駐輪場
いつもの階段を降りて
出口までの短いエントランスを抜けた左手にこの階段を使う住人のための駐輪場がある。
「今日は、駐輪場」
と妻がその日の状況を見て私に指示をくれる。
自転車転倒予防に据えられた黄色い仕切りのバーに気をつけながら私は歩み始める。
これがほどほど難しい。ひっかかるとたちまち転倒だ。
注意深く5メートルほど歩き、くるりと引き返す。
五分にも満たない時間だろう。
これが神経を使う。
短い距離と時間だが、
私には貴重なリハビリ。
妻の見守りで階段に戻を昇り、
自宅の妻が玄関の扉を妻が開けると
ほっとする。
これも私の
貴重な1日なのだ。
それを与えてくれる
家族がいる幸せ。
2020/9/24