紫陽花と道
いい匂いがするな、しっとりとした、いい道だ。
ちょっと、緑の味がする道だ。
アリが、ゆっくり歩いて、スズメバチが木の幹で踊るように飛んでいる。
車道で自転車外機械自動車が走ってくる。
まだ今日の朝は動いていない。
朝は動いていた。
私は、見つめていた、緑の葉と青い花を、
見つめているとよく朝がわかった時価だった。
その人は歩いて行った。ゆっくりあるいていった。
「おはようございます」
「紫陽花ですね」
「ええ」
「青だからアルカリ」
「ええ、メルカリでかったものじゃあないですよ」
「カタツムリが歩いているでしょ」
「ええ」
「不思議なんです、いつも左回りなんです」
「遭難ですか、ゆっくりでも意外と早く動くんですね」
「ええ、見ていて飽きません」
「あなたすけちいしてるんですね」
「ええ、みつめていられますから」
その人は顔をあげて、にこっと、して、
「ほら、蟻も歩いているでしょ」
「ええ」
「蟻も、若葉の香りを楽しんでいるんだよ」
「へえー」
「紫陽花、朝露で見頃ですよ」
「ええ」
「ゆっくり歩いていると、いろんな緑がわかるんです」
「へえ」
「ですから私は鉛筆で書いてみるのです」
「色鉛筆ですか」
「いいえ、6bの鉛筆です」
「へえ」
「これです。わかりますか」
「いや、でも緑の感じですね」
「そうなんです、実は日本語の緑は碧なんです」
「え、緑でしょ」
「昔御日本人は緑も碧もおじ色に見えていたようです」
「なるほど」
「ですから私はこのベンチに座ってゆっくり眺めているんです」
「そうですか、うらやましいな、私は仕事があるので、朝がゆっくりできないんです」
「あ、失礼しました、いってらっしゃい」
「ではごゆっくり」
「はい、ゆっくりあがめてみます」
「紫陽花も、喜んでいますよ」
「私は粟田氏は眺めて、います。グランドの向こうで遊んでいる人たちを。そして聞いています。早い出る人たちの声を。
「そこおのかた」
はい」
「仕事ですか」
「はい」
「日曜日なのイご苦労様です」
「いいえ、あなたもずっとすわられているようですが、退屈ではないですか」
「ええ、これからもう一枚この風景を描いて模様と思います」
「そうですか、雨が近いかもしれませんので気を付けて」
「ありがとうございます」
私はもう一度ゆっくり向こう重りをあがめました」
緑の枝が揺れています。
黄色い花が草と一緒に笑っています。
私は鉛筆と紙を取り出して、すけっちをはじめました。
「私は行きます、きをつけて」
「はい、いってらっしゃい」
枝が大きく揺れています。
「おっと」
て音の神が吹き飛ばされそうにありました。
私は慌てて押さえて、もう一度森を見つめました。
今日はこの風景だな、私はようやく、凍風景の広さを感じることができました。
私はそっと鉛筆を走らせました。あとは見ていくだけです。
紙の上汚染が増えていきます。
色が出てきました。
でもまだまだ、空間が出てきません。
私は見続けて鉛筆を走らせます。
ようやく空と地面の間が出てきたかもしれません。
「あの」
「はい」
「描いてらっしゃるんですね」
「ええ」
「すみません、ずっと後ろに立ってみていました」
「鉛筆だけで、描くんですね」
「ええ、絵を描かれるんですか」
「ええ水彩をやっています」
「そうですか、私は帰ってから、水彩で淡彩で仕上げるんです」
「そうですか」
「ええ、もう少し描きます」
「まだいていいですか」
「ええ」
私は鉛筆を動かしました。
宇票厄又緑色になってきたようです。空間がまだです。もう少し手を動かしますがもっと眺めてみます。
「空の雲がどんどん変わっていきます」
「そうですね」
「雲いつもくろうするですが、どうしてますか」
「白く描いていけば雲になります」
「そうですね」
私は消しゴムで雲を描いてみました。
手前の広場では、男の子たちがボールを蹴って遊んでいます。
小名の子たちは追いかけっこをして走っています。また風が吹いてきて、木々の枝が気持ちよく揺れています。わたしはしばらく、ゆっくり眺めて居ました。
そしてゆっくり鉛筆を動かしました。
「あれ」
「え、なにか」
「あー、また少し眠ったみたいです。心地いい風ですね」
「そうでしたか、まだいてもいいですか」
「いいですよ、何か面白いですか」
「わたしもゆっくりしていたいだけです」
「そうですか、それではベンチにおかけになったらどうですか」
「はい」
「もう少し描きますよ」
「はい」
「見えてきました」
「ええ」
「とても広い地球です」
「ええ」
「そして鉈は美しい」
「え」
「そうです、インコの時間が充実しています」
「ええ」
グランドの向こうの広場には紫陽花が雫をたたえて笑っています。
「今日はこの一枚を自宅に帰って仕上げます」
「そうあんですね」
「はい」
「もう帰るんですか」
「いいえ、もう少しここにいます」
「私もいていいですか」
「はい」
「ではもう少し」
「よろしく」
「いいお天気ですね」
「ええ」
「これからお仕事ですか」
「いえ、買い物です」
「ゆっくりされるんですね」
「ええ、久しぶり御お休みです」
「お仕事は」
「看護の仕事です」
「そうですか、わたしもよくお世話になっています。大変なお仕事ですね」
「ええ」
「私は、リハビリおつもりで描いているんです。自然を感じると落ち着くのです」
「そうですか」
わつぃは女性の笑顔を描いてみた。
「ええ、これもそのうちです」
「まあ、今、描いたんですか」
「ええ、よかったら、仕上げてきますので、今度会いしたとき受け取ってください」
「ええ」
私はもう一度森を眺めていました。太陽が眩しい朝です。
「ありがとうございます」
「あるいてこられたんですか」
「ええ、向こうの道に車椅子が置いてあります」
「ずいぶんあるいてこられたんですね」
「ええ、家内のおかげで歩いています」
「気を付けてください」
「はい、お買い物楽しんでください」
「そろそろむかいます」
「では、ごゆっくり、またお会いしましょう」
「ええ」
杜では、草刈の仕事で忙しくしている機器の音が響き始めました。
私は眺めているだけです。
いつの間にかもう夕方です。
また、子どもの声が響いています。
もうしずかになりました、
雷が急にあっています・
わたしは部屋にカギををしました。
「ようやくこれでいちど寝ていい
わたしは部屋で横になっていあいまま過ごしていた。
「わたしはひるもようやくたべていたので、しっかり寝よう。
あしたもスケッチだ。
明日も体操はやる。
いつも通りに。
雨の気配がしたと思ったら、雷が鳴って大津布雨が地面に打ち付けていた。竜神は活躍している、雷神は、忙しいみたいだ。
明日もきっと道を歩いてスケッチはする。
お嬢さん尾は持って行っておこう。
水彩で重田のだから。
ハムカツオソース、魔訶来生がうまい、子お味は肉尾田村市がいあい。
ハム街区圧なの育チオ中で溶けていく。技のこもったハムカツはうまい。
杜の向こうの店は、技でンあがく商いをしている。
何故か、人がやってくる。
うまいものに集まる余裕があるわけだ。
わつぃは水を飲んで飢えをしのいだ。
うまい肉は,毒のように、幸福だ。
肉の塊は、まだ、命の輝きがある。
スー陳はそれを描いた。
シャネルや、ミレーにゴッホもそうだ。ピカソは肉尾恐怖を描いている。
若冲や、蕭白は、肉の、クマを描いている。
多分民肉を食らって生きたんだ。
水も飲んだことだろう。
汚れた水かもしれないが。
それでいのちをつないだ。
今朝もようやく起きて、体操をして守男道を歩いてみる。
「おはようごじます」
子どもッ元気な挨拶で歩いていきます。
「おはよう」
私は、笑って声を掛けます。
「おはようございます」
おとこのこはきちんおじぎしてあいさつしてくれました。
「学校だね」
「はい」
「しっかり遊んでおいで」
「はい、勉強してきます」
「放課後またここで遊ぶんだね」
「はい」
「おはようございます」
「おはようございます、看護師さん」
「お元気そうですね」
「はい、これです」
「まあできている、いただいていいですか」
看護師さんは両手で受け取って、大事そうに胸に当ててくれました。
「おじさん、描いたの」
「そうだよ」
「これきれいでしょ」
「おええさんきれい」
「ありがとう」
「いってらっしゃい」
「行ってきます」
ところで、私はスケッチをやろうとしたのではないか
「おじさん、これから散歩ですか」
あーそうだった。
「はい、散歩します」
「良かったらご一緒していいですか」
「はい、あり月ございます」
私は杖を突いて歩き始めました。
「ゆっくりでいいですよ」
「はい」
森の木々がざわついています。
「此処をよく歩くんですか」
「はい」
「いですね、健康でいられますよ」
「はい」
「今日歩仕事は」
「これから朝食をとって向かいます」
「そうですか」
「またゆっくり」
「お仕事頑張ってください」
「はい」
私は近くのベンチに座って休んだ。
もう一枚スケッチをした。
ああ、もう昼になるな、お腹がすいた。
私は帰って、家内にお昼をしたくしてもらって、昼語派を食べた。
お腹が、膨らんだ尾で少しべ度に横になった。
私は何かお芝居を講演するために劇場にいました。
「なんで和y他紙が歌うの」
「踊ってるだけよ」
「せりふがないじゃない」
「ええ」
これから皆さんは浜辺でバーベキューをやるんですからその支度の販氏をしてください」
「台本ないのかよ」
多くの女性かにらまれました。
私ははっとして目が覚めました。
あ、そうだスケッチの続きをしなくては。
部屋のなかには日差しが明るく差しています。
手を伸ばせば、文庫本が一冊あった。読み始めてもう一週間になっても、内容が頭に入ってこない。まだ部屋の中は明るいのでページをめくってみた。一ページ進んだところで私はまた、食事のことを考えていた。ときどきわたしは坂道をおりたところにあるビルの3階にあるレストランに入っている。
「白にしますか」
「ビールよ」
「とりあえずのやつですね」
「いえ、ビールがおいしいの」
「わかりました」
私は向かい小櫃のイタリアンお店を見ていました。以前は行ったのはあっちだったか。
「ビールですね」
「ビール二つに前菜はカルパティオにルッコラとチーズの蠣のムニエルがあったらお願いします」
「はい」
「こちらメニューですが」
「あ、そうですね」
「パスタ、バジリコ」
「はい」
「同じパスタを二ついしてください」
「はい」
「息蟻パスタでいいの、肉料理か魚はい食べませんか」
「ええ、今パスタの気分」
私は、また本を探していました。
「今日は、そうでしたね、食事だけでよかったんですね」
私は、教会の食堂の場面を読んでいました。
私は
「漸く目覚めた、これかr顔尾を洗って祖と出でよう」
とつぶやいた。
「おはようございます」
「おはようございます」
「どうですか」
「ええ、大丈夫です」
「歩きますか」
「はい」
「ではご一緒しましょう」
「はい」
「尾は足出来ますか、ゆっくり」
「ええ」
「私はゆっくり歩いていきした」
「はあしながら歩くのも大事ですよ」
「はい」
「向こうのベンチでまたスケッチをします」
「ご一緒しましょう」
今日お葵緑です。
「夕べ何を食べましたか」
「ハムカツと野菜です」
「オジサンは」
「夕べは、野菜と餃子でした」
「健康的ですね、野菜のメニューです。テレビは見ましたか」
「いいえ」
「私は、ドラマを見ました、最初つまらないと思っていましたが、だんだんキムタクがかっこよく見えてきました」
「資金はニュース番組かクラシック音楽の番組しか見ていません」
「クラシックですか」
「ええ」
「コンサートに行ったりしますか」
「以前何度かありますが杖ではいけなくて」
「そうですね、ホールの移動は危険ですね」
「ええ」
「森でブラス場バンドがあるといいですね」
「ええ、それでしたら大変楽しいです」
「音楽が好きなんですね」
「ええ」
「楽器は何かしていましたか」
「ええ、チューバを吹いていました」
「大きい楽器ですよね」
「はい、お嬢さんは音楽は聞きますか」
「ええ、ホルンを吹いていました」
「難しい楽器ですね、角笛」
「ええ、とっても長い管です」
「そうですか」
「ずいぶん話しましたね」
「お話ししながら歩くのは大切なことです」
「はい、ありがとうございました」
「これから仕事ですか」
「はい、一度帰ってコーヒーを飲んで向かいます」
「おしごとがんばってください」
「はい、またお会い出来たら」
「はい」
私は彼女の後姿を見ていました。
わたしはもうすこしあるいてスケッチをしようとみちのむこうのようすをみていました。いつも通り、静かに黙って歩きました。
べ地に座ると、おじさんが座って、もうひとりやってきて
「お前殴るぞ」
「また酒を飲んだだろう」
私はスケッチを続けて、向こうから保育園の子供たちがやってくる尾を眺めていました。
「手をつなごう、みんなで手をつなごう。民のことを考えてね」
保母さんと子供たち声が聞こえてきました。持参達は静かにぼそぼそ倒し相違はしていました。
温かい日差しにか座がそよいで、私は風景のスケッチを描きました。
私は、ベンチで少し眠ることにしました。
マリア様がこちらを見つめていました。
私は、このまま広場が安らかな場所でありますようにとお祈りしました。尼僧の方が、
「あなたのその不自由な左足を歩けない、きずついたひとにわけてあげなさい」と静かに私を諭してくれした。私はハッとしました。
「わかりました。お祈りではダメですね、実践をしてはじめてお祈りをするんですね」
「そうですよ」
尼僧の方は美しい笑顔でうなずかれました。
私は、手を合わせて、
「この足がお役に立ちますように」
私は一歩前に歩きました。
「神様のご加護がありますことをお祈りします」
尼僧の方が、微笑まれました。
私は、はっとして顔を上げました。
庁が一話青い空で飛んでいました。
「どうしてマリア様なんだ、私は、聖書も読んでないし、協会に行ったこともないのに」
私は思わず声を出しました。
そうか私はまた眠ったんだ。誰かい効かれたか、渡曽は思わず周りを見ました。男お子を連れた若い岡差がこちらに向かっていました。
「こっちよ」
「あっち」
「こっちよ」
「こっち」
「こっちなの」
「あっち」
男お子は面白がってこっちに向かってきました。
「こんにちは」
「こんいちわ」
男の子は元気にあいさつしてくれました。
「あ、すみません、あにかかきものをされているのに」
「いいんです、わたしがごあいさつしたんですから」
「ぼく、こっち」
「おじさんにごいさつしたんでしょ」
「違う、ばか」
「あごめなさい」
「そうか、違うんだね」
「ばか、僕が怒られた」
「もう3さいかな」
「まだ、とちょっと」
「わかったよ、お母さんの所へいかないの」
「うん、行く」
「すみません」
「楽しい子ですね、お名前は」
「そら」
「そらくん」
「宇宙と描いてそら、にしたんです」
「かっこいい名前だね」
「うん」
「お母さんこちらこそお邪魔してすみませんでした」
「いいえ」
「バイバイ」
「バイバイ」
二人は森の道に向かって歩いていきました。
「今日はいつもの広場と違うね」
「はーい」
「手をつないで、はい」
「いち、に、いち、に」
保育園の子供たちも森の道に向かって歩き始めました。
あれ、大きな岩
沢山御がけ
大きな葉っぱが落ちている。
畑はまだ遠い。
「今日の昼は握り飯」
「そうだ」
「蜜があるといい」
「とにかく、食料を」
「働くか」
「そうだな」
私はどうしたことか、腹ばいで歩いている。
葉っぱを食べようとしている。
「おい、こいつからとるか」
「いや、別のにしよう」
「幹の蜜か」
「ああ」
「あれは蜂との戦いになるぞ」
「ああ、口で噛んでやれ」
「そうか、じゃあいくぞ」
「えい」
「えい」
「幹いついたぞ」
「登るぞ」
「カタツムリがいるぞ」
「あいつも噛むぞ」
私っ腹ばいで、のぼっていました。ミゲルと青い空が緑の葉の向こうい見えました
「蜜はあるか」
「うまいのがあった」
「食ったのか」
「ああ、体力が持たん」
「そうか、わしも食おう。うみまいな」
「お前食ったのか、盗人だぞ」
「え、持ち帰るのはこれから集めるよ」
「遅いよ、俺は先に集めたから食ったんだ」
「そうだったのか、逮捕か」
「ああ、一週間の監禁だ」
「知駐在に報告をもうしたのか」
「いやもう東署に直接報告したから、逮捕は確定だ」
「お前仕事が早いな」
「お前がとろいだけだ」
「まいい、だいたいうまくいくから」
私は、コンクリートの上にいた。葉っぱと一緒に落下した。鳥が息蟻襲った。
「なんで来た」
「なんでお前がいる」
「歯と枝がい積んだ」
「わしは蜜を集めているんだ」
「そうか、おろしてやるから葉っぱからはあれろ」
「危なかった、もう一度蜜を集めないと駐在じゃなくて東署の刑事にやられる」
私はずいぶん、焦っていました。
「あなたの罪は、自分勝手で深いのです。お祈りを」
「尼さん、私は働こうとしていたんです」
「マリア様にお院理を」
「私は、アリです、働くだけですが左足が不自由で、腹ばいで歩いて仕事を始めました、広場が安全でありますように」
マリア様は優しく私のほうを見ていただきました。
「あなたの罪は消えません」
「はい」
「それではどうしますか」
「私は土を肥やします」
「よろしい、コネから毎市おいでなさい」
「毎日ですか」
「そうです、嵐の日も、日が照って乾いた日もです」
「はい」
どうしてマリア様は厳しいんだ。アマテラス様は許していただいたのに。
私は、がっかりして戻っていたが、やっぱり腹が減ったので、ミミズの死骸を見つめてしまった。
「なんで食ったんだ」
「理由はない、そこに蜜があったからだ」
「やってしまったな」
「帰絵ったら慶事がいるぞ」
「お帰り」
「はい」
「なんでわたしがここにいるかわかっちぇいますね」
「はい、理由はなかったんです」
「それだけですか」
「はい」
「みとめたんですね」
「はい」
「あなたには黙秘権があります」
「はい、あの法廷弁護人はどうなるんですか」
「まだ、そのてつづきはできません」
「はい、おなかがすいてるんでこんばんめしをくっていいですか」
「にげたりしないですね」
「はい」
「ではあすきますからにげないでください」
「くえそうだな、わかりましたおてすうおかけします、おせわになります」
わつぃはその夜とっておいたひもの小野魚を焼いて水を飲んで食べて、ゆっくり寝ること位しました。
とうとうつかまって拘置所いきか。
杖が使えないとまずいんだが、葉って生活するしかないな。でも不思議なんだが私は二元御はずだ。いつの間にか蟻になっていた。
私はベッドでしか寝れないんだが、拘置所ではただ飯らしいが、まともな生活はやっぱり無理だ。私はただ働いていただけなのに、罪状は盗難。本当にそれでいい岡、俺を通報したあいつも食っていたのに。まあ、明日をまつしかないから寝よう。
わたしはゆっくりけしきをながめています。
こどもたちがあそんでいます。
なげるよ」
「打つよ」
「とって」
「投げて」
「投げない」」
「どうして」
「理由はない」
そうだ、「理由はないんだ」
「おはよう」
「おはようございます」
「いたね」
「はい」
「君、よかったね、逮捕できないよ」
「ありがとうございます」
わたしは、まりあさまいおいおりしました。
「左足を差し上げます、不幸が無いように」
「静かに歩いて」
「はい」
さんびかがきこえてきました。パイプオルガンも響いています。
「私は祈りました、この場所が平雄であるように努めます」
緑の木陰から、木漏れ日がさしています。
「正直に」
「はい、尼さん
「感謝の心をわすれないでください」
「はい」
「またきてください」
「はい」
「ありがとうございます」
私は今朝も無事歩きました。
「あるけましたね」
「はい」
「はたらくんですね」
「はい出来ることでスケッチはします」
「まりあさまをえがいてください」
「はい、美しいあなたを描かせてください」
「いいえ、マリア様を」
「はい」
「教会のマリア様をスケッチします」
「おねがいします」
「不自由な脚は、みなさんにささげてください」
「はい」
まただ。
「成果もささげてください」
「はい」
「少し横顔を描かせてください」
「すこしだけです」
「はい」
「よろしくおねっがいします」
わたしはえんぴつをはしらせました。
「すみません、これです」
「わかりました、マリア様を」
「はい」
私は静かに祭壇に歩いて来ました。
まりあさまはこうごうしいひかりにつつまれてとてもかけそうにありませんでした。
私はしばらく見上げて立っていました。
マリア様はほほ笑んでいただきました。
わつぃはようやく鉛筆をはしらせました。
私は、ネロの気持ちになっていました。
「うおようやくかけましたね」
私はいつの間にかマリア様を描いていました。
「尼僧様、私は罪を貸しました」
「懺悔しなさい」
「はい」
私はようやく、助かったんだと思いました。
「あなたの罪は、きえません」
「はい」
「不自由左足をささげるのです」
「はい、尼僧様」
「神のご加護を」
わつぃはマリア様のスケッチを自宅に持ち帰って水彩で仕上げました。
「位相様、こちらです。ご自身に似ていませんか」
「いいえ、そんなことぉ行ってはいけません」
「はい」
「しかし、この絵は壁において祈りましょう」
「はい」
私はようやく役に立つものが書けたと思った。
私はその夜静かい眠りました。
穏やかな部屋に戻ったのです。
「おじさん」
「え」
「空鵜を見て、月が明るいよ」
いつのまにか、満月の夜になっていまし。
「家具や目ですか」
「ええ」
「つきにもどれたんですね」
「ええ」
「よかったですね」
「おじさんも」
「ありがとう」
「月は平和ですか」
「ええ」
「私は罪を犯しました」
「でも懺悔したでしょ」
「ええ」
「月いおいでなさい」
「え」
「もしよかったらお迎えを使わせますよ」
「そうですか、でも私はこのグランドのそばにいたいです」
「そうですか」
「はい」
「ではゆっくりお休みになってください」
「ありがとうございます」
「まとめにかかりましょう」
「はい」
「あまり、よけいなことはしないでください」
「はい」
「いろんなことに興味をお持ちなのはいいのですが、慎重に」
「はい」
「かぐや姫様、わたしを向けに来るということはもしかして私はもう短いのですか」
「はい」
「そうですか」
「はい」
私はやっぱりこのグランドのそばがいいです」
「そうですか」
「はい」
「では私も描いてください」
「はい、たすけてください、ごしょうですから」
「しっかり描いてください」
「はい、鉛筆と紙はあります」
「後できれいにロモお願いします」
「はい」
「では、おねがいしますよ」
「はい」
私は鉛筆を動かしました。
また、うとうとしたみたいです。
美しいかぐや姫と十二単の頃もが眩しく輝いていました。
わたしはこれでたすかるのか、でも月に行くおなら仕方のないことだ。
マリア様も仕上げなくては。
当然そうだ。
私はドアを開きました。そしてマリア様をもう一度見つめました。
「どうしましたか、またきたのですね」
「はい、どうやらわたしはつきにむかうようなんですが、私はグランドのそばにいたいんです」
「かぐやひめがきたのですね」
「ええ」
「それならいくといいですよ」
「そうしないといけませんか」
「あなたが選びなさい」
「はいこれですが」
「ええ、おいのりしていただきましtね」
「ええ、でも白い紙になったんです」
「ちゃんと私はそこにいますよ」
「はい、この頃おそろしいことばかりで」
「お祈りしてください、サタンは、いまはやすんでいますから」
「閻魔様は」
「彼は働いていますよ」
「無一度描いていいですか」
「はい」
「ありがとうございます」
私はもう一度マリア様を描きました。もう夜になってしまいました。
「おじさん」
「かぐや姫、ここに描いたものがありますよ」
「まあ奇麗な着物にお花もあるわ、月からお使者はいまいそがしいようですからもうすこしさきになりますけどいいですか、これをいただいてもいいですか」
「はい、でももう一枚描かせてください、いつもあなたを、近くでお祈りします」
「はい」
私は上池鉛筆でゆっくりかぐや姫を描きました。
「ありがとうございます、これです、かぐや姫、やっぱりあなたは美しい」
「おじさん、また縁日で会いましょう」
「はい」
私は、はっとして目を覚ましました、もう昼になっていました。
わつぃは安心して二度寝した用です。
グランドは青い空の下です。
私は、もう一度散歩に行こうかと思いましたがもう少し得てしまいました。
「こんいちは」
「はい」
「いや、元気ですか」
「はい、刑事」
「逃げないんですね」
「はい私はグランドのそばにいたいんです」
「そうですか、気を付けてください、最近車が増えましたから」
「青、それでまた私は何か罪を犯しましたか」
「ええ、噂です、かぐや姫とマリア様の肖像を描いたそうですね」
「はい」
「ちゃんとみなさんにおがめるようにしてあげてください」
「刑事さんどうしましょうか」
「市役所の支所に伝えてきます」
「はい、それで私は無罪放免でいいんですね」
「放免と配管、半分前科者は監視が義務だからな」
「私は普通に市民生活できないんですか」
「お前な、市民というのは納税の義務があるし労働の義務と権利があるんだ」
「はい、私はマリア様に左足をささげろと言われましたので、日々そうします」
「そこまでわかっているなら、守るんだな、一応署一丸となって監視しておく」
「そうなってしまうんですね」
「申し訳ないがこれは変えられんのだよ」
「わかりました、一日中監視カメラが付いて回るのですね」
「そうだ」
「ではシェパードを呼びます」
「シェパードって、組織のものか」
「いえ、引退した警察犬です、自己防衛のためです」
「私は警棒は使わん、気をつけろよ」
「脅された、お巡りさん助けて」
「うるさい私が行ったことだ。これは正当な業務だ」
「わかりました、また明日も来るのですか」
「しばらく、一日一度は来るかもしれん、本当は保護観察官をつけたほうがいい尾かもしれんが」
「はい、今日はまだいますか」
「お目腹がすいているだろ、そろそろ帰るよ」
「お疲れさまでした、今日は鯖缶があったはずなのでそれを食べます」
「おめそんな贅沢がなぜできる」
「帰らないんですか」
「なぜ、鯖缶を持っている」
「以前コンビで捨てるところを通った時くれたんです」
「証拠は、ヤマザキのか」
「はい」
「あとで主人にかくにんしておく」
「はい」
「問題無いといいが」
「はい」
「問題あるのか」
「いいえ」
「返事がよすぎるぞ」
「はい」
「そうか」
「はい」
「では気をつけろ」
「お疲れさまでした」
私はようやく鯖缶で夕食を食べました。
私は、不動明王様に、
「これからは、きをつけます、まもってください」
と祈りしました。
「馬鹿、甘えるな」
「終え買いします」
「d目だ、自分で気をつけろ」
「はい」
私は、眠ることにしました。
今夜牧谿自学るだな、めしは、どうしよう。またみずだな。
っしゅうかいしょのいどみずならだいじょうぶだろう。でも一言声はかけよう。
水しかないあ。
小銭があれば、でもヨモギぐらいあるだろう。とっていいところを聞いてみよう。
しばらくみずしかないな。
かぐや姫様、まどぁたしはグランドのそばにいます。
「わかりました」
「お願いします、グランドが平雄でありますように」
「はい」
「ありがとうございます」
グランドは今も社会人野球でにぎやかです。
けいじはまだきそうにありません。
私は水を飲んで飢えをしのいでいます。
今日もスケッチはやっていきます。
「おじさん」
「悪いことはしてないですよ、ちゃんと食べないとだめですよ」
「はい、残った固いパンを小分けにして食べます」
「おじさん、この種をまいてください」
「はい」
「レタスができます、水をやってください」
「はい、でも慶事に怪しまれそうです」
「ベランダmで見m千四」
「ありがとうございます」
とにかく私はなんとかして稼がなければ生活ができない。
「でもマリア様とかぐや姫様にみんなに祈っていただこう、舌月曜だから支所の役人さんが来るはずだから」
「おじさん、ありがとう、美人に描いてくれて」
「ありがとうございます、私はもう一つ皆さんに祝福できる場所ができそうです」
「はい、がんばってみます」
「なんとか生きてください」
「はい」
「ゆっくり歩いてください」
「はい」
私は今日、刑事に言おうともう。
「家内だけには離さないでくれ、これを約束してくれないとわしは生きた心地がしないんじゃ」
「おや、心配性ね」
「マリア様、怖いんですよ、うちの家内」
「罪を犯すからです」
「あれが、罪だったんですね」
「認めたでしょ」
「はい、でも私だけが、やったことでした」
「認めないと償いはできませんよ」
「はい、でも家内にだけは知られたくないのです、自摸を貸した尾はいいんですが慶事い監視されているのを知られたら私は生きていれないかもしれません」
「あなた、ごまかせませんよ、話したらいいんです」
「はい、でも無少し心を整理します」
「それぐらいやってください」
「わかりました」
「では、そうしてください」
「はい」
私は今日一日様子を見てみようと思う。
昼は食べさせてもらえたので何とか生きていけそうだ。
「食べたんですね」
「はい、マリア様」
私は東署に電話しました。
「もしもし、私は今電話も監視されているものですが」
「え」
「ですから監視されているものなんです」
「本署で直接監視するシステムはありません」
「でも慶事さんは私は東署が一丸となって監視すると言ってました」
「お名前は」
「わかってると思うので言いません」
「東署に来たことはありますか」
「ありません」
「どうして東署で監視されてると思ってるのですか」
「刑事さんがきてそういったからです」
「うちの刑事がお宅を訪ねたのですね」
「はい」
「それは詐欺かもしれません、部署と名前を伝えましたか」
「いいえ」
「それは詐欺です」
「私は蜜を取る仕事をしていて、仲間が蜜を舐めたので私三舐めたら窃盗と言われて、通報されたんです」
少し待ってください、調べてみます」
「はい」
つぃかににその通報はありましたが事件性は愛との判断で、うごいていません」
「でも慶事さんが来たんです」
「たぶん一応問題の無いことを確認に行ったんだと思います、事件になっていません」
「私のところに来た刑事さんお琴はわかりますか」
「はい」
「その人が毎日私の家に来て脅すんです」
「そんなことはありません」
「あるから電話をしたんです。責任のある方とお話しさせてください事情は伝えてください」
「はい、お待ちください」
15分はまったと思います。
「あー、毛時部長の長田です」
「聞いたでしょ、どういうことなんですか」
「わかりました。言った刑事に、謝罪させます」
「それはいいから二度と私の目の前に姿を出さないようにしてください、長田部長」
「はい、謝罪いたします」
「いいですか、また来たらこのことは週刊誌に通報します」
「承知しました」
「この電話は記録されていますか」
「はい」
「絶対に消さないでください」
「はい」
「お願いしますよ、お疲れ様です」
「はい」
画ちゃん、私は頭にきて電話を切りました。
これでようやくぐっすり眠ることができる。
明日からはゆっくり過ごそう。
床の間に挿す木漏れ日に浮かんだのは、一凛の紫陽花だった。
私は湯の音を静かに聞いていた。
私は、紫陽花を見つめて、小雨の日を思った。
私は苔の様子が懐かしく思った。
向こうから誰か来ている。
私は、静かに座っていた。
「いい日になりますね」
「ええ」
「時間をゆっくり味わいましょう」
「はい」
「お茶を一服」
「はい」
「どうぞ」
「いただきます」
暑い薄茶がお腹を満たして、くれました。
「ありがたい、一服でした」
「紫陽花」
「はい」
「山紫陽花が庭にあるんですよ」
「はい、みてきます」
「杖でお歩きなんです絵、気を付けて滑りますよ」
「はい」
「苔の石済みの間から覗いた、山紫陽花がありました」
ピンクのかわいいガクアジサイです。
「あー今日はゆっくりした朝を迎えた。
後でゆっくり紫陽花を描こう。
「ありましたよ」
「見つけましたね」
「はい」
「無一服どうぞ」
「ありがとうございます」
「どうぞ」
「あの、紫陽花につられてはいってきたらお茶室があったのでのぞかせていただいたんですが、ご親切にありがとうございます」
「はい、あなたかぐやひめをかかれているでしょ」
「はい」
「軸にしてください」
「あの今日、支所の方が見えてからにします」
「そうですか、もう一服」
「はい、」
私はゆっくりいただいた。
「かぐや姫のことはどうしてご存じですか」
「みんな知っていますよ、見ていましたから縁日で」
「そうでしたか」
「青スケッチは皆さんに拝んでいただくように手配されているんです、東署の刑事に」
「そうでしたか、でも御軸にされるといいですよ」
「はい、支所の方と相談します」
「いい御軸にしてください」
「はい、こちらは、長谷川さんですか」
「はい」
「お邪魔してもうしわけありません」
「いいえ、時々お茶を飲みに来てください」
「ありがとうございます」
「こちらは、畠山さん御お茶室に倣ったものですか」
「はい、やっぱりご存じですか」
「家何度かうかがっているので」
「お茶は」
「まったくやっていません」
「そうですか、私は美術が好きなので時々話し相手になってください」
「はい、ちょうど持っていました。これですが」
「水彩ですね」
「はい」
「軸装、しますよ、緒黄土面白い布を、円一で見つけました」
「大正おやつですね」
「ええ」
「夢二とかのもの、もったいないですから、やめておいてください、支所の方と相談します」
「それなら仕方ない、でもいろいろご存じですね」
「いえ、たまたま」
わたしはスケッチをみて、かぐや姫のことを思いだした。彼女の手の指は、優雅で気品があった。平安の姫は彼女そのものだろう。私は平安も見たんだ。月も見た。竹林は、山の中で特に地面がきれいなところだった。山の中を歩くのが好きだった。歩いて土の感じや落ち葉の違いを感じて、わきみずがでそうなところを探すのがすきだった。子供の頃から水で飢えをしのいでいた。岩があるとそこは信仰の雰囲気があって、地蔵があったりしたものだ。アマテラスはその岩山に隠れていたんだろう。マリア様はその岩の上で奇跡を起こしたんだろう。山紫陽花は、そんな岩山の影に咲いていたのかもしれない。杉の木が見えると山尾両船がくっきりと見えてくる。鎮守の杜も杉の木委囲まれていた。
「どうですかもう、一服」
「いえ、ありがとうございます十部いただきました。そろそろ失礼いたします」
「そうですか」
「あのー」
私はびっくりしたかぐや姫が現れた。
「おじさん、時々歩いているのを見っけますよ、奥さんと一緒で凍間大笑いしました」
「あーあの時の、介護しているお父さんって」
「そうです、わたしです」
「あ、失礼いたしました」
「おじさんまた来てくださいね」
「はい、いずれ」
私は、先日此処で紫陽花を描かせていただいたんです。畿央かぐや姫がベンチに座っているのを描いたスケッチもありますので今度見てください。
とw他紙は離していた。
今朝も木漏れ日では自裁を見つめている。
寝ぼけて歩いていくと腹が減ってしまいそうだ。
浩二君、きみとはまたあってはあすだろう。
田舎のグランドの事や相撲場のことを。
「そういえば平尾君と並んだ写真」
「私は馬鹿みたいに背が高いだろ」
「ああ、それが、かけっこがおそいのが嫌だったんだ、ふぉくだんすもにがてだったろ」
「朝礼で手を上げたらまずいぞ」
「ああ、よくやったな、呼ばれてから上げるんだ」
「そうだよ」
「君は先生の子だkら、目立つとまずいんだ」
「ああ」
「西村先生の娘が同級生で高校で会うことを知っていなかった」
「ああ」
「西村さんもきれいだった」
「新宿でコーヒーを飲んだろう」
「ああ」
「小野君お家で会った女性もきれいだったろ」
「ああ」
「けさみたひとはやっぱり、長谷川さんのお嬢さんだったろ」
「ああ」
私は、蟻がいたのを思い出した。
「ダメだ、水で腹を満たすしかない」
グランドの樫の樹の緑の向こうからゲートボールの音がしている。
西村さんは明るい、女性だった。
そういえば役所の人来なかったな。やっぱり詐欺か。
まあ、もう刑事のことはすっかり解決したんだ。
一度長谷川さんに、スケッチを前においていいか聞いてみよう。
今日も紫陽花のスケッチは続ける。
「おじさん」
「はい」
「水だけではだめですよ」
「はい」
「ちゃんとパンは食べてください」
「はい、ちゃんと昼は食べますよ」
やっと、ぎりぎり間に合ってこれた、家族のおかげだ。
今年見たかった展示の一つが見ることができた。
わたしも切り絵でジャズを作った。キルトシンメトリーで簡単にできると思った。
黒地に赤で好評だった。意外とひらめいたものを形にするのは面白いと思った、
マティスも幸せだったんだろうな。
もう少しゆっくり見たいと思ってわつぃは車いすを立ってゆっくり会場を回った。
明るい会場の隅々を見まわしてみた。
宮司の博物館もこれぐらいだといいが、できるかな。そうだ、長谷川さんに相談してみよう。
マチスの切り絵は、天空御星座のように、きらめいている。私はゆっくりあゆみをすすめて、美術日に触れる空気を味わっていた。
地下鉄を抜けると車窓に懐かしい風景が現れた。この街の住人の日常の時間を過ごしているが、w他紙は、グランドの様子を眺め続けている。いつの間にか、病室から、町の音が聞こえないか、この近所の住人は、日常をどうすごしているだろうか、とおもっていたころとかわっていない。
電車には、乗客が閑散としていた。仕事帰りの、帰宅時間には、まだ十分に早かった。
私は久しぶりに舎愛の様子を見まわした。この時間は親子ずれもいない。若い男女が肩を並べて座っている。次で乗り換えるのかな、表情を変えないでスマホを二人で見ている。そういえばパリの地下鉄では、ストリートミュージシャンが陽気な音楽を奏でていた。一駅が、短く感じた。はじめての街が、箱庭の用意感じられた。私はsy層を見ると、同じ風景が津木菟。気になっていた店の看板を追いかけていた。
私はいつか此処によるんだろうと思っていたが、もういい。
列車は東に向かう。私の住む街に。
わたしは、歩道からがる階段を見るたびに、ここに住んでいると、思う
みちがかわいていると、明るいグレーで気持ちがいい。
ランドセルを背負った男お子が元気に歩いている。
かけっこがはじまった。
「おはようございます」
「おはようございます」
元気な挨拶が帰ってくる。
私は静かにスケッチを続けました。
「大丈夫ね」
「まだいいよ」
「うん」
「朝は食べた」
「まだ」
「無少し散歩をする」
「うん」
「おいでよ」
「うん」
「仕事は」
「今日歩昼から」
「もう少しゆっくり歩こう」
わたしはみどりをながめてやっとめがさめました。
私は、ミントティーのような緑が、目の前に広がっているので、目がさめていたのです。
道が見えています。そこを歩いていいのです。
私はこの道をもう何往復したのでしょう。
まだまだ、この道は歩いていきたい道です。
いつも通り歩くことができたことで眠ることができます。
「おーい、できるか」
「やってみるよ」
明日の自分が返事をしています。
「ほんとうか」
「ああ、やってみるよ」
「それら、もっと違うことをyって見たらどうだ」
「働くのか」
「ああ」
「働くとろくんことをやらんだろ」
「ああ、でもやっておくよ」
「そうか、やめとけ、刑事が来るぞ」
「それは面倒だ」
「蜜はやめとくよ、餡子にするよ」
「そうだろ」
「ああ、しょうがない大体でやるよ」
ぢ体でいい。
今朝もやっぱり窓から太陽がおはようと言ってる。
私は、またゆっくりグランドを眺めて過ごす。
いい緑だ。
今日も道を歩いて、誰かに会う。
そこから、始まる。
私は、いつの間にか油彩を何とかしようとしていた。
私はまたギャラリーで焦っていた。
うまく自分の作品が見えない。
やっぱり白い風景にすることにした。
黒でも緑でもない。
すべてを包む白い風景。
それでいい。
また、あせってしまった。
汗をかいて目覚めてしまった。
ゆっくりしよう。
そうして本八よもう。
新聞の連載小説を読むのも楽しい。
その繰り返しが、できることが、幸せだと思う。
もう少し、もう少し歩いてみる
それから始まる。
緑の木の下のベンチを今日も私は見ました。既に近所お方が、
「おい、もってきたか」
「もってきたよ」
「じゃあはしめるか」
とはなしていました。
私は前を向いて歩いていきました。
緑の葉の香りがやっぱり、朝を連れてきてくれます。
帰ってコーヒーを飲もうと思いました。
今日もスケッチははじめます。
ちゃんと見つめておこうと思います。
すでにお腹がすいているので昼は葉や名刺用と思います。
また誰か来るのでしょうか。
そんな気配がします。
「西村さん」
「うん」
「こっちにまだいたの」
「うん」
「また、コーヒーを飲もう」
「うん」
入学式の後、クラスに分かれて、1-fの教室に入って、担任がやってきて、話し始めたが私はほとんど聞くことができないままあくびをしていた。そしてどうやら挙手で何かを決めることになったらしい。
「誰か立候補はいないのですか」
担任はそういったと思う。私はまたあくびをした。木造オタ手斧の古い教室だった。さすがに高校御教室は広く感じた。ちょうどいいことに、南向きの窓から眠い光がさしていた。中学の時のクラスメイトは幸いみられなかった。
「それで、いませんか、推薦もあっていいです」
担任はそういった。どうやらクラス委員の選出が必要らしい。
私は、変な視線が集まってくるのを感じた。
「君立たないのか」
痰飲が私委向かっていった。
後で知ったことだが私は学年で3番の成績で入学したらしい。
「はい」
私は、よばれたきがしてたってしまった。すると斜め先の席で一人立った男がいた。富永君だった。私は、「じゃあ」と言って座った。
すると、
「わたしやります」
と女子が、明るい声で立ち上がった。
これであおふたりでやるんだからいいかとおもっていたら、
「君名前は」と担任が聞いてきた。
「佐々木です」
「君は」
「富永です」
「君は」
「西村です」
じゃあこの3人からでいいか、
「私やります、卜部です」
女子が急に立ち上がった。
私はもう、ほか音化で決まることだと思っていたが、では挙手でと先生が一人ずつ黒板に書いた名前の下に上がった人数を着て行った。
私はまたあくびをしていた。
後で知ったのだが、学年トップはこの卜部さんだったらしい。
私は、もう窓の外を眺めていた。
「佐々木君、立って」
「え、はい」
「君と、西村さんだ」
すると卜部さんは涙目になっていた。
「はい、でも何をするんですか」
「それは君たちで決めることだ」
「え」
「はい」
西村さんは、こちらにむかって、
「私が副委員になるから、佐々木君委員でクラスの代表いなって」
「え、それで決まるの」
クラスはシ-ンとしていた。
「おいやれよ」
富永君がそういった。
「決まらないと終わらないんだ」
「そうか、何もやらないのもアリですよね」
「いろいろ自分たちで決めるんだ」
「はいでは、よろしく」
それから2年間、西村さんと私がクラス委員となっていた。
高校生活の始まりが、飛んだことになった。眠っていたのにな。
直ぐに昼になって、何も用意してなかったので,購買に行ってパンを買おうとしたらおばちゃんがうどんを売っていたので、聞いたら50円だったのでそれを買って食べた。昆布の味が、なつかしくて、これに決めた。と思った。
これが高校生活の始まりの一日。
私は300円を握って、校門を出て、右にある、田子焼き屋さんに行って、たこ焼きを頼んで食べた。ようやく、お腹が落ち着いた。狭い店に同級生が詰まって、黙ってたこ焼きを食べていた。校門を出ると古い町並みと、田んぼがあって、大きな白い蔵があった。ここで日本酒を作っていた。あぜ道がそのまま通りになった道のわきには溝の流れが碁盤の目のように流れていた。学校のグランドは川を渡っていった。その端のたもとに、トタン屋根で雨をしのぐ、東屋がって、そこでブラスバンドの練習をしていた。ばすどおりにでるとすうけんきっさてんがあって、バス停の近くの洋品店の3階のある喫茶店でクリームソーダを飲んでいた。バス停から、反対に行ったところのビルの4階にも喫茶店があって、ここは本格的にドリップコーヒーを淹れてくれた、時々母が、アメリカ叔母の送ってくれたコーヒーを楽しそうに淹れてくれた時の味だった。コーヒーというのはこれが、本物かとおもった。
私は階段を昇りながら日差しを感じて、コーヒーを飲んでトーストを食べて1時間寝ようと思った。
田舎町なので、街の動きはいつも同じなので、変わったものを探すのが楽しみだった。ある日洋品手を見ると、見たことのある奇麗な少女が楽しそうに働いていた。
「黒田さんよ」
「あ、真美さん」
「黒田さん、気に入ったみたい」
「何を」
「君」
「あ、そう」
私は少女をもう一度見た。
彼女の姿は記憶の赤に沈んでいる。
私は、何か違ったことがしたかった。中学時代の友人はいないし、次第に発展する街の様子を楽しんでいた。レコードに文庫本を毎週のように、買っていた。勉強はほとんどやっていなかった。中学時代にあんなにやったのに、何をしているのかわからなかった。学校においてあった土器を見るのがおもしろかった。弥生と縄文だった。これがこの街にあったのか、町の郷土史家、がかいたきろくをみながらここが古戦場で首塚があったところか、今も忌まわしいと呼ばれる辺りは荒れたままだった。
「おい、ちょっと食べていこう」
富田君が声をかけてくれた。
「うん」
私は彼と新しくできた家電ショップに向かった。一回の片隅におでん屋があった。
「ここ」
「うん、こにちわ」
おばさんが、
「またきたね」
「何にするの」
「がんも」
「そっちは」
「はんぺん」
黒田さんだ、私は驚いた。
「どうぞ、富永君はよく来てくれるのよ」
「黒田さん」
「はい」
「ありがとう」
「知り合い」
「知らない」
「名前知ってたろ」
「知り合いよ」
「ほら」
「知らないよ」
「真美ちゃんの友達同士なの」
「なるほど、真美ちゃんの」
富阿賀君は、黙って食べました。
「あ、辛子お願い」
「はい、富永君」
その夏頃まで、洋品店を見ると黒田さんの姿がった。
夏休みで、ブラスバンドの合宿から帰るとすっかり日が短くなって、街は、山陰の時間になっていた。
私は、美術のことをやろうと思った。
油絵、確か道具がった。私は、よくわからないので入門書を買って、厚紙に絵を描いた。キャンバスという尾を買わないと意味があいのかなと思っていた。水彩とは勝手がずいぶん違うんだな、それにしても、道具をそろえるのは大変だ。私は購買のうどんを食べる尾をやめた。でも時々まだチェーン店が来る前に始めたハンバーガーおウインドウを除いて、ここには来てみようと思った。一軒しかなかった、待ちの書店に並べてある美術の背表紙はもうほとんど覚えていた。やはり哲学という尾を知らないといけないのか、私は、わからないなと思った。
そのころ私はサイモンとガーファンクルを知って、これも哲学化、でもわかりやすい音楽だなと思ってよく聞いていた。
美術手帳だけは毎月買っていた。そこで知ったことが東京との距離を知締めてくれたが、今だい私は、ニューヨークとの距離は、ハルク中の果てよりも遠くにある。
そしていつの間にか黒田さん御ことは忘れていた。
ある日、美術の木梨先生に誘われて、コレクターのお医者さんお家についていった。
いくつかの彫刻に、マルケの油絵と、デュフィの油絵の実物を見せていただいた。そして印象に残ったのが、曖光の、隅で描かれた鷹のデッサンだった。
これか、と私は、ようやくであったような気がした。
私は、鉛筆で、やまのスケッチをしていた。黒の色調と線の味わいが好きだった、小学校で習った小川先生のおかげだ。
私は古い木造オタ幾巻の屋根裏部屋に潜り込んで本を探すのが好きだった、そこで小川先生は木版を制作していた。
通路のよう南外部屋日本が置かれて、も尾語りを探していた。小川先生の版木があったのでわたしはすこしこわかったけど、できそうなyところをほってしまった。
おぐぁ先生に見つかって、
「あ、やってしまった」
優しくつぶやいて、
「なんとかなりそう」
と言って彫刻刀で、版木を掘っていました。
私は驚いて、「ごめんなさい」も言えませんでした。
そのあと先生のスケッチブックをみせてくれました。
すごいン、本物は、私は驚いて自分も描いてみたいと思いました。
そこで見せてくれたスケッチ委は、自分が書いた山のスケッチの様なスケッチをした子のスケッチもありました。それはごつごつとしたタッチで鉛筆の腹で描いたことがわかる線でした・
これは参った。もっと頑張らなくては、と思いました。私は、そこに休憩時間ごといって好きな本を探す尾が楽しみでした。古い木の香りがする心地のいい場所でした。
高校2年の時音楽の石川先生が、君なら音楽で大学に行ける、と言ってくれてピアノ淘汰御レッスンをしてくれました。私はその時、あまりにできないのでこれは間違った。と思って荘ママやめてしみました。そのあと、始めたのが、油絵でした。
そのころからときどき開館したばかりおひろしま美術館に行って、長い時間を過ごしていました。
「おい、触るなよ」
「いいんだよ、ちょっとくらいで、落ちないから」
「大岡君、やめよう」
「大丈夫だよ」
「何かありましたか」
警備のおじさんがやってきました。
「嫌いい感触ですね」
大岡君はにこやかに答えていました。
「警報が鳴るのでやめてね、腰でピーピーうるさいんだ」
「あー、どうもすみません」
大岡君はにこやかに言いました。
私は少し距離を置いて回りました。ゆっくり見たいのに、台無しだ。
でも不思議と怒らなかった。
私はこの美術館で様々なことぉ学んだ。
ゴッホの色がチューブの色の万菜緒で驚いた。
マネのパステル画グレーがきれいなのには驚いた。
マネも輪郭線だけで空間を表現していた。
モネの水連の絵はやっぱりうつくしかったが、ルノアールの色はなまめかしいと思った。
ピカソの抽象はすごかったが、青の時代の絵は、やっぱりモディリア^-二のほうが貧乏くさくていいな、とおもった。桃色の時代の女性の腕太さには驚いたが、これで絵になっているのに驚いた。
そして私は、画塾の近所にできたギャラリーで見た青木繁の眼に驚いた。私はその後東京御近代美術館で見た曖光の眼とにらみ合っていた。
「おい。大丈夫か、死ぬなよ」
「ああ、みんな死んじゃうんだ」
「いい絵を描いたじゃないか、死ぬよ」
私はこの絵と一時間話をしていた。
もおなり里は、目を合わせただけで終わってしまった。
あのギャラリーで私はボイスの眼を赤い血に感じた。
そして私は藤田嗣治の、サイパン島玉砕の絵の前で、
「とても狂った容易喜んでいるな、絵を描くのがそんなにうれしいのか」
「そうですよ、これは歴史がですよ」
藤田は、おどけて行った。
東山魁夷の道の絵の前で、
「どこまでも歩くんですね」
「ええ、世界の風景をみていきまっしょう」
笑って答えてくれた。
デュシャンの降りる階段の前で私は。
じっと睨みつけて、
「見えたよ」
といったら、
「現実しか話してないよ」
と笑って答えてくれた。
私はこうして作品と沢山話をして、美術手帳に書いてあることがわかるようになってきた。
そして銀座の画廊の様子がわかってきて好きな作品に出合う尾が楽しみだった。でもやっぱり、平面の仕事がいいなと思った。そのころ私は新聞もテレビもラジオもない生活をしていたので、流行りの言葉も音楽も服もわからない生活を送っていた。週末京橋から新橋まで歩くのが楽しみだった。
この頃であったのはミズテツオさんと、醍醐イサムさんだった。私はこの二人の仕事を見ては、ここと世界は遠くないんだなと思っていた。
銀座では李禹先生に、菅喜志雄さんに、日本画の岡本さんとかが品パに見ることができた、ナムジュンパイクも初めて見た。ボイスとやった人がいた。
そして青山では、キースへリングが落書きをしていた。このあたりのことはわからなかった。また、村上隆さんが新しい潮流を作っていた。大岡君の同級生だ、ということは私と同じ根例だ。そして美術手帖やファッション雑誌で、内藤礼さんの様子が紹介されていた。内藤さんとはのちに、志村ふくみ先生を訪ねて、不思議な時間を共に過ごした。最近新聞で、内藤さんが、国立博物館で縄文と向き合って新作を発表することを知った。
あの時の時間は無駄ではなかったんだろう。
私は今、自宅からあまり出かけないが、このことで世界とはつながってそうだ。
そして私は秋山祐徳太子さんや、古飯由吉先生や島田正彦さんと過ごした時間が懐かしい。
私は今日も紫陽花をスケッチして一日を過ごした。
水彩の美しさを日々感じている。
透明水彩をもっとやってみようと思う。
私はスケッチブックはもうやめた。
紙一枚と鉛筆で楽しみたい。
水彩の透明な色を楽しんでいたい。
ギャラリーをめぐることはできないがテレビは見ることにした。
みじかな風景をみているがすいさいで世界とつながっているのでたのしんでいたい。
グランドの道は、いつ歩いても新鮮な発見がある。入り口の段差のありようがいつも違って見えるので、光によって細い線になったり立体的になったり楽しんでいる。
グランドでは少年野球の声が響いてくる。
お昼に鎮まって夕陽が落ちたみんな元気に帰っていく。
赤のユニフォームと紺のユニフォームが、元気に飛び回っている。
凪いだ風が、大木の枝の下のほうをゆっくり揺らしている。五彩色になった菓子の葉が、ハート形に並んで、ゆっくり、上下に動いている。浄瑠璃の着物のように。今朝降った雨で枝が重くなっているようだ。バッドを振る音と大人の歓声が、枝の向こうで響いている。時折響く自動車のエンジン音と曇り空の朝だ。私はこれからスケッチを始めようと思う。水彩の透明あい路と自然の異論の響きが、生まれるといいが。
小川の流れに、雲母がきらめく。魚の影がさっと横切った。急流の水の雫が、向こうに見える。また私尾横江お魚が、走っていった。枝の動きは川の水の動きに似ている。穏やかだと持っていたら、急に暴れてくる。
「オジサン」
「やあまた、会えたね」
かぐや姫がまた来てくれました。
鳥たちが、さえずっています。
こだちおむこうで、楽しんでいます。
「お腹すいたな」
「虫もいないよ」
「若葉を食べよう」
「嫌だ」
「好き嫌いがあるんだな」
「グルメだから」
「おい、道に、小さなつぼみが落ちてるよ」
「見えた」
「食べるか」
「食べよう」
「猫はいないな」
「いない」
「降りよう」
鳥たちは静かに道に降りて、緑の芽を食べ始めました。
その様子を緑の蛇が枝の上から見ていました。
「危ない」
空を飛んでいた仲間が知らせました。
鳥たちは一斉に飛び立ちました。
「見ろよ、あの蛇」
「ベロが真っ赤だ」
「あいつは悪魔だ」
「悪魔だ」
するとカラスがさっと横切りました。
ばさっ。
下を見ると、緑の蛇が気絶して泡を吹いていました。
するとカラスがやってきて、蛇の頭を加えて振り回して首を引きちぎってしまいました。
からすはあたまをはきだして、
「これはまずい奴だ」
と言って飛んでいきました。
鳥たちは青くなって飛んでいきました。
カラスはまた急降下しました。今度は蛇を食べていたネズミを加えて、地面に叩き潰しました。
「こいつもまずい奴だ」
カラスは、そういって、電線に泊まりました。
道には、江角の死骸と蛇の死骸が転がっていました。
「もうすこしかわかしてからにしよう」
「言い、食いものが転がっている」
アリたちが群がってきました。
ネズミも蛇も一言もしゃべらないまま死んでいきました。
「かぐや姫」
「子の死骸は土に埋めるよ」
「はい」
「あ、打った」
「いい当たりですね」
「あの人、彦星」
「そうですか」
「織姫の彼氏です」
「織姫は応援に来ないんですか」
「ええ、梅雨になったので来れないんです。天の川が暴れているので」
「かぐや姫、竹林には行かないんですか」
「なんてことを言うの、おじさん」
「竹林も乾いているので、織り姫様を待っているんじゃあないかと」
「私は、いやよ、いい男は来ないもの」
「そうですね、朝早く行くのは、じじいだけですから」
「そうですよ、彦星さんのような方は、いませんよ」
「彦星さんここでよく野球をしているんですか」
「はい、わたしも応援に来ているんですよ」
「そうですか、気づかないうち私は見ているかぐや姫様をスケッチに描いていました」
「今度お持ちください、見たいわ」
「はい」
グランドの緑をゆっくり眺めていた私は、水彩の透明な色彩で何とか描きたいと思いました。
樹の幹の根元からクワガタムシが出てきました。
よる街頭に誘われてきたらいい木を見つけたみたいです。
「登るぞ」
「おう」
「やるか」
「ああ、もっと上で、落ちたら負けだ」
「そうだ、きょうこそけっちゃくをつけよう」
「お前とろいな、ついたぞ」
「おれはいちどいってかえってきたんだ、おまえとろいぞ」
「やあ」
「上から攻撃か、えい」
桒形派体を持ち上げて、下に落とそうとしました。
「えい」
今度は上野クワガタが、舌のクワガタを持ち上げて振り落とそうとしました。
「あ、あぶない」
ヒュー。
二人とも地面に真っ逆さまに落ちました。
「胴体か」
「もう一度」
「ああ勝負が決まっていない」
「いくぞ」
「ああ」
「見えた」
「青い空」
「いくぞ」
「きたな」
「あっちでやろう」
ふたりは枝のさきにむかいました。
「えい」
「やい」
二人は自慢の葉をかみ合いました。
「この」
「負けないぞ」
「えい」
「やい」
二人は力尾限り戦いました。するとカブトムシが来て。
「じゃっまだ」
と言って二人を角で落としました。
「えい」
「やい」
「もう一度」
「ああ」
兜虫は枝の上に立って、次は、誰だと空に向かって、叫びました。
私はカブトムシの角をひょいとつまんで、樹液の出ているところに運んでやりました。
「おーこれはうまい」
カブトムシは夢中で食べていました。
面倒な奴、針を刺すぞ。
スズメバチが飛んできました。
「えい、うるさい奴ら、津尾でつついてやるぞ」
「甲羅が固くてだめだ、腹をみえたときに一撃だ」
「スズメバチは、音を鳴らして、美紀の横でホバーリングをしていました。
すると雀もホバーリングして、スズメバチをくちばしで、加えました。
クワガタムシは、見上げて、おいこれはすごい戦いだ。
「カブトムシ、頑張れ」
「おう」
「やってしまえ」
「おう」
スズメバチはたまらず、ニゲテイキマシタ。
「面白いな」
クワガタムシは見上げていました。
雨に揺れています。
こんなに雫が落ちていると、どこにも行けません。
グランドの木立は、ようやく緑を増していきそうです。
傘をさした人がカタツムリを見つけました。茂みの枝でぐるぐる動いています。
相変わらず左周りのやつです。
にゅうっと見上げました。
紫陽花は道の向こうでした。
カタツムリは道を渡ろうとしましたが自動車が来るのでなかなか渡れません。
その時、風が吹いて、が吹いて、カタツムリは葉っぱに乗って、道を渡りました。
カタツムリは歩いて紫陽花の葉っぱに向かいmした。
途中砂を噛んでいきました。
「おい」
「やっと着いたな」
「こっちの水は甘いぞ」
「あっちの水はしょっぱいぞ」
「甘い水で行こう」
「そうしよう」
「甘い水は、少し背徳感があるな」
「ああ」
「ホーホー蛍こい」
「かないとたべちゃうぞ」
「ひかった」
「漸く梅雨になって、夏がちかずいた」
「甘い水と、砂糖の乾パンをたべよう」
「ねむの木にいこう」
「あそこは注射器が捨ててあるから危険だ」
「まだ皮は濁ってない」
「雨の音がいいね」
「雨がないとね」
「飴はいいよ、なめるよ、塩飴を」
「甘しょっぱい、のでいいんだ」
「塩は危険だ」
「諸おっぱいだけだよ」
「梅からとったやつだよ、きっと」
「眠の花が咲いた」
「ふわふわだよ」
「葉っぱがおじぎするから、静かい歩こう」
「蛍が大量にやってきた」
「火の玉のように烏合いてる」
「怖い奴らだ」
「源氏と平家の戦いだ」
動物のよう亜光の塊がいくつもできて、皮の奔流にかかった橋げたに消えていく。
ねむの木は月あかりで、あまいかおりをはなっていた。
カタツムリたちは「これからまだまだあそぼう」と声を掛け合っています。
皮を酔いでいた魚は、
「今夜はやけに騒がしいな、虫が飛び始めた、ジャンプして食ってやれ」
と言ってジャンプしました。バシッ、バシッと水扁をたたく音がしています。
光の塊はその上を右に左委泳いでいきます。いつまでたっても光の塊は消えていきません。
源氏と平家の戦いは、夜通し続きます。
疲れた兵士は、水辺の草に泊まって休みました。
空には天の川が流れています。
彦星と織姫は和えたのでしょうか。
「奇麗ね」
「ああ」
「こんな場所がったのね」
「ああ」
「どうしてここに来たの」
「呼んでくれたから」
私はゆっくりと夜道を歩いていました。
二人の後ろ姿を私は月あっかりで眺めて居間市二人御後姿を月明かりで見ていました。
彦星と織姫が降りてきたみたいです。
「此処、蛍よ」
「ああ」
「わたしやっとあえたわ」
「ああ」
「遠くにいたからな」
「手を繋いで」
「ああ」
「寒かったか」
「ええ」
「少し川から離れて歩こう」
「いえ、川のそばがいい」
「風邪にならないように、私のコートを」
「ええ」
「食事をする」
「もう遅いわ」
「食べなくていいの」
「ええ」
「歩いてるうちに、もう東の空が少し明るいよ、朝食をとろう」
わたしは、静かに聞いていました。
西の空には,三日月が沈んでいきました。
「ねえ、蛍、こんなに、たくさんいるのね」
「そうだよ」
「コンビニでコーヒーを飲みましょう」
「いや、この時代にはコンビニなんてどこにもないよ」
「うそ、ちょっと歩けばコンビニに当たる時代よ」
「此処は違うんだ、バスでここに着いただろ」
「うん、すぐ夜になって外が見えなかったわ」
「あのバス、もうすぐ引き返すから乗ろう」
「もう少しこの川辺にいたいの」
「帰れなくなっちゃうよ」
「そうね、乗るわ、ここはどこなの、多摩の奥まで来たのかしら」
「いや、違うよ、ここは僕の育ったイア化に来たんだ、60年も前の風景だよ」
「笑う、冗談」
「いや、バスに乗ろう」
「うん」
「また、私が夢を見たらここに来ることができるよ」
「笑う」
「また、ゆっくりこよう」
「ホーホー、蛍恋」
「ご機嫌だね」
「うん」
私は、カタツムリと話していました。
夜が明けそうです。
二人はゆっくり歩いてバスに乗りました。私もそろそろ目を覚ますと思います。
「静かなグランドお様ラオ紫陽花がまどぁらっています。
緑が静かに揺れています。
一日がゆっくり動いていきます。
どこまでも歩いていく道は続いています。
「ゆっくり」
「わたしはもうだめだよ」
「そんなことはいわないで、ゆっくり」
「あーもううごかんから」
「ゆっくりあるきましょう、かたつむりのように」
「あー」
「またおあいしましょう」
「また」
私はスケッチを続けました。
緑が揺れています。青い空の下で。
鳥が鳴き始めました・
空高く飛んでいきます。
わたしは、緑の木立の中を歩いていました。
ゆっくり座って、私はスケッチをしました。
自転車で学校に通う子供たちが、通り抜けていきました。
また二人の若者が歩いて気ます。
「スープ飲んだらあったまったね」
「はい」
「アイスが食べたい」
「かき氷が始まったみたいだから食べよう」
「はい、冷たいのぐ言い、少し熱いよ」
「蒸し暑いね、まだ梅雨なんだ」
「またほたるをみたいわ」
「今度満月の夜に」
「かぐや姫も喜ぶわ」
「かぐや姫、紅茶を用意しておこう」
「ええ、あったかいのを
「ああそうしよう」
「楽しみよ」
「バスに乗り遅れないように」
「ええ」
「ずいぶん時間が遠い場所だよ」
「ええ」
二人は川面を眺めていました。
「ちょっと横をお借りしていいか」
「あ、はい」
おばあさんは腰かけてゆっくりと川面を眺めていmした。
「私はこのあたりにいたんですよ」
「原爆の時ですか」
「そうだよ、ほんとうは孫も連れてきたかったんだけどね」
「強制労働だったんですか」
「いや、うちは貧しくてね、ここで働きに来ていたんだよ。沢山いたよ」
おばあさんはじっと川を見ていました。
「戦争は嫌だよ、若いんだからやっちゃあだめだよ」
「ええ」
私は驚いて答えました。
おばあさんは黙って見つめています。
私はおばあさん何を見つめてるのか、わかりませんでした。
「60年も前のことだよ」
確かそういいました。
50年も前のことです。私がそこにいたおは。
曇り空の追日でした。
路面電車がゆっくり走っていきます。
車の音も静かでした。
「おばあさん、韓国から」
「そうだよ」
「ハングルできませんが、尾は足出来ますか」
「だいじょうぶだよ」
「広島に住んでいたんですね」
「そうだよ。家族もたくさん」
「原爆に会ったんですね」
「そうだよ。みんな死んだ」
「僕の両親も原爆に会っています」
「そうか、二世」
「はい」
「二世は複雑だよ」
「おばあさん、おいくつ」
「80だよ、もう来れないよ」
「またお孫さんと来てください」
「そうしたいね」
「韓国にもおいでよ」
「はい、いつか、成人して考えます」
「おいでよ」
おばあさんはそういって立ち上がりました。
私は、今でも太田川逃れを思い出します。
潮が満ちると海の香りがしてきます。
温気に川べりを歩くと、昔の石垣の様子が残っています。
市電に乗ると、どこまでも行けそうで楽しいのです。
低い山を眺めて移動する小さな町です。
おばあさんの街はどんな街なのか、ソウルも広い道で、遠くに低い山がありました。
わたしは、もう一度、歴史を知らなくては、とおもっています。
韓国の昼食の副菜の多さには驚きました。
ゆっくり太鼓を鳴らして食事をする様子は、穏やかです。
太田川の流れも静かです。
時間は同じだけ過ぎています。
今日も一日が静かい始まります。
川沿いの店は、文化の歴史を感じるところです。私は、近くに住んでいたことが信じられません。
暮らしはどこにでもあるのですが、あのおばあさんもうなくなっているでしょう。
私は、まだ太田川の流れを見つめています。
そして緑の木々を見つめています。
今日も時間が過ぎていきます。
ゆっくり朝を取ったら体がほてって決ました。
私は、また少し寝ていました。
曇り空でしたが雨が降り始めました。
私は大粒の雨を頭に感じました。
私は自分の姿が映っているのを見て驚きました・
まず、体操をしなくてはそして歯を磨かなくては、と思いました。
二人の姿は消えていました。
バスが来ました。
私が乗ると二人はすでに座っていました。
窓の外の風景は、虹色に流れていきます。
バス停はまだまだなさそうです。
揺れもなくて、音もなくて、私はまた眠ってしまいました。
田んぼはレンゲ畑でしたがもう苗が植えられて、緑の家が伸びて、草原の用意揺れています。
段々畑です。
やがて田んぼは黄金色になって、穂をうなだれています、赤とんぼが飛んでくるようになりました。
田んぼの上を駆け巡る風が、そろそろ、夕暮れだよと言っています。
自転車に乗った、若い男女の二人の影が、田んぼの稲の上をすべるように走っています。
小川の音が聞こえました。
田んぼの向こうに太田川が上がれています。
その手前を2両編成の列車が走っています。赤トンボが飛んできました。水はどこまでも透明です。
川岸委は、若い女性二人が座って、楽しそうにわらっています。
まだバスの時間には早そうです。
私はお腹がすいたので、持参した、おにぎりを食べました。
御赤が幸せだと笑いました。
私は、お世話になった床屋さんに向かいました。
「あーここだったのに」
バス停もお店も消えていました。ここの二階からよく、向かいの山を眺めていました。
一列目には会社経営をしているような恰幅のいい男性とその奥さん
二列目には、高校生らしい、日に焼けた少年。
私は3列目に座った。
若い男女の二人は、斜め向かいの前に座っていた。
また彼らは来たんだな。蛍の夢をみせてやろう。
夜の空には白鳥座、琴座のベガが輝いています。
くぁは穏やかに、月あかりを反射して流れています。
川辺に伸びた、夏草の葉で、明かりが点灯し始めました。
やがて、光御細い線が、川の上を踊り始めました。
二人は気づいていません。
バシャ、はやが、飛びあがって、虫を食われました。
光の線は急にせわしく飛び回っています。
「着いたよ」
「はい」
二人はバスを降りました。
「また来たわ、蛍、川で光っているわ」
「ああ、もうすぐ動物お様な塊になるよ」
「ええ、ゆっくりいきましょう」
バスは、発車しました。
私は、しばらくの間蛍を眺めることにしました。
恰幅のいい一列目の紳士が、背伸びして、外を見ました。
「あー、祭りが始まるな」
川のそばの社で、太鼓が響き始めました。
谷の向こうまで響いています。
「この辺りには、ヤマタノオロチ伝説があるんだ」
「え」
若い男性は、太鼓の音を聞いたようです。
神楽の始まりです。
川のそばの神社の神楽は、きらきらと奇麗な神楽です。
ヤマタノオロチが華麗今います。水のそばですから、生き生きと動きます。美人の姫がさらわれました。危機一髪ですが、知恵を働かせた武人は酒をオロチに捧げて、オロチは美味しそうに、ごく、ごくと、酒を飲みます。酔ったオロチは、グダグダです。武人はオロチに切りかかり、オロチの首を撥ねて、太鼓の音はますます勢いを増して早く響きます。
姫が助かると、老いた父母は、紅葉狩りに出かけます。楽しそうに谷を昇って歩いていると、鬼がでてきてひめをよこせとおどしました。驚いた老父は、杖で抵抗しますが、かないません。
すると若い侍が来て、おい退治委向かいました。猿と犬と、雉はつれていきました。侍は猿と犬と雉に黍団子をやりました。老母は、怖い鬼に、今年できた新種をなみなみと次いで出しました。鬼は機嫌がよくなって、踊り始めました。
若い侍は、震える老母を慰めて、姫を安全なところに連れて行きました。慌てた鬼は追いかけていきます。侍は、あわてて走って追いかけて来た鬼が疲れ果てているのを見極めて、一気に切りかかりました。3人の鬼は、こいつ、打ち殺すぞと金棒を振り回しましたが侍は機敏で飛び回って逃げては霧、鬼は、これはたまらんと、
「もうやりません、ゆるしてください」
と泣き始めました。
侍は、また、やったら今度は切り殺すぞと鬼を脅しました。
「もうやりません」
猿は甥が飲んでいた酒を取りあげて飲み始めました。
「こいつ」
鬼はか安房を振り回しました。
すると雉が飛んで、鬼の芽をつぶしました。
イに歩二の足をかみつきました。
「またやったな、許そうとしたがやめる」
侍は一気に鬼の首を撥ねました。
「ありがとうございます」
お姫様は、泣きながら侍にお礼を言いました。
侍とお姫様は、紅葉の谷で、仲良く舞い始めました。老婆も老父も、犬も猿も、雉も喜んでいました。
紅葉の谷は、西黄色に染まっています。
舞台御鳴り物は静かになって、川の流れが、響いています。
「今のは、何」
若い女性が効きました。
「あれは神楽です。出雲神楽です。僕たちも練習しています」
少年が明るく答えました。
「まあ素敵なものが見れましたわ」
紳士の連れの奥様がよろこんで、指さしました。
「これはすごい、こんなものがあったんだ。今度処にみんなを連れてきて楽しもう」
紳士も大喜びでした。
指さされた舞台は急に、七色に輝きました。
指差し女将の舞台でもあったようです。
蛍が急に固まって動物御ように卯木着始めました。
「祭りは終わりか」
「まだ夜明けまで続くはずです」
「チャンチャカ、チャンチャカチャン」
鈴のような金属お音が響きはじめました。チャパという和楽器です」
「蛍は曽於音に合わせるように膨らんだり縮んだりしました。三日月が笑っています」
今日は、バスは朝になるまで動かないようです。
「リズムおもしろいな、息があっている」
やがて若い侍が、鬼を鎮める舞をはじめました。天に向かって刀を回しています。
あらまあ老母は鬼の首を見て
ちゃんと使を作りましょう。1000年災いが起こりませんように」
「鬼や、鬼や、もう怖がらせない出遅れ」
「鬼や鬼や、二度と来るなよ」
「鬼や鬼や、金棒は、鍬になおすぞ」
「畑仕事をやろう」
「ゴー」
「ほら怒る、もう休んでください」
おじいさんとおばあさんは、天にむかっていのりました。
谷底に祀られた社の神楽舞台は高校と明かりがともっています。
川のそば菜緒で夏でも寒いくらいです。
空を見上げると、地底の奥底に立っているようです。
バスが崖っぷちを走っています。
少年がバスから降りて自転車に乗り換えました。若い二人も自転車に乗りました。
「おい、向こうで魚を焼いているようだ」
「食べましょうか」
「いってみよう」
紳士夫妻は、食事小屋委向かっていきました。
「二十焼きもやっているのね、綿あめもあるわ」
「素麺が食べたいな」
「ワサビの利いたそばがおいしいですよ」
少年が言いました。
「少し座って食べよう」
「いらっしゃい」
「蕎麦があるそうなんで、でそれを、魚もやいていますよね、それをお願いします」
「アユ、と姫マスどちらにしますか」
「両方頼めないかな」
「はい、時間を少しいただければ」
「お願いします」
舞台では、侍が集まって、舞を踊っています。
荒ぶる神の怒りを鎮める舞です。刀を鮮やかに、振って、待っています。
舞台の上で松の木がゆっくり揺れています。
夜明けが近いようです。谷底から見上げた空が、白くなっています。
バスの発車まで私は、道を歩こうと思いますが、上いあがるまで石を伝って登らなければなりません。
綿足は神社を眺めン柄ゆっくり上りました。上いついたときはもう夜明けで、すぐにバスにの乗りました。ほかの人たちも無事帰ってきました。
「まだ続くのかな」
「夜が明けて明るくなっても続きます、みんなへとへとになるんです」
「年に数日の事なので、みんな楽しんでいます」
「これから来る人もいるんです、ラジオ体操をやりに集まります」
「セミが鳴き始めました」
「つかれたな」
「エムって帰ろう」
「ワサビがうまかった」
「水がきれいですから」
「また来ましょう」
「ああ」
大きく曲がって三つの川が集まったところに橋がかかっています。
そこをじてんしゃでいくと、真っ逆さまにおちてしまいそうです。
鬼の首塚も崖の淵にあります。坂をおボルト、すぐ近くに鉄道の駅がありますが下るとずいぶん、下ってやっと街につきます。
私は一度登ってみることにしました。
杉の木が山の稜線にまっすぐ立って並んでいます。
山はまるい、なで肩ですが、きりたったがけはけわしいところです。
道を回って上ると、段々畑が出てきてそこをおボルト沢が流れています
おばあさんがやってきて、
「これを取っていきましょう、ワサビの葉です」
沢に生えていた長い茎の葉でした。
私は一つとっておばあさんの後をついていきました。
農家のドンに着くと、すわってまってなさい。と言われて待っていると、おばあさんは茶碗に白いご飯を継いでお盆で持ってきてくれました。
そしてさらにマヨネーズを絞り出して、
「これをつけてごはんといっしょにたべてごらん」と言いました。
wあたしは箸で茎をもってマヨネーズをつけて食べると、
とてもさわやかな味がして、一気にご飯を食べました。
「自然にできたわさびだよ、今年はようやくできたよ」
「ありがとうございます」
わたしはあるいたつかれをいっきにわすれることができました。
私はゆっくり段々畑を下りて、途中でスケッチをして、
バス乗り場に向かいました。
バス乗り場の前は広場になっていて、バス停は旅館になっていました。
私は土産物の神楽の面を見ましたが、今回は買うのをやめました。
神楽の、創作人形やお面は、地元の人々に愛されていました。
私は碧鬼の面を探しましたが笑っていたのでやめました。
そろそろバスの発車時刻です。
すっかり夜が明けました。
私は4列目お席に座りました。
一列目の葉紳士が負債で座っています。
2列目には少年が帰ってきました。
若い二人はまだです。
「まだ神楽やってるよ」
「そろそろバスに乗らなきゃ」
「うん、また来よう」
「うん」
若い二人は間に合ったようです。
二人は斜め前の座席に座りました。
バスは発車しました。
虹色の光が窓の外を流れていきます。
オーケストラのメンバーがそろいました。
「はじまるね」
「ピアノ協奏曲から見たい」
「うん、ゆっくり機構バスが長かったからゆっくりしよう」
私は座席に深く座ってステージを見上げまあした。
私は自分の生きたいところにしか行かないバスを手に入れたみたいです。
ゆっくり時間を過ごしています。
私は、曲の合間にエントランスに出てコーヒーを飲んでいました。
バスは、いつも夜明け前に発車します。
本は読みます。
どこまでも遠くへ行くのです。
冒険は楽しいものです。
いつも、山の様な緑が私を助けてくれます。
雨の雫が、私の、頭に当たって喜んでいます。
濡れた道が足を滑らせて、ひやっ、としても、たおれません。
私は、階段を一段ずつ降りて上がります。
バスはグランドに着きました。もうすでにお昼前です。
荘園は自転車をおいて走り出しました。若い二人は、
「一寸並ぶけど、パンと紅茶を飲みに行こうか」
「うん、しまった。スマホに撮っていないわ、蛍と神楽」
「いいよ、覚えているよ」
「さあ、いきましょう」
「ああ」
私は、あれ、と思ってホールの席に戻って深く席に座りました。
チェロが静かにやさしい歌を歌っています。
シューベルトの穏やかな交響曲でした。
神楽お囃子の音が、御赤で響いていますがチェロの音が、眠りを誘っています。
若い二人は、並んでいました。
「あーパンが焼ける匂い」
二人は階段を昇って、喫茶室のドアを開けました。
「裕子ちゃん」
「あ、お姉さん」
「おはよう」
「おはようございます」
「お姉ちゃん、夕べどこに行っていたの」
「蛍を見ていたの」
「へー」
「裕子ちゃん蛍、見たい」
「うん、飛んでいたよ」
「dぽこで」
「集会所の杜で」
「良かったね、奇麗だったでしょ」
「うん」
「お姉ちゃんはすごいのを見たんだよ」
「おおきなふうせんがふくらんだり小さくなったりするんだよ」
「うそー」
「本当だよ」
「大きな蛍なの」
「違うよ、たくさんの蛍が集まって飛んでいるの」
「すごいね」
「裕子ちゃんのお父さん、お母さんに聞いてごらん、子供の頃見ていたはずよ」
「おじいちゃんに聞いてみる。パパはしゃべらないの」
「そうね、パパはお仕事で忙しいのね」
「うん」
「おじいちゃんに聞いてごらん」
「うん」
わたしは、コンサートが終わって、グランドに戻っていった。
「おじいちゃん、本当、蛍がたくさん飛んでいるの」
「そうだよ、おじいちゃんが子供の頃はたくさん飛んで、増産のような大きな風船が光って飛んでいたんだよ」
「へー、みたいな」
「もう少し大きくなったらパパっとママと皆で行ってみようね」
「うん」
「あ、おじさん」
「あーあの時ご一緒した」
「ええ、バスで」
「孫に離したんですね、ありがとうございます」
「ええ」
「私は、忘れていたことだったんです」
「楽しかったんですよ」
「おじいちゃん知っている人」
「うん、ちょっとだけ」
「蛍、集会所錘にいるよ」
「そうかい、夜になったら行ってみよう」
「パパ怒らないかな」
「おじいちゃんが話しておくよ」
「私もお願いする」
「そうだね」
私は夜までに紫陽花を見ておこうと思いました。
私は近所御紫陽花を見に行こうと歩いていました。そういえば蕎麦屋さんもうやっているかな。あーあの角を曲がったところにある店だ。
「お飲み物は」
「冷たいお茶をお願いします」
「はいこちらです」
「これはサービスのやつでしょ、ちゃんとお題が付くやつをお願いします」
「お客さん、けちなことはいいません、どうぞ」
「そうですか、いただきます」
「盛りを一枚お願いします。キュウリがあったらそれで何かを」
「てんぷらは揚げますか」
「杯お願いします」
お茶はそばが気負効いたお茶でした。
「あー生き返った。かき氷もやっているんですか」
「はい」
「蕎麦の後、レモンがあったらお願いします」
「はい」
私はテーブルの上に、残ったコップの後を見つめていました。
するとテー^ブルの上に、緑の田んぼが見えてきました。
根元で、蛍が少し灯りをともしたようです。
「どうぞ」
「あ」
「どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください」
「いただきます」
私はそばをゆっくり素早くすすって食べました。
「これ、山椒の実ですね、大場に冥加」
「はい」
「お魚は若鮎」
「ええ」
私は、久しぶりにてんぷらを味わいました。
すっかりいただいて、私はそばが来御お茶を飲んでコップをテーブルに置きました。
テーブル御家の根元の蛍はまだそっと光っています。
「どうぞ」
かき氷が来ました。
「これは、昔の氷削り器ですね」
「はい」
「みためでもうふわふわです」
「はい」
「ことしからですか」
「はい」
「少しお休みでしたか」
「はい、主人が体を壊していたので」
「そうですか」
「美味しくいただきました」
「蕎麦湯です」
「ありがとうございます」
恋蕎湯でした、氷で冷えたお腹が落ち着きました。
「てんぷらの山椒の実、美味しかったです」
「わずかに残した畑で野菜は、できるだけ自家栽培でやっています」
「そうですか、凍当たりの畑仕事は大変ですね」
「いえ、楽しんでやっています。
「蕎麦湯、蕎麦の切れ端を溶かしたやつですよね、)新宿でいただいたことがありますが、ご主人もしかして、銀座でやっていましたか」
「ええ、ありがとうございます」
「良かった、本当においしいおそばをいただきました」ごちそうさまでした」
私はお勘定を払って、紫陽花を探しい歩きました。
このあたり庭の植え込みで、立派な紫陽花が沢山咲いています。
よく見るとカタツムリが、枝に沿って歩いています。
芽を高く上げて、のぞき見しています。
「おー、子供がやってくるな、とりあえず隠れろ」
「急げ」
「急げ」
カタツムリは、花を目指しました。
「あれ、花ってどれだっけ、匂いがしないよ」
「鼻はないんだ、草でなく、サンゴみたいなやつなんだ」
「そうか、だから上を向いてやがる」
「雨を呼ぼうよ」
「雨があると楽しいからな」
「雨、雨こい、こい」
「龍神様、滝のような水を賭してください」
「おい、お前たちなんてことをしてるんだ」
土の中の螻蛄が慌てて怒鳴りました。
「龍神様、あいつがおぼれるぐらいの雨を」
「馬鹿、なんて奴らだ、出ていけ」
「いやだよ」
「不思議な奴ら、土の中でクラスなんて信じられない、楽しいことはあるのか」
「そんなものあるわけないだろう、人生は戦いなんだ」
「可哀そうに、人生は、夢のようなものさ」
「なんだ、それ、戦いだ」
「歌を歌って踊って楽しむんだ」
「地上は不思議な世界だな」
「ああ」
私は蝸牛が登っていくのを眺めていた。
ごみの集積小屋の植え込みに咲く紫陽花。まだ青い色なので、今年はまだしばらく咲いているだろうと思って立っていた。すると工事をしていた人たちが私を見て、
「大丈夫ですか」と声をかけてくれた。
「ええ、だいじょうぶです」
と返事をしたら、集まってこちらを見ていた人が、笑ってくれました。
「あのおじさん、今年も見に来たか」
蝸牛も私に気が付いたようです。
植え込みに残っていた山椒の樹から、すがすがしい香りがしてきました。
「おじさん」
「あ、あの時のお嬢さん」
「お孫さんは」
「パパと安あそんでいるよ、見てごらん」
「あ、カタツムリの家族」
「眺めていると、飽きないんだ」
「いいですね、私ドングリを拾ってきました」
「たくさん集めると楽しめるよ」
「ええ」
「そのうち松ぼっくりも落ちてくるよ」
「クリスマスの頃に、リースを作ってみます。
「いいね」
私は、道に落ち葉を並べました。
「あ、これ、面白い」
「そうだね、自然はたくさんプレゼントをくれるね」
「おじさん、またバス祈るの」
「あまた、夜明け前にね」
「楽しみ」
「じゃあ、今度はゆっくりそばを食べよう」
「いいね」
「おじさん、本当は、私たち仲良くなりたいの」
「かれしさんとか」
「うん」
「喧嘩した」
「うん、ラインで話が通じないの」
「ラインをやめれば」
「え、ありえない」
「無くても大丈夫だよ、電話もなくていいんだ」
「どうするの」
「会って話せばいいんだ」
「やってみる」
「やると楽しいよ」
「やってみる」
「無理はしなくていいんだ、喧嘩は、しょうがない、顔を射て喧嘩したほうが心配しなくていいよ」
「そうかな」
「面倒でもあっていたら、相手を殴らなくてもtyワンを割ったら気が晴れるよ」
「あいつそれでもわからないよ」
「どんどん言ってやれ」
「オジサン責任取って」
「知るか、勝手に喧嘩しろ」
「オジサン無責任よ」
「昭和に責任なんかあってたまるか、壊すだけ壊してきたんだ」
「へー」
「いじけたな」
「へー」
「へー」
「バスはもうやめた」
「面白くないよ」
「決めた」
「そうですか、」
「いじけたな」
「勝手にします」
「笑ったな」
「えへっ」
「いい笑顔だ」
「はい」
「今日は蒸し暑い日だから、おけらが、いじけたんだな」
「えへっ」
「いい喧嘩をしておいで」
「喧嘩はやめます」
「そうか」
「おじさん、またはなそう」
「わたしは、ずるいし無責任だぞ」
「面白い、じゅうぶんいける」
「綿は、どこにも行かん、いい加減だな」
「いけてる」
「当り前だ活きてるよ」
「おさかなみたい」
「そうか、生臭いか」
「生臭オジサン、怠け者」
「もいいあっちへ行け」
「あっちってどっち」
「こっちじゃないほうだ」
「こっちはどこ」
「ここだ」
「おじさん、もういくよ」
「いってらっしゃい」
「いってきます」
バイクが爆音で通り過ぎました。
お嬢さん
「お帰りなさい」
「もうすぐ夜明けですよ、今日はおひとりですか」
「発車しますか」
「ええ」
「網すぐきます、おねぼうですから」
「他のお客様がいらっしゃいますから」
「ええ」
「夜明けで眩しくなるまでお待ちします」
「お願いします」
「おーい」
「早く、また髪の毛がぼさぼさ」
「顔は洗ったよ」
「早く」
「行くよ」
「早く」
「手をつかんで」
「はい」
「よいしょ」
「間に合いましたね、出発です」
「おじさん、レッツゴー」
「ヤッター」
「いくぞ」
「ゴー」
「バスは発車します。これより田舎域です」
「神楽」
「神楽」
「蛍費いのか、ネムノキが咲いているよ」
「見たい」
「はい」
「おじさん」
「喧嘩は楽しかったか」
「はい」
「楽しく喧嘩しろよ、ネコとネズミはいつもそうなんだ、トムとジェリーンんだけど」
「何それ」
「白黒のテレビをどこかで見よう、やっているかっもしれない」
「うん」
「ほら、ねむの木、ハワイにある日立の樹」
「何、また、わからなーい」
「こんな川原にここまで高く茂ってるんだ。柳よりもきれいだよ」
「蛍が沢山待っているわ」
「そうだよここだよ」
「お孫さん連れてくればいいのに」
「まだ寝てるからね」
「起こすと可哀そうだけど見せてあげたいので、スマホで撮っておくわ」
「暗いけど」
「平気よ」
「進歩したんだね」
「そうよ、テレビも8kよ」
「白黒だろ、いや、私お家は、ようやく万博の時にカラーテレビになったんだ」
「白黒ってブラウン管のでっかい箱のやつですか」
「そうだよ」
「トムとジェリーにポパイ、二ひょっこりひょうたん島なんだよ」
「オジサン地でそれ見れる」
「この坂を下ったとこだよ」
「うん」
「ほら此処を左に入って、垣根の中に小屋があって柿木がある」
「うん」
「えんがわにすわって」
「つけるからしばらくまって、チャンネルを回すから」
「ザー」
「この時間深夜番組か淀川長治さんの、映画ショーだよ、西部劇、シェーンカムバックとかの」
「知らない」
「さいならさいならさいなら」
「え、終わり」
「終わりにそう言って番組が終わるやつです」
「まだ、映らないんですか、壊れてるんですか」
「こうやってたたきます」
「壊すんですか」
「ほら映った、オロナミンc、てなもんや」
「お侍さん、これはコマーシャルです。てなもんや三度笠の人です。藤田まことさんです」
「これコマーシャルですか」
「そうです」
「番組表は出ないんですか」
「そんなものあるわけないでしょ、始まるのを待っててください」
「行進曲、ジャイアント馬場入場しました」
「プロレス中継です」
「プロレスってテレビでやっていたんですね」
「ジャイアント馬場とアントニオ猪木と、外人レスラーで大人気でした」
「しょうがねえな」
「なんてこと言うの後れてきて」
「うるさいな」
「また喧嘩」
「あー」
「お二人テレビはもういいですか」
「白黒で動くのをもう少し見ます」
「お願いします」
「ではどうぞ」
「ここは、住んでいたんですか」
「はい、ここに、向こうに白い壁があるでしょ、あそこ病院です、毎日遊びに行っていました」
「病院が遊び場なんですね」
「はい」
「此処って扇風機だけなんですね」
「はいそうです」
「はい」
「夜明けまでまだ時間がありますか」
「ええ」
「少しここで寝ていいですか」
「ええ、布団はないですよ」
「ちょっと横になります」
「二人で、ですか」
「はい、バトルします」
「テレビは、プロレスでいいですか」
「他は」
「変えてみます」
「これはどうですか、大橋巨泉さんのミステリー番組です。手の長い宇宙人とネッシーが出てきますよ」
「それで」
「はい、それでは勝手にバトルしてください、お風呂入りますか、五右衛門風呂なので、で薪を取ってきます」
「お願いします」
「では、ごゆっくり」
私は裏に回って五右衛門ぶろに水を入れました。
夜明け前に終わるかな。
碧二人すっかり落ち着いて、遠慮というのはないのかな。
「あのー、ちょっと調子が」
「軽くたたいて」
「はい」
「ラジオはいいですか」
「後でお願いします」
「いま、オリバー君が出ています」
「それは、康さんがつれてきたんです」
「降参、負けました」
「そうですか、立ちませんか」
「いえ、もう十分です」
「まだ風呂に水が入っていません30分はかかります」
「はい待ちます」
待つのか、汗をかいて仕方ないバスの時間までに休めるかな。
彼らいつまでやるんだ。
ラジオをつけてやるが、
「おい、テレビはもういいのか」
「オリバー君、ちっとも芸をしなくて美人を前にしてもそっぽを向いてるから」
「そういう芸なんだよ」
「康さんって誰ですか」
「それは、アメリカ政府を手玉に取った日本人詐欺師で大興行主ですよ、ネッシー探検に石原元都知事とネス湖に行った人です」
「知っている人ですか」
「ええ私は彼をだましました」
「えさぎしをだますんですか」
「ええ、機嫌よく騙されていました」
「ンええ、もう終わり」
「うん」
「ではお風呂が沸いたら呼びますよ」
「はい」
私は杉の葉を集めて風呂釜の滝口に入れて髪を置いて杉の樹をくべました。
私はここにいるとは思わなかった。
明日病院で遊ぶか。
「お嬢さん、おいで、火を見てごらん。キャンプファイアーの日ではない生活の日だよ」
「はい」
彼女は、タオルをまとってやってきました。
「おじさん、喧嘩もいいね」
「それで気持ちよかった」
「うん」
「うんか」
「うん」
「あともう少しでお湯が沸くから、彼を呼んでごらん」
「ねえ、おいで」
「ああ」
彼は、すっぽんぽん、でやってきて、
「五右衛門風呂」
「いたのうえにのっかれよ、やけどするぞ」
「熱かったら水をたせ、ここに桶をおいとくから」
「よし入るぞ」
「熱い」
「はい、水」
「いい湯だな」
「ハハハハン」
「いい湯だな」
「ハハハハン」
「網すぐバスが出るぞ」
「はい」
「根鵜木のところだ」
「遅れるな」
「はい」
「網すぐだぞ、夜明け目だ」
「出ました」
「私も入る」
「ねむの木がめをさますぞ」
「杯行きます」
「服は着ろ」
「あ、そうだ」
「靴も忘れるな」
「カギは」
「ない」
「泥棒は」
「んなもんいない」
「はい」
「早く来い、遅れるな」
「はい」
ねむの木の川にはまだ蛍がとまっていました。
振り返って東を見るともう山の稜線が、明るくなっていました。
「おーい、もうよあけだ、でかけるぞ」
「はい、もう一回チュー」
「ぶちゅー」
「おい何やってる発車だぞ」
「はい、今行きます」
「面倒な奴らだ」
「来ました」
「お前ら服は」
「タオルを巻いてます」
「パンツは」
「無いです」
「猿か」
「いいえ、人間です」
「とにかく乗れ」
「はい」
「座ったか」
「はい」
「発車」
バスは東の空に向かって進みました。
私は席居座って、一寝入りしました。
あ、まずい、ラジオ体操の時間に間に合わなったら、また一人でやることになる。私は汗をかいていました。
私は、子供の頃に見た家のことを思い出していました。
兄弟から庭が見えて、後ろのタンスンおうえにラジオがあって、欄間に時計がありました。
私は庭と川を行ったり来たりして遊んでいたのです。
バスは、モノ御すごいい地色のトンネルを走っています。
「おじさん」
「あ、はい」
「ねむの木の川は本当にあったの」
「そうだよ」
「もう一度行きたい」
「いいけど彼とやるのは、別でお願いするよ」
「みてました」
「いや、聞こえてた」
「スケベ」
「どっちが」
「オジサン」
「気持ち良かったんだろ」
「はい」
「仕方ない、りんごを食べたんだな」
グランドの緑が見えてきました。
もうバスはいいな、乗客も大体だしな。
わたしはかみに、
短い間でしたが、蛍行バス路線をご愛顧いただき感謝いたします。
ちょっと疲れたので、今日を持ちまして配線となりました。
また形を変えて楽しんでいただけるよう、努力しいていく所存です。
きょうをもちまして、さいなら。
と紙に書いて、入り口おベンチにおいておきました。
私はもう一度紫陽花を見に行きました。
今朝の雨で生き返ったように、咲いていました。
スズメバチもホバーリング飛行で、蜜を吸っていました。
歩くと何かに出合う。わるくない。
歩き始めるとひきかえせない。引き換えると、怖い落とし穴に落ちてしまう。
行きの時に,うまくかわせても、うるさい穴をのぞいてしまう。
引き返さないで戻る。
これが日々の肝心要。
紫陽花は、また違った顔で、挨拶してくれる。
私は、もう一度あるいてみた。
そして、緑を見つめた。
虹色の道がった。
私は、また道を歩いていこうと思う。
痛い、
左手がしびれる、そして右手がかゆい。
虫が飛んでくる。
私は歩く。
昨日の雨で道は泥だらけ。
バスは今日は発車しない。
紙に書いたとおりだ。
「おじさん」
「お早う、また来たね」
「おじさん、卑怯」
「やめた」
「も王一度お風呂に入れて」
「また裸になるのか」
「うん」
「もうでない」
「じゃあ、脱がないから出して」
「脱がないのか」
「そうよ」
「みせろ、みてない」
「はい、ここで」
「ばか、むこうのまどからみてるやつがいるぞ」
「うん」
「とにかく今日はバスは休みだ」
「そう、じゃあ描いて」
「ああ」
「「虫に挿された」
「私は大丈夫」
「かゆい」
「掻くよ」
「描くよ、しかたない」
「おじさん、蕎麦は」
「食べに行こうか」
「うん」
「ワサビをね」
「うん」
「うまい尾は、バスで行かないとな」
「うん」
「俺たち双子のひまわりさ」
「そっちは元気だな」
「こっちはくたくただ」
「お前食べたか」
「いや」
「オケラの糞は、食べなきゃあ」
「オケラいなくなったよ」
「雨で土戻ってきたからすぐまた来るよ」
「よだれが出てくる話だな」
「ああ、糞、食い」
「ああ、く、即、食い」
「そうだ」
「ソーダは飲まない」
「いちいち言うな」
「いちいちのコンピュータだ」
「お前いつから高機能なったんだ」
「ああ、とっくに、高機能障害だ」
「糞、食い」
「ああ」
ヒマワリは、にらみ合いました。
柿の木のある庭には、花壇が少しあって、虫がよく飛んでいました。はミツバチが飛んで、柿の木の横尾倉庫に巣を作っていました。私は梯子をかけてまた落ちるぞともって上っていました。
「いて」
挿されてしまいましたそのあとで買いスズメバチが来て、ミツバチを退治してくれました。
私は茫然と見て、これはやばいと思って梯子を下りて梯子を倒しました。わつぃはカブトムシの暖房箱を出してカブトムシにキュウリをやりました。
そして戦いを見ました。角を突き合わせて、勝負はなかなかつきません。私は疲れて、ラジオをつけて部屋の真ん中でダイノジになって寝てしまいました。きがついたらラジオから大人の音楽が流れていましたが、黒猫のタンゴは自分でも歌うことができました。
そしてわたしは、目が覚めたら、もう夜になっていました。
わつぃは、縁側に出てサンダルを履いて、網を持って、川に向かいました。
月が出ているので、魚が取れるぞ、濡らすと怒られる、と思って、いつまでも川原で遊んでいました。
気が付いたらお知りに懐中電灯を当てられていました。
「おいおしりがまっくろだ、家に帰ってお風呂に入りなさい」
大人の声でした。
私は驚いて走って帰りました。そして、お風呂を沸かしてお風呂に入りました。
「やっとかえったね、ごはんたべなさい」
と言われて私はご飯を食べました」
私はヒマワリを眺めているうちにまた夢を見ました。
その日の夕方私は裏の病院に行ってお医者さんに、耳の血を取ってもらったのです。
これで怒られないぞ、と思って、夜遅くまで遊びました。
本当に暗い夜で、星が沢山光っていました。
次の夜
「田んぼで映画が見られるよ、こわかったらかえっておいで」
と言われて田んぼに行ったらたくさんの人が黙って座っていました。
私は、稲わらが積んであったので、その周りで遊んでいました。
するとしばらくして白いい大きな布が張られて、光が移されました。
そしてテレビのようなものでもみることができるのかと思ったら、実は原爆の実写映像だったみたいです。私は座ってみていたので首が大人から下を向いていなさい、といわれて、怖いんだな、と思ってそのまま寝てしまいました。
よるそとであそぶのはおまつりみたいでいいな、とおもったのです。
今でも夜はお祭りで、朝は、ラジオ体操です。
田舎は道に迷ったりしませんでした空を見れば方向が分かったからです。
今は迷いますが、振り返らないで前に向かうだけです。
東京を歩くん尾は不安でしたがパリを歩くのは、心配ありませんでした。
東京は方向がわからくなる尾ですが、パリは元に戻るのです。
私は未だに、道を歩いています。
夜の空を見ながら。
バスは、もう少し疲れが取れたら発車です。
私はベンチに紙を置きました。
「おじさん、また白黒テレビ」
「ああ」
「ラジオも聞きたい」
「ああ」
「おじさん、また描いてね」
「またね」
「お嬢さん、彼氏さんは、
「寝てる」
「またやった」
「うん」
「うん、か」
「目が疲れてるぞ」
「当り前よ」
「ミルクを飲んでで若返らんと描かんよ」
「うん」
2024/6/30