馬場先智明プロフィール
昭和32年 大阪生まれ。
昭和34年 伊勢湾台風に遭遇。木造二階建てアパートの部屋の窓の内側を戸板で懸命に押さえている母や兄達の姿を鮮明に覚えている。人生最初の記憶。
昭和38年 東京オリンピックの前年、先に東京で事業を起こした父を追って、家族で浅草に移住。
昭和42年 父を肝臓癌で亡くす(享年48)。危篤に陥った時刻、友人と浅草松屋の切手売り場にいたが、誰かに名前を呼ばれたのを覚えている。
同年(小学校4年) 「週刊少年サンデー」の投稿欄に「マンガを描くのが好きな人文通しませんか」を出し、以降、日本全国の30人ほどと文通を続ける。翌年には、文通仲間と「全日本アマチュア漫画同盟」を立ち上げ、肉筆の漫画同人誌を発行する。文通ともども中学2年頃まで続けたが、高校受験などを控え活動は自然消滅。
昭和50年 高校卒業年、建築科のクラスメートが皆就職するなか、将来進む道に迷いを生じ、就職を断念。2年間、東大の公開自主講座「大学論」「反公害論」(宇井純、越生忠などが講師陣)などに通い将来を考えるが、まずは大学という場に進まない限り、その先は考えられないと思い定め、受験勉強を始める。
昭和52年 早稲田大学第二文学部入学。早朝から昼までは築地の市場でアルバイトをし、夕方からは授業、そのあとは深夜までサークル「早稲田キャンパス新聞会」に入り浸る。顧問であった五木寛之、秋山駿とも接し、文学の世界に目を啓かれる。同年秋、学費捻出のため、日中は出版社で働くことに。
昭和60年 出版社を辞め、インド放浪の旅へ。約3か月の旅を終え帰国後は、旅行業界誌でのフリーライターの仕事をかわきりに、新美術新聞、朝日ジャーナルなどで編集・ライターの仕事を始める。
平成10年 父の33回忌のときの家族模様を描いた「団欒」で「第42回かわさき文学賞」3席入賞。