白い綿
広いテーブルの中央に綿の枝がおいてある。私のベッドの横にも、白い綿が来た。
ある夜私は旧友が営むバーにいた。そこでわたしは、アメリカのブラックミュージックの面白さを知った。何度か入り口のドアが開いて、店のカウンターは満杯になってテーブルからも声が聞こえるようになった。
「森君、かれらはどうなっているのかな」
「ルミならわかるよ、子供を育てているよ」
「ルミちゃんが、会いたいね」
「うん、そのうち連絡するよ」
「そう子供が生まれたんだ。誰と結婚したんだ」
「うん知ってる人だよ。あったことあるよ」
「モデルはやめたんだ」
「やってるんじゃない」
そういえば私は二人にボロンテールで会っていた。若い二代目社長だった。
目が覚めると私はベッドの上だった。そして横を向くと白い綿の木がいけてあった。
アー、家にいたんだ。
くらいこうえんで、奇妙な市がひらかれていた。森君は、集まった人と明るく話して、ガラクタのような、面白いものを漁っていた。
「あー、マリアさん」
「ふん」
「今日は、調子いいの」
「ふん」
「マリアさん、この市の主、もうすぐ、ここも終わるよ、次に行く」
「始発で帰るよ」
「今度、集めたのを整理するから見てよ、これでいい店ができると思うんだ」
森君、もうバーを開いただろうか。
「よう、来たね。ごはんにしようか」
「久しぶり、ルミちゃん」
「覚えてる、お母さん」
「ご無沙汰しています」
「こっち」
ルミちゃんは近所のファミレスに向かっていた。私は二人の後を歩いて行った。
店に入ると二人はなれたように注文をして食事を始めた。
「頼まないの、コーヒーぐらい飲めば」
「オムライスも」
「いいじゃん」
ルミは明るく元気。夜はこれからだけど、クリスマスのイルミネーションは、この街では、うら悲しい。電車の音が響いている。
「終電前に帰るよ」
「そう、じゃあまた」
「京橋にまたコーヒーを飲みに行くよ」
「母さんまだ店に出ているから待っているよ」
私は店を出て、常磐線の駅に向かった。じてんしゃおきばはかんさんとしていた。ことしももうすぐ、すぎてしまう。
夢。
北千住の川岸で、赤とオレンジの花が風に揺らいでいた。私はスケッチブックを取り出して、鉛筆を走らせていた。ちかいうちわたしは京橋の画廊にいってみようとおもっていた。
北千住の駅はいつもより広く見えた。久しぶりに歩く北千住の街は、とかいてきでもあったが、うえのから御徒町に似て、飲食店も盛んみたいだった。私は、この日からそう遠くない日に水戸芸術館である古い知人女性の、展覧会を堪能して、会場を出たら新婚の撮影をしていた。その帰り水戸駅の近くで同じ風景を見た。この時すれ違った高校生は、しんけんに神社にお参りをしていた。
森君はこんなところに来たいのか。彼は原宿で頑張っていたはずだし、さいしょにであったみせはめぐろで、やはり古風な飲み屋が並ぶ街だった。
「見てきたよ」
ある朝でんわにでたら、サトミのこえだった。かのじょも喫茶店をもちたいみたいだったが、どうしているか。娘のような女性。たいせつにしている。
「あのー。前見せてもらった本に近いのが来たんだけど」
「何」
「漆の本」
「それで」
「出来たらでいいんだけれど」
「やれることがあったらやるよ」
「うるしお椀のようなものなんだけど編集のたてかたをしりたくてあとテキストをどうかくかをつたえていいか」
「資料を送ってくれたら見てみるよ」
ベッドの向かいの花瓶に白い綿が澄まして立っている」
私は夢から覚めているはず。
森君に抗議しようと思っていたんだ。きっといい喫茶店ができるとおもっていたんだ。森くんはカクテルよりもコーヒーを美味しく入れるのがうまかったら。
扉の向こうの会談は、広くてみんな「看板はなくていいの」といってはいってきた。
「コーヒーを」
「うん。ビールは飲む」
「やめとく」
「座って」
私は静かに六本木の夜を過ごした」
「飲まないの」
「ええ」
「私上にいるけどこの家主変わっているから気をつけて」
しばらく私は黙って座っていた」
「帰るわ、うしろがさわがしい」。ハグぐらいしないの」
「うん」
「一緒に帰れば始発が出るよ」
森君が言ってくれて私はカウンターを立ってドアを出たら彼女が並んできた。
「うん」
わたしたちは麻布から青山墓地に向かい、地下鉄の駅前で短いハグをして別れた。電車の中から見たあさひはまぶしかった。夜がこんなに長いと初めて感じた。数年たって、夜が始まる頃、わたしは新宿の店で、彼女のいるはずの実戦のドアを眺めて歩いていた。」歌舞伎町のビルを遠くに眺めるところだった
新宿の夜の始まりは、人の流れの動きで空気が動く。
私は新宿の夜をこれからすごすのか。この街で私は過ごす時間が長くなった。思ってもみなかったが。
私はこの街で数年仕事をしたが、もりくんとはせんじゅでいちどあって私の編集した雑誌をみたいといってくれた。彼は諦めていなかった。
2023/12/7