>相法。家相に関する一切について、その吉凶を解説・図示したもの。発端・宅地曲直吉凶の図解・家宅の備吉凶の図解・宅外の備各吉凶の弁・宅内の備各吉凶の弁・付録・追加などから成る。<蔵>哲学堂文庫。

家相秘伝集 かそうひでんしゅう  二巻二冊。<著>松浦琴鶴(未詳、天保年代の人)江戸後期の易占家。名は純逸、琴鶴は号、別号は観涛閣。<別>『松浦東鶏貫秘 家相秘伝集』。 <成>天保一一(一八四〇)年。<内>相法。中国の『黄帝宅経』、『営造宅経』、『象吉通書』などの古書の家相に関する部分を抽出して和解したもの。「地理宅相の大意」など百数十余項について詳説し、経験的口伝をも付している。<活>『家相秘伝集』誠之堂、明治二一(一八八八)年、和二冊(上四六・下四五丁)、他に文魁堂(明治二六年)、谷沢光吉刊(同)、文陽堂(明治二七年)

家相秘録 かそうひろく  二巻二冊。<著>疋田慶明(未詳)江戸中期の相法家。<成>天明三(一七八三)年。<内>相法。家相に関する諸件を解説したもので、家相総論から相宅付説四則まで、上・下あわせて三九項目をあげて、箇条的に家相にかかわる事柄の吉凶を述べている。<蔵>哲学堂文庫。

嘉多比沙志 かたびさし  傍廂 かたびさし

傍廂 かたびさし  前集三巻・後集三巻六冊。<著>斎藤彦麿(一七六八―一八五四年)江戸後期の国学者。字は可怜、号は宮川舎・葦仮庵。<別>『嘉多比沙志』、『蘆仮庵抜書傍廂』。 <版>万延二(一八六一)年。<内>随筆。多年、傍廂と名づけた住居において書き集めておいた、「ひめはじめ」以下二百余項目のさまざまな論説を集録したもの。<活>『日本随筆大成』新版三期一(旧版三期一)、『百家説林』正編上。

華鳥百談 かちょうひゃくだん  五巻五冊。<著>静観房好阿(一六九八―一七六九年)江戸中期の談義本作者。別号は静観堂・摩志田好話・西向庵。<成><版>延享五(一七四八)年。<内>北野の比丘尼相撲のこと・果心居士幻術をなすこと・長崎の卜意占いの妙を得しこと・上総の船人天狗に取られしこと・熊坂が霊里人に祟りしこと・由良の浜にて竜神碁を打ちしこと・大磯の宿化地蔵のこと・談義坊主鮹に生まれしことなど、全二一話から成る。<蔵>哲学堂文庫。

花鳥余情 かちょうよせい  三〇巻。<著>一条兼良(一四〇二―八一年)室町時代の公卿・学者。桃華老人ともいう。<成>文明四(一四七二)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<活>『国文註釈全集』三。

学海余滴 がっかいよてき  一〇巻一〇冊。<著>日達(一六七四―一七四七年)江戸中期の日蓮宗の僧。字は智鳩、号は了義院。<成>寛保元(一七四一)年。 <内>仏教。<蔵>哲学堂文庫。

勝五郎再生記聞 かつごろうさいせいきぶん  一冊。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<別>『文政仙洞叡覧勝五郎再生紀聞』、『再生記聞』。 <成>文政六(一八二三)年奥書。<内>武蔵国多摩郡程窪村、藤五郎の子藤蔵が文化七(一八一〇)年に病死し、同一二年同郡の中野村、源蔵の家に再生して勝五郎と名づけたことを記したもの。文政六年四月の「届書」と平田篤胤の五月の「記」があり、勝五郎父子からの聞き取りの談話と、再生についての和漢の例と、神仏本迹のことを論及している。<活>『新修平田篤胤全集』九(名著出版)、『平田篤胤全集』三(平田学会)、『平田篤胤全集』八(内外書籍)

活版節用集 かっぱんせつようしゅう  未詳。<内>節用集は室町時代、文安元(一四四四)年以後、文明(一四六九―八七年)ころまでに成立した国語辞書の汎称。近世中期以後,世間一般の用に供せられるようになった。

合璧事類 がっぺきじるい  三六〇巻。<著>謝維新(未詳)宋の人。字は去咎。<内>類書。宋人の遺文・雑事を集めている。

月令 がつりょう  <内>『礼記』の編名。年中行事。一二カ月の気候とその月々におこなう政令とを記したもの。

月令広義 がつりょうこうぎ  二五巻。<著>馮応京(一五五五―一六〇六年)明末の政治家・学者。字は可大、号は慕明。<内>年中行事。原本は一巻のみであったが、それを戴任が二五巻本に作った。その目は月令統紀・歳令・毎月令・春令・正月令・二月令より閏月令・昼夜令・時令まで二三目で、巻首に序由・編端・図説がある。

月令章句 がつりょうしょうく  一巻。<著>蔡邕(一三二―一九二年)後漢の学者・文学者・書家。<内>年中行事。一二巻あったが散逸し、『玉函山房輯佚書』に一巻を残すのみである。

夏鼎志 かていし  未詳。

河図 かと  河図洛書 かとらくしょ

河図括地象図 かとかつちしょうず  <内>河図に関する緯書の一。

河図洛書 かとらくしょ  <内>『周易』(『易経』)と洪範九疇(『書経』の「洪範」に記された禹の定めた政治道徳に関する九原則)との根元となる図書。河図は中国古代の伝説で、伏羲のとき、黄河から出た竜馬の背に書いてあったという図、洛書は禹が洪水を治めたとき、洛水(川の名)から出た神亀の背にあったという文字。伏羲は河図によって八卦を画し、禹は洛書によって洪範九疇を作ったという。

河図洛書示蒙鈔 かとらくしょじもうしょう  一冊。<著>高井蘭山(一七六二―一八三八年)江戸後期の戯作者。名は伴寛、字は思明(子明とも)、別号は三遷・哂我・宝雪庵。<別>『易道根元河図洛書示蒙鈔』。 <成><版>未詳。<内>占卜。「河図洛書弁」「六十甲子納音弁」「五行相生相剋の弁」「男女相性弁」「干支弁」「掌中に男女生年の支を操」「同男女生れ年の十干を操」「同男女生れ性を操」から成る。 <蔵>哲学堂文庫。

仮名世説 かなせせつ  二巻二冊。<著>大田南畝(一七四九―一八二三年)江戸中・後期の狂歌師・戯作者・幕臣。名は覃、別号は蜀山人・四方赤良など。<成>文成七(一八二四)年序。<版>同八年。<内>官位の高い人の言行や逸話および見聞などを二七条に類別し、一四九項目について記述したもの。中国の『世説』にならう。<活>『大田南畝全集』一〇、『新百家説林』三、『日本随筆全集』一三。『日本随筆大成』新版二期二(旧版二期一)、『百家説林』正編上、『有朋堂文庫』「大田南畝集」。

河北新報 かほくしんぽう  日刊。仙台、河北新報社。明治三〇(一八九七)年一月七日、『東北日報』を改題して創刊。現在まで継続している。<内>時事。おもな関係者―一力健治郎。

竃神邪説弁 かまどがみじゃせつべん  一冊。<著>佐々木高成(未詳)。<成>元文三(一七三八)年序。<内>かまど神の由来を述べて、かまど神についての邪説を駁したもの。<蔵>哲学堂文庫(写本)

漢事始 からことはじめ  中華事始 ちゅうかことはじめ

伽藍雑記 がらんざつき  洞上伽藍雑記 とうじょうがらんざつき

画論 がろん  郭若虚(未詳、宋の人)の『図画見聞志』のことか。この書は五代から煕寧にいたる名人・芸士の流派本末を述べたもの。

河社 かわやしろ  五巻五冊。<著>契沖(一六四〇―一七〇一年)江戸前期の国学者・真言宗の僧。字は空心。<版>寛政九(一七九七)年。<内>歌についての研究随筆を含む三四四条から成る。巻頭の条から題名はとられており、夏神楽のこと。<活>『契沖全集』八、『日本随筆全集』二、『日本随筆大成』新版二期一三(旧版二期七)、『百家説林』続編上。

寒温奇談一二草 かんおんきだんひとふたくさ  五冊。<著>振鷺亭(?―一八一九?年)江戸後期の戯作者。本名は猪狩貞居、別号は魚米庵・関東米・金竜山下隠士など。<別>『奇談一二草」。 <成><版>寛政七(一七九五)年。 <内>「熊谷直純南山乃花精と暦代を論する話」などから成る奇話読本。<蔵>哲学堂文庫(四巻四冊、写本)

神明憑談 かんがかり  二巻二冊。<著>多田南嶺(一六九八―一七五〇年)江戸中期の神道家・浮世草子作者。本姓は源のち桂、名は義俊など、南嶺は号、別号は興先・春塘・秋斎など。<成>享保一九(一七三四)年序。<版>宝暦五(一七五五)年。 <内>神道。上巻「神代人代の差別」「日本書紀を撰する趣旨」「日本書紀を読む用意」「両部唯一ならびに神秘のこと」「神国忌二獣肉一哉考」、 下巻「神紀を読むに習あり」「和訓考」「忠臣忌部職掌考」「木綿襁の考」「異国の産物、神社に納むべきやの考」それに「随筆少々」(天狗の説など)。 <蔵>哲学堂文庫(安政三年)

漢官儀 かんかんぎ  三巻。<著>応劭(未詳)後漢の学者。字は仲遠。<内>漢の官制を記したもの。原本は逸して伝わらない。<活>『平津館叢書』四、『続古逸叢書』四二、『後知不足斎叢書』五二。

漢紀 かんき  三〇巻。<著>荀悦(一四八―二〇九年)後漢の学者。字は仲予。<内>漢の高祖から王★(莽の大が犬)までの二四三年間のことを記し、『漢書』の誤謬を校証している。

閑際筆記 かんさいひっき  三巻七冊。<著>藤井懶斎(一六二六―一七〇七年)江戸前期の儒学者・医者。名は臧。<版>正徳五(一七一五)年。<内>和漢の史実や古人の言行を記述し、批判を加え、また仏教を論難している。改題本に『和漢太平広記』がある。<活>『日本随筆全集』一〇、『日本随筆大成』一期一七(旧版一期九)

元三大師百籖和解 がんざんだいしひゃくせんわげ  一冊。<著>忍鎧(一六七五―一七四七年)江戸中期の天台宗の僧。<版>享保一四(一七二九)年序。<内>「第一大吉」から「第一〇〇凶」までの一〇〇籤について解説したもの。<蔵>哲学堂文庫。

元三大師御鬮判断 がんざんだいしみくじはんだん  一冊。<著>未詳。<別>『元三大師百籤判断抄』、『百籤鈔』。 <内>占いの法を知ること、元三大師御伝記、それに「第一大吉」から「第一〇〇凶」までのおみくじの判断を述べている。<蔵>哲学堂文庫。

閑散余録 かんさんよろく  二巻二冊。<著>南川金渓(一七三二―八一年)江戸中期の儒学者。名は維遷、字は士長・文璞など、金渓は号。<成>明和七(一七七〇)年。<版>安永六(一七七七)年。<内>上巻三七項、下巻七五項の計一一二項から成り、荻生徂徠・伊藤仁斎・伊藤東涯・新井白石・山崎闇斎・中江藤樹など、儒林に名のある者の言行・事跡を拾い集め、交遊をもった儒者たちから見聞したことを記したもの。<活>『日本随筆大成』二期二〇(旧版二期一〇)、『日本文庫』一。

漢史 かんし  <内>『漢書』の別称。 漢書。

管子 かんし  二四巻。<著>管仲(?―前六四五年)春秋時代の斉の宰相・思想家。名は夷吾、仲は字。<成>戦国期―前漢期。<内>後世の政論家たちが管仲になぞらえて書いた論説や警句に、管仲説話や他書からの論考をまじえて成ったもの。はじめ八六編あったが現行は七六編。道家・農家・陰陽家などさまざまな思想が混在しているが、主調をなしているのは法家の思想で、法による賞罰の励行と経済生活の向上による国家の富強を説いている。<活>『新釈漢文大系』四二―四三・五二。

韓詩外伝 かんしがいでん  一〇巻。<著>韓嬰(未詳)漢初の学者。<内>雑多な故事を引いて、『詩経』の章句をもって説明したもの。先秦に関するものが多い。<活>『学津討原』二、『漢魏叢書』、『四部叢刊』、『津逮秘書』一、『説郛』。

顔氏家訓 がんしかくん  七巻。<著>顔之推(五三一―六〇二〔六〇三〕年)南北朝末、隋初の思想家。字は介。<成>隋の開皇一〇(五九〇)年ころ。<内>子孫のために書き残した教訓書。道徳・学問・経済生活・風俗・言語・雑芸などを体験にもとづく具体的事例をあげて、質実な人生観と現実的な生活態度を説いている。老荘の非実用性を排して、儒仏の調和をとなえた。<活>『漢魏叢書』、『五朝小説』、『四部叢刊』、『重較説郛』、『知不足斎叢書』、『抱経堂叢書』。

漢書 かんじょ  一〇〇巻。<著>班固(三二―九二)後漢初の歴史家・文学者。字は孟堅。<別>『前漢書』。 <成>八〇年前後。<内>前漢一代二三〇年間の歴史を叙述した正史の一つ。帝紀一二巻、表八巻、志一〇巻、列伝七〇巻から成る。地理志のなかに、二〇字の倭人に関する記述がある。志には礼楽志・律暦志・食貨志・郊祀志・天文志などある。

漢上易集伝 かんじょうえきしゅうでん  一一巻。<著>朱震(未詳)宋の人。字は子発。漢上先生と称す。<内>卦図三巻・叢説一巻。易に関する書。

観象玩占 かんしょうがんせん  未詳。

潅頂経 かんじょうきょう  仏説潅頂経 ぶっせつかんじょうきょう

願成就之記 がんじょうじゅのき  未詳。

漢書郊祀志 かんじょこうしし  <内>『漢書』一〇志の一。 漢書。

漢志歴代之史 かんしれきだいのし  未詳。

閑聖漫録 かんせいまんろく  一冊。会沢正志斎(一七八二―一八六三年)江戸後期の儒学者。名は安、字は伯民、別号は欣賞斎など。<成><刊 文久三(一八六三)年。<内>水戸学による五倫、神社、儒道に関する随筆。陰陽五行・稲荷社・功烈神祠・天命・尊王攘夷など、全一七条から成る。<活>『修養文庫』儒仏訓下、『破邪叢書』一。

勧善懲悪集 かんぜんちょうあくしゅう  七巻七冊。<著>慧灯(未詳)。 <成><版>享保一三(一七二八)年。 <内>因果応報の話を漢籍から集めて、善を勧め、悪を懲らしめる教訓にしようとしたもの。<蔵>哲学堂文庫。

観相奇術 かんそうきじゅつ  一冊。<著>未詳。井上勝五郎刊、明治二三(一八九〇)年、和一九丁。<内>占卜。

閑窓瑣談 かんそうさだん  四巻四冊。<著>為永春水(一七九〇―一八四三年)江戸後期の戯作者。本名は鷦鷯(佐々木)貞高、別号は二代目振鷺亭主人・二世南仙笑楚満人・狂訓亭主人など。<別>『晩進魯筆 閑窓瑣談』。<成><版>天保一二(一八四一)年序。<内>人麿の奇説や俚俗の異説など、古代から近世にいたる逸話・奇談の類が五六条集録されている。絵入り。<活>『日本随筆全集』九、『日本随筆大成』新版一期一二(旧版一期六―七)

閑窓倭筆 かんそうわひつ  二巻二冊。<著>恵空(一六四三―九一年)江戸前期の天台宗の僧。<版>延宝七(一六七九)年。<内>随筆。巻上「徳をもって怨に報ず」から「誦咒闇路を照す」まで二五項、巻下「禽獣能言」から「聖衆来迎」まで三八項の計六三項から成る。<蔵>哲学堂文庫(二巻一冊)

閑田耕筆 かんでんこうひつ  四巻四冊。<著>伴蒿★(𧾷+爫+夫)(一七三三―一八〇六年)江戸中・後期の国学者。名は資芳、別号は閑田子。<成>寛政一一(一七九九)年自序。<版>享和元(一八〇一)年。<内>随筆。内容を『五雑組』にならい天地・人・物・事の四部に分け、見聞した異聞・珍説などを和漢の書によって考証している。<活>『日本随筆全集』六、『日本随筆大成』新版一期一八(旧版一期九)、『百家説林』続編下一、『有朋堂文庫』。

広東通志 かんとんつうし  六四巻。<著>郝玉麟(未詳)。<成>雍正九(一七三一)年。<内>明代に修めた広東の地誌を清の康煕二二(一六八四)年に続修したもので、風俗・物産・古跡など三五門から成る。

感応編 かんのうへん  太上感応篇 たいじょうかんのうへん

韓非子 かんぴし  二〇巻。<著>韓非(前二八〇ころ―前二三三年)中国戦国時代末期の思想家。法家思想の集大成者。<内>法家の思想を述べた書で、韓非とその一派の論著五五編を集めたもの。<活>『新釈漢文大系』一一―一二、『全釈漢文大成』二〇―二一。

関秘録 かんぴろく  八巻八冊。<著>未詳。<内>故実・和歌などを主とした随筆で、壷井義知(一六五七―一七三五年、江戸中期の有職故実家)・新井白石・北畠永以の説を中心に自らの考証を加えている。<活>『随筆大観』六、『日本随筆全集』一九、『日本随筆大成』新版三期一〇(旧版三期五)

管蠡数㤧略 かんれいすうこうりゃく  三巻三冊。<著>山梨和貴(未詳)。<成><版>寛成五(一七九三)年。<内>上・中巻は鵜飼信興の『和漢珍書考』(『和漢雑笈或問』)の説に対して、「蝉丸の説を弁ず」から「当摩中将姫の説を弁ず」まで二三条を立てて反論し、下巻は易の数について「数象」で論じ、「桶箱問答」「漏釣瓶」「秘事」「過言」の計二八条について論じている。<蔵>哲学堂文庫。

紀 き  日本書紀 にほんしょき

奇異雑談 きいぞうだん  奇異雑談集 きいぞうだんしゅう

奇異雑談集 きいぞうだんしゅう  六巻六冊。<著>中村某(未詳)。<別>『奇異雑談』。<成>室町時代。<版>貞享四(一六八七)年。<内>各地の怪談・奇説を集めたもの。三一話。中国の小説『剪灯新話』のなかから三話を訳出しているという。<活>『近世文芸資料』近世怪異小説。

紀伊国名所図会 きいのくにめいしょずえ  初・二編六巻一〇冊・三編六巻七冊・後編六巻六冊。<著>高市志友(一七五一―一八二三年)江戸後期の書肆・俳人。名は伊兵次、別号は青霞堂・春樹庵/その他著。画・西村中和/その他画。<別>『紀伊名所図会』<成><版>初・二編は文化九(一八一二)年、三編は天保九(一八三八)年、後編は嘉永四(一八五一)年。<内>地誌。<複>『紀伊国名所図会 後編』(昭和一一―一二年)。<活>『大日本名所図会』。

紀伊毎日新聞 きいまいにちしんぶん  日刊。和歌山、紀伊毎日新聞社。明治二六(一八九三)年五月一日創刊、大正二(一九一三)年六月六日、六〇〇〇号記念号を発行した。昭和六(一九三一)年まで存続した。<内>時事。

奇応記 きおうき  霊験奇応記 れいげんきおうき

記憶術 きおくじゅつ  記憶術講義 きおくじゅつこうぎ

記憶術講義 きおくじゅつこうぎ  一冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育者。号は甫水。不思議庵主人と称す。東京、哲学館、明治二七(一八九四)年二月、八二頁(第三版から付録を増補して九二頁)。<内>記憶の方法を身心関係から述べている。付録として『物覚秘伝』を掲載。

記憶新法 きおくしんぽう  未詳。

記憶の病症 きおくのびょうしょう  一冊。<著>T・A・リボー(Ribot, T. A. 一八三九―一九一六年)フランスの心理学者・精神病理学者・哲学者。<内>医学。〔原書〕 Les maladies de la me´moire, 1881. 〔英訳〕 Disease of Memory.

義経記 ぎけいき  八巻八冊。<著>未詳。<別>『判官物語』、『牛若物語』、『義経物語』。 <成>室町中期。<版>元和古活字版。<内>軍記物。源義経の一代記。前半は幼少時代、後半は没落譚となっている。<活>『岩波文庫』、『校註日本文学大系』一三、『日本古典全集』二期、『日本古典文学大系』三七、『日本精神文化大系』五、『有朋堂文庫』。

窺原抄 きげんしょう  六二冊。<著>石出常軒(一六一五―八九年)江戸前期の国学者。名は吉深。<別>『温故知新抄』。<成>延宝七―貞享二(一六七九―八五)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<蔵>国立公文書館内閣文庫(写本)

擬山海経 ぎさんかいきょう  五巻五冊。<著>独庵玄光(一六三〇―九八年)江戸前期の曹洞宗の僧。玄光は法諱、道号は蒙山、号は睡庵・独庵。<成><版>元禄一五(一七〇二)年。<内>巻一は勧学・密呪功徳・六即仏など二八条、巻二は崔広宗・画工・陳武振など二五条、巻三は沈東美・太原小児など五条、巻四は臨淮将・楊邁・謝邈之など二三条、巻五は選将・廬嗣宗・李仲呂など三〇条から成る。<蔵>哲学堂文庫。

魏志 ぎし  未詳。

揮麈後録 きしゅこうろく  揮麈録 きしゅろく

奇術秘法 きじゅつひほう  <著>未詳。東雲堂、明治二四(一八九一)年、 六二頁。<内>まじない。

揮麈録 きしゅろく  前録四巻・後録一一巻・三録三巻・余話二巻。<著>王明清(一一二七―?年)南宋の人。<内>史事旧聞を集めたもので、北宋末・南宋初の政治社会状況を知る参考となる。<活>『四部叢刊続篇』、『津逮秘書』、『叢書集成初編』。

気象学 きしょうがく  一冊。<著>編・横山彦次郎(未詳)。東京、寛裕舎、明治二三(一八九〇)年、一三四・二五二頁(上下合本)

鬼情談 きじょうだん  三巻三冊。<著>作・秉心堂主人(未詳)/画・冀竜、一鴎。<別>『奇事詳説 鬼情談』。 <成><版>文化六(一八〇九)年。 <内>巻一「相馬妙見宮の話」ほか九話、巻二「稲荷社の話」ほか六話、巻三「正覚僧正の話」ほか八話、計二六話から成る。<蔵>哲学堂文庫。

癸辛雑識 きしんざっしき  前集一巻・後集一巻・続集二巻・別集二巻。<著>周密(一二三二―九八年)南宋末の文学者。字は公謹、号は嘯翁・草窓・四水潜夫など。<内>瑣事・雑言を記したもので、考証上の参考資料となるものが多いという。

鬼神集説 きしんしゅうせつ  一冊。<著>佐藤直方(一六五〇―一七一九年)江戸前期の儒学者。<成>元禄二(一六八九)年。<複>『佐藤直方全集』。

鬼神新論 きしんしんろん  一冊。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<成>文化二(一八〇五)年。 <版>文政三(一八二〇)年訂補。<内>和漢古今の儒者たちの鬼神論の不徹底さを批判・詳論して、神の実在を論証しようとしたもの。<活>『新修平田篤胤全集』九(名著出版)、 『新註皇学叢書』一、 『平田篤胤全集』三(平田学会)、 『平田篤胤全集』八(内外書籍)、 『日本思想大系』五〇(「新鬼神論」)

鬼神俚諺鈔 きしんりげんしょう  三巻。<著>無褌(未詳)。 <別>『霊話』。 <成><版>貞享四(一六八七)年。<内>鬼神・霊魂・神儒仏に関することなどを問答形式で論じている。<蔵>哲学堂文庫。

鬼神論 きしんろん  四巻一冊。<著>新井白石(一六五七―一七二五年)江戸中期の儒学者・政治家。名は君美。<版>寛政一二(一八〇〇)年。<内>元・亨・利・貞の四集から成り、鬼神の本質、妖怪現象の種々相の根源・由来、淫祀と正祀の別などを、儒仏の対比において明らかにしたもの。<活>『新井白石全集』六、『日本思想大系』三五、『日本思想闘諍史料』三、『日本哲学思想全書』八、『日本哲学全書』一二。

鬼神論 きしんろん  一冊。<著>南孝温(未詳)朝鮮李朝の人。字は伯恭、号は秋江、諡は文貞。<別>『南秋江鬼神論』。<版>宝暦一一(一七六一)年。<内>鬼神について論じたもの。

帰正漫録 きせいまんろく  一冊。<著>安井真祐(未詳)。 <別>『弁道漫録』。 <成><版>元禄二(一六八九)年。 <内>宋明において仏老を論じた儒者たちの論説を抄出したもの。<蔵>哲学堂文庫。

起世因本経 きせいんほんきょう  一〇巻。<訳>達磨笈多(ダルマグプタ、?―六一九年)隋代の訳経僧。<成>紀元後。<内>世界の生起・形状などを説明した宇宙論。<活>『大正新脩大蔵経』一(二五)

奇説集艸 きせつあつめぐさ  三冊。<著>未詳。<蔵>国立国会図書館(写本)

奇説雑談集 後編 きせつぞうだんしゅう こうへん  五巻五冊。<著>未詳。<内>巻一「三芝居由緒の談」「新吉原根元の大概」、 巻二「坂陽任侠文七談話」、 巻三「武州霊教寺に徘徊せし桑門定西が談」、 巻四「西国浪人今田氏が談話」「市森氏芸術の談話」「予州松山農人の女房怪を産の談」、 巻五「未然を語る僧の談」「岡野氏が談話」「永井善左衛門が談話」から成る。 <蔵>哲学堂文庫(写本)

奇説著聞集 きせつちょもんしゅう  五巻五冊。<著>大蔵永常(一七六八―一八六〇?年)江戸後期の農学者/画・蹄斎北馬。<別>『田家茶話』。 <成><版>文政一二(一八二九)年。 <内>奇話・異聞三八話を集めたもの。<蔵>哲学堂文庫(写本)

木曾路名所図会 きそじめいしょずえ  六巻七冊。<著>作・秋里籬島(?―一八三〇?年)江戸後期の読本作者・俳人。姓は池田、名は舜福、字は湘夕、秋里籬島は号、別号は籬島軒/画・西村中和(?―一八三〇?年)中和は名、字は士達、号は梅渓・楳渓。<成>文化元(一八〇四)年自序。<版>文化二(一八〇五)年。 <活>『大日本地誌大系』一二・一四、 『大日本名所図会』。

義楚六帖 ぎそろくじょう  二四巻。<著>義楚(未詳)五代・北宋時代の僧。<成>後周の世宗の顕徳元(九五四)年。<版>崇寧二(一一〇三)年(九七三年の開宝六年版は残されていない)。<別>『釈氏纂要六帖』、『釈氏六帖』。<内>白居易の『白氏六帖』に擬して、仏教の義理・文章・庶事・群品を五〇部四四〇門に細分し、類集した百科事典的な書。五代後晋の出帝の開運二(九四五)年から約一〇年の歳月をかけて完成した。<複>『義楚六帖』(「古典叢刊之二」、朋友書店、一九七九年)

北山医話 きたやまいわ  三巻三冊。<著>北山寿安(?―一七〇一年)江戸前期の医家。名は道長、号は友松・仁寿庵・逃禅堂、寿安は通称。<成><版>正徳三(一七一三)年。<内>医学。<蔵>大阪府立中之島図書館。

奇談諸国便覧 きだんしょこくべんらん  諸国便覧 しょこくべんらん

奇談新編 きだんしんぺん  一冊。<著>淡山子(未詳)。<成>天保一三(一八四二)年序。<内>内外の滑稽奇談を漢文でつづったもの。数十条、批評を加えたものもある。<蔵>哲学堂文庫。

煕朝楽事 きちょうらくじ  一冊。<著>田汝成(未詳)。<内>明朝の年中行事を記したもの。安永元(一七七二)年刊行の和刻本(大沢弘訳)がある。<蔵>国立国会図書館。

橘庵漫筆 きつあんまんぴつ  二編一〇巻一〇冊。<著>田宮仲宣(一七五三?―一八一五年)江戸中・後期の洒落本作者。名は純または悠、仲宣は字、号は廬橘庵。<別>『東牗子』。 <成><版>初編享和元(一八〇一)年序、同三(一八〇三)年刊、二編文化二(一八〇五)年序。<内>和漢古今の風俗・言語などを一五〇余項の広範囲にわたり考証または批判したもの。『東牗子』と『嗚呼矣草』を一緒にして『橘庵漫筆』前・後編とした。<活>『日本随筆全集』、 『日本随筆大成』新版一期一九(旧版一期一〇)

吉凶開示 きっきょうかいじ  <著>鈴木左膳(未詳)。三田村寅次郎刊、明治一三(一八八〇)年、和二三・二三丁(二冊合本)

狐講釈 きつねこうしゃく  五冊。<著>高古堂主人(未詳)。<別>『千歳 狐講釈』。 <成><版>明和七(一七七〇)年。 <内>巻一「亀右衛門狐と語る事」「源頼光蜘の怪の事」、 巻二「喜撰法師が行状」「安倍保名狐と通して子を儲し事」、 巻三「大江山酒呑童子の説」「長者麿犬の難を語る事」、 巻四「松風村雨之説」「不孝成娘夢に地獄に堕る事」、 巻五「志ろうるりの説」「長者麿名方を伝る事」から成る。 <蔵>哲学堂文庫。

祈祷感応録 きとうかんのうろく  一冊。<著>良全(未詳)。 <別>『感応録』。 <成>寛政四(一七九二)年序。<内>『維摩経』をもとに修行得験のために書かれたもの。<蔵>哲学堂文庫。

帰納法論理学 きのうほうろんりがく  <著>清野勉(一八五三―一九〇四年)明治期の哲学者。東京、哲学書院、明治二二(一八八九)年、二冊(上下六〇五頁)。<内>論理学。

奇病便覧 きびょうべんらん  怪妖故事談 かいようこじだん

岐阜日日新聞 ぎふにちにちしんぶん  日刊。岐阜、岐阜日日新聞社。明治一四(一八八一)年二月一九日、『岐阜新聞』(明治一二〔一八七九〕年一一月三日創刊)を改題・継承して創刊された。戦時統合により昭和一七(一九四二)年一月五日、『岐阜合同新聞』と改題し、昭和二一(一九四六)年二月一一日、統合解消により『岐阜タイムス』と改題して、昭和三五(一九六〇)年一月一日、『岐阜日日新聞』に復題した。

紀聞 きぶん  一〇巻。<著>牛粛(未詳)唐の人。<内>唐の神怪異聞などを記した伝奇集。

亀卜秘伝 きぼくひでん  一冊。<著>未詳。<内>占卜。<蔵>国立国会図書館。

笈埃随筆 きゅうあいずいひつ  一二巻一二冊。<著>百井塘雨(?―一七九四年)江戸中期の商家・随筆家。号は塘雨・五井。<内>紀行文。諸国を漫遊して見聞した名勝古跡、風俗習慣、奇談珍説などを詳細に記録し、または評論したもの。<活>『日本随筆大成』新版二期一二(旧版二期六)

旧紀 きゅうき  先代旧事本紀 せんだいくじほんぎ

救急摘方 きゅうきゅうてきほう  正続編二巻二冊。<著>平野元良(?―一八六七年)江戸後期の医者。名は重誠、字は子公、元良は通称、号は革谿・桜寧・無適道人など。<別>『軍陣備要 救急摘方』。 <成>正編は嘉永四(一八五一)年ころ。続編は安政三(一八五六)年。 <内>医学。

救荒事宜 きゅうこうじぎ  一冊。<著>斎藤拙堂(一七九七―一八六五年)江戸後期の儒学者。名は正謙、字は有終、別号は鉄研学人・辞官後拙斎。<別>『増補救荒事宜』。 <成>天保二(一八三一)年。 <版>文久元(一八六一)年。 <内>古来の飢饉の年度や前兆などをもとに、予備や救済などの方法を講究したもの。<活>『日本経済大典』四六。

嬉遊笑覧 きゆうしょうらん  一二巻・付録一巻一六冊。<著>喜多村信節(一七八三―一八五六年)江戸後期の考証学者。号は筠庭・筠居・静斎。節信ともいう。<成>文政一三(一八三〇)年自序。<内>民間風俗、市井雑事に関して和漢の典籍を用いて考証したもの。<活>『我自刊我書』、 『存採叢書』、 『日本芸林叢書』、 『日本随筆大成』新版別巻七―一〇(旧版二期別巻)、 『嬉遊笑覧』(明治一五年、三六年、大正五年、昭和三三年)

九星方位早操便覧 きゅうせいほういはやくりべんらん

 <著>未詳。井上勝五郎刊、明治一三(一八八〇)年、和一帖。<内>占卜。

奇遊談 きゆうだん  三巻四冊。<著>川口好和(未詳)。 <別>『諸国奇遊談』。 <成><版>寛政一一(一七九九)年。<内>山城国(京都)内で見聞した珍奇な事柄や故事来歴、物産、諸行事などを記したもので、全六六項から成る。<活>『日本随筆大成』新版一期二三(旧版一期一一)

九鼎記 きゅうていき  <内>『抱朴子』にある道教の書。

牛馬問 ぎゅうばもん  四巻四冊。<著>新井白蛾(一七一五―九二年)江戸中期の儒学者・易断家。名は祐登、字は謙吉、別号は古易館。<成><版>宝暦五(一七五五)年自序、同六年刊。<内>随筆。一二二項目から成り、和漢にわたる雑纂(字義・俗説・伝承・芸談・古典など)について考証したもの。<活>『温知叢書』一二、 『日本随筆大成』新版三期一〇(旧版三期五)、 『白蛾全書』。

窮理 きゅうり  窮理隠語 きゅうりいんご 

窮理隠語(児女必解) きゅうりいんご(じじょひっかい)  <著>清原道彦(未詳)。万笈閣、明治五(一八七二)年、和二冊(上二八・下三二丁)。 <別>『訓蒙窮理隠語』。 <内>物理の教科書。

教苑摘要 きょうおんてきよう  二巻。<著>真流(一七一一―?年)江戸中期の天台宗の僧。<成>明和九(一七七二)年序。<内>天台・禅・密三宗の一致が日本天台宗であると主張する論を中心にした論文集。<蔵>哲学堂文庫。

教行信証 きょうぎょうしんしょう  顕浄土真実教行証文類 けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい

強識略 きょうしきりゃく  未詳。

狂草 きょうそう  <著>雨森芳洲(一六六八―一七五五年)江戸中期の儒学者。名は俊良・誠清、字は伯陽、別号は尚絅斎。<内>『妖怪学講義』では亀卜の部分が引かれているが、書名は確認できない。

京都日出新聞 きょうとひのでしんぶん  日刊。京都、日出新聞社。明治三〇(一八九七)年七月一日、『日出新聞』(明治一八〔一八八五〕年四月一〇日創刊)を改題・追号した。昭和一七(一九四二)年四月一日、『京都日日新聞』などと合併して、『京都新聞』と改題し継続している。

経律異相 きょうりついそう  五〇巻。<著>宝唱(未詳)中国南北朝時代の僧。<成>梁の天監一五(五一六)年。<内>一種の仏教事典。経律から事項を採取し、それを天・地・仏・菩薩・声聞・国王・王夫人・太子・王女・長者・優婆塞・優婆夷・外道仙人・梵志婆羅門・居士・賈客・庶人・鬼神・雑獣畜生・地獄の部門を立てて分類し、さらにそれを細目に分けて整理している。引用経典で今日に伝わらないものもあるため、経典研究の重要な資料といわれる。<活>『大正新脩大蔵経』五三(二一二一)

竟陵王誕伝 きょうりょうおうたんでん  <内>『宋書』のなかの一編。 宋書。

玉山画譜 ぎょくざんがふ  五巻二冊。<著>画・岡田玉山(?―一八〇八)江戸中・後期の絵師。名は尚友、字は子徳、別号は金陵斎。<別>『絵本妖怪奇談』、 『法橋 玉山画譜』。 <内>見開きの絵に文章が入った妖怪奇談画集。四八画から成る。<蔵>哲学堂文庫。

玉石雑誌 ぎょくせきざっし  正編九巻・続編五巻二〇冊。<著>栗原信充(一七九四―一八七〇年)江戸後期の故実家。号は柳葊(庵・闇)・又楽。晩年、武田信充と称す/画・栗原信兆。<別>『先進繍像 玉石雑誌』。 <成>天保一四(一八四三)年。 <版>嘉永元(一八四八)年。 <内>北畠親房から藤原為子にいたる二四人の肖像を模写し、その小伝を記したもの。<活>『日本随筆大成』新版二期九(旧版二期五)

玉兎集 ぎょくとしゅう  簠簋内伝金烏玉兎集 ほきないでんきんうぎょくとしゅう

玉篇 ぎょくへん  三〇巻。<著>顧野王(未詳)南朝の梁の学者。字は希馮。<成>五三五―五五一年間。<内>字書。成立後に蕭愷らが改刪し、唐の孫強が増字し(上元本という)、宋の陳彭年らが上元本によって重修・増字し、これが『大広益会玉篇』、または『重訂玉篇』といわれる現行のものである。<活>『古逸叢書』、『小学彙函』。

居行子 きょこうし  五巻五冊。<著>西村遠里(一七二六?―八七年)江戸中期の暦学者。名は得一、号は居行。<成>明和九(一七七二)年序。<版>安永四(一七七五)年。<内>種々の事柄について弁論・考証したもの。巻一「人相の弁」など五項、巻二「長生の弁」など五項、巻三「儒者之説」など三項、巻四「花見のことば」など六項、巻五「俗文鬼神論」から成る。 <蔵>哲学堂文庫(享和三〔一八〇三〕年、五巻一冊)

居行子外篇 きょこうしがいへん  五巻五冊。<著>西村遠里(一七二六?―八七年)江戸中期の暦学者。名は得一、号は居行。<成>天明六(一七八六)年序。<版>天明八(一七八八)年。 <内>巻一「嘘の世中」ほか三項、巻二「鵺問答」ほか二項、巻三「和歌六体之弁」ほか二項、巻四「詠歌題之正誤」ほか三項、巻五「伊呂波国字之説」ほか一項から成る。<蔵>哲学堂文庫(五巻一冊)

居行子後篇 きょこうしこうへん  五巻五冊。<著>西村遠里(一七二六?―八七年)江戸中期の暦学者。名は得一、号は居行。<成>安永五(一七七六)年跋。<版>安永八(一七七九)年。 <内>「鬼門之弁」(巻一)、 「一角木乃伊之説」(巻二)、 「妖怪之説」(巻四)、 「年号改元附入梅之説」(巻五)など、全二〇項から成る。<蔵>哲学堂文庫(五巻一冊)

虚実雑談集 きょじつぞうだんしゅう  五巻五冊。<著>瑞竜軒恕翁(一六八七―一七八四年)江戸中期の講釈師。姓は滋野氏、名は茂雅、瑞竜軒恕翁は号。 <成><版>寛延二(一七四九)年。 <内>各巻一九条で全九五条から成り、「川太郎の事」「仙人を見たる事」「人丸赤人の社の事」「大地震津浪の事」「情を志らぬ人の事」「豆州熱海怪異の事」「鷹の礼の事」など怪異奇談を集めたもの。<蔵>哲学堂文庫。

曲肱漫筆 きょっこうまんぴつ  四巻一冊。<著>春樹閑民(未詳)。 <成><版>天保一三(一八四二)年。 <内>巻一「窓の月」「傾城の弁」、 巻二「易学の弁」「仙人の説」、 巻三「酒茗論」「春四に奢の弁」「夜話の三笑」の七項について、経史百家の説をあげて論じたもの。<活>『日本随筆大成』新版二期一八(旧版二期九)

希臘神代史 ぎりしぁじんだいし  未詳。

金匱経 きんききょう  未詳。

金匱要略 きんきようりゃく  二四巻。<著>張機(未詳)。<内>古医書の名で、医学五経の一。もと『金匱玉函方』または『傷寒雑病論』と題されたものから六編に編次した『傷寒論』(晋の王叔和編)と、宋の林億らの編による本書が作られた。<活>『医学正脈全書』、『四部叢刊』、『高注金匱要略』(上海衛生出版社、一九五六)。<訳>『全訳傷寒論』(明徳出版社、昭和四〇年)

今古未発日時九星弁 きんこみはつにちじきゅうせいべん

 一冊。<著>川辺養神(未詳)。愛静堂、明治一七(一八八四)年、和二四丁。<内>占卜。

禁祠要略 きんしようりゃく  未詳。

近思録 きんしろく  一四巻。<著>編・朱熹(一一三〇―一二〇〇年)南宋の思想家。朱子学を大成。字は元晦・仲晦、号は晦菴・晦翁/呂祖謙(一一三七―八一年)宋の儒者。字は伯恭。東莢先生と敬称された。<成>淳煕三(一一七六)年。<内>朱熹の先駆者、周濂渓(敦頤)・程明道(顥)・程伊川(頤)・張横渠(載)の著作や語録のなかから、学問や日常の道に関するものおよび哲学説六二二条を選んで編集し、初学者の入門書としたもの。<活>『岩波文庫』、『新釈漢文大系』三七。

今斉諧 きんせいかい  今斉諧 いまさいかい

近世奇跡考 きんせいきせきこう  五巻五冊。<著>山東京伝(一七六一―一八一六年)江戸後期の戯作者・浮世絵師。本名は岩瀬醒、字は酉星、別号は山東庵・醒斎・菊亭、画号は北尾政演/画・喜多武清(一七七六―一八五六年)江戸後期の絵師。名は武清、字は子慎。<別>『続骨董集』。 <成><版>文化元(一八〇四)年序。<内>近世初期の市井の風俗、巷談雑話、人物の逸事などについて考証した随筆。<活>『温知叢書』八、 『日本随筆全集』一一、 『日本随筆大成』新版二期六(旧版二期三)

近世拾遺物語 きんせいしゅういものがたり  七巻七冊。<著>未詳。<別>『本朝 近世拾遺物語』、『本朝 今昔拾遺物語』。<版>文政八(一八二五)年。<内>怪異談。『大和怪異記』の改題本。 大和怪異記。

近世世事談 きんせいせじだん  世事談 せじだん

近世百物語 きんせいひゃくものがたり  四巻四冊。<著>庭仙(未詳)。 <内>「一母十五男」から「百歳婆慕主」まで、全五〇話。「夢与神和歌」「夜鬼清古墳」「天狗忌奇器」「悪報堕地獄」「幽霊★(飠+貴)愛妓」などから成る奇談怪異集。絵入り。<蔵>哲学堂文庫(写本、四巻二冊)

近世聞見録 きんせいぶんけんろく  二巻二冊。<著>紀実(未詳)。 <内>巻一は明和四(一七六七)年から弘化四(一八四七)年までの世相記録三〇条、巻二は文芸作品の抄録その他二七条から成る見聞録。<蔵>西尾市立図書館岩瀬文庫。

近世説美少年録 きんせせつびしょうねんろく  四輯二〇冊。<著>滝沢馬琴(一七六七―一八四八年)江戸後期の戯作者。名は解、字は瑣吉、馬琴は号、別号は曲亭・著作堂主人・蓑笠魚隠など/画・歌川国貞(初代・一七八六―一八六四年)江前後期の浮世絵師。岩窪北渓。<別>『美少年録』。<成><版>初輯文政一一(一八二八)年、二輯同一二年、三輯天保二(一八三一)年、四輯同五年。<内>読本。悪と善の二人の美少年の物語。四輯の続編に『玉石童子訓』がある。<活>『昭和版帝国文庫』、『続国民文庫』、『続帝国文庫』、『有朋堂文庫』、『訂正増補美少年録』(明治二〇年)

近代世事談 きんだいせじだん  本朝世事談綺 ほんちょうせじだんき

禁中日中行事 きんちゅうにっちゅうぎょうじ  日中行事 にっちゅうぎょうじ

錦嚢智術全書 きんのうちじゅつぜんしょ  目録ともに一三巻七冊。<版>嘉永四(一八五一)年再版。<内>叢書。『百工秘術前編』、 『拾玉続智恵海』、 『拾玉新智恵海』、 『増補拾玉智恵海』から成る。<蔵>国立国会図書館(刊年不明)

禁秘抄 きんぴしょう  三巻三冊。<著>順徳天皇(一一九七―一二四二年)。 <別>『禁中抄』、 『禁中御抄』、 『禁秘御抄』、 『建暦御記』。 <成>建暦三(一二一三)年。<版>正保版。<内>有職故実。宮中における有職作法の心得を漢文体で記したもの。<活>『群書類従』雑、 『新註皇学叢書』五、 『日本精神文化大系』一、 『列聖全集』御撰集六。

近聞寓筆 きんぶんぐうひつ  四巻・付録一巻四冊。<著>吉田篁墩(一七四五―九八年)江戸後期の儒学者。名は漢宦、字は学生、篁墩は号。<成><版>文政六(一八二三)年。 <内>漢文随筆。種々の書物のなかから奇事・異聞を抜粋したもの。<活>『続日本儒林叢書』一。

訓蒙図彙 きんもうずい  二〇巻・目録二巻。<著>中村惕斎(一六二九―一七〇二年)江戸前期の儒学者。名は之欽、字は敬甫。<別>『頭書増補訓蒙図彙』、 『増補頭書訓蒙図彙大成』。 <成><版>寛文六(一六六六)年。 <内>絵入り百科事典。巻一「天文」から巻二〇「花草」まで一二八項にわたり、事物の名称を記し、その形状を図示している。<複>『訓蒙図彙』(昭和五〇年、早稲田大学出版部)、 『訓蒙図彙』(「近世文学資料類従」参考文献編四)

金葉集 きんようしゅう  金葉和歌集 きんようわかしゅう

金葉抄 きんようしょう  未詳。

金葉和歌集 きんようわかしゅう  一〇巻一冊または二冊。<著>編・源俊頼(一〇五五?―一一二九年)平安後期の歌人。<別>『金葉集』。<成>初奏本天治元(一一二四)年、再奏本同二年、三奏本大治二(一一二七)年。<版>天保九(一八三八)年。<内>歌集。春・夏・秋・冬・賀・別離・恋(上下)・雑(上下)に分け、雑の下に連歌一九首を収める。作者は二二七人。<複>『三奏本金葉和歌集』(国民精神文化文献)、『初奏本金葉和歌集』(昭和三三年)。<活>『岩波文庫』(三奏本)、『校註国歌大系』四、『国歌大観』、『日本歌学全書』五、『日本古典全書』三期、『八代集全註』、『有朋堂文庫』、『校訂金葉集』(明治四二年)

空華随筆 くうげずいひつ  二巻二冊。<著>諦忍(一七〇五―八六年)江戸中期の真言宗の僧。名は妙竜、号は雲蓮社空華。<版>寛保元(一七四一)年。 <内>漢文随筆。道徳・故実などについて、道儒仏の三教およびインド・中国・日本の三国における伝説や事例を論じたもの。<蔵>哲学堂文庫(刊年不明)

空華談叢 くうげだんそう  四巻四冊。諦忍(一七〇五―八六年)江戸中期の真言宗の僧。名は妙竜、号は雲蓮社空華。<別>『空華譚叢』。 <版>宝暦版。<内>神儒仏三道に関する事物や伝説など一九〇余項について記したもの。<活>『大日本仏教全書』九四、 『空華談叢』(明治三一年)

愚管抄 ぐかんしょう  六巻・付一巻七冊。<著>慈円(一一五五―一二二五年)鎌倉前期の天台宗の僧。<成>承久二(一二二〇)年。 <内>歴史書。神武天皇から順徳天皇にいたる歴史を片仮名まじり文で論述したもので、歴史の流れを道理の現れとしてみている。<活>『岩波文庫』、 『改定 史籍集覧』二、 『新訂増補 国史大系』一九、 『日本古典文学大系』八六、『日本精神文化大系』四。

公卿補任 くぎょうぶにん  <著>(未詳)。<成>最古の写本は平安末・鎌倉初期。<内>摂政・関白以下参議以上の現官と、三位以上の有位者を列挙した公卿の名簿。各人につき父母・経歴・本官・位階・年齢・兼官などを記している。書き継がれて明治元(一八六八)年におよんでいる。<活>『新訂増補 国史大系』。

旧事記 くじき  先代旧事本紀 せんだいくじほんぎ

公事根源 くじこんげん  <著>一条兼良(一四〇二―八一年)室町時代の公卿・学者。桃華老人ともいう。<成>応永二九(一四二二)年。<版>元和古活字版(三巻三冊)。<内>有職故実。朝廷の公事の基本を記した儀式書でそれぞれの行事を月ごとに掲げ、その起源・沿革・特質などについて詳述している。『建武年中行事』が基本資料となっている。<活>『新註皇学叢書』五、『日本文学全書』二二。

旧事本紀 くじほんぎ  先代旧事本紀 せんだいくじほんぎ

奇魂 くしみたま  二巻二冊。<著>佐藤鶴城(未詳)江戸後期の医者・国学者。本姓は藤原、名は方定のち神符満・東貞・本樹、別号は大鳥舎。 <別>『尚古医典』。 <成><版>天保二(一八三一)年。 <内>医学。 <活>『杏林叢書』四。

孔雀経 くじゃくきょう  仏母大孔雀明王経 ぶつもだいくじゃくみょうおうきょう

孔雀桜筆記 くじゃくろうひっき  四冊。<著>清田儋叟(一七一九―八五年)江戸中期の儒学者。名は絢、字は君錦、別号は千秋斎・孔雀桜。<成><版>明和五(一七六八)年。<内>各方面にわたる佳話・奇話に富んだ随筆。<活>『日本古典文学大系』九六。

倶舎頌 くしゃじゅ  阿毘達磨倶舎論本頌 あびだつまくしゃろんほんじゅ

倶舎頌疏麟記 くしゃじゅしょりんき  未詳。

倶舎世間品日月行道図解 くしゃせけんぼんにちがつぎょうどうずげ  一冊。<著>宥範(未詳)江戸前期の僧。<別>『倶舎世間品』。<版>元禄一三(一七〇〇)年。<内>仏教。<蔵>大谷大学。

倶舎論 くしゃろん  阿毘達磨倶舎論 あびだつまくしゃろん

倶舎論記 くしゃろんき  三〇巻。<著>普光(未詳)唐代の僧。<別>『阿毘達磨倶舎論記』、『倶舎論光記』、『光記』。<成>六五四年ころ。<内>『阿毘達磨倶舎論』の注釈書。<活>『大正新脩大蔵経』四一(一八二一)。<訳>『国訳一切経』論疏部一―五。

倶舎論頌疏 くしゃろんじゅしょ  三〇巻。<著>円暉(未詳)中唐の倶舎学者。<別>『阿毘達磨倶舎論頌釈疏論本』、『倶舎論頌釈疏』、『頌疏』、『倶舎論頌釈』。<成>『倶舎論記』や『倶舎論疏』の後。<内>『阿毘達磨倶舎論』の頌のみに注釈を施したもの。倶舎論研究の入門書。<活>『大正新脩大蔵経』四一(一八二三)

孔叢子 くぞうし  三巻。<著>孔鮒(前二六四―前二〇八年)秦末の学者。字は甲。<内>仲尼・子思・子上・子高・子順の言行を収集したもの(二一編)に、のち孔臧がその書『連叢上下篇』にそれを付して『孔叢子』といったとされる。

弘明集 ぐみょうしゅう  一四巻。<著>僧祐(四四五―五一八年)南斉・梁代の律僧。<成>五―六世紀。<内>東晋より遼にいたる五〇〇余年間に、国家や儒教・道教によってなされた仏教への干渉に対する反論や主張を集めたもの。巻一に『牟子理惑論』、巻二に『明仏論』、巻四に『達性論』、巻五に『神不滅論』がある。<活>『大正新脩大蔵経』五二(二一〇二)。<訳>『国訳一切経』護教部一、『弘明集研究』(京都大学人文科学研究所)

蜘蛛の糸巻 くものいとまき  二巻二冊。<著>山東京山(一七六九―一八五八年)江戸後期の戯作者。本名は岩瀬百樹、字は鉄梅、別号は鑾山・涼仙など。<別>『蜘の糸巻』。 <成>弘化三(一八四六)年。<内>随筆。見聞した江戸市井の風俗などを記したもの。全五一条から成る。<活>『燕石十種』一、 『続帝国文庫』「名家漫筆集」、 『日本随筆全集』一四、 『日本随筆大成』新版二期七(旧版二期四)、 『百家説林』正編上。

群印宝鑑 ぐんいんほうかん  和漢印尽 わかんいんづくし

群疑論 ぐんぎろん  七巻。<著>懐感(未詳)。<別>『釈浄土群疑論』。<内>称名念仏によって浄土に往生するという教説に対する非難に反論したもの。<活>『浄土宗全書』六、『大正新脩大蔵経』四七(一九六〇)

群砕録 ぐんさいろく  三巻。<著>沢田訥斎(一六二四―一七〇七年)江戸前期の儒学者。名は貞三・貞、字は宗堅、訥斎は号。<内>未詳。

群書類従 ぐんしょるいじゅう  五三〇巻六六五冊・目録一冊。<著>編・塙保己一(一七四六―一八二一年)江戸中・後期の国学者。本姓は荻野、号は水母子、堂号は温古堂。<版>天明六(一七八六)―文政二(一八一九)年。<内>叢書。安永八(一七七九)年に編纂に着手し、幕臣を中心とする屋代弘賢・大田南畝などの参加を得て、およそ江戸時代初期までの文献一二七〇点を「神祇」から「雑」まで二五部に分類・収録している。<活>『群書類従』(一九冊、明治二六―二七年。二九冊。昭和三四―三五年)、『新校群書類従』(二四冊。昭和三―一三年)

群芳譜 ぐんぽうふ  三〇巻。<著>王象晋(未詳)明の人。<内>天譜・歳譜・蔬譜・果譜・茶竹譜・桑蔴葛苧譜・薬譜・木譜・花譜・卉譜・鶴魚譜の一二種に分けている。

群芳暦 ぐんぽうれき  一冊。<著>北野鞠塢(一七六二―一八三一年)江戸後期の本草家・文人。名は秋芳、号は梅隠居士、俳号は春秋庵・梁夢庵。<内>古事記・万葉集・本草綱目などの書物にある草木の名を正して、一年三六〇日に分配し、一月より一二月にいたる草木の季節を記したもの。<蔵>国立国会図書館(版本)

訓蒙浅語 くんもうせんご  二巻二冊。<著>大田晴軒(一七九五―一八七三年)幕末・明治の儒学者。名は敦、字は叔復、晴軒は号。<成>慶応元(一八六五)年。<内>四書五経、諸子百家などを引用し、その注釈と処世的教訓を述べたもの。<活>『日本随筆大成』新版三期八(旧版三期四)、 『百家説林』正編下。

訓蒙天地弁 くんもうてんちべん  三巻三冊。<著>高井蘭山(一七六二―一八三八年)江戸後期の戯作者。名は伴寛、字は思明(子明とも)、別号は三遷・晒我・宝雪庵。<成><版>寛政三(一七九一)年。<内>天文。<蔵>哲学堂文庫。

秇苑日渉 げいえんにっしょう  一二巻一二冊。<著>村瀬栲亭(一七四四〔一七四六〕―一八一八年)江戸中・後期の儒学者。名は之煕、字は君績、別号は小華陽・神州・土岐中書。<別>『芸苑日渉』。<版>文化四(一八〇七)年。<内>漢文で書かれた考証随筆。名称・言語・儀礼・風俗・奇事・音楽・遊戯・食物・衣類・器物など、和漢の事物・風俗に関して和漢の典籍を渉猟し、精細に考証している。<活>『日本随筆全集』一。

景行紀 けいこうき  <内>『日本書紀』巻第七「大足彦忍代別天皇」(景行天皇)のこと。 日本書紀。

経済録 けいざいろく  一〇巻。<著>太宰春台(一六八〇―一七四七年)江戸中期の儒学者。名は純、字は徳夫、別号は紫芝園。<成>享保一四(一七二九)年序。<内>政治・経済・社会・制度・法令など、広い意味での経世済民について論じたもの。<活>『近世社会経済学説大系』「太宰春台集」、『大日本思想全集』七、『日本経済叢書』六、『日本経済大典』九、『日本思想闘諍史料』六。

繋辞(伝) けいじ(でん)  <内>『易経』一〇翼の一、上下二編。易の原理論で、形而上学・自然哲学に関する言説は中国哲学史上に重要な位置を占めている。 易経。

経世衍義 けいせいえんぎ  未詳。

荊楚歳時記 けいそさいじき  一巻。<著>宗懍(四九八―五六一〔五〇二―五六四〕年)南北朝末期の官吏・学者。字は元懍/注・杜公瞻。<内>楚国(湖北・湖南地方)の一年間の年中行事や風物について、元旦から除夜まで三七条にわたり記したもの。六八部にのぼる経典・俗伝の引用により、古代の神話や民俗を知るうえでの貴重な書となっている。<活>『漢魏叢書』八〇、『五朝小説』五、『説郛』六九、『和刻本漢籍随筆集』一一、『校注荊楚歳時記』(昭和二五年)。<訳>『東洋文庫』三二四。

景徳伝灯録 けいとくでんとうろく  三〇巻。<著>道原(未詳)宋代の禅僧。<内>インドの禅と中国の禅の系譜を明らかにし、一七〇一人にのぼる禅宗の法系を述べたもの。また、一七〇〇則の公案が集録された語録集でもある。<活>『大正新脩大蔵経』五一(二〇七六)。<訳>『国訳一切経』史伝部一四―一五。

啓蒙雑記 けいもうざっき  一冊。<著>聞証(一六三四―八八年)江戸前期の浄土宗の僧。字は良光・誠観。<版>元禄七(一六九四)年。<内>「蘓迷盧山」から「菩薩成道」まで五六項の名目について注釈したもの。<蔵>哲学堂文庫(正徳三〔一七一三〕年)

啓蒙随録 けいもうずいろく  二巻二冊。<著>大雲(一八一七―七六年)江戸後期・明治前期の浄土宗の僧。号は興蓮社・法誉・仁阿。明治五―六(一八七二―七三)年刊。初編一は三三丁、初編二は三八丁。<内>竜山必夢の『浄土諸回向宝鑑』(五巻、一六九八年)の誤謬を正し、僧侶の日常に必要な名目や法要などの諸行事に関して典拠を示して解説したもの。<活>『明治仏教思想資料集成』二。

芸文類聚 げいもんるいじゅう  一〇〇巻。<著>欧陽詢(五五七―六四一年)唐初の著名な書家。字は信本。<別>『古今芸文類聚』。<内>類書。奉勅撰。天・歳時・地・州・郡・山・水・符命・帝王など、全五七部に分けて事実を記載したあとに、それに関する詩文を記している。<活>『芸文類聚』(中華書局、一九六六年)

桂林漫録 けいりんまんろく  二巻二冊。<著>森島中良(一七五四―一八〇八年)江戸中・後期の蘭学者・戯作者。字は虞臣、号は桂林、戯号狂号は森羅万象など、森島中良は本姓、のち中原中良とも称す。<版>寛政一二(一八〇〇)年。<内>考証随筆。碑銘・武具・書画・書籍・古印などについて、和漢の典籍によって考証を加えたもの。全八〇条から成る。<複>『影印日本随筆集成』七。<活>『日本随筆全集』一八、『日本随筆大成』新版一期二(旧版一期一)、『百家説林』正編上。

芸林蒙求 げいりんもうぎゅう  六巻六冊。<著>松田菘廬(一七八三―一八五二年)江戸後期の儒学者。名は順之、別号は迂仙・蓼蔵舎。<別>『芸林蒙求初編』。<成><版>嘉永四(一八五一)年。<蔵>哲学堂文庫。

家語 けご  孔子家語 こうしけご

華厳 けごん  大方広仏華厳経 だいほうこうぶつけごんぎょう

華厳経 けごんぎょう  大方広仏華厳経 だいほうこうぶつけごんぎょう

解脱論 げだつろん  未詳。

決疑弁蒙 けつぎべんもう  四巻四冊。<著>梅蓁舎鴻斎(未詳)。<別>『天変地妖 決疑弁蒙』。<成>安政三(一八五六)年序。<内>和漢の歴史および群書のなかに載せている天変地妖(日食・月食・流星・地震・津浪など)をあげて、それについての見解を述べて人々の疑惑をはらし、災異の備えとしたもの。<蔵>哲学堂文庫。

月桂詩 げっけいし  <著>慈雲式公(未詳)後宋の人。

欠唇物語 けっしんものがたり  未詳。

蘐園遺編 けんえんいへん  二〇巻五冊。<著>荻生徂徠(一六六六―一七二八年)江戸中期の儒学者。名は双松、字は茂卿、徂徠は号,別号は蘐園、本姓の物部氏をとって物徂徠・物茂卿とも称す。<内>鄙語・俚言から雑事にいたるまで、著者の諸説を門人たちが筆記したもの。<蔵>国立公文書館内閣文庫。

蘐園十筆 けんえんじっぴつ  一〇巻。<著>荻生徂徠(一六六六―一七二八年)江戸中期の儒学者。名は双松、字は茂卿、徂徠は号、別号は蘐園、本姓の物部氏をとって物徂徠・物茂卿とも称す。<内>さまざまな経書について考えを述べたもの。<活>『荻生徂徠全集』一(河出書房新社)、『荻生徂徠全集』一七(みすず書房)、『続日本儒林叢書』一、『日本儒林叢書』七。

言海 げんかい  四冊。<著>大槻文彦(一八四七―一九二八年)明治・大正期の国語学者。大槻文彦刊、明治二二―二四(一八八九―九一)年、一二四〇頁。<内>国語辞典。各語について発音・語別・語源・語釈・出典を完備した近代辞書。

見外白宇瑠璃 けんがいしろうるり  五巻五冊。<著>舎楽斎鈍草子(未詳)。 <別>『見外白得利』、 『見外白字流里』、 『見外白宇瑠理』。 <成><版>宝暦八(一七五八)年。 <内>滑稽本。見たいものなら何でも見える思見鏡という眼鏡を山神からもらった草庵の禅師が、蟻の世界や天狗の世界などを見るなどして、最後は夢から覚める話。<活>『滑稽文学全集』七。

原鬼 げんき  <内>唐の韓愈(七六八―八二四年、唐代中期の文章家・詩人。昌黎といわれる)作の文章の名。鬼の根原を論じた文章。唐代の人間論として注目される「五原」(原道・原性・原人・原鬼・原毀)という原と名づけられた韓愈の文章の一つ。その思想は宋学の先駆をなすとともに仏教者の反発を呼び起こすなど、後代に大きな影響を与えた。<活>『朱文公校昌黎先生集』一一、『唐宋八大家文読本』一。

原鬼論 げんきろん  原鬼 げんき

元元集 げんげんしゅう  八巻八冊。<著>北畠親房(一二九三―一三五四年)南北朝時代の公卿・南朝の思想的指導者。<成>延元二―三(一三三七―三八)年ころ。<版>承応二(一六五三)年。<内>日本の根元を明らかにするために、その材料を収集して編纂したもので、ほとんど全編が引用文であるが、親房の神道観も述べられている。<活>『元元集の研究』平田俊春、山一書房、昭和一九(一九四四)年、『日本古典全集』五期。

玄黄経 げんこうきょう  未詳。

元亨釈書 げんこうしゃくしょ  三〇巻・目録一巻。<著>虎関師練(一二七八―一三四六年)臨済宗の学僧。虎関は号、通称は海蔵和尚。<成>元亨二(一三二二)年。<版>貞治三(一三六四)年―永和三(一三七七)年、五山版として版行。<内>日本最初の漢文で書かれた高僧伝・仏教通史。伝(巻一―巻一九)、表(巻二〇―巻二六)、志(巻二七―巻三〇)から成り、伝では四一六名の仏教者の伝記、表では仏教史、志では仏教文化などが紀伝体で叙述されている。<活>『新訂増補 国史大系』三一、『大日本仏教全書』六二。

元史 げんし  二一〇巻。<著>宋濂(一三一〇―八一年)元末・明初の文学者・政治家。字は景濂。<内>奉勅撰。元一代の歴史を記したもの。本記四七巻・志五三巻・表六巻・列伝九七巻から成る。正史の一。

顕識経 けんじききょう  未詳。

源氏物語 げんじものがたり  五四巻。<著>紫式部(九七八―?年)平安中期の物語作者・歌人。<成>未詳。<内>光源氏の生涯を中心にした平安中期の長編物語。<複>『京都帝国大学文科大学叢書』五(平瀬本)、『古典影印叢書』(三条西家本)、『源氏物語』(尾州家河内本、昭和九年)。<活>』岩波文庫』、『源氏物語大成』校異篇、『日本古典全集』一期、『日本古典全書』、『日本古典文学大系』一四―一八、『日本文学全書』八―一二。

源氏物語抄 げんじものがたりしょう  二〇巻二〇冊。<著>紹巴(一五二五―一六〇二年)戦国・織豊時代の連歌師。里村北家の祖。<別>『源氏抄』、『源氏二十巻抄』、『源氏物語称名院抄』、『源流臨江抄』、『紹巴抄』、『源氏物語紹巴抄』、『水源紫明抄』。<成>永禄六(一五六三)年ころ。<版>寛永古活字版。<内>『源氏物語』の注釈書。

源氏物語紹巴抄 げんじものがたりじょうはしょう  源氏物語抄 げんじものがたりしょう

源氏物語新釈 げんじものがたりしんしゃく  五四巻五四冊。<著>賀茂真淵(一六九七―一七六九年)江戸中期の国学者・歌人。<別>『源語新釈』。<成>宝暦八(一七五八)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<活>『賀茂真淵全集』五、『増訂賀茂真淵全集』八―九。

源氏物語提要 げんじものがたりていよう  六巻六冊。<著>今川範政(一三六四―一四三三年)室町時代の武将。<成>永享四(一四三二)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<蔵>東京大学(六巻一二冊、写本)

賢首 げんじゅ 仏説賢首経 ぶっせつげんじゅきょう

儼塾集 げんじゅくしゅう  一〇巻一〇冊。<著>森尚謙(一六五三―一七二一年)江戸前・中期の儒学者。字は利渉、号は復庵・不染居士。<成>元禄一一(一六九八)年自序。<版>宝永三(一七〇六)年。<内>漢詩文。巻一から巻五までは論・書・記・賦・辞・雑書など、巻六から巻一〇までは詩および紀行など、最後に自伝を付している。儼塾は塾名「儼若思」の略称。<蔵>東洋大学附属図書館。

顕浄土真実教行証文類 けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい  六巻。<著>親鸞(一一七三―一二六二年)鎌倉前・中期の僧。浄土真宗の宗祖。<別>『教行信証』、『教行信証文類』、『教行証文類』、『浄土文類』、『広文類』、『広本』、『広書』、『本典』、『本書』。<成>元仁元(一二二四)年。<版>寛永一三(一六三六)年。<内>浄土真宗の教義を明らかにした根本聖典。真実教・真実行・真実信・真実証・真仏土・化身土の六部から成る。<複>『教行信証』(坂東本、本願寺真蹟本)。<活>『岩波文庫』、『愚禿親鸞全集』、『高僧名著全集』六、『真宗聖教全書』宗祖部、『真宗聖教大全』上、『真宗聖典全書』漢文之部、『親鸞聖人全集』上(文明堂)、下(新潮社)、『大正新脩大蔵経』八三(二六四六)、『仏教大系』、『有朋堂文庫』「親鸞聖人文集」、『教行信証』(明治一三年、一四年、四五年、大正九年、一〇年、一二年)

現世利益弁 げんぜりやくべん  三巻三冊。<著>粟津義圭(?―一七九九年)江戸中期の浄土真宗の僧。<成><版>安永五(一七〇八)年。<内>現世の利益について述べたもの。<蔵>東洋大学附属図書館。

玄中記 げんちゅうき  <著>未詳。<内>神怪物異のことを記している。<活>『玉函山房輯佚書』、『説郛』、『太平広記』。

源註拾遺 げんちゅうしゅうい  七巻・大意一巻八冊。<著>契沖(一六四〇―一七〇一年)江戸前期の国学者・真言宗の僧。<別>『源氏拾遺』、『源注拾遺』。<成>元禄九(一六九六)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<活>『契沖全集』六、『国文註釈全書』一五。

玄同放言 げんどうほうげん  一集二巻三冊・二集一巻三冊。<著>滝沢馬琴(一七六七―一八四八年)江戸後期の戯作者。名は解、字は瑣吉、馬琴は号、別号は曲亭。<成><版>一集文政元(一八一八)年、二集同三年。<内>考証随筆。天部・地部・柾動部・人事部・器用部・動物部・雑部の全八五条から成る。和漢・仏書など一九〇部の引用書をあげて、事物の異同・善悪・精粗を論証している。<活>『続帝国文庫』「名家漫筆集」、『昭和版帝国文庫』「名家漫筆集」、『日本随筆全集』八、『日本随筆大成』新版一期七(旧版一期三)、『百家説林』正編上。

謙徳公家集 けんとくこうかしゅう 一条摂政御集 いちじょうせっしょうぎょしゅう

原人論 げんにんろん  一巻。<著>宗密(七八〇―八四一年)唐代の華厳宗の僧。<別>『華厳原人論』。<成>九世紀前半。<内>斥迷執、斥偏浅、直顕真源、会通本末の四編から成り、仏教の立場から人間の本性を解明しようとするもの。<活>『大正新脩大蔵経』四五(一八八六)。<訳>『国訳一切経』諸宗部四。

源平盛衰記 げんぺいじょうすいき  四八巻。<著>未詳。<成>鎌倉時代後期以降。<版>慶長古活字版。<内>軍記物。平氏の台頭から源頼朝の勝利までを描いた物語。<活>『岩波文庫』、『校註国文叢書』七―八、『校註日本文学大系』一五―一六、『国民文庫』、『有朋堂文庫』。

源平盛衰記 げんぺいせいすいき 源平盛衰記 げんぺいじょうすいき

顕密威儀便覧 けんみついぎべんらん  二巻二冊。<著>亮快(一六六一―一七四六年)江戸中期の真義真言宗の僧。字は存心。<成>享保二〇(一七二五)年自序。<版>元文五(一七四〇)年。<内>仏教儀礼。<活>『大日本仏教全書』「服具叢書」一。

元明史略 げんみんしりゃく  四巻。<著>編・後藤芝山(一七二一―八二年)江戸中期の儒学者。名は世鈞、字は守中、別号は竹風・玉来山人。増補・山本清渓(一七五四―一八二三年)江戸中・後期の官人・国学者。名は正臣、字は欽若、清渓は号。<内>明の舒弘諤の『古今全史』の元明二代を基礎に、薛応旂の『宋元通鑑』、袁了凡の『綱鑑』、その他『十九史略』、『明史紀事』、『明季遺聞』、『名山蔵』などの書を参照して、元の曾先之の『十八史略』の続編にしようとしたもの。

幻妄論 げんもうろん  一冊。<著>J・サリ(Sully, J. 一八四二―一九二三年)イギリスの心理学者・美学者。<内>心理学。〔原書〕 Illusions.

見聞書記 けんもんしょき 雲楽見聞書記 うんらくけんもんしょき

顕幽順考論 けんゆうじゅんこうろん  五巻五冊。<著>六人部是香(一八〇六―六三年)江戸後期の国学者・神職。名は惟篤、是香は号、別号は葵舎・一翁など。<内>神道。巻一「太古大綱」「造化妙合」「君臣大義」「経世綱紀」「彝倫之叙」、巻二「幽政概略」、巻三「人身製造精神賦与」、巻四・巻五「神霊鎮定」から成る。<活>『国民道徳叢書』三、『神道叢書』三―七、『やまと叢誌』一四。

広異記 こういき  <著>戴孚(未詳)。<内>唐の伝奇集。<活>『重較説郛』、『竜威秘書』、『旧小説』(商務印書館)。<訳>『中国古典文学大系』「六朝唐宋小説選」、『東洋文庫』「唐宋伝奇集」。

江陰県志 こういんけんし  未詳。

広益俗説弁 こうえきぞくせつべん  序目一巻・正編二〇巻・後編五巻・遺編五巻・付編七巻・残編八巻四六冊。<著>井沢蟠竜(一六六八―一七三〇年)江戸中期の神道家。名は長秀、別号は蟠竜子・亨斎。<成>正編正徳五(一七一五)年序。<版>享保二(一七一七)年。後編同二年。遺編同二年序。付編同四年序。残編同一二(一七二七)年。<内>人事や自然に関する事柄について、しかるべき文献によって俗説を正そうとしたもの。また、一方では説話の宝庫でもある。<活>『続国民文庫』、『東洋文庫』五〇三。

広益秘事大全 こうえきひじたいぜん  三巻五冊。<著>三松館主人(未詳)。<別>『民家日用 公益秘事大全』。<成><版>嘉永四(一八五一)年。<内>書物の虫よけからはじまり白柿のたくわえ方まで、日常生活上のさまざまな事柄・事態への対処方法(秘事)、食物・出産・病気に関すること、植物の生育方法等々、数百項目にわたり記されている。<蔵>哲学堂文庫。

甲乙経 こうおつけい  八巻。<著>皇甫謐(二一五―二八二年)西晋の学者。字は士安、号は玄晏先生。<別>『鍼灸甲乙経』。<内>針灸の法を詳論したもの。『鍼経素問』、『明堂孔穴』、『針灸治要』の三書の精要を採ったものという。

孝感冥祥録 こうかんめいしょうろく  二巻二冊。<著>伝阿(未詳)。<成><版>享保一九(一七三四)年。<内>孝子の者が信心により地蔵尊の感応をこうむり、地獄極楽を感見した話。<蔵>哲学堂文庫。

光記 こうき 倶舎論記 くしゃろんき

孝経 こうきょう  一巻。<著>未詳。<成>未詳、前漢ころか。<内>十三経の一。孝について、孔子と曾子(曾参)との問答体で述べた書。家族の道徳的・宗教的基盤であった孝を君につかえることと結びつけ、社会の道徳とし、各階層における孝のあり方を明らかにしている。孝の観念についての集大成となっている。二二章から成る「古文孝経」と一八章から成る「今文孝経」の二系統がある。<活>『新釈漢文大系』三五。

講義録 こうぎろく 哲学館講義録 てつがくかんこうぎろく

広弘明集 こうぐみょうしゅう  三〇巻。<著>道宣(五九六―六六七年)唐初の僧。南山大師ともいう。<成>唐の麟徳元(六六四)年。<内>僧祐の『弘明集』のあとを継いだもので、仏教初伝から唐初にいたるまでの二九六編の資料を収録している。儒仏道の三教交渉史に関する重要な記録の集成となっている。<活>『大正新脩大蔵経』五二(二一〇三)。<訳>『国訳一切経』護教部一―三。

高麗図経 こうくりずけい  未詳。

工芸志料 こうげいしりょう  七巻一冊。<著>黒川真頼(一八二九―一九〇六年)幕末・明治期の国学者。<版>明治一〇(一八七七)年。明治二一(一八八八)年増訂、有隣堂、二六三頁。<内>織工から漆工まで七つの工芸についてその起源と沿革を述べたもの。<活>『黒川真頼全集』三。

江家次第 ごうけしだい  二一巻。<著>大江匡房(一〇四一―一一一一年)平安後期の公卿・学者。<別>『江次第』。<版>承応二(一六五三)年。<内>有職故実。平安末期の堀河天皇のころの行事・儀式・礼法などを詳述したもの。巻一六諸事行幸、巻二一凶事が早くから散逸している。<複>『日本古典全集』四期。<活>『増訂故実叢書』一七、『続々群書類従』。

皇国性質 こうこくせいしつ 太平楽皇国性質 たいへいらくみくにかたぎ

黄氏易伝 こうしえきでん  未詳。

孔子家語 こうしけご  一〇巻。<著>未詳。<内>孔子の言行、および門人との問対論議の語を集録したもの。ただし原本は亡逸し、魏の王粛が『左伝』など数十種の書籍から孔子に関する記事を集めて類別して偽作したもの(『王粛注家語』一〇巻)である。<活>『四部叢刊』、『百子全書』、『新釈漢文大系』五三。

後周書 こうしゅうしょ 周書 しゅうしょ

考証千典 こうしょうせんてん  一〇巻一〇冊。<著>村田了阿(一七七二―一八四三年)江戸後期の国学者。名は直温・高風、字は春山、号は如春・春枝堂など、了阿は法名。<内>事典。<蔵>国立国会図書館(写本)

盍簪録 こうしんろく  四巻。<著>伊藤東涯(一六七〇―一七三六年)江戸中期の儒学者。名は長胤、字は源蔵(元蔵)、別号は慥慥斎。<内>考証随筆。<活>『日本経済叢書』三三(抄)、『日本経済大典』五一(抄)

広西蒼梧志 こうせいそうごし  未詳。

広西通志 こうせいつうし  四〇巻。<著>呉興祚(未詳)。字は伯成、号は留邨(留村)/その他著。<成>清の康煕二二(一六八三)年。<内>林富の撰した『広西通志』六〇巻を再修して四〇巻としたもの。「図経」から「祥異」まで三五門に分かれている。

好生録 こうせいろく  四巻四冊。<著>王広宣(未詳)唐の人。/訳・洞水。<別>『訳和好生録』。<成>延宝七(一六七九)年。<内>生を養い殺を戒める要文を集めたもの。<蔵>哲学堂文庫。

砿石集 こうせきしゅう  六巻六冊。<著>蓮体(一六六三―一七二六年)江戸中期の真言宗の僧。号は無尽蔵・妙★(適の旧字)斎。<別>『真言砿石集』。 <成><版>元禄五(一六九二)年序、同六年。<内>仏教説話。地蔵菩薩女人の横死を救いたまうこと・仏、孝を説きたまうこと・大阪の女、現に地獄の相を見ること等、因果応報の談を記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

興禅護国論 こうぜんごこくろん  三巻一冊。<著>明庵栄西(一一四一―一二一五年)平安末・鎌倉前期の臨済宗の僧。日本臨済宗の開祖。明庵は道号、「えいさい」とも読む。<成>建久九(一一九八)年。<版>寛文六(一六六六)年。<内>戒律と禅の重要性を説き、新仏教としての禅宗の必要性を論じたもの。<活>『高僧名著全集』一八、『国民思想叢書』仏教篇上、『国訳禅宗叢書』二輯八、『昭和新纂国訳大蔵経』宗典部六、『世界大思想全集』五二、『大正新脩大蔵経』八〇(二五四三)、『日本精神文献叢書』一二、『日本哲学全書』一。<訳>『国訳一切経』諸宗部二三。

高地の野猟 こうちのやりょう  <著>セント・ジョン(未詳)。

行厨集 こうちゅうしゅう  未詳。

皇朝事苑 こうちょうじえん  四巻四冊。<著>梅荘顕常(一七一九―一八〇一年)江戸中期の臨済宗の僧。梅荘は道号、顕常は法諱、号は大典・蕉中・東湖など。<成><版>天明七(一七八七)年。<内>皇朝各方面の千古の跡を数百条に分類してまとめたもの。聖徳・神祇・仏法・典籍・書画音楽・衣食・草木・鳥獣・祥瑞などの項目から成る。<蔵>国立国会図書館。

黄帝陰符経 こうていいんぷきょう 陰符経 いんぷけい

黄帝素問 こうていそもん 黄帝内経素問 こうていないけいそもん

黄帝宅経 こうていたくきょう  一冊。<著>苗村元長(未詳)江戸後期の易占家。別名は三敲。東京、武田伝右衛門刊、刊年不明、一四丁。<内>占卜。

黄帝内経素問 こうていないけいそもん  二四巻。<著>未詳。<別>『素問』、『黄帝素問』。<内>現存する中国最古の医学書。医学五経の一。黄帝とその臣の名医岐伯との問答を中心に議論が展開され、病理・診断・治療・養生などが説かれている。

黄帝内経霊枢 こうていないけいれいすう  <著>未詳。<内>現存する中国最古の医学書。特に鍼灸の理論に詳しい。

黄帝内伝 こうていないでん  未詳。

広博物志 こうはくぶつし  五〇巻。<著>董斯張(未詳)明の人。<内>唐宋の古書を引いたもの。二二門、一六七子目。

洪範 こうはん  <著>(未詳)。<内>『書経』の周書の編名。禹より伝えたところの天地の大法を箕子(殷の紂王の一族)が武王に述べたものという。

康富記 こうふき  未詳。

神戸又新日報 こうべゆうしんにっぽう  日刊。神戸、五州社のち神戸又新日報社。明治一七(一八八四)年四月一七日創刊―昭和一四(一九三九)年六月三〇日廃刊。<内>時事。

弘法大師一代記 こうぼうだいしいちだいき  未詳。山口小五郎編(明治一四年)、高峰虎次郎編(明治一九年)などがある。

光明疏 こうみょうしょ  未詳。

広大和本草 こうやまとほんぞう 広倭本草 こうやまとほんぞう

広倭本草 こうやまとほんぞう  一〇巻・別録二巻一二冊。<著>直海竜(未詳)。<別>『広大和本草』。<成>宝暦五(一七五五)年序。<版>宝暦九(一七五九)年。<内>本草。<蔵>哲学堂文庫。

古易察病伝 こえきさつびょうでん  一冊。<著>新井白蛾(一七一五―九二年)江戸中期の儒学者・易断家。名は祐登、字は謙吉、別号は古易館。<成><版>寛政一〇(一七九八)年。<内>占卜。卜筮により病因・病症・治法などを占断する法を説いたもの。<活>『古易察病伝』便道校、小林吉五郎刊、明治一五(一八八二)年、和五〇丁。

古易八卦考 こえきはっけこう  二巻一冊。<著>編・大矢滝蔵(未詳)。大矢滝蔵刊、明治二四(一八九一)年、和三〇・二六丁。<内>占卜。

呉越備史 ごえつびし  四巻・補遺一巻。<著>銭儼(未詳)宋の人。<内>銭氏の旧事を記したもの。補遺の著者は未詳。

吾園随筆 ごえんずいひつ  三巻三冊。<著>細川潤次郎(一八三四―一九二三年)明治・大正期の法制学者。名は元、号は十洲。東京、細川潤次郎刊、明治一九(一八八六)―四一(一九〇八)年、和三冊(正・続・後編合本)

五岳真形図伝 ごがくしんけいずでん  一冊。<著>大江文坡(?―一七九〇年)江戸中期の読本作者・神道家。名は匡弼、号は菊丘臥山人・臥仙子など、文坡は字。<別>『道蔵経五岳真形図伝』。<成><版>安永四(一七七五)年。<内>「五岳真形図」(道士が山に入る際にもつ護符)の効用と祭式を説いたもの。<蔵>哲学堂文庫。

後漢郡国志 ごかんぐんこくし  <内>『後漢書』の八志の一。 後漢書。

後漢郊祀志 ごかんこうしし  未詳。

後漢書 ごかんじょ  一二〇巻。<著>范曄(三九八―四四六年)南朝宋の政治家・学者。字は蔚宗。志三〇巻は晋の司馬彪(?―三〇六年)西晋の王族・学者。字は紹統。<内>二五史の一。後漢一代の歴史を記したもの。本紀一二巻、列伝八八巻、志三〇巻(律暦・礼義・祭祀・天文・五行・郡国・百官・輿服の八志)。

五経異義 ごきょういぎ  未詳。

五行志 ごぎょうし  <内>史書の志類の一。『漢書』にはじまり、『後漢書』、『晋書』、『南斉書』、『隋書』、『旧唐書』、『新唐書』、『旧五代史』、『宋書』、『金史』、『元史』、『明史』などにある。 漢書。

五行大義 ごぎょうたいぎ  五巻。<著>蕭吉(未詳)隋代の学者。字は文休。<内>五行説の集大成で、先秦より隋にいたる経緯の書や史書などから五行に関する説を収集して、それを整理・分類し、二四段四〇節に構成したもの。中国では逸し、日本に伝わり、寛政一一(一七九九)年に林述斎により『佚存叢書』第一輯に収められた。<活>『常州先哲遺書』、『叢書集成初編』、『知不足斎叢書』。

古今和歌集 こきんわかしゅう  二〇巻。<著>紀友則(未詳)平安前・中期の官人・歌人/紀貫之(八七〇?―九四五/九四六年)平安中期の官人・歌人/凡河内躬恒(未詳)平安中期の歌人/壬生忠岑(未詳)平安中期の歌人。<別>『古今集』。<成>延喜一三―一四(九一三―四)年ころ。<版>万治三(一六六〇)年。<内>勅撰集。『万葉集』以後、当時までの歌を集めたもの。作者の数は一二二人(内、僧一〇人、女二六人)。読人知らずの歌四三一首がある。歌の数は約一一〇〇首。<複>『かな名蹟全集』、『貴重図書影本刊行会』、『貴重図書複製刊行会』、『古文学秘籍叢刊』、『尊敬閣叢刊』。<活>『校註国歌大系』三、『国歌大観』、『日本歌学全書』、『日本古典全集』二期、『日本古典文学大系』、『八代集抄』上、『有朋堂文庫』。

国語 こくご  二一巻。<著>左丘明(未詳)春秋末期魯の儒者。<別>『春秋外伝』、『盲史』。<成>戦国時代初めころ。<内>国語三巻・魯語二巻・斉語一巻・晋語九巻・鄭語一巻・楚語二巻・呉語一巻・越語二巻から成り、西周・春秋時代(前九六七―前四五三年)の八国の事跡を国別に記した歴史書。<活>『新釈漢文大系』六六―六七。

国史補 こくしほ  三巻。<著>李肇(未詳)唐の人。<内>開元(七一三―七四一年)ころの雑事を記したもの。

国字蒙求 こくじもうぎゅう  一二巻四冊。<著>伊藤玄節(?―一六八二年)江戸前期の儒学者。名は先勝、別号は有隣・有隣斎。<別>『新選国字蒙求』。<版>安永四(一七七五)年。<内>事典。<蔵>哲学堂文庫。

国史略 こくしりゃく  五巻五冊。<著>巌垣松苗(一七七四―一八四九年)江戸後期の儒学者。号は東園・謙亭。<成><版>文政九(一八二六)年。<内>神代から後陽成天皇にいたる国史を十八史略にならって記したもの。<活>『増補点註国史略』巌垣杉苗注、甘泉堂刊、明治一〇(一八七七)年、和五冊。

国朝佳節録 こくちょうかせつろく  一冊。<著>松下見林(未詳)。<成><版>貞享五(一六八八)年。<内>年中行事。<蔵>国立国会図書館。

国定小学修身書 こくていしょうがくしゅうしんしょ 尋常小学修身書 じんじょうしょうがくしゅうしんしょ

国民新聞 こくみんしんぶん  日刊。東京、国民新聞社。明治二三(一八九〇)年二月一日創刊。昭和一七(一九四二)年一〇月一日、戦時統合により『都新聞』と合併して『東京新聞』と改題した。<内>時事。おもな関係者―徳富蘇峰。

極楽物語 ごくらくものがたり  三巻三冊。<著>源信(九四二―一〇一七年)平安中期の天台宗の僧。通称は恵心僧都。<成><版>寛文八(一六六八)年。<内>極楽に往生すれば聖宿来迎楽から増進仏道楽まで、十楽のあることを記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

穀梁伝 こくりょうでん  一二巻。<著>穀梁赤(未詳)戦国時代の学者。名は魯・喜・淑、字は元始、一名は赤に作る。<別>『春秋穀梁伝』。<内>『春秋』の注釈書の一つ。魯の隠公の元(前七二二)年から哀公の一四(前四八一)年までを記している。

湖月抄 こげつしょう  六〇巻六〇冊。<著>北村季吟(一六二四―一七〇五年)江戸前期の国学者・俳人・歌人。別号は芦庵・拾穂軒・湖月亭など。<別>『源氏物語湖月抄』。<成>延宝元(一六七三)年。<版>延宝三(一六七五)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<活>『校正補註国文全書』正編一―八、『源氏物語湖月抄』(相磯貞三)、『湖月抄』(昭和三年)、『増註源氏物語湖月抄』(昭和三―四年)、『訂正増註源氏物語湖月抄』(明治二三―二四年)

五憲法 ごけんぽう 聖徳太子五憲法 しょうとくたいしごけんぽう

晤語 ごご  二巻二冊。<著>名島政方(?―一八三二年)江戸後期の医者・国学者。本姓は度会、政方は名、号は桃源・双樹園。<別>『名島随筆』。 <成>文政九(一八二六)年。 <内>国学に関する考証を集めた随筆。上巻に五十連音・ん文字・いろは・道祖神・地獄の沙汰も金次第など、下巻に長瀬神社・秋茄子嫁に不食・天狗・赤染衛門・百人一首・忌日などの雑説三四項を集録している。改題本に『双樹落葉』がある。<活>『日本随筆大成』新版二期二四(旧版二期一一)

古語拾遺 こごしゅうい  一冊。<著>斎部広成(未詳)平安前期の官人。<成>大同二(八〇七)年。<版>文化四(一八〇七)年。<内>歴史書。天地開闢のはじめから天平年間にいたるまでを、斎部(忌部)氏の伝承を中心にして記したもの。一一条にわたり祭祀の本源を述べ、朝廷の祭祀職をめぐる斎部氏の役割を主張している。記紀に記されていない斎部氏独目の伝承を伝えていて、古代史研究上貴重とされる。<複>『尊経閣叢刊』一、『天理図書館善本叢書』。 <活>『岩波文庫』、『群書類従』雑、『国民思想叢書』国体篇上、『新釈日本文学叢書』二輯一、『新註皇学叢書』一、『日本国粋全書』七、『日本思想叢書』二、『日本精神文献叢書』三、『日本文学類従』上代文学集、『嘉禄本古語拾遺』(昭和三年)、『古語拾遺』(明治三年)

古今医統 ここんいとう  一〇〇巻。<著>編・徐春甫(未詳)明の人。<成>一五五六年。<内>明以前の医書や医薬の資料を分類・整理したもの。

古今奇談 ここんきだん  五巻五冊。<著>頭光(一七五四―九六年)江戸中期の狂歌作者。姓は岸氏、名は識之、別号は桑楊庵・巴人亭・文笑。<別>『皇国小説 今古奇談』。<内>読本。<蔵>哲学堂文庫(煙波山人著『今古奇談』文化二年)

古今考 ここんこう  『古今妖魅考』のことか。 古今妖魅考。

古今事類全書 ここんじるいぜんしょ  未詳。

古今神学類聚抄 ここんしんがくるいじゅうしょう 古今神学類編 ここんしんがくるいへん

古今神学類編 ここんしんがくるいへん  一〇〇巻・目録二巻。<著>真野時綱(一六四八―一七一七年)江戸中期の神職・神道家。号は蔵六翁・松陰亭など。<別>『古今神学類聚抄』、『神学類聚鈔』。<成>元禄一一(一六九八)年自序。<版>正徳五(一七一五)年、<内>神道に関する故実や関連する事項を、儒仏の書から渉猟して編纂した神道の百科全書。<活>『神道大系』首編二―四、『津島叢書』。

五魂説 ごこんせつ  一冊。<著>亀田鴬谷(一八〇七―八一年)江戸後期・明治前期の儒学者。名は長保、字は申之、鴬谷は号、学孔堂とも号す。編・亀田英。東京、亀田英刊、明治一四(一八八一)年、和三二丁。<内>荒・和・幸・土・術の五魂説、五産霊神社図説・五魂分位図説・論幽顕死生・論万物各有天地などについて口述したものを仮名文に編集したもの。

古今雑談思出草紙 ここんぞうだんおもいでそうし 思出草紙 おもいでそうし

古今雑談集 ここんぞうだんしゅう  二巻二冊。<著>滑通(未詳)。<成><版>文政一三(一八三〇)年。<内>随筆。<蔵>哲学堂文庫。

古今談概 ここんだんがい  <著>馮夢竜(一五七四―一六四六年)明末の文学者。字は猶竜・子猶など。<別>『古今笑』。<内>古今の奇談を集めたもの。<活>北京文学古籍刊行社影印本(一九五五年)

古今著聞集 ここんちょもんじゅう  二〇巻二〇冊。<著>橘成季(未詳)鎌倉中期の官人・説話集編者。<成>建長六(一二五四)年跋。<版>元禄三(一六九〇)年。<内>説話。全巻を三〇編に分け、第一編「神祇」から第三〇編「魚虫禽獣」まで、主として日本の説話を諸書から収録している。第二六編は怪異、第二七編は変化。<活>『岩波文庫』、『改定 史籍集覧』九、『校註国文叢書』一七、『校註日本文学大系』一〇、『国文大観』六、『新訂増補 国史大系』、『日本古典全集』三期、『日本文学全集』二一、『日本古典文学大系』八四、『有朋堂文庫』。

古今八卦拾穂抄 ここんはっけしゅうすいしょう  一冊。<著>玄貞(未詳)。<別>『八卦拾穂鈔』。<成><版>享保一六(一七三一)年。<内>占卜。

古今百物語 ここんひゃくものがたり  五巻五冊。<著>未詳。<版>延宝四(一六七六)年。 <内>巻一「孝心感鬼神」から「天祈毒蛇亡」まで六話、巻二「遊魂の契」から「医師神感」まで六話、巻三「因果之明鏡」から「蛇形之曼陀羅」まで四話、巻四「魚腹の鏡」から「夢中之闘狠」まで四話、巻五「因武功止犠」から「花情之吟語」まで四話の計二四話から成る。絵入り怪異集。<活>『古典文庫』六二七「怪談百物語」。

古今百物語評判 ここんひゃくものがたりひょうばん  五巻五冊。<著>山岡元隣(一六三一―七二年)江戸前期の俳人・仮名草子作者。本名は山岡新三郎、字は徳甫、別号は玄水・而慍斎・抱甕斎・洛陽山人。<別>『百物語評判』。 <成><版>貞享三(一六八六)年。 <内>かまいたち・轆轤首・犬神・狐・狸・幽霊・天狗・銭神・河太郎・鬼門・雪女・舟幽霊・竜宮城など、全四二話から成る。古今の有名な怪異譚を示し、その批評を通じて妄を正したもの。<活>『近代日本文学大系』「怪異小説集」、 『徳川文芸類聚』四。

古今妖魅考 ここんようみこう  七巻七冊。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<成><版>巻一―巻三文政一一(一八二八)年。<内>古今の記録や物語などによって、日本に伝わる妖怪について説明したもの。仏教の妖魔性を批判して神道に帰することを主張している。<活>『医聖堂叢書』、『新修平田篤胤全集』九(名著出版)、『日本思想闘諍史料』九、『平田篤胤全集』三(平田学会)、『平田篤胤全集』八(内外書籍)

古今要覧 ここんようらん 古今要覧稿 ここんようらんこう

古今要覧稿 ここんようらんこう  五二〇巻。<著>屋代弘賢(一七五八―一八四一年)江戸後期の国学者。名は詮賢・弘賢、号は輪池。<別>『古今要覧』。<成>文政四―天保一三(一八二一―四二)年。<内>類書。<活>『我自刊我書』(暦占・姓氏・地理・神祇・時令・器財・歳時部)、『存採叢書』(草木・菜疏・器財部)、『古今要覧稿』(甫喜山景雄刊、明治一四―一六年。図書刊行会、明治三八―四〇年)

古今類書纂要 ここんるいしょさんよう  未詳。

古今霊獣譚奇 ここんれいじゅうだんき  六巻六冊。<著>作・画、暁鐘成(一七九三―一八六〇年)江戸後期の読本作者・絵師。本名は木村明啓、別号は鶏鳴舎・漫戯堂・暁晴翁など。<別>『和漢今昔犬農草紙』。 <成><版>天保一〇(一八三九)年。 <内>和漢古今に見聞した犬の故事六一項を集めたもの。「田犬毒蛇を齩で主を助く」「白犬人に生る」「寺院の犬経を読む」「闘犬の禁め」「太宗の犬崩御を悲む」など。絵入り。<活>『絵入文庫』二三「犬の草紙」。

五雑俎 ござつそ  一六巻。<著>謝肇淛(未詳)字は在杭、号は小革斎。<成>一七世紀初めころ。<内>天・地・人・物・事の五類に分けて、さまざまな事物や現象について述べたもの。明代を知る有益な資料とされている。正式には「五雑組」と表記する。<活>『和刻本漢籍随筆集』一。<訳>『東洋文庫』。

古事記 こじき  三巻三冊。<著>太安万侶(?―七二三年)奈良時代の官人。<成>和銅五(七一二)年。 <版>寛永二一(一六四四)年。 <内>音訓併用の和式漢文体で書かれた物語・歴史書。神代から推古天皇まで、天地のはじめから神々の伝承や天皇の年代記を記している。<複>『校本古事記』(昭和四〇年)、『国宝真福寺本古事記』(昭和五三年)、 『貴重図書複製会叢書』、『古事記』(昭和二〇年)、 『古典資料類従』三六、『古典保存会複製書』第一・三・五・六期。 <活>『岩波文庫』、『角川文庫』、『新訂増補 国史大系』、『日本古典全書』、『神道大系』古典編一、 『日本古典文学大系』一、『日本思想大系』一、『古事記』(昭和四八年)

古事記伝 こじきでん  四四巻四四冊。<著>本居宣長(一七三〇―一八〇一年)江戸中・後期の国学者。号は芝蘭・春(蕣)庵、屋号は鈴屋。<別>『記伝』。<成>寛政一〇(一七九八)年。<版>寛政二―文政五(一七九〇―一八二二)年。<内>『古事記』の注釈書。その文献学的・実証主義的研究において、国学の基礎を確立した。<複>『古事記伝』(鈴屋遺跡保存会、昭和一八―一九年)。<活>『岩波文庫』、『本居宣長全集』一―三、『増補本居宣長全集』一―四、『校訂 古事記伝』(明治三五年)

>古始太元図説 こしたいげんずせつ  一冊。<著>鈴木重胤(一八一二―六三年)幕末の国学者。重胤は諱、号は橿廼舎など。<内>太元・太極などの天体における考説を図をもって述べたもの。<活>『鈴木重胤全集』一三。

古事談 こじだん  六巻。<著>源顕兼(一一六〇―一二一五年)鎌倉前期の公卿。<成>鎌倉初期。<内>説話。第一「王道・后宮」、第二「臣節」、第三「僧行」、第四「勇士」、第五「神社・仏寺」、「第六「亭宅・諸道」の六編目から成り、皇室・貴族・僧侶・武士の生活や信仰などを伝える。全四六二話から成る。<活>『改定 史籍集覧』一〇、『国史叢書』、『新訂増補 国史大系』、『丹鶴叢書』八。

古史伝 こしでん  三七巻。<著>平田篤胤(一七七五―一八四三年)江戸後期の国学者。<成>文政八(一八二五)年。<版>巻一―巻二七は安政―元治(一八五四―六四)年間、巻二九―巻三一は明治一四―二〇(一八八一―八七)年。<内>自著『古史成文』を註解・詳釈して古道の真意を説いたもの。<活>『平田篤胤全集』七―一〇(平田学会)、『平田篤胤全集』一―四(内外書籍)

故事文選 こじもんぜん 和漢故事文選 わかんこじもんぜん

後拾遺和歌集 ごしゅういわかしゅう  二〇巻一冊または二冊。<著>藤原通俊(一〇四七―九九年)平安中・後期の公卿・歌人。<別>『後拾遺集』、『後拾遺和歌抄』。<成>応徳三(一〇八六)年。<版>安政五(一八五八)年。<内>勅撰和歌集。天暦一〇(九五六)年から当時にいたる、およそ一三一年間の『拾遺和歌集』にもれた歌を集めたもの。歌の数は一二二〇首。<活>『岩波文庫』、『校註国歌大系』三、『国歌大観』、『二十一代集』二、『日本歌学全集』四、『日本古典全集』三期、『八代集抄』上、『八代集全註』一、『有朋堂文庫』。

五趣生死輪弁義 ごしゅしょうじりんべんぎ  未詳。

五帖御文 ごじょうおふみ 蓮如上人御文 れんにょしょうにんおふみ

五帖示珠指 ごじょうじしゅし 御文五帖一部示珠指 おふみごじょういちぶじしゅし

五色線 ごしょくせん  二巻。<著>未詳。<内>宋代の類書。<活>『津逮秘書』九、『続百川学海』。

後撰和歌集 ごせんわかしゅう  二〇巻一冊または二冊。<著>大中臣能宣(九二一―九九一年)平安中期の神祇官人・歌人/清原元輔(九〇八―九九〇年)平安中期の官人・歌人/源順(九一一―九八三年)平安中期の官人・学者・歌人/紀時文(未詳)平安中期の歌人/坂上望城(?―九八〇年)平安中期の官人・歌人。<別>『後撰集』。<成>天暦五(九五一)年。<版>寛政一〇(一七九八)年。<内>勅撰和歌集。歌の数約一四〇〇首。<複>『古典保存会』四期、『尊経閣叢刊』、『定家筆高松宮本後撰集』(『定家筆三代集』の内)、『伏見天皇宸翰後撰集』(昭和五年)、『伝定頼筆烏丸切後撰集』。<活>『岩波文庫』、『校註国歌大系』三、『国歌大観』、『古典文庫』、『二十一代集』一、『日本歌学全書』二、『日本古典全集』二期、『八代集抄』上、『八代集全註』一、『有朋堂文庫』、『後撰和歌集』(明治四二年)、『後撰和歌集』校本と研究(昭和三六年)

五代史 ごだいし  一五〇巻・目録二巻。<著>薜居正(九一二―九八一年)北宋初期の政治家。字は子平。<別>『旧五代史』<内>正史の一。紀は六一巻、志は一二巻、伝は七七巻。『累朝実録』、『五代通録』を稿本としている。

五朝小説 ごちょうしょうせつ  <内>魏晋唐宋明の小説を収めている。『五朝紀事』ともいう。

国会 こっかい  日刊。東京、国会新聞社。明治二三(一八九〇)年一一月二五日、『東京公論』と『大同新聞』が合併し創刊された。明治二八(一八九五)年一二月一五日廃刊。<内>論説・文芸。村山竜平、末広鉄腸、幸田露伴らが関係し、文芸新聞として他紙を圧倒した。

谷響集 こっきょうしゅう 寂照堂谷響集 じゃくしょうどうこっきょうしゅう

谷響続集 こっきょうぞくしゅう 寂照堂谷響集 じゃくしょうどうこっきょうしゅう

滑稽雑談 こっけいぞうだん  二四冊。<著>四時堂其諺(?―一六三六年)。<成>正徳三(一七一三)年序。<内>事実を一二カ月に配して、毎月の時令、人事、動植物の名称や故事などを考証したもの。<活>『滑稽雑談』(国書刊行会)

滑稽太平記 こっけいたいへいき  三冊。<著>北藤浮生(未詳)。<成>延宝―天和(一六七三―八四)年ころ。<内>俳諧道の滑稽逸話を集めたもの。全六五話から成る。<活>『俳諧叢書』「俳人逸話紀行集」、『俳諧文庫』「俳諧逸話全集」。

諺草 ことわざぐさ  七巻。<著>編・貝原好古(一六六四―一七〇〇年)江戸前期の儒学者。号は耻軒。好古は名で「よしひさ」とも読む。<成>元禄一二(一六九九)年。<版>元禄一四(一七〇一)年。<内>和漢の書や仏書などから諺・俗語を拾い、いろは順に配して見解を述べたもの。<活>『益軒全集』三。

狐媚記 こびき  <著>大江匡房(一〇四一―一一一一年)平安後期の公卿・学者。<別>『康和三年狐媚記』。<成>未詳。<内>狐にだまされた話。漢文で書かれた短文。<活>『群書類従』文筆。

護法資治論 ごほうしじろん  正編五巻・補遺二巻・付録三巻一〇冊。

<著>森尚謙(一六五三―一七二一年)江戸前・中期の儒学者。字は利渉、号は復庵・不染居士。<成><版>宝永四(一七〇七)年。<内>治国のために儒仏合一を説いたもの。また、須弥山説擁護のために「天地正体円相図」を考案し、合理的説明につとめた。<活>『日本思想闘諍史料』二、『破邪叢書』一。

護法新論 ごほうしんろん  三巻三冊。<著>安慧(一八一九―一九〇一年)江戸後期・明治期の真宗の僧。号は勝国道人。<成><版>慶応三(一八六七)年。<内>護法。<活>『破邪叢書』一(抄)

護法漫筆 ごほうまんぴつ  一冊。<著>松平冠山(一七六七―一八三三年)江戸後期の大名・地理学者。名は定常、字は君倫・冠山道人、姓は池田ともいう。<成><版>文政一〇(一八二七)年。<内>随筆。儒者の仏教に関する言説を挙げて批評し、儒仏の相反するものでないことを示そうとしたもの。<活>『日本思想闘諍史料』二、『護法漫筆』(明治一〇年)

崐玉撮要集 こんぎょくさつようしゅう  二巻二冊。<著>日重(一五四九―一六二三年)安土桃山・江戸前期の日蓮宗の僧。<成><版>正徳六(一七一六)年。<活>『崐玉撮要集』(平仮名付き、明治一三―一四年。改定増補、明治一六年)

金剛経 こんごうきょう 金剛般若波羅蜜経 こんごうはんにゃはらみつきょう

金剛般若波羅蜜経 こんごうはんにゃはらみつきょう  一巻。<訳>鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧・大訳経家。<別>『金剛経』、『金剛般若経』、『舎衛国本』。<内>一切存在の空と無我を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』八(二三五)

金剛宝戒章 こんごうほうかいしょう  三巻三冊。<著>源空(一一三三―一二一二年)平安後期・鎌倉前期の僧。浄土宗の開祖。号は法然房、通称は黒谷上人、諡号は円光大師など。<版>寛永一一(一六三四)年。<内>金剛宝戒訓授章(上巻)、金剛宝戒釈義章(中巻)、金剛宝戒秘決章(下巻)から成り、訓授章は授戒の次第を述べ、釈義章は金剛宝戒(『梵網経』に説く大乗戒)を注解し、秘決章は法然と門弟との問答三〇余条を記している。著者は法然(源空)ではないという。<活>『続浄土宗全書』一五。

金光明経 こんこうみょうきょう  四巻。<訳>曇無䜟(ダルマラクシャ、三八五―四三三年)中国南北朝時代の訳経僧。<内>序品第一から嘱累品第一九までの一九品から成り、鎮護国家、滅罪禳災の経典として信仰された。この経にもとづき、国分寺・四天王寺の建立、最勝会・放生会などが催された。<活>『大正新脩大蔵経』一六(六六三) 金光明最勝王経。

金光明最勝王経 こんこうみょうさいしょうおうきょう  一〇巻。<訳>義浄(六三五―七一三年)唐代の僧。<別>『最勝王経』、『金光明最勝帝王経』。<内>『金光明経』の異訳。金光明懺法の功徳を説くとともに、四天王による鎮護国家と現世利益信仰を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』一六(六六五) 金光明経。

艮斎文略 ごんさいぶんりゃく  正編三巻・続編三巻・詩略一巻七冊。<著>安積艮斎(一七九一―一八六〇年)江戸後期の儒学者。名は重信、字は思順、別号は見山楼。<成><版>正編天保二(一八三一)年、続編・詩略嘉永六(一八五三)年。<内>漢詩文。<蔵>国立国会図書館。

今昔拾遺物語 こんじゃくしゅういものがたり 近世拾遺物語 きんせいしゅういものがたり

今昔物語 こんじゃくものがたり 今昔物語集 こんじゃくものがたりしゅう

今昔物語集 こんじゃくものがたりしゅう  三一巻。<著>未詳。<別>『旧本今昔物語』、『宇治拾遺物語』、『宇治大納言物語』、『今昔物語』。<内>天竺・震旦・本朝の三部に分けて、一二〇〇余の説話を収めた仏教説話集。<活>『岩波文庫』、『改定 史籍集覧』九、『角川文庫』、『校註国文叢書』一六―一七、『校註日本文学大系』八―九、『新訂増補 国史大系』、『大日本文庫』、『丹鶴叢書』二―三、『日本古典全集』四期、『日本古典全書』、『日本古典文学大系』二二―二六。

今昔夜話 こんじゃくやわ  五巻五冊。<著>渡辺源豊(未詳)。 <成><版>安政六(一八五九)年序。<内>奇談集。巻一「猫の怨念」など一三話、巻二「夢に死期を知る」など一三話、巻三「貧福の相入りかわる」など八話、巻四「狐人につきてふることを語る」など一四話、巻五「御蔭まいり」など一三話の計六一話から成る。<蔵>哲学堂文庫(写本)

昆陽漫録 こんようまんろく  六巻・続一巻・補一巻八冊。<著>青木昆陽(一六九八―一七六九年)江戸中期の儒学者・蘭学者。名は敦書、字は厚甫、昆陽は号。<別>『昆陽漫筆』。<成>宝暦一三(一七六三)年、続・明和三(一七六六)年、補・同五年。<内>随筆。和漢の書や朝鮮および蘭書から抄録して、見聞を記したもの。<活>『大日本思想全集』一一、『日本随筆大成』新版一期二〇(旧版一期一〇)、『百家説林』正編上・下。

斎諧俗談 さいかいぞくだん  五巻五冊。<著>大朏東華(未詳)。 <成><版>宝暦八(一七五八)年。<内>随筆。和漢の奇談・怪異談を集めたもの。天象・神変の不思議、高僧の奇跡、双頭などの異相人の話、各地の伝説、石や木や動物に関する奇談など、全二〇五条から成る。<活>『日本随筆大成』新版一期一九(旧版一期一〇)

西国四国中国虫附損亡風聞集 さいごくしこくちゅうごくむしつきそんぼうふうぶんしゅう  一冊。<著>未詳。<成>享保一七(一七三二)年。<別>『虫附風聞集』。<内>いなごの害など飢饉に関する覚書。<蔵>哲学堂文庫(写本)

西国事物起原 さいごくじぶつきげん  四巻四冊。<著>西村茂樹(一八二八―一九〇二年)明治時代の啓蒙的官僚学者。号は泊翁。東京、西村茂樹刊、明治一二(一八七九)年。<内>「蒸気機器」「軽気球」など西洋の事物の起源を洋書の援引で編集したもの。巻一第一「天時」から巻四第三八「製煉」まで三八類に分けている。

歳時記 さいじき 荊楚歳時記 けいそさいじき

最勝王経 さいしょうおうきょう 金光明最勝王経 こんこうみょうさいしょうおうきょう

再生記文 さいせいきぶん 勝五郎再生記聞 かつごろうさいせいきぶん

再生記聞 さいせいきぶん 勝五郎再生記聞 かつごろうさいせいきぶん

罪人相貌学 ざいにんそうぼうがく 罪人相貌学及裁判医学一斑 ざいにんそうぼうがくおよびさいばんいがくいっぱん

罪人相貌学及裁判医学一斑 ざいにんそうぼうがくおよびさいばんいがくいっぱん  一冊。<著>田中達三郎(未詳)。東京、田中達三郎刊、明治二三(一八九〇)年、六四頁。

西北域記 さいほくいきき  未詳。

犀浦沙弥訓 さいほしゃみくん  四巻四冊。<著>日尚(?―一七七八年)江戸中期の日蓮宗の僧。号は凌雲院。<版>明和三(一七六六)年。<内>仏道修行者のために、沙弥としての心得、三宝に対する供養、仏事法要の心得、寺院での日常生活・行事、法号授与、葬儀などについて、漢文体で述べたもの。<訳>『道風軌範』(昭和六年、増補版昭和五五年、国土安穏寺編)

西遊記 さいゆうき  二編一〇巻一〇冊。<著>橘南谿(一七五三―一八〇五年)江戸中・後期の医者。名は春暉、字は恵風、別号は梅華仙史・梅仙。<別>『諸国奇談 西遊記』。<成><版>前編寛成七(一七九五)年、後編同一〇年。<内>医学修行のための旅中、山陽・九州・四国・南紀行において見聞した奇談・奇事・名勝・旧跡・奇人・篤行などを記したもの。<活>『改造文庫』、『袖珍名著文庫』、『続帝国文庫』「紀行文集」、『日本庶民生活史料集成』二〇、『文芸叢書』一一、『有朋堂文庫』「東西遊記・北窓瑣談」、『東西遊記』(明治三六年)

細流抄 さいりゅうしょう  二〇冊。<著>三条西公条(一四八七―一五六三年)戦国時代の公卿・学者。<別>『公条公聞書』、『源氏細流』、『源氏物語聞書』、『源氏物語抄』、『源氏物語註』、『源氏物語細流抄』、『三条西家抄』、『三抄』、『帥源氏聞書』、『秘抄』。<成>一次本大永八(一五二八)年、二次本天文三(一五三四)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<活>『国文註釈全書』五。

阪谷朗廬遺稿 さかたにろうろいこう  <著>阪谷朗廬(一八二二―八一年)幕末・明治の儒学者・漢詩人。名は素、字は子絢、朗廬は号。<内>遺稿集。

索隠 さくいん 史記索隠 しきさくいん

索隠正義 さくいんせいぎ  未詳。

瑣語 さご  二巻二冊。<著>五井蘭洲(一六九七―一七六二年)江戸中期の儒学者。名は純禎、字は子祥、別号は梅塢・冽庵。<成><版>明和四(一七六七)年。<内>漢詩文。和漢の故事について考証したもの。<活>『日本儒林叢書』一。

瑣砕録 ささいろく  <著>人見蕉雨(?―一八〇四年)江戸後期の秋田藩士。<成>寛政一〇(一七九八)年。<内>見聞記。秋田藩内での見聞のほかに、詩文・読書記録などを記したもの。<活>『人見蕉雨集』四(秋田魁新報社、昭和四三年)

雑雑拾遺 ざつざつしゅうい  六巻六冊。<著>藤原行定(未詳)。<別>『新古事鏡』。<成>元和三(一六一七)年跋。<版>元禄八(一六九五)年。<蔵>国立国会図書館。

雑志 ざっし  『嘉祐雑志』のこと。<著>江休復(一〇〇五―六〇年)宋の人。字は隣幾。<内>逸事雑説を集めたもの。

撮壌集 さつじょうしゅう  三巻三冊。<著>飯尾為種(?―一四五八年)室町時代の歌人。出家後,永祥・肥前入道と称す。<成>享徳三(一四五四)年。<内>意義分類体の辞書。<活>『続群書類従』三〇輯下、『増補語林 倭訓栞』付録(明治三一年)

雑説嚢話 ざっせつのうわ  二巻三冊。<著>林自見(一六九六―一七八七年)江戸中期の国学者。名は正森、号は性缶自見。<成><版>明和元(一七六四)年。<内>事跡・名所・物産・霊異・怪談などを和漢の書物より摘録し、意見を付したもの。<活>『日本随筆大成』新版二期八(旧版二期四)

左伝 さでん 春秋左氏伝 しゅんじゅうさしでん

佐渡奇談 さどきだん  三巻三冊。<著>田中葵園(一七八二―一八四五年)江戸後期の儒学者。名は美清、字は士廉、別号は北溟・雪顛・空谷居士。<内>聞きおきの奇話をつづったもの。上巻「菅公の神像奇瑞の事」など一一項、中巻「風島弁天の事」など一三項、下巻「仙田氏の女幼敏の事」など一二項の計三六項から成る。<活>『随筆百花苑』一五、 『佐渡奇談』(明治二七年)

蓑笠雨談 さりつうだん 著作堂一夕話 ちょさくどういっせきわ

猿著聞集 さるちょもんじゅう  五巻五冊。<著>八島定岡(未詳)江戸後期の狂歌師・小説家。名は春信、号は岳亭丘山・堀川多楼など。<成>文政一〇(一八二七)年序。<版>文政一一(一八二八)年。<内>『古今著聞集』に模して、主として狂歌師の逸話を記し、怪異現象・災害・珍事件をも記す。<活>『滑稽文学全集』八、 『日本随筆全集』三、 『日本随筆大成』新版二期二〇(旧版二期一〇)

山陰雑筆 さんいんざっぴつ  八巻一冊。<著>松崎蘭谷(一六七四―一七三五年)江戸中期の儒学者。名は祐之、字は子慶、別号は甘白。<内>随筆。<蔵>国立国会図書館。

山陰雑録 さんいんざつろく  三巻三冊。<著>日達(一六七四―一七四七年)江戸中期の日蓮宗の学僧。<成>正徳五(一七一五)年。<版>正徳六(一七一六)年。<内>仏教よりも儒教や古賢の事跡、さらに外史にわたるものに関して記したもの。全一四四項から成る。<蔵>哲学堂文庫。

三界一心記 さんがいいっしんき 三賢一致書 さんけんいっちしょ

三界義 さんがいぎ  一巻一冊。<著>源信(九四二―一〇一七年)平安中期の天台宗の僧。通称は恵心僧都。<版>寛永年間版(一六二四―四三年)。<内>欲界・色界・無色界の三界についての問題を問答体によって解釈し、その苦楽の様相を説いたもの。<活>『恵心僧都全集』三、 『高僧名著全集』三、 『大日本仏教全書』三九(鈴木財団)

山海里 さんかいり  一二巻三六冊。<著>信暁(一七七四―一八五八年)江戸後期の真宗仏光寺派の学僧。号は実解・曇蔵など、諡は仏心院。<成><版>文政八(一八二五)年―安政五(一八五八)年。<内>仏教に関する種々雑多の事項を記したもの。<活>『仏教百科全書』(明治二五年、明伝の百通切紙〔口伝を記した紙〕と合わせて三巻とし、改題して出版)、 『山海里』(明治二七年)

三教凡例鈔 さんきょうはんれいしょう  未詳。

三教平心論 さんぎょうへいしんろん  二巻。<著>劉謐(未詳)元の僧。<成>未詳。<内>儒仏道の三道はそれぞれ意義と役割があるとするが、特に仏教が優れているとし、排仏思想に対して論駁している。<活>『大正新脩大蔵経』五二(二一一七)

三賢一致書 さんけんいっちしょ  一冊。<著>大竜(未詳)江戸前期の臨済宗の僧。<別>『三界一心記』。<成>正保元(一六四四)年。<版>慶安二(一六四九)年。<内>儒仏道の三道の本旨が一に帰すことを説いたもの。<活>『日本思想闘諍史料』五。

三元八卦九星方位占独判断 さんげんはっけきゅうせいほういうらないひとりはんだん  <著>栗田鉄三郎(未詳)。東京、牧野惣治郎・伊藤岩治郎刊、明治一七(一八八四)年、和二七丁。付「人相夢はんじ」。<内>占卜。

参考保元物語 さんこうほうげんものがたり  三巻九冊。<著>今井弘済(一六五二―八九年)江戸前期の国学者・医者。字は将興、号は知足軒・魯斎。<成>元禄二(一六八九)年。<版>元禄六(一六九三)年。<内>異本五部を校合し、異同を明らかにし事実の誤りを正したもの。<活>『参考保元平治物語』(図書刊行会)

三国塵滴問答 さんごくじんてきもんどう  一〇巻二冊。<著>瀬崎三艘軒(未詳)。<成><版>宝永三(一七〇六)年。<内>問答体の随筆。日本・中国・インドにかかわる種々の事柄について、神儒仏の三教の書を引いて答えたもの。全二一九条から成る。<蔵>哲学堂文庫。

三国仏教略史 さんごくぶっきょうりゃくし  <著>島地黙雷(一八三八―一九一一年)明治時代の浄土真宗の僧/織田得能(一八六〇―一九一一年)明治時代の仏教学者・僧。東京、鴻盟社刊、明治二三(一八九〇)年、和三冊(上六九・中五二・下五〇丁)。<内>インド・中国・日本の仏教通史。

三国仏法伝通縁起 さんごくぶっぽうでんずうえんぎ  三巻。<著>凝然(一二四〇―一三二一年)鎌倉時代の華厳宗の学僧。<成>応長元(一三一一)年。<版>応永六(一三九九)年。<内>インド・中国・日本三国にわたる仏教通史。<活>『大日本仏教全書』六二(鈴木財団)、 『仏教大系』、 『三国仏法伝通縁起』(明治九年・一〇年・二一年)

三才彙編 さんさいいへん  未詳。

三才因縁弁疑 さんさいいんねんべんぎ  前編三巻・後編三巻六冊。<著>村上俊清(未詳)江戸中期の人。<成><版>前編享保一一(一七二六)年、後編同一三(一七二八)年。<内>前編四六項、後編二八項から成る。「太極」「地震」「地獄極楽の因縁」「算術の因縁」「人魂」「花のさく因縁」など、初学者のために万象の理を述べたもの。<蔵>哲学堂文庫。

三才窺管 さんさいきかん  三巻三冊。<著>広瀬周伯(?―一八一八年)江戸中・後期の医者。名は信、号は紫山園、周伯は通称。<別>『図会蘭説 三才窺管』。<成>寛政一一(一七九九)年自序。<版>文化五(一八〇八)年。<内>天地人の三巻に分け、天の部には天文のことを図説し、地の部には地文のことを図解し、人の部には人身生理のことを図解して説明している。<蔵>哲学堂文庫。

三才諸神本紀 さんさいしょじんほんぎ 通俗三才諸神本紀 つうぞくさんさいしょじんほんぎ

三才図会 さんさいずえ  一〇六巻。<著>王圻(未詳)明代の学者。字は元翰。<内>天文・地理・人物・時令・宮室・器用・身体・衣服・人事・儀制・珍宝・文史・鳥獣・草木に分類してそれを図絵で説明したもの。<活>『三才図会』(全三冊、上海古籍出版社、一九八八年)

三才発秘 さんさいはっぴ  <内>中国の家相の書。これを和解し利用しやすくしたものに苗村元長(江戸後期の易占家。別名は三敲)の『三才発秘鈔要』(一八〇五年)がある。

三災録 さんさいろく  二巻二冊。<著>稲毛実(?―一八六九年)幕末の文人。号は白頭。<成>安政二(一八五五)年。<内>安政元年の冬の土佐高知における地震・出火・高潮の三災に関して、公文書・巷談・詩文などを集録して詳記したもの。<蔵>国立国会図書館(写本)

三十九則簾中抄 さんじゅうきゅうそくれんちゅうしょう  未詳。

三秦記 さんしんき  未詳。

三省録 さんせいろく  前編三巻・付言二巻・後編三巻・付録二巻一〇冊。<著>前編・志賀理斎(一七六二―一八四〇年)江戸後期の儒学者・狂歌作者。名は忍、別号は天鶏山人・我楽多老人など/後編・原徳斎(一八〇〇―七〇年)江戸後期・明治前期の儒学者。名は義胤・義、字は正道、別号は得斎。<成>前編天保元(一八三〇)年、後編嘉永七(一八五四)年。<版>前編天保一四(一八四三)年、後編文久三(一八六三)年。<内>和漢の書から抄録し、衣服・飲食・居住を一―三巻とし、四―五巻は「軒のしのぶ」と題して近世の諸事を記し、日常生活における無駄を省き、三省することを勧めている。<活>『日本経済大典』三六、 『日本随筆大成』新版二期一六(旧版二期八)

三世相 さんぜそう 大雑書 おおざっしょ

纂疏 さんそ  未詳。

三代実録 さんだいじつろく 日本三代実録 にほんさんだいじつろく

山堂肆考 さんどうしこう  二二八巻・補遺一二巻。<著>編・彭大翼(未詳)。<内>類書。宮・商・角・徴・羽の五集から成り、天文・時令・地理など、四八項目に分かれている。

山堂清話 さんどうせいわ  三巻一冊。<著>高泉性潡(一六三三―九五年)江戸前期の黄檗宗の僧。中国福州福清県生まれ。一六六一年に隠元隆琦の招きで来日。高泉は道号、性潡は諱。別号は雲外・曇華道人。<成><版>寛文一二(一六七二)年。<内>上巻四八項、中巻四六項、下巻三六項の計一三〇項から成る。「仏言如密」「異人」「降仙」「忠孝」「自覚」「地動」「生死」などについて述べたもの。<蔵>哲学堂文庫。

三仏伝 さんぶつでん  未詳。

三宝感応要略録 さんぼうかんのうようりゃくろく  三巻。<著>非濁(?―一〇六三年)宋代の僧。<別>『三宝感応録』。<内>仏・法・僧の三宝と衆生との感応を説く物語をまとめたもの。一六四話から成る。<活>『大正新脩大蔵経』五一(二〇八四)。<訳>『国訳一切経』史伝部一三。

三宝感応録 さんぼうかんのうろく 三宝感応要略録 さんぼうかんのうようりゃくろく

算法闕疑抄 さんぽうけつぎしょう  五巻三冊。<著>磯村吉徳(?―一七一〇年)江戸前期の和算家。「きちとく」ともいう。<成><版>万治三(一六六〇)年。<内>和算書。<複>『近世文学資料類従』「参考文献編」一二。

三養雑記 さんようざっき  四巻四冊。<著>山崎美成(一七九六―一八五六年)江戸後期の雑学者。字は久卿、号は北峰・好問堂・三養居。<成><版>天保一〇(一八三九)年序、同一一年。<内>随筆。民間の行事や習俗および俗諺・音曲・遊戯・詩歌・俳諧・珍説・異聞・世態・人情などについて知見を述べたもの。多くの図を挿入している。「狐狸の書画」「天狗の銅印」など、全一二七項から成る。<活>『日本随筆全集』三、『日本随筆大成』新版二期六(旧版二期三)

三余清事 さんよせいじ  一〇巻一〇冊。<著>伊藤竜洲(一六八三―一七五五年)江戸中期の儒学者。<成>寛延二(一七四九)年。<内>史伝・究理・治政・修身雑話などを記した漢文随筆。<蔵>国立国会図書館。

塩尻 しおじり  一〇〇巻。<著>天野信景(一六六三―一七三三年)江戸中期の国学者。字は子顕、剃髪して信阿弥・白華翁。<別>『志本尻』、 『志保之里』、 『紫保慈理』。<成>元禄一一(一六九八)年―享保一八(一七三三)年にいたる三〇年間。<内>和漢の諸書を引用し、自らの見聞や見解・考証を加えて、神祇・儒仏・政治・歴史・文学・天文・地理・風俗などについて記した百科事典的な随筆。<活>『我自刊我書』、 『日本随筆大成』新版三期一三―一六(旧版三期九―一〇)、 『随筆珍本 塩尻』(明治四〇年)

塩原繁昌記 しおぱらはんじょうき  <著>錦石秋(未詳)。塩原町(栃木)、君島玄一刊、明治一九(一八八六)年、和四一頁。<内>地誌。

慈恩伝 じおんでん 大唐大慈恩寺三蔵法師伝 だいとうだいじおんじさんぞうほっしでん

爾雅 じが  三巻。<著>未詳。<成>漢代に成立。<内>十三経の一つで、文字の説明書。現存のものは「釈詰」から「釈畜」まで一九編で、『詩経』の語を解釈したものが多い。

似我蜂物語 じがばちものがたり  三巻六冊。<著>未詳。<別>『乞食袋』。<成><版>寛文元(一六六一)年。<内>仮名草子。随筆、説話、日用知識、政道批判、小説など、雑多なものが混在している。改題本に『続著聞集』がある。<複>『近世文学資料類従』「仮名草子編」三八。

紫巌易伝 しがんえきでん  未詳。

支干考 しかんこう  一冊。<著>斎藤鶴磯(一七五二―一八二八年)江戸中・後期の儒学者。<成><版>寛政五(一七九三)年。<内>十干十二支について、『史記』、 『漢書』、 『釈名』、 『白虎通』などを引いて説明している。子から亥まで十二支の挿図がある。<蔵>哲学堂文庫。

止観輔行伝弘決 しかんぶぎょうでんぐけつ  四〇巻。<著>湛然(七一一―七八二年)唐代の僧。中国天台宗の中興の祖。<別>『摩訶止観輔行伝弘決』、 『止観輔行』、 『止観記』。<成>八世紀。<内>天台の『摩訶止観』の注釈書。<活>『大正新脩大蔵経』四六(一九一二)

史記 しき  一三〇巻。<著>司馬遷(前一四五〔一三五?〕―前八六〔?〕年)前漢の歴史家。字は子長。<成>前九一年。<内>黄帝から前漢の武帝までを紀伝体で記した歴史書。本紀一二巻、表一〇巻、書八巻、世家三〇巻、列伝七〇巻から成る。<活>『新釈漢文大系』三八―四一、八五―九〇。

史記索隠 しきさくいん  三〇巻。<著>司馬貞(未詳)唐代の学者。字は子正。<内>『史記』の注釈書。

直道録 じきどうろく  一巻。<著>袾宏(一五三二―一六一二年)明代の僧。号は蓮池。<版>寛文八(一六六八)年。<内>仏教。<蔵>大正大学。

詩経 しきょう  <著>未詳。<別>『毛詩』。<内>中国最古の詩集。五経の一。国々の民謡を集めた「国風」、宮廷の儀礼歌である「小雅」「大雅」、廟祭歌の「頌」から成る。<活>『国訳漢文大成』。

舳艫訓 じくろくん  五巻五冊。<著>伊勢貞丈(一七一七―八四年)江戸中期の故実家。号は安斎、俗に貞丈という。<内>随筆。<蔵>国立国会図書館(写本)

事言要玄集 じげんようげんしゅう  未詳。

志古草 しこぐさ  一冊。<著>隈川春蔭(一八〇一―一八三七年)江戸後期の歌人。春蔭は名、号は駒山・隈川漁者。<別>『醜草』。<成>天保四(一八三三)年序。<版>天保一二(一八四一)年。<内>「未足斎」「追儺」「団扇」「鬼」「天狗」「麦飯」「酒」「猫」など、雑記三〇項から成る。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

地獄実有説 じごくじつうせつ  一冊。<著>隆円(未詳)。<別>『地獄実有記』。<成><版>享和三(一八〇三)年。<内>地獄はないという邪見を戒めさとし、地獄はあるということを知ることが仏道に入るはじめと説いている。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

自娯集 じごしゅう  七巻七冊。<著>貝原益軒(一六三〇―一七一四年)江戸前期の儒学者・本草家・教育思想家。名は篤信、字は子誠、別号は損軒。<成><版>正徳四(一七一四)年。<内>自選の漢文集。「勧学論」から「四霊賛」まで一七九編から成る。「陰陽論」「禍福論」「禍福弁」「五行生克論」「淫祀無福説」「死生説」「人鬼論」などを含む。<活>『益軒全集』二。

思斎漫録 しさいまんろく  二巻二冊。<著>中村新斎(未詳)江戸後期の儒学者。名は弘毅、字は士卿、別号は梅華。<版>天保三(一八三二)年。<内>随筆。当時の徳行のある人たちの言行や逸話を記録して教訓となしたもの。<活>『日本随筆全集』一。

事纂 じさん  一一〇巻・目録一一巻・惣目一巻。<著>浅井奉政(一六九七―一七三四年)江戸中期の幕臣・故実家。<別>『皇朝事纂』。<成>享保一〇(一七二五)年序。<内>辞書。「天道」から「夷狄」まで三八部門を設け、さらに四七七部、四八八六条に細分して、『日本書紀』以下の史書によって、神代以来の歴代の故事を纂録したもの。<蔵>国立国会図書館(写本)

尸子 しし  二巻。<著>尸佼(未詳)中国戦国時代の人。<内>上巻は「勧学」から「君治」まで一六編、下巻はそれからもれたものを集めて二〇〇余条から成る。原本は亡逸し、古書に引かれたものを集成している。法家の説に近いという。<活>『平津館叢書』一、 『百子全書』二五―二六、 『湖海楼叢書』九。

時事新報 じじしんぽう  日刊。東京、時事新報社。明治一五(一八八二)年三月一日創刊され、昭和一一(一九三六)年一二月二五日、『東京日日新聞』に合併された。<内>時事。おもな関係者―福沢諭吉・中上川彦次郎。

子史精華 ししせいか  一六〇巻。<著>張廷玉(一六七二―一七五五年)清中期の政治家。字は衡臣、諡は文和。<成>清の康煕六〇(一七二一)年。<内>『荘子』などの「子部」や『史記』などの「史部」のなかの名言やすぐれた句を採録し、三〇類、二八〇「子目」に分類した類書。

子史精華事類統編 ししせいかじるいとうへん  未詳。

資治通鑑 しじつがん  二九四巻・目録三〇巻・考異三〇巻。<著>編・司馬光(一〇一九―八六年)北宋の学者・政治家。字は君実、号は迂夫・迂叟。<成>宋の元豊七(一〇八四)年。<内>周の威烈王の二三(前四〇三)年から五代、後周の世宗の顕徳六(九五九)年まで、一三六二年間の史実を編年体で記述した通史。<活>『続国訳漢文大成』一―一八。

資治通鑑綱目 しじつがんこうもく  五九巻。<著>朱熹(一一三〇―一二〇〇年)南宗の儒学者。字は元晦・仲晦、号は晦菴・晦翁。朱子学を大成。<内>歴史書。北宋の司馬光の『資治通鑑』を『春秋左氏伝』の体裁にならって、「綱」(『左伝』の経)と「目」(同じく伝)とに分けて簡略化したもの。朱熹の弟子の趙師淵の手に成るものが多いという。また、歴史書編纂に「綱目体」という叙述形式を生み出した。

四八目類函 しじゅうはちもくるいかん  未詳。

私聚百因縁集 しじゅひゃくいんねんしゅう  九巻三冊。<著>住信(一二一〇―?年)鎌倉時代の浄土宗の僧。愚勧住信と称す。<別>『百因縁集』。<成>正嘉元(一二五七)年。<内>説話集。巻一―巻四がインド、巻五―巻六が中国、巻七―巻九が日本と分けられ、伝法の縁起由来、孝養★(譚の正字)、信仰★(譚の正字)、往生★(譚の正字)それに高僧伝など、浄土教色の強い説話がとられている。全一四七話から成り、多く出典を明記している。<活>『大日本仏教全書』九二(鈴木財団)、『古典文庫』二六五・二六七・二七二。

地持論 じじろん 菩薩地持経 ぼさつじじきょう

地震海嘯考 じしんかいしょうこう  一冊。<著>未詳。<成><版>安政二(一八五五)年。<内>地震・海嘯・火山の前兆について語り、津波について諸書を引用して心得を述べている。<蔵>哲学堂文庫。

地震考 じしんこう  一冊。<著>小島涛山(?―一八三一年)江戸後期の算術家。名は典膳、涛山は号。<成><版>文政一三(一八三〇)年。<内>文政一三年七月二日の大地震の実況と人心に触れて、国史上の地震をあげ、またその原因・徴候について記した小冊子。<活>『随筆文学選集』八。

静岡民友新聞 しずおかみんゆうしんぶん  日刊。静岡、静岡民友新聞社。明治二四(一八九一)年一〇月二〇日創刊。昭和一六(一九四一)年一二月一日、『静岡新報』と合併して『静岡新聞』と改題した。

四声字音 しせいじおん  未詳。

自然的魔術 しぜんてきまじゅつ  ブルースター(Brewster, Sir D. 一七八一―一八六八年)イギリスの物理学者。〔原書〕 Letters on natural magic, 1831.

地蔵経 じぞうきょう 地蔵菩薩経 じぞうぼさつきょう

地蔵経鼓吹 じぞうきょうくすい 延命地蔵菩薩経直談鈔 えんめいじぞうぼさつきょうじきだんしょう

地蔵経鈔 じぞうきょうしょう  未詳。

地蔵菩薩経 じぞうぼさつきょう  一巻。<訳>未詳。<成>未詳。<内>大蔵経にしてわずか一五行しかない小編で、地蔵菩薩の名を念ずれば極楽往生できると説いている。<活>『大正新脩大蔵経』八五(二九〇九)

地蔵菩薩利益集 じぞうぼさつりやくしゅう  三巻一冊。<著>浄慧(未詳)江戸前期の僧。 <版>元禄四(一六九一)年。<内>仏教。<蔵>国立国会図書館(安永九年)

七十五法記 しちじゅうごほうき 有宗七十五法記

 うしゅうしちじゅうごほうき

七十五法名目 しちじゅうごほうみょうもく  一冊。<別>『首書評註 七十五法名目』。<版>寛文八(一六六〇)年。<内>倶舎論において、一切諸法を分類して七十五種としたその名目を略解したもの。<活>『冠註 七十五法名目』(明治一八年)、 『標科傍訓 七十五法名目』(明治二八年)

七帖見聞 しちじょうけんもん 天台名目類聚鈔 てんだいみょうもくるいじゅうしょう

七福神考 しちふくじんこう  一冊。<著>山本時亮(未詳)。<別>『福神考』。<成><版>寛政一〇(一七九八)年跋。<内>七福神について考証したもの。<活>『神祇全書』二。

七夢経 しちむきょう 阿難七夢経 あなんしちむきょう

視聴雑録 しちょうざつろく  四巻一〇冊。<著>臨深亭主人(未詳)。<別>『無疵不取銭』。<成><版>安永七(一七七八)年。<内>随筆。<蔵>国立国会図書館。

十訓抄 じっきんしょう  三巻一〇編。<著>六波羅二﨟左衛門入道(未詳)。<成>建長四(一二五二)年序。<版>元禄六(一六九三)年。<内>一〇の徳目をあげて、それにそって和漢仏の諸書から、少年たちが善を勧め悪を戒めるために教訓とすべき具体的な例話を抜粋してまとめた説話集。<複>『古典資料』一〇―一一。<活>『岩波文庫』、 『校註国文叢書』一八、 『国民文庫』、 『新訂増補 国史大系』、 『日本文学全書』二二、 『校正十訓抄』(明治二七年)

実験須弥界説 じっけんしゅみかいせつ  三巻三冊。<著>円通(一七五四―一八三四年)江戸後期の天台宗の僧。号は普門・無外子。<版>文政四(一八二一)年。<内>梵暦(仏暦)の書。西洋暦法を十カ条にわたって批判し、梵暦の優れていることを実証的に述べている。<蔵>東洋大学附属図書館。

実見妖怪談 じっけんようかいだん  未詳。

十節録 じっせつろく  一巻。未詳。

失念術講義 しつねんじゅつこうぎ  一冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育者。号は甫水。不思議庵主人と称す。東京、哲学館、明治二八(一八九五)年八月、八八頁。<内>憂苦を除くために失念術の必要性とその方法を記憶術との関連で述べたもの。

史伝 しでん  未詳。

四天王経 してんのうきょう 仏説四天王経 ぶっせつしてんのうきょう

支那教学史略 しなきょうがくしりゃく  <著>狩野良知(一八二九―一九〇六年)幕末・明治期の儒学者。東京、吉川半七刊、明治二四(一八九一)年、和二冊。<内>中国哲学。

支那古宗教論 しなこしゅうきょうろん  一冊。<著>谷本富(一八六七―一九四六年)明治・大正期の教育学者。<内>宗教学。

信濃奇勝録 しなのきしょうろく  五巻五冊。<著>井出道貞(一七五七―一八四二?年)江戸後期の神職者。道貞は名。<別>『信濃奇区一覧』。<内>信濃一〇郡についてそれぞれその奇勝を探索し、禽獣・草木・異物・奇談などにいたるまで、実際に見聞したことを多くの絵図を用いて説明したもの。<活>『蕗原拾葉』一七―一八、 『信濃奇勝録』(明治二〇年)

信濃奇談 しなのきだん  二巻一冊。<著>中村元恒(未詳)述/記・堀内元鎧(一八〇七―二九年)江戸後期の人。名は元逸、字は魚卿、別号は管斎。<成><版>文政一二(一八二九)年序。<内>巻上「諏訪湖」から「河童」まで一二丁、巻下「駒岳」から「小松氏墓」まで一六丁、付録「王墓」「検校墓」「堀内玄逸墓表」三丁から成る。信州伊那郡を主とする奇談・珍話を集めたもの。<活>『日本庶民生活史料集成』一六。

信濃日報 しなのにっぽう 信濃毎日新聞 しなのまいにちしんぶん

信濃毎日新聞 しなのまいにちしんぶん  日刊。長野、信濃毎日新聞社。明治一四(一八八一)年六月七日、『信濃日報』を改題・追号して現在にいたる。前史は明治六(一八七三)年七月五日、『長野新報』が創刊され、明治七(一八七四)年一月二七日、『長野毎週新聞』と改題、明治九(一八七六)年五月一〇日、『長野新聞』と改題、明治一三(一八八〇)年一月六日、『長野日日新聞』と改題、さらに同年八月三〇日、『信濃日報』と改題し、『信濃毎日新聞』に継承された。

信田白狐伝 しのだびゃっこでん  五巻五冊。<著>誓誉(未詳)江戸中期の浄土宗の僧。号は海欽。<別>『泉州信田白狐伝』。<成><版>宝暦七(一七五七)年。<内>俗談を利用して仏説因果を説明した仏教説話。<蔵>哲学堂文庫。

事物紀原 じぶつきげん  一〇巻。<著>高丞(未詳)北宋元豊(一〇七八―八六年)中生存。<内>類書。天地生植部から虫魚禽獣部まで五五部に分けて、事物およそ一七六四の原始由来を記している。<複>『和刻本類書集成』二。

事文前集 じぶんぜんしゅう 事文類聚 じぶんるいじゅう

事文類聚 じぶんるいじゅう  前集六〇巻・後集五〇巻・続集二八巻・別集三二巻・新集三六巻・外集一五巻・遺集一五巻。<著>祝穆(未詳)南宋の学者。字は和甫。〔新集・外集〕富大用(未詳)元の人。字は時可。〔遺集〕祝淵(未詳)元の人。字は宗礼。<内>古今の事実と詩文を類によって集めたもの。<活>『和刻 古今事文類聚』(「国文学研究資料文庫」八、ゆまに書房、昭和五七年)

持宝通覧 じほうつうらん  <著>竜牙興雲(一八三五―?年)明治期の僧。教報社、明治二六(一八九三)年、三冊(上四九・中四八・下四四丁)。<内>寺院の規則。

島田幸安幽界物語 しまだこうあんゆうかいものがたり

 <著>島田幸安(未詳)江戸後期の人。字は重信/記・参沢宗哲。<別>『幽界物語』。<内>幽界のことに関し、参沢宗哲の問いに対して、神仙・仏道などの俗説によって答弁したもの。<蔵>国立国会図書館(写本)

紫明抄 しめいしょう  一〇巻一〇冊。<著>素寂(未詳)。<内>『源氏物語』の注釈書。<活>『未刊国文古註釈大系』一〇(異本『紫明抄』)

示蒙抄 じもうしょう 河図洛書示蒙抄 かとらくしょじもうしょう

下野新聞 しもつけしんぶん  隔日刊のち日刊。宇都宮、旭香社のち下野新聞株式会社。明治一七(一八八四)年三月七日創刊。前身は明治一一年六月一日創刊の『栃木新聞』(同年一二月二日、三七号で廃刊し、翌一二年八月二日新たに発行)である。現在まで継続刊行している。

舎衛国王夢見十事経 しゃえいこくおうむけんじゅうじきょう  一巻。<訳>不詳。<別>『十夢経』。<成>紀元前後。<内>波斯匿(パセーナディ)王がある夜一〇の夢を見て恐怖し、摩利夫人(マリカー)の勧めで世尊のところへゆき、その夢の一つ一つについて解釈してもらって安心したことが説かれている。<活>『大正新脩大蔵経』二(一四六)

社会学 しゃかいがく  五冊。<著>ハーバート・スペンサー(Herbert Spencer. 一八二〇―一九〇三年)イギリスの哲学者。<訳>大石正己(一八五五―一九三五年)明治・大正期の政治家。是我書房、明治一六(一八八三)年、五冊(七七五頁)

釈迦譜 しゃかふ  五巻。<著>僧祐(四四五―五一八年)南斉・梁代の律僧。<成>五―六世紀。<内>中国における最古の仏伝。仏陀に関する事跡を経・律・論書のなかから抄録し、三四項目にまとめ、各項目の最後に著者の見解を加えている。<活>『大正新脩大蔵経』五〇(二〇四〇)。<訳>『国訳一切経』史伝部六。

釈氏蒙求 しゃくしもうぎゅう  二巻二冊。<著>霊操(未詳)。<成><版>寛保元(一七四一)年。<内>李翰の『蒙求』にならい四字句の韻語をもって漢魏以降の高僧の奇逸な事跡を記述したもの。全二一四句から成る。<活>『卍字続蔵経』二・乙・二一・三。

寂照堂谷響集 じゃくしょうどうこっきょうしゅう  正集一〇巻・続集一〇巻二〇冊。<著>運敞(一六一四―九三年)江戸前期の新義真言宗の僧。字は元春、号は泊如。<別>『谷響集』。続集は『谷響続集』。<成><版>正集元禄二(一六八九)年。続集<成>元禄四(一六九一)年。<版>元禄五(一六九二)年。<内>漢文体随筆。寂照堂に隠退中、客の質疑に応じて答え、仏典のみならず、一般の典籍などにも現れた種々の事項について考証したもの。正集は六八〇余項、続集は六二〇余項から成る。<活>『大日本仏教全書』九四(鈴木財団)

釈氏要覧 しゃくしようらん  三巻。<著>道誠(未詳)北宋の僧。<成>宋の天禧三(一〇一九)年。<内>僧侶の日常知らなければならない名目・故実を仏典から抄出し、内外の典籍を引用して注釈したもの。<活>『大正新脩大蔵経』五四(二一二七)

釈名 しゃくみょう  八巻。劉煕(未詳)後漢末の学者。字は成国。<内>字書。 『爾雅』の体裁にならい二七類に分けて名物の訓詁を載せ、音からその意義を求めている。

釈門自鏡録 しゃくもんじきょうろく  二巻。<著>懐信(未詳)。<内>諸書から集めた勧善懲悪に関する仏教説話を一〇科に分類・収録している。<活>『大正新脩大蔵経』五一(二〇八三)

沙石集 しゃせきしゅう  一〇巻一〇冊。<著>無住道暁(一二二六―一三一二年)鎌倉後期の臨済宗の僧。無住は道号、道暁は法諱、号は一円。<別>『砂石集』。<成>弘安二―六(一二七九―八三)年。<版>慶長一〇(一六〇五)年古活字版。<内>古今東西の説話を引いて、仏教の要旨や処世訓などを説く啓蒙的な仮名法語。<複>『古典研究会叢書』。<活>『岩波文庫』、 『高僧名著全集』八、 『説教学全集』八、 『大日本風教叢書』二、 『日本古典文学大系』八五、 『沙石集』(明治三四年、昭和三年、八年、一三年(『古典研究』別冊付録)一八年)

釈教正謬初破 しゃっきょうしょうみゅうしょは  二巻。<著>鵜飼徹定(一八一四―九一年)幕末・明治期の浄土宗の僧。明治元(一八六八)年刊。<内>輪廻・功罪・浄土・地獄などの仏教の主要な課題に対する論難に、キリスト教邪教観・護国的護法意識によって反駁したもの。<活>『明治仏教思想資料集成』一。

舎利験伝 しゃりけんでん  二巻二冊。<著>義宥(未詳)。<別>『仏舎利験伝』。<成>文政四(一八二一)年跋。<内>仏教。聖徳太子から地観居士まで、六四名の仏舎利に関する霊験を集めたもの。<蔵>哲学堂文庫。

拾遺往生伝 しゅういおうじょうでん  三巻三冊。<著>三善為康(一〇四九―一一三九年)平安後期の官人・文人。<別>『日本拾遺往生伝』。<成>天永二(一一一一)年ころ。<版>元禄一一(一六九八)年。<内>『日本往生極楽記』、 『続本朝往生伝』の遺漏を補って、九五人の僧尼・俗人の異相往生者を集めたもの。<活>『続群書類従』八輯上、 『続浄土宗全書』六、 『大日本仏教全書』六八(鈴木財団)、 『日本往生全伝』、 『日本思想大系』七。

拾遺記 しゅういき  一〇巻。<著>王嘉(?―三八五?年)東晋の文学者。字は子年。<別>『王子年拾遺記』。<内>原本は一九巻二二〇編あったが散逸し、梁の蕭綺が収集補綴して一〇巻とした。一巻から九巻までは伏羲・神農氏から東晋までの遺事を記し、最後の一巻は崑崙・蓬莱・方丈などのことを記している。<活>『漢魏叢書』六五、『古今逸史』六、『稗海』二、『百子全書』六五―六六。

拾遺三宝感応伝 しゅういさんぽうかんのうでん  一〇巻五冊。<著>独庵玄光(一六三〇―一六九八年)江戸前期の曹洞宗の僧・漢詩人。独庵は道号、号は蒙山・睡庵。<別>『三宝感応伝』。<成>延宝四(一六七六)年序。<版>貞享三(一六八六)年。<内>法によって三宝に帰敬すれば顕効冥感のあることは仏書によって明らかであるが、それを儒書によって跡づけ、出典を記して時代順に原文のまま掲載したもの。<蔵>哲学堂文庫。

周易 しゅうえき 易経 えききょう

周易叢説 しゅうえきそうせつ  一巻。<著>芳川波山(未詳)。

拾芥抄 しゅうがいしょう  三巻三冊。<著>編・洞院公賢(一二九一―一三六〇年)鎌倉末・南北朝時代の公卿/補・洞院実熙(一四〇九―?年)室町時代の公卿。<別>『略要抄』、『拾芥略要抄』。 <版>慶長古活字版。<内>歳時・史系・文学・風俗・諸芸・儀式・国郡・神仏・衣食・吉凶などに関する漢文で書かれた雑録。<活>『新訂増補 故実叢書』二二。

獣経 じゅうきょう  未詳。

宗教進化論 しゅうきょうしんかろん  一冊。<著>斯辺撒(Herbert Spencer. 一八二〇―一九〇三年)

イギリスの哲学者。<訳>高橋達郎。松田周平刊、明治一九(一八八六)年、六九頁。<内>宗教史を進化論的立場より論じたもの。〔原書〕Herbert Spencer : Religion retrospect and prospect.

拾玉集 しゅうぎょくしゅう  七巻。<著>慈円(一一五五―一二二五年)鎌倉前期の天台宗の僧・歌人/編・尊円親王(一二九八―一三五六年)青蓮院門跡。<成>貞和二(一三四六)年。<内>家集。数千首が収められている。仏語や漢語を用いた歌があり、仏道と歌道の融合を説くなど特殊な和歌観が注目されるという。<活>『校註国歌大系』一〇、『慈円全集』、『続国歌大観』六家集。

秋斎間語 しゅうさいかんご  四巻四冊。<著>多田南嶺(一六九八―一七五〇年)江戸中期の神道家・故実家・浮世草子作者。名は義俊・義正など、別号は興先・春塘・秋斎など。<版>宝暦三(一七五三)年。<内>随筆。語源、故実、事物・風俗の起源などを文献を引いて考証している。全一八七条から成る。<活>『日本随筆全集』一四、『日本文庫』一二。

十七史蒙求 じゅうしちしもうぎゅう  一巻。<著>王令(未詳)。<内>李瀚の『蒙求』にならい、『史記』から『五代史』までの一七史の内容を八一六句にまとめたもの。

十誦律 じゅうじゅりつ  六一巻。<訳>弗若多羅(プンニャタラ、未詳)姚秦代の僧/鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧、大訳経家。<別>『薩婆多部十誦律』、『薩婆多律』。<内>説一切有部の伝えた律蔵。比丘・比丘尼戒、犍度部、雑事から成り、これを十章(十誦)に分け、比丘・比丘尼戒の間に犍度部を入れている。

周書 しゅうしょ  五〇巻。<著>令狐徳棻(未詳)唐の人/その他著。<別>『後周書』、『北周書』。<成>唐初。<内>正史の一。西魏・北周の二代四〇年間の歴史を記したもの。本紀八巻、列伝四二巻から成り、志・表はない。残欠が多い。

修身雑話 しゅうしんざつわ  前編二巻二冊。<著>窓屋今堀高英(未詳)/画・長谷川貞信(一八〇九―七九年)江戸後期・明治前期の絵師。別号は有長・貞宣・信天翁など。<別>『童子教訓脩身雑話』。<成><版>弘化四(一八四七)年。<内>和漢のさまざまな逸話を引いて修身を説いたもの。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

修身書 しゅうしんしょ 尋常小学修身書 じんじょうしょうがくしゅうしんしょ

十道志 じゅうどうし  未詳。

十二因縁論 じゅうにいんねんろん  一巻。<著>竜樹(ナーガールジュナ、一五〇―二五〇?年)インドの仏教思想家。<訳>菩提流支(ボーディルナ、?―五二七年)中国南北朝時代の僧。<成>一五〇―二五〇年ころ。<内>無明・行・識・名色・六処・触・受・愛・取・有・生・老死という十二種類の因縁を説く偈文と、これを問答体で注釈したもの。なお、漢訳では「浄意菩薩造」作となっている。<活>『大正新脩大蔵経』三二(一六五一)。<訳>『国訳一切経』論集部六。

十二縁生祥瑞経 じゅうにえんしょうしょうずいきょう

 二巻。<訳>施護(ダーナパーラ、未詳)宋代の訳経僧。<内>十二縁生(十二因縁)を十二支にあてはめ、それによって吉祥瑞応に了達する法を説いたもの。<活>『大正新脩大蔵経』一六(七一九)

十二宮伝 じゅうにきゅうでん  <著>新家春三(未詳)別号は新亀斎。

十八史略 じゅうはっしりゃく  七巻。<著>曾先之(未詳)南宋末・元初期の学者。字は孟参。<内>太古から南宋末までの史実を編年体で記したもの。<活>『新釈漢文大系』二〇―二一。

秋坪新語 しゅうへいしんご  未詳。『嬉遊笑覧』巻八のなかに引用されている。

十夢経 じゅうむきょう 舎衛国王夢見十事経 しゃえいこくおうむけんじゅうじきょう

宗門無尽灯論 しゅうもんむじんとうろん  二巻二冊。<著>円慈(一七二三―九四年)江戸中期の臨済宗の僧。道号は東嶺。<成>寛延元(一七四八)年。<版>寛政一二(一八〇〇)年。<内>後学のために禅門における信心修行の次第を述べたもの。<活>『世界大思想全集』五二、『大正新脩大蔵経』八一(二五七五)、『白隠和尚全集』七、『宗門無尽灯論』(明治一五年)。<訳>『昭和新纂国訳大蔵経』宗典部一〇。

宗門略列祖伝 しゅうもんりゃくれつそでん  四巻四冊。<著>大冥恵団(未詳)江戸後期の臨済宗の僧。大冥は道号。<別>『本朝伝来 宗門略列祖伝』。<成><版>文化六(一八〇九)年。<内>宗門列祖の略伝。<活>『国文東方仏教叢書』一輯伝記下。

周遊奇談 しゅうゆうきだん  五巻五冊。<著>昌東舎真風(未詳)。<別>『諸国奇談 漫遊記』。<成><版>文化三(一八〇六)年。<内>巻一「高野祭神幸吉凶の事」から巻五「麟鳳静住を好む事」まで全四六項から成り、京都・奈良・兵庫など各地の奇談を集録している。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

縮刷大蔵経 しゅくさつだいぞうきょう 大日本校訂縮刻大蔵経 だいにほんこうていしゅくこくだいぞうきょう

宿曜経 しゅくようきょう 文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経 もんじゅしりぼさつぎゅうしょせんしょせつきっきょうじにちぜんあくすくようきょう

修験故事便覧 しゅげんこじべんらん  五巻五冊。<著>日栄(未詳)江戸中期の日蓮宗の僧。字は芸聚・忍辱鎧、号は覚耀院。<別>『法華行者修験書』。<成>享保一五(一七三〇)年。<版>享保一七(一七三二)年。<内>修験道に関する加持祈祷や民間信仰の説明・考証をおこなったもの。<活>『修験聖典』、『日蓮宗祈祷聖典』、 『日本大蔵経』「修験道章疏」三。

修験三十三通記 しゅげんさんじゅうさんつうき  二巻二冊。<著>蓮覚(未詳)室町時代の修験道者/智光(未詳)室町時代の修験道者。<別>『三十三通記』。<版>元禄二(一六八九)年。<内>九州の彦山に伝わった切紙(口伝を記した紙)三三通を、上下二巻にまとめた修験道の教義書。<活>『修験聖典』、 『日本大蔵経』「修験道章疏」二。

修験修要秘決集 しゅげんしゅようひけつしゅう  三巻三冊。<著>即伝(未詳)室町末期における修験道の回峰修行者。姓は阿吸房。<別>『修験道修要秘決』、 『修験道修要秘決集』、 『修要秘決』、 『修要秘決集』、 『修験道切紙』。<成>大永(一五二一―二八年)ころ。<版>元禄五(一六九二)年。<内>智光・蓮覚らによってまとめられた『修験三十三通記』に、即伝が金峰山中と彦山で伝授された切紙などを加えて、四七通に分類増補したもの。<活>『日本大蔵経』「修験道章疏」二。

修験道伝記 しゅげんどうでんき  未詳。

修験道便蒙 じゅげんどうべんもう 修験道山伏便蒙 しゅげんどうやまぶしべんもう

修験道山伏便蒙 しゅげんどうやまぶしべんもう  二巻二冊。<著>宥鑁(一六二四―一七〇二年)江戸前期の真言宗の僧。<別>『山伏便蒙』。<版>元禄六(一六九三)年。<内>修験道教義にみられる仏教語彙を中心に、修験道・神道・陰陽道などの語彙を解説したもの。<蔵>哲学堂文庫(二巻一冊)

修験峰中秘伝 しゅげんぶちゅうひでん  一巻。<著>学峰雲外(未詳)一七世紀末の入峰修行者。<別>『峰中秘伝』、 『峰中根元記』、 『峰中根源記』。<版>元禄七(一六九四)年。<内>大峰山中の秘伝をまとめたもので、峰中の各秘所とそこでの修行に照応して修験道の思想が説かれている。<活>『日本大蔵経』「修験道章疏」一。

朱子語類 しゅしごるい  一四〇巻。<著>黎靖徳(未詳)宋代の儒者。<別>『朱子語類大全』。<成>宋の咸淳六(一二七〇)年。<内>朱熹が門人と問答した語を分類して集録したもの。

重乗算顆術 じゅじょうさんかじゅつ  未詳。

首書易学啓蒙 しゅしょえきがくけいもう  四巻四冊。<著>未詳。<別>『易学啓蒙』、『頭註 易学啓蒙』。<成><版>延宝二(一六七四)年。<内>『易学啓蒙』の注解書。<蔵>国立国会図書館。

修善寺温泉名所記 しゅぜんじおんせんめいしょき  未詳。

修善寺名所記 しゅぜんじめいしょき  未詳。

述異記 じゅついき  二巻。<著>祖冲之(四二九―五〇〇年)南朝宋の科学者。字は文遠。<内>神話・伝説・仙薬・服食・物怪・変異などを記したもの。梁の任昉の作として伝わる。<活>『漢魏叢書』、 『五朝小説』、 『説郛』六五、 『百子全書』、 『稗海』、 『竜威秘書』、 『和刻本漢籍随筆集』一三。

出定後語 しゅつじょうこうご  二巻二冊。<著>富永仲基(一七一五―四六年)江戸中期の儒学者。字は子仲、号は南関・藍関・謙斎。<成>延享元(一七四四)年自序。<版>延享二(一七四五)年。<内>原始仏教から大乗仏教諸派にいたる仏教思想発達史論。儒仏道の三教を批判している。<活>『日本思想闘諍史料』三、 『日本哲学思想全書』九、 『現代仏教名著全集』一、 『日本思想大系』「富永仲基・山片蟠桃」、 『出定後語』(明治三五年)

出定笑語 しゅつじょうしょうご  四巻四冊。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<別>『仏道大意』、 『大迷弁講本』。<成>文化八(一八一一)年ころ。<版>嘉永二(一八四九)年。<内>富永仲基の『出定後語』などにより、仏教を批判した書。のちの『出定笑語付録』では日蓮宗と真宗を論難している。<活>『新修平田篤胤全集』一〇(名著出版)、 『日本思想闘諍史料』八、 『日本先哲叢書』六、 『平田篤胤全集』一(平田学会)、 『平田篤胤全集』九(内外書籍)、 『平田篤胤叢書』乾、 『平田翁講演集』、 『有朋堂文庫』「直毘霊・馭戎慨言・霊能真柱」、 『出定笑語』(明治二年)

出定笑語附録 しゅつじょうしょうごふろく  二巻三冊。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<成>文化一四(一八一七)年序。<活>『平田翁講演集』。 出定笑語。

儒仏合論 じゅぶつごうろん  九巻。<著>隠渓智脱(未詳)臨済宗の学僧。<成><版>寛文八(一六六八)年。<内>山崎闇斎の破仏論に対して儒仏一致の立場を論じたもの。<活>『日本思想闘諍史料』一。

儒仏論肝要鈔 じゅぶつろんかんようしょう  三巻二冊。<著>良運(一六三五―一七〇四年)江戸前期の天台宗の僧。字は自証、号は月心。<別>『儒仏論肝要』。<成><版>貞享三(一六八六)年。<内>仏教。<蔵>哲学堂文庫。

須弥山略説 しゅみせんりゃくせつ  一冊。<著>福田行誡(一八〇九―八八年)幕末・明治前期の浄土宗の僧。字は晋阿、号は建蓮社立誉。東京、大村屋総兵衛刊、明治一一(一八七八)年、和一九丁。

主夜神修法 しゅやじんしゅほう  一冊。<著>未詳。<内>盗難・剣難・厄難よけのまじないを記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

修要秘決集 しゅようひけつしゅう 修験修要秘決集 しゅげんしゅようひけつしゅう

寿世保元 じゅよほげん  未詳。

周礼 しゅらい  六編。<著>周公旦(未詳)。<別>『周官』。<内>一三経の一。周代の官制を記したもので、二七〇官の職掌を説き、国家統治の施策を述べている。

周礼義疏 しゅらいぎそ  <著>賈公彦(未詳)唐の人。<内>『周礼』の注解。

首楞厳経 しゅりょうごんきょう 大仏頂如来密因修証了義諸菩薩万行首楞厳経 だいぶつちょうにょらいみつちんしゅうしょうりょうぎしょぼさつまんぎょうしゅりょうごんきょう

循環暦 じゅんかんれき  五巻五冊。<著>小泉松卓(未詳)。<別>『授時暦註循環暦』。<成>正徳二(一七一二)年自序。<版>享保二(一七一七)年。<内>授時暦(一二八一年から一六四四年まで中国で使用された暦法)の註解書。<蔵>哲学堂文庫。

荀子 じゅんし  二〇巻。<著>荀況(未詳)中国戦国末期の儒者。名は況、荀子・荀卿・孫卿ともいう。<内>学の必要性および礼儀をたっとぶべきことを述べ、性悪の説をとなえ、孟子の性善の説に反対している。<活>『新釈漢文大系』五―六、 『全釈漢文大系』七―八。

春秋 しゅんじゅう  <内>五経の一。中国最古の年代記。魯国の史官が著した『魯春秋』をもとに孔子が改訂して編んだ書と伝えられる。魯の隠公の元(前七二二)年から哀公の一四(前四八一)年までの二四二年間の歴史を編年体でまとめたもの。その注釈書である『春秋左氏伝』、『春秋公羊伝』、『春秋穀梁伝』に付載された形でのみ伝えられた。

春秋緯 しゅんじゅうい  <内>漢代に起こった『春秋』に関する緯書。『元命苞』、『演孔図』、『運斗枢』、『説題辞』、『春秋内事』、『録運法』、『河図揆命篇』など二八編をいう。<活>『玉函山房輯佚書』。

春秋運斗枢 しゅんじゅううんとすう  一巻。<著>未詳。<内>漢代におこった春秋に関する緯書(吉凶禍福や未来のことを予言した書。経書にまねて作る)二八編の一つ。<活>『玉函山房輯佚書』七〇、 『説郛』五。

春秋元命苞 しゅんじゅうげんめいほう  二巻。<著>未詳。<内>漢代におこった春秋に関する緯書(吉凶禍福や未来のことを予言した書。経書にまねて作る)二八編の一つ。<活>『玉函山房輯佚書』七二、『説郛』五。

春秋考異 しゅんじゅうこうい  未詳。

春秋左氏伝 しゅんじゅうさしでん  三〇巻。<著>左丘明(孔子と同時代?)。<別>『左氏伝』、 『左伝』。<内>『春秋』の注釈書。魯の隠公元(前七二二)年から哀公二七(前四六八)年まで、春秋時代の各国の政治・軍事・経済・文化等に関する史実を記した編年体の歴史書。十三経の一。『公羊伝』、 『穀梁伝』とともに春秋三伝といわれる。<活>『新釈漢文大系』三〇―三三、 『全釈漢文大系』四―六。

春秋左伝 しゅんじゅうさでん 春秋左氏伝 しゅんじゅうさしでん

春秋繁露 しゅんじゅうはんろ  一七巻。<著>董仲舒(前一七九?―前一〇四?年)前漢の学者。<内>『春秋公羊伝』にもとづいて『春秋』の主旨を解明したもの。『公羊伝』を陰陽五行説と結びつけて解釈している。<活>『説郛』五。

春秋累筆 しゅんじゅうるいひつ  四巻三冊。<著>千兮(一七九八―一八八三年)江戸後期・明治前期の俳人。姓は岡崎、名は多忠二・環・延珍、別号は五窓楼(二世)・春秋楼など。<内>雑多なおぼえ書きを録したもの。「芭蕉翁血脉之印」「相撲之記」「以呂波之伝」など。図入り。<蔵>哲学堂文庫(写本)

遵生八牋 じゅんせいはっせん  一九巻。<著>高濂(未詳)明の人。字は深甫、号は瑞南・雅尚斎・桃花漁。<内>「清修妙論牋」以下八目に分け、歴代の隠逸一〇〇人の事跡を述べたもの。

春波楼筆記 しゅんぱろうひっき  <著>司馬江漢(一七三八〔四七〕―一八一八年)江戸後期の画家・蘭学者。名は峻、字は君岳、別号は無言道人・春波楼・西洋道人。<成>文化八(一八一一)年。<内>歴史・世相・宗教・僧侶・老子・荘子・自然現象・画などを考察・論評して二一二項におよんでいる。<活>『日本経済叢書』一二、 『日本経済大典』二〇、 『日本随筆大成』新版一期二(旧版一期一)、 『百家説林』正編上、 『有朋堂文庫』「名家随筆集」下。

書 しょ 書経 しょきょう

長阿含 じょうあごん 長阿含経 じょうあごんぎょう

長阿含経 じょうあごんぎょう  二二巻。<訳>仏陀耶舎(ブッダヤシャ、未詳)四―五世紀ころの僧。覚名・覚明ともいう/竺仏念(未詳)前秦・後秦代の訳経僧。<内>原始仏典五阿含の第一の経典。仏法の外道に対する優位を示す意図で、他の阿含に比べて特に長い経典のみ三〇経典を収録したもので、内容的に、一、仏陀、二、法(教理)、三、修行道と阿羅漢の証果、四、宇宙論の四つに分類されている。<活>『大正新脩大蔵経』一(一)。<訳>『国訳一切経』阿含部七。

賞花吟 しょうかぎん 英華故事 えいがこじ

小学 しょうがく  六巻。<著>劉清之(未詳)宋の人。字は子澄。<別>『小学書』。<成>淳煕一四(一一八七)年。<内>内外二編から成り、内編は立教・明倫・敬身・稽古の四目、外編は嘉言・善行の二目に分けて、修身・日常道徳について述べている。<活>『新釈漢文大系』三。

小学修身書 しょうがくしゅうしんしょ 尋常小学修身書 じんじょうしょうがくしゅうしんしょ

商家秘録 しょうかひろく  一冊。<著>大玄子(未詳)。<成><版>明和七(一七七〇)年。<内>商家の商法三八カ条を示し、特に米穀取引について論じたもの。<活>『通俗経済文庫』八。

消閑雑記 しょうかんざっき  二巻二冊。<著>惟中(一六三九―一七一一年)江戸前期の俳人。姓は岡西、名は勝・旦、別号は玄旦・一時軒・一飄子など。<別>『消閑雑筆』。<成><版>文政八(一八二五)年。<内>「平等院建立匡房卿の記憶」から「皇国のすべての古書どもの訓付清濁」にいたる五五項について考えを記したもの。『続無名抄』の改題本。<活>『日本随筆大成』新版三期四(旧版三期二)、 『百家説林』正編下。

笑戯自知録 しょうぎじちろく  二巻二冊。<著>半田山人(未詳)画・北尾重政(初世一七三九―一八二〇年)江戸中・後期の絵師。<別>『教外別伝笑戯自知録』。<成>文化一四(一八一七)年序。<内>「牛馬を呑む秘伝」「家屋を車の如く押回し得べき伝」などを記した『一子相伝極秘巻』の改題本。<蔵>哲学堂文庫。

象吉通書 しょうきつつうしょ  未詳。

聖鬮賛 しょうきゅうさん 題額聖鬮賛 だいがくしょうきゅうさん

上元県志 じょうげんけんし  未詳。

滋養県志 じようけんし  未詳。

聖財集 しょうざいしゅう  三巻三冊。<著>無住道暁(一二二六―一三一二年)鎌倉時代の臨済宗の僧。無住は道号、道暁は法諱、号は一円。<成>正安元(一二九九)年。<版>寛永二〇(一六四三)年。<内>初学者のために教理・戒律などの諸事項を解説したもの。<活>『聖財集』(明治二六年)

想山著聞奇集 しょうざんちょもんきしゅう  五巻五冊。<著>三好想山(未詳)江戸後期の文筆家。名は永孝、通称は良蔵または六左衛門。<成><版>嘉永三(一八五〇)年。<内>奇聞集。巻一「出雲大社遷宮の時雲出づる事」など一一話、巻二「品川千体荒神尊霊験の事」など一一話、巻三「元三大師誕生水剣の不思議の事」など一一話、巻四「日光山篭り堂不思議の事」など一二話、巻五「柳谷観音利益の事」など一二話、計五七話を収めている。絵入り。<活>『続帝国文庫』「近世奇談全集」、『日本庶民生活史料集成』一六。

想山著聞集 しょうざんちょもんしゅう 想山著聞奇集 しょうざんちょもんきしゅう

焦氏易林 しょうしえきりん  未詳。

尚直編 しょうじきへん  二巻二冊。<著>景隆(一三九二―?年)明の臨済宗楊岐派破菴派の僧。字は祖庭、号は空谷。<版>正統五(一四四〇)年序。<内>朱子の排仏説を駁し、儒仏道三教聖人の道は、天地と徳を合し、日月と明を兼ね、ともに本源の道を証する資となることを述べたもの。<蔵>哲学堂文庫。

成実論 じょうじつろん  一六巻または二〇巻。<著>訶梨跋摩(ハリヴァルマン、未詳)。<訳>鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧・大訳経家。<成>二五〇―三五〇年ころ。<内>部派仏教の一派経量部の立場から説一切有部説を批判した論書。苦・集・滅・道の四聖諦を明らかにしている。<活>『大正新脩大蔵経』三二(一六四六)。<訳>『国訳一切経』論集部三。

尚書 しょうしょ 書経 しょきょう

尚書古実 しょうしょこじつ 尚書故実 しょうしょこじつ

尚書故実 しょうしょこじつ  一巻。<著>李綽(未詳)唐の人。<内>張嘉貞(唐の人で官名中書令)の玄孫である尚書の家に遊び、そこで述べたことを記したものという。

尚書撰異 しょうしょせんい  未詳。

盛衰記 じょうすいき 源平盛衰記 げんぺいじょうすいき

小窓間語 しょうそうかんご  四巻四冊。<著>鈴木忠侯(未詳)。<別>『小窓間話』、『小窓閑語』。<成><版>寛政二(一七九〇)年。<内>故実に関する抄録。<蔵>哲学堂文庫。

常総新聞 じょうそうしんぶん  日刊。水戸、常総新聞社。明治三三(一九〇〇)年一一月創刊、大正三(一九一四)年一二月まで継続した。

蕉窓随筆 しょうそうずいひつ  未詳。

小窓別記 しょうそうべっき  未詳。

蕉窓漫筆 しょうそうまんぴつ  三巻三冊。<著>義海(?―一七五五年)江戸中期の浄土宗の僧。字は冲黙。<版>明和四(一七六七)年。<内>漢文で書かれ、仏教・儒教・道教にわたる諸事項を記したもの。知識・道徳に関する教戒を含む一〇六条から成る。<複>『影印日本随筆集成』二。

掌中和漢年代記集成 しょうちゅうわかんねんだいきしゅうせい  一冊。<著>山崎美成(一七九六―一八五六年)江戸後期の雑学者。字は久卿、号は北峰・好問堂・三養居。<版>弘化四(一八四七)年。<内>大化から嘉永三年までの和漢の年表に全国地図・天皇記・国郡名・武将年代・吉凶などを記し、付録として「暦日略解」を載せたもの。<蔵>哲学堂文庫。

松亭漫筆 しょうていまんぴつ  二巻二冊。<著>松亭金水(一七九七―一八六二年)江戸後期の戯作者。本名は中村保定・経年、別号は積翠・拙作堂など。<成>嘉永三(一八五〇)年自序。<内>和漢・雅俗・古今の別なく、見聞した雑事を集め、その考証と教訓を述べたもの。<活>『日本随筆全集』八、『日本随筆大成』新版三期九(旧版三期五)

聖徳太子五憲法 しょうとくたいしごけんぽう  一冊。<著>未詳。<別>『五憲法』、『憲法本紀』。<版>延宝三(一六七五)年。<成>未詳。<内>『先代旧事本紀大成経』の巻七〇にあたる「憲法本紀」一巻と同じである。通蒙・政家・儒士・神職・釈氏の五憲法から成る。<蔵>哲学堂文庫。

聖徳太子伝暦 しょうとくたいしでんりゃく  二巻二冊。<著>藤原兼輔(八七七―九三三年)平安前期の公卿・歌人。<別>『平氏太子伝』、『平氏伝』、『二巻伝』、『伝暦』。<成>延喜一七(九一七)年。<版>寛永五(一六二八)年。<内>聖徳太子の父母の結婚から太子の誕生・生涯・死亡、さらに蘇我氏の滅亡までを編年体で記した太子の伝記。<活>『聖徳太子全集』三、『続群書類従』八輯上、『大日本仏教全書』七一(鈴木財団)、『復原 聖徳太子伝暦』(昭和二年)

聖徳太子日本国未来記 しょうとくたいしにほんこくみらいき  一冊。<著>未詳。<別>『聖徳太子未来記文』、『日本国未来記』、『未来記』、『未然本記』。<版>慶安元(一六四八)年。<内>太子未来記(聖徳太子に仮託した予言の書)の名を借りて、一遍・日蓮を誹謗したもの。<蔵>哲学堂文庫(慶安二年)

浄土三部経 じょうどさんぶきょう  <内>浄土教諸派の教義のよりどころとなる(一)『仏説無量寿経』、()二『観無量寿経』、(三)『仏説阿弥陀経』の三部四巻の経典のこと。法然の選定にもとづき、三経を一貫するものは念仏往生の教えであるとする。 仏説阿弥陀経、 仏説無量寿経。<活>『浄土三部経』(岩波文庫)

荘内可成談 しょうないなるべしだん  未詳。<内>『妖怪学講義』のなかの引用によれば、蜃気楼・かわうその妖・火柱・カマイタチなどの記述がみられ、荘内地方の奇聞・怪異などの話を集めた図書と思われる。『国書総目録』に『荘内可成談抄』(随筆、写本・東大〔大泉叢誌一八〕)の記述があり、同一本か関連図書と思われる。前記『講義』の原本では、書名に「庄内」の記述が多く用いられて「荘内」は一、二であるが、本文中は表題の書名で統一した。

小児必用養育草 しょうにひつようそだてぐさ  六巻五冊。<著>香月啓益(一六五六―一七四〇年)江戸中期の医者。名は則真、別号は牛山・被髪翁。<別>『小児必用記』、『増補画入 小児必用記』、『小児養育草』。<成>元禄一六(一七〇三)年序。<版>正徳四(一七一四)年。<内>小児の誕生から生育、諸病についての説および教育など、小児に関するさまざまな事柄について記したもの。<活>『日本教育文庫』「衛生及遊戯篇」。

襄沔記 じょうべんき  未詳。

正法念経 しょうぼうねんきょう 仏説分別善悪所起経 ぶっせつふんべつぜんあくしょききょう

正法念処経 しょうぼうねんじょきょう  七〇巻。<訳>般若流支(プラジュニャールナ、未詳)北魏代の訳経僧。<内>業とその果報としての三界六道の因果が説かれている。<活>『大正新脩大蔵経』一七(七二一)

勝鬘経 しょうまんぎょう 勝鬘師子吼一乗大方便方広経 しょうまんししくいちじょうだいほうべんほうこうきょう

勝鬘経義疏 しょうまんぎょうぎしょ  一巻。<著>聖徳太子(五七四―六二二年)。<別>『勝鬘経疏』、『勝鬘上宮疏』。<成>七世紀初め。<版>宝治元(一二四七)年。<内>『勝鬘経』の注釈書。中国の注釈書をよりどころに、経典の真意を独自に解釈したもの。<活>『岩波文庫』、『世界聖典全集』前輯四、『大正新脩大蔵経』五六(二一八五)、『大日本仏教全書』七(鈴木財団)、『大日本文庫』「聖徳太子集」、『勝鬘経義疏』(明治二八年)

勝鬘師子吼一乗大方便方広経 しょうまんししくいちじょうだいほうべんほうこうきょう  一巻。<訳>求那跋陀羅(グナバドゥラ、三九四―四六八年)劉宋代の僧。<別>『勝鬘経』、『師子吼経』、『勝鬘師子吼経』、『師子吼方広経』、『勝鬘大方便広経』。<内>如来蔵思想を説く大乗経典のなかの代表的経典。在家の女性(勝鬘夫人)が法を説くという形をとっている。<活>『大正新脩大蔵経』一二(三五三)

浄名疏 じょうみょうしょ  未詳。

成唯識論 じょうゆいしきろん  一〇巻。<訳>玄奘(六〇二―六六四年)唐代の大翻訳家。<内>世親 (ヴァスパンドゥ)の『唯識三十論頌』の注釈書。インドの十大論師の解釈を、護法(ダルマパーラ)の説をもとに他説を取捨選択して訳しまとめたもの。<活>『大正新脩大蔵経』三一(一五八五)

性霊集 しょうりょうしゅう  一〇巻一〇冊。<著>空海(七七四―八三五年)平安前期の僧。真言宗の開祖/編・真済(巻一―巻七)、済暹(巻八―巻一〇)。<別>『遍照発揮性霊集』、『続遍照発揮性霊集補闕抄』。<成>巻一―巻七は承和三(八三五)年ころ、巻八―巻一〇は承暦三(一〇七九)年。<版>巻一―巻七は正嘉二(一二五八)年、巻八―巻一〇は建治三(一二七七)年、慶長一九(一六一四)年古活字版。<内>漢詩文集。一一三編収録。真済編の第八―一〇巻は散逸し、現存のものは済暹による補撰である。<複>『尊経閣叢刊』、『遍照発揮性霊集』一―二(日本書紀応神紀裏書、大正九年)。<活>『弘法大師全集』三、『弘法大師全集』(壷井国三編、明治三三年)、『真言宗全書』四二、『日本古典文学大系』七一。

正理論 しょうりろん 阿毘達磨順正理論 あびだつまじゅんしょうりろん

肇論 じょうろん  一巻。<著>僧肇(三八四―四一四?年)東晋代の僧。<成>四―五世紀。<内>宋本義で論の根本を述べ、以下「物不遷論」「不真空論」「般若無知論」「涅槃無名論」の四つの論から成る。<活>『大正新脩大蔵経』四五(一八五八)

初学便蒙 しょがくべんもう  五冊。<著>伊藤宜謙(未詳)。<別>『和漢 初学便蒙』。<成>元禄六(一六九三)年自序。<版>同八年。<内>語彙集。漢字の熟語を天門・地理・宮屋・時候・人倫・身体・気形・生植・衣服・飲食・器財・彩色・数量・態芸・礼記・切韻・詩賦・音律・詠歌・神仙・医療・釈道・雑用の二三門に分けて、その意義や事実を説明したもの。

初学便蒙集 しょがくべんもうしゅう 初学便蒙 しょがくべんもう

諸活幹枝大礎学 しょかつかんしだいそがく  初伝・中伝。<著>木島大照斎(未詳)。<別>『天下無二世民必要 諸活幹枝大礎学』。木島文六刊、明治一六(一八八三)年、和二冊(初一八・中一一丁)。<内>干支。

序卦(伝) じょか(でん) 易経 えききょう

書経 しょきょう  二〇巻。<著>未詳。<別>『尚書』。<内>五経の一。虞・夏・商・周の四代の政教を記したもの。古くは『書』といい、周の史官が記録したものを儒家が自家の経典とし、漢代に『尚書』の名ができ、南宋になって『書経』と呼ばれた中国最古の史書。<活>『新釈漢文大系』二五―二六、『全釈漢文大系』一一(「尚書」)

職員令 しょくいんれい  <内>七五七年に施行された「養老律令」の令の編目。

蜀王本記 しょくおうほんき  未詳。

続日本紀 しょくにほんぎ  四〇巻。<著>藤原継縄(七二七―七九六年)奈良時代の公卿/菅野真道(七四一―八一四年)奈良・平安前期の公卿。<成>延暦一六(七九七)年。<版>明暦三(一六五七)年。<内>編年体の漢文の歴史書。文武天皇元年(六九七年)八月から桓武天皇延暦一〇(七九一)年一二月にいたる九代九五年間の国史。<複>『本朝六国史』二。<活>『新訂増補 国史大系』二、『新日本古典文学大系』一二―一六・別巻、『増補 六国史』三―四。

続日本後紀 しょくにほんこうき  二〇巻。<著>藤原良房(八〇四―八七二年)平安前期の公卿/春澄善縄(七九七―八七〇年)平安前期の公卿・学者/その他著。<成>貞観一一(八六九)年。<版>寛文八(一六六八)年。<内>六国史の一つで、編年体の漢文の歴史書。仁明天皇一代、天長一〇(八三三)年二月から嘉祥三(八五〇)年三月にいたる一八年間の国史。<複>『本朝六国史』二五―三〇。<活>『新訂増補 国史大系』三、『増補 六国史』七。

食物本草 しょくもつほんぞう  <著>李杲(一一八〇?―一二五一年)金末・元初期の医者。字は明之、号は東垣。<内>医学。

書言故事 しょげんこじ 書言故事大全 しょげんこじたいぜん

書言故事大全 しょげんこじたいぜん  一二巻五冊。<著>胡継宋(未詳)宋の人/刪補・柏木常雄。北畠茂兵衛刊、明治一八(一八八五)年。<内>古来の有名な故事成語を集めて分類説明したもの。巻一「人君」から巻一二「拾遺」まで二二六項から成る。巻四に「神仙」「鬼神」「卜筮」「巫者」がある。

恕軒文鈔 じょけんぶんしょう  <著>信夫恕軒(一八三五―一九一〇年)明治期の漢学者。字は文則、別号は天倪。東京、信夫恕軒刊、明治一〇―二一年、和五冊。

諸国怪談空穂猿 しょこくかいだんうつほざる 御伽空穂猿 おとぎうつほざる

諸国怪談実記 しょこくかいだんじっき  二編五巻五冊。<著>春名忠成(未詳)江戸中期の歌人・商家。<版>安永一〇(一七八一)年。<内>巻一は「神感譜」として三話、巻二は五話、巻三は「霊仏譜」として三話とほか一話、巻四は「名歌譜」として二話とほか二話、巻五は三話から成る。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

諸国怪談集 しょこくかいだんしゅう  一冊。<著>未詳。<内>「大坂御城中にて淀殿亡魂と御城代対話の事」「古木燐火の事」「老狐尺八をかんずる事」「天狗演説の事」など三六話から成る。<蔵>哲学堂文庫(写本)

諸国奇談西遊記 しょこくきだんさいゆうき 西遊記 さいゆうき

諸国奇談東遊記 しょこくきだんとうゆうき 東遊記 とうゆうき

諸国奇談漫遊記 しょこくきだんまんゆうき 周遊奇談 しゅうゆうきだん

諸国奇遊談 しょこくきゆうだん 奇遊談 きゆうだん

諸国古寺談 しょこくこじだん 本朝因縁諸国古寺談 ほんちょういんねんしょこくこじだん

諸国故事談 しょこくこじだん  未詳。

諸国新百物語 しょこくしんひゃくものがたり  五巻五冊。<著>未達(?―一六九六年)江戸前期の俳人・浮世草子作者・書肆。姓は西村、名は久重、号は未達・俳林子・嘯松子など。<別>『新百物語』。<成><版>元禄五(一六九二)年。<内>全二二話の短編小説集。怪異譚や男色、町人物など雑多な話を集めたもの。『御伽比丘尼』貞享四(一六八七)年の改題本。<活>『近代日本文学大系』「怪異小説集」、『徳川文芸類聚』四。

諸国独吟集 しょこくどくぎんしゅう  二巻二冊。<著>編・元隣(一六三一―七二年)江戸前期の俳人・仮名草子作者。本名は山岡新三郎、字は徳甫、別号は玄水・而慍斎など。<成>寛文一二(一六七二)年序。<内>俳諧。<蔵>天理図書館錦屋文庫。

諸国噺 しょこくばなし  四冊。<著>二幸(未詳)。<成>弘化三(一八四六)年。<内>見聞記。<蔵>国立国会図書館。

諸国便覧 しょこくべんらん  五巻五冊。<著>夾撞散人(未詳)。<別>『奇談諸国便覧』。<成><版>享和二(一八〇二)年。<内>おもに京都・大阪・兵庫・滋賀地方の奇談を集めたもの。巻一・五話、巻二・五話、巻三・九話、巻四・七話、巻五・一〇話、「祇園神の木」から「保津の川鼠」までの計三六話から成る。<蔵>哲学堂文庫。

諸国里人談 しょこくりじんだん  五巻五冊。<著>菊岡沾涼(一六八〇―一七四七年)江戸中期の著述家・俳人。名は光行。別号は南仙・独南斎など。<版>寛保三(一七四三)年。<内>随筆。巻一を神祇・釈教、巻二を奇石・妖異、巻三を山野・光火、巻四を水辺・生植、巻五を気形・器用に分けて、日本全国の珍談・奇説を記載したもの。<活>『帝国文庫』「紀行文集」、『日本随筆大成』新版二期二四(旧版二期一二)

諸子彙函 しょしいかん  二六巻・談薮一巻。<著>帰有光(一五〇六―七一年)明の文学者。字は煕甫、号は震川。<内>諸子の語を彙集したもの。

諸神記 しょじんき  三巻三冊。<著>卜部兼敦(一三六八―一四〇八年)南北朝・室町時代の神職・歌人。家名は吉田、兼敦は名。<別>『諸社根元記』。<内>上巻は天神地祇座数、日本国中大小神社鎮座を定めることから、日前神社、国県神社のことまで、中巻は広継事、藤森社のことから和光のことまで、下巻は天神七代、『日本書紀』のことから磯宮のことまで、諸社および神道の雑事が解説され、『諸社根元記』と酷似していることから、それをもとにして書かれたものという。<蔵>国学院大学(写本)

除睡鈔 じょすいしょう  八巻八冊。<著>盤察(?―一七三〇年)江戸前・中期の浄土宗の布教僧。号は厚誉・不絶。<別>『説法因縁除睡鈔』、『三国事蹟 除睡鈔』。<成><版>享保六(一七二一)年。<内>滑稽的因縁雑話を集録したもの。<活>『説法因縁除睡鈔』(明治一八年)

諸説弁断 しょせつべんだん  三巻三冊。<著>馬場信武(?―一七一五年)江戸前期の医者・軍記作者。本姓は源、名は信武、字は玄俊、号は時習斎・梅翁軒、医者名は尾田玄古。<成>正徳四(一七一四)年序。<版>同五年。<内>年中行事や風習に関するものなど六八条から成る。「鬼門ノ弁」「竃神ノ弁」「鍾馗大臣ノ弁」「雪隠ノ弁」などがある。<複>『影印日本随筆集成』二。

諸天伝 しょてんでん  未詳。

庶物類纂 しょぶつるいさん  一〇〇〇巻・増補五四巻。<著>稲生若水(一六五五―一七一五年)江戸前期の本草家・漢学者。名は宣義、字は彰信、若水は号。増修・丹羽正伯(一六九一―一七五六年)江戸中期の本草家。名は貞機・元機、字は哲夫、号は称水斎、正伯は通称。<成>元文三(一七三八)年。<内>本草。各地の物産を調査して、草・花・水・火・石・穀・虫など、二六類三五九〇種を収録したもの。名称・異名・産地・性質・効用などを詳述している。<蔵>国立国会図書館。

如蘭社話 じょらんしゃわ  未詳。

白河燕談 しらかわえんだん  三巻・付録一巻三冊。<著>主一(?―一七四〇年)江戸中期の浄土宗の僧。主一(殊意痴)は法諱、号は竜淵。<成><版>享保一五(一七三〇)年。<内>随筆。<蔵>国立国会図書館。

不知火考 しらぬいこう  一冊。<著>中島広足(一七九二―一八六四年)江戸後期の国学者・歌人。別名は春臣・弘足、号は橿園・田翁など。<成>天保六(一八三五)年序。<内>不知火について和漢の書を引いて考察したもの。「不知火出処海陸地理之図」、「宇土山上観火図」付き。<活>『中島広足全集』二。

事類全書 じるいぜんしょ  未詳。

神異経 しんいけい  一巻。<著>未詳。<内>地理・異物について記した書。<活>『漢魏叢書』六三、『五朝小説』五、『説郛』六六、『百子全書』六四、『竜威秘書』五、『和刻本漢籍随筆集』一三。

神易選 しんえきせん  一冊。<著>新井白蛾(一七一五―九二年)江戸中期の儒学者・易断家。名は祐登、字は謙吉、別号は古易館。<別>『肩祓占亀卜占 神易選』。<成><版>明和七(一七七〇)年。<内>占卜。<蔵>京都大学。

人家必用小成 じんかひつようしょうせい  一冊。<著>高井蘭山(一七六二―一八三八年)江戸後期の戯作者。名は伴寛、字は思明(子明とも)、別号は三遷・哂我・宝雪庵。<別>『日用重宝 人家必用小成』、『日用調法 人家必用』。<成><版>天保八(一八三七)年。<内>日常生活での心得や経済のことなどを記したもの。「硯水寒中氷ざる伝」「脚気の咒」「金銀利足便覧」「米相場便覧」などがある。<蔵>哲学堂文庫。

慎夏漫筆 しんかまんぴつ  四巻四冊。<著>西島蘭渓(一七八〇―一八五二年)江戸後期の儒学者。名は長孫、字は元齢、別号は坤斎・孜孜斎。<成>弘化四(一八四七)年。<内>漢文随筆。日本や中国の異聞・奇談、書物の話、考証など、見聞したことを書き集めたもの。<複>『影印日本随筆集成』一〇。

心経 しんぎょう 般若波羅蜜多心経 はんにゃはらみたしんぎょう

塵荆博問鈔 じんぎょうはくもんしょう  四巻四冊。<著>未詳。<版>元禄八(一六九五)年。<内>巻一から巻三までが「釈門篇」で釈迦出世の因縁・大蔵経結集・宗乗の機縁・天台宗・比叡山の開闢・真言宗から浄土宗までの略説・仏心宗・菩提心の義となっており、巻四は「儒門篇」で儒門道統略説となっている。<蔵>哲学堂文庫。

神系図 しんけいず  一冊。<著>堀杏庵(一五八五―一六四二年)江戸前期の儒学者。名は正意、字は敬夫、別号は杏隠など。<内>神道。<蔵>国学院大学図書館。

新語園 しんごえん  一〇巻一〇冊。<著>浅井了意(一六一二―九一年)江戸前期の僧・仮名草子作者。了意は法号。別号は瓢水子・松雲など。<成>延宝九(一六八一)年序。<版>天和二(一六八二)年。<内>一条兼良の『語園』にならい、人物・山岳・自然・鳥獣などの奇談・説話を、引用の漢籍の出典を示して仮名交じり文で記したもの。五〇八項から成る。<活>『古典文庫』。

新古今集 しんこきんしゅう 新古今和歌集 しんこきんわかしゅう

人国記 じんこくき  二巻。<著>未詳。<別>『改正 人国記』、『日本各国風土図説』、『六十余州人国記』。<成>一五〇二―一五七三年ころ。<版>元禄一四(一七〇一)年。<内>地誌。畿内五カ国から西海道九カ国までを八群に分けて、各国の住民の人情・気質を風土との関係において記述している。<活>『改定 史籍集覧』一七、『日本哲学思想全書』一九、『美濃叢書』二。

新古事談 しんこじだん  五巻五冊。<著>井沢蟠竜(一六六八―一七三〇年)江戸中期の神道家。名は長秀、別号は蟠竜子・亨斎。<成><版>元文二(一七三七)年。<内>奇談。巻一「毘沙門を信じて不レ思して徳ある事」から巻五「大矢助たけのふ事」まで二二条から成る。絵入り。<蔵>哲学堂文庫(五巻一冊)

人狐弁惑談 じんこべんわくだん  一冊。<著>陶山尚廸(一七五八―一八四五年)江戸後期の医者。<成><版>文政元(一八一八)年。<内>怪談による惑いのために奇禍を招くことがあることを嘆いて、九州の河太郎・四国の猿神・備前の犬神・その他の各地にある妖怪の非理なることを説示したもの。<活>『医聖堂叢書』。

真言伝 しんごんでん  七巻七冊。<著>栄海(一二七八―一三四七年)鎌倉・南北朝時代の真言宗の僧。号は慈尊院僧正・民部卿僧正。<版>正保三(一六四六)年。<内>真言系の高僧伝。インド・中国・日本三国にわたって、不思議霊験の事跡に富んだ高僧や居士の伝を、本伝、日記、伝説などによって書き集めたもの。<活>『国文東方仏教叢書』二輯伝記、『大日本仏教全書』真言付法伝外七部。

心地観経 しんじかんぎょう 大乗本生心地観経 だいじょうほんじょうしんじかんぎょう

神社啓蒙 じんじゃけいもう  七巻八冊。<著>白井宗因(未詳)江戸前期の国学者。号は白雲山人・自省軒、宗因は通称。<成>寛文七(一六六七)年自序。<版>同一〇(一六七〇)年。<内>全国主要神社の概説書。<活>『大日本風教叢書』八。

神社考 じんじゃこう 本朝神社考 ほんちょうじんじゃこう

神社考志評論 じんじゃこうしひょうろん  三巻一冊。<著>澄円(未詳)江戸前期の僧。<成>延宝五(一六七七)年。<版>同七年。<内>林羅山の『本朝神社考』を反駁したもの。

神社考邪排仏教論 じんじゃこうじゃはいぶっきょうろん  二巻二冊。<著>寂本(一六三一―一七〇一年)江戸前期の真言宗の僧。字は雲岫・運周、号は雲石堂。<成><版>貞享三(一六八六)年。<内>仏教。<蔵>大谷大学。

神社考弁疑 じんじゃこうべんぎ 神社考邪排仏教論 じんじゃこうじゃはいぶっきょうろん

新沙石集 しんしゃせきしゅう 新撰沙石集 しんせんしゃせきしゅう

真宗御文指示珠 しんしゅうおふみしじしゅ  未詳。御文五帖一部示珠指のことか。 御文五帖一部示珠指。

晋書 しんじょ  一三〇巻。<著>房玄齢(五七八―六四八年)唐初の功臣。字は喬/褚遂良(五九六―六五八年)唐初の名臣・書道の大家。字は登善/その他著。<内>唐の太宗の命により、晋から六朝の間に成った有名な十八家の晋史を参考にして、臧栄緒の「晋書」をもとに編纂したもの。列伝第六七巻の「東夷伝」中に日本の記事がある。<活>『和刻本正史』。

新序 しんじょ  一〇巻。<著>劉向(前七七〔七九〕―前六〔八〕年)前漢末の思想家。字は子政。<内>春秋から漢初の時代までの人物の伝記・逸話を集めたもの。<活>『漢魏叢書』三四、『四部叢刊』三二六―三二七、『百子全書』七―八。

心性罪福因縁集 しんしょうざいふくいんねんしゅう  三巻一冊。<著>未詳。注・智覚(未詳)宋の僧。<版>元禄一三(一七〇〇)年。<内>迷える凡夫の心と、清浄円満の仏と、一切衆生との三つは等しくて異なることがない(心仏及衆生是三無差別)という理を強調し、諸法実相の理を説いている。全二五項から成る。<活>『卍字続蔵経』二・乙・二二・三。

尋常小学修身書 じんじょうしょうがくしゅうしんしょ 

 <内>明治三七(一九〇四)年四月から使用された尋常小学校用の国定修身教科書。明治三三年に発足した修身教科書調査委員会によって、教育勅語を根本とし、徳目主義と人物主義とを併用するという基本方針のもとに編集された。明治四三(一九一〇)年から修正された第二期の尋常小学修身書、大正七(一九一八)年からさらに修正された第三期の尋常小学修身書が発行使用された。

晋書五行志 しんじょごぎょうし  <内>『晋書』一〇志の一。 晋書。

新斉諧 しんせいかい  二四巻・続一〇巻。<著>袁枚(一七一六―九八年)清の文学者。字は子才、号は簡斎。<成><版>乾隆五三(一七八八)年。<内>奇事・異談を記したもの。もと『子不語』といったが、同じ題のものがあるので『新斉諧』と改めた。<活>『随園二十八種』、『随園三十種』。<訳>『中国古典文学全集』、『中国古典文学大系』。

神世紀 しんせいき  未詳。

神籖五十占 しんせんごじゅううらない 神籖五十占 みくじごじっせん

新撰沙石集 しんせんしゃせきしゅう  未詳。

神仙伝 しんせんでん  一〇巻。<著>葛洪(二八三―三四三年)東晋の学者。字は稚川、号は抱朴子。<成>四世紀ころ。<内>仙人八四人の伝を記し、『列仙伝』未載のものを補録したもの。<活>『漢魏叢書』三〇、『五朝小説』三、『説郛』五八。

新撰八卦 しんせんはっけ 新撰八卦鈔 しんせんはっけしょう

新撰八卦鈔 しんせんはっけしょう  二巻一冊。<著>未詳。<別>『新撰八卦』、『重考新撰陰陽八卦鈔』。<成><版>未詳。<内>占卜。三八卦数様のこと、当卦腰懸の吉凶占、九曜の星繰様などを載せている。<蔵>哲学堂文庫(上巻の最初数頁欠落)

新撰六帖題和歌 しんせんろくじょうだいわか  六巻。<著>藤原家良(一一九二―一二六四年)・同為家(一一九八―一二七五年)・同知家(一一八二―?年)・同信実(一一七六―?年)・同光俊(一二一〇―七六年)鎌倉時代の歌人。<別>『新撰六帖』、『新撰和歌六帖』、『寛元和歌六帖』。<成>寛元(一二四三―四六年)ころ。<版>万治三(一六六〇)年。<内>『古今和歌六帖』の歌題について前記五名が一首ずつ、計五二七首を詠じ、これを歌題ごとに部類して六帖にまとめ、相互に批点を加えたもの。歌数は二六三五首。<複>『日本古典文学影印叢刊』(穂久迩本)。<活>『続々群書類従』一四、『新編国歌大観』二。

神相全編 しんそうぜんぺん 神相全編正義 しんそうぜんぺんせいぎ

神相全編正義 しんそうぜんぺんせいぎ  三巻三冊。<著>陳搏(?―九八九年)北宋の道士。字は図南、号は扶揺子・希夷先生/訂・袁忠徹/注・石竜子。<成>文化二(一八〇五)年序。<版>同四年。<内>人相学の書。<蔵>哲学堂文庫。

神僧伝 しんそうでん  九巻。<著>未詳。<内>漢の摩騰から元の膽巴(一二三〇―一三〇三年)までの二〇八人の神異をもって知られる僧の伝記を集めたもの。<活>『大正新脩大蔵経』五〇(二〇六四)

新総房 しんそうぼう  日刊。千葉、新総房新聞社。明治三〇(一八九七)年一〇月一〇日創刊、大正一〇(一九二一)年廃刊。<内>国民系・憲政系紙。

新続古事談 しんぞくこじだん  五巻五冊。<著>井沢蟠竜(一六六八―一七三〇年)江戸中期の神道家。名は長秀、別号は蟠竜子・亨斎。<成><版>天文二(一七三七)年。<内>奇談集。<蔵>国立国会図書館。

神代巻 じんだいかん 日本書紀 にほんしょき

神代記巻 じんだいきかん 日本書紀 にほんしょき

神代教義解 しんだいきょうぎかい  <著>久保季玆(一八三〇―一八八六年)幕末・明治前期の医者・神道家。季玆は名、号は琴書・杉乃舎・静園など。<内>神道。

神代口訣 じんだいくけつ  五巻五冊。<著>忌部正通(未詳)室町前期の神道家。<別>『神代巻口訣』、『日本紀神代口訣』、『日本書紀口訣』、『日本書紀神代巻口訣』。<成>貞治五(一三六三)年。<内>『日本書紀』「神代巻」の注釈書。宋学の理気説による神道説をもって「神代巻」の要点を注釈している。<活>『国民思想叢書』国体編上、『大日本風教叢書』四、『日本精神文献叢書』三。

神代講述抄 じんだいこうじゅつしょう 神代巻講述抄 じんだいのまきこうじゅつしょう

心体相関運用 しんたいそうかんうんよう  未詳。

神代巻講述抄 じんだいのまきこうじゅつしょう  五冊。<著>出口延佳(一六一五―九〇年)江戸前期の神宮祠官・神道学者。号は直菴・講古堂、本姓は度会。<成>寛文一二(一六七二)年序。<内>『日本書紀』神代巻の講義。高弟の山本広足が筆記したもの。

津逮秘書 しんたいひしょ  一五集。<著>編・毛晋(一五九九―一六五九年)明末の学者・蔵書家。字は子晋、号は潜在。<内>叢書名。経史・詩話・随筆・書画などに関する古書一四四種を集載している。

秦中歳時記 しんちゅうさいじき  未詳。

新著聞集 しんちょもんじゅう  一八巻八冊または六冊。<著>一雪(一六三一―?年)江戸前期の俳人。姓は椋梨・成田・藤原、別号は冨士丸・隠山・牛露軒・柳風庵/編・神谷養勇軒。<成><版>寛延二(一七四九)年。<内>一雪序の『続著聞集』を編集しなおして出版したもので、珍談・奇説・遺事など「忠孝」から「雑事」まで一八編に分け、さらに細目して計三七六話を収めた説話集。<活>『続帝国文庫』「近世奇談全集」、『日本随筆大成』新版二期五(旧版二期三)

審鎮要記 しんちんようき  未詳。

塵滴問答 じんてきもんどう  一冊。<著>未詳。<別>『塵滴問答集』、『ぢんてき問答』。<版>天文二二(一五五三)年、元和古活字版。<内>白山参詣の老僧妙塵坊と三〇余歳の商人(のち出家して善滴)との問答という形式で、渡唐の祖師、日本国の開闢、神明の存在、連歌など二〇余項目のすべてについて仏法と結びつけて、仏教の信ずべきことを説いたもの。書名は妙塵坊と善滴に由来する。<活>『続群書類従』三二輯上。

塵添壒嚢鈔 じんてんあいのうしょう 壒嚢鈔 あいのうしょう

新童子手習鑑 しんどうしてならいかがみ  一冊。<著>編・画・暁鐘成(一七九三―一八六〇年)江戸後期の読本作者・絵師。本名は木村啓明、別号は鶏鳴舎・漫戯堂・暁晴翁など。<内>往来物。<蔵>哲学堂文庫。

新唐書 しんとうじょ  二二五巻。<著>編・欧陽脩(一〇〇七―七二年)北宋の政治家・学者。字は永叔、号は酔翁/その他編。<成>一〇六〇年。<内>唐代の歴史を記した書で、『旧唐書』を改修したもの。

神童憑談 しんどうひょうだん 仙境異聞 せんきょういぶん

神道名目類聚抄 しんとうみょうもくるいじゅしょう  六巻六冊。<著>城西野殿某(未詳)。<成>元禄一二(一六九九)年序。<版>元禄一五(一七〇二)年。<内>神道に関する名目を類集して解説した一種の辞典。「宮社」から「雑」まで八部門に分け、さらに細目して、挿絵を豊富に入れて説明している。<活>『神道名目類聚抄』(明治三五年、昭和一九年)

神皇正統記 じんのうしょうとうき  <著>北畠親房(一二九三―一三五四年)南北朝時代の公卿、南朝の政治的・思想的指導者。<成>延元四(一三三九)年、興国四(一三四三)年修訂。<版>慶安二(一六四九)年。<内>神代から後村上天皇までを叙述した歴史書。皇位継承は常に君徳ある正統の天子に伝えられ、それを象徴するものが三種の神器であるとする。<複>『阪本竜門文庫覆製叢刊』、『天理図書館善本叢書』「神皇正統記諸本集」。<活>『岩波文庫』、『群書類従』帝王、『校註国文叢書』一八、『校註日本文学大系』一八、『国民思想叢書』国体編中、『新註皇学叢書』六、『日本国粋全書』六、『日本古典全集』五期、『日本古典文学大系』八七、『日本思想叢書』一〇、『日本精神文献叢書』四、『日本哲学思想全書』三、『日本哲学全書』一〇、『有朋堂文庫』。

人物故事 じんぶつこじ  二冊。<著>川関惟充(未詳)享和・文化(一八〇一―一八年)ころの戯作者。惟充は名、号は川関楼琴川。<別>『早引人物故事』、『早引故事大成』。<版>文政八(一八二五)年。<内>童蒙のためのいろは順の人物故事辞典。出典も記している。<蔵>哲学堂文庫。

神仏冥応論 しんぶつめいおうろん  五巻五冊。<著>日達(一六七四―一七四七年)江戸中期の日蓮宗の学僧。号は了義院。<別>『神仏冥応編』。<成><版>享保五(一七二〇)年。<内>神儒二教に対して批判を加えたもの。<蔵>国立国会図書館。

神不滅論 しんふめつろん 明仏論 みょうぶつろん

神変仙術錦嚢 しんぺんせんじゅつきんのう 神変仙術錦嚢秘巻 しんぺんせんじゅつきんのうひかん

神変仙術錦嚢秘巻 しんぺんせんじゅつきんのうひかん

 二巻二冊。<著>入江貞庵(未詳)。<成><版>享保一一(一七二六)年。<内>「夫婦愛あしきを相愛する術」など、まじないについて記したもの。「鎮化仙術門」「変化仙術門」「禳化仙術門」「雑化仙術門」に分けて記述している。絵入り。<蔵>哲学堂文庫(二巻一冊)

神明憑談 しんめいひょうだん 神明憑談 かんがかり

神幽弁論 しんゆうべんろん  未詳。

晋陽秋 しんようしゅう  <著>孫盛(未詳)晋の人。字は安国。<内>史書。

堪余経 じんよきょう  未詳。

震雷記 しんらいき  一冊。<著>後藤梨春(一六九六―一七七一年)江戸中期の本草学者・蘭学者。名は光生、号は梧桐庵、字は梨春。<成><版>明和四(一七六七)年。<内>明和二(一七六五)年七月二二日に相州大山に落ちた雷獣および加賀白山の雷鳥について、従来の陰陽二気による説明を批判している。<活>『随筆文学選集』七。

真理易学 しんりえきがく  未詳。

心理学 しんりがく  三巻三冊。<著>約瑟奚般(Joseph Haven.一八一六―七四年)アメリカの哲学者(アマースト大学精神哲学・道徳哲学教授)。<訳>西周(一八二九―九七年)明治期の官僚・啓蒙思想家。初版・・東京、文部省、明治八―九(一八七五―七六)年、一二二丁。再版・・明治一一―一二(一八七八―七九)年に上下二巻本として刊行された。以後、明治一四年一〇月(小笠原美治刊・報告社・内田芳兵衛刊・前田長善刊)、一五年、一六年、二〇年と刊行された。<内>日本で最初の心理学書。心理学という術語を創出するとともに多くの学術用語を創造した。〔原書〕 Mental philosophy, including the intellect, sensivilities and will, 1857.

心理学 しんりがく  一冊。<著>元良勇次郎(一八五八―一九一二年)明治期の心理学者。東京、金港堂、明治二三(一八九〇)年、二七二頁。<内>日本で最初に翻案ではなく書かれた心理学の書。

心理書 しんりしょ  <著>W・B・カーペンター(Carpenter, W. B. 一八一三―八五年)イギリスの生理学者。<内>原題は『精神生理学の原理』。このなかにテーブル・ターニング、テーブル・トーキングの話も出ている。〔原書〕 Principles of mental physiology, 1874.

心理摘要 しんりてきよう  一冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育者。号は甫水。不思議庵主人と称す。東京、哲学書院、明治二〇(一八八七)年、一六二頁。巻末に「心理学試験問題」付。<内>心理学の大綱を記したもの。成立学舎女子部の教科書として執筆された。日本ではじめての心理学史。

心理療法 しんりりょうほう  一冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育者。号は甫水。不思議庵主人と称す。東京、南江堂書店、明治三七(一九〇四)年、一八六頁。<内>あらゆる病気に心理療法が必要である理由を述べたもの。総論、身心二面論、内外二科論、印度・シナ・西洋医法論、巫医関係論・身心関係論、精神起病論、精神治病論、心理療法論、結論から成る。

人倫訓蒙図彙 じんりんきんもうずい  七巻七冊。<著>未詳/画・蒔絵師源三郎(未詳)江戸前期の浮世絵師。姓名は未詳。元禄年間(一六八八―一七〇四年)の人。<別>『所作入由来入 人倫訓蒙図彙』。<版>元禄三(一六九〇)年。<内>生業職分を略説した図解便覧。公家・武士・僧侶・能芸・作業・商人・細工人・職人・遊里・芝居・勧進餬を収め、元禄時代の風俗資料として重要である。<複>『家政学文献集成』続編江戸期九、『稀書複製会叢書』二期、『珍書刊行会画譜』、『日本古典全集』三期。

神霊経 しんれいきょう  未詳。

新六帖 しんろくじょう 新撰六帖題和歌 しんせんろくじょうだいわか

随意録 ずいいろく  八巻八冊。<著>冢田大峯(一七四五―一八三二年)江戸後期の儒学者。名は虎、字は叔貔、大峯は号。<成>文政八(一八二五)年序。<版>文政一二(一八二九)年。<内>漢文随筆。経子・史伝・文芸・逸話・俚言・俗事などの見聞したこと、および考古学や民俗学などの学問上のことを記したもの。<活>『日本儒林叢書』一。

瑞応塵露集 ずいおうじんろしゅう  六巻六冊。<著>超海(未詳)江戸中期の真言宗の僧。別名は通性。<別>『薬師如来瑞応塵露章』。<成><版>享保一八(一七三三)年。<内>薬師如来に関する感応・霊験などを集めたもの。<蔵>哲学堂文庫。

水経 すいけい  四〇巻。<著>未詳。<内>河川(揚子江・黄河以下四〇余の本流と支流)の流路を記したもの。北魏の酈道(〔?―五二七年〕北魏の地理学者)の『水経注』(四〇巻)として伝わっている。

水経注 すいけいちゅう 水経 すいけい

隋書 ずいしょ  八五巻。<著>魏徴(五八〇―六四三年)唐初の功臣・学者。字は玄成、諡は文貞。<成>帝紀・列伝は貞観一〇(六三六)年。<内>正史「三十四史」の一。奉勅撰。三帝紀五巻・一〇志三〇巻・五〇列伝五〇巻から成る。隋の文帝の開皇元(五八一)年から恭帝の義寧二(六一八)年まで、隋朝三八年間の歴史を記したもの。

随疏演義鈔 ずいしょえんぎしょう 大方広仏華厳経随疏演義鈔 だいほうこうぶつけごんぎょうずいしょえんぎしょう

雖知苦庵養生物語 すいちくあんようじょうものがたり  一冊。<著>曲直瀬一渓(一五〇七―九四または九五年)室町・安土桃山時代の医者。名は正盛・正慶、通称は道三(初世)、一渓は字、号は雖知苦庵。<別>『道三翁養生物語』、『養生物語』。<版>天保三(一八三二)年。<内>養生について一渓が人に語ったことを記録したもの。<活>『日本衛生文庫』一、『日本教育文庫』「衛生及遊戯篇」。

水東説略 すいとうせつりゃく  未詳。

水土解弁 すいどかいべん  二巻二冊。<著>西川如見(一六四八―一七二四年)江戸前・中期の天文暦算家・地理学者。名は忠英、別号は恕軒・求林斎など。<内>日本独自の風土のすぐれたものである理由を、他国との地理的条件の相違から述べた地理書。<活>『岩波文庫』、『西川如見遺書』一二、『水土解弁』(明治三三年)

瑞兎奇談 ずいときだん  一冊。<著>大畑春国(一八一八―七五年)江戸後期・明治前期の国学者。<成>慶応元(一八六五)年序。<内>兎の奇瑞の起源について、和漢の書を引いて説明したもの。<蔵>哲学堂文庫。

瑞命記 ずいめいき  未詳。

蒭蕘集 すうじょうしゅう  七巻七冊。<著>日義(一七二九―六五年)江戸中期の日蓮宗の僧。字は旨広、号は黄華院。<版>寛政七(一七九五)年。<内>巻一「経首如是」「自法愛染」「約教釈文旨」、巻二「劫初劫尽」「釈迦出時」「慈氏興時」「小災現起」「劫量重説」「信法二行」、巻三「通教教主」「昔円開否」、巻四「別序爾時」「法用文旨」「秘妙文旨」「方便品目」、巻五―巻七「教門宗要」「但双二軏」から成る。<蔵>哲学堂文庫。

図解欧米人相学 ずかいおうべいにんそうがく  <著>宝列爾(Pauler)。三橋村雄・江口武寿訳、会田愛三郎校、東生鉄五郎刊、明治一八(一八八五)年、一一四頁。<内>相法。

宗鏡録 すぎょうろく  一〇〇巻。<著>延寿(九〇四―九七五年)法眼宗の僧。字は沖玄・抱一子。<成>北宋の建隆元(九六一)年。<内>大乗教の経論、インド・中国の聖賢の著書、禅僧の語録、戒律書、俗書などを広く渉猟して、法相・三論・華厳・天台などの教義を折衷し、一心法門の禅に融合させた書。<活>『大正新脩大蔵経』四八(二〇一六)

宿曜経 すくようきょう 文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経 もんじゅしりぼさつぎゅうしょせんしょせつきっきょうじにちぜんあくすくようきょう

墨色指南 すみいろしなん  <著>未詳。<内>占卜。

墨色小筌 すみいろしょうせん  一冊。<著>鶴峯戊申(一七八八―五九年)江戸後期の国学者。戊申は名、字は世霊・季尼、号は皇舎・海西。<別>『鼇頭定本 墨色小筌』。<成><版>文政元(一八一八)年。<内>墨色による占卜。<蔵>哲学堂文庫。

墨色伝 すみいろでん  一冊。<著>佐藤止矜(未詳)。<成><版>安永四(一七七五)年。<内 墨色による占卜。<蔵 哲学堂文庫。

墨色早指南 すみいろはやしなん  二巻一冊。<著>朝見五通(未詳)。<成><版>文政七(一八二四)年。<内>占卜。

駿台雑話 すんだいざつわ  五巻五冊。<著>室鳩巣(一六五八―一七三四年)江戸中期の儒学者。名は直清、字は師礼・汝玉、別号は滄浪。<別 『鳩巣先生随筆』。<成>享保一七(一七三二)年自序。<版>寛延元(一七三二)年。<内>学問・道徳に関する随筆。江戸駿河台の自邸で門人の質疑に答えた、学者や武人の心得、見聞した逸話などを書きとめて、全八二章に編集したもの。<活>『岩波文庫』、『新釈日本文学叢書』二輯八、『続国民文庫』「随筆集」、『日本随筆全集』三、『日本随筆大成』新版三期六(旧版三期三)、『日本倫理彙編』七、『有朋堂文庫』「名家随筆集」上、『駿台雑話』(明治四〇年)

西域記 せいいきき 大唐西域記 だいとうさいいきき

西域聞見録 せいいきぶんけんろく  『西域見聞録』のことか。八巻。<著>七十一(未詳)清の人。<内>西域に在住して見聞したことを記録したもの。

晴雨記 せいうき  未詳。

説苑 ぜいえん  二〇巻。<著>劉向(前七七?―前六年)漢の学者。<内>上代より漢代までの故事説話集。「君道」から「反質」まで二〇編に分けている。<活>『漢魏叢書』四九―五三、『四部叢刊』三二八―三三三、『百子全書』九―一一。<訳>『訳註劉向説苑』(東明書院)、『有朋堂漢文叢書』。

斉諧 せいかい  <内>怪談を記した古書の名。

清外史 せいがいし  未詳。

聖学自在 せいがくじざい  三巻三冊。<著>新井白蛾(一七一五―九二年)江戸中期の儒学者・易断家。名は祐登、字は謙吉、別号は古易館。<成><版>安永六(一七〇九)年。<内>「学問の本意」「天下の風俗」「愚者の弁」「妖怪の説」「煙草の礼」「陽明学の変」「列子」「心神」など、全八六項にわたり自在に論じた随筆集。<活>『白蛾全集』二。

惺窩文集 せいかぶんしゅう  五巻続三巻。<著>藤原惺窩(一五六一―一六一九年)織豊・江戸前期の儒学者。名は粛、字は斂夫、別号は柴立子・北肉山人など。<成>寛永四(一六二七)年序。<版>承応三(一六五四)年。<内>惺窩の遺稿を林羅山が五巻に編集し、菅得菴がその遺漏を補って続編三巻にまとめたもので、手簡・和歌・詩文・題賛類などを載せている。<活>『藤原惺窩集』上。

正義 せいぎ  未詳。

星経 せいけい  一巻。<著>未詳。<内>天文のことを記し、それに関連した神話・伝説も載せている。甘氏星経・石氏星経などがある。

西京雑記 せいけいざっき  六巻。<著>劉歆(前五三ころ―後二三年)前漢の学者。字は子駿/葛洪(二八四―三六四年)西晋の道士。字は稚川、号は抱朴子。<成>未詳。<内>前漢の逸聞・瑣事・物異・伝説などの雑事を録したもの。<活>『漢魏叢書』、『龍威堂叢書』、『抱経堂叢書』、『津逮秘書』一〇、『四部叢刊』、『学津討原』六、『和刻本漢籍随筆集』一三。

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妖怪学参考図書解題

静軒痴談 せいけんちだん  二巻二冊。<著>寺門静軒(一七九六―一八六八年)江戸後期の儒学者。名は良、字は子温、別号は克己・蓮湖。<別>『痴談』。<内>風俗・故実・演劇など、多様な事柄について諸説の抄録や自説を展開したもの。<活>『日本随筆大成』新版二期二〇(旧版二期一〇)、『静軒痴談』(明治八年)

贅語 ぜいご  六帙一四冊七〇編。<著>三浦梅園(一七二三―八九年)江戸中期の哲学者。名は晋、字は安貞のち安鼎、別号は孿山・洞仙・東浚居士など。<成>宝暦六(一七五六)年―寛政元(一七八九)年。<版>天明六(一七八六)年。<内>梅園条理哲学の方法によって、天文・地理・生理・倫理・歴史・宗教など、自然と人生に関する古今東西のあらゆる学説を検討し批評している。<活>『梅園全集』上。

盛氏荊州記 せいしけいしゅうき  未詳。

正史実録 せいしじつろく  未詳。

正字通 せいじつう  一二巻。<著>張自烈(未詳)。<内>字書。梅膺祚の『字彙』の誤りを訂正し、訓詁を増補している。

斉書 せいしょ 南斉書 なんせいしょ

精神啓微 せいしんけいび  <著>呉秀三(一八六五―一九三二年)明治・大正・昭和の精神病・医史学者/閲・榊俶。<別>『脳髄生理 精神啓微』。松崎留吉刊、明治二二(一八八九)年、一六二頁。

精神病学 せいしんびょうがく  <著>H・シュウレ(Heinrich Schu¨le, 未詳)/編訳・江口襄(未詳)。東京、英蘭堂、明治二〇(一八八七)年、二二六頁。増補二版(二九三頁)が明治二一年に出版された。

醒睡笑 せいすいしょう  八巻三冊。<著>策伝(一五五四―一六四二年)安土桃山・江戸前期の浄土宗の僧。落語家の祖。号は安楽庵。<成>元和九(一六二三)年序。<版>寛永年間(一六二四―四四年)版。<内>種々の滑稽諧謔の談話を集録したもの。巻一の「名津希親方」から巻八の「祝済多」まで全四二項から成る。<複>『近世文芸資料』。 <活>『角川文庫』、『近代日本文学大系』「落語滑稽本集」、『国文東方仏教叢書』一輯文芸上、『滑稽文学全集』九、『古典文庫』、『続国民文庫』「滑稽本集」、『続帝国文庫』「落語全集」、『日本随筆大成』新版三期四(旧版三期二)、『百万塔』、『有朋堂文庫』。

西籍慨論>せいせきがいろん  四巻四冊。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<別>『儒道大意』、『西籍慨論講本』。<成>文化八(一八一一)年。<版>安政五(一八五八)年。<内>中国と日本との交渉のはじめから儒学の成立とその展開、中国乱世のありさま、江戸期の儒者に対する批判などを記したもの。<活>『新修平田篤胤全集』一〇(名著出版)、『平田篤胤全集』一(平田学会)、『平田篤胤全集』九(内外書籍)、『平田篤胤叢書』乾。

斉東野語 せいとうやご  二二巻。<著>周密(未詳)。<内>南宋の旧事を録したもの。<活>『学津討原』一四、『津逮秘書』一五。

西播怪談実記 せいばんかいだんじっき  五巻一冊。<著>春名忠成(未詳)江戸中期の歌人・商家。<成><版>宝暦四(一七五四)年。<内>「姫路皿屋敷の事」「広山村葬場神の咎ありし事」(巻一)、「山崎の狐人を殺せし事」(巻二)、「山脇村慈山寺にて生霊を追いし人の事」(巻三)、「殿町の医師化物に逢いし事」(巻四)など、兵庫県西部の怪談を集めたもの。絵入り。<蔵>哲学堂文庫(四巻一冊)

正卜考>せいぼくこう  三巻三冊。<著>伴信友(一七七三―一八四六年)江戸後期の国学者。号は特・事負。<別>『鹿卜考』。<成>天保一五(一八四四)年自序。<版>安政五(一八五八)年。<内>神代の物語に見える太占を研究したもので、対馬の卜部に伝わる古法をもとに、その道具や次第を、多くのスケッチを添えて記録・考証している。<活>『伴信友全集』二。

清明通変占 せいめいつうへんうらない  五巻五冊。<著>管天子和解(未詳)。<別>『通変占』、『清明通変占秘伝』、『神明通変占』。<成><版>貞享三(一六八六)年。<内>占筮法を記したもの。<蔵>国立国会図書館。

清明通変占秘伝 せいめいつうへんうらないひでん 清明通変占 せいめいつうへんうらない

清明早占 せいめいはやうらない  <著>未詳。<内>占卜。

清明秘伝速占 せいめいひでんそくせん  <著>未詳。<内>占卜。

晴明物語 せいめいものがたり 安倍晴明物語 あべのせいめいものがたり

正蒙 せいもう  一〇巻。<著>張載(一〇二〇―七七年)北宋の思想家。字は子厚、通称は横渠先生。<内>太和・参両・天道・神化・動静・誠明・太心・中正・至当・作者・三十・有徳・有子・太易・楽器・正禘・乾称の一七編から成る。宇宙全体は太虚という無形なものを本体とする気から成り、その気の集散によって万物の生滅があると説く。<活>『張子全書』。

西洋事物起源 せいようじぶつきげん  一冊。<著>渋江保(未詳)。東京、博文館、明治二七(一八九四)年、一八六頁。「寸珍百種」第四六編。

生理学 せいりがく  二冊。<著>永松東海(未詳)。二版。東京、丸屋善七・島村利助刊、明治一三―一四(一八八〇―八一)年、上三六七・下四五九頁。

性理字義 せいりじぎ  二巻二冊。<著>陳淳(一一五九―一二二三年)宋の儒者。字は安卿、号は北渓/注・熊谷茘斎(?―一六九五年)江戸前期の儒学者。名は立閑、字は茘墩、別号は了庵・茘墩散人。<別>『首書 性理字義』、『北渓先生性理字義』。<成><版>寛文一〇(一六七〇)年。<内>巻一「命字」から「忠恕」まで一二章、巻二「誠字」から「鬼神」まで一三章の全二五章から成る。<蔵>哲学堂文庫。

性理字義諺解 せいりじぎげんかい  八巻八冊。<著>林羅山(一五八三―一六五七年)江戸前期の儒学者。名は信勝、字は子信、剃髪して道春。<別>『性理字義抄』。<成>寛永一六(一六三九)年。<版>万治二(一六五九)年。<内>巻一「命字」「性字」から巻七―八「鬼神」まで全一九一条から成る。陳淳『性理字義』の解釈。<蔵>哲学堂文庫。

性理字義抄 せいりじぎしょう 性理字義諺解 せいりじぎげんかい

性理大全 せいりたいぜん  七〇巻。<著>胡広(一三七〇―一四一八年)明初期の官僚・学者。字は光大。<成>明の永楽一三(一四一五)年。<内>宋の道学者一二〇家の説を採集したもの。原書を採録したものは九種(『大極図説』『通書』『西銘』『正蒙』『皇極経世書』『易学啓蒙』『家礼』『律呂新書』『洪範皇極内篇』)、群説を収集して理気・鬼神・性理・道統・聖覧・諸儒・学・諸子・歴代・君道・治道・詩・文の一三門に分けている。

青霊経 せいれいきょう  未詳。

世界国尽 せかいくにづくし  六巻。<訳>福沢諭吉(一八三五―一九〇一年)明治時代の啓蒙思想家。東京、慶應義塾、明治二(一八六九)年。<内>地誌。アジア、アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ等。

積翠閑話 せきすいかんわ  四巻四冊。<著>松亭金水(一七九七―一八六二年)江戸後期の戯作者。本名は中村保定・経年、別号は積翠・拙作堂など/画・梅の本鴬斎(未詳)江戸後期の絵師。別号は梅里・一信亭。<成>嘉永二(一八四九)年序。<版>安政五(一八五八)年。<内>教訓。巻一「穉子の才智」から巻四「横笛」まで、一八条の雑事を記したもの。<活>『日本随筆全集』一四、『日本随筆大成』新版二期一〇(旧版二期五)

世諺問答 せげんもんどう  三巻一冊。<著>一条兼良著(一四〇二―八一年)室町時代の公卿・学者。桃華老人ともいう/補・一条兼冬(一五二九―五四年)公卿・歌人。<成>天文一三(一五四四)年跋。<版>万治三(一六六〇)年。<内>年中行事。年中の節序・故事を問答体に記したもの。「正月をむ月といえること」から「節分におけらをたくこと」まで五一条から成る。兼良が第八条までで中止した後を受け、兼冬が完成させた。<活>『群書類従』雑。

施食通覧 せじきつうらん  一巻。<著>宗暁(一一五一―一二一四年)南宋の天台宗の僧。字は達先、号は石芝。<内>施食に関係する記事を経律類その他より集めた文献集。<活>『卍字続蔵経』二、乙、六、三。

世事談 せじだん 本朝世事談綺 ほんちょうせじだんき

世事百談 せじひゃくだん  四巻四冊。<著>山崎美成(一七九六―一八五六年)江戸後期の雑学者。字は久卿、号は北峰・好問堂・三養居。<成>天保一二(一八四一)年。<版>天保一四(一八四三)年。<内>和漢の故事・故実、世俗の異聞・奇説、そして言語・芸能・天象・博物・宗教など、全一二三条一三八項にわたり記した随筆集。絵入り。<活>『日本随筆大成』新版一期一八(旧版一期九)、『百家説林』正編下。

世説 せせつ 世説新語 せせつしんご

世説故事苑 せせつこじえん  五巻八冊。<著>子登(未詳)江戸中期の僧。<別>『和漢世説故事苑』。<成>宝永七(一七一〇)年序。<版>正徳六(一七一六)年。<内>語彙・風俗。<蔵>哲学堂文庫。

世説雑話 せせつざつわ  二巻四冊。<著>烏有通人(未詳)。<成><版>宝暦四(一七五四)年。<内>巻一「手習のしようの事」から「徹書記は定家の再来の事」まで五〇項、巻二「返哥連句付けにする事」から「志ぶかたひらの事」まで五〇項から成る。<蔵>哲学堂文庫(二巻二冊)

世説新語 せせつしんご  三巻。<著>劉義慶(四〇三―四四四年)六朝時代・宋の文学者。<別>『世説』、『世説新書』。<成>五世紀半ば。<内>後漢末から東晋末にいたる著名人の逸話を、徳行・言語・文学・方正・雅量などの三六門に分けて収録したもの。もとは『世説』八巻であったが、梁の劉孝標が注を加えて一〇巻本とし、一一三八年に『世説新語』三巻本に再編された。

説海 せっかい  未詳。

摂西奇遊談 せっさいきゆうだん  三巻三冊。<著>秋里籬島(?―一八三〇?年)江戸後期の読本作者・俳人。姓は池田、名は舜福、字は湘夕、秋里籬島は号、別号は籬島軒。<成>文政七(一八二四)年自序。<版>嘉永七(一八五四)年。<内>紀行。<蔵>国立国会図書館。

雪窓夜話 せつそうやわ  一冊。<著>桑梁(未詳)江戸後期の浄土真宗本願寺派の僧・神道研究家。<別>『神国仏道 雪窓夜話』。<成>文化一一(一八一四)年跋。<版>同一二年序。<内>神道側の排仏論に対抗し、神仏一致を文献から立証して、浄土真宗と神道との関係を明らかにしようとしたもの。<活>『真宗全書』六二、『日本思想闘諍史料』四。

説郛 せっぷ  一〇〇巻。<著>編・陶宗儀(未詳)明初の詩人。字は九成、号は南村・玉霄真逸。<内>叢書。経書・諸史・随筆・伝記の類を数百種収録したもの。

説文解字 せつもんかいじ  一五巻または三〇巻。<著>許慎(五〇〔三〇〕?―一二一?年)後漢の学者。字は叔重。<別>『説文』。<成>永元一二(一〇〇)年。<内>漢字の構造・原義を組織的に説いた最初の基本的な字書。主文九三五三字、異体一一六三字、注文一三万三四四〇字から成る。

世本 せほん  <内>器物の創作者および氏姓の出所を記したもの。

世品 せぼん  未詳。

善悪因果経 ぜんあくいんがきょう  一巻。<著>未詳。<別>『菩薩発願修行経』、『因果経』。<成>唐代。<内>疑偽経典。貧富貴賎、善悪美醜などの相違は、前世の業因によって現在の果報を招いているという因果応報を説いたもの。<活>『大正新脩大蔵経』八五(二八八一)

善悪因果集 ぜんあくいんがしゅう  未詳。

善悪業報因縁集 ぜんあくごうほういんねんしゅう  五巻五冊。<著>河久露宿(未詳)江戸中期の戯作者。別号は一叢軒。<別>『近代見聞善悪業報因縁集』。<成>天明六(一七八六)年序。<版>同八年。<内>巻一「善悪業報仏教の大意」から巻五「因果の理を知て心を改し仁の事」まで全四〇条、善悪業報にかかわることを集めたもの。<蔵>哲学堂文庫。

善庵随筆 ぜんあんずいひつ  二巻・付録一巻二冊。<著>朝川善庵(一七八一―一八四九年)江戸後期の儒学者。名は鼎、字は五鼎、別号は学古塾。<成><版>嘉永二(一八五〇)年跋、同三年。<内>見聞した雑多なことを、考証的に記述している。付録として「鄭将軍成功伝碑」を付している。<活>『随筆集誌』、『随筆文学選集』七、『日本随筆全集』一、『日本随筆大成』新版一期一〇(旧版一期五)、『百家説林』正編上。

禅苑蒙求 ぜんおんもうぎゅう  三巻。<著>志明(未詳)金代の人。号は錯庵、字は伯昏。<別>『禅苑蒙求瑶林』、『禅苑瑶林』、『禅蒙求』、『禅苑瑶林注』、『禅林蒙求』。<内>唐の李瀚の『蒙求』にならって、禅苑における仏祖の行業を、初心晩学の者に照心弁道のために知らしめようとしたもの。<活>『卍字続蔵経』二、乙二一、二。

山海経 せんがいきょう  一八巻。<著>未詳。<内>中国古代の神話と地理の書。神怪の説が多い。南山経・西山経・北山経・東山経・中山経の五蔵山経と、海外南・西・北・東経、海内南・西・北・東経の海外内経八編、さらに大荒東・南・西・北経、海内経の五編、計一八編から成る。<活>『古今逸史』、『四部叢刊』、『二十二子全書』、『秘冊彙函』、『百子全書』、『全釈漢文大系』三三。

前漢書 ぜんかんしょ 漢書 かんじょ

仙境異聞 せんきょういぶん  二編五巻。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<別>『嘉津間答問』、『神童憑談』、『仙童寅吉物語』、『寅吉物語』。<成>文政三(一八二〇)年。<内>文化九(一八一二)年、七歳の寅吉が天狗に誘われて諸国を飛行し、のち仙境に滞留したときの体験を記したもの。<活>『新修平田篤胤全集』九(名著出版)、『平田篤胤全集』三(平田学会)、『平田篤胤全集』八(内外書籍)

千金論 せんきんろん  未詳。

善見律 ぜんけんりつ  未詳。

戦国策 せんごくさく  <著>劉向(前七七?―前六年)前漢末の思想家。字は子政。<内>周の元王から秦の始皇二五(前二二二)年までの二四〇余年間に、戦国の説客とか遊説の士とかいわれる人々が、諸侯に政策(権謀)を説いてまわったありさまや、その間の挿話などを国別に集めたもの。

占察経 せんざつきょう 占察善悪業報経 せんざつぜんあくごうほうきょう

占察善悪業報経 せんざつぜんあくごうほうきょう  二巻。<訳>菩提灯(未詳)隋代の僧。<別>『大乗実義経』、『大乗宝義経』、『地蔵菩薩経』、『占察経』、『地蔵菩薩業報経』。<内>偽経と見られている。地蔵菩薩が末法の衆生のために、仏法の甚深の実義を宣顕し、正法に相違する過ちに陥らないために、業報を木輪相を用いて占察する法と、唯心識観・真如実観という二種の観道とを教えている。木輪占相法は、江戸時代に比叡山の安楽院派の人々がおこなったという。<活>『大正新脩大蔵経』一七(八三九)

泉州信田白狐伝 せんしゅうしのだびゃっこでん 信田白狐伝 しのだびゃっこでん

泉州府志 せんしゅうふし  未詳。

僊術狗張子 せんじゅついぬはりこ 狗張子 いぬはりこ

洗心洞劄記 せんしんどうさつき  二巻付録三冊。<著>大塩平八郎(一七九三―一八三七年)江戸後期の儒学者。名は正高のち後素、字は子起、号は中斎、平八郎は通称、洗心洞は塾名。<成>天保四(一八三三)年。<版>天保六(一八三五)年。<内>著者の学説(陽明学)および主張を根底にして漢文で記した感想録。上巻一八〇条、下巻一三八条から成る。<活>『岩波文庫』、『大日本文庫』、『洗心洞劄記』(明治一四年)

戦争哲学一斑>せんそうてつがくいっぱん  一冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育家。号は甫水。不思議庵主人と称す。東京、哲学書院、明治二七(一八九四)年一〇月、七八頁。<内>日清戦勝に際して、戦争の原理・原因・心理・要素などについて考察したもの。

仙台案内 せんだいあんない  二冊。<著>庄子輝光編。庄子輝光刊、明治二三(一八九〇)年、一三〇・七〇頁(上・下)。<内>地誌。

先代旧事本紀 せんだいくじほんぎ  一〇巻五冊。<著>未詳。<別>『旧事記』、『旧事本紀』。<成>平安初期。<版>寛永二一(一六四四)年。<内>神代より推古天皇までの事跡を、『古事記』、『日本書紀』、『古語拾遺』を引用して編年体で記したものであるが、物部氏独自の祭儀や系譜などの記事もあり、物部氏の家伝を中心に編纂されたものとみられている。<活>『新訂増補 国史大系』七、『先代旧事本紀の研究』「校本の部」(鎌田純一、昭和三五年)、『標註 旧事紀校本』(飯田季治、昭和二二年)

先代旧事本紀大成経 せんだいくじほんぎたいせいきょう  七二巻。<著>潮音道海(一六二八―九五年)江戸前期の黄檗宗の学僧。潮音は道号、号は南牧樵夫。<別>『旧事本紀大成経』、『先代旧事本紀』、『前代旧事本紀』、『大成経』、『大成経鷦鷯伝』、『鷦鷯大成経』、『神代皇代大成経』。<版>寛文一〇(一六七〇)年古活字版。<内>「神代本紀」から「聖皇本紀」までの正部と、「経教本紀」から「国造本紀」の続部から成る。志摩伊雑の宮の神官永野采女(一六一六―八七年)と謀り、伊雑の宮こそ天照大神の本宮であると主張するために、聖徳太子撰の『先代旧事本紀』そのものであるとして刊行された偽書。天和二(一六八二)年、伊勢神道の奏上により潮音らは流罪となり、版木は焼却された。内容は神儒仏一致思想の大成。

先哲叢談 せんてつそうだん  八巻四冊。<著>原念斎(一七七四―一八二〇年)江戸後期の儒学者。名は善胤・善、字は公道、念斎は号。<成><版>文化一三(一八一六)年。<内>江戸時代の著名な儒学者七二人について、自著の『史氏備考』一〇〇巻その他をもとに、その履歴などを五五〇条にわたり記した伝記。東条琴台の著した後編・続編がある。<活>『大日本文庫』、『日本偉人言行資料』七、『日本哲学思想全書』二〇、『有朋堂漢文叢書』、『先哲叢談』(明治一三年)

先哲像伝 せんてつぞうでん  四巻四冊。<著>原徳斎(一八〇〇―七〇年)江戸後期・明治前期の儒学者。名は義胤・義、字は正徳、別号は得斎。<成><版>弘化元(一八四四)年。<内>江戸時代の儒学者二〇人の肖像と筆跡を影写して、その伝記を記したもの。<活>『日本思想家史伝全集』一八、『有朋堂文庫』、『先哲像伝』(明治三〇年)

仙童寅吉物語 せんどうとらきちものがたり 仙境異聞 せんきょういぶん

銭塘副墨 せんとうふくぼく  <著>胡文煥(未詳)明の人。

禅林備覧 ぜんりんびらん  未詳。

疏 そ 周礼義疏 しゅらいぎそ

草安疏 そうあんしょ  未詳。

相印書 そういんしょ  未詳。

造化論 ぞうかろん 天地万物造化論 てんちばんぶつぞうかろん

相感志 そうかんし 物類相感志 ぶつるいそうかんし

宗祇諸国物語 そうぎしょこくものがたり  五巻五冊。<著>未達(?―一六九六年)江戸前期の俳人・浮世草子作者・書肆。姓は西村、名は久重、別号は嘯松子・城坤散人など。<成><版>貞享二(一六八五)年。<内>連歌師宗祇が諸国を遍歴して見聞したという、和歌・連歌・狂歌・怪異などに関する話を集めたもの。全三六話から成る。<複>『近世文学資料類従』「仮名草子編」二八。<活>『俳諧叢書』「俳人逸話紀行集」。

雑笈或問 ぞうきゅうわくもん 和漢珍書考 わかんちんしょこう

葬経 そうきょう  二巻。<著>未詳。<内>葬事に関することや墓穴の吉凶などを記している。

宋元通鑑 そうげんつがん  一五七巻。<著>薜応旂(未詳)明代の学者。字は仲常。<別>『宋元資治通鑑』。<内>宋の太祖から元の順帝まで、四八〇年間の事跡を記した編年体の史書。

宋高僧伝 そうこうそうでん  三〇巻。<著>賛寧(九一九―一〇〇二年)宋の律僧。<別>『宋伝』、『大宋高僧伝』。<成>端拱元(九八八)年。<内>唐の貞観年間から宋の端拱元年までの高僧の伝記を集成したもの。正伝五三三人、付伝一三〇人を載せている。梁の『高僧伝』、唐の『続高僧伝』に続くものとして著された。<活>『大正新脩大蔵経』五〇(二〇六一)<訳>『国訳一切経』史伝部一二―一三。

葬祭弁論 そうさいべんろん  一冊。<著>熊沢蕃山(一六一九―九一年)江戸前期の陽明学者。本姓は野尻、名は伯継、字は了介、号は自遊軒・不敢敬人など。蕃山は諡。<成><版>寛文七(一六六七)年。<内>葬祭の礼について述べたもの。<活>『日本文庫』六、『蕃山全集』五。

想山著聞奇集 そうざんちょもんきしゅう 想山著聞奇集 しょうざんちょもんきしゅう

宋史 そうし  四九六巻。<著>脱脱(未詳)。<成>至正五(一三四五)年。<内>正史の一。宋の建隆元(九六〇)年から祥興二(一二七九)年まで、北宗・南宗あわせて三二〇年の歴史を記したもの。本紀四七巻、志一六二巻、表三二巻、列伝二五五巻から成る。

曾子 そうし  <著>曾参(前五〇五―前四三六?年)春秋の学者。字は子輿。<内>『漢書』「芸文志」に「曾子」一八編、『大戴礼』に「曾子」一〇編を載せており、一般にこの一〇編を独立させたものをいう。

荘子 そうじ  三三編。<著>荘周(前三〇〇年ころ)中国戦国時代の思想家。荘子ともいう。周は名。<内>郭象の注をつけた三三編本だけが伝わっており、内編七編、外編一五編、雑編一一編から成る。万物の平等無差別を主張して、安心立命の境地を求めている。<活>『新釈漢文大系』七―八、『全釈漢文大系』一六―一七、『中国古典選』。

相州大山記 そうしゅうおおやまき  <著>一嚢一笻道人(未詳)。『大磯名勝誌』と合本版。天籟書屋、明治二二(一八八九)年、四八・二三頁。

宋書 そうじょ  一〇〇巻。<著>沈約(四四一―五一三年)斉・梁代の文人政治家。字は休文。<成>本紀・列伝は永明六(四八八)年。<内>正史の一。南朝宋の武帝の永初元(四二〇)年から順帝の昇明三(四七九)年まで、宋朝六〇年間の歴史を記したもの。帝紀一〇巻、志三〇巻、列伝六〇巻から成る。徐爰の『宋書』(六五巻)を補ったもの。

僧史略 そうしりゃく 大宋僧史略 だいそうそうしりゃく

捜神記 そうしんき  二〇巻本と八巻本。<著>干宝(未詳)六朝晋の学者・文学者。字は令升。<成>四世紀後半。<内>志怪小説。二〇巻本、八巻本とも明代刊行本がもとであるが、八巻本は干宝の原著ではなく唐以後の作といわれる。<活>『学律討原』、『津逮秘書』、『秘冊彙函』、『百子全書』(以上二〇巻本)、『漢魏叢書』、『稗海全書』(以上八巻本)。<訳>『世界文学大系』「中国古小説集」(八巻本)、『東洋文庫』一〇(二〇巻本)

捜神後記 そうしんこうき  一〇巻。<著>陶潜(三六五?―四二七年)東晋の自然詩人。字は淵明。一説に名は淵明、字は元亮。<成>六朝時代。<内>干宝の『捜神記』のあとをついで、おもに晋時代の怪異譚を集めたもの。陶潜の作に仮託されたものという。<活>『津逮秘書』、『秘冊彙函』、『百子全書』。<訳>『中国古典文学大系』「六朝・唐・宋小説選」。

喪大記 そうたいき  未詳。

雑談集 ぞうたんしゅう  一〇巻。<著>無住道暁(一二二六―一三一二年)鎌倉時代の臨済宗の僧。無住は道号、道暁は法諱、号は一円。<成>嘉元三(一三〇五)年。<版>寛永二一(一六四四)年。<内>仏教説話・思想集。仏典中の因縁譚やインド・中国・日本の説話を記し、また見聞や体験、世俗の滑稽譚などを教化のために引用するとともに、自らの伝記的な生い立ちなども述べている。<複>『古典文庫』、『古典資料』。<活>『中世の文学』。

相庭高下伝 そうていこうげでん  一冊。<著>玉江漁隠(未詳)。<別>『増補諸色 相庭高下伝』、『諸色相庭高下伝』。<版>寛政一三(一八〇一)年。<内>米相場を中心に諸相場について書かれた商家のための書。「商売相生相剋の弁」や「月色雨晴の弁」など、商売にかかわる吉凶判断も載せている。<蔵>哲学堂文庫。

宋稗類鈔 そうひるいしょう  三六巻・捜遺一巻。<著>潘永因(未詳)清の人。字は大生。潘永圜のこと。<内>五九門に分けて、宋人の詩話を分類編集したもの。

草茅危言 そうぼうきげん  五巻五冊。<著>中井竹山(一七三〇―一八〇四年)江戸後期の儒学者。名は積善、竹山は号。<成>寛政元(一七八九)年。<内>わが国の法制および社会制度・経済に関する書で、国家制度・参勤交代・諸侯分地・水利・金銀幣・銭幣・物価・社倉・養老・窮民・米相場・寺社富・米仲仕・仏法・淫祀・祈祷のことなどを論じている。<活>「近世社会経済学説大系』「中井竹山集」、『日本経済叢書』一六、『日本経済大典』二三、『日本思想闘諍史料』六、『草茅危言』(明治二七年・昭和一七年)

草木子 そうもくし  四巻。<著>葉子奇(未詳)元末・明初の学者。字は世傑、号は静斎。<内>天文・律暦・医術・農業・昆虫・草木・掌故、さらに思想など多岐にわたって論じている。また、元代の故事・雑事なども多く載せている。<活>『四庫全書珍本十集』、『文淵閣四庫全書』。

曾門経 そうもんきょう  未詳。

草李 そうり  未詳。

叢林集 そうりんしゅう  九巻。<著>慧空(一六四四―一七二一年)江戸前期の真宗大谷派の僧。字は得岸、号は光遠房・秀光堂。<成>元禄一一(一六九八年)年跋。<版>享保二(一七一七)年。<内>前半の六巻で一宗の法門に関することを述べ、後半の三巻で史伝・故実に関することを述べ、とくに真宗の位置づけを明らかにしている。<活>『真宗全書』六三、『続真宗大系』一〇、『真本叢林集』(明治一四年)

続紀考証 ぞくきこうしょう  未詳。

続砿石集 ぞくこうしゃくしゅう  三巻六冊。<著>蓮体(一六六三―一七二六年)江戸中期の真言宗の僧。字は本浄・惟宝、号は無尽蔵など。<成><版>享保一〇(一七二五)年序。同一二(一七二七)年。<内>巻一「天照太神家御利生の事」から巻三「逆修日牌の霊験並に光明真言利益の事」まで全五〇条で、善悪報応の説にもとづいている。<蔵>哲学堂文庫。

続高僧伝 ぞくこうそうでん  三〇巻または三一巻・四〇巻。<著>道宣(五九六―六六七年)初唐の僧・仏教史家・南山律宗の祖。姓は銭、字は法徧、諡は澄照・法慧。<別>『唐高僧伝』。<成>貞観一九(六四五)年。<内>梁代の宝唱の『名僧伝』、慧皎の『高僧伝』のあとをうけて、梁代から唐初にいたる約一五〇年間の、高僧三四〇人の正伝と付見一六〇人の計五〇〇人の伝記を、一〇科に分類して収録している。<活>『大正新脩大蔵経』五〇(二〇六〇)。<訳>『国訳一切経』史伝部八―一〇。

続後漢書 ぞくごかんじょ  四二巻。<著>蕭常(未詳)。<内>魏を正統とする『三国史』(陳寿)をあらため、蜀を正統とする立場で書かれた漢末三国史。帝紀二巻、年表二巻、列伝一八巻、載記二〇巻から成る。<活>『宜稼堂叢書』。

続古事談>ぞくこじだん  六巻。<著>未詳。<成>建保七(一二一九)年奥書。<内>皇室、貴族の生活、故実、信仰、神仏の霊異など、唐代を主とする中国関係の記事一八五話から成る説話集。現在は巻三を欠き、巻一「王道・后宮」、巻二「臣節」、巻四「神社・仏寺」、巻五「諸道」、巻六「漢朝」の六編がある。<活>『群書類従』雑、『国史叢書』。

続昆陽漫録 ぞくこんようまんろく 昆陽漫録 こんようまんろく

続沙石集 ぞくさせきしゅう  六巻六冊。<著>南溟(未詳)江戸中期の真宗の僧。号は渋阜・東渚。<成>寛保三(一七四三)年自序。<版>延享元(一七四四)年。<内>仏教説話六二章から成り、教戒のいとぐち、あるいは説教の材料になる話を集め、自らの批評を加えたもの。

俗神道大意 ぞくしんとうたいい  四巻四冊。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<別>『巫学談弊』。<成>文化八(一八一一)年。<版>万延元(一八六〇)年。<内>国学における古神道の立場から、両部神道・唯一神道・垂加神道および神道儀礼などの仏教・儒教との習合性を、「俗神道」または「巫学」とみて批判攻撃したもので、講義を門人が筆記したもの。<活>『新修平田篤胤全集』八(名著出版)、『大日本文庫』「復古神道」中、『平田篤胤全集』一(平田学会)、『平田篤胤全集』七(内外書籍)、『平田篤胤叢書』乾。

続斉諧記 ぞくせいかいき  一巻。<著>呉均(四六九―五二〇年)六朝梁の文学者。字は叔庠。<内>志怪小説。<活>『漢魏叢書』六三、『古今逸史』二四、『説郛』一一五。

俗説正誤夜光璧 ぞくせつせいごやこうのたま 夜光珠 やこうのたま

俗説弁 ぞくせつべん 広益俗説弁 こうえきぞくせつべん

続捜神記 ぞくそうしんき  未詳。

続博物志 ぞくはくぶつし  一〇巻。<著>李石(?―一一八二年)南宗の学者。字は知幾。<内>張華の『博物志』の不備を補ったもの。<活>『古今逸史逸志合志』、『説郛』二、『稗海』一、『秘書二十一種』。

続文献通考 ぞくぶんけんつこう  二五四巻。<著>王圻(未詳)明代の学者。字は元翰。<成>明の万暦一四(一五八六)年。<内>馬端臨の『文献通考』が寧宗までであるあとをうけ、南宋の嘉定年間から明の万暦初年にいたる間の、遼・金・元・明四朝の事跡を集めて作ったもの。『文献通考』にない節義・六書・道統・方外などの諸考三〇考を加えている。特に明代の制度・社会経済の研究史料として有益といわれる。

続蒙求 ぞくもうぎゅう 続蒙求分註 ぞくもうぎゅうぶんちゅう

続蒙求分註 ぞくもうぎゅうぶんちゅう  四巻四冊。<著>柳希春(未詳)。<版>万治二(一六五九)年。<内>巻一「伏羲卦画、軒轅暦紀」から巻四「魯叟集成、紫陽主盟」まで一七八句を記している。<蔵>哲学堂文庫。

租志 そし  六巻一冊。<著>岡本監輔(一八三九―一九〇四年)幕末・明治時代の漢学者・探検家。号は韋庵。岡本監輔刊、明治二三(一八九〇)年。

楚辞 そじ  一六巻。<著>編・劉向(前七七?―前六年)漢の学者。<内>屈原とその門人の宋玉・景差、およびその影響を受けた漢の賈誼などの作と自作の九歌を収めている。後漢の王逸の『楚辞章句』に記されているだけで、逸して伝わらない。

息軒遺稿 そっけんいこう  四巻四冊。<著>安井息軒(一七九九―一八七六年)江戸後期・明治前期の儒学者。名は衡、号は清滝・足軒。安井干菊刊、明治一一(一八七八)年。<内>巻一は「鬼神論」「性論」「務本論」「文論」「陳平論」「蝦夷論」など論説一七編、巻二は書牘五編・序一九編、巻三は記二一編・題跋一六編、巻四は碑銘一一編・雑著八編から成る。漢文による論考。

祖庭事苑 そていじおん  八巻。<著>善卿(未詳)宋の人。号は睦庵。<内>『雲門録』以下の語録中から故事・成語・名数・人名・略字・誤字などを摘出して注解を加えたもの。禅書中、最古の事典。

素問 そもん 黄帝内経素問 こうていないけいそもん

徂徠集 そらいしゅう  三〇巻補遺ともに二〇冊。<著>荻生徂徠(一六六六―一七二八年)江戸中期の儒学者。名は双松、字は茂卿、徂徠は号、別号は蘐園、本姓の物部氏をとって物徂徠・物茂卿とも称す。<成>元文元(一七三六)年序。<版>元文五(一七四〇)年。<内>巻一―巻七は詩、巻八―巻一九は文、巻二〇―巻三〇は書翰を収録した詩文集。徂徠の詩文の集大成として、その文学・思想などをみることができる。徂徠死後、門人らによって刊行された。<活>『詩集 日本漢詩』三、『日本思想大系』三六。

尊卑分脈 そんぴぶんみゃく  <著>編・洞院公定(一三四〇―九九年)南北朝時代の公卿/その他編。<別>『諸家大系図』、『諸家系譜伝』、『編纂 本朝尊卑分脈図』。<版>寛永(一六二四―四四年)ころ。<内>諸氏家系図の集大成。室町期を通じて増補・改訂された。<活>『故実叢書』、『新訂増補 国史大系』、『新編纂図 本朝尊卑分脈系譜雑類要集』(明治三七年)

大雲 だいうん 大方等無想経 だいほうとうむそうきょう

大易緝説 たいえきしゅうせつ  一〇巻。<著>王申子(未詳)宋の人。字は巽卿。<内>易。<活>『通志堂経解』五。

大慧語録 だいえごろく 大慧普覚禅師語録 だいえふかくぜんじごろく

大慧普覚禅師語録 だいえふかくぜんじごろく  一二巻。<著>宗杲(一〇八九―一一六三年)中国臨済宗の僧。大慧普覚は諡号。<別>『大慧語録』、『大慧録』。<内>語録。<活>『大正新脩大蔵経』四七(一九九八A)

大学 だいがく  一巻。<著>未詳。<成>前三世紀後半から一〇〇年の間に成立。もとは『礼記』のなかの一編で、北宋の司馬光がそれから抜き出して『大学広義』を作り、朱子が四書の一つとして注釈し(『大学章句』)、広く世におこなわれた。<内>儒教の真髄を述べたもの。「明徳を明らかにする」「民を親和させる」「至善に止まる」という「三綱領」と、「致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下」の「八条目」をかかげて解説する。<活>『新釈漢文大系』二、『全釈漢文大系』三。

題額聖鬮賛 だいがくしょうきゅうさん  一六巻・目録一巻一七冊。<著>良定(一五五二―一六三九年)安土桃山・江戸前期の浄土宗の学僧。別名は袋中。<別>『聖鬮賛』。<成><版>慶安四(一六五一)年。<内>仏教諸宗の大綱、諸家の教相・縁起・根地などの分別を論じたもので、諸家の大綱を記した『題額集』を補註して成ったもの。<蔵>哲学堂文庫。

台記 だいき  <著>藤原頼長(一一二〇―五六年)平安後期の官僚。<別>『宇槐記』、『宇左記』、『槐記』、『治相記』。<内>日記。保延二―久寿二(一一三六―五五)年の間が部分的に現存し、保元の乱にいたるまでの政治動向を知る史料となっている。<複>『宇治左府記』(昭和三五年)。<活>『史料大観』、『増補史料大成』二三―二五。

大経 だいきょう 仏説無量寿経 ぶっせつむりょうじゅきょう

太極図説 たいきょくずせつ  一巻。<著>周敦頤(一〇一七―七三年)北宋の学者。字は茂叔。濂渓先生と称される。<成>未詳。<内>宇宙の根源、万物の生成・発展の理論を図解している「太極図」を解釈したもの。南宋の朱熹がこれにもとづいて自己の理論を展開して以来、宋学の根本思想を示すものとされる。

太極通書 たいきょくつうしょ  未詳。

大疑録 たいぎろく  二巻二冊。<著>貝原益軒(一六三〇―一七一四年)江戸前期の儒学者・本草家・教育思想家。名は篤信、字は子誠、別号は損軒。<成>正徳三(一七一三)年序。<版>明和四(一七六七)年。<内>宋儒の学説(朱子学)の疑問とするところを述べたもの。<複>『影印日本随筆集成』一。<活>『益軒全集』二、『日本教育思想大系』、『日本思想大系』「貝原益軒・室鳩巣」、『日本儒林叢書』六、『日本哲学思想全書』七、『日本哲学全書』三、『日本倫理彙編』八。

太玄経 たいげんきょう  一〇巻。<著>揚雄(前五三―後一八年)前漢の学者。字は子雲。揚子ともいい、楊雄とも書く。<別>『太玄』。<内>『易経』に擬して作る。玄は天地万物の根源、太はその功徳を形容しており、宇宙から人事まで広範な事柄を述べている。

大黒天神経 だいこくてんじんきょう 大黒天神法 だいこくてんじんほう

大黒天神法 だいこくてんじんほう  一巻。<著>神愷(未詳)。<成>唐代。<内>大黒天神の本地・形像・印・明種子を説き、大黒天は闘争神であり、これを供養すれば戦勝を得、また冥府神・財福神であると説き、供養法を述べている。<活>『大正新脩大蔵経』二一(一二八七)

大黒天霊験記 だいこくてんれいげんき  三巻三冊。<著>空無(未詳)。<別>『大黒福徳霊験記』。<成><版>享保三(一七一八)年。<内>大黒天にまつわる福徳・霊験について記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

醍醐随筆 だいごずいひつ  二巻二冊。<著>中山三柳(一六一四―八四年)江戸前期の医者。名は忠義、三柳は通称、号は華陽軒・華陽子・識丁子。<成><版>寛文一〇(一六七〇)年。<内>地誌・故事・奇事・詩・歌など広範囲の事柄を記している。全六二条から成る。<活>『杏林叢書』三、『続日本随筆大成』一〇、『百万塔』。

大集経 だいじっきょう 大方等大集経 だいほうどうだいじっきょう

太子伝(暦) たいしでん(りゃく) 聖徳太子伝暦 しょうとくたいしでんりゃく

大集月経 だいじゅうがつきょう  <内>『大方等大集経』の巻四六―巻五六の「月蔵分」のこと。二〇品から成る。大方等大集経。

太上感応篇 たいじょうかんのうへん  <著>南宋初期の李石こと李昌齢という、四川の成都を中心に学生を教授していた人物により、はじめて世間に紹介される。<内>道教の経典。勧善の指導書である善書の一つ。民衆倫理の綱領の書で、善悪応報を強調し、悪をなさず善をなせば吉慶を得ると説き、悪を転じて福となすことを勧める。

太上感応編諺註 たいじょうかんのうへんげんちゅう  四巻四冊。<著>寛道。<成><版>享保八(一七二三)年。<内>『太上感応編』の注釈書。<蔵>哲学堂文庫。

太上感応篇持験記>たいじょうかんのうへんじけんき  一冊。<著>未詳。<版>宝永二(一七〇五)年。<内>道経。付・『文昌帝君陰隲文持験』、『感応篇諸家註疏凡例要語』。<蔵>哲学堂文庫。

大乗義章 だいじょうぎしょう  二六巻。<著>慧遠(五二三―五九二年)梁代の僧。浄影寺慧遠という。<成>六世紀後半。<内>隋代以前の諸学派の教理や実践、および諸経論に関する二二二門の項目をあげて、地論宗南道派の立場からそれに解釈を加えたもの。一種の大乗仏教概論。<活>『大正新脩大蔵経』四四(一八五一)。<訳>『国訳一切経』諸宗部一〇―一三。

大乗起信論 だいじょうきしんろん  一巻。<訳>真諦(パラマールタ、四九九―五六九年)梁代の訳経僧。<成>五―六世紀ころ。<内>全五編から成る大乗論書。如来蔵思想にもとづき大乗仏教の理論と実践を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』三二(一六六六)

大聖日蓮深秘伝 だいしょうにちれんじんびでん  一冊。<著>日昭(一二二一―一三二三年)鎌倉中・後期の日蓮宗の僧。字は弁・成弁、号は不軽院。大和阿闍梨と称す/日朗(一二四五―一三二〇年)鎌倉後期の日蓮宗の僧。号は筑後房・正法院。大国阿闍梨と称す。<別>『延嶺狐穢顕記』。<内>日蓮の伝記。<活>『大聖日蓮深密伝』(明治一八年)

大乗本生心地観経 だいじょうほんじょうしんじかんぎょう  八巻。<訳>般若(プラジュニャー、未詳)唐代の訳経僧。<別>『本生心地観経』、『心地観経』。<内>四恩(父母・衆生・国王・三宝の恩)の説を中心に大乗的出家主義を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』三(一五九)

泰誓 たいせい  <内>『書経』「周書」の編名。紂の暴逆無道を数えあげて、天に代わってこれを誅することを群臣に誓った言を録したもの。(泰誓は秦誓の誤り)

大成経 たいせいきょう 先代旧事本紀大成経 せんだいくじほんぎたいせいきょう

大勢新聞 たいせいしんぶん  夕刊。東京、大勢新聞社。大正二(一九一三)年一月創刊、大正一一年八月、『東京大勢新聞』と改題した。

大宋僧史略 だいそうそうしりゃく  三巻。<著>賛寧(九一九―一〇〇二年)宋の律僧。<別>『僧史略』。<内>初期から宋代までの中国仏教の法制・儀礼などの起源とその推移を記したもの。<活>『大正新脩大蔵経』五四(二一二六)。<訳>『国訳一切経』史伝部一三。

大蔵法数 だいぞうほうすう  六八巻。<著>寂照(未詳)。<別>『一代経律論釈法数』。<内>仏典のなかから名数に関する文を抜き出し、簡明な注解を加えた仏教名数辞典。「一心」から「八万四千の法門」まで四六八五項目を立てている。<活>『大蔵法数』(明治三二年)

大蔵輔国集 だいぞうほこくしゅう  三巻三冊。<著>宗興(一八一五―八〇年)江戸後期・明治前期の真宗の僧。<内>巻上「仏説王法」、巻中「仏法資治」、巻下「廃仏無益」から成る仏教有用論。<活>『大蔵輔国集』(明治二年)

大智度論 だいちどろん  一〇〇巻。<著>竜樹(ナーガールジュナ、一五〇―二五〇年ころ)インドの仏教思想家。<訳>鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧・大訳経家。<別>『智度論』、『摩訶般若波羅蜜経釈論』、『大慧度経集要』、『大智度経論』、『摩訶般若釈論』。<内>『摩訶般若波羅蜜経(大品般若経)』の注釈書。多くの経論の引用を含み、語彙の説明、説話・伝説の挿入、地名・人名の解説、学説の紹介など、一種の仏教百科全書の役割をはたしている。思想的には大乗仏教の根本思想である空の教理を徹底し、宗教的実践の解明に努めている。<活>『大正新脩大蔵経』二五(一五〇九)。<訳>『国訳一切経』釈経論部一―五。

大伝 たいでん  <内>『礼記』第一六編の名。祭法・服制・宗法などを記している。礼記。

大唐西域記 だいとうさいいきき  一二巻。<著>弁機(未詳)唐代の僧。<成>唐の貞観二〇(六四六)年。<別>『西域記』、『大唐西域伝』。<内>唐の玄奘三蔵によるインドおよび西域の遊歴を記した旅行記。太宗の勅命により編纂。一四一カ国の風俗・歴史・地理・伝説・物産などが記され、七世紀前半のインドおよび西域の仏教・言語・文化などを知る重要な資料となっている。<活>『大正新脩大蔵経』五一(二〇八七)。<訳>『国訳一切経』史伝部一六。

大唐大慈恩寺三蔵法師伝 だいとうだいじおんじさんぞうほっしでん  一〇巻。<著>彗立(未詳)/彦琮(未詳)。<別>『大慈恩寺三蔵法師伝』、『三蔵法師伝』、『慈恩伝』。<成>唐の垂拱四(六八八)年。<内>玄奘三蔵の伝記。生誕から西域インドへの求法までを彗立が五巻に記し、それを補訂して帰国後遷化までを彦琮が記して一〇巻とした。<活>『大正新脩大蔵経』五〇(二〇五三)。<訳>『国訳一切経』史伝部一一。

大道本義 だいどうほんぎ  三巻。<著>浦田長民(一八四〇―九三年)明治期の神道家。東京、神宮教院、明治九(一八七六)年、和三冊(上二四、中二九、下五八丁)。<内>神道。上巻一三章、中巻一一章、下巻一六章より成り、一、道の本原を論ず、二、道を事物に徹す、三、道を奉ずるの方を論ずに分けて論じ、新しい時代に即応した神の道を説く。

大日本教育会雑誌 だいにほんきょういくかいざっし  月刊。東京、大日本教育会。第一号(明治一六〔一八八三〕年一一月)―一八二号(明治二九〔一八九六〕年一〇月)。『大日本教育会誌』(一冊、明治一六年九月)を改題したもので、一八三号からは『教育公報』と改題した。<内>教育。

大日本教育新聞 だいにほんきょういくしんぶん  日刊。東京、大日本教育新聞社。明治二五(一八九二)年六月二八日―明治二七(一八九四)年九月一四日。<内>教育。

大日本校訂縮刻大蔵経 だいにほんこうていしゅくこくだいぞうきょう  四〇帙四一八冊・目録一冊。<著>編・島田蕃根(一八二七―一九〇七年)明治期の仏教学者/福田行誡(一八〇九―八八年)幕末・明治期の浄土宗の僧/その他編。<別>『大日本校訂大蔵経』、『縮刷蔵経』、『縮蔵』。東京、弘教書院、明治一三―一八(一八八〇―八五)年。<内>最初の活字版大蔵経。高麗版を底本とし、宋・元・明版と対校した厳密な校訂で知られる。明代末の智旭の『閲蔵知津』の「経・律・論・秘密・雑」の五分類を採用して、一九一八部八五三九巻を収めている。

大日本国法華経験記 だいにほんこくほけきょうげんき

  三巻三冊。<著>鎮源(未詳)平安中期の天台宗の僧。<別>『大日本法華経記』、『日本法花験記』、『法華経験記』、『法華験記』、『本朝法華験記』。<成>長久年間(一〇四〇―四四年)。<版>享保二(一七一七)年。<内>仏教説話集。『法華経』の威力を実証するため、法華持験者の伝、多くは聖の伝および霊験・奇瑞などを集成したもの。全一二九話(第八四話を欠く)で、菩薩・比丘・在家沙弥・比丘尼・優婆塞・優婆夷・異類の順に構成されている。<活>『続群書類従』八上、『日本思想大系』七「往生伝・法華験記」。

大日本史 だいにほんし  本紀七三巻・列伝一七〇巻一〇〇冊。<著>徳川光圀(一六二八―一七〇〇年)江戸前期の大名。字は子龍、号は梅里、諡号は義公。<成>文化七(一八一〇)年。<版>嘉永四(一八五一)年。<内>歴史書。神武天皇より後小松天皇にいたるまでの歴史を紀伝体に編述したもの。水戸藩主徳川光圀の命により明暦三(一六五七)年編纂に着手され、代々の藩主が継承し、明治三九(一九〇六)年にいたって完成をみた。<活>『大日本史』(明治三九―四〇)

大日本人名辞書 だいにほんじんめいじしょ  経済雑誌社、明治一八―一九(一八八五―八六)年。四冊。

大般涅槃経 だいはつねはんぎょう  四〇巻。<訳>曇無讖(ダルマラクシャ、三八五―四三三年)中国南北朝時代の訳経僧。<別>『大涅槃経』、『大本涅槃』、『北本涅槃』、『涅槃経』、『大乗涅槃経』。<成>四〇〇年ころ。<内>大乗仏教の教理と実践の立場から、ブッダの説いた法の意義を詳説し論述したもの。(一)仏身常住、(二)涅槃の常楽我浄、(三)一切衆生悉有仏性の思想を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』一二(三七四)。<訳>『国訳一切経』涅槃部一―二。

大般若波羅蜜多経 だいはんにゃはらみたきょう  六〇〇巻。<訳>玄奘(六〇二―六六四年)唐代の大翻訳家。<別>『大般若経』。<内>一世紀ころより個々に成立していった諸種の般若経典の翻訳を集大成したもの。一六の経典から成る。<活>『大正新脩大蔵経』五―七(二二〇)。<訳>『国訳一切経』般若部一―六。

大毘婆沙論 だいびばしゃろん 阿毘達磨大毘婆沙論 あびだつまだいびばしゃろん

大仏頂如来密因修証了義諸菩薩万行首楞厳経 だいぶつちょうにょらいみつちんしゅうしょうりょうぎしょぼさつまんぎょうしゅりょうごんきょう  一〇巻。<訳>般刺密帝(未詳)唐代の僧。<別>『大仏頂首楞厳経』、『大仏頂経』、『首楞厳経』。<内>禅定に専注することによって生死の世界を脱却することを説いている。<活>『大正新脩大蔵経』一九(九四五)

太平記 たいへいき  四〇巻四〇冊。<著>未詳。<版>慶長八(一六〇三)年、古活字版。<内>軍記物語。北条氏の滅亡・建武中興をはじめ、南北朝五〇余年間の争乱を和漢混交文で描いている。<複>『古典文庫』。<活>『校註国文叢書』三―四、『校註日本文学大系』一七―一八、『新釈日本文学叢書』二輯五―六、『日本古典文学大系』三四―三六、『日本文学全書』一六―一八、『有朋堂文庫』、『太平記』(明治一五年)

太平御覧 たいへいぎょらん  一〇〇〇巻。<著>編・李昉(九二五―九九六年)五代宋初の学者・政治家。字は明遠/その他編。<成>宋の太平興国八(九八三)年。太平興国二(九七七)年、太宗の勅により一四名が撰し、六年九カ月をもって完成した。<内>天・時序・地から香・薬・百卉まで五五部門に分け、多くの逸書の文を含む一六九〇種におよぶ引用書によって構成される一大類書。<活>『四部叢刊三編』子部、『太平御覧』(商務印書館、一九六八年)

太平広記 たいへいこうき  五〇〇巻。<著>編・李昉(九二五―九九六年)五代宋初の学者・政治家。字は明遠/その他編。<成>太宗の太平興国三(九七八)年。太平興国二年に勅があり、李昉をはじめ一三人で翌年完成した。<内>漢代から五代までの四七五種の古書のなかから、奇談・異聞・伝説・説話などを抜き出したもの。神仙・道術・卜筮・夢・鬼・霊異・草木・昆虫など九二項目に分類し、一つ一つまとまった話の形で収録している。<活>『太平広記』(人民文学出版社、一九五七年)

太平楽皇国性質 たいへいらくみくにかたぎ  二巻二冊。<著>松亭金水(一七九七―一八六二年)江戸後期の戯作者。本名は中村保定・経年、別号は積翠・拙作堂など。<成>天保五(一八三四)年序。<版>同六年。<内>通俗的な教訓書。幕末江戸の世相を写している。巻一は一六条、巻二は一五条から成る。<活>『続日本随筆大成』九。

大弁録 だいべんろく  未詳。

大方広円覚修多羅了義経 だいほうこうえんがくしゅたらりょうぎきょう  一巻。<訳>仏陀多羅(未詳)唐代の僧。<別>『円覚経』、『円覚修多羅了義経』、『大方広円覚経』、『円覚了義経』。<内>仏と十二菩薩との一問一答の形式で内容が進展する。中国で作られた偽経という。<活>『大正新脩大蔵経』一七(八四二)。<訳>『国訳一切経』経集部五。

大方広仏華厳経 だいほうこうぶつけごんぎょう  六〇巻三四章。<訳>仏陀跋陀羅(ブッダバドラ、三五九―四二九年)東晋代の僧。<別>『華厳経』、『六十華厳』、『旧訳華厳経』、『晋経』。<成>四世紀ころまとめられる。<内>仏の悟りの内容をそのまま説いたものといわれる大乗経典。華厳宗の所依経典。異訳に実叉難陀(シィクシャーナンダ、六五二―七一〇年、唐代の僧)の八〇巻三九章の新訳がある。<活>『大正新脩大蔵経』九(二七八)・一〇(二七九)。<訳>『国訳大蔵経』華厳部・『国訳一切経』華厳部。

大方広仏華厳経随疏演義鈔 だいほうこうぶつけごんぎょうずいしょえんぎしょう  九〇巻。<著>澄観(七三八―八三九年)唐代の僧。<別>『華厳経随疏演義鈔』、『華厳大疏鈔』、『演義鈔』。<成>八―九世紀。<内>澄観が『華厳経』を文に従って解釈した『大方広仏華厳経疏』を、さらに自ら詳細に注解・解釈したもの。<活>『大正新脩大蔵経』三六(一七三六)

大方等大集経 だいほうどうだいじっきょう  六〇巻。<著>編・僧就(未詳)隋代の僧。<訳>曇無讖(ダルマラクシャ、三八五―四三三年)中国南北朝時代の訳経僧。前三〇巻を訳す。後三〇巻の訳は那連提耶舎(ナレーンドラヤシャス、四九〇―五八九年)南北朝―隋代の訳経僧。<内>各品それぞれ独立に成立した経典群を集めて編纂したもので、仏が欲色二界の中間において、広く十方の仏菩薩を集めて大乗の法を説いたもの。<活>『大正新脩大蔵経』一三(三九七)、『大日本校訂大蔵経』一〇。<訳>『国訳一切経』大集部一―四。

大方等無想経 だいほうとうむそうきょう  六巻。<訳>曇無讖(ダルマラクシャ、三八五―四三三年)中国南北朝時代の訳経僧。<別>『大雲経』。<内>三七品から成り、三昧等の種々の法門、如来常住の義を説く。<活>『大正新脩大蔵経』一二(三八七)

大品 だいぼん 摩訶般若波羅蜜経 まかはんにゃはらみつきょう

大品般若経 だいぼんはんにゃきょう 摩訶般若波羅蜜経 まかはんにゃはらみつきょう

大明一統志 だいみんいっとうし  九〇巻。<著>編・李賢(一四〇八―六六年)明の政治家。字は原徳、諡は文達/その他編。<別>『明一統志』、『天下一統志』。<成>天順五(一四六一)年。<内>京師・南京・中部・一三布政司の順に記し、さらに各府ごとに建置沿革・郡名・形勝・風俗・山川・土産・公署・学校……人物・列女・仙釈の順に記述した地方志。『大元一統志』にならい『寰宇通志』を改編して成ったもの。

大無量寿経 だいむりょうじゅきょう 仏説無量寿経 ぶっせつむりょうじゅきょう

大楽金剛不空真実三麼耶経 だいらくこんごうふくうしんじつさんまやきょう  一巻。<訳>不空(アモーガヴァジュラ、七〇五―七七四年)唐代の密教訳経僧。阿目佉ともいう。<別>『大楽金剛不空真実三摩地耶経般若波羅蜜多理趣品』、『般若理趣経』、『理趣経』。<内>般若の空を根本にしながらも、現実世界すなわち欲望の世界を密教の立場から肯定し、その境地において心の安定を得ようとする、大楽(覚りの境地)の教えとその実践を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』八(二四三)

大論 だいろん 大智度論 だいちどろん

台湾日日新報 たいわんにちにちしんぽう  日刊。台北市、台湾日日新報社。『台湾新聞』と『台湾日報』を合併して、明治三一(一八九八)年五月創刊。

高島易占 たかしまえきせん  <著>高島嘉右衛門(一八三二―一九一四年)明治期の実業家・易学家。号は呑象。<内>占卜。

高島易断>たかしまえきだん  <著>高島嘉右衛門(一八三二―一九一四年)明治期の実業家・易学家。号は呑象。<版>明治一九(一八八六)年。高島嘉右衛門刊、和一〇冊。<内>占卜。

澤庵和尚玲瓏随筆 たくあんおしょうれいろうずいひつ 玲瓏随筆 れいろうずいひつ

沢庵雑録 たくあんざつろく 玲瓏随筆 れいろうずいひつ

宅経 たくけい  二巻。<著>黄帝(先史)五帝の一。姓は公孫、名は軒轅。<内>家宅を相する書。

卓氏藻林 たくしそうりん  <著>卓徴甫(未詳)明の人。<内>類書。名句・佳語を類集し、詞章家の用に供したもの。

竹取物語 たけとりものがたり  一巻。<著>未詳。<別>『竹取翁物語』、『かぐや姫の物語』。<成>未詳。<版>慶長古活字版。<内>仮名で書かれた現存する最古の物語。竹取の翁が竹のなかから得たかぐや姫の成長、貴公子や帝の求婚、姫の月世界への昇天などを描いている。羽衣説話などの伝承のさまざまな説話で構成されている。<複>『古典影印叢書』、『竹取物語総索引』付録(昭和三三年)。<活>『岩波文庫』、『角川文庫』、『古典文庫』、『校註日本文学叢書』一〇、『新釈日本文学叢書』四、『日本古典全集』二期、『日本古典全書』、『日本古典文学大系』、『有朋堂文庫』「平安朝物語集」。

它山石 たざんのいし 它山石 初篇 とやまのいし

 しょへん

大政官式 だじょうかんしき  未詳。

太上感応篇 だじょうかんのうへん 太上感応篇 たいじょうかんのうへん

大戴礼 だたいれい  <著>編・戴徳(未詳)前漢の学者。字は延君。<別>『大戴記』、『大戴礼記』。<内>周末・秦・漢初儒の礼に関するさまざまな言説を集めたもの。八五編から成るが戴聖の『小戴記』(現在の『礼記』)がおこなわれたため散逸し、現在は三九編しか残っていない。その第四七編は『夏小正』で古代中国の民俗・生活の一端を示しており、第四九―五八編の一〇編は曾子の言行についてのものである。

達性論 たっせいろん  何承天(三七〇―四四七年)南朝宋の暦家。<内>仏教の応報説を批判したもの。顔延之は『釈達性論』を著して何承天と論争した。

荼毘 だび  未詳。

玉くしげ たまくしげ  一冊。<著>本居宣長(一七三〇―一八〇一年)江戸中・後期の国学者。号は芝蘭・春(蕣)庵、屋号は鈴屋。<別>『玉匣』、『玉くしげ別巻』。<成>天明七(一七八七)年一二月、求められた治道・経世に関する意見をまとめた『秘本玉くしげ』に別巻として添えて紀伊藩主徳川治貞に奉じたもの。<版>寛政元(一七八九)年ころ。<内>古道の本旨を説いたもの。今の世に処すべき心得もあわせて論じている。<活>『増補本居宣長全集』六、『本居宣長全集』八、『日本古典文学大系』九七、『日本国粋全書』一三。

玉櫛笥 たまくしげ  七巻七冊。<著>林義端(?―一七一一年)江戸前期の浮世草子作者・書肆。字は九成、堂号は文会堂。<別>『玉くしげ』。<成>元禄八(一六九五)年自序。<内>室町時代から桃山時代へかけての伝説に取材した話を中心に、啓蒙・教化を目的としたもの。<蔵>国立国会図書館。

玉すだれ たますだれ  七巻七冊。<著>辻堂兆風子(未詳)。<別>『多満寸太礼』。<成><版>宝永元(一七〇六)年。<内>怪異談。巻一「天満宮通夜物語」より巻七「花木弁論并貧福問答」まで全二七話から成る。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

霊能真柱 たまのみはしら  二巻二冊。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<成>文化九(一八一二)年脱稿。<版>同一〇年。<内>天地のはじめの状態を一〇個の図と文で詳説し、死者の霊魂のゆくえは黄泉ではなく、幽冥であるという説を展開したもの。<活>『新修平田篤胤全集』七、『大日本文庫』「復古神道」中、『日本思想大系』「平田篤胤・伴信友・大国隆正」、『平田篤胤全集』二(平田学会)、『有朋堂文庫』、『霊能真柱』(大正七年、昭和一九年)

玉箒子 たまははき  六巻六冊。<著>林義端(?―一七一一年)江戸前期の浮世草子作者・書肆。字は九成、堂号は文会堂。<別>『玉箒木』、『玉はゝき』。<成><版>元禄九(一六九六)年。<内>『玉櫛筍』の拾遺。諸国の奇事・異聞・怪異談など一七話を収録している。<活>『近代日本文学大系』怪異小説集、『古今小説名著集』一四、『徳川文芸類聚』四。

陀羅尼集経 だらにじっきょう  一二巻。<訳>阿地瞿多(アティクータ、未詳)。<成>六世紀後半から七世紀半ば。<内>諸種の密教経典や儀軌を集成したもの。諸仏・菩薩・諸天の印呪を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』一八(九〇一)

丹鉛総録 たんえんそうろく  二七巻。<著>楊慎(一四八八―一五五九年)明の学者・文学者。字は用修、号は升庵。<内>門人梁佐が著者の諸録を合して総録と名づけ、天文・地理・時序から怪異・身体・詩話・瑣語まで二六類に分けたもの。

譚海 たんかい  四巻二冊。<著>依田学海(一八三三―一九〇九年)明治期の演劇評論家・劇作家・小説家。本名は百川、別号は柳蔭など。<版>鳳文館、明治一七(一八七五)年。博文館、明治二五―二六(一八八二―三)年、四冊(「寸珍百種」第一六―一九編)

耽奇漫録 たんきまんろく  二〇集二〇冊。<著>滝沢馬琴(一七六七―一八四八年)江戸後期の戯作者。名は解、字は瑣吉、馬琴は号、別号は曲亭/山崎美茂(一七九六―一八五六年)江戸後期の雑学者。字は久卿、号は北峰・好問堂・三養居など。<成>文政七―八(一八二四―二五)年。<内>考証随筆。耽奇会という好事の者の集まりで、会員各自所蔵の珍品・奇物を持ち寄り、展観・批評したその図と考説とを集録し、各会員に回覧したもの。<複>『日本随筆大成』新版一期別巻(旧版一期一二)。<活>『続随筆文学選集』一―六。

丹水子 たんすいし  二巻二冊。<著>名古屋玄医(一六二八―九六年)江戸前期の医者。字は閲甫・富潤、別号は宜春庵・桐渓。<成>貞享四(一六八七)年自序。<版>同五(一六八八)年。<内>医学。<活>『日本哲学全書』七。

彖伝 たんでん 易経 えききょう

談鋒資鋭 だんぽうしえい  二巻二冊。<著>荒井晴湖(未詳)江戸後期の儒学者。名は繇行、字は尭民。<成>文政一二(一八二九)年序・跋。<内>古今内外の随筆中より選抄し、その要点を記して評論したもの。また、小説類の奇事・奇談なども載せている。<複>『影印日本随筆集成』八。

智恵鑑 ちえかがみ  一〇巻一〇冊。<著>辻原元甫(未詳)。<別>『智恵鑑図会』。<成>万治三(一六六〇)年跋。<内>漢籍から中国の故事を選び、上智・明智・察智・胆智・術智・捷智・語智・兵智・閨智・雑智の一〇部に分けて諺解したもの。絵入り。<活>『近世文学未刊本叢書』仮名草子篇。

智覚禅師伝 ちかくぜんしでん  未詳。

竹窓三筆 ちくそうさんぴつ  <内>『竹窓随筆』の巻三のこと。 竹窓随筆。

竹窓随筆 ちくそうずいひつ  三巻三冊。<著>袾宏(未詳)明の高僧。号は蓮池。蓮池大師・雲棲大師と称される。<版>承応二(一六五三)年。<内>巻一「竹窓随筆」、巻二「竹窓二筆」、巻三「竹窓三筆」から成る。「随筆」は儒釈和会・鬼神・生死根本など一四七項、「二筆」は極楽世界・出家陰陽など一二八項、「三筆」は肇論・仏性・心意識など一一二項の全三八七項から成っている。<蔵>哲学堂文庫。

痴談 ちだん 静軒痴談 せいけんちだん

茶摘集 ちゃつみしゅう  未詳。

中央新聞 ちゅうおうしんぶん  日刊。東京、中央新聞社。明治二四(一八九一)年八月一六日、『東京中新聞』を改題・追号し、大正一三(一九二四)年五月三一日まで継続した。

中華事始 ちゅうかことはじめ  六巻三冊。<著>貝原好古(一六六四―一七〇〇年)江戸前期の儒学者。字は敏夫、号は耻軒、好古は名、「よしひさ」とも読む。<別>『漢事始』。<成>元禄九(一六九六)年自跋。<版>同一〇年。<内>中国の事物などの起源について記した百科事典。<活>『益軒全集』一。

註画讃 ちゅうがさん 日蓮上人註画讃 にちれんしょうにんちゅうがさん

忠孝活論 ちゅうこうかつろん  一冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育家。号は甫水。不思議庵主人と称す。東京、哲学書院、明治二六(一八九三)年、九八頁。<内>日本固有のものとしての「活物的」な忠孝を明らかにし、基礎づけようとしたもの。

中荒経 ちゅうこうきょう  未詳。

中古叢書 ちゅうこそうしょ  一四九冊・目録一冊。

中庸 ちゅうよう  一巻。<著>子思(前四八三?―前四〇二?年)中国古代の思想家。名は伋、子思は字。孔子の孫。<成>戦国時代?。<内>『礼記』の一編を独立させ、四書の一つとした。中道の徳を説き、儒教の教理を示している。<活>『新釈漢文大系』二、『全釈漢文大系』三。

張子正蒙 ちょうしせいもう 正蒙 せいもう

長秋記 ちょうしゅうき  <著>源師時(一〇七七―一一三六年)平安後期の公卿。<別>『権大夫記』、『水日記』、『師時記』。<内>権中納言源師時の日記。現存するのは天永二(一一一一)年から保延二(一一三六)年までの年次がある。<活>『史料大成』六―七。

長寿食事戒 ちょうじゅしょくじかい  一冊。<著>高井蘭山(一七六二―一八三八年)江戸後期の戯作者。名は伴覚、字は思明(子明とも)、別号は三遷・哂我・宝雪庵。<別>『無病長寿食事戒』、『食事戒』。<内>「古食を以て病を治る事」「婦人妊娠食物の禁」「諸食喰合品目」など、食と病に関して記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

朝鮮征伐記 ちょうせんせいばつき 絵本朝鮮征伐記 えほんちょうせんせいばつき

長命衛生論 ちょうめいえいせいろん  三巻三冊。<著>本井子承(未詳)江戸中期の医者。子承は名。<成><版>文化一〇(一八一三)年。<内>「食養生心得の事」など、養生・長命についての心得を記したもの。<活>『日本衛生文庫』四。

長明発心集 ちょうめいほっしんしゅう 発心集 ほっしんしゅう

朝野群載 ちょうやぐんさい  三〇巻。<著>編・三善為康(一〇四九〔五〇〕―一一三九年)平安後期の文人。<成>永久四(一一一六)年自序。<内>朝野の詩文および雑文を集めたもの。<複>『古簡集影』六―七(巻一)。<活>『改定 史籍集覧』一八、『新訂増補国史大系』。

朝野新聞 ちょうやしんぶん  日刊。東京、朝野新聞社。明治五(一八七二)年一一月一三日創刊の『公文通誌』を同七年九月二四日、『朝野新聞』と改題した。明治二六(一八九三)年一一月一九日廃刊した。<内>明治時代の政論新聞。

朝野僉載 ちょうやせんさい  六巻。<著>張鷟(六六〇?―七四〇?年)唐の文学者。字は文成、号は浮休子。<内>原本は二〇巻・補遺三巻であるが、元・明以後散逸した。隋・唐代の朝野の遺聞で、怪異譚などの記事もある。<活>『古今説海』一二、『五朝小説』七、『説郛』四八、『続百川学海』二二。

著作堂一夕話 ちょさくどういっせきわ  三巻三冊。<著>滝沢馬琴(一七六七―一八四八年)江戸後期の戯作者。名は解、字は瑣吉、馬琴は号、別号は曲亭・著作堂主人・蓑笠魚隠など。<別>『曲亭漫筆』、『蓑笠雨談』。<成>享和三(一八〇三)年成稿。<版>同四年。<内>享和二年夏、京畿に遊歴した際に見聞した、古人の伝記・墓誌・異聞・珍説などを漫録したもの。図版入り、全二〇条から成る。<活>『温知叢書』九、『日本随筆全集』二、『日本随筆大成』新版一期一〇(旧版一期五)

樗山漫筆 ちょざんまんぴつ  未詳。

鎮火用心車 ちんかようじんぐるま  三巻三冊。<著>南極斎(未詳)。<成><版>明和三(一七六六)年。<内>火災についての心得を記したもの。<活>『日本教育文庫』「訓誡篇」下。

珍奇物語 ちんきものがたり  <著>東江楼主人(未詳)。<別>『童蒙弁惑珍奇物語』。初編。東江楼刊、明治五(一八七二)年、和二冊(上二三、下一五丁)。二編の表題は「天変奇談」、明治六(一八七三)年、二冊(上三二、中・下二一丁)

通雅 つうが  五二巻。<著>方以智(一六一一―七一年)明末・清初期の学者。字は密之、号は鹿起。<内>類書。『爾雅』の体裁にならって、名物・象数・訓詁・音声などについて四四門に分けて考証したもの。<活>『方以智全書』(上海古籍出版社、一九八五年)

通書大全 つうしょたいぜん  未詳。

通俗五雑俎 つうぞくござっそ  五巻五冊。<著>謝肇淛(未詳)明の詩人・随筆家。<訳>田中夢外。<版>天保一四(一八四三)年。<内>謝肇淛の『五雑俎』を和解して初学の人が便利に用いられるようにしたもの。『水月猴話』の改題本。<蔵>哲学堂文庫。

通俗三才諸神本紀 つうぞくさんさいしょじんほんぎ  五巻五冊。<著>寺島良安(未詳)江戸中期の医者。字は尚順、号は杏林堂。<別>『三才諸神本紀』。<成><版>享保八(一七二三)年自序。<内>神道。<蔵>哲学堂文庫。

通俗哲学講義録 つうぞくてつがくこうぎろく  全二四冊。哲学館発行。<内>明治三四(一九〇一)年一一月一〇日から明治三五年一一月一〇日までの一年間、一・二号を一冊とし四八号二四冊を発行した。哲学、心理学、教育学、宗教学、シナ哲学、倫理学、論理学、仏教哲学など、哲学関連学科の大意を平易にだれにでも理解できるように述べたもの。

通俗和漢雑話 つうぞくわかんざつわ  五巻三冊。<著>大江文坡(?―一七九〇年)江戸中期の読本作者・神道家。名は匡弼、号は菊丘臥山人・臥仙人など、文坡は字/画・下河辺拾水。<成><版>寛政七(一七九五)年。<内>和漢のさまざまな奇話を集めたもの。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

通変亀鑒 つうへんきかん  一冊。<著>未詳。<別>『清明通変亀鑒』。<成>明和二(一七六五)年。<内>占卜。<蔵>京都大学。

通歴 つうれき  一〇巻または一五巻。<著>馬総(未詳)唐の人。伝本は『通紀』に作る。

通鑑 つがん 資治通鑑 しじつがん

通鑑外紀 つがんがいき  一〇巻・目録五巻。<著>劉恕(一〇三二―七八年)北宋の学者。字は道原。<内>伏羲から周の威烈王二三年までの史実を編年体で記したもの。

撞賢木 つきさかき  五巻五冊。<著>鈴木雅之(一八三七―七一年)幕末・明治初期の国学者・神道家。穂積氏を称す。別名は昌之、号は霞山・霞崖・霞岳など。<内>古道説を述べた書。天神のおこなわれる生成の道の根本は君・親・国の三つで、それに神恩を加えたものが四恩で、これを離れては何も存在しないとする。<活>『やまと叢誌』。

通典 つてん  二〇〇巻。<著>杜佑(七三五―八一二年)唐中期の政治家・学者。<内>食貨・選挙・職官・礼・楽・兵・刑・辺防の八門に分けて、上は黄虞にさかのぼり、下は唐の天宝にいたるまでの政典を記している。

徒然草 つれづれぐさ  二巻二冊。<著>吉田兼好(一二八三?―一三五〇?年)鎌倉末・南北朝期の歌人・隠者。<版>慶長一八(一六一三)年古活字版。<内>随筆。無常観を根底に感興のおもむくままに、人間、色欲、酒食、友人、言葉、死など、さまざまな主題をめぐって自由に記したもの。<複>『古典文庫』、『日本古典全集』二期、『徒然草』(昭和九年)、『つれ★★(原文では、くの字点表記)草』(昭和八年)、『つれ★★(原文では、くの字点表記)種』(昭和二六年)。<活>『岩波文庫』、『角川文庫』、『校註日本文学叢書』一一、『新釈日本文学叢書』五、『日本古典全書』、『日本古典文学大系』三〇、『日本文学全書』一、『有朋堂文庫』。

帝王世紀 ていおうせいき  一巻。<著>皇甫謐(二一五―二八二年)西晋の学者。字は士安、号は玄晏先生。<別>『帝王代記』。<内>上代から漢魏までの帝王について記したもの。散逸して諸書に散見するだけである。<活>『説郛』五九。

庭訓往来 ていきんおうらい  一冊。<著>未詳。<成>南北朝後期ないし室町初期。<版>慶長四(一五九九)年。<内>往来物。手紙を一年一二カ月分に配し、一カ月往返二通ずつ計二四通と、閏八月の書状一通を加えた計二五通から構成された手紙の模範文で、手習いの教科書。当時の武家の社会生活上、心得ておかなければならない諸種の知識と必要な語彙が網羅されている。<複>『和漢名家習字本大成』三四。<活>『国民思想叢書』「民衆篇」、『続群書類従』一三下、『日本教育文庫』「教科書篇」、『日本教科書大系』「往来編」三、『日本経済大典』一、『日本精神文献叢書』一五。

提醒紀談 ていせいきだん  五巻五冊。<著>山崎美茂(一七九六―一八五六年)江戸後期の雑学者。字は久卿、号は北峰・好問堂・三養居/画・佐竹永海。<成><版>嘉永三(一八五〇)年。<内>慶長・元和以来の諸家の文藻や公私の群籍から、嘉言・善行・奇聞・珍説などを集録したもの。全一〇五項から成る。<活>『続随筆文学選集』一、『日本随筆全集』六、『日本随筆大成』新版二期二(旧版二期一)

鼎足論 ていそくろん  四巻四冊。<著>大我(一七〇九―八二年)江戸中期の浄土宗の僧。字は絶外、号は孤立道人・夢庵など。<別>『教則三条 鼎足論』。<成>寛延四(一七五一)年序。<版>文政四(一八二一)年。<内>神・儒・仏・雑の四巻に分けて、それぞれ三教の関係において述べ、三教一致の論を展開し、三教輔翼して国の基となるべしと主張している。<活>『説教要集』一―四、『日本思想闘諍史料』五。

哲学会雑誌 てつがくかいざっし  東京帝国大学文学部哲学会編、哲学会事務所。一冊一号(明治二〇〔一八八七〕年二月―六冊六三号(明治二五〔一八九二〕年五月。七冊六四号(明治二五年六月)から『哲学雑誌』(哲学会編)として継承される。<内>日本最初の哲学専門の雑誌。

哲学館講義録 てつがくかんこうぎろく  <内>哲学館発行の講義録。通信教育生のために哲学館における講義内容を筆記し、一年三六回に分けて発行したもの。明治二一(一八八八)年一月八日に第一年級第一号が発行され、以後、種々の変遷を経ながら、明治三六(一九〇三)年まで発行された。特に明治二六(一八九三)年一一月五日から明治二七年一〇月二〇日まで、「第七学年度妖怪学」として『哲学館講義録』が発行されたので、従来の講義録は以後、『哲学館正科講義録』と改題し、さらに『高等学科講義録』と改題して発行された。

哲学雑誌 てつがくざっし 哲学会雑誌 てつがくかいざっし

輟耕録 てっこうろく  三〇巻。<著>陶宗儀(一三一六―六九年)元末・明初の文人。字は九成、号は南村。<内>元代の法制および至正年間(一三四一―六七年)の東南の兵乱を詳記し、また風俗・戯曲など元代社会の多様な実情を伝えている。<活>『四部叢刊三編』、『津逮秘書』九、『和刻本漢籍随筆集』二。

天官書 てんかんしょ  <内>『史記』の編名。星座を人間社会の組織に擬して、五行運行の知識をもとに、吉凶禍福などのことを記した占星術の書。

転経行道願往生浄土法事讃 てんぎょうぎょうどうがんおうじょうじょうどほうじさん  二巻。<著>善導(六一三―六八一年)中国浄土教の大成者。<別>『浄土法事讃』、『安楽行道転経願生浄土法事讃』、『法事讃』。<内>願生浄土のための法事供養の儀則を述べたもの。<活>『大正新脩大蔵経』四七(一九七九)

天狗髑髏鑑定縁記 てんぐしゃれこうべめききえんぎ 風来六々部集 ふうらいろくろくぶしゅう

天狗説 てんぐせつ  一冊。<著>荻生徂徠(一六六六―一七二八年)江戸中期の儒学者。名は双松、字は茂卿、徂徠は号、別号は蘐園、本姓の物部氏をとって物徂徠・物茂卿とも称す。<別>『徂徠先生天狗説』。<成><版>享保一九(一七三四)年。<内>天狗についての小論。<蔵>哲学堂文庫。

天狗賦 てんぐふ  <著>杜甫(七一二―七七〇年)唐の詩人。字は子美、号は少陵。

天狗名義考 てんぐめいぎこう  一冊。<著>妙竜(未詳)。江戸中・後期の真言宗の僧。字は諦忍、号は雲蓮社・空華。<成><版>宝暦四(一七五四)年。<内>天狗の名義に関することを和漢古今の書より引き、それを評したもの。<活>『医聖堂叢書』。<謄>『未刊稀覯書叢刊』一。

天経或問註解 てんけいわくもんちゅうかい  序巻一巻・図巻二巻三冊。<著>入江東阿(一六九九―一七七三年)江戸中期の和算家・軍学者。名は敬善・修敬・脩、字は惺叔・君義・保叔、別号は竜渚・寧泉。<成><版>寛延三(一七五〇)年。<内>張昌亮の『天経或問』の注釈書。<蔵>哲学堂文庫。

天元二十八宿指南 てんげんにじゅうはっしゅくしなん  <著>未詳。<内>占卜。

天竺往生験記 てんじくおうじょうげんき  一冊。<著>伝世親(未詳)。<訳>鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧・大訳経家。<別>『天竺往生本記』、『天竺往生伝』。<版>寛永六(一六二九)年。<活>『続浄土宗全書』一六。

伝習録 でんしゅうろく  三巻。<著>王守仁(一四七二―一五二八年)明の哲学者・政治家。字は伯安、号は陽明。<内>王陽明の語録で、王陽明とその門人たちとの問答および書簡を、門人の徐愛らが編集したもの。王陽明の心即理・知行合一・致良知の三条に要約される陽明学の精髄が凝縮してある。<活>『岩波文庫』、『新釈漢文大系』一三。

天則 てんそく  月刊。哲学書院。創刊・第一編第一号(明治二二〔一八八九〕年三月一七日)―終刊・第九編第六号(明治二九〔一八九六〕年六月一一日)。<内>哲学研究会(会長・加藤弘之、副会長・井上円了、哲学館内に設置)および哲学館の機関誌。第一編第一号から第二編第四号までは加藤弘之の個人誌。第三編第一号(明治二三年七月一七日)からは哲学研究会、明治二四年四月からは哲学館の機関誌となり、明治二七年三月以降は機関誌ではなく一般の雑誌として発行された。

天台名目類聚鈔 てんだいみょうもくるいじゅうしょう

 七巻一三冊。<著>貞舜(一三三四―一四二二年)室町時代の天台宗の僧。<別>『七帖見聞』、『天台七帖見聞』。<成>応永九(一四〇二)年ころ。<版>元和四(一六一八)年古活字版。<内>仏教の起こる由来から、諸宗のこと、荘老、神家を説き、天台宗に入り、蔵通別円の四教へと説いている。<活>『天台宗全書』二二。

天体論 てんたいろん  <著>カント(Kant, I. 一七二四―一八〇四年)ドイツの哲学者。<内>カント・ラプラスの星雲説といわれる理論を提唱している。〔原書〕 Allgemeine Naturgeschichte und Theorie des Himmels, 1755.

天地瑞祥志 てんちずいしょうし  <著>未詳。<内>天文。<蔵>金沢市立図書館加越能文庫(写本)

天地万物造化論 てんちばんぶつぞうかろん  一冊。<著>王柏(未詳)宋の学者。<内>万物の根底をたずねて造化の秘奥を明らかにしたもの。<蔵>哲学堂文庫。

天中記 てんちゅうき  六〇巻。<著>陳耀文(未詳)明の人。字は晦伯。<内>乾坤・歳時・律暦・地理・帝王・都邑・人倫・身体・人事・職官・釈教・経伝・文房・技芸・礼楽・飲食・衣服・樹木・草花・虫魚甲介・鳥・獣に分類し、根拠と弁証を付している。

天柱五嶽余論 てんちゅうごがくよろん  二巻一冊。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<別>『天柱五嶽考』。<成>文政一二(一八二九)年。<内>中国古典の「天柱五嶽」を論究し、天柱とは天瓊矛であるとして、五嶽のうち、中嶽と東嶽とを日本国内に、南嶽をトルコに、北嶽をカリフォルニアに擬定したもの。<活>『新修平田篤胤全集』八、『平田篤胤全集』一四(平田学会)、『平田篤胤全集』七(内外書籍)、『平田篤胤叢書』乾。

天朝無窮暦 てんちょうむきゅうれき  六巻・付録一巻七冊。<著>平田篤胤(一七七六―一八四三年)江戸後期の国学者。<成><版>天保八(一八三七)年自跋。<内>日本固有暦の成立を論じたもので、『日本書紀』の紀年は神代以来の真暦によったものとする。<複>『新修平田篤胤全集』一三・補三。<活>『平田篤胤全集』一一(平田学会)、『平田篤胤叢書』坤、『やまと叢誌』。

天地麗気記 てんちれいきき 麗気記 れいきき

天地麗気府録 てんちれいきふろく 麗気府録 れいきふろく

天地或問珍 てんちわくもんちん 秉燭或問珍 へいしょくわくもんちん

伝灯 でんとう  月刊のち半月刊。京都、真言宗伝灯会。明治二三(一八九〇)年一月創刊。<内>仏教雑誌。

伝灯録 でんとうろく 景徳伝灯録 けいとくでんとうろく

天変地異 てんぺんちい  <著>小幡篤次郎(一八四一―一九〇五年)明治期の洋学者・実業家。慶応義塾刊、明治元(一八六八)年、和二七丁。<内>雷・地震・虹霓・陰火など、卑近な自然現象についてやさしく解説した啓蒙的な書。

天変地妖決疑弁蒙 てんぺんちようけつぎべんもう 決疑弁蒙 けつぎべんもう

天保大雑書 てんぽうおおざつしょ  一冊。<著>山田案山子(未詳)。<成><版>天保八(一八三七)年。<内>暦。<蔵>哲学堂文庫。大雑書。

電報新聞 でんぽうしんぶん  日刊。東京、電報新聞社。明治三六(一九〇三)年一一月二三日創刊。明治三九年六月、『大阪毎日新聞』に売却し、同年一二月二一日、『毎日電報』と改題、明治四四(一九一一)年三月、『東京日日新聞』に合併された。<内>時事。おもな関係者―渡辺千冬・茅原華山。

伝法智恵の海 でんぽうちえのうみ  未詳。

転法輪論 てんぼうりんろん  未詳。

天文義論 てんもんぎろん  二巻二冊。<著>西川如見(一六四八―一七二四年)江戸前・中期の天文暦算家・地理学者。名は忠英、別号は恕軒・求林斎など。<別>『両儀集説外記 天文義論』。<成><版>正徳二(一七一二)年。<内>天文学。実証主義的な見地から天文学の問題を展開し、星列から人間の吉凶を判断する迷妄を打破している。<活>『西川如見遺書』二、『日本哲学全書』八。

天文志 てんもんし  <内>『漢書』の「志」の一つ。太陽・月・星辰の「天文」現象と、風・雲・雨・露・霜・雪などの「地文」現象を記録している。漢書。

天文俗談 てんもんぞくだん  五巻五冊。<著>西村遠里(一七一八―八七年)江戸中期の暦算家。名は得一、別号は得一堂・居行。<内>天文や暦に関する俗説について述べたもの。<蔵>哲学堂文庫。

天文要録祥瑞図 てんもんようろくしょうずいず  未詳。

東奥日報 とうおうにっぽう  日刊。青森、東奥日報社。明治二一(一八八八)年一二月六日創刊して現在にいたる。おもな関係者―菊池九郎。

東海一漚集 とうかいいちおうしゅう  五巻。<著>円月(一三〇〇―七五年)南北朝時代五山の詩文僧。号は中正子・中正叟・東海一漚子。<別>『中厳和尚東海一漚集』、『中厳集』。<版>明和元(一七六四)年。<内>詩文集。巻一に古詩・律詩・絶句・賛、巻二に疏・説・上梁文・銘、巻三に表・書・記・論・雑文・祭文、巻四に「中正子」一〇編・自跋、巻五に自歴譜・東陽徳輝などの諸偈を収める。<活>『五山文学全集』二。

東海談 とうかいだん  二巻一冊。<著>篠崎維章(未詳)。<成>元文五(一七四〇)年。

東海道名所図会 とうかいどうめいしょずえ  六巻六冊。<著>編・秋里籬島(?―一八三〇?年)江戸後期の読本作者・俳人。姓は池田、名は舜福、字は湘夕、秋里籬島は号、別号は籬島軒/画・北尾政美(蕙斎)・竹原春泉など。<成><版>寛政九(一七九七)年。<内>関宿から品川までの、宿駅・神社・仏閣・名所・旧跡などを図会したもの。<複>『東海道名所図会』(明治三五年)。<活>『葵文庫』、『大日本名所図会』、『日本図会全集』一期五・六。

桃花源記 とうかげんき  <著>陶淵明(三六五―四二七年)東晋末・宋初の詩人。名は潜、淵明は字。<内>桃源説話を素材に詩を詠じ、さらに詩の意を明らかにするためにそれを文につづり、詩に冠して詩の序とし、それを独立させて「記」としたもの。陶淵明その人の世界を言いあらわしたものという。

桃華蕊葉 とうかずいよう  一巻。<著>一条兼良(一四〇二―八一年)室町時代の公卿・学者。桃華老人ともいう。<内>有職故実。装束など一条家の故実を詳説している。代々相伝の記録・文書類の目録、一条家の門跡寺院などの由緒・家領などをあげて、一条冬良に与える遺戒の書として記したもの。<活>『改定 史籍集覧』二七、『群書類従』雑。

東観漢記 とうかんかんき  二四巻。<著>班固(三二―九二年)後漢の歴史家。字は孟堅/その他著。<内>東漢明帝以後の雑記を東観において纂修したもの。後漢の明帝のときに纂修がはじまり、霊帝の熹平(一七二―一七八年)には一四三巻に達したが、その後散逸し、清の乾隆(一七三六―九五年)中、『永楽大典』により、その欠を補って二四巻とした。著者は他に劉珍、辺韶、蔡邕など数十人におよんでいる。<活>『武英殿聚珍版全集』九三―九六、『湖北先正遺書』二四―二七。

淘宮学軌範 とうきゅうがくきはん  <著>川瀬勝(未詳)。巌々堂刊、明治二五(一八九二)年、七一頁。<内>占卜。

淘宮学秘書 とうきゅうがくひしょ  <著>川瀬勝(未詳)。川瀬勝刊、明治二四(一八九一)年、一一四頁。<内>占卜。初伝・中伝・奥伝に分けて、淘宮学による吉凶禍福・運気・病症などを説明している。

東京曙新聞 とうきょうあけぼのしんぶん  日刊。東京、曙新聞社。明治八(一八七五)年六月二日発刊し、明治一二(一八七九)年九月三〇日廃刊した。前史は明治四(一八七一)年五月に創刊された『新聞雑誌』を明治八年一月二日、『あけほの』と改題・追号して、同年六月二日さらに『東京曙新聞』と改題したもの。また廃刊後、朝陽社が同じ紙名で明治一二年一〇月一日発行、明治一五年二月二八日終刊となり、以後は『東洋新報』と改題した。<内>時事。

東京朝日新聞 とうきょうあさひしんぶん  日刊。東京、東京朝日新聞社。明治二一(一八八八)年七月一〇日、星亨の『めさまし新聞』(明治二〇年四月一日、『燈新聞』を改題・追号)を買収して改題・追号した。昭和一五(一九四〇)年九月一日、『朝日新聞』〔東京〕と改題・追号した。<内>時事。おもな関係者―村上竜平・上野精一。

東京医学会雑誌 とうきょういがくかいざっし  <内>明治二〇(一八八七)年四月創刊の医学雑誌。東京医学会事務所発行。五八巻一〇号(昭和一九年一〇月)以後、『東京医学雑誌』、『東京医学』と改題した。

東京新聞 とうきょうしんぶん  日刊。東京、東京新聞社。明治二八(一八九五)年一二月一五日、『めさまし新聞』(創刊明治二六年一一月一五日。日刊、東京、めさまし新聞社)を改題・追号した。

東京人類学会雑誌 とうきょうじんるいがっかいざっし  東京人類学会。明治二〇(一八八七)年八月、『東京人類学会報告』(明治一九〔一八八六〕年六月、『人類学会報告』〔明治一九年二月創刊〕を改題して巻次を継承)を改題して巻次を継承(第二巻第一八号)し、明治四四(一九一一)年三月(第二六巻第三〇〇号)まで継続した。四月から『人類学雑誌』と改題し、巻次(第二七巻第一号)を継承して現在にいたる。<内>明治一七(一八八四)年に坪井正五郎らによって組織された東京人類学会の機関誌。人体解剖・遺伝・生理・古器物・家族・宗教・言語・風俗など多様な内容を含む。

東京日日新聞 とうきょうにちにちしんぶん  日刊。東京、日報社。明治五(一八七二)年二月二一日創刊、明治七(一八七四)年六月四日まで『官許東京日日新聞』として発行し、発行所も東京日日新聞社に変更した。昭和一八(一九四三)年一月一日、東京・大阪の紙名を統一して『毎日新聞』と改題した。<内>時事。東京で最初の日刊紙。おもな関係者―篠野伝平・西田伝助・落合芳幾・岸田吟香・福地源一郎(桜痴)。

東具記 とうぐき  未詳。

同契纂異 どうけいさんい  <著>清水順蔵(未詳)江戸後期の本草家。号は東泉。<成>文化元(一八〇四)年。<内>怪異談。巻一「枯木生蓮華」など一〇話、巻二「狐神」など一〇話、巻三「神以物借人」など八話の全二八話から成る。<蔵>哲学堂文庫(写本。三巻一冊)

唐才子伝 とうさいしでん  一〇巻。<著>辛文房(未詳)。<内>唐代(五代を含む)の詩人の伝記集。専伝二七八人、付伝一二〇人を収録している。

桃山人夜話 とうさんじんやわ 絵本百物語 えほんひゃくものがたり

童子訓 どうじくん 和俗童子訓 わぞくどうじくん

唐詩選 とうしせん  七巻。<著>編・李攀竜(一五一四―七〇年)明の文人。字は于鱗。<成>李の中国歴代の詩を編した『古今詩刪』のなかから唐の部の詩を抄録して、書肆が作りあげたものという。<内>五言古詩・七言古詩・五言律詩・五言排律・七言律詩・五言絶句・七言絶句の計四六五首、一二八人の詩人の作品を収めている。<活>『漢詩大系』、『新釈漢文大系』一九。

唐書 とうじょ 新唐書 しんとうじょ

洞上伽藍雑記 とうじょうがらんざっき  一冊。<著>慧璞(?―一七八二年)江戸中期の曹洞宗の僧。号は荊巖、不琢ともいう。<別>『伽藍雑記』。<成>明和七(一七七〇)年序。<版>安永四(一七七五)年。<内>曹洞宗寺院の伽藍・仏像・器具・行式などについて述べたもの。<活>『曹洞宗全書』清規。

痘疹心印 とうしんしんいん  未詳。

当世両面鏡 とうせいりょうめんきょう  五巻五冊。<著>未詳。<内>怪談。巻一「燼火を燎付る腰本が訴人」から巻五「艶女に吹せし玉簫の音色」まで、一六話から成る。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

唐宋八大家 とうそうはちだいか 唐宋八大家文鈔 とうそうはちだいかぶんしょう

唐宋八大家文鈔 とうそうはちだいかぶんしょう  一六四巻。<著>茅坤(一五一二―一六〇一年)明の文学者。字は順甫、号は鹿門。<内>韓愈文一六巻、柳宗元文一二巻、欧陽脩文三二巻、付五代史鈔二〇巻、王安石文一六巻、曾鞏文一〇巻、蘇洵文一〇巻、蘇軾文二八巻、蘇轍文二〇巻。<活>『正誼堂全書』一四九―一五五。『増評唐宋八大家文鈔』(明治一二年)

登壇必究 とうだんひっきゅう  未詳。

董仲舒伝 とうちゅうじょでん  <内>董仲舒(前一七九―前一〇四年、漢の学者)の伝。『史記』一二一巻、『漢書』五六巻に記されている。

桃洞遺筆 とうどういひつ  二編六巻・付録二巻六冊。<著>小原桃洞(一七四六―一八二五年)江戸後期の医者・本草家。名は良貴/編・小原蘭峡(一七九七―一八五四年)江戸後期の医者・本草家。名は良直/画・塩路鶴堂。<成><版>初編天保四(一八三三)年、二編嘉永三(一八五〇)年。<内>巻一、燕子花・黒柿など二七項、巻二、鬼面蟹・木葉石など一九項、巻三、蓑衣虫・都鳥など二三項、巻四、松虫・山椒魚など二二項、巻五、一年栗など二五項、巻六、天狗魚など二七項を、言葉の由来などについて考証したもの。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

唐土訓蒙図彙 とうどきんもうずい  一四巻・序巻一巻・目録一巻一五冊。<著>平住専庵(未詳)江戸中期の医者・儒学者。名は周道、字は専安、別号は静斎・橘墩など/画・楢村有税子。<別>『唐土訓蒙図』、『唐土訓蒙図会』。<成><版>享保四(一七一九)年。<内>天文・地理・宮室・人物・器用・草木・禽獣・魚介・虫の九門に分け、中国の諸種の事物を図解している。<蔵>哲学堂文庫(一四巻九冊)

動物知力論 どうぶつちりょくろん  <著>ローマニス(未詳)。

動物電気論 どうぶつでんきろん  <著>メスマー。<訳>鈴木万次郎。岩藤錠太郎刊、明治一八(一八八五)年、四二頁。

東方朔伝 とうぼうさくでん  八巻。<著>郭憲(漢)(未詳)。<内>東方朔(生没年不詳)の伝記。

東方朔秘伝置文 とうぼうさくひでんおきぶみ  一冊。<著>未詳。<別>『吉凶占 東方朔秘伝置文』。<成 貞享元(一六八四)年序。<版>貞享三(一六八六)年。<内>日輪・星・雲・虹など、天文によって吉凶を占う。<活>『東方朔秘伝置文』(明治一九年)

東北新聞  とうほくしんぶん  日刊。仙台、東北新聞社。明治二五(一八九二)年一月四日創刊。<内>時事。

童蒙古事談 どうもうこじだん  四巻四冊。<著>恒亭主人(未詳)。<別>『童蒙故事談』。<成><版>正徳元(一七一一)年。<内>さまざまな教訓を述べるとともに、夢の吉凶・灯火占い・養生・保嬰・衛生など、「大雑書」のようなことも記している。<蔵>哲学堂文庫。

童蒙策励 どうもうさくれい  三巻一冊。<著>良運(一六三五―一七〇四年)江戸前期の天台宗の僧。字は自証、号は月心。<成><版>寛文九(一六六九)年。<内>仏教。<蔵>哲学堂文庫(写本)

東遊記 とうゆうき  二編一〇巻一〇冊。<著>橘南谿(一七五三―一八〇五年)江戸中・後期の医者。名は春暉、字は恵風、別号は梅華仙史・梅仙。<別>『諸国奇談 東遊記』。<成><版>前編寛政七(一七九五)年、後編同九年。<内>医学修行のための旅の中、北陸・奥羽・関東・東海・信濃行において見聞した奇談・奇事・名勝・旧跡・奇人・篤行などを記したもの。<活>『改造文庫』、『袖珍名著文庫』、『続帝国文庫』「紀行文集」、『日本庶民生活史料集成』二〇、『文芸叢書』一一、『有朋堂文庫』「東西遊記・北窓瑣談」、『東西遊記』(明治三六年)

東遊奇談 とうゆうきだん  五巻五冊。<著>一無散人(未詳)。<別>『諸国奇談 東遊奇談』。<成><版>寛政一三(一八〇一)年。<内>奇談。巻一は「甲斐の野男」「上野の狼」など一二話、巻二は「泣祭」「草隠の術」など一〇話、巻三は「筑波山」「漁人の辞」など一一話、巻四は「伊達の墨塗」「天狗猟人を呵る」など一〇話、巻五は「猟戸の怪異」「婦女雷を罵る」など八話から成る。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

東遊雑記 とうゆうざっき  二巻一冊。<著>福田義導(一八〇五―八一年)江戸後期・明治初期の真宗の僧。号は帰牛・不思議庵。<成><版>嘉永四(一八五一)年。<内>上巻「国王恩沢」「次経説」「兵道権柄」「王法政論」「腐儒俗難」、下巻「三世因果」「為公棄私」「富士曠野」「五常譬説」「十七憲法」「経力輸贏」「聴法王徳」「七日並出」「王礼沙弥」「王売死頭」「知悪行悪」から成る。<蔵>哲学堂文庫。

東牗子 とうゆうし 橘庵漫筆 きつあんまんぴつ

東洋学芸雑誌 とうようがくげいざっし  東洋学芸社。一巻一号(明治一四〔一八八一〕年一〇月)創刊―四六巻八号(昭和五〔一九三〇〕年一二月)終刊。三九巻四八七(大正一一〔一九二二〕年四月)から四〇巻五〇四号(大正一二年九月)まで『学芸』と改題して巻次を継承し、四一巻五〇五号(大正一四〔一九二五〕年五月)から復題して巻次を継承した。<内>学術誌。おもな関係者―上田秋成・小柳津要人。

東洋心理初歩 とうようしんりしょほ  <著>雲英晃耀(未詳)。一色村(愛知県)、雲英晃耀刊、明治一八(一八八五)年、和四〇丁。

東莱左氏博議 とうらいさしはくぎ  二五巻。<著>呂祖謙(一一三七―八一年)宋の儒者。<内>『春秋左氏伝』の評論。

東莱読書記 とうらいどくしょき  未詳。

東里新談 とうりしんだん  二巻二冊。<著>金丸東里(未詳)。<成><版>宝暦一一(一七六一)年。<内>随筆。<蔵>哲学堂文庫。

兎園小説 とえんしょうせつ  本集一二巻七冊・外集二巻一冊・別集三巻三冊・拾遺二巻二冊・余録二巻一冊。<著>編・滝沢馬琴(一七六七―一八四八年)江戸後期の戯作者。名は解、馬琴は号、別号は曲亭・著作堂主人・蓑笠魚隠など/その他編。<成>文政八(一八二五)年。<内>随筆。一八二四年、滝沢馬琴・山崎美成らによって結成された兎園会(珍談奇談を話し合い見聞を広めるための好事家の会)会員たちが、文政八年の正月から一二月まで毎月一回会合して、その席上で発表した奇事・異聞などの文稿を集めて編集したもの。「外集」は兎園会断絶後の文政九年二月より同一〇年にいたる奇談・珍説を筆録したもの。「拾遺」「余録」も兎園会断絶後の巷談・奇事・異聞を集めたもの。<活>『新燕石十種』四(「本集」欠)、『日本随筆大成』新版二期一・三―五(旧版二期一―三)、『百家説林』正編下(「本集」)

遠山奇談 とおやまきだん  四巻・後編四巻八冊。<著>華誘居士(未詳)。<別>『遠山著聞集』。<成><版>寛政一〇(一七九八)年、後編享和元(一八〇一)年。<内>前編は二〇章から成り、天明八(一七八八)年の大火で類焼した東本願寺の再建のため、浜松の齢松寺の僧七人が信濃・駿河・甲斐・遠江四国の境にある遠山へ材木の見分けに行ったときの、山中での不思議な出来事、珍しい鳥獣などさまざまな見聞を記録したもの。後編は二三章から成り、三年後の遠山から信州までの伝説・古譚・縁起などを集めたもの。<活>『日本庶民生活史料集成』一六。

読書録 どくしょろく  一一巻・続録一二巻。<著>薛瑄(一三八九―一四六四年)明の朱子学者。字は徳温、号は敬軒、諡は文清。<内>読書のとき、心に得るところのものを筆に従って記したもの。修身斉家の要道を説いている。

独断 どくだん  二巻。<著>蔡邕(一三二―一九二年)後漢末の学者。字は伯喈。<内>漢の礼制・祭祀・廟制・冠制などを解説したもの。<活>『漢魏叢書』一五、『古今逸史』四、『説郛』一一、『唐宋叢書』一七、『百子全書』四九、『百川学海』二、『抱経楼叢書』三一。

杜氏通典 としつてん 通典 つてん

它山石 初篇 とやまのいし しょへん  四巻四冊。<著>松井羅州(一七五一―一八二二年)江戸後期の儒学者・易学者。名は暉星(または暉晨)。 <別>『佗山石』。 <成><版>弘化二(一八四五)年。<内>随筆。巻一「皇国文学の紀原」から「乳名に屎の字を用ゆ」まで二四項、巻二「んンの字」から「先天、後天」まで三九項、巻三「高麗」から「永楽銭知行」まで二六項、巻四「信長、信玄、謙信」から「一休和尚有レ子」まで三三項の、計一二二項の考証。<活>『日本随筆大成』新版二期七(旧版二期四)

豊受皇太神御鎮座本紀 とゆけこうたいじんごちんざほんぎ  一巻。<著>未詳。<別>『御鎮座本紀』、『飛鳥記』、『飛鳥本記』、『上代本記』。<成>鎌倉時代初期。<内>豊受大神を中心に、天地開闢のはじめから豊受大神の所化・天照大神との関係・外宮の天鏡・相殿神・神楽などについて記したもの。<活>『新訂増補 国史大系』、『続群書類従』、『大神宮叢書』。

遁甲奇門 とんこうきもん  <著>未詳。<内>占卜。

内経 ないけい 黄帝内経素問 こうていないけいそもん

内外明鑑 ないげめいかん  三巻。<著>日迢(未詳)。<版>万治三(一六六〇)年。<内>仏教の諸問題および仏教と儒教との関係などについて述べたもの。巻上「仏法ヲトロフルニ依テ儒学盛ト云理ノ事」など三七条、巻中「僧法アシクナルハ名利ヲ宗トスル故ノ事」など二九条、巻下「震旦ヘ仏法ワタラヌ前ハ儒ニテオサマリタルト云執見ヲ破ル事、付仏法ノ聖人多キ事」など二一条の計八七条から成る。<蔵>哲学堂文庫。

長岡日報 ながおかにっぽう  日刊。長岡、英志舎。明治四〇(一九〇七)年四月、『越佐新聞』(明治二三年『越佐毎日新聞』を改題・追号)と合併して『北越新報』と改題した。

中臣祓抄 なかとみのはらいしょう  二巻二冊。<著>清原宣賢(一四七五―一五五〇年)室町後期の儒学者・侍従。号は環翠軒。<版>慶安四(一六五一)年。<内>神・儒・仏・道の四教の調和を図った思想によって中臣祓を注解したもの。同名の書でほかに卜部〔吉田〕兼倶(一四三五―一五一一年)室町後期の神道家のものなど数点がある。

名古屋毎日新聞 なごやまいにちしんぶん  日刊。名古屋、名古屋毎日新聞社。大正四(一九一五)年八月、『扶桑新聞』(明治二〇〔一八八七〕年五月創刊)を改題・追号した。

夏山閑話 なつやまかんわ 夏山雑談 なつやまざつだん

夏山雑談 なつやまざつだん  五巻五冊。<著>小野高尚(一七二〇―九九年)江戸中期の幕臣・国学者。別名は直方・高格など、号は竹叢・飯山など。<別>『夏山閑話』。<成>寛保元(一七四一)年序。<内>有職故実、語源、その他の雑説を筆録したもの。<活>『随筆大観』一、『日本随筆全集』一三、『日本随筆大成』新版二期二〇(旧版二期一〇)

南留別志 なるべし  五巻五冊。<著>荻生徂徠(一六六六―一七二八年)江戸中期の儒学者。名は双松、字は茂卿、徂徠は号、別号は蘐園、本姓の物部氏をとって物徂徠・物茂卿とも称す。<別>『徂徠先生可成談』、『徂徠先生南留別志』、『可成談』、『なるべし』。<版>宝暦一二(一七六二)年。<内>和漢の制度や地名・文章・国語など、雑多な事項について見解を述べた考証随筆。<活>『荻生徂徠全集』五(河出書房新社)、『荻生徂徠全集』一八(みすず書房)、『日本随筆全集』一、『日本随筆大成』新版二期一五(旧版二期八)、『百家説林』一、同正編上、『増補纂評 なるべし』(明治二七年)

南翁軒相法 なんおうけんそうほう  四冊。<著>水野南翁軒(未詳)。明治二三(一八九〇)年、京都、遠藤平左衛門刊。<内>相法。<蔵>哲学堂文庫。

南海寄帰内法伝 なんかいききないほうでん  四巻二冊。<著>義浄(六三五―七一三年)唐代の僧。<別>『南海寄帰伝』、『寄帰伝』、『南海伝』。<成>唐の天授二(六九一)年。<内>義浄が六七一年にインドに来てから、六九五年に帰るまでの二〇数年間に見聞したインドおよび南海諸国の仏教流行の様子や、仏教の生活様式および風俗・習慣などを記したもの。<活>『大正新脩大蔵経』五四(二一二五)。<訳>『国訳一切経』史伝部一六。

南郭遺契 なんがくいけい 遺契 いけい

難経 なんけい  二巻。<著>扁鵲(未詳)中国戦国時代の人。姓は秦、名は越人。<別>『黄帝八十一難経』。<内>医書。

南康記 なんこうき  未詳。

南斎志 なんさいし  未詳。

南斎集 なんさいしゅう  六巻・詞二巻。<著>馬曰璐(未詳)清の人。<活>『粤雅堂叢書』一〇四―一〇六。

南史 なんし  八〇巻。<著>李延寿(未詳)唐初期の学者。<成 唐の高宗の時代。<内> 正史の一。中国南朝四代一七〇年間の歴史を記したもの。本紀一〇巻、列伝七〇巻。宋・斉・梁・陳の正史について改刪補修して成ったもの。<活>『和刻本正史』。

南史梁世祖紀 なんしりょうせいそき 南史 なんし

南斉書 なんせいしょ  五九巻。<著>蕭子顕(未詳)梁の人。字は景陽。<成>六世紀初頭。<内>史書。本紀八巻、志一一巻、列伝四〇巻。原本は六〇巻(唐代に一巻を失う)。志は礼・楽・天文・州郡・百官・輿服・祥瑞・五行の八目から成る。<活>『和刻本正史』。

南朝紀伝 なんちょうきでん 南方紀伝 なんぽうきでん

南方異物志 なんぽういぶつし  未詳。

南方紀伝 なんぽうきでん  <著>未詳。<別>『南朝記』、『南朝紀伝』、『南方記』。<内>通史。<活>『改定史籍集覧』三、『百万塔』。

南畝叢書 なんぽそうしょ  <編>大田南畝(一七四九―一八二三年)江戸中・後期の狂歌師・戯作者・幕臣。名は覃、別号は蜀山人・四方赤良など。<成><版>寛政元(一七八九)年。

南浦文集 なんぽぶんしゅう  三巻三冊。<著>文之玄昌(一五五五―一六二〇年)安土桃山・江戸前期の臨済宗の学僧。号は南浦・雲興軒など。<版>寛永二(一六二五)年古活字版。<内>慶長九(一六〇四)年から元和年間(一六一五―二四年)までの自らの漢詩文を編集したもの。<活>薩藩叢書二(明治三九年)

南畝莠言 なんぽゆうげん  二巻二冊。<著>大田南畝(一七四九―一八二三年)江戸中・後期の狂歌師・戯作者・幕臣。名は覃、別号は蜀山人・四方赤良など。<成><版>文化一四(一八一七)年。<内>南畝が書きためた諸書の抄録から、門人の文宝亭が抄出して一書を成したもので、漢文の書籍からの引用が多く、風俗・文学・美術・儒仏など多岐にわたっている。絵入り。巻一・九三条、巻二・三〇条から成る。<活>『大田南畝全集』一〇、『新百家説林』三、『随筆大観』二、『日本随筆全集』一五、『日本随筆大成』新版二期二四(旧版二期一二)、『有朋堂文庫』「太田南畝集」。

南嶺子 なんれいし  四巻四冊。<著>多田南嶺(一六九八―一七五〇年)江戸中期の神道家・故実家・浮世草子作者。名は義俊・政仲・義正など、別号は興先・春塘・秋斎など。<成>寛延二(一七四九)年序。<版>同三年。<内>和漢古今にわたる雑事を独自の立場から考証批判したもの。<活>『日本随筆全集』七、『日本随筆大成』新版一期一七(旧版一期九)

新潟東北日報 にいがたとうほくにっぽう  日刊。新潟、東北日報社。明治四一(一九〇八)年一二月、『東北日報』(明治二一年九月一〇日、『絵入有明新聞』を改題)を改題・追号した。大正三(一九一四)年一二月二〇日、『東北日報』と改題し、大正一二年三月、『郡山新聞』と改題した。

新潟毎日新聞 にいがたまいにちしんぶん  日刊。新潟、新潟毎日新聞社。明治四三(一九一〇)年三月一五日創刊。昭和一六(一九四一)年八月一日、『新潟新聞』と合同して『新潟日日新聞』を創刊した。昭和一七年一一月一日、『新潟日報』に統合された。

二巻鈔 にかんしょう  二巻。<著>良遍(一一九四―一二五二年)鎌倉中期の法相宗の僧。字は信願、号は蓮阿。<別>『孝道国字鈔』、『法相大意鈔』、『法相大乗大意鈔』、『法相二巻鈔』、『唯識大意』。<成>鎌倉時代。<版>寛永一八(一六四一)年。<内>唯識から三性・百法・四分・種子・五性・作業・受果・五位修行の順に法相唯識の教理を述べたもの。実母のために仮名交じりの書簡体で書かれており、唯識初学者の必須の書であるという。<活>『大正新脩大蔵経』七一(二三一四)、『大日本仏教全書』大乗法相研神章・法相小部集、『日本精神文献叢書』一一、『日本大蔵経』法相宗章疏二、『日本哲学思想全書』九、『日本哲学全書』二、『唯識大意』(明治一八年)

二教合璧論 にきょうがっぺきろん 弁断鬼神二教合璧論 べんだんきしんにきょうがっぺきろん

二教論 にきょうろん 弁顕密二教論 べんけんみつにきょうろん

二十八宿一覧表 にじゅうはっしゅくいちらんひょう  <著>未詳。松崎半造刊、明治一七(一八八四)年、和一冊(折りたたみ)。<内>占卜。

日月行道図解 にちがつぎょうどうずげ 倶舎世間品日月行道図解 くしゃせけんぼんにちがつぎょうどうずげ

日用晴雨管窺 にちようせいうかんき  一冊。<著>棚橋泥尾(未詳)江戸中期の天文家。泥尾は名、号は杏花園。<成>寛政五(一七九三)年序。<内>晴雨を占うなどの気象に関する俗説や気象による吉凶判断などについて記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

日用早覧(初編) にちようそうらん(しょへん)  未詳。

日蓮上人註画讃 にちれんしょうにんちゅうがさん  五巻一冊。<著>日澄(一四四一―一五一〇年)戦国時代の日蓮宗の僧。<別>『註画讃』、『日蓮聖人註画讃』、『日蓮大聖人註画讃』、『日蓮註画讃』、『絵入 日蓮一代記』、『日蓮大菩薩御一代記』。<成>未詳。<版>慶長六(一六〇一)年古活字版。<内>絵詞伝。日蓮の生涯を絵と漢文の詞書であらわした絵巻物。原本はない。<活>『国文東方仏教叢書』一輯伝記上、『続群書類従』九輯上、『日蓮宗全書』日蓮上人伝記集。

日中行事 にっちゅうぎょうじ  一巻。<著>後醍醐天皇(一二八八―一三三九年)。<別>『内裏日中行事』、『禁中日中行事』、『禁省日中行事』。<内>禁中における一日の行事を記したもの。<活>『群書類従』雑部、『新註皇学叢書』五、『列聖全集』。

二程全書 にていぜんしょ  六八巻。<著>程顥(一〇三二―八五年)宋の思想家。字は伯惇、号は明道。弟の頤とあわせて二程子といい、程朱学の創建者/程頤(一〇三三―一一〇七年)宋の思想家。字は正叔、号は伊川。<成>明の万暦三四(一六〇六)年。<内>明の徐必達が程顥・程頤の遺書を合刻したもの。

日本往生極楽記 にほんおうじょうごくらくき  一冊。<著>慶滋保胤(?―一〇〇二年)平安中期の官人・歌人・漢詩人。<別>『日本往生記』、『日本往生伝』、『慶氏往生記』。<成>寛和二(九八六)年―永延元(九八七)年。<版>寛文九(一六六九)年。<内>日本最初の往生伝。僧・沙弥・尼・在俗男・在俗女の順で、極楽に往生した四五人の事跡を、国史・諸人別伝・故老からの聞き書きにより集録したもの。<活>『群書類従』伝、『続浄土宗全書』六、『大日本仏教全書』六八(鈴木財団)、『日本思想大系』七、『日本往生全伝』(明治一五年)

日本往生全伝 にほんおうじょうぜんでん  <著>訂・赤松皆恩。京都、永田文昌堂、明治一五(一八八二)年、和八冊。<内>一、『日本往生極楽記』(慶滋保胤)、二、『続本朝往生伝』(大江匡房)、三―四、『拾遺往生伝』(三善為康)、五―七、『後拾遺往生伝』(三善為康)、八、『本朝新修往生伝』(藤原定友)

日本王代一覧 にほんおうだいいちらん  七巻七冊。<編>林鵞峰(一六一八―八〇年)江戸初期の儒学者。名は恕・春勝、別号は桜峰・向陽軒など。<別>『王代一覧』。<成>慶安五(一六五二)年自跋。<版>寛文三(一六六三)年。<内>神武天皇から室町時代後期の正親町天皇にいたる年代記。<活>『日本王代一覧』(明治八―九年)

日本外史 にほんがいし  二二巻一二冊。<著>頼山陽(一七八〇―一八三二年)江戸後期の漢詩人・儒学者。名は襄、字は子成、別号は三十六峰外史。<成>文政一〇(一八二七)年。<版>文政一二(一八二九)年。<内>源平二氏から徳川氏創業までの通史と、武家別の興亡・盛衰・政治・政策とを漢文で記した武家時代史。<活>『岩波文庫』、『大日本文庫』、『頼山陽全書』五全集上、『頼山陽名著全集』一―二、『点註標記日本外史』(明治八年)、『増補日本外史』(同九年)

日本楽府 にほんがふ  一冊。<著>頼山陽(一七八〇―一八三二年)江戸後期の漢詩人・儒学者。名は襄、字は子成、別号は三十六峰外史。<成>文成一一(一八二八)年自跋。<版>文政一三(一八三〇)年。<内>詠史詩六六首。<活>『大日本思想全集』一五、『頼山陽全書』詩集。『日本楽府』(明治三、一〇、一一、一二、一九年)

日本紀 にほんぎ 日本書紀 にほんしょき

日本紀私記 にほんぎしき  <著>多人長(未詳)。<別>『日本書紀私記』、『弘仁四年私記』、『弘仁私記』。<成>弘仁三(八一二)年あるいは四年。<内>奈良時代から平安時代にかけて宮廷でおこなわれた『日本書紀』の講義の際の博士の私記。多人長のほかに、菅野高平・善淵愛成・藤原春海・矢田部公望などのものがある。<活>『新訂増補 国史大系』。

日本居家秘用 にほんきょかひよう  一二巻。<著>三宅建治(未詳)。<別>『居家秘用』、『国花万宝 居家秘用』。<成>享保一六(一七三一)年序。<版>同一七年。<内>家屋・器財・衣服・飲食・天気時候・漆細工・用火・防病・用薬など、日常知らなければならない雑事を集録したもの。<蔵>国立国会図書館。

日本後記 にほんこうき  四〇巻(現存一〇巻)。<著>藤原緒嗣(七七四―八四三年)平安前期の公卿/その他著。<成>承和七(八四〇)年。<内>六国史の一。延暦一一(七九二)年から天長一〇(八三三)年まで、桓武・平城・嵯峨・淳和の四天皇四二年間について、編年体で記された史書。<複>『天理図書館善本叢書』。<活>『新訂増補 国史大系』、『増補 六国史』五―六。

日本古今人物史 にほんここんじんぶつし  七巻七冊。<著>宇都宮遯庵(一六三三―一七〇七年)江戸前期の儒学者。名は的、字は由的、別号は遁庵・頑拙。<別>『日本古今人物史略伝』、『日本人物史』。 <成>寛文八(一六六八)年序。<版>同九年。<内>坂上田村麻呂から近世初期の貞徳にいたる古今の著名人物二〇〇余名の小伝を、一三部門に分けて漢文で記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

日本歳時記 にほんさいじき  七巻四冊。<著>貝原好古(一六六四―一七〇〇年)江戸前期の儒学者。字は敏夫、号は耻軒、好古は名、「よしひさ」とも読む。<別>『重鐫日本歳時記』、『槫桑歳事記』。 <成><版>貞享五(一六八八)年。<内>民間の年中行事を主とした生活歳時記。月ごとに日々の行事・習俗、その来由や故事などについて記し、食事・農事・養生法なども述べている。<活>『益軒全集』一、『生活の古典双書』一。

日本三代実録 にほんさんだいじつろく  五〇巻。<著>藤原時平(八七一―九〇九年)平安前期の公卿/その他著。<別>『三代実録』。 <成>延喜元(九〇一)年。 <版>寛文一三(一六七三)年。 <内>六国史の一。天安二(八五八)年から仁和三(八八七)年まで、清和・陽成・光孝の三天皇三〇年間についての編年体の実録。<複>『本朝六国史』三一―四〇。<活>『新訂増補 国史大系』、『増補 六国史』九―一〇。

日本私記 にほんしき 日本紀私記 にほんぎしき

日本七福神伝 にほんしちふくじんでん  一冊。<著>摩訶阿頼耶(未詳)。<版>寛文二(一六六二)年。<内>七福神の故事来歴や祭祀の祠、俗説の誤謬などを、和漢の書・仏典より考証して、解説したもの。<蔵>国立国会図書館。

日本社会事彙 にほんしゃかいじい  経済雑誌社、明治二三―二四年、二冊(上二〇七五、下二三四〇、五二頁)、第二版(明治三四―三五年、上一四六二、下二一一二頁)、第三版(同四〇―四一年、上一七二〇、下二二九〇、索引一〇八頁)。<内>百科事典。大・小項目併用で、日本の政治・経済・社会・文化に関連した事項を解説したもの。五十音順に配列し、図版を使用して、資料の典拠も示している。<複>『日本社会事彙』(昭和五〇年)

日本書紀 にほんしょき  三〇巻。<著>舎人親王(六七六―七三五年)天武天皇の皇子/その他著。<別>『日本紀』。<成>養老四(七二〇)年。<版>慶長一五(一六一〇)年古活字版。<内>六国史の一。日本最初の編年体の史書。巻一・巻二を神代の上・下、巻三の神武紀以下各巻を一代または数代の天皇ごとにまとめ、巻三〇を持統紀とする。<複>『神道大系』、『天理図書館善本叢書』。<活>『新註皇学叢書』一、『新訂増補 国史大系』、『日本古典全集』三期、『日本古典全書』、『日本古典文学大系』六七―六八、『増補 六国史』一―二。

日本人 にほんじん  半月刊あるいは週刊の雑誌。東京、政教社。創刊第一号は明治二一〔一八八八〕年四月三日に発行され、第七三号(明治二四〔一八九一〕年六月二日)まで継続したが、政府の弾圧により四回目の発禁となり休刊した(第一次『日本人』)。以後、代替誌として『亜細亜』(第一巻第一号〔明治二四年六月二九日〕―第二巻第一一号〔明治二六年九月一五日〕)が発行されたが発禁処分を受け、再び『日本人』(第二次)第一号(明治二六年一〇月一〇日)が発行され第一八号(明治二八〔一八九五〕年二月三日)まで続いたが、たびたび発禁処分を受けて休刊となった。『亜細亜』が第三巻第一号から第三号(明治二六年一二月一日、二七年七月一〇日、二七年一〇月二一日)まで『日本人』と並行して発行されたが廃刊となった。そして再度、『日本人』(第三次)第一号(明治二八年七月五日)が発行され、第一次『日本人』から通号で第四四九号(明治三九〔一九〇六〕年一二月二〇日)となり、第四五〇号(明治四〇年一月一日)からは『日本及日本人』と改題され、昭和二〇〔一九四五〕年二月まで約二二年にわたり発行された。<内>時論。国粋保存主義を標榜した。おもな関係者―井上円了・志賀重昴・三宅雪嶺・杉浦重剛・陸羯南。

日本人物史 にほんじんぶつし 日本古今人物史 にほんここんじんぶつし

日本仏法史(標註) にほんぶっぽうし  <著>田島象二(一八五二―一九〇九年)明治期の戯文家・ジャーナリスト。潜心堂、明治一七(一八八四)年、和二冊(上五二、下五六丁)

日本風土記 にほんふどき 風土記 ふどき

日本文徳天皇実録 にほんもんとくてんのうじつろく  一〇巻。<著>藤原基経(八三六―八九一年)平安前期の公卿/都良香(八三四―八七九年)平安前期の学者・文人。本名は言道/その他著。<別>『文徳天皇実録』、『文徳実録』。<成>元慶三(八七九)年。<内>六国史の一。文徳天皇一代、すなわち嘉祥三(八五〇)年から天安二(八五八)年までの九年間の実録を編年体で記した史書。<活>『新訂増補 国史大系』、『増補 六国史』七。

日本霊異記 にほんりょういき  三巻三冊。<著>景戒(未詳)。<別>『日本国現報善悪霊異記』、 『本朝霊異記』、『霊異記』。<成>弘仁年間(八一〇―二四年)。<版>正徳四(一七一四)年。<内>日本最古の仏教説話集。仏法の説く因果応報を具体的な話を通して示し、人々を教化・善導することを目的としている。説話は民間の伝承を中心に、古書や中国の書籍などから得られたものを年代を追って配列している。<複>『尊経閣叢刊』、『日本古典全集』一期「狩谷棭斎全集」、『日本国現報善悪霊異記』(昭和九年)、『日本古典文学影印叢刊』。<活>『医聖堂叢書』、『角川文庫』、 『群書類従』雑、『日本古典全書』、『日本古典文学大系』七〇、『校本日本霊異記』(佐藤謙三、昭和一八年)、『日本霊異記』(明治一四年)

烹雑の記 にまぜのき  二巻二冊。<編>滝沢馬琴(一七六七―一八四八年)江戸後期の戯作者。名は解、字は瑣吉、馬琴は号、別号は曲亭・著作堂主人・蓑笠魚隠など/画・柳々居辰斎など。<別>『烹襍乃記』。<成><版>文化八(一八一一)年。<内>考証随筆。上巻一〇種、下巻一一種。「夷三郎」「天狗」などがある。絵入り。<活>『日本随筆全集』三、『日本随筆大成』新版一期二一(旧版一期一一)、『百家説林』続編中。

如是院年代記 にょぜいんねんだいき  一巻。<著>(未詳)。<成>未詳。<内>神武天皇創業より正親町天皇亀元年まで二二三〇年間の年代記。如是院というのは京都建仁寺の塔頭である。<活>『群書類従』一六、『新校群書類従』二〇。

二礼童覧 にれいどうらん  二巻二冊。<著>藤井懶斎(一六一八―一七〇九年)江戸前期の儒学者。名は臧、字は季廉、通称は玄蕃、別号は伊蒿子。<成>万治三(一六六〇)年序。<版>元禄元(一六八八)年。<内>葬礼・祭礼の二礼について記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

二六新報 にろくしんぽう  日刊。東京、二六社のち二六新報社。明治二六(一八九三)年一〇月二六日創刊。明治三七(一九〇四)年四月一五日、『東京二六新聞』(二六社)と改題し、明治四二(一九〇九)年一二月一日、紙名を『二六新報』に復して追号した。その間、明治二八(一八九五)年六月一日以降、資金が尽きて廃刊し、明治三三(一九〇〇)年二月一〇日復刊している(社名を二六新報社とする)。以後、大正三(一九一四)年七月二六日、『二六新聞』(二六新聞社)、さらに同年一一月二〇日『世界新聞』と改題した。大正七(一九一八)年二月一二日『二六新報』に戻り、昭和一五(一九四〇)年九月一一日終刊した。<内>時事。おもな関係者―秋山定輔。

庭の落葉 にわのおちば  五巻五冊。<著>西村遠里(一七二六?―八七年)江戸中期の暦学者。名は得一、号は居行。<別>『奇談庭の落葉』。<成>安永八(一七七九)年序。<内>随筆。巻一「開帳参」「殺生放生」、 巻二「貨殖之善悪」、 巻三「難産之不審」「志賀寺上人」、 巻四「飛鳥川」「上京七社」、 巻五「上口下口」「余所之夢」「無言棲遑」から成る。<蔵>哲学堂文庫。

人相指南 にんそうしなん  一冊。<著>松本永年(未詳)。<成>天保二(一八三一)年。<内>人相による吉凶占いの書。

人相指南秘伝集 にんそうしなんひでんしゅう  <著>関根知之(未詳)。<成>嘉永元(一八四八)年。<内>占卜。<蔵>早稲田大学図書館。

人相千百年眼 にんそうせんひゃくねんがん  五巻五冊。<著>平沢勝(未詳)。<成><版>嘉永四(一八五一)年。<内>人相による吉凶占いの書。<蔵>哲学堂文庫。

人相早学 にんそうはやまなび  二巻二冊。<著>潜竜菴(未詳)。金鱗堂、明治一六(一八八三)年、和二冊(二三、二一丁)。<内>人相による吉凶占いの書。

人天宝鑑 にんてんほうかん  二巻二冊。<著>編・雲秀(未詳)。<成><版>宋の紹定三(一二三〇)年序跋。<内>禅・教・律・釈・道にかかわらず、後人の亀鑑となり、道にいたらしめるに足ると思われる先徳の嘉行・善行などを、一一〇余編収録したもの。<活>『卍字続蔵経』二、乙二一、一。

忍辱雑記 にんにくざっき  二巻二冊。<著>愚芚(未詳)。<版>文化三(一八〇六)年。<内>巻上、春秋彼岸会・涅槃会・仏生会・盂蘭盆会・施餓鬼会・流潅頂会など、巻下、大徳不受鬼祟・念仏請雨感応など、全一三一章の雑考。<蔵>哲学堂文庫。

忍辱随筆 にんにくずいひつ  二巻二冊。<著>愚芚(未詳)。<版>安永七(一七七八)年。<蔵>哲学堂文庫。

ネイチャー  “Nature." <内>イギリスの通俗科学雑誌。

涅槃経>ねはんぎょう 大般涅槃経 だいはつねはんぎょう

年山紀聞 ねんざんきぶん  六巻六冊。<著>安藤年山(一六五九―一七一六年)江戸中期の国学者。名は為明のち為章。年山は号。<成>元禄一五(一七〇二)年。<版>文化元(一八〇四)年。<内>随筆。文事・故実・典籍・人伝など、すべて考古博識の資となるべきことを記したもの。<活>『日本随筆全集』六、『日本随筆大成』新版二期一六(旧版二期八)、『百家説林』続編上。

年中吉事鑑 ねんじゅうきちじかがみ  一冊。<著>陳枚(未詳)。<訳>千葉芸閣(一七二七―一七九二年)江戸中期の儒学者。名は玄之、字は子玄、号は芸閣。<別>『時令事宜和解』。 <成>天明六(一七八六)年序。<版>文政九(一八二六)年増補版。<内>占卜。日常行事の吉凶を示した清の陳枚著『時令事宜』を通俗に訳し、さらに高井蘭山が増補したもの。<蔵>哲学堂文庫。

年中行事大成 ねんじゅうぎょうじたいせい  四巻六冊。<著>画・速水春暁斎(初世一七六七―一八二三年)江戸後期の絵師。名は恒信のち恒章、別号は春暁。<別>『諸国図会 年中行事大成』。 <成><版>文化三(一八〇六)年。<内>年中行事。神社の祭祀・仏寺の法会・故事・人事・景物の類を月別に記したもの。(一月から六月まで記された六巻六冊本がある)

年中八卦(手引草) ねんちゅうはっけ(てびきぐさ) 八卦手引草 はっけてびきぐさ

念仏三心要集 ねんぶつさんじんようしゅう  一巻一冊。<著>弁長(一一六二―一二三八年)鎌倉時代の浄土宗の僧。法名は弁阿・聖光房。<成>寛喜三(一二三一)年。<版>元禄七(一六九四)年。<内>源空門下の異義邪説に対して、源空の正しい安心起行の趣旨を記したもの。<活>『浄土宗全書』一〇。

年暦調法記 ねんれきちょうほうき  未詳。

農家調宝記 のうかちょうほうき  三編三冊。<著>高井蘭山(一七六二―一八三八年)江戸後期の戯作者。名は伴寛、字は思明(子明とも)、別号は三遷・哂我・宝雪庵。<成><版>初編文化六(一八〇九)年、二編同一四(一八一七)年、三編文政五(一八二二)年。<内>道路の里数・村里の分別・五穀の種まきの時節など、農家にとって必要な事柄を多岐にわたって記したもの。<蔵>国立国会図書館、哲学堂文庫(続編一冊、文政五年)

農業全書 のうぎょうぜんしょ  一〇巻・付録一巻一一冊。<著>宮崎安貞(一六二三―九七年)江戸前期の農学者。安貞は名/補・貝原楽軒(一六二五―一七〇二年)江戸前期の儒学者。名は義質、字は子実、別号は日休/付・貝原益軒。<成><版>元禄一〇(一六九七)年。<内>農書。百穀菜果の種芸期・培養法などを図説したもの。付録一巻は貝原益軒の稿を付したもの。<活>『岩波文庫』、『益軒全集』八、『日本産業資料大系』二、『日本思想大系』六二、 『日本農書全集』、 『農業全書』(明治二七年)

農書 のうしょ  <著>王禎(未詳)元の農学者。字は伯善。<別>『王氏農書』。<成>一三一三年。

農政全書 のうせいぜんしょ  六〇巻。<著>徐光啓(一五六二―一六三三年)明末の政治家・学者。字は子先、号は玄扈。キリスト教徒。<内>農書。農本三巻・田制二巻・農事六巻・水利九巻・農器四巻・樹芸六巻・蚕桑四巻・蚕桑広類二巻・種植四巻・牧養一巻・荒政一八巻・首一巻から成る。

農喩 のうゆ  一冊。<著>鈴木正長(一七二五―一八〇六年)江戸中・後期の民政家。通称は武助(介)、号は為蝶軒。<別>『ききん用心 農喩』、『農諭』。<成>文化八(一八一一)年序。<版>文政八(一八二五)年。<内>饑饉の恐ろしさとそれに対する平生の心掛けなどを説いたもの。<活>『日本経済叢書』一七、『日本経済大典』二六。

信友随筆 のぶともずいひつ  一冊。<著>伴信友(一七七三―一八四六年)江戸後期の国学者。号は特・事負。<内>未定稿の随筆。皇典・歌文・経書の考証・見聞などを記したもの。<活>『百万塔』。

梅園叢書 ばいえんそうしょ  三巻・二集三巻六冊。<著>三浦梅園(一七二三―八九年)江戸中期の哲学者。名は晋、字は安貞のち安鼎、別号は孿山・洞仙・東浚居士など。<成>寛延三(一七五〇)年自跋・二集天明元(一七八一)年自序。<版>安政二(一八五五)年。<内>随筆。「詩を説きて道に志す人に喩す」「酒食欲の誡」「生前死後の理」など四九編の論説を集めたもの。<活>『日本随筆大成』新版一期一二(旧版一期六)、『日本倫理彙編』一〇、『梅園全集』下、『百家説林』正編下、『有朋堂文庫』「名家随筆集」下。

梅園日記 ばいえんにっき  五巻。<著>北静廬(一七六五/六六―一八四八年)江戸後期の文人。名は慎言、字は有和、別号は梅園・四当書屋など。<成>天保一五(一八四四)年序。<版>弘化二(一八四五)年。<内>飯倉神明・茅柴・福引・食素・修羅・甲子雨など、一五〇余項について和漢の書を引いて考証したもの。<活>『日本随筆大成』新版三期一二(旧版三期六)

俳諧懐子>はいかいかいし  未詳。

俳諧歳時記栞草 はいかいさいじきしおりぐさ  五冊。<著>滝沢馬琴(一七六七―一八四八年)江戸後期の戯作者。名は解、字は瑣吉、馬琴は号、別号は曲亭・著作堂主人・蓑笠魚隠など。<別>『増補改正 俳諧歳時記栞草』。<成><版>嘉永四(一八五一)年。<内>俳諧の季語三四二〇余を四季別・いろは順・月順に配列し、解説したもの。馬琴の『俳諧歳時記』(二冊、一八〇三年)に藍亭青藍が増補改正したもの。<活>『岩波文庫』、『生活の古典双書』九―一〇、『増補改正 俳諧歳時記栞草』(明治二五・三五年・大正一五年)

俳諧新式 はいかいしんしき  一冊。<著>編・白梅園鷺水(未詳)。<別>『誹諧新式目』、『諸鈔合註 誹諧新式大成』、『誹諧大成しんしき』。<成><版>元禄一一(一六九八)年。<内>誹諧。<蔵>哲学堂文庫。

梅花心易掌中指南 ばいかしんえきしょうちゅうしなん

 五巻二冊。<著>中根松伯(未詳)。<別>『増補校正 梅花心易掌中指南』。<成><版>安政二(一八五五)年。<内>占卜。<活>『梅花心易掌中指南』(増補版、明治二一年)

梅窓筆記 ばいそうひっき  二巻二冊。<著>橋本梅窓(未詳)。<成><版>文化三(一八〇六)年。<内>朝廷の儀礼や民間の風俗などについて、典拠を示して解説した考証随筆。巻上九〇条、巻下九八条、後付けに図像一〇余図。<活>『日本随筆全集』一七、『日本随筆大成』新版三期五(旧版三期三)、『百家説林』続編下二。

売買極秘 ばいばいごくひ  未詳。

佩文韻府 はいぶんいんぷ  一〇六巻・拾遺一〇六巻。のち四四四巻・拾遺一一二巻に分冊。<著>編・張玉書(一六四二―一七一一年)/陳廷敬(未詳)/李光地(一六四二―一七一八年)/その他編。<成>康煕五〇(一七一一)年。拾遺は康煕五五(一七二〇)年。<内>韻書(文字を韻字で分類した辞書)。熟語の末尾の字の韻によって分類配列し、出典を示して作詩の便に供したもの。元の陰時夫『韻府群玉』、明の凌稚隆『五車韻瑞』を原本として増訂し、その部分を「増」として表示している。なお、「佩文」は清の皇帝の書斎の名。<活>『佩文韻府』(明治一四年、一五―一七年、一八年、四一年の各版がある)

馬関土産 ばかんみやげ  一冊。<著>宮崎勇熊(未詳)。赤間関、山名曲江堂、明治二五(一八九二)年、七二頁。増訂版(一名『馬関繁昌記』)、明治三〇(一八九七)年、八九頁、図版・地図。

萩原随筆 はぎわらずいひつ  一冊。<著>喜多村信節(一七八三―一八五六年)江戸後期の考証学者。号は筠庭・筠斎・静舎。節信ともいう。<成>未詳。<内>随筆。<蔵>早稲田大学図書館(自筆稿本)

博異記 はくいき  一巻。<著>谷神子(未詳)。 <内>全一〇条から成り、神怪のことを記している。

博議 はくぎ 東莱左氏博議 とうらいさしはくぎ

白沢図 はくたくず  <内>黄帝が巡狩して白沢(神獣)を得、臣下に命じて写させたという図。<活>『玉函山房輯佚書』九五。

博物志 はくぶつし  一〇巻。<著>張華(二三二―三〇〇年)西晋の学者・詩人。字は茂先。<内>古代の伝聞、異境の奇物などを、地理略・地・山・水・山水総論・典礼考・楽考・服飾考・器名考・物名考・異聞・史補・雑説に分けて集録したもの。原本は散逸し、遺文や他説をとって成ったもの。<活>『漢魏叢書』六六、『古今逸史』五、『稗海』一、『百子全書』六八―六九。

博物筌 はくぶつせん  一冊。<著>山崎蘭斎(未詳)。<別>『大広益博物筌』。<成><版>明和七(一七七〇)年。<内>辞書。<蔵>国立国会図書館。

博物類纂 はくぶつるいさん  未詳。

博聞叢談 はくぶんそうだん  未詳。

博聞録 はくぶんろく  未詳。

博覧古言 はくらんこげん  <著>編・菅原道真(八四五―九〇三年)平安前・中期の公卿。<別>『管蠡抄』。<内>六経や正史、諸子百家の書籍などから要語・格言を選び出し、それを君道・政事・文学・武備・礼法・官制・刑法・祥瑞・祭祀・人倫・人事・臣道・風俗の一三門に分けて記したもの。<蔵>哲学堂文庫(天明五〔一七八五〕年、一〇巻五冊)

化物判取帳 ばけものはんとりちょう  四巻五冊。<著>敬阿(未詳)。<別>『化物判取牒』。<成><版>宝暦五(一七五五)年。<内>巻一「狐の手帳」など四条、巻二「蛤の怨念」など五条、巻三「炬燵妖怪」など四条、巻四「竜女結納」など六条の計一九条から成る。世間の妖談の正体を明かすというやり方で叙述している。<蔵>哲学堂文庫。

婆沙(論) ばしゃ(ろん) 阿毘達磨大毘婆沙論 あびだつまだいびばしゃろん

八閩通志 はちびんつうし  八〇巻。<著>黄仲昭(未詳)明の学者。名は潜。未軒先生と称す/その他著。<内>今の福建省地方の歴史書。

八門九星初学入門 はちもんきゅうせいしょがくにゅうもん  <著>編・杉本敬徳(未詳)。聚栄堂、明治一八(一八八五)年、三七丁。<内>占卜。『河図洛書示蒙鈔』、『方位便覧』、『方鑑図解』などの方書から抜粋・編集したもの。

八門遁甲惑問鈔 はちもんとんこうわくもんしょう  一冊。<著>村田徽典(未詳)。靖康堂、明治一四(一八八一)年、和二一丁。<内>占卜。

発覚浄心経 はっかくじょうしんきょう  未詳。

八卦辻占独判断 はっけつじうらひとりはんだん  <著>未詳。<内>占卜。

八卦手引草 はっけてびきぐさ  一冊。<著>大江文坡(?―一七九〇年)江戸中期の読本作者・神道家。名は匡弼、号は菊丘臥山人・臥仙人など、文坡は字。<別>『年中八卦手引草』。<成>天保七(一八三六)年。<内>占卜。

八卦秘伝鈔 はっけひでんしょう  四冊。<著>高野山往生院。<別>『八卦高野鈔』。<成><版>承応元(一六五二)年。<内>占卜。<蔵>京都大学。

八宅明鏡図解 はったくめいきょうずかい  一巻。松浦琴鶴(未詳)江戸後期の易占家。名は純逸、別号は観涛閣。<内>相法。人の姓によって邸宅の建て方に吉凶があるが、その住法によって吉凶が変わることがあるということを略説したもの。<活>『八宅明鏡図解』(明治一四年)

八宅明鏡弁解 はったくめいきょうべんかい 八宅明鏡図解 はったくめいきょうずかい

初夢歌合 はつゆめうたあわせ  <著>古川松根(一八一三―七一年)江戸後期・明治前期の佐賀藩士。号は楢園など。<活>『やまと叢誌』。<内>歌合。

英草紙 はなぶさぞうし  五巻五冊。<著>都賀庭鐘(一七一八―?年)江戸中期の医者・儒学者・読本作者。庭鐘は名、字は公声、号は草官散人・巣庵・莘荑館など。<別>『古今奇談 英草紙』。<成><版>寛延二(一七四九)年。<内>中国小説の翻案を主とし、日本の古伝説・史実をかりて表現した奇談集。<活>『袖珍名著文庫』、『日本名著全集』「怪談名作集」、『有朋堂文庫』「雅文小説集」。

早引人物故事 はやびきじんぶつこじ 人物故事 じんぶつこじ

破唯物論 はゆいぶつろん  一冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育者。号は甫水。不思議庵主人と称す。東京、哲学書院、明治三一(一八九八)年二月、二九三頁。<内>唯物論に対する意見を述べるとともに、神儒仏三道の再興をはかる目的で書かれたもの。

万金産業袋 ばんきんすぎわいぶくろ  六巻六冊。<著>三宅也来(未詳)江戸中期の浮世草子作者。也来は号。<別>『世宝大成万金産業袋』、『町家万宝商売仕法大成』。 <成><版>享保一七(一七三二)年序。<内>諸物を印判・硯石・筆・絵具・蒔絵・硝子・夏物・真綿などに分類して略説したもの。<活>『家政学文献集成』続編・江戸期二、『生活の古典双書』五、『通俗経済文庫』一一。

万斛明珠 ばんこくめいじゅ  未詳。

般舟経 はんじゅきょう 般舟三昧経 はんじゅざんまいきょう

般舟三昧経 はんじゅざんまいきょう  三巻。<訳>支婁迦讖(未詳)後漢代の訳経家。<別>『十方現在仏悉在前立定経』、『大般舟三昧経』、『十方現在前立定経』。<内>般舟三昧を得ると十方の仏が前に立つのを見るであろうと説く大乗仏典で、一六品から成る。また、「行品」において阿弥陀仏を一心に念ずることを説いており、浄土経典の先駆とされる。<活>『大正新脩大蔵経』一三(四一八)。<訳>『国訳一切経』大集部四。『蔵文和訳般舟三昧経』(林純教、大東出版社、一九九四年)

坂東三十三所観音霊場記 ばんどうさんじゅうさんしょかんのんれいじょうき  一〇巻一〇冊。<著>亮盛(未詳)江戸中期の真言宗の僧。<成><版>明和八(一七七一)年。<蔵>神奈川県立図書館。

半日閑話 はんにちかんわ  二五巻。<著>大田南畝(一七四九―一八二三年)江戸中・後期の狂歌師・戯作者・幕臣。名は覃、別号は蜀山人、四方赤良など。<活>『大田南畝全集』、『新百家説林』三、『日本随筆大成』新版一期八(旧版一期四)

般若心経 はんにゃしんぎょう 般若波羅蜜多心経 はんにゃはらみたしんぎょう

般若波羅蜜多心経 はんにゃはらみたしんぎょう  一巻。<訳>玄奘(六〇二―六六四年)唐の大翻訳家。<別>『般若心経』、『心経』。<内>序文と結末の文がない小本系のサンスクリット本の漢訳。『大般若経』のエッセンスを取り出し、コンパクトにまとめ(二六二文字)、無執着の思想を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』八(二五一)。<訳>『国訳一切経』釈経論部五。

万物怪異弁断 ばんぶつかいいべんだん 怪異弁断 かいいべんだん

万物故事要決 ばんぶつこじようけつ  八巻八冊。<著>未詳。<別>『万物故事要略』。<成><版>享保一二(一七二七)年。<内>巻一は日本の神代、中国の夏・殷・周など九項、巻二は梁・陳・隋・唐・宋など九項、巻三は七草の名を覚ゆる和歌のことなど一一項、巻四は博奕のことなど八項、巻五は狐を命婦ということなど三〇項、巻六は字の点画のことなど一九項、巻七は人間万事塞翁が馬のことなど三三項、巻八は悪魔除札のことなど九項の全一二八項から成る故事談。<蔵>哲学堂文庫。

万物故事要略 ばんぶつこじようりゃく 万物故事要決 ばんぶつこじようけつ

万物幽霊怪話 ばんぶつゆうれいかいわ  未詳。

万宝大雑書 ばんぽうおおざっしょ  一冊。<著>未詳。<成><版>未詳。<内>暦。<蔵>哲学堂文庫。大雑書。

万宝全書 ばんぽうぜんしょ  一三巻一三冊。<著>未詳。<別>『古今和漢 万宝全書』。<成>元禄七(一六九四)年。<版>享保三(一七一八)年。<内>画・書・茶・古銭・工芸の手引書(『本朝画印伝』、『唐絵画印伝』、『和漢墨蹟印尽』、『本朝古今名公古筆諸流』、『古筆目録』、『和漢名物茶入肩衝目録』、『和漢諸道具見知鈔』、『和漢古今宝銭大全』、 『彫物目利彩金抄』)を編集したもの。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

万宝鄙事記 ばんぽうひじき  八巻四冊。<著>貝原益軒(一六三〇―一七一四年)江戸前期の儒学者・本草家・教育思想家。名は篤信、字は子誠、別号は損軒。<別>『鄙事記』。 <成><版>宝永二(一七〇五)年。<内>世俗の雑事を、衣服・器財・硯・花・紙細工・染物・占・天気・食禁・用薬などの二〇門に分けて平易に叙述したもの。<活>『益軒全集』一。

万暦大雑書三世相大全 ばんれきおおざっしょさんぜそうたいぜん  明治新刻。<著>編・塚田為徳。文江堂、明治一七(一八八四)年、和一四〇丁。 大雑書。

万暦雑書大成 ばんれきざっしょたいせい  一冊。<著>暁鐘成(一七九三―一八六〇年)江戸後期の読本作者・絵師。本名は木村明啓、別号は鶏鳴舎・漫戯堂・暁晴翁など。<成>慶応三(一八六七)年。<内>占卜。

秘訣集 ひけつしゅう 印判秘決集 いんばんひけつしゅう

秘事思案袋 ひじしあんぶくろ  三巻三冊。<著>未詳。<成><版>享保一四(一七二九)年。<内>「紙に罫引する法」「腫物のうみ針を用いず吸出す法」「味噌の味酸くなりたるを直す法」など、日常のさまざまな事柄二〇〇余種をあげ、その対処方法を記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

秘事大全 ひじたいぜん 広益秘事大全 こうえきひじたいぜん

秘事百撰 ひじひゃくせん  一冊。<著>福井智徳斎(未詳)。<成>文政一〇(一八二七)年序。<内>奇伝・秘術といわれるものを一〇〇カ条あげて記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

秘事睫 ひじまつげ  二巻二冊。<著>未詳。<別>『神仙 秘事睫』、『神仙秘事睫』。<内>遊戯。<蔵>哲学堂文庫。

霏雪録 ひせつろく  二巻。<著>鐂績(未詳)。<内>詩義を弁訂する根拠となり、旧聞のもととなり、夢幻的・詼諧的なことを小説風に記している。

非相編 ひそうへん  <内>『荀子』巻第三の編名。相を非とする編。 荀子。

秘蔵宝鑰 ひぞうほうやく  三巻。<著>空海(七七四―八三五年)平安前期の僧。真言宗の開祖。<別>『宝鑰』。<成>天長七(八三〇)年ころ。<版>正応三(一二九〇)年。<内>『十住心論』の思想を簡潔・明瞭に説いたもの。<活>『高僧名著全集』二、『弘法大師全集』一輯、『大正新脩大蔵経』七七(二四二六)、『真言十巻章』(明治一一年)。<訳>『国訳一切経』諸宗部二〇。

常陸紀行 ひたちきこう  二巻四冊。<著>黒崎洗心(未詳)江戸後期の儒学者。名は貞孝、字は子順・至純、別号は漱石など。/画・谷文晁など。<別>『漫遊記譚』、『漫遊記談』、『常野磐』。<成>文政九(一八二六)年自序。<内>地誌。 <活>『続帝国文庫』「続紀行文集」。

莠句冊 ひつじぐさ  五巻五冊。<著>都賀庭鐘(一七一八―?年)江戸中期の医者・儒学者・読本作者。庭鐘は名、字は公声、号は草官散人・巣庵・莘荑館など。<別>『古今奇談 莠句冊』、『莠草紙』。<成><版>天明六(一七八六)年。<内>読本。第一編「八百比丘尼人魚を放生して寿を益す話」から第九編「白介の翁運に乗じて大に発跡する話」まで、奇談・伝説を素材とした読み物。<活>『日本名著全集』「怪談名作集」。

筆疇 ひっちゅう  <著>王達(未詳)明の人。字は達善。

秘伝世宝袋 ひでんせほうぶくろ  三巻三冊。<著>日下部不錬(未詳)。<成>宝暦一三(一七六三)年序。<版>明和二(一七六五)年。<内>俗信。餅のどにつまりたる方・蝮蛇にさされたる呪・河を渡るに怪我なき呪・犬の病を治する方など、二〇〇余項の呪術を記したもの。<活>『家政学文献集成』続編・江戸期二。

一宵話 ひとよばなし  三巻三冊。<著>秦滄浪(一七六一―一八三一年)江戸後期の儒学者。名は鼎、字は士鉉、滄浪は号/編・牧墨僊(一七七五―一八二四年)江戸後期の絵師。名は信盈、別号は北遷・百斎・月光亭など。<成>文化七(一八一〇)年序跋。<内>「蝦夷の海獣」「竜の雲」「海中の火」「天狗の論」など、和漢の故事・考証、奇談・異事を中心に多方面にわたり記したもの。<活>『日本随筆全集』一七、『日本随筆大成』新版一期一九(旧版一期一〇)

日次記 ひなみき  二一三巻・目一〇巻・総目一巻。<著>編・二条良基(一三二〇―八八年)南北朝時代の公卿・歌人・連歌作者。<内>九四七―一二四二年間の摂家歴代の日記。<蔵>国立国会図書館(写本)

日次紀事 ひなみきじ  <著>黒川道祐(?―一六九一年)江戸前期の医者・地誌家。名は玄逸、道祐は字、号は遠碧軒など。<別>『日次記事』。<成>延宝四(一六七六)年。<内>年中行事。<活>『増補京都叢書』二、『珍書同好会』一七―二一(謄写)

日出新聞 ひのでしんぶん  日刊。京都、日出新聞社。明治一八(一八八五)年四月一〇日創刊。明治三〇年七月一日、『京都日出新聞』と改題し、昭和一七(一九四二)年四月、『京都日日新聞』と合併して『京都新聞』と改題した。<内>時事。

秘密安心往生要集 ひみつあんじんおうじょうようしゅう  二巻二冊。<著>蓮体(一六六三―一七二六年)江戸中期の真言宗の僧。字は本浄・惟宝、号は無尽蔵など。<成><版>享保四(一七一九)年。<活>『近世仏教集説』、『真言宗安心全書』下。

百因縁集 ひゃくいんねんしゅう 私聚百因縁集 しじゅひゃくいんねんしゅう

百姓嚢 ひゃくしょうぶくろ  五巻五冊。<著>西川如見(一六四八―一七二四年)江戸中期の天文暦算家・地理学者。名は忠英、別号は恕軒・恕見、居号は求林斎・全梅庵など。<成>享保六(一七二一)年序。<版>享保一六(一七三一)年。<内>農民の教えとなり、戒めとなるべき日常の心得や教訓を記したもの。<活>『岩波文庫』、『大日本風教叢書』九―一〇、『西川如見遺書』八、『日本教育文庫』訓誡篇下、『日本経済叢書』五、『日本経済大典』四、『日本国粋全書』一九、『日本道徳叢書』三。

百丈録 ひゃくじょうろく  未詳。

百物語評判 ひゃくものがたりひょうばん 古今百物語評判 ここんひゃくものがたりひょうばん

百喩経 ひゃくゆきょう  四巻。<著>僧伽斯那(サンガセーナ、未詳)。<訳>求那毘地(グナヴルッディ、?―五〇二年)劉宋代の僧。<成>五世紀ころ。<別>『百句譬喩経』、『百句譬喩集経』、『百譬経』。<内>九八のたとえ話を集めたもの。たとえ話とそれにもとづく訓話を一般大衆や外道などを対象に説いている。<活>『大正新脩大蔵経』四(二〇九)。<訳>『国訳一切経』本縁部七。

百錬抄 ひゃくれんしょう  一七巻。<著>未詳。<版>享和三(一八〇三)年。<内>冷泉天皇の代から亀山天皇即位までの京都を中心とした公家社会の静動を記した編年史。<活>『新訂増補 国史大系』一一。

百家琦行伝 ひゃっかきこうでん  五巻五冊。<著>八島五岳(未詳)。<成><版>天保六(一八三五)年自序。<内>奇人の奇行というべきものを録したもの。<活>『有朋堂文庫』。

白虎通 びゃっこつう 白虎通義 びゃっこつうぎ

P628

妖怪学参考図書解題

白虎通義 びゃっこつうぎ  四巻。<著>班固(三二―九二年)後漢初期の歴史学者。字は孟堅。<別>『白虎通』、『白虎議奏』。<内>後漢の章帝の建初四(七九)年、「白虎観」に諸儒を集めて、五経の本文の文字・意味についてその異同を講論させて、それを「爵」から「崩薨」まで四四項目について古義・旧聞を記録し、解説したもの。<活>『漢魏叢書』、『四部叢刊』、『百子全書』、『和刻本漢籍随筆集』一〇。

百法問答抄 ひゃっぽうもんどうしょう  九巻九冊。<著>蔵俊(一一〇四―八〇年)平安後期の法相宗の僧。作者不明といわれる。<別>『百法問答鈔』。<版>元和九(一六二三)年古活字版。<内>法相唯識学の入門書。一切法の全体にわたり一〇〇余の項目を立てて、問答体をもって平明に解説したもの。<活>『日本大蔵経』「法相宗章疏」二。

馮氏知嚢全集 ひょうしちのうぜんしゅう  二八巻。<著>馮夢竜(未詳)。<内>古来の賢人や名士の知術・計謀にわたるものを網羅的に集録し、上知・明知・察知・胆知・術知・捷知・語知・兵知・閨知・雑知の一〇項に分けて評語を付したもの。

病堂策 びょうどうさく  <著>天真(未詳)。<成><版>安永四(一七七五)年。<内>病気の起こる因縁、看護、菩提心を発すべきことなどを述べている。<蔵>哲学堂文庫。

備後風土記 びんごふどき  未詳。

閩書 びんしょ  一五四巻。<著>何喬遠(未詳)。<内>福建省地方の地方誌。

風雨賦国字弁 ふううぶこくじべん  二巻二冊。<著>中西敬房(?―一七八一年)江戸中期の暦算家・書肆。敬房は名、字は如環、号は東嶺・華文軒。<成><版>安永六(一七七七)年。<内>晴雨などの天候を占う古書『風雨賦』を国字によって解釈し、五五の図絵で説明したもの。<蔵>哲学堂文庫。

風俗通 ふうぞくつう 風俗通義 ふうぞくつうぎ

風俗通義 ふうぞくつうぎ  一〇巻。<著>応劭(未詳)後漢末の学者。<内>古史に見える名号を述べ、人物を論じ、音楽を説き、祀典を記し、怪異を語り、山川の自然を論じ、流俗の批判におよぶ。<活>『和刻本漢籍随筆集』一〇。

風来六々部集 ふうらいろくろくぶしゅう  二編四巻四冊。<著>平賀源内(一七二八―七九年)江戸中期の本草学者・戯作者。名は国倫、字は士彜、号は鳩渓、作家名は風来山人・天竺浪人・福内鬼外、源内は通称。<別>『風来六部集(前編)』。<成>安永九(一七八〇)年自序。<版>天明三(一七八三)年。<内>平賀源内が生前刊行した小冊子六編(『放屁論』、『放屁論後編』、『痿陰隠逸伝』、『飛だ噂の評』、『天狗髑髏鑒定縁起』、『里のをだ巻評』)に、『太平楽巻物』、『蛇蛤青大通』、『力婦伝』、『飛花落葉』、『細見嗚呼御江戸序』、『菩提樹之弁』を加えて集録したもの。ただし、加えた最初の三編は森島中良の作。<活>『近代日本文学大系』「狂文俳文集」、『滑稽文学全集』一二、『日本古典文学大系』五五(抄)、『平賀源内全集』上、『有朋堂文庫』「平賀源内集」、『風来六々部集』(明治一六年)

風流俗説弁 ふうりゅうぞくせつべん  一冊。<著>秋吟散人(未詳)。<成>宝暦五(一七五五)年序。<内>「弓削の道鏡の説」「久米の仙人の説」など、俗説の虚実を述べたもの。<蔵>哲学堂文庫(写本)

巫学談弊 ふがくだんぺい 俗神道大意 ぞくしんとうたいい

不可見世界論 ふかけんせかいろん  <著>スチュアート(Stewart, B. 一八二八―八七年)イギリスの物理学者・気象学者/テート(Tait, P. G. 一八三一―一九〇一年)イギリスの物理学者・数学者。<内>霊魂不滅を自然科学的に証明しようとしたもの。〔原書〕 The unseen universe, 1875.

輔行 ぶぎょう 止観輔行伝弘決 しかんぶぎょうでんぐけつ

輔教編 ふきょうへん  三巻。<著>契嵩(一〇〇七―七二年)宋代の雲門宗の僧。<別>『夾注輔教編五書要義』。<成>一一世紀。<内>王陽修の排仏論に反駁して、仏教の五戒十善と儒教の五常の一致および儒仏一致を説いたもの。契嵩『鐔津文集』のなかに収録。<活>『大正新脩大蔵経』五二(二一一五『鐔津文集』)

福井新聞 ふくいしんぶん  日刊。福井、福井新聞社。明治三二(一八九九)年八月二八日創刊。大正二(一九一三)年三月三日、『北日本新聞』を合併して現在にいたる。『福井新聞』という紙名で発行された明治一四(一八八一)年一〇月一六日の新聞を第一次とすれば、第四次の発行となる。<内>時事。

福音書 ふくいんしょ  <内>イエスの言葉と行為を記した文書。『新約聖書』にはマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによる四福音書がある。

福島新聞 ふくしましんぶん  日刊。福島、福島活版所(のち福島新聞社)。明治一五(一八八二)年八月一九日創刊―大正一三(一九二四)年一月一日廃刊。<内>時事。

復讐奇譚 ふくしゅうきだん  一冊。<著>西向庵春帳(未詳)江戸中期の読本作者。別号は西向庵愚洞。<別>『睡魔退治 復讐奇談』。<成><版>明和三(一七六六)年。<内>復讐譚。<蔵>哲学堂文庫。

福田殖種纂要 ふくでんじきじゅさんよう  一〇巻一〇冊。<著>編・不可停(未詳)。<別>『再治増補 福田殖種纂要』。<成><版>貞享三(一六八六)年。<内>諷誦文を集めたもの。<蔵>哲学堂文庫。

袋草紙 ふくろぞうし  四巻・遺編一巻。<著>藤原清輔(一一〇四―七七年)平安後期の歌人。<別>『清輔袋草紙』、『袋草子』、『和歌合次弟(遺編)』。<版>貞享二(一六八五)年。<内>歌学書。歌集の考証や歌人の逸話なども記している。<活>『歌学文庫』三、『続群書類従』一六下、『日本歌学大系』二。

武家故事要言 ぶけこじようげん  七巻七冊。<著>未詳。<成><版>正徳二(一七一二)年。<内>武家故実。<蔵>哲学堂文庫。

武家俗説弁 ぶけぞくせつべん  六巻三冊。<著>神田勝久(未詳)。<成><版>享保二(一七一七)年。<内>武家の間に伝わるさまざまな俗説について述べたもの。<蔵>哲学堂文庫(五巻五冊)

不思議弁妄 ふしぎべんもう  一冊。<著>新井周吉(未詳)/補・大矢森之助(未詳)。盛春堂、明治二一(一八八八)年、一〇八頁。

普照 ふしょう  <内>「蓮門教会」発行の雑誌。

武将感状記 ぶしょうかんじょうき  一〇巻一〇冊。<著>熊沢淡庵(一六二九―九一年)江戸前期の儒学者。名は正興、淡庵は号。<別>『近代正説砕玉話』、『近代正説砕玉話 武将感状記』、『砕玉話』。<成><版>正徳六(一七一六)年。<内>天文―慶長年間(一五三二―一六一五年)における名将・勇士の忠義や武勇の美談を集めたもの。全二五二話から成る。<活>『続帝国文庫』「常山紀談」、『武士道全書』八。

扶桑異志 ふそういし  未詳。

扶桑隠逸伝 ふそういんいつでん  三巻三冊。<著>元政(一六二三―六八年)江戸前期の日蓮宗の僧・漢詩人・歌人。別号は日政・日如など。 <成>寛文三(一六六三)年序。<版>同四年。<内>上古から中世後期にいたる隠逸者七五人の小伝と賛を記したもの。役小角・蝉丸・空也・性空・平康頼・西行・鴨長明・明恵・頓阿・兼好などがある。<複>『草山拾遺』上(昭和五三年)、『近世文芸資料』「深草元政集」三。<活>『扶桑隠逸伝』(明治一六年)

扶桑怪談弁述鈔 ふそうかいだんべんじゅつしょう  七巻七冊。<著>厚誉(未詳)江戸中期の僧。号は春鴬廓玄。<別>『怪談弁述鈔』、『本朝捜神記』。<版>寛保二(一七四二)年。<内>巻一「善導墳光明」から巻七「奥州外浜千鳥」まで和漢の怪事一四三項を集め、それに著者の見解を付したもの。<蔵>哲学堂文庫(七巻一冊、別に『本朝捜神記』七巻七冊がある。)

扶桑見聞私記 ふそうけんもんしき  七六巻。<著>大江広元(一一四八―一二二五年)鎌倉時代の武将。法号は覚阿。<内>保元元(一一五六)年から建保元(一二一三)年までの事跡を、年月日につなげて記したもの。<蔵>国立国会図書館。

扶桑故事要略 ふそうこじようりゃく  七巻七冊。<著>盤察(?―一七三〇年)江戸中期の浄土宗の布教僧。号は厚誉・不絶。<別>『勧化補助 扶桑故事要略』、『新撰正誤 扶桑故事要略』。<成><版>正徳五(一七一五)年。<内>説話。上古の事跡のなかから、勧化教導の因縁となる古伝など五九話を集めたもの。<蔵>哲学堂文庫(七巻三冊)

扶桑新聞 ふそうしんぶん  日刊。名古屋、扶桑新聞社。明治二〇(一八八七)年五月創刊。大正四(一九一五)年八月、『名古屋毎日新聞』と改題した。<内>時事。

扶桑蒙求 ふそうもうぎゅう  三巻三冊。<著>岸鳳質(未詳)。<成><版>天保一四(一八四三)年。<内>李瀚の『蒙求』にならい四句一対の題をもうけて、歴朝の事跡を漢文で記したもの。<活>『扶桑蒙求』(明治四年)

扶桑略記 ふそうりゃっき  三〇巻(現存一六巻)。<著>皇円(?―一一六九年)平安後期の天台宗の僧。肥後阿闍梨ともいう。<別>『扶桑記』。<成>嘉承二(一一〇七)年ころ。<版>文政三(一八二〇)年。<内>神武天皇から堀河天皇の寛治八(一〇九四)年までの史実を漢文で記した編年体の史書。<複>『天理図書館善本叢書』「古代史籍続集」。<活>『改定 史籍集覧』一、『新註 皇学叢書』六、『新訂増補 国史大系』。

双葉草 ふたばぐさ  五巻五冊。<著>十返舎一九(一七六五―一八三一年)江戸後期の戯作者。本名は重田貞一、別号は酔斎/画・十返舎一九。<別>『中古奇談 双葉草』。<成><版>享和二(一八〇二)年。<内>近世の奇談を集めたもの。全五話から成る。署名の浪華東男子は一九自身とみられる。<蔵>哲学堂文庫。

峰中根源記 ぶちゅうこんげんき 修験峰中秘伝 しゅげんぶちゅうひでん

峰中秘伝 ぶちゅうひでん 修験峰中秘伝 しゅげんぶちゅうひでん

物学秘伝 ぶつがくひでん  未詳。

仏教活論本論 第二編 顕正活論  ぶっきょうかつろんほんろん だいにへん けんせいかつろん  一冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育者。号は甫水。不思議庵主人と称す。東京、哲学書院、明治二三(一八九〇)年、三四三頁。<内>真理としての仏教を組織体系化しようと試みたもの。

仏教創世記 ぶっきょうそうせいき  一冊。<著>佐田介石(一八一八―八二年)明治期の浄土真宗本願寺派の僧。字は断識、号は等象斎。青梅、藤田古梅刊、明治一二(一八七九)年、二六丁。別に東京、森江佐七刊、明治一二年、二五丁がある。

仏牙舎利縁起 ぶつげしゃりえんぎ  一冊。<著>未詳。<内>鎌倉円覚寺祖塔正続院の仏牙の舎利の縁起について記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

仏国暦象編 ぶつこくれきしょうへん  五巻五冊。<著>円通(一七五四―一八三四年)江戸後期の天台宗の僧。号は普門・無外子。<別>『仏国暦象』。<成><版>文化七(一八一〇)年序。<内>インド伝来の暦学(梵暦)を詳述したもの。西洋の天文学(地動説)に対抗して仏説(須弥山天文説)の擁護につとめた。<蔵>哲学堂文庫。

仏国暦象弁妄 ぶつこくれきしょうべんもう  一冊。<著>小島涛山(一七六一―一八三一年)江戸後期の暦算家。名は好謙、字は牧卿、涛山は号。<成>文化一五(一八一八)年跋。<内>円通の『仏国暦象編』の須弥山説を論駁したもの。<蔵>哲学堂文庫。

仏地経論 ぶつじきょうろん  七巻。<著>親光(バンドゥプラーバ、未詳)。<訳>玄奘(六〇二―六六四年)唐代の大翻訳家。<別>『仏地論』。<成>六―七世紀ころ。<内>『仏地経』の注釈書。唯識思想の立場から仏地(仏果)について解明したもの。<活>『大正新脩大蔵経』二六(一五三〇)

仏舎利験伝 ぶっしゃりけんでん 舎利験伝 しゃりけんでん

仏地論 ぶつじろん 仏地経論 ぶつじきょうろん

仏神感応録 ぶっしんかんのうろく  二編一五巻一五冊。<著>弄幻子(未詳)。<別>『三国因縁 仏神感応録』。<成><版>前編宝永七(一七一〇)年、後編同八年。<内>仏教。<蔵>哲学堂文庫。

仏説阿弥陀経 ぶっせつあみだきょう 一巻。<別>『阿弥陀経』、『小無量寿経』、『四紙経』、『小経』、『小本』。<訳>鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧・大訳経家。<成>一世紀ころ。<内>浄土三部経の一。阿弥陀仏と阿弥陀仏のいる西方浄土の荘厳を説き、無数の諸仏が賛嘆し証明して信受せよと勧めている極楽浄土に往生するには、阿弥陀仏の名号をもっぱら唱えることにある、と浄土信仰を明らかにしている。<活>『大正新脩大蔵経』一二(三六六)。<訳>『国訳一切経』宝積部七。

仏説盂蘭盆経 ぶっせつうらぼんぎょう  一巻。<訳>竺法護(二三九―三一六年)西晋代の訳経僧。<別>『盂蘭盆経』、『盂蘭経』。<内>餓鬼道におちた亡母の苦しみを救おうとする目蓮尊者の孝養の徳を骨子とする尽孝奨励の物語。<活>『大正新脩大蔵経』一六(六八五)。<訳>『国訳一切経』経集部一四。

仏説潅頂経 ぶっせつかんじょうきょう  一二巻。<訳>帛尸梨密多羅(未詳)東晋代の僧。<別>『潅頂経』、『大潅頂経』、『大潅頂神呪経』。<成>五世紀ころ。<内>経題のはじめに潅頂とつく一二種類の経典を集めたもの。<活>『大正新脩大蔵経』二一(一三三一)

仏説潅頂菩薩経 ぶっせつかんちょうぼさつきょう  未詳。

仏説賢首経 ぶっせつげんじゅきょう  一巻。<訳>聖堅(未詳)姚秦の訳経僧。<別>『賢首経』、『賢首夫人経』。<内>賢首のために仏は十方の仏名・菩薩名・仏国土名を説き、あわせて女人の身を離れる修行の問いに対して一事から十事までの法を説いたもの。<活>『大正新脩大蔵経』一四(五七〇)

仏説四天王経 ぶっせつしてんのうきょう  一巻。<訳>智厳(未詳)訳経僧/宝雲(三七五?―四四九年)訳経僧。<内>毎月の六斎日に四天王が日月・五星・二十八宿の諸天を率いて巡遊し、人々の善悪を伺察して帝釈天に報告することを説いている。<活>『大正新脩大蔵経』一五(五九〇)

仏説荘厳菩提心経 ぶっせつしょうごんぼだいしんぎょう  一巻。<訳>鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧・大訳経家。<別>『菩提心経』。<内>発菩提心・菩提心、その進展の過程として十波羅蜜・十地を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』一〇(三〇七)。<訳>『国訳一切経』華厳部四。

仏説正法念経 ぶっせつしょうほうねんきょう 仏説分別善悪所起経 ぶっせつふんべつぜんあくしょききょう

仏説大吉祥天女十二名号経 ぶっせつだいきちじょうてんにょじゅうにみょうごうきょう  一巻。<訳>不空(アモーガヴァジュラ、七〇五―七七四年)唐代の密教訳経僧。阿目佉ともいう。<内>大吉祥天女の十二名号(吉慶・吉祥・蓮華・厳飾・具財・白色・大名称・大光曜・施食者・施飲者・宝光・大吉)を受持・読誦・修習・供養して、他のために宣説すれば、一切の貧窮を除き、豊饒・財宝・高貴とを得ると、その功徳を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』二一(一二五二)

仏説分別善悪所起経 ぶっせつふんべつぜんあくしょききょう  一巻。<訳>安世高(未詳)後漢の訳経僧。<別>『分別善悪所起経』、『善悪所起経』、『正法念経』。<内>善悪を分別して、善をなせば善を得、悪をなせば悪を得ると説いている。<活>『大正新脩大蔵経』一七(七二九)

仏説無量寿経 ぶつせつむりょうじゅきょう  二巻。<訳>仏陀跋陀羅(ブッダバドラ、三五九―四二九年)東晋代の僧/宝雲(三七五?―四四九年)劉宋代の僧。従来、訳者は曹魏の康僧鎧(サンガヴァルマン、未詳)とされたが、前記両者の共訳が有力という。<別>『大無量寿経』、『大経』、『無量寿大経』、『大本』、『大本無量寿経』、『双巻経』、『無量寿経』。<成>一〇〇年ころ。<内>釈尊が王舎城で、優れた出家者たちと大乗の教えを求める求道者たちに説いた教え。<活>『大正新脩大蔵経』一二(三六〇)。<訳>『国訳一切経』宝積部七、『国訳大蔵経』一。

仏像図彙 ぶつぞうずい  五巻五冊。<著>画・土佐秀信(未詳)。<別>『増補諸宗 仏像図彙』、『増補仏像図彙』。<成><版>天明三(一七八三)年自序。<内>諸仏・菩薩・緒天・鬼神・祖・仏具の図を集録したもの。<活>『明治増補諸宗仏像図彙』(明治一九年)

仏祖通載 ぶっそつうさい 仏祖歴代通載 ぶっそれきだいつうさい

仏祖統記 ぶっそとうき  五四巻。<著>志磐(未詳)宋代の天台宗山家派の僧。<別>『統記』。<成>南宋の咸淳五(一二六九)年。<内>中国天台宗の正統性を明らかにする立場から、『史記』、 『資治通鑑』の体裁にならって編纂された中国仏教の通史。本紀八巻、世家二巻、列伝一二巻、表二巻、志三〇巻の五編一九科から成る。<活>『大正新脩大蔵経』四九(二〇三五)。<訳>『国訳一切経』史伝部二―三、五。

仏祖歴代通載 ぶっそれきだいつうさい  二二巻。<著>念常(一二八二―?年)中国臨済宗の僧。号は梅屋。<別>『通載』、『仏祖通載』。<成>元の至正元(一三四一)年。<内>仏教通史。太古の盤古王から元の順宗の元統元(一三三三)年にいたるインド・中国における仏教上の事跡を、編年体で記したもの。<活>『大正新脩大蔵経』四九(二〇三六)

仏法金湯編 ぶっぽうこんとうへん  一六巻。<著>心泰(一三二七―?年)。<成>洪武一九(一三八六)年。<内>周の昭王の時代から元の順帝の蘇大年にいたる一七〇〇年間において、仏教を外護し、または仏教に帰依し崇信した、帝王・宰官・名儒など三九八人の伝歴とその言行とを、諸書より抜記し編集したもの。当時の儒道二教による排仏論に対して仏教徒を覚醒させる意図で編集された。<活>『卍字続蔵経』二・乙・二一・五。

仏法金湯録 ぶっぽうこんとうろく  三巻。<著>屠隆(未詳)明の儒者。号は鴻苞居士。<成>万暦三〇(一六〇二)年。<内>宋代儒者の排仏論に対して反論した護法の書。宋代儒者の排仏の語句を引用して反論するとともに、難解な仏教用語を平易に解説し、仏教の通俗化による普及をはかっている。<蔵>哲学堂文庫(三巻三冊、慶安五〔一六五二〕年)

仏法蔵 ぶっぽうぞう  五巻五冊。<著>観道(未詳)。<成><版>元禄五(一六九二)年。<内>仏教。<蔵>哲学堂文庫。

仏本行経 ぶつほんぎょうきょう  七巻。<訳>宝雲(三七五?―四四九年)劉宋代の僧。<別>『本行経』。<成>五世紀ころ。<内>仏の一生を描いている。<活>『大正新脩大蔵経』四(一九三)。<訳>『国訳一切経』本縁部四。

仏母大孔雀明王経 ぶつもだいくじゃくみょうおうきょう  三巻。<訳>不空(アモーガヴァジュラ、七〇五―七七四年)唐代の密教訳経僧。<別>『仏母大金曜孔雀明王経』、『孔雀明王経』、『大孔雀明王経』、『孔雀経』。<内>孔雀明王陀羅尼の功徳を説いている。<活>『大正新脩大蔵経』一九(九八二)

物理訓蒙 ぶつりくんもう  <訳>吉田賢輔訳。吉田賢輔刊、明治五(一八七二)年、和四冊(上中下)。<内>空気・風・雨・光・電気・貨幣・パン・書物・絹など、自然現象や生活関連の事項について平易に解説した啓蒙書。

物理書 ぶつりしょ  未詳。

物理小識 ぶつりしょうしき  一二巻。<著>方以智(一六一一―七一年)明末・清初の学者。字は密之、号は鹿起。<成>康煕三(一六六四)年。<内>巻一は天文暦法、巻二は気象・地・観天望気、巻三は人体構造・生理、巻四・五は医学・薬、巻六は飲食・衣服、巻七は鉱物、巻八は力学応用技術、巻九は植物、巻一〇は植物・動物、巻一一は動物、それに巻一二で「鬼神方術」「異事」類として、占卜・怪異現象について、西洋の学説や自己の観察などをもとに実証的に述べている。

物理相感志 ぶつりそうかんし 物類相感志 ぶつるいそうかんし

物理論 ぶつりろん  一巻。<著>楊泉(未詳)。<内>秦漢諸子の説を集めたもの。<活>『平津館叢書』甲集。

物類相感志 ぶつるいそうかんし  <著>蘇軾(一〇三六―一一〇一年)北宋の詩人・文学者。字は子瞻、号は東坡。<内>物と物とが相感じて変化する例をあげるとともに、その変化の利用方法を記したもの。<活>『説郛』二二、『物類相感志』(明治一二年)

筆のすさび ふでのすさび  四巻四冊。<著>菅茶山(一七四八―一八二七年)江戸中・後期の儒学者・詩人。名は晋帥、字は礼卿、茶山は号。<別>『菅茶山翁筆のすさび』、『茶山翁筆のすさび』。<成>文化一一(一八一四)年稿。<版>安政四(一八五七)年。<内>和漢の奇事・異聞・史談・俗談・人物談など、多方面にわたる話を集録したもの。全一六一条から成る。<活>『日本随筆全集』一七、『日本随筆大成』新版一期一(旧版一期一)、『百家説林』正編上、『有朋堂文庫』「名家随筆集」下。

風土記 ふどき  <内>地誌。奈良時代の初め、元明天皇の和銅六(七一三)年に、①国・郡・郷の名によい字をつけよ、②郡内の物産品目を列挙せよ、③地味の肥沃程度を記せ、④山川原野の名の由来を記せ、⑤土地の伝承を記せ、という官命によって、六〇余カ国がそれぞれ筆録編纂して中央に報告した国別の地誌。現伝本は常陸・播磨・出雲・豊後・肥前のわずか五カ国で、そのうち『出雲国風土記』のみが完本である。<活>『岩波文庫』、『日本古典全集』、『日本古典全書』、『日本古典文学大系』二、『標註 古風土記』(明治三二年)

武備志 ぶびし  二四〇巻。<著>芳元儀(未詳)明末期の軍学者。字は止生。<内>兵書。古来の諸書から武備に関する事実・論説を編集し、戦陣図や地図を加えて戦略・軍資などを論じたもの。兵訣解・職略考・陣練制・軍資乗・占度載の五門に分類している。

夫木集 ぶぼくしゅう 夫木和歌抄 ふぼくわかしょう

夫木和歌抄 ふぼくわかしょう  三六巻・目録一巻三七冊。<著>藤原長清(未詳)。 別 『夫木集』、『夫木抄』、『夫木和歌集』。<成>元応二(一三二〇)年ころ。<版>寛文五(一六六五)年。<内>私撰歌集。『万葉集』以降の和歌のうちから、さまざまな撰にもれた約一七三五首を歌題によって分類したもの。散逸した古集の歌を見るための重要な文献となった。<活>『校註国歌大系』二一―二二、『夫木和歌抄』(国書刊行会)

文海披沙 ぶんかいひしょう  八巻。<著>謝肇淛(未詳)明の詩人・随筆家。<内>随筆。

文会筆録 ぶんかいひつろく  二〇巻。<著>山崎闇斎(一六一八―八二年)江戸前期の儒学者・神道家。名は柯のち嘉、字は敬義、別号は垂加。<成><版>天和三(一六八三)年。<内>『小学』、『近思録』その他、四書五経などについて朱子の注の要領を述べたもの。<複>『山崎闇斎全集』上「下垂加草全集」。

文献通考 ぶんけんつうこう  三四八巻。馬端臨(一二五四―?年)南宋末・元初の儒者。字は貴与、号は竹州。<内>杜佑の『通典』により、さらにこれを広めて二四門とし、南宋の寧宗までの事跡や制度を述べたもの。<活>『国学基本叢書』。

文言(伝) ぶんげん(でん) 易経 えききょう

文子 ぶんし  二巻。<著>辛銒(未詳)。<別>『通玄真経』。<内>『老子』を敷衍したもので虚無自然を宗旨とする。編目は道原・精誠・九守・符言・道徳・上徳・微明・自然・下徳・上仁・上義・上礼の一二編から成る。後人の偽作とされる。

文章軌範 ぶんしょうきはん  七巻。<著>編・謝枋得(一二二六―八九年)南宋末の政治家。字は君直、号は畳山。<内>科挙受験者のために、模範文例として唐宋の名家の文を中心に一五家六九編を集めたもの。日本では作文練習の教科書として用いられた。<活>『新釈漢文大系』一七―一八。

文鈔夢志 ぶんしょうむし  未詳。

焚椒録 ふんしょうろく  <著>王鼎(未詳)遼の人。

文藻行潦 ぶんそうこうろう  七巻三冊。<著>山本北山(一七五二―一八一二年)江戸中・後期の儒学者。名は信有、字は天禧、別号は孝経楼主人など。<成>安永八(一七七九)年序。<版>天明二(一七八二)年。<内>文章上の佳句を配列して作文の資料としたもの。<蔵>国立国会図書館。

文中子 ぶんちゅうし  一〇巻。<著>王通(五八四―六一七年)隋の学者。字は仲淹。文中子と呼ばれる。<別>『中説』。<内>王通の子、福郊・福畤が父の言を虚飾して成したものといわれる。<活>『六子全書』一〇、『百子全書』六。

文明起源論 ぶんめいきげんろん  ラボック(Lubbock, Sir J., 1st Baron Avebury. 一八三四―一九一三年)イギリスの銀行家・著述家。<内>風俗・技芸・宗教・道徳・法律など文明の起源について述べている。〔原書〕 The Origin of civilization and the primitive condition of man, 1870.

分類故事要語 ぶんるいこじようご  一〇巻・付録一巻一〇冊。<著>平住専庵(未詳)江戸中期の医者・儒学者。名は周道、字は専安、別号は静斎・橘墩など。<成><版>正徳四(一七一四)年。<内>読書中に得た古人の言葉を分類整理したもの。<蔵>哲学堂文庫。

平氏太子伝 へいしたいしでん 聖徳太子伝暦 しょうとくたいしでんりゃく

平児代答 へいじだいとう  一冊。 著 山崎美成(一七九六―一八五六年)江戸後期の雑学者。字は久卿、号は北峰・好問堂・三養居。<成>文政三(一八二〇)年自序。<内>天狗についての聞き書き。<蔵>哲学堂文庫(写本。文政三年)

平治物語 へいじものがたり  三巻。<著>未詳。<別>『平治記』。<成>未詳(一三世紀前半ころに古態本が成立)。<内>平治の乱(一一五九年)に取材した軍記物語。<活>『日本古典文学大系』三一。

兵術文稿 へいじゅつぶんこう  未詳。

秉燭譚 へいしょくだん  五巻。<著>伊藤東涯(一六七〇―一七三八年)江戸中期の儒学者。名は長胤・源蔵、別号は慥慥斎。<版>宝暦一三(一七六三)年。<内>父仁斎の旧話を編集し、新しいものを加えて、およそ一九一則の雑考をなしたもの。<活>『日本随筆大成』新版一期一一(旧版一期六)

秉燭或問珍 へいしょくわくもんちん  六巻六冊。<著>鷹見爽鳩(一六九〇―一七三五年)江戸中期の儒学者・藩士。姓は高見とも。はじめ石川・児島氏。名は正長、字は子方、別号は不求斎。<別>『天地或問珍』。<成><版>家永七(一七一〇)年。<内>雷・風・月・虹・雪・光物・雨・谷音・地震・潮・竜宮・狐火・高山煙立・鬼門・鬼神・轆轤首・夢・仙人・人相・狐・天狗・瘧・釜鳴り・産婦鬼について述べたもの。<蔵>哲学堂文庫。

秉穂録 へいすいろく  初編二冊・二編二冊。<著>岡田新川(一七三七―九九年)江戸中期の儒学者。名は宜生、字は挺之、別号は暢園・杉斎など。<成>初編寛政七(一七九五)年、二編同一一(一七九九)年。<内>随筆。和漢古今の群書を引用して、史実・制度・故実・訓詁・民俗・奇談・俗諺などさまざまなことについて比較考証し、見解を述べたもの。<活>『日本随筆大成』新版一期二〇(旧版一期一〇)、『文豹一斑』(明治二五年)

闢邪小言 へきじゃしょうげん  四巻四冊。<著>大橋訥庵(一八一六―六二年)江戸後期の儒学者。名は正順、字は周道、別号は曲洲・承天など。<成>嘉永五(一八五二)年自序。<版>安政四(一八五七)年。<内>宋学の理気説を根拠として、西洋の学術を批判したもの。<活>『大橋訥庵先生全集』上、『明治文化全集』「思想編」、『校訂 闢邪小言』(昭和一三年)

弁顕密二教論 べんけんみつにきょうろん  二巻。<著>空海(七七四―八三五年)平安前期の僧。真言宗の開祖。<別>『顕密二教論』、『二教論』。<成>弘仁六(八一五)年ころ。<内>顕教と密教とを並べてその深浅・優劣を論じたもの。顕密二教を並べて比較批判するところから、横の教判、横判教といわれる。<活>『弘法大師全集』一、『大正新脩大蔵経』七七(二四二七)

変態心理 へんたいしんり  <内>日本精神医学会発行の月刊雑誌。第一号は大正六(一九一七)年一〇月一〇日発行。

弁断鬼神二教合璧論 べんだんきしんにきょうがっぺきろん  五巻五冊。<著>日勇(?―一七六〇年)江戸中期の日蓮宗の僧。字は存道。<別>『弁断鬼神 二教合璧論』。<成><版>宝暦四(一七五四)年。<内>儒仏二教同源論。儒と仏とはその心源を同じくするものであるから儒仏一元であるが、その教説のあとに執着すれば千差万別で、その本質は把握できないとする。<活>『日本思想闘諍史料』五。

弁弁道書 べんべんどうしょ  二巻二冊。<著>佐々木高成(未詳)江戸中期の神道家。はじめ児島氏。別名は常静、号は常静翁。<成><版>元文二(一七三七)年。<内>荻生徂徠の『弁道』の神道批判に対する批判の書。神道の遠く深い由来やその根拠のあることを説いている。<活>『神道叢書』、『大日本文庫』「垂加神道」下、『日本思想闘諍史料』三。

宝永神異記 ほうえいしんいき 伊勢太神宮続神異記 いせだいじんぐうぞくしんいき

報応影響録 ほうおうようごうろく  二巻二冊。<著>日達(一六七四―一七四七年)江戸中期の日蓮宗の学僧。字は智鳩・運智、号は了義院。<成><版>寛保二(一七四二)年。<内>巻上「安禄山、その子のために殺さる」など六一条、巻下「晋の阮詹無鬼論をとる」「人、死して化して異類となる」など五三条から成る。<蔵>哲学堂文庫。

法苑珠林 ほうおんじゅりん  一〇〇巻。<著>道世(?―六八三年)隋・唐代の僧。<別>『法苑珠林伝』。<成>唐の総章元(六六八)年。<内>仏教事典。仏教百般にわたる事項を、中国の思想や文化をふまえて一〇〇編に分け、さらに六六八部の項目に細分して概説し、多くの諸経論からの引用には典拠を明記している。また、「感応録」が付され、僧俗の奇瑞・霊験譚が例示されている。<活>『大正新脩大蔵経』五三(二一二二)

方角即考 ほうがくそっこう  一冊。<著>松浦星洲(未詳)江戸後期の易占家。名は国祐、字は子徳、別号は風水園・応機庵主・泉隣。<別>『和漢正説 方角即考』。<成><版>文化四(一八〇七)年。<内>方角の吉凶を判断する相法書。<活>『方角即考』(「和漢正説九星方位」、明治一九年)

方角重法記 ほうがくちょうほうき  一冊。<著>未詳。<内>方角の吉凶を判断する占卜書。

方鑒必携 ほうかんひっけい  一冊。<著>編・尾島碩聞。礫川堂、明治一一(一八七八)年、和二八丁。<内>占卜。改正版(明治二二年、四一丁)

方鑒弁説 ほうかんべんせつ  一冊。<著>松浦琴鶴(未詳)江戸後期の易占家。名は純逸、別号は観涛閣。<別>『神殺撰要 方鑒弁説』。小林米造刊、明治一七(一八八四)年、和三八丁。<内>占卜。

伯耆風土記 ほうきふどき  未詳。

法言 ほうげん  一三巻。<著>揚雄(前五三―後一八年)前漢末の学者。字は子雲。<別>『揚子法言』。<内>道家の言をかりて儒の道を説き、また、性善悪混交説を唱えて孟子・荀子の調和を試みている。『論語』にならって作られたもの。

保元物語 ほうげんものがたり  三巻。<著>未詳。<別>『保元記』、『保元合戦物語』、『保元合戦記』。<成>未詳。<内>軍記物語。保元の乱の発生した原因・経過、および白河殿の合戦後の敗者たちの動向などを、和漢混交文で叙述したもの。源為朝など敗者の側に焦点をあてて物語が描き出されている。<複>『古典研究会叢書』、『陽明叢書』、『複刻日本古典文学館』。<活>『岩波文庫』、『新註国文学叢書』、『伝承文学資料集』、『日本古典文学大系』三一、『未刊国文資料』。

法事讃 ほうじさん 転経行道願往生浄土法事讃 てんぎょうぎょうどうがんおうじょうじょうどほうじさん

北条九代記 ほうじょうくだいき  一二巻一二冊。<著>浅井了意(一六一二ころ―九一年)江戸前期の僧・仮名草子作者。了意は法号、別号は瓢水子・松雲など。<別>『鎌倉九代記』、『鎌倉北条九代記』。<成><版>延宝三(一六七五)年。<内>伝記。<活>『校註国文叢書』一五、『続国民文庫』、『有朋堂文庫』、『鎌倉北条九代記』(明治一七年)

北条盛衰記 ほうじょうせいすいき  七巻七冊。<著>江西逸志子(未詳)。<別>『小田原北条記』。<成>寛文一三(一六七三)年。<内>伝記。改題本に『北条五代実記』がある。<蔵>哲学堂文庫。

牟子理惑論 ぼうしりわくろん  一巻。<著>牟融(未詳)後漢の人。本名は牟子理惑。<別>『牟子』。<内>清の孫星衍が『弘明集』から摘出して一巻とし、儒仏道三教の異同を論じて、仏教の優れていることを示したもの。三教交渉史上からも、中国人の仏教理解という点からも、重要なものとされている。<活>『大正新脩大蔵経』五二(二一〇二『弘明集』巻一)、『百子全書』。

蓬生庵随筆 ほうせいあんずいひつ  二巻。<著>立野春節(未詳)江戸前期の儒学者。春節は名、号は蓬生庵。<内>『国書解題』に「蓬生庵随筆附録」として、上巻「蜀山人壁書」から「神罪」まで一三項、下巻「浪士知耻死」から「旅僧歌を残して自水葬」まで一五項、「文章見るべきもの多し」とある。『国書総目録』にも『蓬生庵随筆』という書名のものは記載がない。

茅窓漫録 ぼうそうまんろく  三巻三冊。<著>茅原虚斎(一七七四―一八四〇年)江戸後期の儒学者・医者。名は定・元常(玄常)・玄定、字は叔同、別号は長南・茅窓。<成>文政一二(一八二九)年自序。<版>天保四(一八三三)年。<内>「駅路鈴」「仏法僧鳥」「朱子学四書由来」「三貨由来」など四三項を考証した仮名文の随筆。<活>『日本経済叢書』一九、『日本経済大典』二九、『日本随筆全集』七、『日本随筆大成』新版一期二二(旧版一期一一)、『百家説林』正編上。

宝蔵論 ほうぞうろん  一巻。<著>未詳。<別>『晋僧肇法師宝蔵論』。<内>老子の思想によりながら般若の空を論じたもの。老荘の学を用いて仏教へ導こうとして作られたもので、唐代の偽作といわれ、僧肇の作ったものではない。<活>『大正新脩大蔵経』四五(一八五七)

報知新聞 ほうちしんぶん  日刊。東京、報知社(のち報知新聞社)。明治二七(一八九四)年一二月二六日、『郵便報知新聞』(明治五〔一八七二〕年六月一〇日創刊)を改題・追号し、昭和一七(一九四二)年八月五日、『読売新聞』に吸収合併されて『読売報知』と改題した。戦後、夕刊紙の『新報知』となり昭和二五年一月一日、朝刊スポーツ紙として紙名を継続した。<内>時事。おもな関係者―福沢諭吉・大隈重信・三木善八。

抱朴子 ほうぼくし  内編二〇巻・外編五〇巻。<著>葛洪(二八四―三六四年)晋の道士。字は稚川、号は抱朴子。<成>建武元(三一七)年。<内>内編は神仙・仙薬・養生・延年など不老不死を得るための方術について記し、外編は儒家思想をもととして、政治・社会批判をおこなっている。一般には内編を指して『抱朴子』といい、神仙思想を体系化した道教の基本的な書。<活>『四部叢刊』、『叢書集成初編』。<訳>『中国古典文学大系』八。

法林輯要 ほうりんしゅうよう  四巻四冊。<著>懐玉道温(一六三九―一七〇七年)江戸前期の黄檗宗の僧。懐玉は道号。号は志源主人。<成><版>宝永元(一七〇四)年。<内>巻一「無常」から「債負」まで八項、巻二「瞋恚」から「奨道」まで九項、巻三「誡俗」から「坐禅」まで八項、巻四「閻魔王」から「極楽世界」まで九項の全三四項から成る。<蔵>哲学堂文庫。

保嬰論 ほえいろん  『保嬰撮要』二〇巻のことか。<著>薛鎧(未詳)明の人。<内>小児の諸種の病状と原因・治療について述べたもの。

補漢志 ほかんし 補漢兵志 ほかんへいし

補漢兵志 ほかんへいし  一巻。<著>銭文子(未詳)。<内>『漢書』中の兵制にかかわる言をとって一編とし、論断を付したもの。 漢書。

簠簋 ほき 簠簋内伝金烏玉兎集 ほきないでんきんうぎょくとしゅう

簠簋内伝金烏玉兎集 ほきないでんきんうぎょくとしゅう

 五巻。<著>安倍晴明(九二一―一〇〇五年)平安中期の陰陽家。<別>『簠簋』、『簠簋内伝』、『簠簋内伝金烏玉兎集宣明暦経』、『三国相伝陰陽輨轄簠簋内伝金烏玉兎集』、『三国相伝宣明暦経註』、『金烏玉兎集』。<版>慶長一七(一六一二)年古活字版。<内>占いの秘儀を伝えたもの。<活>『続群書類従』三一上(九〇六)

北越奇談 ほくえつきだん  六巻六冊。<著>橘崑崙(一七六一?―?年)。名は茂世、字は伯桂、崑崙は号/画・葛飾北斎(一七六〇―一八四九年)江戸後期の浮世絵師。<成>文化六(一八〇九)年序。<版>文化八(一八一一)年。<内>北越の奇事・怪談などを集めたもの。巻一「竜蛇ノ奇」、巻二「七奇ノ弁」、巻三「玉石」、巻四「怪談」、巻五「怪談」、巻六「人物」。<活>『北越奇談』(昭和二四年)

北越七奇考 ほくえつしちきこう  二巻一冊。<著>三宅瓶斎(一八〇一―六〇年)江戸後期の藩士。名は安懿、字は徳卿、瓶斎は号。<成>安政五(一八五八)年序、同六年跋。<内>上編は「然土・然水・沸井・火井・塩井・風穴・土用泉」の土地に関する七奇、下編は「蓑虫・鎌鼬・神楽岳神楽・未時瀑布・申時僧影・胴鳴・冬雷」の風気に関する七奇、和漢の書を引用して論じている。<蔵>哲学堂文庫。

北越雪譜 ほくえつせっぷ  初編三巻・二編四巻七冊。<著>鈴木牧之(一七七〇―一八四二年)江戸後期の文人。名は儀三治、俳名は秋月庵牧之/画・岩瀬京水。<別>『越後雪譜』。<成>初編天保六(一八三五)年序、二編同一一(一八四〇)年序。<版>初編天保八年、二編同一二年。<内>越後の風俗・人情を、雪を舞台に描いたもの。越後の人物・奇談・怪異なども記している。<複>『北越雪譜』(昭和四三年)、『北越雪譜』(昭和四四年)。<活>『岩波文庫』、『日本庶民生活史料集成』九。

北山抄 ほくざんしょう  一〇巻一〇冊。<著>藤原公任(九六六―一〇四一年)平安時代の公家・歌人・漢詩人。四条大納言と称す。<内>一條天皇以後の儀式を漢文で記した有職書。<活>『新訂増補 故実叢書』三一、『丹鶴叢書』六。

北山録 ほくざんろく  一〇巻。<著>新清(未詳)唐代の僧。<別>『北山参玄語録』。<成>九世紀初めころ。<内>問答形式により、儒道二教と仏教とを比較し、結局は仏教に帰すべきであることを説いたもの。<活>『大正新脩大蔵経』五二(二一一三)

墨子 ぼくし  一五巻。<著>墨翟(未詳)前五世紀後半の墨家の開祖。翟は名。<内>墨翟とその学派の著作を集大成したもの。兼愛・節用・非攻・尚賢などの思想を中心とする。<活>『新釈漢文大系』五〇―五一、『全釈漢文大系』一八―一九。

墨色指南 ぼくしょくしなん 墨色早指南 すみいろはやしなん

墨色小筌 ぼくしょくしょうせん 墨色小筌 すみいろしょうせん

墨色伝 ぼくしょくでん 墨色伝 すみいろでん

卜筮早考 ぼくぜいそうこう  一冊。 著 平沢随貞(未詳)江戸中期の医者・占卜家。随貞は名。<版>文化一〇(一八一三)年。<内>占卜。<活>『卜筮早考』(明治二六年)

卜筮増補盲笻 ぼくぜいぞうほもうきょう  二巻一冊。<著>平沢随貞(未詳)江戸中期の医者・占卜家。随貞は名。<成>宝暦三(一七五三)年序。<版>明和七(一七七〇)年。<内>占卜。<蔵>東北大学狩野文庫。

北窓瑣談 ほくそうさだん  二編八巻八冊。<著>橘南谿(一七五三―一八〇五年)江戸中・後期の医者。名は春暉、字は恵風、別号は梅華仙史・梅仙。<版>文政八(一八二五)年。<内>人物・鳥獣草木・地理など、日常見聞するものを雅俗にかかわらず記したもの。絵入り。<活>『杏林叢書』五、『日本随筆全集』四、『日本随筆大成』新版二期一五(旧版二期八)、『有朋堂文庫』。

牧笛類叢 ぼくてきるいそう  八巻八冊。<著>抱嶺館(未詳)。<別>『牧笛類聚』。<成>明和四(一七六七)年序。<内>古今の雑談を理非・虚実にかかわらず見聞のままを記したもの。<蔵>哲学堂文庫(写本)

穆天子伝 ぼくてんしでん  六巻。<著>未詳。<内>中国古代の小説。西周の穆王の西方旅行および姜の盛姫の葬事を記している。西晋の武帝の咸寧五(二七九)年に汲郡(河南省汲県)の戦国時代の魏の襄王(前二九九年没)の墓から発掘された竹の札に書かれた竹書の一つ。荀勗(?―二八九年)らが原本を校訂して六巻とし、郭璞(二七六―三二四年)が注を施したものが伝えられている。<活>『古今逸史』一三、『五朝小説』一、『四部叢刊』四六八、『説郛』一一三、『百子全書』六五、『竜威秘書』六。

北堂書鈔 ほくどうしょしょう  一六〇巻。<著>編・虞世南(五五八―六三八年)唐初の書家・詩人・政治家。字は伯施。<内>類書。帝王・后妃・政術・刑法・芸文・武功・儀飾・舟・車・酒食・天・歳時・地などに分類して抄録した名言などを集めている。

北米雑誌 ほくべいざっし  未詳。

北夢瑣言 ほくぼうさげん  現存二〇巻。<著>孫光憲(?―九六八年)北宋の人。<内>晩唐・五代の間の政治上の史実や当時の社会・風俗・人情、また晩唐の詩人の逸事などを記している。<活>『雅雨堂十種』一七―二〇、『説郛』四六、『稗海』一二―一三。

卜法類書 ぼくほうるいしょ  一冊。<著>未詳。<成>天明四(一七八四)年。<内>占卜。<蔵>国立国会図書館(写本)

北門新報 ほくもんしんぽう  日刊。札幌、北門新報社。明治二四(一八九一)年四月二一日創刊。明治三四(一九〇一)年九月三日、『北海道毎日新聞』(明治二〇〔一八八七〕年一〇月一日、『北海新聞』を改題)、『北海時事』(明治三一〔一八九八〕年一一月一日創刊)と合併して『北海タイムス』と改題した。<内>時事。おもな関係者―金子元三郎・中江兆民。

北陸新報 ほくりくしんぽう  日刊。金沢、北溟社。明治二〇(一八八七)年六月一四日、『加越能新聞』(明治一六〔一八八三〕年六月二一日、『石川新聞』を改題)を改題・追号し、明治二八年一二月まで継続した。<内>時事。

法華経 ほけきょう 妙法蓮華経 みょうほうれんげきょう

法華経持験記 ほけきょうじけんき 歴朝法華持験記 れきちょうほけじけんき

菩薩地持経 ぼさつじじきょう  一〇巻。<訳>曇無讖(ダルマラクシャ、三八五―四三三年)中国南北朝時代の訳経僧。<別>『菩薩地持』、『地持論』、『菩薩地経』、『菩薩戒経』。<内>大乗菩薩の修行法を詳説したもの。<活>『大正新脩大蔵経』三〇(一五八一)

菩提心経 ぼだいしんぎょう 仏説荘厳菩提心経 ぶっせつしょうごんぼだいしんぎょう

牡丹灯記 ぼたんとうき  未詳。

北海新聞 ほっかいしんぶん  日刊。函館、北海新聞社。明治二八(一八九五)年一一月創刊。明治四四(一九一一)年五月二日、『北海新報』と改題、大正五(一九一六)年一〇月二日、『北海新聞』に復題した。大正一〇年ころまで存続した。

法界或問止啼銭 ほっかいわくもんしていせん  三巻三冊。<著>大珍彭僊(一七四八―一八二〇年)江戸中・後期の曹洞宗の僧。大珍は道号。<成><版>文化一四(一八一七)年。<内>竜拈寺(豊橋市)の僧である著者が、老若男女のために説いた法語。<活>『曹洞宗全書』「注解」三。

法句経 ほっくきょう  二巻。<著>法救(ダルマトラータ、未詳)。<訳>支謙(未詳)三国時代の呉の訳経家/竺将焔(未詳)。<成>紀元前三世紀ころ。<内>三九品から成り、うち二六品はパーリ語の『ダンマパダ』に、他の一三品は『ウダーナ・ヴァルガ』に相当箇所がある。基本的な仏教教理を説いたもの。<活>『大正新脩大蔵経』四(二一〇)

法句譬喩経 ほっくひゆきょう  四巻。<著>法救(ダルマトラータ、未詳)。<訳>法炬(未詳)西晋末の僧/法立(未詳)。<別>『法句本末記』、『法喩』。<成>紀元前後ころ。<内>法句(ダンマパタ)とそれの説かれた由来を語る譬喩物語から成り、全三九品に対して六八話が収められている。<活>『大正新脩大蔵経』四(二一一)。<訳>『国訳一切経』本縁部一一。

法華玄義 ほっけげんぎ 妙法蓮華経玄義 みょうほうれんげきょうげんぎ

法華宗御鬮絵鈔 ほっけしゅうみくじえしょう  一冊。<著>日行(未詳)。<成><版>文化一四(一八一七)年。<内>占卜。<蔵>哲学堂文庫。

法華霊験伝 ほっけれいげんでん  二巻。<著>了円(未詳)。<別>『法華経霊験伝』。<内>唐の慧詳の『弘賛法華伝』を中心に、その他の書から、法華経伝持に関する霊験一〇七例を抄録したもの。<活>『卍字続蔵経』二・乙・七・四。

北国巡杖記 ほっこくじゅんじょうき  五巻五冊。<著>北茎(未詳)江戸後期の俳人。小寺氏、別号は鳥翠台など。<別>『奇談 北国巡杖記』、『北国奇談巡杖記』。<成><版>文化四(一八〇七)年。<内>加賀・越中・能登・越後・佐渡・若狭・越前の北国地方を踏査し、名勝・旧跡をはじめ、見聞した怪奇の伝説・故事などを、図をかかげ、俳句などを付して記したもの。<活>『日本随筆大成』新版二期一八(旧版二期九)

発心集 ほっしんしゅう  八巻八冊。<著>鴨長明(一一五三?―一二一六年)鎌倉前期の歌人。「ながあきら」とも読む。<別>『鴨長明発心集』、『長明発心集』。<成>不詳。<版>慶安四(一六五一)年。<内>発心・遁世・往生の説話を中心とした仏教説話集。<活>『改定 史籍集覧』二三、『校註鴨長明全集』、『大日本仏教全書』九一(鈴木財団)

法相義 ほっそうぎ  未詳。

法曹至要抄 ほっそうしようしょう  三巻三冊。<著>坂上明期(一一三八―一二一〇年)平安末・鎌倉前期の明法家。著者については、明法家坂上氏の編によるものともされる。<別>『法曹至要鈔』。<成>平安時代末期。<版>寛文二(一六六二)年。<内>律令格式の重要事項一四カ条をかかげ、それを一七七項目に分け、そのおのおのについて律令格式の条文・注釈書を引用して、要語の注解および編者の見解を付したもの。<活>『群書類従』「律令」、『日本経済大典』一、『日本古代法典』。

本行経 ほんぎょうきょう 仏本行経 ぶつほんぎょうきょう

本郷怪談実録 ほんごうかいだんじつろく  二巻二冊。<著>未詳。<内>怪談。<蔵>哲学堂文庫(写本)

本生心地観経 ほんじょうしんじかんぎょう 大乗本生心地観経 だいじょうほんじょうしんじかんぎょう

本草 ほんぞう 本草綱目 ほんぞうこうもく

本草綱目 ほんぞうこうもく  五二巻・付図二巻。<著>李時珍(一五一八―九三年)中国明の医者。字は東璧、号は瀕湖山人。<成>万暦六(一五七八)年。<版>万暦二四(一五九六)年。<内>薬物書。多くの文献を引用して、薬物一八八二種を一六部(綱)に分類し、さらに各部を六〇類(目)に分けて、各薬物の釈名・集解・正誤・修治・気味・主治・発明・附方を説明している。付図二巻は子の季建元の手になる。<訳>『新注校定 国訳本草綱目』(一五巻、鈴木真海訳、昭和四八―五二年)

本草綱目啓蒙 ほんぞうこうもくけいもう  四八巻。<著>小野蘭山(一七二九―一八一〇年)江戸中・後期の本草学者。名は職博/編・小野職孝(?―一八五二年)江戸後期の本草学者/岡村春益。<成><版>享和三(一八〇三)年。<内>本草。蘭山の講義の筆記を孫の職孝が整理し刊行したもの。<活>『日本古典全集』三期。

本草捨遺 ほんぞうしゅうい  未詳。

本草図経 ほんぞうずけい  二一巻。<著>蘇頌(一〇二〇―一一〇一年)宋の官吏。<内>各地の薬物を図示・説明したもの。

本朝医談 ほんちょういだん  一冊。<著>奈須恒徳(一七七四―一八四一年)江戸後期の医者。字は士常、号は柳村、恒徳は名。<成><版>文政五(一八二二)年。<内>医学。<活>『杏林叢書』一。

本朝因縁諸国古寺談 ほんちょういんねんしょこくこじだん  五巻五冊。<著>未詳。<別>『諸国古寺譚』。<版>宝暦一一(一七六一)年。<内>天王寺・西大寺・東大寺・延暦寺・善光寺・長谷寺・広隆寺・東福寺など、旧寺の因縁物語。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

本朝怪談故事 ほんちょうかいだんこじ  四巻四冊。<著>厚誉(未詳)江戸中期の僧。号は春鴬廓玄。<別>『和漢合類 本朝怪談故事』。<成>正徳元(一七一一)年。<版>同六(一七一六)年。<内>伊勢参宮での奇異な話の聞き書きに著者の見解を加えたもの。十八神の好悪愛嫌話、諸神の霊能話、御神体の異色のもの、神事・祭礼の異色のものなど、全九六話から成る。<活>『本朝怪談故事』(昭和五三年)

本朝奇跡談 ほんちょうきせきだん  三巻。<著>植村政勝(一六九五―一七七七年)江戸中期の本草家。名は政勝・正勝、号は新甫/画・春斎英笑。<別>『諸州名所難所寄書』。<成><版>安永三(一七七四)年。<内>巻上、大和から尾張まで九カ国、巻中、伊豆から飛騨まで一三カ国、巻下、越中から丹後まで五カ国、それに「諸国山中風俗」を載せ、各国の奇談について記している。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

本朝高僧伝 ほんちょうこうそうでん  七五巻・総目一巻三二冊。<著>卍元師蛮(一六二六―一七一〇年)江戸前期の臨済宗の僧。別号は独師。<成>元禄一五(一七〇二)年自序、宝永四(一七〇七)年跋。<内>日本への仏教渡来から一〇〇〇余年にわたり出世された諸先徳一六六二人の行状・行履を網羅的に記したもの。ただし、一向宗(真宗)と日蓮宗は除外している。<活>『大日本仏教全書』六三(鈴木財団)、『大日本文庫』。

本朝語園 ほんちょうごえん  一〇巻一二冊。<著>孤山居士(未詳)。<成><版>宝永三(一七〇六)年。<内>日本の故事を収集・類別して解説したもの。巻七に占相、巻八に神祇・託宣、巻九に飛仙について記している。

本朝国語 ほんちょうこくご  五巻五冊。<著>矢島酋甫(未詳)。<成>宝暦一一(一七六一)年自序。<版>宝暦一二(一七六二)年。<内>諸国遊歴中の見聞随筆。<蔵>哲学堂文庫。

本朝故事因縁集 ほんちょうこじいんねんしゅう  五巻五冊。<著>未詳。<成><版>元禄二(一六八九)年。<活>『医聖堂叢書』。

本朝諸国風土記 ほんちょうしょこくふどき  <著>敬順(一七六二―一八三二年)江戸中・後期の真宗の僧。大浄と称し、号は十方庵・厭離斎・嘯月庵、茶人として宗賢・宗知、以風と号す。<内>地誌。<蔵>国立国会図書館(一四巻一冊)

本朝新因縁集 ほんちょうしんいんねんしゅう  未詳。

本朝神社考 ほんちょうじんじゃこう  六巻六冊。<著>林羅山(一五八三―一六五七年)江戸前期の儒学者。名は信勝、字は子信、剃髪して道春。<別>『神社考』。<成>未詳。<内>神仏混交ではない本来の神社の相を、神儒合一の立場から明らかにしようと、全国の主要な神社の祭神・由来・信仰・霊験などを考証したもの。上巻は二二社、中巻は名のある諸社、下巻は霊異・方術(俗信仰)について考証している。<活>『改造文庫』、『国民思想叢書』「神道篇」、『大日本風教叢書』七、『日本思想闘諍史料』一、『日本精神文献叢書』七―八。

本朝世事談綺 ほんちょうせじだんき  五巻五冊。<著>菊岡沾涼(一六八〇―一七四七年)江戸中期の著述家・俳人。名は光行、別号は南仙・独南斎など。<別>『近代世事談』、『世事談』。<成><版>享保一九(一七三四)年。<内>衣服・飲食・生植・器用・態芸・歳時・文房・人事・雑事の九門に分け、民間で常用される種々の事物・事柄や名称の起源を説明したもの。<活>『温知叢書』三、『日本随筆大成』新版二期一二(旧版二期六)

本朝捜神記 ほんちょうそうじんき 扶桑怪談弁述鈔 ふそうかいだんべんじゅつしょう

本朝俗諺志 ほんちょうぞくげんし  五巻五冊。<著>菊岡沾涼(一六八〇―一七四七年)江戸中期の著述家・俳人。名は光行、別号は南仙・独南斎など。<成>延享三(一七四六)年跋。<版>同四年。<内>諸国の見聞・雑事を収集したもの。巻一「武州玉川氷」から巻五「京中御門鞠神」まで、全一三七条から成る。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

本朝人相考 ほんちょうにんそうこう  三巻三冊。<著>郭西翁(未詳)。編・仙掌斎(未詳)。<成><版>安永二(一七七三)年。<内>人相の書。<蔵>哲学堂文庫。

本朝年代記 ほんちょうねんだいき  七巻・首二巻一〇冊。<著>編・田登仙(未詳)。<別>『新編分類 本朝年代記』、『新編分類本朝年代記』。<成><版>貞享元(一六八四)年。<内>年代記。<蔵>哲学堂文庫。

本朝法華験記 ほんちょうほっけげんき 大日本国法華経験記 だいにほんこくほけきょうげんき

本朝俚諺 ほんちょうりげん  九巻五冊。<著>井沢蟠竜(一六六八―一七三〇年)江戸中期の神道家。名は長秀、別号は蟠竜子・亨斎。<成><版>正徳五(一七一五)年。<内>俗間の諺や故事を、一五七〇個集めて説明したもの。<蔵>哲学堂文庫。

本朝列仙伝 ほんちょうれっせんでん  四巻四冊。<著>田中玄順(未詳)。『本邦列仙伝』。<成><版>貞享三(一六八六)年。<内>役小角・武内宿禰・浦島子・山背大兄王・法道仙人・久米仙人などの伝。絵入り。<蔵>哲学堂文庫(四巻一冊)

本能の解明 ほんのうのかいめい  <著>カウチ(未詳)

本病論 ほんびょうろん  未詳。

本邦名医類案 ほんぽうめいいるいあん  五巻五冊。<著>下津寿泉(未詳)江戸中期の医者。寿泉・春抱と称す。<成><版>宝永六(一七〇九)年。<内>医学。<蔵>京都大学図書館。

本命的殺即鑑 ほんみょうてきさつそっかん  一冊。<著>松浦琴鶴(未詳)江戸後期の易占家。名は純逸、別号は観涛閣。<成><版>天保六(一八三五)年。<内>占卜。<蔵>哲学堂文庫。

梵網経 ぼんもうきょう  二巻。<訳>鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧・大訳経家。<別>『梵網経盧舎那仏説菩薩心地戒品第十』、『菩薩戒経』、『梵網菩薩戒経』。<内>上巻に菩薩の向上心を「四十心」として説き、下巻に「十重四十人軽戒」を説いている。「菩薩戒」(仏性の開発)を説く根本経典とされるが、五世紀中国劉宋代に成立した偽経とみられている。<活>『大正新脩大蔵経』二四(一四八四)。『国訳一切経』律部一二。

翻訳名義集 ほんやくみょうぎしゅう  七巻。<著>法雲(一〇八八―一一五八年)南宋の僧。<成>紹興一三(一一四三)年。<内>梵漢字典。諸仏典中の梵名音写語を採取し、六四編に類別してその字義を解説したもの。<活>『大正新脩大蔵経』五四(二一三一)

毎季評論雑誌 まいきひょうろんざっし  未詳。

毎日新聞 まいにちしんぶん  日刊。東京、毎日新聞社。明治一九(一八八六)年五月一日、『東京横浜毎日新聞』(明治一二〔一八七九〕年一一月一八日、『横浜毎日新聞』を改題・追号)を改題・追号した。明治三九(一九〇六)年七月一日、『東京毎日新聞』と改題・追号した。昭和一五(一九四〇)年一一月三〇日、『帝都日日新聞』に吸収されて廃刊した。<内>時事。おもな関係者―沼間守一・島田三郎。

毎夕新聞 まいゆうしんぶん  日刊。東京、毎夕新聞社。明治三一(一八九八)年三月創刊。『千代田日報』と合併して『千代田毎日』と改題、さらに明治三四(一九〇一)年一月一日、『毎夕新聞』と改題した。明治四〇(一九〇七)年、『東京毎夕新聞』と改題・追号した。<内>時事。

マインド  “Mind ; a quarterly review of psychology and philosophy." <内>思想誌。

摩訶般若波羅蜜経 まかはんにゃはらみつきょう  二七巻。 <訳>鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧・大訳経家。<別>『大品般若経』、『大品』。<内>般若空観を説いた初期の大乗経典。九〇品から成っている。<活>『大正新脩大蔵経』八(二二三)。<訳>『国訳一切経』経部二―三。

まじない三百ヶ条 まじないさんびゃっかじょう  一冊。<著>未詳。<別>『役行者御秘法まじない三百ヶ條』。大館利一刊、明治二五(一八九二)年。

魔術 まじゅつ <著>編・渋江保編。博文館、明治二六(一八九三)年、二冊(上一五二、下一四九頁)

魔術と催眠術 まじゅつとさいみんじゅつ  一冊。<著>近藤嘉三(未詳)。穎才新誌社、明治二五(一八九二)年、七八頁。二版『心理応用 魔術と催眠術』(明治二五年、一〇〇頁)

魔睡術 ますいじゅつ  一冊。<著>大沢謙二(未詳)。大沢謙二刊、明治二〇(一八八七)年、五二頁。『中外医事新報』第一五一―一六二号別刷。

増鏡 ますかがみ  一七巻または一九巻。<著>未詳。<別>『益鏡』、『増鑑』、『真寸鏡』、『源起記』。<成>暦応元(一三三八)年―永和二(一三七六)年の間。<内>治承四(一一八〇)年の後鳥羽院の降誕から元弘三(一三三三)年の後醍醐天皇の隠岐の島からの還幸まで、一五〇余年間の歴史を公家を中心に叙述した歴史物語。<複>『古典資料類従』。<活>『岩波文庫』、『片仮名本増鏡の研究・本文資料篇』(昭和五一年)、『講談社学術文庫』、『校注古典叢書』、『史籍集覧』、『新訂増補 国史大系』、『日本古典全書』、『日本古典文学大系』八七、『増鏡通釈』(昭和一三年)

益智編 ますちへん  未詳。

松の落葉 まつのおちば  四巻・目録一巻五冊。<著>藤井高尚(一七六四―一八四〇年)江戸後期の国学者。号は松斎・松屋。<成><版>文政一二(一八二九)年序。<内>随筆。神祇・和歌・有職・語学・風俗・儒仏に関する考証など、見聞や研究成果を記したもの。全二二四条から成る。<活>『日本随筆全集』一五、『日本随筆大成』新版二期二二(旧版二期一一)、『百家説林』続編上、『藤井高尚全集』。

松屋外集 まつのやがいしゅう  <著>小山田与清(一七八三―一八四七年)江戸後期の国学者。字は文儒、号は知非斎、松屋。<版>天保五(一八三四)年。<内>随筆。<蔵>東京大学図書館。

松屋筆記 まつのやひっき  一二〇巻。<著>小山田与清(一七八三―一八四七年)江戸後期の国学者。字は文儒、号は知非斎・松屋。<内>文化末年ころから弘化二年ころ(一八一八―四五年)までの三〇年間ほどに読んだ書物のなかから興味ある記事を摘録し、それに感想や論評を書き加えて集成したもの。<活>『松屋筆記』(三冊、明治四一年)

マハーバーラタ  Maha~bha~rata. <成>四世紀ころ現在の形となる。<内>古代インドの大叙事詩。「バラタ族の戦争を物語る大史詩」の意。一八編、一〇万頌のサンスクリット語の詩句と付録『ハリー・ヴァンシャ』一編の一万六〇〇〇頌から成る。大史詩の主題をなす物語は五分の一ほどで、宗教・神話・伝説・風俗・社会制度・法制などに関する事柄や挿話を豊富に含んでおり、ヒンズー教の聖典の宗教哲学詩「バカヴァット・ギーター」や「ナラ王物語」、「サーヴィトリー物語」は有名である。

摩耶五夢経 まやごむきょう  未詳。

漫画随筆 まんかくずいひつ  二巻二冊。<著>鈴木澶洲(一七一五―一七七六年)江戸中期の儒学者。名は吉明・嘉章、字は煥卿・子煥、澶洲は号。<別>『撈海一得』。 <成><版>明和八(一七七一)年。<内>人名の吉凶・先の字・為人の解など、和漢古今の群籍にわたりその見聞するところを筆記した雑録。<活>『随筆文学選集』一一、『日本随筆全集』五、『日本随筆大成』新版一期一三(旧版一期七)

万水一露 まんすいいちろ  未詳。

万年草 まんねんそう  一冊。<著>行願(未詳)江戸中期の真言宗の僧。号は大進庵・如意庵。<成>宝暦一一(一七六一)年序。<内>行願の法語や僧俗の人々の問いに対する答えを集めたもの。「今日ノ果報ハ今日ノ一念ヨリ起事」「夢ノ占ヒノ事」「髑髏タゝリヲナス事」など三〇項から成る。<蔵>哲学堂文庫。

万病回春 まんびょうかいしゅん 万病回春抄 まんびょうかいしゅんしょう

万病回春抄 まんびょうかいしゅんしょう  三巻三冊。<著>菅玄洞(未詳)。<版>慶長一八(一六一三)年古活字版。<内>医学。

漫遊記譚 まんゆうきだん 常陸紀行 ひたちきこう

万葉集 まんようしゅう  二〇巻。<著>編者未詳。<成>奈良時代末。<版>慶長古活字版。<内>天皇から無名の人々の歌まで、時代的には若干の伝承的な歌を除いて、七世紀前半の舒明天皇の時代から八世紀中葉の淳仁天皇の時代まで約一五〇年間の歌、総計四五〇〇余首を収めた日本最古の和歌集。<複>『貴重図書影本刊行会』(尼崎本)、『古典文庫』(西本願寺本)、『古筆名巻集』三、『続扶桑珠宝』、『日本名筆全集』七・一二・二九、『扶桑珠宝』万葉秘林、『尼崎本万葉集』(昭和一〇年)、『桂本万葉集』(明治三二年)、『金沢本万葉集』(昭和七年)、『紀州本万葉集』(昭和一六年)。<活>『岩波文庫』、『国歌大観』、『新註皇学叢書』八、『日本歌学全書』九―一二、『日本古典全書』、『日本古典文学大系』四―七、『有朋堂文庫』。

万暦雑書大成 まんれきざっしょたいせい 万暦雑書大成 ばんれきざっしょたいせい

神籤五十占 みくじごじっせん  一冊。<著>白幡義篤(未詳)。岡田屋嘉七等刊、明治三(一八七〇)年、和二六丁。

水鏡 みずかがみ  三巻三冊。<著>中山忠親(一一三二―九五年)平安末・鎌倉前期の公卿。<成>平安末期か鎌倉初期。<内>歴史物語。神武天皇から仁明天皇まで、皇円の『扶桑略記』からの抜粋を仮名書きにし、作者の時代との比較・感慨などを書き加えて成ったもの。<複>『貴重図書影本刊行会叢書』。<活>『岩波文庫』、『新訂増補 国史大系』、『有朋堂文庫』。

道の幸 みちのさち  三巻三冊。<著>屋代弘賢(一七五八―一八四一年)江戸後期の国学者。名は詮虎・詮賢など、号は輪池。<成>寛政四(一七九二)年。<内>寛政四年一〇月、諸家の古筆などを模写する命を受けて、柴野栗山・住吉広行らとともに上京したときの、往復の道中での見聞を詳細に記したもの。<活>『存採叢書』。

宮川舎漫筆 みやがわのやまんぴつ  五巻五冊。<著>宮川政運(一七九六―?年)江戸後期・明治前期の随筆家。名は政運・政教・富教、号は慎斎・蓬生盧。<成>安政五(一八五八)年自序。<版>文久二(一八六二)年。<内>奇聞・珍説を集め、感想を述べたもの。全六三条から成る。<活>『日本随筆全集』一〇、『日本随筆大成』新版一期一六(旧版一期八)

都新聞 みやこしんぶん  日刊。東京、都新聞社。明治二二(一八八九)年二月一日、『みやこ新聞』(明治二一年一一月一六日、『今日新聞』を改題・追号)を改題・追号した。昭和一七(一九四二)年一〇月一日、『国民新聞』と合併し、『東京新聞』を創刊した。<内>時事。おもな関係者―黒岩涙香・田川大吉郎。

宮崎新報 みやざきしんぽう  日刊。宮崎、宮崎新報社。明治二一(一八八八)年二月一五日創刊―明治三八(一九〇五)年一月二日廃刊。『日州独立新聞』と合併して廃刊となり、該紙は『日州』さらに『日州新聞』と改題した。

冥加訓 みょうがくん  五巻五冊。<著>関一楽(一六四四―一七三〇年)江戸前・中期の儒学者・医者。名は長博、字は載甫、別号は一楽翁・仁堂。<成><版>享保九(一七二四)年。<内>教訓。<活>『日本教育文庫』「訓誡篇」上、『日本道徳叢書』三。

妙術博物筌 みょうじゅつはくぶつせん  一九巻・目録一巻七冊。<版>安永九(一七八〇)年。<内>叢書。『錦嚢万代宝鑑』(五巻)、『神変仙術錦嚢秘巻』(二巻、入江貞庵)、『秘事指南車』(三巻、和田潜竜)、『秘事思案袋』(三巻)、『古今智恵枕』(三巻、河内玄宅)、『鎮火用心車』(三巻、南極斎)を収録。<蔵>哲学堂文庫。

明星抄 みょうじょうしょう  二〇冊。<著>三条西実枝(一五一一―一五七九年)戦国・安土桃山時代の公卿・歌人。<別>『源氏物語明星抄』。<版>明暦三(一六五七)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<活>『源氏物語古註釈叢刊』。

明仏論 みょうぶつろん  一巻。<著>宗炳(三七五―四四三年)。<別>『神不滅論』。<内>何承天の神滅論に反論して神不滅論を弁護し、輪廻応報説の正しさを主張したもの。<活>『大正新脩大蔵経』五二(二一〇二)。<訳>『国訳一切経』護教部一。

妙法蓮華経 みょうほうれんげきょう  八巻。<訳>鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧・大訳経家。<別>『法華経』、『妙法華経』。<内>仏陀の教えの真実とその永遠の生命を説く大乗経典。二八章から成り、天台宗・日蓮宗の根本聖典となっている。<活>『大正新脩大蔵経』九(二六二)。<訳>『岩波文庫』、『国訳一切経』法華部、『大乗仏典』四―五(中央公論社)

妙法蓮華経玄義 みょうほうれんげきょうげんぎ  二〇巻。<著>智顗(五三八―五九七年)陳―隋代の僧。天台教学の大成者。<別>『法華玄義』、『妙玄』。<成>五九三年。<内>『妙法蓮華経』という経題を解釈するもので、天台の経典解釈法である五重玄義、つまり釈名・弁体・明宗・論用・判教によって『法華経』の経題の意義を明らかにするとともに、経典の内容をも概説したもの。<活>『大正新脩大蔵経』三三(一七一六)

妙薬妙術集 みょうやくみょうじゅつしゅう  一冊。<著>藤本常九(未詳)。<別>『増補救民 妙薬妙術集』、『抜苦救民集』、『妙薬妙術 宝因蒔』。<成><版>文政六(一八二三)年。<内>薬物。<蔵>京都大学。

妙楽記 みょうらくき  未詳。

未来記 みらいき 聖徳太子日本国未来記 しょうとくたいしにほんこくみらいき

明一統志 みんいっとうし 大明一統志 だいみんいっとうし

民家必用永代大雑書三世相 みんかひつようえいたいおおざっしょさんぜそう 永代大雑書三世相 えいたいおおざっしょさんぜそう

民家分量記 みんかぶんりょうき  五巻五冊。<著>常盤貞尚(未詳)。<別>『百姓分量記』。<成>享保六(一七二一)年。<版>同一一(一七二六)年。<内>農民の分限・職分に始まり、五倫五常を農民生活においていかに実践すべきかを平易に説いたもの。<活>『国民思想叢書』「民衆篇」、『通俗経済文庫』八、『日本教育文庫』「訓誡篇」下、『日本思想大系』五九、『日本精神文献叢書』一六。

民間歳時記 みんかんさいじき  一冊。<著>名古屋玄医(一六二八―九六年)江戸前期の医者。字は閲甫・富潤、号は丹水子・桐渓など。<版>延宝九(一六八一)年。<内>歳時記。<蔵>哲学堂文庫(写本)

民間備荒録 みんかんびこうろく  二巻二冊。<著>建部清庵(一七一二―八二年)江戸中期の医者。名は由正、字は元策、清庵は通称。<成>宝暦五(一七五五)年自序。<版>宝暦一〇(一七六〇)年。<内>凶年における救急の方法を記したもの。<活>『仙台叢書』一〇、『日本経済叢書』八、『日本経済大典』一一、『民間備荒録』(昭和一五年)

岷江入楚 みんごうにっそ  五五冊。<著>中院通勝(一五五六―一六一〇年)織豊時代の公卿。<別>『源氏物語岷江入楚』、『源氏注抄』、『源氏物語詮抄』、『濫觴無底抄』。<成>慶長三(一五九八)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<活>『源氏物語古注集成』、『国文学註釈叢書』七―一〇、『国文註釈全書』一八―二〇。

民生切要録 みんせいせつようろく  四巻四冊。<著>編・守株子(未詳)。<成><版>元禄五(一六九二)年。<内>日常生活に必要な知識や怪異現象、まじない、占卜、吉凶判断などを記している。<蔵>哲学堂文庫。

無鬼論 むきろん  <著>傅淇(未詳)宋の人。字は元瞻。

無鬼論弁 むきろんべん  <著>山片蟠桃(一七四八―一八二一年)江戸後期の学者。名は有躬・芳秀、字は子蘭。<内>山片蟠桃『夢の代』の第一〇―一一の「無鬼」を抜粋したもの。「無鬼」論は鬼・幽霊・狐狸・稲荷などの迷信的なものをすべて批判し、人格的な神の存在も否定する無神論を展開している。<活>『日本文庫』一二、『日本哲学思想全書』五。 夢の代。

夢渓筆談 むけいひつだん  二六巻・補筆談二巻・続筆談一巻。<著>沈括(一〇三一―九五年)北宋の政治家・学者。字は存中。<内>随筆。故事・弁証・楽律・象数・人事・官政・権智・芸文・書画・伎芸・器用・神奇・異事・謬誤付譎詐・譏謔・雑志・薬議の一七部門に分けて記述している。化石による古代の気候変化や海陸の変動、凹凸鏡面の光学的性質の解明など、科学史上注目すべき事項もある。<活>『学津討原』一三、『津逮秘書』一五。

夢渓筆談雑誌 むけいひつだんざっし  未詳。

夢中問答 むちゅうもんどう 夢中問答集 むちゅうもんどうしゅう

夢中問答集 むちゅうもんどうしゅう  三巻三冊。<著>夢窓疎石(一二七五―一三五一年)鎌倉後期・南北朝時代の臨済宗の僧。夢窓は道号。<版>康永三(一二四四)年。<内>足利尊氏の弟である直義(出家して恵源)の問いに、夢窓疎石が答えた法語を編んだもの。俗信から仏教の正信正智、禅の諸問題など九三項の問答から成っている。

宗長紀行 むねながきこう  未詳。

無名書 むめいしょ  一冊。<著>川口長孺評。

無量寿経 むりょうじゅきょう 仏説無量寿経 ぶっせつむりょうじゅきょう

名医類案 めいいるいあん 本邦名医類案 ほんぽうめいいるいあん

名家略伝 めいかりゃくでん  四巻四冊。<著>山崎美茂(一七九六―一八五六年)江戸後期の雑学者。字は久卿、号は北峰・好問堂・三養居。<別>『古今名家略伝』。<成>天保一二(一八四一)年自序。<版>同一三年。<内>近世雅俗の人物六九人の略伝。別に未刊の稿本三巻があり、七三人の略伝を収めている。刊本とは九名のみの重複で、文芸方面の人物を多く収めている(『異本名家略伝』)。<活>『日本芸林叢書』八。

罵意経 めいきょう  一巻。<訳>安世高(未詳)後漢の訳僧。<別>『仏説罵意経』。<内>一切善悪の法を説明し、道人の戒めとしたもの。<活>『大正新脩大蔵経』一七(七三二)

明教新誌 めいきょうしんし  隔日刊。東京、明教社。<内>明教社の社主大内青巒が主宰した雑誌。『官准教会新聞』(明治七〔一八七四〕年二月一日創刊。大教院新聞課、西浜正煕編集発行)を改題・追号したもの。大教院廃止とともに第一四八号(明治八年八月七日)から『明教新誌』と改題し、第四六〇三号(明治三四〔一九〇一〕年二月二八日)で終刊となり、『日出国新聞』に合併された。仏教を中心に宗教界全般にわたる情報の収集、広報活動をおこなうとともに、仏教にかかわる時事問題の評論、教理・教学の近代的把握などの啓蒙的役割をはたし、明治仏教を考えるうえでの重要な資料である。

明月記 めいげつき  <著>藤原定家(一一六二―一二四一年)鎌倉前・中期の公卿・歌人。<内>日記。ごく一部の仮名表記以外は漢文体で記され、中世初頭の世相と宮廷社会の実情を知る上での第一級の史料といわれる。<複>『冷泉家時雨亭叢書』五八。<活>『明月記』(図書刊行会、明治四四年、昭和四八年複刻)

明治震災輯録 めいじしんさいしゅうろく  一冊。<著>編・木沢成粛(未詳)/山羽義彦(未詳)。名古屋、金池堂、明治二四(一八九一)年、一七四頁。

名臣言行録 めいしんげんこうろく  前集一〇巻・後集一四巻・続集四巻・別集二六巻・外集一七巻。<著>朱熹(一一三〇―一二〇〇年)南宋の思想家。朱子学を大成。字は元晦・仲晦、号は晦菴・晦翁/李幼武(未詳)宋の人。字は士英。<別>『宋名臣言行録』。<内>宋の名臣の言行を記したもの。前集・後集を朱熹、続集・別集・外集を李幼武が著した。

鳴道集説 めいどうしゅうせつ  一巻。<著>李屏山(未詳)金代の人。名は純甫、字は之純、屏山は号。<内>宋の周濂渓・程明道・程伊川・張横渠・朱熹・呂東莱など諸儒の説をあげて、毎条下に自己の意見を述べ、末に自作の文などを付記している。仏家の立場から儒老を論じたもの。

名物六帖 めいぶつりくじょう 名物六帖 めいぶつろくじょう

名物六帖 めいぶつろくじょう  三〇冊・補遺一冊。<著>伊藤東涯(一六七〇―一七三六年)江戸中期の儒学者。名は長胤、字は源(元)蔵、別号は慥慥斎。<成>正徳四(一七一四)年自序。<内>白居易の「白孔六帖」に擬して作られた分類語彙辞書。全六帖を十三箋に分類して、箋をさらに門に分け、関係語彙を集めている。漢字の語彙をあげ、その横に片仮名で和訳を記し、下に漢籍の出典を示している。<複>『唐話辞書類集』一二、『名物六帖』(朋名書店、昭和五四年)

明六雑誌 めいろくざっし  明治初期の啓蒙的な総合雑誌。創刊第一号(明治七〔一八七四〕年二月)―終刊第四三号(明治八〔一八七五〕年一一月)。森有礼が首唱して、旧幕臣系の洋学者、福沢諭吉・西村茂樹・西周・津田真道・中村敬宇・加藤弘之らの賛成を得て結成された明六社の機関誌。政治・経済・外交・社会・宗教・歴史・教育・自然科学など、近代思想の啓蒙に大きな役割を果した。<複>『明六雑誌』(全三巻、立体社、昭和五一年)。<活>『岩波文庫』。

明和神異記 めいわしんいき  一冊。<著>未詳。<別>『おかげまいり明和神異記』、『御蔭参明和神異記』。<成><版>明和八(一七七一)年。<内>神異・霊験について記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

明和続後神異記 めいわぞくごしんいき  一冊。<著>藤原重全(一七四五―一八二三年)江戸中・後期の神職・書肆。重全は名。<別>『続後神異記』、『伊勢明和続後神異記』。<成><版>明和九(一七七二)年。<内>明和八年における伊勢神宮の神異・霊応について記したもの。<活>『大神宮叢書』「神宮参拝記大成」。

盲鉄炮 めくらでっぽう  二冊。<著>未詳。<内>怪異。<蔵>哲学堂文庫(写本)

蒙求 もうぎゅう  三巻。<著>李瀚(未詳)唐代の人。<成>未詳。<内>太古から南北朝期までの古人の有名な言行・事跡を、記憶しやすいように、四字句の韻文で類似の事柄を一対として示している。五九六句から成り、児童に歴史の故事を記憶させる目的で作られたもの。<活>『新釈漢文大系』五八―五九。

孟子 もうし  七編。<著>孟軻(前三七二?―前二八九?)中国戦国時代の思想家。名は軻、字は子輿・子車または子居。<成>前二八〇年ころ。<内>梁恵王・公孫丑・滕文公・離婁・万章・告子・尽心の七編から成り、性善説にもとづく仁義をとなえ、王道を実現するにあっては楊朱・墨翟の説を排撃している。<活>『新釈漢文大系』四、『全釈漢文大系』二。

毛詩伝義 もうしでんぎ  未詳。

孟津抄 もうしんしょう  五四巻。<著>九条稙通(一五〇七―九四年)戦国・織豊時代の公卿・学者。<別>『九禅抄』、『源氏物語孟津抄』。<成>天正三(一五七五)年。<内>『源氏物語』の注釈書。<活>『源氏物語古注集成』。

物覚秘伝 ものおぼえのひでん  二編二冊。<著>青木(未詳)/校・藤逸章(未詳)。<版>前編は明和八(一七七一)年・後編は同九年。<内>物忘れしないために、身体の一部と結びつけて覚えるなどの方法を述べたもの。<活>『雑芸叢書』二。

守武千句 もりたけせんく  一冊。<著>荒木田守武(一四七三―一五四九年)戦国時代の連歌・俳諧作者。<別>『独吟千句』、『飛梅千句』、『誹諧之連歌独吟千句』。<成>天文九(一五四〇)年。<版>慶安五(一六五二)年。<内>俳諧句集。この句集によって俳諧の形式(俳諧式目)が確立し、俳諧と連歌と同価値のものと認めて、俳諧発達の素地をなしたといわれる。<活>『荒木田守武集』、『続群書類従』七輯下、『日本俳書大系』貞門俳諧集、『俳諧文庫』芭蕉以前俳諧集、『俳書叢刊』三期。

唐土訓蒙図彙 もろこしきんもうずい 唐土訓蒙図彙 とうどきんもうずい

文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経 もんじゅしりぼさつぎゅうしょせんしょせつきっきょうじにちぜんあくすくようきょう  二巻。<著>未詳。<訳>不空(アモーガヴァジュラ、七〇五―七七四年)唐代の密教訳経僧。<別>『文殊諸仏説吉凶時日経』、『宿曜経』。<成>唐の乾元二(七五九)年。<内>七曜・十二宮・二十七(二十八)宿の関係や、誕生日によって生涯の運命や吉凶を占察する方法を説いたもの。<活>『大正新脩大蔵経』二一(一二九九)

文選 もんぜん  三〇巻。<著>昭明太子(五〇一―五三一年)梁の武帝の長子。名は蕭統、昭明は諡。<成>五三〇年ころ。<内>周代より梁代(前五世紀―後六世紀)までの約一〇〇〇年間の詩・賦・文章八〇〇余編を集めた一大詞華集。文体別、時代順に類集しているが、詩が四四三首、賦が五六編を占めている。<複>『和刻本 文選』(汲古書院、昭和五〇年)。<活>『新釈漢文大系』一四―一五、七九―八〇、八二、『全釈漢文大系』二六―三二。

文徳実録 もんとくじつろく 日本文徳天皇実録 にほんもんとくてんのうじつろく

野翁徒然日記 やおうつれづれにっき  一〇巻五冊。<著>未詳。<内>不知火・陰火・殺生石・妖怪・狐・奇瑞・山童・狸・怪異・天狗などのほか、富士山・塙検校和学所・山東京伝・無理心中などの話を含む一一二項から成る雑記。<蔵>哲学堂文庫(写本)

夜光珠 やこうのたま  三巻四冊。<著>原省庵(未詳)江戸中期の医者。別号は若一子。<別>『俗説正誤<夜光璧』、『摂生俚言解寿域小酉陽 夜光璧』。<成><版>享保一三(一七二八)年。<内>食物の毒性と公衆衛生・養生を説いたもの。上巻「酒後に茶を飲む説」など三二条、中巻「蒸菓子に柏葉を敷く説」など三二条、下巻「産後三日めに鯛を用いる説」など三三条から成る。<活>『日本衛生文庫』六(復刻版三)

安岡の抄 やすおかのしょう  未詳。

夜窓鬼談 やそうきだん  <著>編・石川鴻斎(一八三三―一九一八年)明治時代の詩文家。字は君華、号は芝山外史など。吾妻健三郎刊、明治二二(一八八九)年・二七(一八九四)年、和二冊。<内>「哭鬼」「笑鬼」「貧乏神」「風伯」「鬼児」「羅漢」「河童」「鬼神論」など、奇談を四五項にわたり記したもの。絵入り。

八十能隈手 やそのくまで  四巻四冊。<著>矢野玄道(一八二三―八七年)幕末・明治前期の国学者。号は子清・天放。<成>明治五(一八七二)年成稿。<内>平田篤胤の『伊吹於呂志』と同じく、日本建国創業、国体の尊厳、そして歌道を説いている。門人の校合筆記により成ったもの。<活>『新註皇学叢書』一〇。

夜談随筆 やだんずいひつ  六巻五冊。<著>林義端(?―一七一一年)江戸前・中期の書肆・浮世草子作者。義端は名、字は九成、号は文会堂。<成>元禄九(一六九六)年。<内>『玉箒子』の改題本。古今の見聞・奇談を集録したもの。

夜譚随録 やたんずいろく  四巻。<著>和邦額(閑斎)清の人。<内>随筆。<活>『筆記小説大観』一。

破柳骨 やぶれこり  六巻六冊。<著>編・游竜館玩玉(未詳)。<内>巻一、怪異・殺生石・神代文字など三〇項、巻二、化猫・鼠小僧など九項、巻三、友禅・春画など五六項、巻四、朝鮮・八百屋お七など四項、巻五―巻六、「逸人集」で物徂徠など五九項の全一五八項から成る雑話集。<蔵>哲学堂文庫(写本)

野峯名徳伝 やほうめいとくでん  二巻二冊。<著>寂本(未詳)。<成>貞享四(一六八七)年自序。<内>高野山の高僧六八人とほか六人を加えた七四名の伝記。<活>『大日本仏教全書』六八(鈴木財団)

山形新聞 やまがたしんぶん  日刊。山形、山形自由新聞社。明治三六(一九〇三)年七月一五日、『山形自由新聞』(明治二四〔一八九一〕年七月一日、『山形大同新聞』を改題・追号)を改題・追号した。明治一一(一八七八)年一一月五日創刊の『山形新聞』から種々変遷して復題し現在にいたる。<内>時事。おもな関係者―服部敬吉・服部敬雄。

山形日報 やまがたにっぽう  日刊。山形、山形日報社。明治二三(一八九〇)年六月創刊。大正九(一九二〇)年九月、『日刊山形』と改題した。<内>時事。

大和怪異記 やまとかいいき  七巻七冊。<著>未詳。<別>『出所付 大和怪異記』、『古今怪異記』。<成><版>宝永六(一七〇九)年。<内>巻一「日本武尊山神を殺し給ふ事」から巻七「怨霊蛙となりてあだをかへす事」まで一〇六カ条、日本古来の怪異談を集録したもので、その材料の出典を明示している。<蔵>哲学堂文庫。

大和事始 やまとことはじめ  六巻・付録一巻三冊。<著>貝原好古(一六六四―一七〇〇年)江戸前期の儒学者。字は敏夫、号は耻軒、好古は名、「よしひさ」とも読む。<別>『和事始』。<成>天和三(一六八三)年序。<版>元禄一〇(一六九七)年。<内>辞書。<活>『益軒全集』一、『続国民文庫』。

大和三教論 やまとさんきょうろん  前編四巻・後編三巻七冊。 著 武田琴亭(未詳)江戸中期の儒学者。名は大、字は有文・仲天。<成>前編は天明六(一七八六)年・後編は宝暦一二(一七六二)年序。<版>寛政二(一七九〇)年。<内>『旧事大成経』の思想を継承し、神儒仏の三教を折衷して三教一致論を説いたもの。<蔵>哲学堂文庫(前編四巻四冊)

やまと新聞 やまとしんぶん  日刊。東京、やまと新聞社。明治一九〔一八八六〕年一〇月七日創刊。明治三三〔一九〇〇〕年から明治三七(一九〇四)年一二月九日まで『日出国新聞』と表記している。昭和六(一九三一)年一月夕刊紙となり、昭和一九年四月三〇日まで刊行されている。<内>時事。

大和新聞 やまとしんぶん  日刊、奈良、大和新聞社。明治二一(一八八八)年四月一日、『養徳新聞』として創刊し、明治二四年三月に『大和新聞』と改題した。奈良県政に関するニュースを報道する広報紙。大正一四(一九二五)年に廃刊となった。

大倭国万物記原 やまとのくにばんぶつきげん  未詳。

大和本草 やまとほんぞう  一六巻・付録二巻・諸品図三巻一〇冊。<著>貝原益軒(一六三〇―一七一四年)江戸前期の儒学者・本草家・教育思想家。名は篤信、字は子誠、別号は損軒。<別>『大和本草綱目』、『大倭本草』。<成><版>宝永六(一七〇九)年。<内>本草。<活>『益軒全集』六、『大和本草』(昭和七年)

大和名所記 やまとめいしょき  二〇巻一五冊。<著>林宗甫(一六二三―九四?年)江戸前期の俳人。<別>『和州旧蹟幽考』。<成>延宝九(一六八一)年自序。<版>天和二(一六八二)年。<内>地誌。大和各郡別に名所旧跡の現状と由緒沿革を説き、古歌を引いて、参考文献の典拠を明記している。大和全域にわたる画期的な文芸的地誌といわれ、のちの名所図会などの母体となった。<活>『続々群書類従』八。

山梨日日新聞 やまなしにちにちしんぶん  日刊。甲府、又新社。明治一四(一八八一)年一月四日、『甲府日日新聞』(明治九〔一八七六〕年一月一三日、『甲府新聞』を改題・追号)を改題・追号して現在にいたる。起源は明治五(一八七二)年七月、甲府の書店温古堂の内藤伝右衛門が創刊した『峡中新聞』。<内>時事。

山伏便蒙 やまぶしべんもう 修験道山伏便蒙 しゅげんどうやまぶしべんもう

闇の曙 やみのあけぼの  二巻二冊。<著>新井白蛾(一七一五―九二年)江戸中期の儒学者・易断家。名は祐登、字は謙吉、別号は古易館。<成><版>寛政元(一七八九)年序。<内>随筆。世人を惑わすものとして家相・人相・墨色・字画の占い・金神・神仏の祟・剣相・日取星転・つき物・呪禁・不成就日・辻占・死霊生霊などをあげ、そのいわれのないことを実例で示し、世の奇談・怪説を排斥したもの。新井白石の『鬼神論』を、迷信を説く書としてあげている。<活>『日本随筆大成』新版二期二二(旧版二期一一)、『白蛾全書』二。

唯一神道名法要集 ゆいいつしんとうみょうほうようしゅう  一冊。<著>吉田兼倶(一四三五―一五一一年)戦国時代の神道家。本姓は卜部。<別>『神道名法要集』、『名法要集』。<成>室町末期。<版>明暦元(一六五五)年。<内>吉田神道の根本経典の一つで、唯一神道の名法を問答体で要約したもの。<複>『国民精神文化文献』三。<活>『続群書類従』三輯下、『日本思想大系』一九「中世神道論」、『日本哲学全書』四、『吉田叢書』二。

唯識大意 ゆいしきたいい 二巻鈔 にかんしょう

唯識論 ゆいしきろん  一巻。<著>世親(ヴァスバンドゥ、三二〇?―四〇〇?年)インドの仏教思想家。<訳>般若流支(プラジュニャールチ、未詳)北魏代の訳経僧。<別>『大乗唯識論』、『唯識無境論』、『唯識無境界論』。<成>五世紀ころ。<内>三界唯識心外無境(心の表象のほかにいかなる対象も存在しないということ)を説いたもの。<活>『大正新脩大蔵経』三一(一五八八)

維摩詰所説経 ゆいまきつしょせつきょう  三巻。<訳>鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、三四四―四一三年)東晋代の僧・大訳経家。<別>『維摩詰経』、『不可思議解脱経』、『維摩経』。<成>紀元前後―三〇〇年ころ。<内>般若皆空の思想により、大乗菩薩の実践道を賞揚し、他方、浄土教の趣意による在家信者の宗教的徳目を明らかにしている。<活>『大正新脩大蔵経』一四(四七五)。<訳>『国訳一切経』経集部六。

維摩経 ゆいまきょう 維摩詰所説経 ゆいまきつしょせつきょう

幽怪録 ゆうかいろく  未詳。

輶軒小録 ゆうけんしょうろく  一冊。<著>伊藤東涯(一六七〇―一七三六年)江戸中期の儒学者。名は長胤、字は源(元)蔵、別号は慥慥斎。<成>未詳。<内>随筆。幼いころ聞いた奇異・珍怪な話を書き留め、それに自ら見聞した事柄を書き集めて記したもので、古碑・古文書・草木・禽獣・化石・石炭・石油・鉱山・不知火など多方面におよんでいる。<活>『随筆文学選集』七、『日本随筆全集』一六、『日本随筆大成』新版二期二四(旧版二期一二)、『百家説林』正編上、『三十輻』三。

勇士物語 ゆうしものがたり  五巻五冊。<著>未詳。<別>『一言集』、『勇士一言集』、『近世 勇士物語』。<成><版>元禄一六(一七〇三)年。<内>雑史。<蔵>国立国会図書館。

遊仙窟 ゆうせんくつ  一巻。<著>張鷟(六六〇―七三二年)唐の小説家。字は文成、号は浮休子。<成>未詳。<内>伝奇小説。作者が河源に使して神仙の窟に迷い込み、五嫂・十娘という仙女に会って宴楽歓語し、詩句をもって相対応し、ついに十娘と結ばれるという話。妓楼妓館の遊楽を美化したものという。中国では滅びて日本にのみ伝わり、珍重された。<訳>『岩波文庫』、『中国古典文学全集』「六朝唐宋小説集」(のち『中国古典文学大系』二四)、『東洋文庫』(「幽明録・遊仙窟他」)、『遊仙窟全講』(昭和四二年)

幽討余録 ゆうとうよろく  二巻二冊。<著>曾我景章(未詳)。<成>嘉永五(一八五二)年自序。<版>慶応元(一八六五)年。<活>『史籍集覧』「史料叢書」(抄)

有斐斎劄記 ゆうひさいさつき  四巻一冊。<著>皆川淇園(一七三四―一八〇七年)江戸後期の儒学者。名は愿、字は伯恭、別号は有斐斎・呑海子。<内>歴史的なこと、文学的なこと、医学・薬品のことなど、見聞したことを記したもの。<蔵>内閣文庫(写本)

幽明録 ゆうめいろく  <著>劉義慶(四〇三―四四四年)六朝時代・宋の文学者。<内>怪異。原本は散逸し、魯迅の『古小説鉤沈』に二六〇余則が収録されている。<活>『古小説鉤沈』、『説郛』一一七、『重較説郛』、『琳琅秘室叢書』三集、『類説』。

酉陽雑俎 ゆうようざっそ  前集二〇巻・続集一〇巻。 著 段成式(?―八六三年)晩唐の学者・文学者。字は柯古。<内>前集九一〇条、続集三七八条から成る。唐代の変異や唐人の逸話を中心に、古来からの故事・伝奇・風俗・動植物・鉱物など多種の事項を記したもの。<活>『学津討原』一六、『四部叢刊』四六九―四七二、『津逮秘書』九、『竜威秘書』二五、『和刻本漢籍随筆集』六。<訳>『東洋文庫』(五冊)

瑜伽師地論 ゆがしじろん  一〇〇巻。<著>漢訳系では弥勒(マイトレーヤ、未詳)、チベット伝は無著(アサンガ、未詳)。<訳>玄奘(六〇二―六六四年)唐代の大翻訳家。<成>三〇〇―三五〇年ころ。<内>瑜伽行派の根本論書の一つ。瑜伽行者の境・行・果を明らかにし、唯識中道の理に悟入すべきことを示したもの。また、三―四世紀ころのインドの小乗・大乗仏教などの研究をも網羅している。<活>『大正新脩大蔵経』三〇(一五七九)。<訳>『国訳一切経』瑜伽部一―六、『国訳大蔵経』論部六―九。

瑜伽論 ゆがろん 瑜伽師地論 ゆがしじろん

愈愚随筆 ゆぐずいひつ  一二巻一二冊。<著>伊藤玄節(?―一六八二年)江戸前期の儒学者。名は先勝、別号は有隣斎。<成>寛文一二(一六七二)年自序。<版>延宝元(一六七三)年。<内>天文・地理・人倫などに分類し、さらに細分して古書を抄録したもの。<蔵>哲学堂文庫。

夢合長寿宝 ゆめあわせちょうじゅだから  一冊。<著>金水山人(未詳)。<別>『夢の説』。<成>嘉永四(一八五一)年序。<内>夢をとき、吉凶を占う。「天地の部」「人倫の部」「神釈の部」「器財の部」「生植の部」「気形の部」に夢の種類を分けて説いている。<蔵>哲学堂文庫。

夢書 ゆめしょ  未詳。

夢の代 ゆめのしろ  一二冊。<著>山片蟠桃(一七四八―一八二一年)江戸後期の学者。名は有躬・芳秀、字は子蘭。<成>享和二(一八〇二)年自序。<内>天文・地理・歴史・制度・経済・経論・雑書・異端・無魂・雑論等に分類して、中井竹山・中井履軒から聞いたものを、子孫の教戒のために書き残すとしている。地動説の採用・迷信の排撃・鬼神(霊魂)の否定・神代史の否定など、科学的・合理的な思考を展開している。<活>『日本経済叢書』二五、『日本経済大典』三七。

夢はんじ ゆめはんじ  一冊。<著>未詳。<成><版>未詳。<内>占卜。さまざまな夢の内容について吉凶を判じたもの。「天はれると見れば官位に上るなり」「地うごくとみれば吉事なり」「髪のけ白きも黒きも長命なり」「足にはく物を失うとみれば心に迷いあり」「車をみれば大吉なり」「鯉みれば妻のはらむ事あり」「仏を拝するとみれば吉なり」「山野に遊ぶとみれば大吉なり」<蔵>哲学堂文庫。

桜陰腐談 よういんふだん 桜陰腐談 おういんふだん

妖怪学講義緒言 ようかいがくこうぎしょげん  一冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育者。号は甫水。不思議庵主人と称す。東京、哲学館、明治二六(一八九三)年八月二四日、四三頁。<内>妖怪学の目的について述べたもの。なお、『妖怪学講義』の「再版につきて一言を題す」の一部と「緒言」がその全文にあたる。

妖怪新百話 ようかいしんひゃくわ  未詳。

妖怪叢書 ようかいそうしょ  四編四冊。<著>井上円了(一八五八―一九一九年)明治・大正期の哲学者・教育者。号は甫水。不思議庵主人と称す。<内>叢書名。第一編『哲学うらなひ』(明治三四〔一九〇一〕年一二月二九日)、第二編『改良新案の夢』(明治三七年一月一九日)、第三編『天狗論』(明治三六年一二月二九日)、第四編『迷信解』(明治三七年九月一〇日)。大正五(一九一六)年一月、丙午出版社から全四編を合本し『妖怪叢書』と題して再刊された。また昭和五八(一九八三)年一〇月三〇日、国書刊行会発行の『新編妖怪叢書』に第一・三・四編が復刻された。

妖怪通信 ようかいつうしん  未詳。

妖怪門勝光伝 ようかいもんしょうこうでん  一冊。<著>並木定恒(未詳)。<成>文化一四(一八一七)年。<内>天狗・狐・猫などの変化、疫病神・怪火・雷・地震・牛・馬、さらに人魂など、さまざまな怪異について記したもの。<活>『医聖堂叢書』。

謡言 ようげん  未詳。

楊子太玄経 ようしたいげんきょう 太玄経 たいげんきょう

揚子法言 ようしほうげん 法言 ほうげん

養生訓 ようじょうくん  八巻・付録一巻四冊。 著 貝原益軒(一六三〇―一七一四年)江戸前期の儒学者・本草家・教育思想家。名は篤信、字は子誠、別号は損軒。<別>『貝原養生訓』。 <版>正徳三(一七一三)年。<内>総論・飲食・五官・二便・浩浴・慎病・用薬・養老の八門に分けて、養生に関して述べた通俗書。<活>『岩波文庫』、『益軒全集』三、『日本教育文庫』衛生及遊戯編、『日本哲学思想全集』一六、『有朋堂文庫』「益軒十訓」下・益軒先生養生訓、『益軒文庫』第二編、隆文館、明治四三(一九一〇)年、二九三頁。

養生主論 ようじょうしゅろん  二巻二冊。<著>松本遊斎(未詳)。<版>天保三(一八三二)年。<内>保養編と食性編に分けて養生の道を述べたもの。<蔵>哲学堂文庫。

養生嚢 ようじょうぶくろ  二巻二冊。<著>小川顕道(一七三七―一八一六年)江戸中・後期の医者。<成><版>安永二(一七七三)年序。<内>俗間の用薬・療病のことを論述し、あわせて医の良否・巧拙などを評論している。<活>『日本衛生文庫』一。<蔵>哲学堂文庫(安永二年、付「小児養生伝」)

養生弁 ようじょうべん  前編三巻・後編三巻六冊。<著>水野沢斎(未詳)。<成><版>前編天保一三(一八四二)年、後編嘉永四(一八五一)年序。<内>医学。養生法について記したもの。<活>『日本衛生文庫』三―四(復刻版二)

養生物語 ようじょうものがたり 雖知苦庵養生物語 すいちくあんようじょうものがたり

擁書漫筆 ようしょまんぴつ  四巻五冊。<著>小山田与清(一七八三―一八四七年)江戸後期の国学者。字は文儒、号は知非斎・松屋/画・高島千春、源成祺。<成>文化一三(一八一六)年序。<版>同一四年。<内>師友の著作、知友の詩歌・略伝、古書・俗習・俗語など、雑多な考証九二項を集めた随筆。<活>『日本随筆全集』四、『日本随筆大成』新版一期一二(旧版一期六)

湧幢小品 ようどうしょうひん  三二巻。<著>朱国楨(?―一六三二年)明末期の宰相。字は文寧、諡は文粛。<内>見聞を雑記・考証した随筆集。

妖婦録 ようふろく  未詳。

ヨーロッパ正理教史 よおろっぱせいりきょうし  未詳。

吉野拾遺 よしのしゅうい  二巻または三巻。<著>未詳。<別>『芳野拾遺物語』。<成>室町時代。<版>貞享三(一六八六)年。<内>南朝の逸事・雑話、発心遁世・恋愛・怪異・復讐などの物語。<活>『群書類従』雑、『校註国文叢書』一八、『校註日本文学大系』一八、『国史叢書』、『国文大観』四、『新釈日本文学叢書』二輯六、『百万塔』。

吉水実録 よしみずじつろく  一四巻・目録一巻一五冊。<著>珂然(一六六九―一七四五年)江戸中期の浄土宗の僧。字は寒叟、号は真阿。<成><版>元禄一〇(一六九七)年。<内>源空およびその門下の伝記を『史記』の体裁にならって記したもの。巻一―巻三が源空の伝記となっている。<蔵>日比谷図書館加賀文庫。

余冬序録 よとうじょろく  未詳。

読売新聞 よみうりしんぶん  隔日刊(のち日刊)。東京、日就社(のち読売新聞社)。明治七(一八七四)年一一月二日創刊。明治八(一八七五)年一二月三〇日まで『官許読売新聞』。昭和一七(一九四二)年八月五日、『報知新聞』を吸収合併して『読売報知』と改題し、昭和二一(一九四六)年五月一日、『読売新聞』に復題した。<内>時事。おもな関係者―子安峻・本野盛亨・柴田昌吉。

万朝報 よろずちょうほう  日刊。東京、朝報社(のち万朝報社)。明治二五(一八九二)年一一月一日創刊。明治二六年六月六日、『絵入自由新聞』を合併した。昭和一五(一九四〇)年一〇月一日、『東京毎夕新聞』に合併された。<内>時事。おもな関係者―黒岩涙香。

礼記 らいき  四九編。<著>未詳。<別>『小戴礼記』、『小戴記』。<内>五経の一。中国戦国末期から前漢中期(前一世紀初め)までの、礼に関する諸説を集めたもの。<活>『新釈漢文大系』二七―二九、『全釈漢文大系』一二―一四。

雷震記 らいしんき 震雷記 しんらいき

洛書 らくしょ 河図洛書 かとらくしょ

羅山文集 らざんぶんしゅう  七五巻。<著>林羅山(一五八三―一六五七年)江戸前期の儒学者。名は信勝、字は子信、剃髪して道春。<内>賦・随筆など千七百数十編を収め、詩集を合して六〇冊として刊行した。

藍田詩文集 らんでんしぶんしゅう  一巻。<著>谷口藍田(一八二二―一九〇二年)江戸後期・明治期の儒学者。名は中秋、字は大明、別号は介石。韓中秋と称す。<内>詩文集。

藍田文集 らんでんぶんしゅう 藍田詩文集 らんでんしぶんしゅう

利運談 りうんだん  四巻四冊。<著>八隅景山(未詳)江戸後期の医者。名は中立、別号は立翁・蘆庵。<成><版>文化一三(一八一六)年。<内>さまざまな好運について記したもの。巻一は利運の大意・利運の基・鯉・良薬など二八項、巻二は「王臣之利運」「武将之利運」で一七項、巻三は「僧徒之利運」「霊仏之利運」で一二項、巻四は「芸能技術之利運」「堪忍之利運」「愛敬之利運」「移香之利運」で一六項の全七三項から成る。<蔵>哲学堂文庫。

履園叢語 りえんそうご  未詳。

理学類編 りがくるいへん  八巻。<著>張九韶(未詳)。<内>天地・天文・地理・鬼神・人物・性命・異端の七類に分けて、周敦頤・程顥・程頤・張載・邵雍・朱熹の六家の言を主とし、荀子以下五三家の言をもって補い、最後に自己の言を付して説を立てている。

六橋紀聞 りくきょうきぶん  一〇巻。<著>広瀬淡窓(一七八二―一八五六年)江戸後期の儒学者。字は子基、別号は遠思楼主人・青渓・苓陽/編・広瀬林外。<内>広瀬淡窓の経史詩文などについての談話を林外が筆録したもので、巻一―巻二が『灯下紀聞』、巻四以下が『六橋紀聞』となっている。<活>『淡窓全集』上。

陸宣公奏議 りくせんこうそうぎ  二二巻または一二巻。<著>陸贄(七五四―八〇五年)唐中期の官僚。字は敬輿。<内>二二巻本は奏草・奏議・制誥を合収し、一二巻本は奏草と奏議を収めている。政治に関する書の必読書といわれる。

六韜 りくとう  六巻。<著>呂望(未詳)。<内>兵法書。文韜・武韜・竜韜・虎韜・豹韜・犬韜の六編から成る。後世の偽作とされる。

俚言集覧 りげんしゅうらん  二六冊。<著>太田全斎(一七五九―一八二九年)江戸後期の儒学者。名は方、字は叔亀、全斎は号。<内>俗語・俗諺を集めた辞書。全体をアイウエオの五部に分け、五十音図の横の各段ごとに順次排列した特殊なもの。石川雅望の『雅言集覧』に対して作ったもので、江戸時代の口語研究に重要とされている。<活>『増補 俚言集覧』(明治三二―三三年)

理斎随筆 りさいずいひつ  六巻。<著>志賀理斎(一七六二―一八四〇年)江戸後期の儒学者・狂歌作者。名は忍、別号は天鶏山人・我楽多老人など。<別>『筆のまにまに』、『筆随意』。<成>文政六(一八二三)年序。<版>天保四(一八三三)年。<内>歴史上の人物の逸事、文学・風俗・医療など見聞したものを通俗的に書いたもの。<活>『随筆大観』二、『昭和版 帝国文庫』「名家漫筆集」、『続帝国文庫』「名家漫筆集」、『日本随筆全集』一二、『日本随筆大成』新版三期一(旧版三期一)

理趣経 りしゅきょう 大楽金剛不空真実三麼耶経 だいらくこんごうふくうしんじつさんまやきょう

梨窓随筆 りそうずいひつ  二巻二冊。<著>恵空(一六四三―九一年)江戸前期の天台宗の僧。<版>天保一二(一八四一)年。<内>随筆。巻一は地獄目前にあり・瑞夢など一〇項、巻二は鬼門・蛇を夢む・琵琶法師など二〇項の全三〇項から成る。絵入り。<蔵>哲学堂文庫。

六経 りっけい  <内>詩・書・礼・楽・易・春秋の六つの経書。

津書 りつしょ  <内>『史記』八書の一。史記。

律相感通伝 りっそうかんつうでん  一巻。<著>道宣(五九六―六六七年)唐初の僧。南山大師。 別 『感通伝』、『律感通伝』、『律宗感通伝』。<成>唐の乾封二(六六七)年。<内>律に関することなどを天人との問答体で記したもの。ただし、律より寺誌に関する記述が多い。<活>『大正新脩大蔵経』四五(一八九八)

律歴志 りつれきし  <内>史志の一。一朝の楽律および暦法の因革を記したもの。『史記』の「律書」と「歴書」を『漢書』で合して『律歴志』としたのにはじまる。 漢書。

竜威秘書 りゅういひしょ  一〇集。<著>編・馬俊良(未詳)。<内>叢書の名。一七七種を収めている。

琉球記 りゅうきゅうき 琉球状 りゅうきゅうじょう

琉球状 りゅうきゅうじょう  一冊。<著>屋代弘賢(一七五八―一八四一年)江戸後期の国学者。名は詮賢・弘賢、号は輪池。<成>寛成九(一七九七)年。<版>天保三(一八三二)年。<内>地誌。<蔵>静嘉堂文庫。

琉球神道 りゅうきゅうしんとう 琉球神道記 りゅうきゅうしんとうき

琉球神道記 りゅうきゅうしんとうき  五巻。<著>良定(一五五二―一六三九年)安土桃山・江戸前期の浄土宗の僧。字は袋中、号は弁蓮社・入観。<成>慶長一三(一六〇八)年。<版>慶安元(一六四八)年。<内>巻四までは仏教に対する見方・考え方およびその学殖を述べ、巻五で琉球滞在中に見聞した琉球神道について述べている。<複>『琉球神道記』(昭和九年)。<活>『琉球神道記』(昭和一三年・昭和一八年)

琉球談 りゅうきゅうばなし  一冊。<著>森島中良(一七五六―一八〇八年)江戸中・後期の蘭学者・戯作者。字は虞臣、号は桂林、戯号狂号は森羅万象など、森島中良は本姓、のち中原中良とも称す。<成><版>寛政二(一七九〇)年跋。<内>琉球島の風俗・物産などを詳記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

劉向新序 りゅうきょうしんじょ 新序 しんじょ

竜宮船 りゅうぐうせん  四巻四冊。<著>張朱鱗(未詳)。<別>『近代奇事論竜宮船』。<成><版>宝暦四(一七五四)年。<内>滑稽本。<蔵>東北大学附属図書館狩野文庫。

隆興仏教編年通論 りゅうこうぶっきょうへんねんつうろん 隆興編年通論 りゅうこうへんねんつうろん

隆興編年通論 りゅうこうへんねんつうろん  二八巻あるいは二九巻。<著>祖琇(未詳)。<別>『編年通論』、『隆興釈(仏)教編年通論』。<成>宋の隆興二(一一六四)年。<内>後漢明帝の代に仏教が伝来してから、およそ九〇〇年間の中国における仏教上の事跡を編年的に記したもの。<活>『卍字続蔵経』二・乙・三・三―四。

聊斎志異 りょうさいしい  一六巻。<著>蒲松齢(一六四〇―一七一五年)清朝初期の文人。<版>乾隆三一(一七六六)年。<内>狐・幽霊・神仙・異人や動植物にまつわる話など、当時、民間に流伝していた怪異妖変に関する物語を集めたもの。長・短編あわせて四三一編から成っている。なお、一九六二年に中華書局から出版された「会校本」は全一二巻で、四九一編を収めている。<訳>『角川文庫』、『中国古典文学大系』。

柳斎筆記 りゅうさいひっき  二巻一冊。<著>和気行蔵(未詳)。<成><版>文化二(一八〇五)年。<内>随筆。<蔵>国立国会図書館。

竜舒浄土文 りゅうじょじょうどもん 竜舒増広浄土文 りゅうじょぞうこうじょうどもん

竜舒増広浄土文 りゅうじょぞうこうじょうどもん  一二巻。<著>王日休(未詳)。<別>『浄土文』、『竜舒浄土文』。<成>南宋の紹興三〇(一一六〇)年。<内>諸経論および諸人の伝記のうちから、浄土教に関する内容を抜粋したもの。<活>『大正新脩大蔵経』四七(一九七〇)

楞伽阿跋多羅宝経 りょうがあばたらほうきょう  四巻。<訳>求那跋陀羅(グナバドゥラ、三九四―四六八年)劉宋代の僧。<別>『楞伽経』、『楞伽阿跋経』。<成>四〇〇年ころ。<内>大乗経典。二無我(人無我・法無我)を説き、禅を愚夫所禅・観察義禅・攀縁如禅・如来禅の四種類に分割して説いている。<活>『大正新脩大蔵経』一六(六七〇)

楞伽経 りょうがきょう 楞伽阿跋多羅宝経 りょうがあばたらほうきょう

楞厳経 りょうごんきょう 大仏頂如来密因修証了義諸菩薩万行首楞厳経 だいぶつちょうにょらいみつちんしゅうしょうりょうぎしょぼさつまんぎょうしゅりょうごんきょう

梁書 りょうしょ  五六巻。姚思廉(五五七―六三七年)初唐の学者。本名は簡。<成>唐の貞観一〇(六三六)年。<内>正史の一。南朝梁の武帝の天監元(五〇二)年から敬帝の太平二(五五七)年までの、梁朝五六年間の記録で本紀六、列伝五〇から成り、志表はない。

梁書四祖紀 りょうしょしそき  未詳。

遼東新報 りょうとうしんぽう  日刊。満州、遼東新報社。明治三八(一九〇五)年一〇月二五日創刊。昭和二(一九二七)年一一月、『満州日日新聞』(明治四〇年一一月三日創刊)と合併して『満州日報』と改題し、昭和一〇(一九三五)年八月、『満州日日新聞』に復題した。<内>時事。満州最初の邦字紙。

令義解 りょうのぎげ  一〇巻。<著>清原夏野(七八二―八三七年)平安前期の官僚/その他著。<成>天長一〇(八三三)年。翌年施行。<内>養老令の公的注釈書。条文解釈の疑義に対し、淳和天皇の勅をうけた清原夏野ら一二人が編纂し、施行後、公権的規範力が付与された。<活>『増補改訂 国史大系』。

両部神道口決鈔 りょうぶしんとうくけつしょう  六巻六冊。<著>源慶安(一六四八―一七二九年)江戸中期の歌人。号は任佗。<別>『改正両部神道口決鈔』。<成>正徳六(一七一六)年自序。<版>享保四(一七一九)年。<内>江戸時代における両部神道書。空海が記したという『両部神道二図』を、神仏習合の立場から注釈したもの。<蔵>哲学堂文庫。

旅行用心集 りょこうようじんしゅう  一冊。<著>八隅景山(未詳)江戸後期の医者。名は中立、別号は立翁・蘆庵。<成><版>文化七(一八一〇)年。<内>旅の心得とその注意や不事にあったときの対応などを、絵入りで詳細に記したもの。<活>『生活の古典双書』三、『日本衛生文庫』五。

呂氏春秋 りょししゅんじゅう  二六巻。<著>呂不韋(?―前二三五年)秦の丞相。<別>『呂覧』。<内>呂不韋が多くの賓客に命じて、天地万物・古今のことを集録させたもの。先秦諸思想を網羅している。<訳>『国訳漢文大成』。

林子全書 りんしぜんしょ  未詳。

臨州県志 りんしゅうけんし  未詳。

麟書 りんしょ  <著>汪若海(未詳)宋の人。

霖宵茗談 りんしょうめいだん  二巻二冊。<著>竹田出雲(初代、?―一七四七年)江戸中期の浄瑠璃作家・大坂竹本座の座元。俳号は千前・奚疑。<内>「碼瑙石ノ釈迦」から「辺鄙ノ貞婦」まで、五四条の怪事・怪異を記したもの。<蔵>哲学堂文庫(写本)

類聚国史 るいじゅうこくし  二〇〇巻・目録二巻・帝王系図三巻。<著>菅原道真(八四五―九〇三年)平安前・中期の公卿。<版>文化一三(一八一六)年。<内>六国史(『日本書紀』、『続日本紀』、『日本後紀』、『続日本後紀』、『文徳実録』、『日本三代実録』)の編年の記事を事項によって分類し、検索しやすくしたもの。<複>『尊経閣叢刊』(巻一六五・一七一・一七七・一七九)。<活>『新訂増補 国史大系』。

類聚名物考 るいじゅめいぶつこう  三四二巻・標題一八巻目録一巻一五五冊。<著>山岡浚明(一七二六―八〇年)江戸中期の国学者。号は梅橋散人・盍簪楼主人、剃髪して明阿、狂名は大蔵千文。<成>安永九(一七八〇)年。<内>天文・神祇・身体・政事・故事など三五部に類別し、和漢の事物の名義を説明したもの。<活>『類聚名物考』(明治三六―三八年)

類書纂要 るいしょさんよう 古今類書纂要 ここんるいしょさんよう

蠡海集 れいかいしゅう  一巻。<著>王★(逵の略字)(未詳)明の人。<内>天文・地理・人身・庶物・暦数・気候・鬼神・事義の八類に分けてそれらを論じたもの。<蔵>哲学堂文庫(正保二〔一六四五〕年、京都)

麗気記 れいきき  一八巻。<著>未詳。<別>『天地麗気記』。<成>鎌倉時代後期。<版>寛文一二(一六七二)年。<内>古人に仮託して作られた両部神道書。伊勢内外宮の降臨より、鎮座およびその伝統について密教的説明を加えて、両部神道を組織的に述べたもの。<複>『麗気記』(昭和九年)。<活>『続群書類従』三上、『弘法大師全集』五。

麗気府録 れいきふろく  一冊。<著>未詳。<別>『天地麗気府録』。<内>神道。

霊憲 れいけん  一巻。<著>張衡(七八―一三九年)後漢代の学者・詩人。字は平子。<内>天文や地理に関する書。『後漢書』天文志、『芸文類聚』などに引用される。

霊験奇応記 れいげんきおうき  三巻三冊。<著>万歳楼袖彦(未詳)江戸後期の人。万歳楼袖彦は号、別号は茶呑斎/画・北川周月。<別>『奇応記』、『四国霊場奇応記』、『奇応丸』。<成><版>文政八(一八二五)年。<内>四国八十八カ所の札所にまつわる霊験談や奇話を聞きたずね、札所の順番に記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

霊魂問答 れいこんもんどう  一冊。<著>覚基(一一三三―一二一七年)鎌倉前期の真言宗の僧。字は円性。<成><版>天和三(一六八三)年。<内>霊魂・成仏・引導などについて問答体で記したもの。<蔵>哲学堂文庫。

霊獣奇譚 れいじゅうきたん  <著>磯部武者五郎(未詳)、学友館、明治二六(一八九三)年、六六頁。

霊獣雑記 れいじゅうざっき  三巻三冊。<著>蔦廼舎主人(未詳)。<内>和漢の諸書から狐に関する話を抜き出し、二八三項に分けて記したもの。<活>『医聖堂叢書』。 謄 『未刊稀覯書叢刊』一輯(壬生書院、昭和一四年)

霊枢 れいすう 黄帝内経霊枢 こうていないけいれいすう

霊枢陰陽繋 れいすういんようけい  未詳。

霊枢経 れいすうきょう 黄帝内経霊枢 こうていないけいれいすう

嶺南異物志 れいなんいぶつし  未詳。

嶺南渓洞 れいなんけいどう  未詳。

嶺南雑記 れいなんざっき  未詳。

嶺表録異 れいひょうろくい  三巻。<著>劉恂(未詳)。<別>『嶺表録』、『嶺表記』、『嶺表異録』、『嶺表録異記』、『嶺南録異』。<内>図によって粤東(広東省)の物産・風土を述べたもの。

玲瓏随筆 れいろうずいひつ  四巻四冊。<著>沢庵(一五七三―一六四五年)江戸前期の臨済宗の僧。法諱は宗彭、沢庵は道号。<別>『沢菴和尚玲瓏随筆』、『沢庵雑録』。 <版>安政六(一八五九)年。<内>仏教・儒教および老荘の言をとり、人の利害得失に切実な事柄について述べている。<活>『高僧名著全集』一、『校訂箋註禅門法語全集』七、『国文東方仏教叢書』一、『玲瓏随筆・不動智神妙録』上田屋書店、明治三三(一九〇〇)年、一三八・一八頁。

暦講釈 れきこうしゃく  一冊。<著>未詳。<別>『日用重宝 暦講釈』、『本朝年中行事』、『暦講釈年中行事』。<内>暦・年中行事。<蔵>哲学堂文庫。

暦日諺解 れきじつげんかい  一冊。<著>柳精子(未詳)。<別>『立表測景暦日諺解』、『立表測景 暦日諺解』。<成><版>寛政元(一七八九)年。<内>暦。<蔵>哲学堂文庫。

暦日講釈 れきじつこうしゃく  一冊。<著>劉卜子(未詳)。<別>『暦略註』。<版>文政一三(一八三〇)年。<内>占卜。<蔵>哲学堂文庫。

歴朝法華持験記 れきちょうほけじけんき  二巻。<著>周克復(未詳)清代の僧。<別>『法華経持験記』、『法華持験記』。<版>順治一六(一六五九)年。<内>およそ一三五〇年間における受持・解説・読誦・書写・供養などの霊験を記録したもの。僧俗まじえて二二四項から成っている。<活>『卍字続蔵経』二・乙・七・五。<蔵>哲学堂文庫(三巻三冊、和刻本、天和三〔一六八三〕年)

列子 れっし  八巻。<著>列禦寇(未詳)中国戦国時代の人。禦寇は名、列子と称される。<内>天瑞・黄帝・周穆王・仲尼・湯問・力命・楊朱・説符の八編八巻から成る。『老子』の思想を敷衍したもので、清虚無為といい、多く寓話をもってそれを表現している。<活>『新釈漢文大系』二二。

列仙伝 れつせんでん  二巻。<著>劉向(前七七〔七九〕―前六〔八〕)前漢末の思想家。字は子政。<成>未詳。<内>古来の仙人七〇人(または七三人)の伝記を集めたもの。<活>『漢魏叢書』、『全釈漢文大系』三三。<訳>『中国古典文学大系』八。

簾中抄 れんちゅうしょう  二巻二冊。<著>藤原資隆(未詳)。<別>『雲上聞録』。<成>嘉応元―承安元(一一六九―七一)年の間。<内>事典。宮廷中心の年中行事、天皇や官人などの人名・職名、有職故実・歴史・文芸などを記したもの。<複>『古辞書叢刊』。<活>『改定 史籍集覧』二三。

蓮如上人御文 れんにょしょうにんおふみ  五帖八〇通。<著>蓮如(一四一五―九九年)室町・戦国時代の浄土真宗の僧。本願寺八世。諱は兼寿、号は信証院。<別>『御文』、『御文章』。<版>天文六(一五三七)年。<内>真宗の要義をだれにでもわかるよう平易に明快に説いたもの。「五帖御文」あるいは「帖内御文」というのは、寛正二―明応七(一四六一―九八)年にかけて、蓮如が門徒に書き与えた書簡形式の法語二五二通(現存)のうち、文明三(一四七一)年から明応七年、すなわち蓮如五七歳から八四歳にかけての五八通と、年代不明の二二通の計八〇通を五帖に編集したものである。編者は九世実如(一四五八―一五二五年)といわれる。この「五帖御文」のほかに「夏御文」四通、「御俗姓御文」があり、これらを「帖外御文」という。<活>『大正新脩大蔵経』八三(二六六八)、『蓮如上人御文全集』、『蓮如上人遺文』。

聾唖統計誌 ろうあとうけいし  未詳。

老媼茶話 ろうおうちゃわ  二〇巻二〇冊。<著>松風庵寒流(未詳)。<版>寛保二(一七四二)年。<内>雑記。<活>『続帝国文庫』「近世奇談全集」。

撈海一得 ろうかいいっとく 漫画随筆 まんかくずいひつ

弄花抄 ろうかしょう  未詳。

瑯環記 ろうかんき 瑯嬛記 ろうけんき

瑯嬛記 ろうけんき  三巻。<著>伊士珍(未詳)。<内>根拠のない話が多いという。

老子 ろうし  <著>老子(未詳)春秋戦国時代の哲学者。名は耳、字は伯陽、諡は聃。<別>『老子道徳経』、『道徳経』。<成>前五一〇年ころ。<内>上下二編五〇〇〇余字、八一章から成る。無為自然、虚無の常道などを説く。<活>『新釈漢文大系』七、『全釈漢文大系』一五。

老子経 ろうしきょう 老子 ろうし

老子述義 ろうしじゅつぎ  未詳。

六斎精進功徳経記 ろくさいしょうじんくどくきょうき

 二巻二冊。<著>道恵(未詳)。<別>『六斎精進経説』、『仏説六斎精進功徳経記』。<成>延宝九(一六八一)年序。<蔵>哲学堂文庫。

狼疐録 ろうちろく  <著>三宅尚斎(一六六二―一七四一年)江戸中期の儒学者。名は重固、字は実操、別号は高尚・天山。<成>宝永六(一七〇九)年自序。<内>祭祀卜筮詳説・占法・理気説・天命説など理義を論じたもの。<活>『道学協会雑誌』。版本は『甘雨亭叢書』三。

録内啓蒙 ろくないけいもう  三六巻三六冊。<著>日講(一六二六―九八年)江戸前期の日蓮宗の僧。不受不施講門派の派祖。<別>『祖書録内啓蒙』。<成>元禄八(一六九五)年。<版>元禄一五(一七〇二)年。<内>日蓮遺文の録内御書一四五抄について注釈したもの。<活>『日蓮宗全書』。

魯語 ろご  <内>『国語』の編名。 国語。

六橋紀聞 ろっきょうきぶん 六橋紀聞 りくきょうきぶん

論語 ろんご  一〇巻。<著>孔子(前五五二―前四七九年)春秋時代の人、儒教の祖師。姓は孔、名は丘、字は仲尼。<成>前四五〇年ころ。<内>孔子や孔子の門弟の言行を記したもの。二〇編から成り、孔子の言行・人格を知る基本的文献。孔子の直弟子たちの記録にもとづき、孫弟子たちが編纂したものと考えられる。<活>『新釈漢文大系』一、『全釈漢文大系』一。

論衡 ろんこう  三〇巻。<著>王充(二七―一〇一?年)後漢の思想家。<内>原本は八五編あったが、今は第四四招致編を欠き八四編。衡は物の軽重をはかる器のことで、事物の軽重すなわち、あらゆる思想・学説の是非を論じたもの。項目に逢遇・累害・骨相・怪奇・語増・儒増・問孔・刺孟・論死・死偽・紀妖・訂鬼・卜筮・祭意などがあり、当時の社会の俗なものや迷信などの不合理なものに対する批判精神に貫かれている。<活>『百子全書』、『漢魏叢書』、『四部叢刊』、『新釈漢文大系』六八―六九・九四。

論語徴 ろんごちょう  一〇巻一〇冊。<著>荻生徂徠(一六六六―一七二八年)江戸中期の儒学者。名は双松、字は茂卿、徂徠は号、別号は蘐園、本姓の物部氏をとって物徂徠・物茂卿とも称す。<成><版>元文二(一七三七)年。<内>『論語』の解釈書。<活>『日本名家四書註釈全書』論語部五。

論理学 ろんりがく  <著>塚原政次(一八七二―一九四六年)児童心理学者。東京、哲学館、二六二頁(哲学館第一三学年度高等学科講義録)

和漢印尽 わかんいんづくし  三巻三冊。<著>未詳。<別>『群印宝鑑』。<成><版>万治二(一六五九)年序。<内>印章。<蔵>国立国会図書館。

和漢怪談評林 わかんかいだんひょうりん  一冊。<著>萩原勝繁(未詳)。<内>怪異。「百物語乃由来」、「雪女と云事」、「張叔高木魂之事」、「狄仁傑雷をたすくる事」、「結紛天女に逢事」、「宋処宗鶴詞通ケ事」、「魏元忠家妖怪有事」の七条から成る。他に「二十四孝評判」と「神道評判」が合綴されている。<蔵>哲学堂文庫(写本)

和漢合壁夜話 わかんがっぺきやわ  四冊。<著>上野徳昌(未詳)。<別>『古今和漢合壁夜話』。<成>宝暦九(一七五九)年。<内>和漢の類似の話を、和漢の順に交互に三六話載せたもの。<蔵>哲学堂文庫(四巻二冊)

和漢故事文選 わかんこじもんぜん  八巻八冊。<著>編・蔀遊燕(未詳)江戸中期の人。<別>『和漢群玉故事』、『和漢故事』、『和漢 故事文選』。<版>正徳五(一七一五)年。<内>和漢の故事を編集したもの。<蔵>哲学堂文庫(八巻七冊)

和漢事始 わかんことはじめ  一三巻六冊。<著>貝原好古(一六六四―一七〇〇年)江戸前期の儒学者。字は敏夫、号は耻軒、好古は名、「よしひさ」とも読む。<別>『倭漢事始』。<成><版>元禄一〇(一六九七)年序。<内>事典。『中華事始』と『大和事始』とをあわせて一部としたもの。天・地・人・動植物に分けて、事物の起源を平易に説いたもの。<活>『益軒全集』一。

和漢雑笈或門 わかんざっきゅうわくもん 和漢珍書考 わかんちんしょこう

和漢三才図会 わかんさんさいずえ  一〇五巻・首一巻・目一巻八一冊。<著>寺島良安(未詳)江戸中期の医者。字は尚順、号は杏林堂。<別>『和漢三才図会略』、『和漢三才図絵』、『倭漢三才図会』。<成>正徳二(一七一二)年自序・同五年跋。<版>文政七(一八二四)年。<内>明の『三才図会』にならったもので、和漢にわたる図解百科事典。天部・人部・地部の大分類のもと一〇五部門に分けて、各項に図解・漢名・和名・唐音などをあげ、諸書の説を引いて簡潔な説明をしている。<複>『和漢三才図会』(明治三九、昭和四、同四五年)。『倭漢三才図会』(一―一六、昭和五四―五五年)。<活>『倭漢三才図会』(明治一七―二一、同三五年)、『日本庶民生活史料集成』二八―二九。<訳>『東洋文庫』。

和漢太平広記 わかんたいへいこうき  三巻三冊。<著>藤井懶斎(一六二六―一七〇七年)江戸前期の儒学者・医者。名は臧。<別>『閑際筆記 和漢太平広記』。<成>天明三(一七八三)年序。<内>『閑際筆記』の改題本。 閑際筆記。

和漢珍書考 わかんちんしょこう  一冊。<著>鵜飼石斎(一六一五―六四年)江戸前期の儒学者。名は信之・信興、字は子直、別号は心耕斎。<別>『水戸史館珍書考』、『和漢雑笈或問』、『和漢珍書考或問』、『珍書考』。<成>元禄自序。<内>和漢書史上の事実を問答し、その根拠をあげて説明したもの。全七九項から成る。<活>『文豹一斑』(明治二五年)

和漢年代記集成 わかんねんだいきしゅうせい 掌中和漢年代記集成 しょうちゅうわかんねんだいきしゅうせい

和漢名数 わかんめいすう  一冊。<著>貝原益軒(一六三〇―一七一四年)江戸前期の儒学者・本草家・教育思想家。名は篤信、字は子誠、別号は損軒。<成><版>延宝六(一六七八)年。<内>数詞語彙集。天文から仏家まで一五項に分類し、各項に数目の和漢の単語を配して、簡単に注記し、または自説を述べている。<活>『益軒全集』二。

和漢洋開化年代記 わかんようかいかねんだいき  未詳。

和漢暦原考 わかんれきげんこう  一冊。<著>石井光致(未詳)。<成>文政一二(一八二九)年自序。<版>同一三年。<内>和漢の暦原を考究したもの。<蔵>哲学堂文庫。

籆纑輪 わくかせわ  三冊。<著>編・千梅(?―一七六九年)江戸中期の俳人。姓名は田中知義、別号は亜靖・白翁など。<成><版>宝暦三(一七五三)年。<内>従来おこなわれてきた季寄の類中の、難解の季題五〇〇余項を四季月順にあげて考証・解説したもの。<活>『親和女子大学研究論叢』八―一三(昭和五〇年六月―昭和五五年二月)

籆絨輪 わくじゅうわ 籆纑輪 わくかせわ

或問止啼銭 わくもんしていせん  法界或問止啼銭

 ほっかいわくもんしていせん

或問珍 わくもんちん 秉燭或問珍 へいしょくわくもんちん

和訓栞 わくんのしおり  前編四五巻三四冊・中編三〇巻三〇冊・後編一八巻一八冊。<著>谷川士清(一七〇九―七六年)江戸中期の国学者。名は昇、字は公介、号は淡斎、医名は養順など。<別>『倭訓栞』。<成><版>前編巻一―巻一三安永六(一七七七)年、巻一四―巻二八文化二(一八〇五)年、巻二九―巻四五文政一三(一八三〇)年、中編文久二(一八六二)年。<内>辞書。雅語・俗語を五十音順にかかげ、簡単な説明をしたもの。<活>『増補語林 倭訓栞』(前・中編、明治三一年)、『和訓栞』(明治三二年)

和語連珠集 わごれんじゅしゅう  五巻五冊。<著>静栄(未詳)江戸前期の人。別号は挙扇堂。<別>『和語連珠』。<成><版>宝永元(一七〇四)年。<内>『続日本紀』『五雑組』『淮南子』『説苑』など多くの書物から、勧善懲悪や滑稽な話などを二五八話ほど拾い集めたもの。<蔵>哲学堂文庫。

和爾雅 わじが  八巻九冊。<著>貝原好古(一六六四―一七〇〇年)江戸前期の儒学者。字は敏夫、号は耻軒、好古は名、「よしひさ」とも読む。<成>元禄元(一六八八)年。<版>元禄七(一六九四)年。<内>中国の『爾雅』にもとづいて、「天文」から「言語」まで二四門に分け、和漢の群書によって事物の名義・性質を考証している。<活>『益軒全集』七。

和州旧跡幽考 わしゅうきゅうせきゆうこう 大和名所記 やまとめいしょき

和俗童子訓 わぞくどうじくん  五巻五冊。<著>貝原益軒(一六三〇―一七一四年)江戸前期の儒学者・本草家・教育思想家。名は篤信、字は子誠、別号は損軒。<別>『童子訓』。<成><版>宝永七(一七一〇)年。<内>教育の必要と方法を述べたもので、総論上下・年に随う教法・読書法・手習法・女子を教える法から成る。教育思想を体系的に論述している。<活>『益軒全集』三、『教の園』上、『日本教育文庫』学校篇、『有朋堂文庫』「益軒十訓」、『童子訓』(明治二六年)

倭名抄 わみょうしょう 和名類聚抄 わみょうるいじゅしょう

和名抄 わみょうしょう 和名類聚抄 わみょうるいじゅしょう

和名類聚抄 わみょうるいじゅしょう  一〇巻または二〇巻。<著>源順(九一一―九八三年)平安中期の官人・学者・歌人。<別>『倭名類聚鈔』、『和名抄』、『順和名』。<成>承平五(九三五)年以前。<版>享和元(一八〇一)年。<内>日本初の分類体百科辞典。漢語の名詞を意味によって分類配列して、その意味を漢文で示し、典拠を注して、さらに漢字の発音を示し、その和名・和訓を万葉仮名で表記している。<複>『古典保存会』二期(真福寺本)、『天理図書館善本叢書』(高山寺本)、『日本古典全集』(古活字本)、『諸本集成倭名類聚抄』(本文篇・索引篇)