花 紫・赤・白・緑
土の匂い、雨の匂い、太陽の匂い。
歩くと香ってくる汗の匂い。
通り過ぎる甘い紙の香り。
緑の香りが漂ってくる。
薔薇の赤井花、
サボテンの鉢の、サボテンのとげ
頭に3滴落ちる雨。
狐の嫁入りのような、雲の向こうで太陽が輝く夕方。私は、不安な空。でも現実。
ユリの花が、植え込みで、揺れていた。
4年前の今日、私は緊急搬送されて緊急入院していた。その日から見えてくる風景が違ってきた。
窓の向こうの生活が、うそのように見えてきた。
話をするはいわゆる医療従事者の人だけだった。
此処にいても何かできることがある。自由に立つこともできないままだったが。
ある日、伝い歩きで少しだけ歩くことができた。
歩くことがこんなに大変なのだと思った。
ベッドに座って長い時間過ごすのもできなかった。天上を見ていてはだめで壁をただ見ている日々と同じだった。
それが今では、空を見ては雨になるかどうかを気にしている。贅沢な話だともう。今日に会えたんだから、いいじゃあないか。
風の音が流れる時間。
これから始まる夏。
グランドの緑は雨でぬれていた。
ゆっくり眺めていた。
傘をさして。鳥の声はちゃんと聴いた。
ゆっくり眺めて風を感じていた。
緑の向こうで工事現場の音。
機械の音が静かに響いていた。
香苗さん
二人ずれで歩いていきました。
「今日はあそこ」
「いいね」
「枯れ死は」
「寝てる」
「行こう」
「起こしてやれ」
「爆弾ソーダをぶっかけててやれ」
「いいよ」
「やったー」
「いくぞー」
「おー」
私の背中で若い女性二人ずれが走っていきました。
雨は優しく振っていました。
「おーい」
「なんだよー」
「まってよ」
「うるさい寝坊、仕事はないのか」
「無いんだ、今日はまだ何も届いてない」
「寝坊してるからだろ」
「わかったよ、ごめん昼になったらハタあらくよ」
「昼か、みそ汁ぐらい作るから食べていけ」
「ジャガイモ入りにしてくれ」
「キャベツをちぎったのでいいだろ、面倒なことは言うな」
「わかった、ご飯は」
「ジャーに入ってるからスイッチを入れておけ」
「ありがとうわかった」
私の背中の戦いはようやく落ち着いたみたいです。
私は傘をさしてグランドを眺めていました。
「いくぞー」
女性の声が響きました。
私は傘をさしたままグランドを見つめていました。
緑御葉が重なって、万華鏡のような模様になっていました。
わたしは、お見舞いに何か持った時、すぐにきれいな風景に出合える万華鏡をと思って、一本買い求めました。
「これで気分転換してね」
「えー」
と受け取ってくれた女性は、万華鏡をしばらく覗いて、髪の毛を横に上げて見上げました。
うなじの白さに驚きました。耳たぶがピンク色になっていたので、ようやく健康的な彼女になったなと思いました。
「変」
「変、ですか」
「変よ」
「どうしてこれなの」
「嫌い」
「うん」
「ごめん」
「わたしよりきれいなものをどうして持ってくるの」
「あなたも十分きれいですよ」
「嘘、どうしてこれなの」
彼女は万華鏡を手に持って除いたままでした。
わつぃは緑の万華鏡をもう一度見て、喜んでいたんだな、と思いました。
私はゆっくりグランドを眺めています。
わたしは、彼女と、美術館にいました。彼女は浴衣を着て歩いています。
私たちは、フラワーショップで、コーヒーを飲みました。
暑い夏です。
午前中は涼しいので私はゆっくりグランドを眺めます。
「どう」
「いいよ」
「また、来る」
「どうかな」
「ゆっくりね」
「何それ」
「ゆっくりでいいんだ」
「何」
「あせるとよくに」
「まあそれはそう」
「だからゆっくりでだいたいでいい」
「だいたい」
「そう」
「まあそうだね」
「いや、明日はわからない」
そうだよ、明日はわからないんだから、あせってもしかたない。目の前のものを楽しんでいたら時間が過ぎて、おじさんになっちゃった。
「いま、ババアって言った」
「言ってない」
「おじさんって言ったでしょ」
「ああ」
「それって私が叔母さんってことよ」
「まあそうか」
「許せない」
「美人だよ」
「それは当たり前」
「そうだよ」
「わかっているなら言わないで」
「ああ、言わなかったんだけど聞いちゃったんだね」
「そうよ」
私は、呟いたのか。
「また言った」
「聞こえた」
「うん」
「わかったよ」
隼人は、ちゃぶ台を眺めていました。既にたっぷりサイダーを頭からかぶってびしょびしょです。隼人はご飯がたけたので茶盌位よそって、ゆっくりお昼の朝食を取りました、
「食べたの」
「はい」
「そのままで行くの」
「はい、ちょっと、べとべとして気持ち悪い」
「母磨いておけよ」
「はい」
「着替えはここにおいとくよ」
「はい」
絵や紺の無い部屋の窓の向こうは曇り空でした。
畳が焼けて匂ってきます。
箸をおいた隼人は自分でちゃぶ台を片付けて、シャワーに向かいました。
「水はあまり使うなよ、高いんだから」
「はい」
「わかったか」
「はい、水は使わない」
「お湯も同じことだぞ」
「はい」
隼人はしょぼしょぼの水シャワーを浴びました。
漸くぬるぬるが取れました。
隼人は、ようやく着替えて仕事に向かいました。
今日の現場は近いので、自転車でいいや。
隼人は、アパートの間あえに止めていたママチャリ委折って、口笛を吹いて、出かけていきました。
「あいつ口笛吹いていい加減な奴、仕事って言っていたけど、どこに行くんだ。
加奈子は、窓から、隼人の後ろ姿を追いかけていました。
「あー暇になったな、洗濯と掃除か」
加奈子はブリキのたらいに井戸から水を区で、足でもみ合ら愛を始めました。
「またやっているね、感心だな、力仕事をしょっちゅうやっているね」
またあのおばさんか。
「おばさんなんだ、うるさいな」
「よくやっているね、ほめているんだよ」
「余計なお世話だ、生きるための事なんだよ」
「そうかい、しっかりやんなよ、あとで、家にお茶でも飲みにおいで」
「そうか、暇になったから行くよ、掃除の後で」
装言って加奈子は、洗濯を干して、放棄を持って部屋の掃除をしました。
「えい、乗っかっても飛ばないな」魔法の箒、なんてありゃしない」
「くそ」
と言って加奈子は、雑巾を絞りました。
お茶かよ、こんな蒸し暑い時はビールだろ。
「あ、こんなとこに500円玉が、これでいけるか、まあいいだろ」
加奈子は、雑巾がけで汗だくです。
「くそ」
加奈子は手を休めて部屋を見まわしました。
広いな、何もない。
冷蔵庫がごーんとなっている。
扇風機は止めた。
「糞、貧乏か」
加奈子は、ビールはやめた。冷蔵庫に、水を置こうと思った。
「500円か」
しかたない。
おばさんの床に行ってみるか。
加奈子は、隼人が食べ残した、ご飯を一口食べました。
くそ、まだ、お腹がすいている。
「ちくしょう」
加奈子は、大声を出して泣きました。
「畜生」
「畜生」
「明日、また走るぞ」
「畜生」
「やったー」
加奈子は、井戸の水をバケツに入れて持ってきました。
そしてコップに水を汲んで飲み干しました。
これで良し。
加奈子は、
「いくぞー」と叫んで、駐車場の警備の仕事に向かいました。
「はい、っどうぞ右に」
「元気だね」
「はい、よろしく」
「ありがとう」
加奈子は、夕方まで、立っていました。
今日は20台万社でよかった。洗車サービスはなし。
あたりまえだ。セールしなかったもんな。
隼人、もどってねてるだろう。
あと2時間で今日は上がるぞ、
明日は走るぞ。
「お帰り」
「おーいたか」
「洗濯も尾入れておいたよ」
「珍しいな」
「ん、まあ」
「仕事は終わったのか」
「はい」
「それはよかったな、時給は出たか」
「運もらった」
「そうか、喉がかわいたろ」
「まあ」
「そこの桶に水があるぞ」
「うん」
「お前はそれでいいだろうが、私はビールが飲みたい」
「はい」
「はい、か、これを使えじゃないのか」
「いえ、はい」
「では早く出せ、そしてズボンをはいて出かける用意をしろ」
「はい」
「靴は履けよ」
「はい」
「ところで、この壁にあるのはお前が描いたものか」
「はい」
「いい趣味だな」
「はい、すみません」
「いくぞ、早くよこせ」
「はい」
「これだけか、しょうがない今日の日銭を出すから、回らないすし屋だ」
「はい」
二人は部屋の真ん中でダイノジになってしばらく寝ていました。いつの間にか暗くなっていました。
「腹減ったな」
「はい」
「はいか」
「はい」
「しょうがない」
「はい」
「お前本当に回らない寿司が食えるともう丘」
「はい、金寿司」
「馬鹿、回らに寿司というのは小僧寿しだ」
「はい」
「じゃ、お前のママチャリで買ってこい。ほらこれ、ビールの分だ、すしはお前が出せ」
「はい」
隼人は、起き上がって、サンダルをひて、ママチャリに向かいました。
「とろいな、あいつそろそろ、捨てるか」
「はい」
隼人は、屋根のない暮らしに戻るようです。
またベンチ生活か。
しばらく寿司はお預けだ。
「遅いな」
「蹴りました」
「とろいぞ、役立たず」
「あの、今日捨てられるんですか」
「今日はとまっていけ」
「はい」
「しょうがない、生姜の無いみそ汁ぐらい作ってやるわ」
「ありがとうございます」
隼人は目に涙をためていました。
「おめなくのか」
「いえ」
「100年早いぞ」
「はい」
「大丈夫、もう少し、飼ってやる」
「ありがとうございます」
隼人は声を出して、なきました。
「泣くな、愚図」
「はい」
「寿司がまず憂くなる、泣くな」
「はい」
「ビールはミニを4つです」
「お前、まずくなるだろ」
「加奈子さん後でまた飲みますよね」
「おう、すぐ飲めるように取っておいてください」
「たまには気が利くな」
加奈子は、割り箸を割って、エビに手を伸ばしました。
「まずい。乾いてるぞ、パートのおばさんさっぼったな。文句を言って返品交換してこい」
「加奈子さん、いいんですか。駐車場のお客ですよ」
「隼人、いいことに気づいた。嫌われないように文句を言って好感してこい」
「はい」
隼人はママチャリで向いました。
隼人は、今度は作り置きの棚でなく頼んで握ってもらいました。
持ってきた寿司は、後で食べようとベンチに置きました」
「はい」
「さっきのは」
「持って帰ります、置いときな」
「いえ」
「また出してやるから、加奈子にいわれたんだろ」
「とんでもありません」
「いいから、後で食べにおいで」
「はい」
これで今日の稼ぎはなくなってしまった。
「お待たせしました」
「おう」
「これならいい、最初からこれだったらよかったのに」
ぐび
「ビールが最高だぜ」
「はい」
「お前食べないのか」
「いえ、おいてきました。ベンチで食べます」
「なんだ、出ていくのか、まだ捨てないぞ」
「ありがとうございます」
隼人はどっと泣き崩れました。
「まだ屋根のある生活がある」
「おまえうるさいぞ、風呂も便所もついてるんだぞ」
「ベンチの横には、蛇口と便所があったんです」
「だから」
「べんちでくらせたんです」
「そして」
「ひろっていただきました」
「誰に」
「加奈子さんです」
「だから」
「新設で優しい人です」
「そして」
「命令には、従います」
「では、もう一度ビールを取ってこい」
「はい」
「早くしろ」
「はい、冷蔵庫に」
「まだか」
「はい、持ってきましたグラスも冷やしておきました」
「とろいぞ」
「すみません」
「良し、つげ」
「はい」
「海な、飲むか」
「みずにします」
「どの水だ」
「井戸から、汲んだ、たらいお水です」
「良し、飲め」
「ありがとうございます」
「うるさいからもう泣くな」
「はい」
「此処を借りるのも苦労したんだ」
「はい」
「わかってるなら次は」
「はい、体を吹いて差し上げます」
「うるさい、触るな」
「はい」
「いいからはやくやれ」
「はい」
「よし」
「はい」
「もっと近づいてやれ」
「はい」
「ぬぐから、ちゃんとふけ」
「はい」
「よし」
「奇麗です」
「うるさい足り前のことを言うな」
「はい」
「手が動いてない」
「はい」
「もっときもちよくやれ」
「はい」
それから一時間隼人は、加奈子の体を洗いました。
隼人は思いました。
加奈子さんでよかった。
なんて純粋な体なんだろう。
女神ってこってこんな肌なんだな。
「おい、お前なんかいったか」
「いえ」
「もっと気持ちよくやれ、集中しろ、変な考えは起こすな」
「はい」
「わかったらちゃんとやれ、ンアンドも言わせるな」
「はい」
部屋お腹に月あかりがさしてきました。
「お姫様、いかがでしょう」
「おお、やっと分かったか、私は姫じゃ」
「はい、木綿の手脱ぎでやっております」
「いいぞ、それでシャボンはしないのか」
「はい、定番の牛乳石鹸でございます」
「よう、手に入れた、あとでライチを買ってこい」
「はい」
「手が止まっている」
「すみません」
今度はライチ果物屋、右出でて左委向かって途中グランドのベンチを見て、小僧寿しのななめ前、お金たりるかな。
隼人はママチャリを走らせました。
「あいつシャボンをつけたままだぞ、ながせ」
加奈子は仕方ないので、水を浴びて体を吹きました。
しばらく裸のまま部屋で、座っていました。
「いらっしゃい」
「あのー、300円しかないんですが、ライチかえますか」
「あるよ、もう古くなったのがここにあるんで、もっていきな」
「それはよくないので、キュウリの朝図家、1本お願いします」
「キュウリは夏にたくさん食べて絵」
「はい」
「加奈子ちゃんだろ、ライチは」
「あ、はい、いいえ」
「お前苦労しているな」
「え、あの」
「いいよ、返事しづらいもんな、いいから、もっていけ」
「ありがとうございます」
どうしてこの街の人は優しいんだ。
隼人は、大泣きしました。
「ライチです」
「オー、お前、裸のまま残していったなしかもシャボン付きで」」
「あ、すみません、入浴中に間に合わせえたほうが贅沢な感じがしたので」
「そうか、ではもっと洗ってくれ」
「はい」
「らいちは」
「はい」
「これか、うまいな、王妃のきぶんじゃ」
「杯姫様、やはりお肌が美しい」
「肌だけか」
「言えすべてが美しいです」
「ライチご苦労だった。食べるか」
「いいえ、私はキュウリを求めたのでそれを食べます」
「それならしかたない」
「捨てるか」
「え、やはり捨てられてしまうんですか」
「いや、ライチの皮のことだ、お前は便利だからまだ飼っておく」
隼人はほっとして、加奈子の体を洗いました。
屋根のある生活はやっぱり安心だ、突然誰かの声で目が覚めることはないかあら、加奈子さんに、「いつまで寝ているんだ。ばかやろう」と言って起こされるから、屋根のある生活は、サイダーをかけられても安全だ。もしかして一生加奈子さんにつかえているのかな。生姜呼応の頃はみなと野球をしていた。中学になってグランドは、遊び場でなく絵泊りする場所になった。なんとか、生きてきたけど、そろそろ別な屋根を探さ曖といけないみたいだ。
隼人は、月あかりで、加奈子さん御顔を眺めていた。キレイな瞳だな。加奈子さん、もう20を過ぎていると思うけど、好きな男の人はいないのかな。隼人は初めて加奈子さんのことを考えていた。
「おい、お前じゃまだ、ちょっとそこを離れてくれ」
「はい」
加奈子はゆっくり立ち上がってタンスの引き出しから朝顔の浴衣を出して羽織った。
「加奈子さん艶っぽいです」
「そうか」
「はい」
「これはな、」
「はい」
「これは、前付き合っていた男からもらったものだ」
「はい」
「はい、か」
「はい」
「冷静だな」
「はい」
「その男が今来たらどうする」
「くるんですか」
「うるさい、来るはずないよ」
「はい」
加奈子の目は潤んでいました。
隼人は初めて加奈子の涙を見ました。
僕はこの人に買われるんじゃなくてっ盛らなければいけないんだ。
隼人は、屋根のある生活の苦しみを知りました。
「ぼくはにげません」
「そうか」
「僕は、ゆっくり話します」
「んるほど」
「ぼくをつかってください」
「よくできたやつだ」
「はい」
「では、桃のいい奴が食べたい」
「はい」
「買ってくるか」
「はい」
「よし」
隼人はママチャリを走らせました。
暗い夜道になっていたので、カラスが、ネズミを食べていました。
「おい元気だったか」
「ああ、お前、最近いないじゃないか」
「屋根を持ったんだ」
「何、もう杜の住人じゃあないんだな」
「ああ、なら、容赦なく、噛むぞ」
「あーやめてくれ」
「知らん、森の住人は、たくましいはずだ」
「わかった、早くやってくれ、急いでるんだ」
「では、いくぞ」
「いて」
もう一発」
「いて、まtな」
「またな」
隼人は八百屋さんに急ぎました。
加奈子さん、まだ目の彼氏さんが好きなんだな。
桃は、やっぱり肌にいいのかな。
「すみません、桃、美味しい奴を1個お願いします」
「親今度は桃化、加奈子さん、泣いたろ」
「ええ」
「そうか、一緒にいてやれよ、離れるなよ」
主人は、ピンクの、ころあいのいい桃を一つ、隼人に握らせました。500円だよ」
「はい、ありがとうございます」
「加奈子さん君がいてくれてよかったな」
「ハイ、前の彼氏、いい人だったんですね」
「そうだな、この辺で一番のいい男だったよ」
「そうですか」
「めったこのあたりで事故はないんだけどね」
「え」
「子供が呼び出したんで、彼が身代わりになったんだよ」
「え」
「子供を抱えて飛ばされたんだ、即死だったよ」
「そうすすか」
隼人は、森の住人でのんきだったなと思った。
「500円」
「気を付けて帰りな」
「はい」
隼人は、植え込みのひまわりに、
「お休み」
と言って帰っていった。
「加奈子さん、桃です」
「油を流すので、食べてください」
「桃か、誰がそれを持ってこいといった」
「いえ、間違いました」
「そうか、仕方ない、もってこい、ちゃんと、いい、皮が付いたままのものを見たい」
「はい」
「桃だな」
「はい」
「私のお尻御法がきれいだろ」
「はあい」
「もっと胸のほうがきれいだろ」
「はい」
「そういってくれたんだよ、わたしから言わせるな」
「はいすみません」
「加奈子さんの体と心は桃の数百倍美人です」
「そうか」
可奈子さん、泣き止んだ。
良かった。思い出すんだな。自分の裸がきれいだと。
また桃は、用意しておこう。新鮮な桃を。
「隼人、浴衣な、金魚でもいいんだぞ」
「はい、とてもきれいです」
「とてもって、どういうのだ」
「世界一です」
「世界を見とか」
「はい、地球を見てきました」
「宇宙い血じゃあないんだな」
「はい」
「はいか」
「はい、世界一です」
「世界一ってどのくらいだ」
「とても守りたくなって抱きしめたいです」
「そうか」
「はい」
「ならぶんなぐってやる」
「はい」
「桃は」
「はい」
「いい桃だ」
良かった。ほんとは抱きしめたいんです。
「お前、凍桃は、トラックのか」
「いいえ」
「硬さはいいぞ」
「はい、ご主人が見繕ってくれたのですから。
「八百屋のか」
「はい」
「あそこはだめだ、あいつなんか行ったか」
「はい、いいえ」
「どっちだ」
「はい、このあたりで一番のいい男だったそうですね」
「うるさい、もういい、わかってないな、出ていけ」
「はい」
「はい、か」
「はい」
「桃ぐらい食っていけ」
「はい」
「お前飼ってやるのに、なんで、やってはいけないことをするんだ」
「はい、別屋根を探して修行してきます」
「行くのか」
「はい」
「早くいけ」
「はい、いつまでもそばにいます」
「うるさい」
隼人は、ママチャリに向かいました。
街灯が眩しいな、今夜は、ベンチで寝るしかないな、また八重尾無い生活だ。水道の蛇口で顔と歯を磨いてから寝よう。カラスのやつもう動けないだろ、やっと寝ることができる。
隼人は、一度やってみようか、と思いました。蕎麦屋で住み込みの仕事があるはずだから一度行ってみよう。
倉庫のバイトはおちついたらいけばいい。加奈子さん、一人で大丈夫かな。そういえば、お礼も言わないまま出てしまった。
隼人は、アパートの方向にむって、
「ありがとうございました」
大声で叫んで、頭を深く下げました。
隼人は、時計がないな、と思いました。
でも6時30分になったらラジオ体操で朝が始まるから大丈夫だ。
隼人はもう人は来ないだろうけどもう少し様子を見て酔うとベンチに腰掛けました。
星がきれいに光っているな、今日は七夕だったんだ。加奈子さん、織り姫様より監視委な、一年に一度、会えるといいのに。
だから、浴衣を着たんだ。
あ、バスだ。最終かな。
ガチャン。自動販売機の音がした。
仕事帰りの女性がやってきて横に座った。
「いい、ここ」
「はい」
「幸子よ」
「隼人です」
「ベンチで何してるの」
「いえ、です」
「は」
「屋根のない家です」
「はー」
「故郷からここに住みます」
「馬鹿此処に住んだら不法占拠で逮捕だぞ」
「いえ、一泊です」
「ならいい」
「はい」
「もう深夜だぞ、ほんとうなら、ここをひきはらってもらうんだが、困ったら、向こうの交番来い、今晩わたしが夜勤でいるから」
「はい、おまわりさん」
「犬見たいい呼ぶな、自転車は公男もの」
「はい」
「一応仕事だから調べさせてもらうよ」
「はい」
「よしまってろ、名前は隼人でいいんだな」
「はい」
「登録はあるみたいだ、住所はこの近所委あるじゃないか」
「それは中学の時のです」
「はあ」
「はい」
「よし、一応記録をしておくまた、会おう」
「はい」
明るくなったな、子を洗って、とりあえず交番にいってみよう。
「おはようございます」
「やあ、隼人君」
「僕、今日から住み込みで働きます、蕎麦屋さんで」
「そうか」
「はい」
「多分、身分証明があったほうがいいだろ」
「いいです、お願いします」
「気をつけてな」
「はい」
「がんばれよ」
「はい」
もうすぐラジオ体操か、体操をしてから出直してこよう。
隼人の新しい一日が始まりました。
9時過ぎたら行ってみよう。時計は交番のところにあるはずだから、もっとゆっくりしていってみよう。
隼人は、ようやく新しい日になったと思った。
あいつ活きているかな、加奈子は隼人が気になりました。
ゆっくり寝ていい汗を書いたのでまた水浴びをしようと起き上がった。
今度見つけたらぶんなぐってやるぞ、せっかく飼ってやったのにな。
可奈子は裸になって桶で水浴びをしました、
ママチャリがないな。でていったんだな。
なぐるぞ。加奈子は、目に涙をうかべました。
「今日は、すみません」
「はい、まだだよ」
「いえ、お願いに来ました」
「なんだ募金か」
「いいえ、生きていければいいので、住み込みで働かせてください」
「経験はあるのか」
「いいえ、配達のバイトぐらいです」
「あやしいな」
「はい」
「一寸交番についてこい」
「はい」
「駐在さん」
「はい」
「こいつ信用できるか」
「あ、隼人君」
「しってるのか」
「いえ、この団地の子です。両親を事故で亡くして中学を出て一人暮らしをしてる子です、役所で住所も確認できます」
「犯罪歴話でいいですか」
「はい、記録にはありません」
「そうか」
「名前は」
「隼人です」
「さっさと店の前の掃除をしろ」
「はい、ありがとうございます」
「挨拶はできるな」
「はい」
「ご主人、よろしく面倒を見てやってください」
「幸子さんありがとうございます」
「さっさとやれ、とろいぞ、甘えるな」
「はい」
「ちゃんと雑巾がけもしろ」
「はい」
「丁寧に気持ちを込めてな」
「はい」
隼人は箒をもって、店の前の道の掃除を始めました。
空き缶にたばこの吸い殻、みんな楽しんでいたんだな、よかった。
ありがたい。掃除できれいにできる。隼人は丁寧にごみを拾っては仕分けして、ごみ袋に入れました。カラスがやってきて。
「おい、わしの食い物まで取るなよ」
「食べていいけど食い散らかしちゃあいけないよ」
「弁当はないのか」
「ないね」
「冷たいの」
「今仕事中だから、じゃましないで」
「夕べ森に帰っていたろ」
「一泊させてもらったんだ」
「わしに挨拶がないだろ」
「あーありがとうございました」
「おい、おしゃべりして手がうごいてないぞ、住み込みはどうかな」
「すみません」
「悪かったな、頑張れや」
「ありがとう」
隼人は掃除を続けました。
隼人は念のためしゃがんで短い箒で掃除をしました。
そして店の入り口を雑巾がけしました。
奇麗になって言って心が気持ちよくンっていきました。
次はトイレだな。隼人はトイレに向かいました。
「真面目に続けろよ」
カラスは飛んでいきました。
「おい、そろそろ体を洗え」
「はい、ご主人お体をお洗いします」
「馬鹿、自分がきれいになるんだ、泥のついた、手で仕事をするな」
「はい、公園で水洗いしてきます。
「馬鹿店の裏にホースがあるからそれを使え」
「井戸の水を汲んできます」
「まあそのほうが節約できるな、早くしろ店を蹴るぞ」
「はい」
隼人は井戸お水を汲んでたらいに入れて体を雑巾で洗いました」
「隼人さーん」
「杯幸子さん」
「支所の生活相談課に、隼人のことを言っておいたから、そのうち来るよ」
「はい」
「あ婦警さん、やっぱりこいつは問題ありか」
「いえ、まったく、問題ありません、ただ、実家が空き家になっているので」
「なんだ、家があるなら通いでこい」
「すみません、電気ガス、水道全部止まっているんで」
「何やっているんだ」
「そこから、彼ははじめますからよろしく」
「なんだ、更生の世話か、給料はしばらく見合わせだ、見習い期間は後払いだ」
「はい」
隼人は、トイレ掃除を時間かけてやりました。
「お前トイレが長いぞ、腹でも壊したか」
「いいえ、一個ずつ、僕が舐めてもいいですよ」
「そうか、じゃあなめろ」
「はい」
「はい、か」
「はい」
「それは昔御下級生いじめの典型だ、わしはやらん、わかったからもういちどせいけつにあれ」
「はい」
「あれ新人さん」
「はい」
「あんた、加奈子さんといた人じゃない。加奈子さん今日も洗濯していたよ、感心だね、一度お茶においでって何度も誘っているのに来たことがないよ」
「お前、やることだけはやってそうだな」
「はい、欲界も尾を言い使って体を洗っていました」
「加奈子さん、泣いていたよ」
「浴衣でも来ていたんでしょ、知りません」
「おや、」
「はい、もう屋根のある家は出てきました」
「まあ」
「隼人君、このひとに、純子さんだ。店の仕事を習ってください。純子さの絵買いしますよ」
「ただで教えるんですか」
「いいや、今月末から考えておく」
「何を、ですか」
「仕事が増えた分を乗せとくよ」
「はい、それなら、隼人君、早く自分の身をきれいに消毒しておいで裏のホースのところで洗ってアルコールで手をあらっておいで、もうすぐ開店だよ、早く」
「はい、よろしくお願いいたします」
そしたらこの割烹着を着て、早く、それにボールペンはこれを黒と赤があるから」
「はい」
「早く割烹着を着てポケットにボールペンをさしました。
お客さんが来たらおおきなこえで「いらっしゃいませ」だよ。
「はい、いらっしゃいませ」
「いらっしゃいませ」
「あれ新人さん」
「はい」
「いつもの」
「はい、いつもの」
「隼人その方はいつも、店に来てすぐに水を飲むのよ、このサーバーで水を汲んで出してきて」
「はい」
「どうぞ」
「うん、いつも脳注文したと言ってくれ」
「はい」
「純子さんいつものをご注文です」
「はい、冷や麦、一つ」
「冷や麦なんですね、冷たい麦茶」
「違うよ。知らないの」
「写真のこれよ」
「ソーメン」
「嫌こっちは、冷や麦」
「はい」
隼人の修業は、あわただしく始まった。
「ご主人」
「はい」
「隼人君、お借りしますよ」
「はい」
「隼人君」
「はい」
「君、落ち着いたら、家に帰って片付けなさい」
「屋根のない家ですか」
「違うよ、君が育った家に帰りなさい、かぎはあるだろ」
「ええ」
「隼人君、君はもう通いで働こう」
「そうしないといけませんか」
「ああ、ちゃんと暮らそう」
「はい」
「もう3年立ったんだからいいだろ」
「はい」
「帰っておいで」
「はい」
「いいね」
「隼人君」
「幸子さん」
「がんばるんだよ」
「はい、ありがとうございます」
「送ってあげるから」
「はい」
「ちゃんとわすれ物がないようにね」
「はい」
隼人は懐かしい家に向かいました。
「幸子さん、僕は一人暮らしです、時々交番に行っていいですか」
「ダメよ、仕事中なんだから」
「はい」
「でも時々ベンチで会おうね」
「はい」
「幸子さん浴衣は」
「着るよ」
「朝顔ですか、松葉ですか」
「松葉に金魚ね」
「わかりました、水浴びはしますか」
「するよ」
「泣きませんよね」
「うん」
「わかりました」
隼人は家の玄関お階段を上がりました。
カギは、ポケットにいれたままだ」
カチ
回った。錆びていなかった。
「隼人君、一度眠ったら」
「はい」
幸子は隼人の背中をして玄関に入れました。
隼人はぐると見まわしました。
「此処が家か」
「そうです、市のほうで相続と税金のことと、上下水道のことは処理しました。あと国民健康保険とか、年金のことはそば屋の主人と確認してください。職場で姿勢処理をすることとなっています。あと、電気ガスは、商店街の店で確認してください。全部自分一人でやってください。がんばって、困ったことがあったら名刺を渡すので、私に連絡ください。そういえば電話もパソコンもないね、窓口に来て読んでください」
「はい、ありがとうございます」
「今夜の布団はあるの」
「はい、幸子さん、無くても大丈夫です」
「とりあえず、電気、ガスは使えるように、窓口にいきましょう」
「はい」
二人は商店街に戻っていきました。
支所の職員も一緒に歩いて帰りました。
「隼人君、今晩あとでいくわ」
「はい」
「浴衣はまだ用意できませんが」
「いいのよ」
「何か食べるものを買っていくから、いっしょにたべましょう」
「はい」
幸子は交番に帰って日誌に、隼人君、生家に帰った。と一行書いて、鋼板を閉じました。
10年よ、この狭いボックスで、見つけた盗難自転車の数と駐車違反の数と、喧嘩御仲裁の数が私尾青春だったのね。刑事になる夢は捨ててないはずなのに、隼人君に出会ってしまった。手料理でも作ってあげたいけど、まだ無理ね。どうしよう、私はキッシュとサラダが食べたいけど、飼っていくか。
幸子は制服から、いつものシャツに着替えて、浴衣にするか、ショッピングモールに行って飼って着替えるか。
幸子はむっとするアスファルトの道を歩いて、向かった。蹴りはタクシーね。とんだ出費。初めてのことだわ。
長い坂道を下って、このあたりも最近巡回してないな、街路樹が、寂しくなっている。信号もちゃんと見えている。
幸子は、女子高生の自転車が列をなして走っているのを見て、ちゃんとライトがついている、安全運転よね。
まだまだ仕事の気分が抜けてないよ。
これでいいのよ。幸子ははるか向こうまで広がる街の、ビルを見て、電車が動いているよ。と思った。
隼人君、冬雄雨の日も、夏の暑い日も、ベンチだったのね。
でもなんで浴衣なの、涼しくていいけど。
パンプス。傷だらけね。いいわ、これで。
幸子は、できるだけゆっくり歩いた。
女子高生が走って横切った。
ふーん、青春の香りね。
幸子の目に涙がこぼれた。
夕焼け小焼け。
ショッピングモールに着いた幸子さん。
ふーんいい匂い。お腹すいたな、アイスクリームでも食べよう。
化粧品売り場も見ました。
幸子さんは久しぶりにたっぷり贅沢をしようと思いました。
隼人君と二人になるのが、こんなに楽しいんだ。
幸子さんは、たっぷりと時間をかけてお店を見て回りました。
行けない夜になる前に出よう。
幸子さんは地下の食品売り場に向かいました。
にぎやかね。
こんな時間にたくさん買い物をしている。
近所のスーパーとは違うわ。
幸子さんは果物売り場で、イチゴを見つめて、果物は、長持ちするものね。パイナップル食べるかしら。隼人君、たべるかな。そうか、カレーのおいしいのにしようかな。
幸子さんは心が軽くなっていました。
幸子さん。
大丈夫でしょうか。
すっかり隼人君のことで頭がいっぱいのようです。
そろそろ、メロンでも買おう。
幸子さんはパンの売り場に向かいました。
パンプキンのキッシュ、見た目でいいわ。
ちょっと贅沢すぎるけど、隼人君の新しい一日の食事だから。
幸子さん浮かれて大丈夫でしょうか。
パイナップルも切っておけばお皿に置いておくようにすれば大丈夫、お皿もあるかな、買っておこう。それに歯ブラシにタオル。
幸子さんは、買い物リストを作っておこうともいました。
パンプキンのキッシュ、2個、買いましょう、トレーにとってレジに向かいました。
「いらっしゃいませ」
「2500円です。現金ですか、家、カードで」
「はい」
店の人はキャッシュを箱に入れてくれました。
幸子さんは買い物袋を広げました。
これもいるね。
「ありがとうございました」
「はい」
幸子さんは果物のコーナーに行って、パイナップルを取ってレジに向かいました。
ずいぶんなら出るな。
並ぶか。
幸子さんはぐるっと、店を見まわしました。
人工的な影の無い光御空間も久しぶり。
早く外に出たいけど、アイスを食べながら買い物リストを作ろう。
幸子さんは、冷静に考えています。
幸子さんはフードテラスに向かって、カウンターで、
「マカデミアンナッツとレモンを一つ」
と注文しました。
「350円ですカップとコーンは」
「カップでお願いします」
「カードと現金」
「カードで」
幸子さんは、席に運んで座って、メモ用紙とボールペンを出しました。
「まず」
歯磨きセット。
コップと歯ブラシと
朝食は、お皿ぐらい使うかな、それにグラス。お湯はまだだから、スープは無理ね。
着替えはいいでしょ。
そして印鑑とボールペンとかくらいは使うね。タオルも2つぐらいあるといいでしょう。
本当は枕と、タオルケットぐらいあるといいのにどうしよう。メモだけは。
他は、炊飯ジャーとか洗濯機は、隼人君どうするかな。
とりあえずこれくらい。買えるものを買っていこう。
幸子さんは、アイスを急いで食べました。
店を出るともう暗くなっていました。
幸子はタクシー乗り場に向きました。
一台もいないわ、幸子は呼び出し専用の電話で、
「団地まで一台音願いします」
「15分で着くから」
「はい」
「お待たせ、幸子さん」
「5丁目のバス停前までお願いします」
「はい、20ふんで」
「此処でいいかい、暗いから家の前まで行くよ」
「いいえ大丈夫です、街灯が整備されていますから」
「爽快、1300円です」
「はい」
「200円おつりね、気を付けてね」
「はい、ありがとうございました。
幸子は隼人の家の階段を昇って、インターフォンはないのね。
幸子はドアをノックしました。
「はい、幸子さん」
ドアが開いたら隼人君が笑顔で立っていました。
「遅くなってごめんね」
幸子は、パンプス、まあいいか、と思った。
「浴衣ですね」
「うん」
「美人さんですね」
「うん、あがっていい」
「はい」
幸子は、リビングのあるらしいほうへ歩いていきました。
しまった箒、飼っておくべきだった。
ダイニングは明るく清潔だった。
「隼人君、キッチン使っていい」
「はい」
よかった、ナイフはあったわ、
幸子は、キッシュとパイナップルを切り分けてさらに取り分けました。
そして買ってきたパックのお茶とジュースをテーブルに並べました。
「お腹空いたでしょ、あ、フォークを取ってきます」
「すみません」
「さあ、たべましょう」
「はい、いただきます」
「まあ、美味しいキッシュ」
「はい、初めてです、こんな食事」
「お母さん作ってくれたでしょ」
「わっ擦れました」
「そう、わたしの子供の頃は父も母も帰りが遅くて、大きなダイニングで一人ぼっちで母が作っておいてくれた料理をレンジで温めて、食べていたのよ」
「遭難ですか、子供の幸子さん、かわいいかったたんでしょうね」
「まあね」
「そうですよ」
「絶対っていわないの、最近の若い子はすぐ口癖のように言うから信じられない」
「はい」
「二人はゆっくり食事と会話を楽しみました。
「隼人君テレビは見ないの」
「はい」
「ラジオは」
「ラジオって」
「知らないの」
「はい、加奈子さん御家にもなかったので」
「あなた、加奈子さんを知っているの」
「はい」
「そう」
幸子さんは、ふうっと、深呼吸しました。
「ひどかったのよ」
「はい、事故のことですか」
「それも知っているの」
「はい」
「そう、あれは私がここの交番に着任した日の夕方だったの」
「はい」
「病院の前の交差点を青信号で、加奈子さんの彼が渡っているとき、信号無視で走ってきたバイクに10メートル跳ね飛ばされて祖岸だったの」
「そうですか」
「あんだか、暗い話ね」
「いいえ、知ってよかったです、ありがとうございます」
「そう、隼人君も気をつけるのよ」
「はい」
「それと自転車、タイヤに空気を淹れなきゃあ、乗ってはダメよ」
「はい」
隼人は幸子さんを眺めていました。
「浴衣奇麗ですね」
「うん」
「体洗いましょうか」
「いい,帰ってお風呂に入るから」
「はい、加奈子さん泣くんです」
「そう」
「だから僕はそばにいないといけなかったんです」
「うん」
「また行ってみます」
「うん」
「でも僕は修行をします」
「うん」
「幸子さん、ありがとうございます」
「隼人君、一人で大丈夫」
「ええ」
「加奈子さんのことはもういいのよ、大人の女性だから、大丈夫」
「はい」
「あのね、泣くのはいいの」
「はい、でも八百屋のおじさんがそばにいてやれといったんです」
「そう、それも大人のやさしさなの、隼人君はまだそんなことしなくていいの」
「僕まだ、子供ですか」
「そうね、じぶんのせいかつがひとりできちんとできたらいいの。大変よ、いろんな決まり事をきちんと守って自分で世の中がどうなっているかきちんと知らなきゃあ。新聞はコンビニでも買えるから読んでみることね」
「はい」
「本当は家族の中で覚えていくことなんだけど」
「はい」
「君は早くに両親を亡くして、祖父母も、親戚もいないから、一人で覚えていくの」
「はい」
「中学の時友達はできなかったの」
「はい」
「好きな女の子は」
「いない」
「じゃあ、市役所の方と相談するから、隼人君、蕎麦屋だけでないところで、いろんな人と会えるようにしましょう」
「そうしなきゃあいけないですか」
「修行するのよ」
「はい」
「漫画ぐらい読まないの」
「はい」
「図書館知ってる?」
「いえ」
「今度の休みに連れて行ってあげるわ」
「はい」
「ごめんね、お説教ばかりになっちゃった」
「そうですよ、僕はそんなにダメですか」
「違うの、君は素直すぎて、自分で決められないの」
「でも屋根御ない家は僕が見つけました」
「いったでしょ、それがいいことかどうかわかっていないでしょ」
「はい、あそこはだれでも使えるところです」
「だから君一人が勝手にすんじゃあだめなの」
「そう、でした」
「わかった」
「はい」
「もっと、いろいろ知ろうね」
「はい」
「蕎麦屋さんの休みの日は」
「まだ聞いていません」
「そう、じゃあ、明日お昼に行くから一緒に聞きましょう」
「はい」
智子は、隼人お家を出て、バス停でバスの時間を見たら、30分待ったら来そうなのでそのまま待つことにしました。30分間一人で立っていました。そういえば実家に帰ってないな。電車で1時間で、帰れるのに。今度の連休に帰ってみるか。この浴衣で、草履に履き替えてね。無駄な出費じゃあなかったかも。それにしても加奈子さんまだ泣いているの。10年たったのにな。あの事故以来交通事故なんてないもの。
駅行きのバス、夜勤の時に乗っているバスね。明日も早いからね。蹴ってゆっくりお風呂に入りましょう。
あの自動車スピード違反よ、わかっているのね、此処で張ってないよ、ナンバーは、メモしておきましょう。意味ないか。この道で交通事故はいらないよ。加奈子のためにも。
あーあ、洗濯物もたまっているわ、掃除もしなきゃあ。私こそ暮らさなきゃあね。
あーバスが来てる。
可奈子はステップをあがって、パスモをリーダーにかざした。そして席に向かって歩いている途中、杖を持った初老の男性を見かけました。
「降りたら自動車に気を付けてくださいね」
「はい、婦警さん。私は、鋼板の横尾病院にリハビリに通っている尾でいつも見かけて、大変だなと思っていたんです」
「そうですか」
「遅くまで、ありがとうございます」
「いいえ、お気を付けて」
「はい」
幸子八隻についたと種向けがして、起きたら駅についていた。幸子は慌ててバスを降りて、駅の改札に向かった。パンプス。ピンクだったのにな。
ホームに着いたとたん列車が滑るようにホームに入って止まった。幸子は開いたドアに吸い込まれる用意は言ってすぐ席に着いた。向かいの座席は半分埋まっていた。左から3ン番目のやつ、あいつやるな。寝てらんない。
その男の隣居た女性が急に立った。
あいつやったな。パンプスでよかった。幸子はバッグから手帳をだして男の前に立った。
「す、すみません、やってません」
「やりましたこの男」
「「ええ右手の場所がそこにあるでしょ」
カチャ。
「いいね、これを所轄に送っとくよ」
「はい」
「ドアが開いてもたってはいけませんよ、逃げきれないから」
「やってないってば」
「おおごえだしてもだめよ」
「もうみんなあなたの手を確認しましたよ」
「手がどうしたっていうんだ。切っちゃうのか」
「あなたの頭の中に聞いてごらん」
「おう、もっとやりたいってよ」
「そうでしょ」
「ありがとうございました。次の駅にもう所轄の方が来ています」
「はい、たって」
「おう」
「和憂いけど、はめとくよ」
幸子はバッグから手錠をだしておとこの手首にかけました。
あーあ、今晩帰れるのかな。
「網すぐ駅です、よろしくおねがいいします。駅員が来てますので」
「はい」
駅のホームについて電車が止まって、
「さあ、いくよ、ごめんあなたも、告訴してもらいたいので一緒にお願いします」
「はい」
「なんだ、糞女覚えてろ」
「それも記録に残りますよ、その一言で刑が1年伸びました」
「なんだ、糞女冤罪だ」
「あなたにも家族があるんでしょ、静かに」
「だまるか、俺は課長だ」
「それで」
「みんな俺の言うことをきくんだ」
「部長の命令は」
「それは絶対だ、すぐに部下にやらせる」
「あーあ、一番仕事のできないやつ、終わったな」
「とにかく駅についたのでおりますよ」
「お疲れ様です」
駅員と刑事が入ってきました。
「わたししょうにんになります」
「わたしも」
「わつぃも」
「私たちみんなよ、終わったな。くそオヤジ」
「みなさんありがとうございます。名刺をくばりまので、1時間たったらでんわください」
「はーい」
「ありがとうございます」
「橋本幸子です。五丁目団地の巡査です」
「お疲れ様です。西署の松本です」
「常習ですね」
「ええ、まちがいなく」
「なんだ、冤罪だ。弁護士を呼べ」
「わかりました。調書を取ったら手続きします」
「私は課長だ。所長ぐらい呼べ」
「ええ、一度お会いしましたね、講習会で」
「おう」
「やっぱり、土木課の方ですね」
「おう」
「え、そうですか、公園のベンチの安産は確保できてますか」
「なんだ」
「先日公園のベンチに10年住んでいた少年を保護しました」
「公園のベンチで生活なんかできるもんか」
「ご存じなかったんですね。知らなくてもよかったんですか」
「壊されたわけじゃあないだろ」
「ええ、利用していたんです。中学を出てから」
「っ五丁目交番といったな」
「ええ」
「あそこは、私の直轄の公園だ。知ってるよ」
「名前は」
「知らん」
「事情は聴きましたか」
「知らん」
「橋本さん」
「すみません、松本さん」
「その調書はとりますか」
「誰も告発しないでしょ、やりません」
「そうですか」
「パトカーで所に向かいます」
幸子は、これはもう、明日の時間にお風呂ねと思った。
あー明日早いのにな。
パトカーってこんな感じ
小男家族があるのに。
「公園の隼人君ね、家でご飯を食べていたのを忘れてたのよ」
「橋本さん」
「はいすみません」
「糞」
「やったよ」
「え」
「息子には知られたくない」
「後でゆっくり話しましょう」
「ああ」
パトカーの中は静まり返りました。
この道明るいわね。
街灯が新しい。
さすがに西署前。
とても明るいビル。
交番の腹の汗のにおいは、無いね。
早く帰ろう。
幸子さん、贅沢しすぎた罰ね。
と思った。
「お巡りさん、私いつまでいなければいけませんか、次終電だと思うんです」
「送りますから、1時間で済むと思います」
「はい」
1時間か、幸子はねむけをもよおしたので、コーヒーを飲もうと思った。
帰り、タクシー代、また出費ね。
幸子は今日一日を思い出していた。
隼人君のおかげで、めったにない、一日になったな。
今度加奈子さんにもあってみよう。
「橋本さん」
「はい」
「今の記録しておいてください」
「はい」
取り調べはスムーズに行きました。ただ余罪が多すぎるようで、後は松本さん委お願いしました。
午前2時。
幸子はようやく西署を出ました。
幸子はすぐにタクシーを拾って、自宅に向かいました。「東町5丁目バス停にお願いします」
「ずいぶん遅くまでお疲れ様、チケットですか、いいえ現金で」
「杯30分で着きますよ」
「はい、寝てたらたたき起こしてください」
「はい、ごゆっくり」
「着きましたよ。家の前まで行きますよ」
「はい、次を右に、その次を左に行って3件目です」
「はい」
「此処でいいですか」
「はい」
「お疲れですね」
「いいえ」
8000円ですが、東署に連絡してチケットにしてもらいますか」
「いいえ、管轄が別なんで」
「これで」
「浴衣を着てらっしゃるから、警官お方に見えませんでした。200円おつりです。お疲れ様です」
「ありがとう」
幸子はタクシーを降りて、家に帰って、パンプスを脱いで、
リビングのソファーに浴衣を脱ぎ捨てて裸になって、シャワーに向かいました。もう明日の夜明けね。
幸子はシャワーでぬれた髪をドライヤーで、さっと乾かして、おもわずそのままベッドに横になろうとしましたが、シャツを取りだしてそでを通して、バタンとて横になりました。
若くないね。
小鳥お声を聴いて目が覚めたら部屋はすっかり明るくなっていました。
カーテン開けっ放しで寝たんだ。まずい、支度を。
幸子さんは、窓を開けて、今日も暑くなるな、と思った。
あーぼさぼさの髪、ドレッサーに向かって髪を整えて歯を磨きました。隼人君歯ブラシ使ったかな。隼人君に会ってからなんだか一条が変わったな。でもいつも通りに過ごしていいわ。
幸子さんは朝食をとって、五丁目派出所に向かいました。
「はい、五丁目派出所です」
派出所に着いたとたん電話が鳴って制服に着替える前に受話器を取った。
「橋本巡査」
「はい」
「東署の松本です」
「はい」
「夕べのことを聞かせてください」
「ええ、緒とすみません、少し遅れたので、制服に着替えて折り返します」
「そうですか、徹夜でしたか」
「いいえ」
「ではお願いします」
東署の松本か、西署の松本ももう勤務の入ったかな。幸子さんは奥に戻って急いで征服に着替えました。
「松本さん」
「はい、昨夜電車で置換を捕まえたようですね」
「はい、西署に引き渡しました」
「君、時間外で出張だよ」
「あ、そういうことですね」
「報告書を整えてファックスしてください」
「はい」
余計なことをするといちいち面倒だな、午前中に駐輪所を回って蕎麦屋に寄ろうと思っていたんだけど、報告書か。
幸子さんはデスクから用紙を取り出して、髪を後ろに束ねました。
1時間かけてできた報告書をファックスして、電話で送信の連絡をいれて、これはファイルしておくものよね。幸子さんは、棚からファイリングを出して一番上に綴じました。
暫くしてまた、電話が鳴って、
「橋本さん、お疲れさま」
「ありがとうございます。松本さん」
「はい、そうなんですよ、西署の松本さんとよく間違えられるんですよ、ところで出張費と、経費は、次の給料の時での生産でいいですか、それとも受け取りにしますか」
「杯ご面倒ですが給料の時での清算で」
「w借りました。今後西署からこの兼で協力の依頼があると思いますので面倒化と思います月度報告をお願いいたします」
「はい」
幸子さんは、これで一段落ね。
さあ、幸子さんは派出所の前を箒で履き始めました。
そろそろお買い物の人が、来始めるね。少し騒々しくなってきたわ。静かな朝よ。
幸子さんは空を見上げて、
「おはよう」
と言って笑いました。
「おはようございます」
え、通りかかった小学生の女の子があいさつしてくれました。
「気を付けてね、お勉強楽しいよね」
「はい、行ってきます」
これから登校大遅刻ね。
「ありがとうございます」
お母さんがあいさつしてくれました。
「病院からですか」
「はい、」
「お気をつけて」
幸子さんは二人を見送りました。
商店街のほうから、自転車の音や、鳥の声が響いています。
幸子さんは、1時間かけて派出所の前を掃除しました。
ようやく目が覚めてきたな。
今日は、公園を抜けて、中学を通って一回りしよう。
「おはようございます」
「はい」
「よく眠れましたか、隼人君」
「はい」
「掃除からでいいですか」
「そうしてくれ」
「はい」
「あの、回転は、10時ですか」
「そうだよ」
「はい」
「隼人は急いで店の前を掃除して、今日は店の仲間でっ全部、放棄をかけて、雑巾がけをしました。
「隼人君、おはよう」
「おはようございます、純子さん」
「掃除、丁寧ね、店の中を履くときは、ちょっとだけ上呂で水をまいたほうがいいの、ホコリがたたないからテーブルが汚れないの」
「はい」
「テーブルと、椅子も雑巾がけしてね」
そういって、純子さんはタイムカードを押して、割烹着を羽織って、急いで。手を洗って、調理場に向かって、お湯を沸かしました。
夕べの片付けが終わってないわ。
純子さんは慌てて、洗い場に溜まったコップを洗い始めました。
「隼人君、掃除が終わったら、手を洗って割烹着を着て、テーブルのセットよ」
「はい」
いつの間にか、店の中に音楽が静か任枯れていました。
純子さんは洗ったコップをそろえて、お盆にのせて,水のサーバーにもっていって奈きちんと並べました」
「隼人君、サーバー、って言ったらコップがここにちゃんと並んでるか見て、亡くなっていたら洗ったコップを並べてね」
「はい」
「さあ、テーブルのお箸と、調味料を見て回りましょう。きちんとそろえて減っていたら補充するの」
「はい」
「がんばろうね」
「はい」
「あれ、タイムカード押した」
「え」
「あ、そうか、ご主人、隼人君はタイムカードいらないのですか」
「ああ、まだ見習いだから」
「はい」
「隼人君、今はいらないから、遅刻しないようにね」
「はい」
そろそろ開店です。
「いらしっやいませ」
「王、君いたか」
「はい」
「いつもの」
「冷や麦ですね」
「そうだよ」
「はいどうぞ」
隼人は見たとたんに、サーバーで水を汲んで持ってきていました。
「ありがとう、あー生き返った」
「死なないでください」
「ああ」
「冷や麦一つ」
隼人は厨房に叫びました。
厨房の窓口に着いたらすでに、冷や麦が出ていました」
純子さんは夜間から湯飲みにお茶を入れました。
「隼人君、これも一緒に」
「はい」
隼人穂本に冷や麦を乗せて湯飲みを置きました。
「お待たせしました」
「待ってたよ」
「一生待ってましたか」
「命がけなんだ。昼の冷や麦は」
「命を懸けて召し上がっていただいて光栄です」
「なんだ、主人みたいだな」
「いいえ、昨日入った丁稚です」
「そうかどこから入ったんだ。裏の壁を抜けて入りました」
「そうか面白い奴だな」
お客は大笑いしました。
「大立派な妖怪くん、ところで蕎麦は、十割りか」
「え、割っていません」
「では十割だな」
「だから、割りません」
じゅんこさんはあわてて
「家は二八です」
「そうでしたか一枚お願いします」
「人君もり、一枚っていれて」
「え、森の写真一枚ですか」
「この二もいの写真違いわかる。こっちがざるで、こっちがもり蕎麦」
「あ、蕎麦のことですね、ノリがあるのとないのとの違い」
「その違いもあるけどざるのつゆは、ザラメを入れて甘くしているの、もりはあまくないだしなの」
「そうでしたか」
「もり一枚」
装言ってカウンターに行くと、
しばらく待って
「はいもり一枚」
と言って蕎麦が出てきました」
「隼人君、もりのおつゆは蓋の無いお猪口。蓋のあるのはざるそば、チョコってチョコレートじゃあなくて入れ物の器の事」
「はい」
装返事して、隼人は蓋の無い尾をお盆にのせて運びました。
「お待たせしました」
「はい待ったよ」
「ごゆっくり」
「ああ、蕎麦が乾かないうちにすするよ」
「ありがとうございます」
「隼人君上出来よ、私が忘れてたわ、お客さんが食べ終わったらこのお湯を猪口に入れて出して、その時お茶を入れるから、そば茶ですと言って出してね」
「あーうまかった」
「はい、隼人君」
「隼人は蕎麦湯を猪口に入れて、純子さんが入れたそば茶をお盆にのせて運びました」
「蕎麦湯と、そば茶です」
「蕎麦がきは」
「はい、どうぞ」
純子さん慌てて出しました。
「ごゆっくり」
「ああ」
「お、もう休憩時間が終わるな、ビールがだめになった、食べ過ぎたかな」
「ごゆっくり」
「いやもうそろそろ戻らないと。
お客さんが出たとたんお店は、たくさん大客でいっぱいいなりました。
「隼人くん、これからが本番よ」
「はいじゅんこさん」
「いらっしゃいませ」
「いらっしゃいませ「
ありがとうございます」
「狐一、タヌキ二」
「お茶もお水も間に合いません」
「おい、百、水は自分でやるから」
「はい、すみません」
「アーうまかった」
「こっち冷や麦」
「はい冷や麦一つ」
「こっちは、かけ」
「はい、かけ一つ」
隼人はカウンターで冷麦とかけそばを取って持ち運びました」
ほかの席が空いてきました。
じゅんこさんもおちついたようです」
「いらっしゃい」
幸子さん。
「いらっしゃい」
「もり一枚」
「はい、もり一枚」
「公園の杜ですよ」
「お願い」
隼人はカウンターで受け取って運びました。
「昨日はありがとうございました。」
「うん」
「ごゆっくりどうぞ」
「うん」
「美味しいね」
「はい、昨夜練れた」
「はい、あ、採ってきます」
「蕎麦湯とそば茶に、蕎麦がきです」
「ありがとう」
「はい」
「がんばってね」
「はい」
「あ、ご主人」
「はい」
「いいですか」
「はい」
「こちらの今度の休みに、隼人君を図書化に案内したいんですが、次の休みはいつですか」
「今度の火曜日です」
「隼人君いい」
「はい」
「ごちそうさまでした」
「午前中に交番においで」
「はい」
幸子さんは交番に戻ってカレンダーに火曜日図書館とメモしました。
もうお昼も2時ね。これから一軒ずつ訪問して安全と詐欺被害防止の巡回ね。
さちこさんはデスクをかたづけて、留守と緊急連絡先のボードを立てて、ドアをあけたまま、あっと、奥の鍵はしっかりと、警棒は持った銃の安全装置は確認。球は大丈夫。
幸子さんはすたすたと自転車に向かって箱に、書類を入れて、えいと大股開き、でサドルに座って、スタンドを蹴ってペダルを踏みました。左右の確認よし、信号よし。
幸子さん、気合を入れました。
5丁目一の一からね。よし、チャイム。でてくれるかな。
「はい」
奥さんの声。
「警察の巡回です」
「はい待ってください」
「こちら、加藤さんですね」
「はい。ご家族3人で変わったことはないですね」
「はい」
「再起のレオレ鷺が多くなってるので気を付けてください」
「あったのよ」
「どうしましたか」
「すぐ切っちゃいました」
「不審なことがあったらすぐに110番してください」
「はい、お若いね、20代」
「はい」
「これから彼氏さんができたりして楽しいね、お仕事頑張ってください、これから回るの、五丁目は、戸建てだけど六丁目は団地だからかう階段大変ね、気をつけて」
「はい」
「おつかれさまです」
「ありがとうございました」
幸子は五丁目を一軒筒邸内に回ってみました。
空き家が一軒、個々の住人はどうなったんだろう。
隼人君の用意公園のベンチを不法占拠してないよね。
空き家蟻のメモをしておいた。表札は後藤。
幸子さんは五丁目をほぼ回り終わりました。
もう3時、急いで六丁目を回って終わろう。
幸子さんはパンプスにお疲れさまと言ってまた自転車のサドルに大股開きで乗った。
六丁目。
「ただいま」
「お蹴り」
もう小学生が帰ってくる時間、信号でしばらく、歩行者の安全指導ね。
グーン。パンパンパン。おい、信号無視、スマホで撮影。東署に送信。
「みんな子横断歩道を渡るときは、いきなり飛び場さないで、右と左を見て自動車が来てないのを見てね。おじい伊佐のばあさんが飛び出したらダメって言ってね」
「自動車がいけないんだ。破壊だよ」
「そうね。でもいい子は人のものは壊さないの」
「はい」
「大丈夫ですか」
「はい」
「じゃあてをあげてたてにならんでわたろう」
「はい」
「気を付けてね、バイバイ」
「バイバイ」
事故にならなくてよかったけど。
「はい、橋本です」
「東所松本です、橋本さん犯罪者を感知する能力があるんですか」
「盗難車です」
「スピード違反でしょ」
「はい」
「すぐに追跡開始しました」
「はい」
「お疲れ様」
「橋本さん応援入りませんか」
「はい、これから六丁目の訪問です」
「りょうかいしました。暑いので水を飲んで」
「はい」
橋本さんはまた大股開きで自転車の乗りました。
走ってると風を感じて気持ちいいね。
これから階段との戦い。コンビニで水を買っていこう。それと汗拭きシート。
最古参は交差点のそばのヤマザキデイリーショップに入って、水の冷蔵棚に向かう途中、アイスボックスを見て、やめておこう、今日は、水でいいと思って棚からキリキリに冷えた水のボトルを抱えて汗拭きシートを手に持ってレジに向かいました。
「えいらっしゃい。お疲れさまっす。暑いですね」
「ご主人も、いつも協力いただいてありがとうございます」
「500円です」
「はい、カードで」
「ありがとうございます。袋にまとめますよ」
「いいです。ポケットに入れるので」
「ありがとうございます」
幸子さんは、止めていた自転車を公園に向けて見上げました。この塔を一つずつ全部ね。
さいくぞ。
一番手前から、階段の郵便ボックスの異常なし。あきはないね。書類の名前と照合して変わってないことを確認しました。
自転車も不審なものはなし。
一件目。チャイムを押して、自分を名乗って、挨拶して以上の無いことを確認して、詐欺に注意といって、挨拶をする。これを繰り返す。このお階段はおばあさんの一人暮らしばかりね。幸子さんは、2時間かけて一等を終わらせました。五丁目と一棟、ここまでか。今日は夜勤と交代の20時まで、今日は寄り道なしで帰って、ちゃんと寝よう。
交番について、デスクに座ろうとしたら電話が鳴って「東署の松本です」
「はい、橋本です」
「見つけました。窃盗グループの大物です。30キロオーバーでした」
「良かった事故は起きなかったんですね」
「はい、送っていただいた画像がすべての決め手です」
「連日ありがとうございます」
「事故や窃盗の無い日が来ることを」
「無い日が来ることを」
「康少しで今日は上がります。お疲れさまでした」
「お疲れ様です」
今日はバスで帰るよ。幸子さんは制服からシャツにTシャツに着替えて、汗を拭いて、ボードを立てて、バス停に向かいました。
バス停の坂道に風が吹いています。
穏やかな五丁目。この光景が一番ね。
いつも見て言うのに、とても違った街にあったよ。
幸子さん、わすれていました。夕ご飯。
ばすんすわって、そうね、餃子かなと思ってるうちにうととうとしました。
さちこさん、あーあ、今日は、残り物で、緒とだけ立ち食いね。ゆっくりシャワーにしたいわ。
「ありがとうございました」
隼人は、これでやっとお客さんがいなくなった。
「純子さん、ありがとうございました」
「隼人君、覚えが早いね、明日も送れないでね」
「はい」
そういえば時計を見ていない。
8時これでお店を閉めるのかな」
「みんなおつかれさま」
奥からご主人が出てきました。
「夜勤のお願いしますよ、火の元と儀は気をつけて」
これからもまだ仕事あるんだ。
「隼人君はもう上がって」
「上がるってどこ」
「今日はもうこれで仕事は終わりよ」
「はい」
「お疲れ様」
「お疲れさまでした」
隼人は割烹着を脱いで、お見せを出ました」
夕ご飯、どうしよう。お金少しもらったからおい切り買って帰ろう」
隼人はコンビニに寄りました。
隼人は、コンビニの棚で、梅干し御おにぎりを買って、お茶のボトルを取って明日の朝、パ案と思ってパン御店でパンを一つ買った。500円で大丈夫かな、袋がいるんだ、飼っておこう。
一人でクラスのはお金がかかるな。
隼人はレジを済ませて夜の道に戻りました。
そういえばごみ袋会ったかな。
はやとは、まず、リビングのようすをかくにんすることにしました。
隼人は、幸子さんが暮れたボールペンで神居るものリストを作りました。
500円では収まらない。少しずつ、いるもののにしよう。
時計、うごいてない。電池がいるのか。じかんがわからないと遅刻してしまう。グランドのラジオたいそうをやってしたくすればまにあうだろう。
朝は大丈夫だけど今度の休みの火曜日、10時の約束、何とか間に合うようにしよう。
ラジオって、体操お音を出してるやつか。便利なんだろうな。
隼人は、家の戻って、
リビングに吸ってごみ袋のありそうなところを考えた。
キッチン流しのしたかな。
隼人は立ち上がって流しのドアを開けて中をのぞいた。
きれいにととのってちょうりきぐがあったがみたらない。引き出しか。
はやてゃ一つずつ引き出しを開けてみた。
ずいぶんじかんをかけてようやくごみ袋ににできそうなのをみつけてつかうことにした。
漸くおにぎりを開けていいな。
隼人は夕食を食べた。
そして隼人は、水シャワーを浴びて、タオルで体を吹いて、パジャマに着替えてベッドで寝ました。これが屋根のある家。あそこには母親がたっていたんだ。少し思い出したような気がする。
父は、仕事で家であまり見てないまま消えた。遠い土地で死んだらしい。
母はそのあとすぐに含意なって死んだんだ。中学3年の夏だったな。
母は、病院に行ったきりで、そしてどうなったのかは知らない。そして学校に行かなくなって公園に行ったらここがいい後思って住んだんだ。その時カラスが来て。
「お前もりの住人になるのか、鳴るなら俺の禹いうことは聞け、土江御食べろ」
と言って僕は土を食べたんだ」
カラスのやつそれから威張って、羽を落としていくんだ。
森の生活は、水もトイレもあって、食べ物はなんとかなったオデ、一日そとにいたので飽きなかったからいつの間にか長い間家に帰ら曖でいたんだ。そしてベンチに来た加奈子さんが、「お前便利そうだから、買ってやる」と言って僕を家に連れて行ってくれたんだ。「加奈子さんは、僕に買い物の仕方や料理の仕方を教えてくれた。あと体をあれとよく言ったな。
可奈子さんは、やっぱりきれいな人だったな。
装か、こんな時間に漫画家。電気つくのは、明日だって聞いた
少しは家でいろいろできるのかな。
ガスももう大丈夫らしい。
使ってみるか、明日。
隼人は、布団の中で眠れませんでした。
体はぐったり、疲れていたのに。目が覚めてしまいます。
明日ラジオ体操で起きよう。
隼人はふとんの中で、黒い影を見たような気がした。
森おベンチ。星も見えるよ。
やっと安心した。僕は森の中にいるんだ。
隼人は、この家で育った。
小学校ではかけっこが好きな元気な子だった。
友達もいたんだよ。
覚えてないの。
うん忘れちゃった。
いいの。
うん。詰まんない
そうなの。
いじめられなかったの。
いじめられてないよ。
泣いたの。
泣かないよ。
宿題はやったの。
やんないよ、明日御朝やる。
学校に遅れたらどうするの。大丈夫、給食には間に合うから。
給食は好き。
嫌い、美味しくない。
何が好き。
つつじの花の蜜。
虫みたい。
いいよ、虫は、飛べるしね。
隼人は、布団の中で子供になっていました。
時計は、あったはず目覚ましが、父さんが飼ってくれたんだ。熊のやつ。
うるさいぞ、眠いんだ。おこすな。
そうだ目覚まし時計とってこよう。
隼人はおきあがって、子供の頃寝ていた部屋に行って。時計を探しました。
あった。
動くかな。
動いてる。
持っていこう。
電池がいるんだ。
またお金を使う。
小遣い帖をつけよう。
隼人は布団に入って、目を閉じました。
また、森の空です。
空に星です。
お父さん。
元気だよ。
隼人は泣きました。
漸く眠った隼人
幸子さんとの約束、メモをしとこう。
夢の中でメモを取っていました。
漫画。読むんだな。
虫取りがいいや。
ともだちはいらない。
食べてれば大丈夫。
お父さん。
どうして来たの。
僕は元気だよ。
「良く寝るんだよ」
「うん」
「友達は大切だよ」
「そうなの」
「ボール遊び楽しかったろ」
「うん」
「じゃあ大切に真きゃあ」
「面倒くさいよ」
「面倒化、だったらやめとけ」
「やめないよ」
隼人はいつのまにかぐっすりねむりました。
「おはよう」
ラジオ体操だ。
「パパ行って来るね、友達とかけっこして帰るよ」
「自動車にきをつけるんだよ。虫取り網とかご」
「はーい」
「行ってらっしゃい、隼人」
隼人はグランドに走って向かいました。
「おはよう」
「おはよう」
「たいそうのあとむしとりだよ」
「イェーイ」
体操が始まりました。
ちゃんと2番までみないでできました。
「虫取りだ」
「イエーイ」
「ぼーるもけるぞ」
「やめまーす」
「かんけりにします」
「女子が鬼です」
「イエーイ」
隼人たちは広いグランドを駆け回りました。
「鬼が来た」
「にげろ」
「そこ隠れてるのか見えてるぞ、欠が」
「見るか」
「だしてみろ」
「はいてますよ」
「イエーイ」
隼人は驚いて目を覚ましました。
時計は、3時15分。
止まったままか、まだ暗いから夜だな、空を見たら東の空が、あかるくなっていない。まだ夜中だ。寝よう。
隼人は布団にくるまって眠りました。
小鳥の声が聞こえてきました。
また夢。
隼人は目を開けました。
明るい、朝だ、ラジオ体操終わったかな。
タンタカタンタンタン。体操の音だ。起きよう。
隼人は慌てて起きて着替えをして、昨夜買ったパンを食べてお茶を飲んで、葉を磨いて、どうしよう。今何時かな。10時開店だから、早く言って待っていてみてもいいんだ。
隼人は家を出て鍵をかけて忘れ物無し。
と言って出かけました。
働きに行くっていいな。
隼人の足取りは、軽いものでした。
隼人は店に着く前に交番に寄りました。
「幸子さん、おはようございます」
「おはよう」
「時計壊れちゃいました。止まったままです。10時がわからない」
「持っておいで」
「はい」
「がんばります。友達も作ります」
「そうね」
「図書館楽しみです」
「良かった」
「走ります」
「信号は守って飛び出さないのよ」
「はい」
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
幸子は、大きく深呼吸しました」
隼人君、時計がないと不便なんだ。わかってよかった。
幸子さんは、交番の前の掃除をゆっくり始めました。今日は、放置自転車を見て。6丁目の棟を回ろう。背中に汗が出てシャツがべたついています。あ、こんなところに100円。落とし物ン記録。小さな気づきが大きな犯罪をなくす。今日も一日始まりだ。
幸子さんは掃除を得て事務机に座って汗がひくのをを待ちました。
よし、そろそろ。水は買ってからにしよう。今日のお昼は、おい切りかな。
幸子さんは書類を用意して机にボードを立てて、自転車に大股開きで、サドルに座って、良しと言って、自転車をゆっくりスタートしました。
今日はまだ人影がないね。幸子さんは、コンビニによって、塩昆布棟目のおにぎりと水を買いました。
左京も階段とお戦いね。
幸子さんは6丁目の怪談をのぼって一軒筒、補油問しました。
「あ、おまわりさん、息子が電話で、お会社のお金を亡くしたって言ってきたところです、助けてあげてください」
「息子さんに間違いないですか」
「はい」
「ではでんわしますから、連絡先教えてください」
「一寸待って」
「ゆっくりでいいですよ、転ばないでね」
「これです」
「はい」
「幸子さんは、スマホで電話しました。
「もしもし、山田絹子さんの息子さんですか、五丁目派出所の橋本と言います」
「はい、何か母がしましたか」
「いえ、先ほど会社のお金を亡くしたと電話されましたか」
「いいえ」
「だいじょうぶですね」
「はい」
「オレオレ詐欺の電話でした、お母さんと確認の合言葉家内か決めておいてください」
「はい」
「一応、東署にも通報しておきますので気を付けてください」
「はい、お世話になります」
「おばあちゃん、息子さん大丈夫です、だまされるところでしたよ、また電話があったらすぐに、ここにでんわください」
と言って名刺を渡しました。
「おばあちゃん、20分ぐらい後にまた来るから、電話が来たら、あいてのなまえをきいてください」
幸子さんは東署に電話しました。
「五丁目派出所の、橋本です」
「はい、東署松元です、お疲れ様」
「松本さん戸別訪問中の6丁目の山田絹子さん宅に御レオレ詐欺が先ほどかかったようですので、注意して経過を見ています」
「はい、それは東署で預かります、すぐ向かいます」
「よろしくお願いします」
「もしもし、どなた」
「お母さん急いで50万貸して、同僚の人にあずかりに行ってもらうから」
「うちに来るの」
「うん」
「家は嫌よ、支所前にして1時間頂戴」
「おばあさん、詐欺ですね」
「はい1時間後に支所前に来ます」
「はい」
「幸子は松本さん御ケータイに連絡しました。
「もしもし」
「はい、松本です」
「一時間後に受け古賀支所前に来るようです」
「山田さんと、いてください、制服は着替えて」
「はい」
幸子さん、今日もまた事件です。
「おばあちゃん、鋼板の近くだから一緒に行ってましょう」
「はい、ちょっと着替えて洗濯を干していいですか」
「はい、ゆっくり」
「50万って言いました」
「それはいりませんよ」
「大丈夫でしょうか」
「はい」
幸子さんは玄関先で、おばあさんお支度が住むのを待ちました。今11時30分、1時まで、1時間30分、途中公園のベンチでおばあさんとおい切りを食べましょう。6丁目の記録は今日はこれまでね、書類を収めました。
しばらく待っているとおばあさんは、明るいシャツに、赤いトレーナーのズボンをはいて出てきました。
「おばあさん素敵よ、ナイス」
「あら、当たり前よ」
「おばあさん、お腹すきませんか」
「ええ少し」
「公園のベンチで、おにぎりを食べましょう」
「これから、握るの」
「コンビニで買ったのがあるんです。でもお水はいppンです」
「それなら私は水稲を持ってくるから待っててね」
「はい」
「おばあさん、会う人の格好は、聞きましたか」
「いえ、でも同僚と言ってたから多分背広を着た人よ」
「もしかしたら、また連絡があるかもしれません、ケータイですか」
「はい」
「それなら忘れないように持っていきましょう」
「あ、そうね、採ってきます」
「ゆっくりでいいですよ、水稲とケータイです」
「はい」
おばさんは。とことこ出てきました。
「いいですえ」
「はい」
「くつはすにーかーでいいですよね」
「はい、ばっちりです」
「行きましょう、婦警さん」
「はい、甲斐田にゅっくりきをつけて」
「はい」
二人は公園のベンチでおにぎりをゆっくり食べて、交番にむかいました。
「おばあさん、私も私服に着替えます、東署の刑事が来益男で安心してください」
そして、
「まあかわいい」
「はい、すみませんこれがいつもの服なんで」
「あなた高校生の女お子みたいよ」
「では、虚王はおばあさんお孫ですね、うけとるひとがきたら」、お父さん大丈夫って聞いてもます」
「支所に着いたら、すでに、松元さんが来ていました。
「あいては、サラリーマンの格好らしいです」
「私は離れてみています」
「はい、合図は右手を上げます」
「おばあさん、横瀬と言われたらこの袋を渡してください」
「はい」
1時になりました。
「絹子さんですね」
「はい」
「山田君の同僚です」
「あの、お父さん大丈夫ですか」
「オジサンが預かって帰るから大丈夫ですよ。お母さん安心してください、預かります」
「こちらです」
「みていいですか」
「どうぞ」
幸子さんは明るく答えました。
「確かに」
装言った途端幸子さんは右手を上げました。
「では、確かに預かりました」
班員が、立ち去ろうとした時、松元さんがやってきて、
「山田さんのお知り合いですか」
と言って止めました。
「会話は録音しています」
幸子さんはそういいました。
「いいですか一寸東署で事情をお聞きしたいのですが」
といった途端犯人は走って逃げたので、幸子さんは、足を出してひっかけました。
「いてー」
ロビーに火響いた声で、支所の人が集まってきました。
「まつもとさんは。
「だいじょうぶですか」
「いてーよ」
「皆さん東署の松本です。ちょっと事情聴取宇宙に転んだんで」
支所の様子は落ち着きました。幸子は。
「ごめん」とちいさいこえでいいました。
「とりあえず病院に運びますので」
と言って松本さんは男を背負いました。病院で検査しましたが、打撲だけで異常はありませんでした」としばらくして、松本さんは手錠をかけて戻ってきました。パトカーが来るので二人も同行お願いします。
「はい」
「では、行きましょう」
東署では、幸子さんに報告書で経過をまとめるよう言われ、山田さんには被害届の提出を求められ、取り調べが行われました。松本さんは、詐欺の元締めが出てこない、とぼやいていました。
「婦警さん、助かりました。今度息子と交番にお礼言うかがいます」
「息子さん50ぐらいですか」
「はい」
「いい男ですか」
「いいとおもいますよ」
「はい、事前に連絡ください。でかけてるかもしれませんから、ご連絡があったらその日は化粧して待っています」
「婦警さん、素肌がきれいですよ」
「はい、毎日焼いてますから」
「雪のように白い肌ですよ」
「だといいんですが」
「警察署って、静かですね、マツケンさんぐらい流してたらいいのに、捕物でしょ」
「そうですね、署長さん、どう思うでしょうか」
「私署長さんに,言ってみるわ」
「そうですね」
「ありがとうございました。ようやく、詐欺の玉にたどり着きそうな番号がケータイから出ました」
「所長の上田です」
「あら署長さん、マツケンはだめですか」
「いいです、マツケンサンバ」
「そうですよ、捕物ですから」
「今日はご協力ありがとうございました。
お帰りは、普通の車両でお送りします。
「パトカーじゃあないんですね」
「はい」
「パトカーって乗り心地いいんですね、さすがい御回り差の車」
「はい」
「おばさん、そろそろかえりましょう」
幸子さんは、にがわらいしていました。
東署を出たrもう夕方でした。カラスが飛んでます。
「山田さん、お疲れ様」
「いいえ」
「ついたらそばを食べに行きましょう」
「いらっしゃいませ」
「もりでいいですか」
「はい」
「てんぷらをつけましょう」
「はい」
「もり二つに天ぷら立つ」
「森二つ、天ぷら二つ」
「あら、隼人君」
「はい」
「山田さん知ってるんですか」
「息子の同級生で、おかあさんとなかよしだったんです。お母さんがんで亡くなって」
「はい、おみずどうぞ」
「ありがとう」
「幸子さん今日はもう仕事は終わったんですね」
「うん」
「時計、これです」
「電池買えたら」
「はい」
「おまちどうさま」
「盛りとてんぷらです。ごゆっくり」
「ありがとう」
「二人は、ゆっくりとtべました。
「山田さん暗くなって生みません」
「いいえ」
「おくります」
「いいのよ、買いも尾をして帰るから」
「でも」
「いいのよ」
「気を付けてください」
気が付いたらもう8時。
一日が長いな。
早智子さん、今日も事件解決しました。
あしたはちゃんとまわろう。
「では山田さん此処で」
「ありがとう」
「では」
山田さんは、スーパーがもうしまっていたので、仕方ないねと持ってコンビ委で総菜を買って明日の食事の準備をしました。
早智子さん、汗が挽かないのでtシャツを脱いで、汗拭きシートで体を吹いて、きがえました。バスの時間はまだ大丈夫。今日は夜勤が9時に来るからもう少し待ってよう。うらの部屋で、テレビをつけてみていましたら、大物詐欺グループが東京で捕まったニュースで盛り上がっていました。
くそ、今日おやつは、痴愚グループか。凍団地で詐欺はできないぞ。さちこがいるから。
幸子さん、連日の事件で、ちょっと、落ち着かないようです。
明日はちゃんと階段を回ろう。
「お疲れ様です」
「お疲れ様」
「幸子さん、今日詐欺犯、つかめたんだって。私も見回りで注意を呼びかけます。」
「ええ、前川さん」
「幸子さん、すぐ勤務に入るから」
「ええ、忘れてた、今日の日報を描いて帰ります」
「はい」
幸子さんはテレビを消して、日報を描きました。
気が付いたらもう10時です。幸子さんは慌てて、バス停に向かいました。
今日は痴漢はないよね。
バスでまたこっくりして、駅に着いたら電車が来たので慌てて改札を通ってホームにかけっていきました。
幸子さんは開いたドアに吸い込まれるように電車に飛び乗りました。
バタン。座って前を見たらサラリーマンが寝てました。その隣御男がかばんに手を入れてるではないですか。
幸子さん、スマホでカシャ。西署の松本さんに送信。
幸子さんは少しは離れたところで。
「もしもし松本さん今乗ってる電車で刷りです」
「すぐ駅に向かいます」
「よろしくお願いします」
幸子さん、今日も夜中の帰宅になりそうです。
駅に着くと、松本さんが来て、男の手を押さえて現行犯逮捕。
「橋本さん、ありがとう、連日で申し訳ない東署に」
「はい」
幸子さんはため息をつきました。
幸子さんは、電車で見た状況と映した動画を松本さん委送り、それをもとに松本さんは正式な令状を取って、犯人の取り調べを始めました。班員は30代ぐらいの、少し男前のここに置いとくのはもったいない人でした。あれは持てるだろうな。働いてないのかな。もしかして、ベンチ暮らしじゃあないよね。あれはお坊ちゃまだし、隼人君の同級生じゃあないよね、同級生だと詐欺犯の事ぐらいしってるかも。
「あの、もしかして、山田って同級生いる」
「それがどうした」
「橋本さん取り調べはこれからですから」
「はい、五丁目の隼人くんは」
「同級生にいたよ」
「じゃあ、山田君今日たいへんだったのよ」
「そうらしいな、詐欺にあったそうじゃないか」
「知ってるの」
「あ、知らないよ」
「松本さん、西署の松本さんに連絡します」
「橋本さん、別件ででなにか」
「ええ」
「でも、擦りの取り調べを先にしますよ」
「はい」
幸子さんは、西署を出て、
「もしもし松本さん、はしもとです。買えりの電車で、スリの犯人を東署の松本さんにつかまえてもらって、もしかしたらと思って聞いたら今日お詐欺のことを知っているの、これからすりの取り調べです」
「橋本さん、またとんでもないことを、所長を通して操作します」
お願いします。
「この報告書もしたすぐに送ってください」
「はい」
幸子さんは、明日も朝市で報告書か。
緒夫日常が戻る日はいつなのよ。
ほとんど部屋にいないわ。
幸子さんは、石所に戻って、
机に座っていた、松本さんに
「石所の松本さんに報告しました、今日、私の交番の担当地区で詐欺があったオデその事情も知ってそうなので、お邪魔捨てすみません」
「橋本さん、本当に交番勤務なの」
「はい」
「現場の仕事か」
「はい」
「がんばって、きょうはもういいよ」
「はい、よろしくお願いします」
幸子さんは急いで駅に戻って電車を待ちました。
20分で電車履きました。
幸子さんは、もう入り口で立って外を見てるわ。
窓から暗い街に、窓の光屋根をンの光が流れていくのを眺めていました。
ガタ。
鈍い音が後ろから響きました。
振り返っていると寝ぼけたおじいさんが荷物を落とした湯です。
転ぶな。魏こと稲木拾おうとしてるので幸子さんは歩いて行って、
「おじいさん危ない、ひろってあげるからいい」
「ああ」
幸子さんは床の荷物を拾って、おじいさんの膝の上に載せました。
「ありがとう大事なものだったんだ。今日は特に」
「気を付けてね」
「ああ、これは仏様なんだ」
「え」
「ようやく手に入れた、仏像なんだ、見るかい」
「ごめん、見ない」
「残念だな、やっと帰ってきたんだ」
「盗品」
「そう盗まれてたやつ、ようやく見つけて取り返したんだ」
「盗んだ人、捕まえなくてもいいよね」
「ああ、いずれ捕まるだろう」
「気を付けてくださいね」
「はい」
「答案届は出てたんですか」
「あんた、おまわりか」
「ええ」
「これは私がしくじって盗まれたんでいいんだ。一世の価値もない奴だから、そういうとみたいでしょ」
「いいですよ、見ません」
「そうですか、一線の価値もない仏像なんて珍しいんだよ」
幸子さんはしまった、と思った。この人見ないと終わらないのかな。
「仏ですか」
「はい、しかもも価値のない奴です」
「見ましょう」
「これですよ」
「え、」
「はい、顔の無い仏様です」
「ありがとうございました」
「お巡りさん、顔がないんですよ」
「次織りますのでありがとうございましtz」
幸子さんは駅に着いた戸谷飛び出しました。
あれ、臭いな。かかわるとやばい奴。
幸子さんはゆっくり改札を出て家に向かいました。
やっと着いた。
まずシャワーね、幸子さんは、バスルームの前で真っ裸になって、大きくっ背伸びをしました。
幸子さんは、ゆっくりシャワーを楽しみました。
たっぷり時間をかけてすっきりした幸子さんは、タオルを羽織ったまま髪を乾かしてキッチン委向かって少し食べてもいいね。と言って、軽く野菜とパンを食べて歯を磨きました。
あの仏像、元から盗品だったものね。かかわるとまた帰れなかったわ。
碧のおじいさん、何者。
いいわ、ゆっくりねよう。
午前2時、まだゆっくりねむれるわ。
幸子さんはベッドに大の字で寝て。すぐに目を閉じて眠りにつきました。
今日も報告書がいるのね。
そのあと、山田さんを訪ねて、訪問、再開ね。
いいわ。
ふう。
え、遅刻。
部屋の中が真っ白でした。
幸子さんは慌てて時計を見ると、6時でした。もう30分寝てよう。
あ、体操やっちゃえ。幸子さんは別途から立ち上がって、ラジオ体操を2番まできっちりやりました。
あー汗を描いちゃった。幸子さんは真っ裸になって車w-に向かって、汗を流しました。
幸子さんはバスタオルを羽織って髪を乾かして、お湯を沸かして牛乳を冷蔵庫から取り出して、サラダとチーズを皿にのせて、トーストをトースターで焼きました。マーガリンと、イチジクのジャムを皿において、さちこさんはテレビをつけて、ニュースを見ました。詐欺集団の検挙がさっき会ったみたいです。山田さんの息子さんも見ているかな。いい男だよね。幸子さんは思わず、ガハハハハハと笑ってしまいました。食事を済ませた早智子さんは、ノースリーブの白いワンピースン位着替えました。幸子さんは、ぺったんこの傷だらけのパンプスか、しょうがないな。昨日のようなことがあったらズボンなのに、今日一日制服で過ごすからいいわ。
幸子さんは、支度を済ませて、駅に向かいました。
朝の電車は、座席はもういっぱいでした。
幸子さんは、吊革につかまって目の前に広がる街の様子を名がっめていました。
今日も始まりだ。
幸子さん御顔はにやけていました。
石所を通り過ぎると、スマホが鳴りました。
松本さんか、どっちかの。
着信を見ると山田さんからでした。
今日来てしまうの。
幸子さん化粧を持ってこなかった。しまった、と思いました。
幸子さんは、電車を降りて改札を抜けてバス停に向かう途中であわてて、山田さんに電話を折り返しました。
「あ婦警さん」
「はい」
「ニュースで見ました、捕まったようですね」
「山田さん、ありがとうございます。今日来るんですか」
「はい」
「今日は、そのことであわてていますので、後日でお願いします」
「はい、でもちょっとだけ伺います。息子も会社は今日は遅くてもいいと言ってますので」
「では11時すぐにお願いします。遅いですか」
「大丈夫です、では11時に」
「はい」
幸子さんは、バス停で、冷や汗を吹きました。
15分でバスが来たので幸子さんはステップをあげって、席に座りました。
今日か、もう電話が鳴ってるんだろうな、報告書がまだなのに。まだまだ、おちっつかあいな。
パンプス、ぺったんこよ。
幸子さんはじっと足元を眺めていました。
小学校から子供たち御声が聞こえています。
何とか間に合ったな。
幸子さんはバス停で降りて駆け足で向いました。
幸子さんは交番に着いてすぐ制服に着替えて、席に着こうとした時、
「もしもし、橋本さん、昨夜のスリ、おおものだったよ」
「はい」
「すぐに、警視庁に連絡したら」
「はい、ニュースのことですね」
「ええ、彼を見つけないとできないことでした」
「はい」
「至急、報告書を」
「はい」
幸子さんはあデスクから用紙を出して、1時間かけて報告書を書いて、東署にファックスを入れました。
「橋本さん、お疲れ様、今度は、本庁扱いだけど、お手数だが、経費と出張費は、生産書類を必ず提出してください」
「はい」
やばい、お金かかるのか。幸子さんは、パンプスをじっと見ました。
あれ、もう11時。
化粧ぐらいしなきゃあ。忘れたんだ。しょうがない。今回も縁なさそうだな。
「今日は、婦警さん、大手柄でしょ」
「いいえ、何も」
「息子の剛です」
「はい」
「おはようございます」
いい男ね。
「昨日はお世話になりました」
「いいえ」
「早速合言葉を決めました」
「誕生日は」
「です」
「良かった、気を付けてください、歩道をゆっくり歩いて、電車で居眠りしたら、スリにあってしまいます」
「はい」
「良かった、いい男で」
「はい」
「いい男」
「奇麗な方ですね」
「はい」
「また今度食事でも、お礼に」
「え」
「食事の誘いです」
「はい、蕎麦」
「はい」
「いつ」
「明日日曜ですから」
「やったー」
「はい」
二人は見つめ合って大笑いです。
幸子さん
「笑いすぎました。すみません」
「いえ、私は、教育関係御出版社につとめてるので」
「はい」
「一応、普通の社会人です」
「はいわたしももう、30後半ですが、よろしくお願いします。あの、お付き合いさせていただいていいのですか」
「婦警さん、一人息子です。私の目の黒いうちにちゃんと、嫁を貰います。合格ラインは非常に高いですよ」
「はい、心して」
「では、明日いいですか」
「はい、昼の休み時間で」
「明日もお仕事ですか」
「はい、明日も早番です」
「いいですか、12時くらいに伺って」
「はい、お願いします」
「お母さん今日はこれくらいで」
「そうですね、また明日」
「よろしくお願いします」
時計を見たら、アットもいました。次男火曜日が隼人君と図書館、その前の日曜が山田剛さんと食事、隼人君お時計は乾電池、持っていこう。あとで。もう12時、またコンビニサラダとお握りね。水は二つ。
幸子さんはスーパーに向かいました。
スーパーお前の広場は人であふれていました。
危ないな子どものキックボードと車椅子が並んでるよ。
一寸交通整理ね。
はい。
模擬通行オーライ左は止まれ前は動くな。
幸子さんまた汗をかいています。
15分ほどで広場は落ち着きました。
幸子さんはスパーでおかかと昆布のおにぎりと、サラダと水2本買って交番に戻ろいました。
1時には出たいね。早く食べよう。
幸子さんは、お握りにかぶりついて、のどに詰まったので慌てて水を飲みました。
サラダも箸で我がぶっと食べました。
お握りは、神様が暮れた喜びの時間ね。
食べ終えた幸子さんはしっかり歯を磨きました。
1時。
さあ忘れ物内容に準備。
書類をそろえて、デスクにボードを立てて、パンプスをにらみました。
幸子さんは、大股開きでサドルに乗ってスタンドを蹴って自転車を発射しました。
6丁目の階段、今日のうちに制覇するよ。
「こにちわ」
「はい」
「交番の橋本と言います」
「はい、有名な、山田さんの息子御彼女ですね」
「ええ、まあ」
早いな、さっきお付き合いが始まったばかりよ。この階段は情報がはやいので大丈夫ね。
「いつもの確認です、変わったことはないですか」
「あら、無言電話がよくかかるの。詐欺だから、気にしないわ」
「はい、気を付けてください。歩道を歩くときは、子供のスケートボード、自転車に気を付けてください」
「はい」
「では、ありがとうございました」
幸子さんは一気に5階まで行って、10軒、すべてチャイム禹押して7割安全を確認しました。幸子さんは隣の怪談にすぐ行って、4軒目の家で、「助けて」といわれて、ドアが開いたらものすごく暑い家でした。
「おばあさん気分が悪いの」
「はい」
「エアコンをすぐつけて梅干をなめて水を飲んで」
「ええ」
ダメだ、これは救急車だ。
幸子さんはすぐに救急を呼びました。
20分で救急が来て、おばあさんを搬送してもらって、鍵をかけて、記録を付けました。
そのあとは、滞りなく。3号棟をすべて回りました。
幸子さんは、御赤好いたな、と思いました。
隼人君、行ってみるか。
幸子さんは書類を収めて、サドルに大股開きで座って、スタンドを蹴って自転車のペダルを踏んで坂を上りました。
幸子さん、汗が額から流れて、目に染みてきました。
えいもう。さちこさんは、水をがぶ飲みしました。
幸子さんは、自転車を押して、グランドのベンチの木陰で一休みしました。
今日はだれも出てこないね。熱中症、アラーム。
タオルのハンカチで幸子さんは頭から、体を拭きました。
セミが鳴いています。
このまあ寝ちゃうかも。
いい木陰ね。
隼人君此処で寝てたのね。
松本さん、やっぱり、気になるな。
山田さんどうしよう。
いいおとこだけど。
あのささやきおばあさん。
やめとくか。
松本さんで行くか。
幸子さん、もう一度水をがぶ飲みしました。
幸子さんは、もう一度汗を拭いて。
「えい」
大股開きでサドルに座りました。
幸子さん、
「まぶしい」
「いいわ、松本さんで」
「夜に出合った人だから、山田さんは、無理」
幸子さん、スタンドを蹴って、軽快に走りました。
グランドには、野球をやってる、いい男が沢山。
これでいいわ。
私まだ自由よ。
そうね。贅沢もいいわ。
隼人君の時計も見なくちゃあ。
仕事がんばるぞ、五丁目鋼板は守り抜いてやる。
「えい」
「えい」
「おー」
「えい」
「えい」
「おー」
幸子さん自転車で風を切って進みました。
商店街は、もうすでに、にぎわっていました。
杖を突いた老人が、きょろきょろしていました。
空き巣はしないよね。万引きしたの。
「おじいさん」
「は、はい」
「あ歩合から手を引いてあげるよ」
「はい」
おじいさんはポケットを触りました。
見える。
「おじいさん、お弁当買ったのね」
「はい、はい」
「いくら」
「半額だったから」
「いくら払ったの」
「サー、ぼけたの」
「覚えていないの」
「ええ」
「どこでしたか」
「さー」
「レシートは」
「内科の」
「ポケットから出してみて」
「はい」
「これ500円、半額ではないよ」
「そうでしたか」
「払ってないよね」
「払ったと思ったけど」
「そこのスーパーのでしょ」
「そうだったかな」
「いってみましょう」
「はい」
幸子さんはスーパーで店長と事務所に連れて行って、やっぱり会計してないことがわかりました。
「店長どうします」
「おじいさんだめでしょ、どうしてとったの」
「半額だったから」
「ちゃんとレジに行ってよ」
「払ったと思ったんだ。財布を出そうと思って、外に出たんだ」
「今払うの」
「はい」
「ということですから、今回は注意で終わります」
幸子さんはほっとしました。
「おじいさん、ちゃんとレジで払ってから店を出ようね」
「ポケットから銭を出したから払ったと思たんだ」
「じゃあ、かみをもらったかどうかたしかめて」
「尻を拭く、髪か」
「いいえ、おつりが書いてある紙よ」
「ああ、気をつけよう、わしは捕まるのか」
「いいえ、ちゃんと払ったから大丈夫なの」
「あんたいい手をしてるな」
「ええ」
「わしのところの嫁にこんか」
「いいえ、もう決まっています」
「そうか」
「はい」
「残念じゃの」
「おじいさん、一人で帰れるの」
「ああ、7丁目に60年、すんでるから」
「奥さんは」
「いたけどな、おらん」
「かいだんまでごいっしょするわ」
「ありがとう」
「行くよ」
幸子さんは7丁目までゆっくり歩きました。
「おじいさん、ここ」
「ああ」
「階段ね」
「ああ」
「一人で大丈夫」
「ああ」
「じゃあ、ここで」
「ああ、嫁にこんかの」
「もう、売れてます」
「レジでお金払ったんだな、髪を持っとる」
「そうですよ」
「おじいさん水を飲んでね」
「ああ、井戸水」
「そうよ」
幸子さんはようやくお昼が食べれそうです。
ゆっくり商店街に歩いて蹴りました。
歩くとグランドは粉に熱いのね。
気持ちいいわ。
幸子さんは蕎麦屋にむかいまいた。
「いらっしゃいませ」
「隼人君、もり、一枚」
「はいもり、一枚」
隼人派、カウンターで、受け取って、お茶をおぼんにのせて、
「お待たせしました」
「ありがとう」
幸子さんはようやく食事をしました。
「あー生き返った」
「死んでいましたか」。
「うん、さっきまで、すっかりあの世にいたわ」
「お帰りなさい」
「はい、ただいま」
「今度のお出かけは」
「歌謡の10時に図書館よ」
「はい、時計は電池を入れると動きました」
「出来たのね」
「はい」
「よろしくね」
「楽しみです」
「楽しみができた」
「はい」
隼人君は、カウンターで蕎麦湯とそば茶を用意して、
「蕎麦湯とそば茶と蕎麦がき、幸子さんどうぞ」
「はい、美しい」
「美しいって幸子さんの事でしょ」
「美しいって、このお茶と、蕎麦湯と蕎麦掻の事よ」
「あなたやたらと女性に美しいって言ったら軽くみられるよ、よくみてごらん、何も飾り気のない蕎麦の姿よ、なんて美しいんでしょう。涙が出るわ」
「涙ですか」
「そうよ、美しくて、心がとても満たされて、涙が出るの」
隼人はじっと、テーブルの上を見つめました」
「いつもと変わりません」
「そうよいつもと変わらない同じ素敵な蕎麦をご主人は守って作っているの」
「はい」
「とてもいいお昼になったわ、ありがとう」
「はい」
「じゃあ、今度の火曜日にここ五迎えに来るよ」
「はい」
「隼人君夕飯は食べてるお」
「はい、お風呂も使えるようになりました」
「そう、気を付けてね」
「はい」
「じゃあ、また」
「はい」
幸子さん、交番に戻って、書類を整理して、後50軒は回らなければ、と持った。
寝中小の人をつけなければ、幸子さん、大股開きでサドルに座って、
「いくぞー」と気合を入れて、スタンドを蹴って、6丁目の団地委向かいました。
幸子さんは、20度目の階段を昇っていきました。あともう一本水のペットボトルがいるな。
汗びっしょりでした。
「はい、ちょっとまってください」
「おじいさんの声でした」
「交番の橋本です、いつもの巡回です」
「はい」
ドアが開いたら初老のおじさんが杖で立ってました。
「大丈夫ですか」
「杯お疲れ様」
「変わったことはないですね」
「ええ、死体を見たぐらいです」
「したいですか」
「ええ」
「カラスがネズミを食べていました、グランドの大事件でした」
「猫はいませんでしたか」
「そういえば、最近見かけなくなりました。ネコは行方不明です」
「とどけでしますか」
「いえ、名前も知りません」
「他には」
「最近詐欺があったようですね、あなた大活躍だったんでしょ、知り合いが嫁に来てくれといったらもう売れてるといったそうですね」
「杯売約済みです」
「それはおめでとうございます。ちゃんと正札どおりでしたか」
「いえ、パーセント増しました」
「いやーおめでとう」
「買い手は、警察官です」
「そうですか」
「でもあまり聞いたと。わないでください」
「他にいですね」
「はい」
「部屋を涼しくしてください水もちゃんと飲んで」
「でも近くなるから」
「出したら飲んで」
「はい」
「気を付けてください」
幸子さん、夕方まで回って2棟終わりました。
もう夕方ね要はここまで、今日は遅番と交代するまでいなきゃあ。
パンでも買って帰ろう。
幸子さんはコンビニに寄りました。
ふう、涼しい。
「いらっしゃいまえせ」
「熱いね」
「あせかきっぱなしすよ」
「元気ですね」
「今日も階段ですか」
「ええ」
「お疲れ様っす」
「団地静かですね」
「アイスが間に合わなくって」
「今日、寝中小の人がいたから、本当は水を配っておきたいな」
「いいすよ、提供します」
「支所と相談します。本当にいいですか」
「もちろん、10000本ですか」
「そなにいませんから」
「大丈夫っす」
「助かります」
「じゃあ、焼き立てメロンパンも」
「はい」
「ありがとうございます」
「どうもっす」
幸子さん明日からも大変な仕事ができたようです。
幸子さんは、交番に戻って、裏に入って、制服を脱いで体をタオルで拭きました。
足。大丈夫。素足でもまだいけそう。しばらくそのまま椅子に座って、外を眺めていました。蝉の合唱が、団地御空に響いてるね。どうしよう、ヤマザキのご主人お琴支所に相談して大丈夫かな。
うん、市民の命を守ることだから職務でいいわ。
幸子さんは、制服を着て支所の市民課で、
「見回りと水の配布をヤマザキのご主人の行為でやってみたいけど、市として大丈夫ですか」
「問題かな、前例がないことだから、寄付ということでいいのかな、私も言って聞いておきます」
「はい、お願いします問題ないなら、連絡ください」
あれ、これって東署の所長の了解がいるのかな。
さちこさんはとりあえず、庶務課に連絡を入れました。
「支所の見解がわかったら所長の了解を取ります。応援がいりそうですね」
「いいえ通常業務でやります」
「そうですか、暑い時ですから自分が倒れないでください。お巡りさんがいることが大事なんですから」
「はい」
幸子さんは、ようやくお昼のパンと水を飲みました。
もう16時。
子ども達の声が響いてる。
やったー。
あと一仕事。
幸子さんは、机の上に広げた書類を整理してファイルしてろかーの棚に置きました。そして日報を描いているとき、毎日が事件。どういうこと。安全な市民生活は守られなくてはいけないのよ。もしかして私は事件を作っているのかな。作っているな、怪しいぞ。厄払いに神社にでも行ってこようか。幸子さんは、ふう、と肩で息を吸って、外に出ました。風が心地いな。もう、暗くなっている。カラスがトンビに追われている。そういえば、鷹がいるらしい。子供の安全を守らなければ、鷹のか。
とりあえず神社に行って来よう。幸子さんが参道に入ると、社殿のほうに人影が見えて、賽銭箱をのぞいていました。怪しい。とりあえずスマホで撮影。防犯カメラはあるはずだけど。
ゆっくり近づくと、男は箱をゆすって小銭を取り出そうとしています。
幸子さんは思わず男にとびかかって取り押さえました。
「今、盗もうとしたね」
「わかった」
「私がこれから100円入れてお祈りするところだったのに、100円損したね」
「あーしまった、拝んでくれよ」
「緒音交番までおいで、お金がいるの」
「ああ5日も食ってない」
「それなら、ゆっくり話を聴くから」
「あんた御回り」
「そうよ」
と言って幸子さんは手帳を見せました。
「コスプレじゃあないんだな、若くて美人だから、コスプレ女子化と思った」
「それで、来るの」
「はい」
「では、縄を腰にかけるから、暴れないでね、痛い目にあわせたくないから」
と幸子さんは、落ちていた枯れ枝をけり上げました。
「はい」
交番に着くと幸子さんは東署の松本さんに電話を入れて、
「現行犯です、再選泥棒を押さえました」
「お疲れ様です。いま、手が離せないので佐藤刑事に行ってもらいます」
「松本さんは」
「後で」
「はい」
「網すぐ東署の刑事が来るけど、お腹空いてるのね」
「ああ」
「メロンパン半分とミカンジュースがあるからとりあえず食べて」
「助かった」
「それで仕事は」
「コロナで首になって病気になったので。無職だよ」
「住所は」
「五週間前まで7丁目だったけど、今は公園」
「それでカラスのカンタは、許してくれたのか」
「あいつ俺をくちばしで刺したよ」
「公園は厳しいんだよ」
「ああ」
「遅くなりました。東署の佐藤です」
「お疲れ様です。砂糖のような体ですね」
「はい、こいつですか」
「ええ、お腹が空いて小銭で何とかしようと思ったようです」
「名前年齢は」
「聞いていません」
「此処は狭いので東署に連行します」
「はい、お願いします」
「ご一緒できますか」
「家や金が来ないと」
「わかりました、後で迎えに来ますので、残業すみません」
「はい」
アーまた事件を作ってしまった。お祈りするのが一歩遅かったわ。
幸子さん。
砂糖の佐藤さん、気が利くね。
交替まであと2時間。
幸子さん、神社にもう一度行ってお祈りね。
と思ってすっかり暗くなった神社に向かいました。
真っ暗な参道で、フクロウが鳴いています。
おいのりしよう。
幸子さんは賽銭箱に、110円いれて。
「団地g平穏でありますように、頑張ります」
とお祈りしました」
「いいか、救うためには、ちゃんと元気でいろ」
「はい」
あれ誰かいた。
「ああ、しっかりしろ、松本はいいぞ」
「はい」
あれ神様。
「ああ」
「では、不幸はできませんように」
「はしれ」
「はい」
「メロスよ、走れ」
「はい」
「救うために、走れ」
「はい」
「息が切れるまで」
「はい」
「汗が挽かないうちに走れ」
「はい」
「よし」
「はい」
幸子さん、空を見上げました。
遠くで花火の音が響いています。
夜空は星がきらめいていました。
そうだ、浴衣を今夜着て散歩にでよう。
幸子さんは交番に戻りました。
「お疲れ様です」
「佐野さん、おつかれさまです」
「橋本さん、少し休んでください、疲れていますよ」
「うん、まあ」
「橋本さん、別件の取り調べが必要だったので、遅くなって」
「松本さん」
そういった途端幸子は涙を流しました。
「橋本さん、大丈夫ですか」
「ええ」
「再選泥棒の証拠、と現場検証に行きます」
「はい」
「橋本さん動画OKですね」
「はい」
「佐野さん交替します。よろしく」
「はい、橋本さんお疲れ様」
「では橋本さん車に乗って、現場経由で東署だ」
「はい」
「君、毎日東署だね。東署は交番の派出所みたいだよ」
「はい、常勤の,巡査です」
「入り口に籍を作っておくか」
「はい、自転車置き場もお願いします」
「本当にこっちに出勤するんだな」
「はい、でも団地は離れません」
「そうか、今日は一時間で終わるよ」
「はい」
松本さんは神社で賽銭箱の状況を確認して、状況を調べて、神社の宮司に秘儀届を出してもらいました。
「橋本さん怪我はなかったの」
「はい」
「犯行時の状況を東署でまとめてください」
「はい」
二人は東署に向かいました。
「佐藤さん、お疲れ様です」
「取り調べは終わりました。無職の浮浪者ですな、よほどお腹を空かしてたみたいで、蕎麦を一気にすすりました」
「お疲れ」
松本さんは、佐藤さんの肩をポンとたたきました。
「皆さんお疲れ」
「所長」
「君、橋本君かな」
「はい」
「君本当に所内に派出所を作る気か」
「あの、」
「いいぞ、水の給付は、書をあげての仕事にする、日時は後日通達するので、橋本くん当日、マスコミのインタビューに答えてくれ、後方に通しておくので」
「え、あの、派出所にすわっています」
「当日は閉鎖する」
「はい、頑張って団地の怪談をンぼって配ってきます」
「橋本君、体を壊すなよ、交番で団地を守ってくれ」
「はい」
「橋本さん、夕飯は」
「まだこれから帰って浴衣に着替えて買い物をしてと、思っています」
「もう22時だよ」
「え、終電前に帰ります」
「今日は浴衣はあきらめて、私が来るまで送るので、ファミレスで夕食にしよう」
「はい、でも交番で着替えてきます」
「送るからもう少し待っていてください」
「はい」
そして、松元さんはデスクのライトを消して、
「さあ,帰ろう」
と言って幸子さん御手を取って車に向かいました。
「え、松本さん」
幸子さん松本さんの手が柔らかいのに驚いて握り返しました。
「交番に寄るよ」
「はい」
「佐野さん、お疲れ、私上がります。上に」
「裴松之の目出等ございます」
「ええ、暗い道です」
「お疲れさまです」
幸子さんはろかールームで制服を脱いで、Tシャツと短パンに着替えました。
そしてパンプスをじっと見つめました。
「松本さん、お待たせ」
「え、橋本さん、素足」
「はい」
「行きましょう」
「はい」
「行ってらっしゃい」
佐野さんは明るく送りました。
「また明日」
「また明日」
二人は、ファミレスに向かいました。
「いらっしゃいませ」
「ハンバーグセット、ドリンクサラダバー」
「はい」
「松本さん」
「はい」
「気づきましたか」
「はい」
「向こうの席」
「一人で椅子コーヒーをオンで絵禹女性」
「はい」
「知ってるね」
「はい、加奈子さん」
「無ずいぶん経つけど」
「ええ」
「どうぞ」
「ドリンクバーにいこう」
「はい」
「いくよ」
「はい」
二人は並んでサラダを皿に盛りつけました。そしてカップに紅茶を入れて席に戻りました。
「加奈子さん、泣いてるそうよ」
「そう」
「さそってよ」
「私が」
「そう」
「デート」
「そんなもん」
「でも僕は幸子さんを誘います」
「いいのもういっしょにやるのはきまっているから」
「え」
「今、いやらしいことを考えた」
「はい」
「日程が決まったらで、いいおよ」
「自分できめないんですか」
「署長が決めたのよ」
「え、はい、水の日ですね」
「そうよ」
「加奈子さんを誘う」
「そうよ」
「はい」
「いってらっしゃい」
幸子さんは紅茶を一口飲みました。
「可奈子さんですね」
「はい」
「浴衣来てますか」
「ええ、桶で洗濯して干しておきました」
「泣いてるそうですね」
「いえ、わすれました。失礼な方、いい男だけれど」
「忘れましたか」
「ええ」
「でしたら、浴衣できてください。お願いします」
「お誘い」
「ええ」
「浴衣でいいの」
「ええ」
「誰」
「松本と言います」
「マツキヨ、か」
「まあ、そうですが」
「可奈子さん、一度お会いしてますよ」
「失礼、いつのことかしら」
「もう10年近く前」
「皮で洗濯していて、桃をひろったでしょ」
「ええ、子供は出なかったわ、失礼ね、洗濯ババアじゃあないぞ」
「団地の人に水を配るんです」
「なんだ、ボランティアか、ガラじゃあないから断るよ」
「フランス料理で、デザートは、バニラと猪口のアイスですよ、道ですか」
「本当か」
「はい」
「面倒なこと言わないな浴衣を脱げとか、それは来ttで決めていいか」
「はい」
「いつなんだ」
「可奈子さんは予定がありますか」
「無いよ」
「下決まったら連絡します。私の場号はこのメモです」
「じゃあ、後でコールするよ」
「楽しみに待っています」
「向こうの席で食事しています」
「なんだ女連れか」
「ご一緒しますか」
「あの女気に入らん顔だ。どこかで、みたことがある」
「そうですか」
「まあな」
「ご一緒しましょう」
「ああ、たばこをいっぷくしていくわ」
「お待ちしています」
「さきほどは」
「可奈子さん座って」
「松本、この女いいのか」
「ええ、幸子です」
「なんだクラブのママか」
「イエスナックサチコですよ」
「カラオケはやあらんからしらんわ」
「団地ね、おじいさんおばあさんがねtyy章で大変なの」
「知らんわ」
「松本、今日やるか」
「いえ」
「じゃあこれで」
「すみませんでした」
「松本さん、加奈子さんとやるつもりだったの」
「いいや、彼女が勝手に決めたんだ」
「誘えなかったのね」
「連絡来ると思うから、でも配らないってさ」
「いいわ、松本さん、いい男ね」
「幸子さんはいい女性だ」
「そう思うんなら証拠は」
松本さんはそっと幸子さんを抱き寄せて、軽く唇を合わせました。
「見られてないよね」
「多分、でも監視カメラは回っているよ」
「あ、今男の人が通りすがりに、お爺さんの差財布を取った」
「あいつか」
「そうです」
「よし」
松元さんは男の手をつかんで、
「おじいさんこれはお爺さんのですか」
おじいさんはポケットのなかをさぐって、
「無くなっている。勘定を払わんと無銭飲食だ。落としたか」
「ああ、おつぃそうだったから俺がポケットから拾ってやったのさ」
「おい、それはスリ」
「ああ」
松本さんは、素早く手錠を掛けました。
「おじいさん一緒に東署で被害届を出してください」
「くそ、刑事か」
「幸子さん、ごめん東署にとんぼ返りだ。夕食を取っただけになった」
幸子さんはがっかりしました。また事件を作ってしまった。
「松本さん、ごめん」
「いいよさちこさん」
「はい」
「また食事をしよう」
幸子さんは町本さん御手を握って見上げました。
「さあいこう」
「はい」
「いいの。」
「うん。」
「二人を連れて行くのね」
「被害届と調書を作成する。夜明けなっちゃうよ」
「はい、ついていきます」
「どこかで仮眠していて」
「眠れない。松本さんの香りがするから」
「いいkら、とりあえず支払いを済ませて車に」
「はい」
「いくよ」
「はい」
「ゆっくりね」
「はい」
「大丈夫」
「はい」
幸子さんは、松本さんに寄りかかって歩きました。
「あれ」
「佐藤刑事。お疲れ様です。これから、スリの事情聴取取り調べです」
「はい、記録します」
「よろしく」
「座って」
「名前と住所は」
「9丁目の、源田です」
「ファミレスでこの老人お財布をすりましたね」
「吸ったんじゃあない、落ちそうだから拾ってやったんだ」
「すぐ返さないで自分のポケットに入れたのはなぜ」
「そいつの、中身を見てと思ったんだ、後で交番に行けばいいと思ったんだ」
「それでは、返すつもりだった」
「ああ」
「親切だった」
「ああ」
「其れであなたはお爺さんに声はかけないでポケットから財布を抜いたんですね」
「だから落ちそうだったから」
「おちてからではだめだったの」
「落ちたら気づくだろ」
「気づいたら本人が拾ったでしょ、あなたはしんせつだった」
「そうだよ、ついでに食事もして帰ろうと思ったんだ」
「ついでに財布を拾ってそこから支払おうとした」
「当り前だろ、目の前に幸運があったらとるさ」
「おじいさんに断りもないまま」
「ああ」
「それは窃盗」
「親切だ」
「盗みは認めませんね」
「ああ」
「おじいさんどうします」
「盗まれたんだ」
「では被害届を出しますか」
「はい」
「でもこの人は親切と言ってますよ」
「この人わしを下押そうとしたんだ」
「そうですか」
「一寸、触ったんだ」
「おじいさん、だしますか」
「はい」
「どうする罪を認めれば、早く帰ることができるけど」
「いやだ」
「そうですか」
「ああ」
「ではこれから、事情聴取と証拠と告発状で、検事に逮捕状を請求します」
「勝手にしろ」
「幸子さんも報告書をだして下さい」
「はい」
「よろしく」
松元さんは、取り調べをまとめて、健司の元委向かって、逮捕状を取りました。
「午前3時、令状にのっとって逮捕です」
「午前様か」
「浮気じゃあないと証明ができた」
「源田さん、裁判なりますよ」
「弁護士もつけます」
「念のために確認しますがスリは認めませね」
「はい、当然、親切でやったことです」
「はい」
「でも黙って食事代に使おうとしましたね」
「当然です」
「わかりました。記録しておきます」
「今日は所内の拘置所で寝てください」
水が欲しい時は読んでください」
「帰れないんだ」
「はい、規則ですから」
「幸子さん、本件の今日の捜査は終了します。
送ります。車に。
「はい、サラダをもう少し食べませんか」
「ええ、では、別の店に寄りましょう」
「お願いします」
「夜明け近くになりますね」
「はい、好きな時間帯です」
「いきましょう」
「はい」
二人は車に乗って、もう少し先のファミレスでサラダバーを頼んで、食事をしました。
他のお客は向こうの端に若い女性が一人。
問題は起きないわ。事件の無い、一日が来ますように。
幸子さんはアイスティーを飲んで思いました。
「落ち着きましたか」
「はい」
「では家まで送りましょう」
「はい」
二人が店を出たとき午前4時を回っていました。
「ここでいいですか」
「はい」
「お茶でも飲んでいきませんか」
「いいえ、今日は帰ります」
「はい」
「良い朝を」
「良い朝を」
松元さんは幸子さんが家の入るのを見届けて車を出しました。
幸子さんはキッチンの椅子に大股開きで座って、ぼーっとしていました。
シャワー。
幸子さんはその場で服を卯木捨てて、バスルームに向かいました。
時間を忘れて汗洗い落とした幸子さん、ドライヤーで髪を乾かして、バスタオルをまとったままベッドに大の字になってすっかりいびきをかいて眠りました。
松本さんも自宅に帰ってすぐにシャワーを浴びてベッドで眠りにつきました。
長い一日が間もなく始まりそうです。
カーテンから明るい日差しがさして、目覚めた二人は、朝食はサラダとコーヒーで済ませました。
時間を見たら午前7時でした。2時間たっぷり眠れた。二人はそれぞれの朝を迎えました。
うーん。幸子さんは背伸びして、服を着ました。ティシャツに短パン今日は碧のジーンズです。そしてパンプス。パンプスか。幸子さんは、じっと足元を見つめて、勤務に向かいました。
バス停に向かった幸子さんは、空に向かって
「おはよう」
と言いました。
「尾は余殃、いい一日に来たね。
「あ、のう」
「ええ、署長の植田だよ」
「はい」
「ちゃんと団地を守ってください」
「はい」
「何かあったら、松本君を頼ってください」
「はい、砂糖の佐藤さんにも、お願いします」
あれ、幸子さんは慌てて小走りでバス停に向かいました。
静かにエンジン音が響きます。
自動車は、安全雨天で流れていきます。
歩道の自転車も安全運転。問題なし。
幸子さんはバスに乗って、駅に着きました。
が癖が倒しそうに、はしゃいでます。
サラリーマンのおじさんも、背筋を伸ばして歩いています。
穏やかな朝。今日は交番の前を時間をかけて掃除しよう。
幸子さんは、
「よし」
と空に向かって言いました。
幸子さんは、1時間かけて、交番に着くと、ロッカールームで、裸になって汗を拭いて制服を着ました。そして、放棄をもって、交番の前を念入りにはいて誇りと落ち葉を集めて掃除をやりました。
今時竹箒もないものかもね。でもこのシャリシャリって音がいいのよ。今日も一日暑い日になるね。制服の土田靴、真っ黒なのに何で白いの、たまには磨かないと、幸子さんは、放棄を収めて、椅子に座って、ぼろ布で、靴を拭いて靴ブラシをかけました。磨けば、いい靴よ。シューズボックスに、布とブラシを戻して、机に戻ると電話が鳴った。
「橋本さん、おはよう」
「署長、尾は余殃ございます」
「決めたよ、来週の週末、土曜日曜の午前中になったよ」
「事前にパトカーと優先で、周知するように決めたよ」
「ありがとうございます。署長」
「交番の前にも張り紙を出します。商店街の掲掲示板にも、原稿をファックスするので、確認お願いします。自治会にも協力をお願いします」
「橋本さん、庶務にファックスを入れておいてください」
「はい署長」
「それでは、暑いので気を付けて、派出所は、開いておくから、頼むよ」
「今日は寄ることにならないことを願っています」
「そうですね。お願いします」
幸子さん、松本さんもういるのかなと思いました。松本さん、酔ってくれれば寄ったのに、しばらく行かないわ。幸子さんは、やっと今日は、落ち着いて一日が過ごせるね、と思った。今日は、火曜日、10時図書館、時間は、15分前、幸子さんは、あわてて蕎麦屋に向かいました。
「隼人君」
「おはようございます、幸子さん」
「隼人君、身分証明にあるものはある。いま、もってるかな」
「杯市役所の方に作っていただきました」
「そう、じゃあ行こう、獅子所の2階にあるのよ」
「へー、いろいろあるんですね。お金は」
「いらないよ、借りるんだから」
「はい」
「じゃあ行こう」
「はい」
「熱いね、今日も」
「はい」
「ついたわ、2階」
「はい」
二人の足音が館内に響いています。夏御乾いた空気でよく響きました。
「ここよ、自分の好きな本を探してカウンター芋って言って借りるの」
「はい、図鑑化漫画かな」
「右の棚が図鑑で左多くに漫画があるから見ておいで」
幸子さんも、久しぶりに、文庫本の棚をゆっくりと見ていきました。
わたしも一冊借り手今夜読んでみるかな。
幸子さんは、棚から、ヘミングウェイの「移動祝祭日」を一冊取り出して、カウンターに向かいながら隼人君の様子を見ました。隼人君は、一冊気になる本を見つけたようで、ペーh時をめくっていました。
「決まりそう」
「ええ、この一冊で」
「私も決まったからカウンターにいきましょう」
「これ借りたいんですが」
「はい、身分証明ありますか」
「はい」
「少しお待ちください」
若い女性の司書が、すぐ手続きして二人は本を借りてきました。
「隼人君、返却はレシートに期限が書いてあるからカウンターか一回の返却ボックスに返すのよ」
「はい、ありがとうございました」
「隼人君、もし来週の土曜日地用が休みだったら、ちょっと手伝ってもらえるかな」
「はい」
「団地の老人に水を配るの」
「はい、井戸で組んでいきます」
「井戸水あるの」
「はい、公園に蛇口があるんです」
「それはいらないと思うけどいい話が聞けたわ、ありがとう」
「はい」
「今日はこれで、私コンビニでおにぎりを買って交番に戻るから」
「はい、また、よろしく」
幸子さんは、工場に戻って、冷たいペットボトルのお茶を、がぶ飲みして温義理のラップを取ってパリパリのノリをつかんで口運んでかぶりつきました。
ヘミングウェイか。
今日こそ早く帰ってゆっくり読もう。
さてと、幸子さんは、自転車のサドルに、大股開きで乗って、スタンドを蹴って、書類を忘れていないのを確認して、7丁目の団地に向かうことにしました。
公園尾井戸水か。それならつめたいだろうから、容器さえあれば配れるね。ちょっと寄って飲んでみよう。隼人君、その水で生活していたんだ。
幸子さんは、少し遠回りになるけど、公園王らの道を通って。広場に確かに水飲み場会があるのを見つけて、jy口をひねって、手ですくって、五くんと飲みました。いい水ね、これアラムペットボトルを買わないでいいわ。どうしよう、や簡易氷を入れて、持っていけば大丈夫ね。おじさんの水だけでは足りないだろうから、処置長に伝えて、特別に取りに来てもらうようにしよう。ちょっと、種子と違うか。配るからいいんだよね。幸子さんは7丁目に向かいました。
「こんにちは、工場の橋本です。いつもの巡回です」
「はい」
「変わりはないですね」
「それがけさうちにも来たのよ、詐欺が」
「どうしましたか」
「それがついこの前の事でしょ、詐欺に渡すお金はありませんご苦労様って切ったの」
「よかった」
「いるんですね。わたしの家みたいな貧乏には来ないと思っていたのに、馬鹿な奴」
「気を付けてください、また変わったことがあったらすぐに交番に」
「はい、近くにあるから安心なの」
「ありがとうございました」
幸子さんはこの日詐欺のことを3件聞きました。松本さんには報告ね。すべて未遂だけど。
幸子さんはこの後、7丁目を回りきって、コンビニによって、今日のお昼はサラダと、コーヒーでいいわ。幸子さん、サラダの棚で、ミニトマト入りの野菜サラダを手に取って、これじゃあ、スタミナつかないね。水のことも考えなきゃあ、張り紙も作らなきゃあ。これからが長いおよ。チーズパンも買おう。
幸子さんはサラダとチーズパンを買って、コンビニコーヒーを買って、公園のベンチに向きました。
井戸水は、お知らせにするしかないね。使った人の得点は、ないね。せっかく隼人君が教えてくれたんだから使ってもらおう。コンビニの水も売れなきゃあね。
幸子さんはサラダとパンを食べてコーヒーを飲みました。
幸子さんは、自転車に戻って、交番に向かって、ペダルをこぎました。
幸子さんは、交番に戻ると、今日の訪問の書類をまとめて、ファイルして、
松本さんに電話しました。
「松本さん」
「おはよう、橋本さん」
あー懐かしい声。
「未遂だけど今朝、7丁目に4軒、詐欺電話があったようです」
「ありがとう。被害が出ないように、後方御パトロール強化してもらいます」
「はい、ありがとうございます」
幸子さんはコピー用紙を広げて張り紙を考えました。
問題は井戸水ね、あれは生活用水じゃないから、就てることはないわ、水が出ない事態にそなえておくべきものなんだから、ペットボトル本当におじさん大丈夫かな1000本は配りたいもの、20万大丈夫かな、あの店がなくあるほうが団地御安全を危機にさらすことになるから、聞いてみようかな。
張り紙は李週末の土曜日曜に、個別に訪問して、水のペットボトルを配布するオデ、ネッ優勝予防に、飲んでください。でいいね。東署より。で。これを庶務課にファックスして、SY長の了解が取れたら団地の掲示板に張る旨を伝えて置いたら連絡が来るはずだから、幸子さんはファックスの送り状に描いて、送信しました。
しばらく待つと
「橋本さんですか」
「はい」
「東署庶務課の後藤です」
女性の声でした。
「はい、橋本です」
「お疲れ様です。この内容で署長に了解を取ってきます。あわせて、パトロールでもアナウンスします。署長の確認が取れたら連絡します」
「はい、2時間留守にするので、もし通じなかったらファックスを入れて置いてください。お手数をおかけします」
「杯お疲れ様です」
幸子さんは電話を切ると、
まてよ、まってからじゃあないと団地にはいけない。コンビニのおじさんに会いに行こう。
「おじさん、聞いていますか、来週の土日になりました」
「うっす。もう発注しましたよ、明日には入荷知って裏の倉庫に置いておきます」
「お世話になります」
「うっす、こちらこそ、市民課で買ってくれるそうですので、もちろん半分は私が最初の約束通り提供します」
「ありがとうございます。おじさん。このみせがあるからみんなあんしんなんですから。助かります」
「うっす」
「また来ます。倉庫は守ります」
「はいっす」
「では」
「ありがとうございました」
「あ、ごめんあさい、ストッキング飼います」
「ありがとうございまっす」
幸子さんは急いで交番に戻っていきました。
ついてすぐに、電話がかかってきました。
「東署後藤です」
「はい、橋本です」
「お疲れ様、署長から、この内容でよし」
「と確認と判をいただきました」
「ありがとうございました。これから自治会と商店街組合にいって、はりがみをはってきます」
幸子さんは、コピー油脂の張り紙をコピーして、ファイルに入れて、団地の集会所に向かいました。
「こんいちわ」
「あ、お巡りさん」
「あの、支所からも連絡があると思いますが、次の週末の午前中で、団地に一軒ずつ個別訪問して、水のペットボトルを一本配布しますので、これを掲示してください」
「あれ、お年寄りが弱っている尾で助かります。お手伝いしますよ」
「ありがとうございます」
「回ってもらうと詐欺犯も警戒すると思うので、ありがとうございます」
「曽於詐欺ですが、東署のほうでも警戒して、犯罪を未然に防止するよう努力しています」
「山田さん、助かったようで」
「ええ、山田さん」
「あの詐欺グループは本庁で、検挙しましたので」
「やっぱり、ニュースに出たやつですね」
「はい」
「ド一の午前中ですね、声をかけて10人ほど集めておきます、午前9時集合でいいですね」
「はい」
「では集会所前に10時で」
「よろしくお願いいたします」
「はい」
「そういえば、井戸水、飲んでいる人いますか」
「時折汲みに来る人はいますよ」
「守らなければ」
「ありがとうございます」
幸子さんは商店街組合に行って張り紙の掲示をお願いしてをして交番に戻りました。
幸子さんは、
「やったー」
「と背伸びしました」
幸子さんは、交番に戻って、扇風機をいっぱいに回して服を脱いで汗をぬぐいました。
今度週末、後5日
隼人君来るよね。
松本さん、詐欺よ、また、今度は捕まえるよ。
交番もコンビニの倉庫も団地もみんな大好き。
好きだから守るの、松本さん。
太い腕。汗の匂い。
私好きよ。今度の食事は蕎麦で。
美味しいのよ。
ご主人が当たり前のようにお蕎麦を作っているの。
とてもいいの。
だから私は元気でいるの。
私はここにいるの。
松本さん。
派出所に自転車で向います。
署長、ありがとうございます。
井戸水は美味しいですよ。
今度一緒に飲みましょう。
6丁目のほうから騒ぎが聞こえるわ。
事故。
幸子さん自転車を走らせました。
工事車両が、器具を道に落としたようです。
道路尾の様子が見て、問題なさそうなので工事現場の監督に注意をして、熱中症なるから蛇口の井戸水を飲むように、注意しました。
もうこんなに暑いと誰も出てこないね。
商店街とコンビニを回って、交番に帰ってゆっくりしてましょう。
「熱いね」
「うん、アイス」
「かき氷を作りましょう」
「メロンミルク」
「レモンもね」
「えー」
「美味しくなるよ」
お母さんは製氷機の氷を出して。久しぶりに使う氷削りを回して、お皿に山盛りの氷を作りました。
「出来たよ」
「はーい」
「痛い。冷やっこい」
「扇風機回して」
「勉強、やったら遊びに行くよ」
「今日は日陰で遊んでおいで」
「はい」
幸子さんは、実家に帰ることにしてたのを忘れていました。
夏休みに入った子供たち、プールに行くのかな。幸子さんは見回って交番に帰りました。
土日の水配りが終わったら、実家に帰るかな。
松本さんにも、言っておこう。
交際宣言してきます。
幸子さんは、これでだめだったら仕方ないな。
覚悟は決めたわ。
幸子さん、かき氷にしよう。
アイスじゃあなくって。
松元さんと。
日曜日に。
幸子さんはニコッと笑いました。
「終わってからね」
幸子さんは、悲しくなっても仕方ないの。
決めたことだから。
木陰に覆われた交番は、小鳥の声が響いていました。
「そうか、わかったよ」
幸子さん、うなづいて席に座りました。
幸子さん、
サラダとパンを食べることにしました。
幸子さん、今日は、この後、交番に座ってようと決めました。
留守にしないのは久しぶりね。
「もしもし」
「はい」
「来たのよ、詐欺の電話」
「どうしました」
「切ってやったわよ」
「また最近増えたみたいなので、気を付けてください」
「助かったわ、怖かったの、交番があってよかった」
「大丈夫ですね、蕎麦に行かなくていいですか」
「熱いからいいわよ。すぐいつながってありがとう」
「またいつでも、気を付けてください」
「はい」
幸子さんは、背伸びして、
「やるぞー」
と大声を出しました。
あー松本さんの太い腕の香り。
夏の匂いね。
「詐欺野郎、捕まえるぞ、まってろ」
幸子さんは、
もう一度背のびして大あくびしました。
「働け、詐欺野郎」
「井戸水で体拭くか」
「タダだぞ」
「柘榴でも拾って食え」
「しょんべんは、散らすなよ」
「いいかげん、電話代は払え」
「首を会って待ってろよ、これから10分後に行くぞ」
「ち、くしょー」
幸子さんは、思いっきり叫びました。
そして大泣きしました。
「あー気持ちいい」
「ち、くしょー」
幸子さんはせのびして、さけんだとたんどしゃぶりのあめです。
「こんちくしょう」
幸子さんはすっきりしました。
雷が一発ドカンと基地ました。
真っ青な空が雲を割って出てきました。
「ばーか」
幸子さんは、大笑いしました。
「空まで鷺かよ」
「かー」
「カラスだよ」
「そうか」
「今日はこれでおしまいだ。あとはスイカを割って食べよう」
幸子さんは、野菜屋さんに向かってスイカを人単価って。
「オジサン切って」
「へい、腕を」
「はい、これ」
「へい、えい」
「パか」
スイカは真っ二つになって真っ赤な実が顔を出しました。ソバカスもチャーミングでした。
「上等ね。袋に入れて」
「喜んで」
「ありがとう」
「ところで可奈子さん、桶で泣きながら、洗濯してるんだよ」
「へー」
「へー、ですか。ええ。泣き虫ね」
「そりゃあそうですが、隼人君、いたほうが寄ったんじゃあないかな」
「隼人君は、独り立ちしたのよ」
「そりゃあ、めでたいことだ」
「でしょ、加奈子さんは、放っておいていいのよ」
「ええ」
「松本さんに色目を突く嫌な奴」
「そんな、男の人ができたんですか」
「とんでもない。加奈子にその資格はないの」
「資格ですか」
「ええ、もちろん団地の市民ですから守ります。もう事故は起こしません。ところで詐欺お電話ないですか」
「しょっちゅうな事、で飽きてしまいました」
「団地のおばさんたちが怖がっているから、何かあったら元気にしてあげて」
「もちろん」
「ありがとう」
「500円」
「はい」
「ありがとうございました」
幸子さんはスイカを持って交番に戻って、まったりとしました。
とりあえず水。
幸子さんはペットボトルの水をがぶ飲み、しました。
幸子さんはまったりとした時間を過ごすことにしました。
「もしもし、千葉総合銀行7丁目支店です」
「はい」
「大金を下したおばあさん、何度も確認しましたが、息子のためと言ってお金をおろして、入り口に1時間たってるんです」
「それ詐欺じゃないですか」
「ですよね」
「警備で見張ってすぐ急行します」
「松本さん、千葉総合銀行7頭目支店に詐欺犯が、受け取りに来ます。今通報がありました。すぐにこれから急行します」
「すぐに行くから、時間を稼いでいて下さい」
「はい、時間稼ぎ」
幸子さんは銀行で時間を稼ぐのか。利子を付けて返してもらうぞといって急行しました。
「あの」
「はい、お困りでは、交番の橋本です」
と幸子さんは手帳を見せました。
「助かりました」
「息子が事件にあってお金がいるといって、友達に受け取りに行かせるので、渡してといったんです」
「息子さんに間違いないですか」
「ええ」
「もう一度息子さんに電話して確かめてください」
「ええ、よかった怖かったんです」
「お母さん、大丈夫、お金が必要なんでしょ」
「嫌いらない」
「だって電話くれたでしょ」
「してないよ」
「え」
「お母さん、詐欺だよ、お金を渡しちゃあだめだよ」
「はい、-良かった」
「確認できましたか」
「はい」
「私がいますから、協力していただけますか」
「はい」
「では、一緒に待っていましょう、気分悪くないですか」
「ええ少し」
「少し椅子に座っていましょう」
「はい」
「水、飲みますか」
「いいえ、大丈夫です」
空は真っ青なのに、幸子さんは、心の中で
「ばかやろうめ」
と叫びました。
銀行の外の道は、暑く焼けています。
蝉の声がうるさいくらいに聞こえています。
詐欺め、まっとうに働け。
捕まえてもおもしろくないんだ。
ちゃんと生きろ。
何回振られたと思っているんだ。
楽なことはないんだぞ。
空やあ、詐欺には詐欺の事情もあろうが、気弱な市民をコラがらせて何が面白いんだ。
顔を出したら、もう。
許すことはないよ。
「あの、なにか」
「いいえ」
「怒っていますか」
「はい」
「橋本さん」
「松本さん」
「待ち合わせの時間は」
「おばあさん、もう一時間以上たっているんでしょ」
「ええ、ここに来るということでした」
「友達、わかりますか」
「いえ、たぶん、麻雀仲間だと思うから遊び人風若者よ」
「わたしははなれてるから、橋本さん、頼むよ」
「はい」
30分して若者が、
「亀田さんですか」
「はい」
「隆二君から頼まれて金を預かりに来たんだけど」
「私、姉だけど、いくらって」
「50万」
「弟は必要ないって言ってたけど」
「頼まれたんですよ」
「嘘つき」
幸子さんの声は銀行のロビーに響きました」
「「大声出すな」
男は幸子さんの腕を掴めました」
「はい」
「暴行の現行犯です」
「え」
「逮捕です」
「わつぃは姉の巡査よ」
「松本さん」
「事情は聴いてたよ」
「詐欺ですね。このまま現行犯で、東署に連行します」
「捕まるのか」
「ええ、事情聴取をさせてください」
「二人も同行を」
「はい」
東署に着くと。
幸子さんはまた報告書を作成して、
おばあさんに被害届を出してもらって、逮捕状が出ました、
男は逮捕されて、取り調べを受けました。
幸子さんは、また事件を作ってしまった。
とつぶやいた。
2024/7/31