おしろい花
雷の音が響いてきた。
どしゃぶりの雨。風も窓を打ち付ける。
道の色は黒く。
グランドの入り口に大きな水溜まりが見えている。
子供たちが、水溜まりを指さし、はしゃいでいる。
バス通りに出ると、交差点の塀にピンクの花が、咲いていた。
空は青空だった。私はゆっくり歩道を歩いて行った。緑の茂みが輝いていた。
雷が鳴った。強風で緑の枝が踊った。
日曜だ。
私は言葉を消してみた。
少し楽になった。
新聞は深刻な言葉で埋まっている。
今日は、新しい、何かを始める日にしよう。
昼の日差しがまだまだたっぷり部屋に差し込んでくれる。
また、空が泣き始めた。
道がくろくなって、
水溜まりができてきた。
轍の跡が見えてくる。
優雅な休日はここだけか。
このまま、救いは求めないでいい。
宗教はいらない。
神は死んだのだから。
混沌音化の自由から学べばいい。
いる場所なんてなくていい。そもそも、社会御外側にいるんだから。
あーあ、もう晴れたな。
赤とんぼが、緑の中を泳いでいる。
行ったり来たり、迷子のように。
一人で泳いでいる。
黒い雲、稲妻が走る。
またもどったな。
私はすてるのをやめて拾うことにした。
どうせまた捨てるのに。
言葉を拾うと、足が止まる。
言葉は、流れていくのでいい。
今日は、まだ長い。
私の部屋の部屋にはどれだけの言葉が集っているんだろう。
少なくとも200年分の言葉はありそうだが。
億万年の言葉は知らない。
私は、見まわした。
この部屋のごみの多さを。
捨てるか。
残すものは何もない。
雨の音で起きてみるか。
雨の日は、本を読もう。
晴れの日は少しずつ歩こう。
雷が、街を蘇らせる。
起きて歩こう。
少し、ずつ。
聞こえている声は少しだけ。
聞いてみたい。沢山の声を
やめた、面倒だ。
まだ夜明け前、カラスが、カーとなく。
こんにちわいらっしゃいませ。
漸く物語が始まります。
「おい、聞いたかゆうべの」
「見たよ。スゲーやつ」
「すげー響きだった」
「お前、おなら、やったな」
「あー気持ちよく夜空に向けてやった」
「ふーん、稲妻の正体はすかしっぺか」
「びっくりした。ガスに火が付いたのではなくって、雲の上の雷が臭いって怒ったみたいだ」
「町中眠れなかったんだぞ」
「ああぐっすり眠った」
「お前だけだ。どしゃぶりの雨の音を聴いたろ」
「ああ、濡れちゃいそうだった」
「のんきなやつだな」
彼らは、ベンチに座って、スマホを皆があら笑っていました。
「何、いつら」
「いい男じゃん」
「くっさー」
「殴ってやるか」
「ガンつけたな」
グランドの道で、けっとうがはじまりそうです。
私はゆっくり眺めていました。
青空です。
風も吹き始めました。
「やったあー」
「うるさいな」
「なんか文句あるの」
「あるか」
「ひゃー」
「なんだよ」
「くさいよ」
「聞いてたの。気味悪いな」
「声がでかいから、笑ってやったよ」
「なあ、相手にするなよ」
「ああ、でもあれら、5年の時の同じクラスのやつらだろ」」
「だから、相手にするなよ」
「俺のことを臭いって笑ったんだぞ」
「いいから相手にするなよ」
「おかし」
「なんだよ」
「キャー。怒った。逃げよ」
ウーウー。
「サイレンだ」
「おまわりだよ、やばい」
「なんで」
「逃げたろ、女子が」
「ああ」
「君たち」
「来た」
「夕べ、何してた」
「はい、自宅ですかしっぺをしていました」
「鬼が言ってたのは君たちか」
「え」
「苦情が来たんだ」
「え」
「くさくてでかいのを一発やったのがいたから、頭に来て一晩中太鼓を鳴らして寝れなかった。放屁したやつを捕まえてくれ」
「それはないですよ。俺らも今その話をしていて、うるさい女子が、俺らを笑いものにして指さして逃げて行ったんだ」
「わかった。へは小さいのにしておけ、なにせ昨日の落雷で信号が故障したんだ」
「メンテナンスしてないからだろ」
「まあそれもあるかな」
「オジサンお巡りさん。この人たちいやらしいの」
女子達は戻ってきて、駐在さんに訴えました。
「お前ら、痴漢をしたか」
「やってません」
「やってないって言っているが」
「目が痴漢なの。女子がそう言ったら、もう痴漢なの」
「悪いがそういう、民法はない」
「作ればいいでしょ、お巡りさんが法律になってよ」
「それは民主主義の国には無い」
「けーち」
「アホ、カー」
カラスが頭の上で一声叫びました。
夕焼けになりました。でも、狐の嫁入りです。
自動車のタイヤが地面の水を弾き飛ばす音が聞こえてきました。
「ねえ、君たち、少し話そうよ」
「では本官は、失礼します」
「お疲れ様」
「ねえ」
「うるさいな」
「聞いてよ」
「何を」
「向こうのブランコで狸がブランブランなの」
「あんたらは、ブランブランじゃあない丘」
「怒ってる」
「ああ」
「ごめんね」
「それで、わかったよ」
「何が」
「きっと、いい子ちゃん、でいたいんだろ」
「おい、かまうなよ」
「そうよ、すこしつきあってくれてもいいじゃあない」
「なんで」
「わたしら、よ」
「だれ」
「箒でぶつよ、さぼり男子」
「まあ、仕事はさぼっているがな、仕事の成績は一番だ」
「ふーん」
「用はないから、こっちは」
「けーち」
アッ、ホー。 カラスが鳴きました。
「笑う」
「うるさいな」
「5分ちょうだい、それでわかるわ」
「時間がない、そろそろ仕事に戻らないと」
「やばいな、そろそろばれいてるぞ」
「いそごう」
「コーラ」
「走りながら飲め」
「逃げたな、美人のわたしがいるのに」
「バーカ」
黒い影が、木の枝の向こうで、消えていきました。
「美人よ」
「めんどうだなあ、パンを買ってたべよう」
「うん」
「なんだあいつら」
「まだ、こっちを見て笑っている」
「500円ある」
「いいぞ、コンビニ」
「パン屋で」
「行くか」
「ああ」
「まだ、こっちをみてるよ」
「気持ち悪い、逃げよう」
「急げ」
「ああ」
「なんだ、美人か」
「まあ、奇麗になったな、鼻提灯つくっていたやつだぜ」
「それなりにな」
「まだ見てる」
女の子たちは、振り返りながら、ため息をついていました。
「あい変わらず冴えないやつら」
「ださー」
「こんな美人がいるのにね」
「そうよ」
「渋谷で遊んで来ようよ」
「電車は嫌よ」
「そうね」
「君たち」
「何」
「かわいいね、渋谷でご飯しない。乗れよ」
「ださー」
「そうか」
「おおださ」
「車が違うよ、現場に向かうんじゃあないでしょ」
「300万したんだぜ」
「ださ」
女の子は煙草をくわえてにらみました。
「ブース」
「死ね」
「いったね、そうよ」
「でしょ、時代遅れよ」
「そうね」
「私、車、出すよ」
「よかった。澁谷」
「だっ、さーい。犬バーガーでしめる」
「締めは。かき氷よ」
「いいね」
商店街の空にセミの鳴き声が響いていました。
「おい、あいつらまだいるよ」
「関わるな」
「ああ、鼻水女だもんな」
「パン、よかったな」
「蕎麦のぐでいいんだよな」
「あそこはおばちゃんたちが働いているんだぜ」
「そういえば鼻水娘は3日持たなかったそうだよ」
「やめよう」
「そうだな」
「ジャンプの実験は4日後だ」
「ああ、もう少し重心の位置を探そう」
「あと4日後だよ」
「なあ、グランドで飛ばす日に、子供たちくるかな」
「しくじれんな」
「ああ」
「夕焼け色の時間にしよう。
「西にむかって、飛ばそう」
「いいな」
「これからが、勝負どころだ」
「ああ」
二人はベンチに座って話していました。
「いるよー」
「だっさー、目の毒」
「目の毒」
「せっかく盛り上がったのに」
「何やってんのかな、ダサ男」
「おーい美人が来たぞ」
「あいてにするな」
「ああ」
「また、無視よ」
「そうだ、虫男」
「網でも持ってくるか」
「虫取りだ」
狙いをつけたぞ。
パチン。
掌の上で、ぺちゃんこになって血を流している。
無視するからよ。
もういいのよ。
きみらいつも、校舎階段に座って、さぼってたもんね。
一緒に話したかったのに。
ぺちゃんこよ。
私の掌お上で、あほ面で、死んじゃった。
ドジ。
「あれ消えた。おい」
「ここだ」
「え」
「ぺちゃんこだ」
「そうか、じゃあ帰るよ」
「またな」
「気持ちよくて寝ちゃいそうだ」
「そうか、おやすみ」
「おやすみ」
こいつらまだ話している。
えい。洗うか。くっついちゃった。気持ち悪い。
「おい、この女子やばいぞ」
「覚えてるか」
「いや」
「やっぱり同級生らしい」
「これがか」
「鼻水女だろ」
「ああ」
「大人になったな」
「あ」
「わかった、ボールを投げるからから、スクワットでとって」
「思い出した」
「ああ」
「やるよ」
「いつもここでやってた」
「無視できないはずよ」
「面白いでしょ」
「まあな」
「続けて」
「ああ」
「いくよ」
「汗をかいたね」
「シャツを一枚脱ぐか」
「うん」
「水を飲もう」
「うん」
「思い出した」
「まあな」
「それで」
「面倒くさいよ」
「なんでめんどうなの」
「めんどうなんだよ、いちち」
「渡したはずよ」
「うん」
「読んだ」
「読んだ」
「それで」
「関係ない」
「どうして」
「関係ない」
「そうなの」
「ああ」
「いくじなし」
「お前、もらったのか」
「ああ」
「汚らわしい」
「な」
「なんだって」
「汚らわしい」
「糞坊主ども、息の根を止めるぞ」
「やられてたまるか」
「わたしに殺されてありがたいだろう。最期に見る顔が美人の私で幸せだろ」
「ヒェー、口裂け女」
「なんだと、今誤れば楽にしてやる。真綿で絞められたいか」
「閻魔さまー」
「来ないよ」
「口が裂けても美人だとは言えないといったんだ」
わたしは、はたまらず。
「お嬢さん、よだれを拭いて、笑ってごらん」
というと。
女の子は袖でよだれを拭いてにっこりと笑いました。
「いけてるじゃん」
「なあ」
「昔のよういかわかわいいじゃあないか」
「ボール持ってるよ」
「やるか」
「うん」
「はじめからそういえばよかったのに」
「ねえ、やろうよ」
「ついてこい」
「はい」
「はい「はい」
「はい」
漸くグランドに明るい声が戻ってきました。
あの子たち、つい凍前まで中学生だったのに。
「どう」
「まだまだ、腰を低くしてキャッチしんきゃあ」
「はい」
「はい」
「はい」
彼らは30分つづけていました。
当たりはもう暗くなってしまいました。
つきがあかるくかがいています。
「はい」
「はい」
「やっと」
「やっと」
「いえないよ」
「まだまだ」
「やっと」
「やっと、なんだ」
「リズムがってきた」
「美樹だろ」
「うん、公平」
「いま、わたしたらどうかな」
「暗くて読めるか」
「おう」
「まあ美人に見えるよ」
「暗くなって言うのね、助べえ」
「相手にされただけ、得したと思え」
「まあね」
「じゃあな」
「え、終わり」
「ああ」
「また、明日」
「知るか」
「またね、にこ」
「かわいいよ」
「美人でしょ」
「ブース」
「またね」
「そのうち」
wkも尾たちは笑って帰っていきました。
明るい緑の枝がゆれています。
わつぃはゆっくり本を読んでコーヒーを飲みます。
グランドの道は賑やかになってきます。
私はゆっくり、歩きます。
明るい緑の枝の下を、グランドを眺めて。
ゆっくり、
「やったー」
「また来た」
「おはよう」
「面倒だ」
「やりたい」
「いまからか」
「うん」
「めんどうだな」
「やろうよ」
「来るたびに言うな、その前に来るな」
「やろうよ」
「ボールがない」
「二個もってるでしょ」
「うるさい」
「もってるよ」
「はい」
「はい」
「こしをおろして、スクワットになってない」
はい
「はい」
「おい、計測したか」
「ああ」
「数値は出たか」
「ああ」
「実験は明日だ」
「ああ」
「数値通りの設計で組み立てるんだぞ」
「これからやるんだ」
「つきあっていていいのか」
「しょうがないから、お前見てやれ」
「ああ、本当に見なきゃあダメか」
「うん」
「今じゃあないといけないのか、忙しいんだ」
「なんで」
「ロボットコンテストで賞金を折らわないと破産するんだ」
「よくばり」
「しょうがない、製作費が予想を超えたんだ」
「ロボットって」
「カエル型ロボットの障害物コンテストなんだ」
「へーおもしろそう、がんばって、大サービスよ、チュー」
「汗臭ー」
「帰ってシャワー浴びてくるわ」
「じゃあな」
「またね頑張って」
「やっと、行った」
「さあ、組み立てだ、ファクトリーへ」
「行こう」
「行こう」
二人はファクトリーに着きました。
「作動確認」
「スイッチよし」
「スタート」
「動きよし」
「ストップ」
「止まりました」
「よし、作業開始」
「開始」
「安全確認よし」
二人は黙々と作業を始めました。
これで着地の安定感がますはずだ。
「事件準備」
「はい、マットの確認よし」
「あれ消えた、せっかくきれいになったのに」
女性はしばらくベンチの横に立っていました。
「何とかまにあったな」
「明日実験だ」
「着地がなんとかなればスピードが出る。」
「ああ」
「ちょおっと」
「出たー」
「何よ」
「腹減ったー」
「そう」
「うん」
「おにぎりと卵焼きサラダにおみそしるでいい」
「ああ」
「まってて」
「ああ、お願い、死ぬ―」
「ミルク月にするわ」
「待ってまーす」
「スクワットもよ」
「はい」
「はい」
「はい、どうぞ」
「いただきまーす」
「やったー」
「うまい」
「お味噌汁は」
「うまい」
「私は」
「もちろんブス」
「え」
「もちろんです」
「そうね、もちろん美人です」
「どこかに入るけど、ブスしか見えない」
「返せ」
「いただきました」
「おい実験の準備」
「ああ」
「勝てるの」
「黙ってみてろ」
「スイッチオン」
「発射」
「いけー」
変えるロボットはぴょんぴょん、撥ねて、草を飛び越して、虫を捕まえました。
「作業終了」
「よし」
「タイムはだめ」
「えー」
「1分30秒」
「その半分にしなきゃあ」
「まだ、改良だ」
「あんたたち本気すぎない」
「生活が懸かってるんだ」
「いつまでもガキの遊びと変わらん」
「おい、どうする」
「飛行姿勢を安定焦るんだ、ボディのバランスを再検討だ」
「えー」
「まあそうだな」
「これまでの時間がパーだ」
「そうだな、ボディを変更すると一からやり直し」
「やるしかない」
「あんたたち、コーヒーよ」
「うん」
「それで」
「まあ、美人かな」
「かな」
「そう」
「蹴るぞ」
「逃げろ」
「相手にするなよ」
「うん」
「気が進まないの」
「うん」
「出来たらでいいからデートぐらいしたら」
「お前もう一人いた美人のほうはどうなんだ」
「そう言えばもう一人いたな」
「あと一か月を切ってやり直し、資金は大丈夫かな」
「それがやばい」
「バイトで稼ぐしかないな」
「ああ」
「時間が二けど、バイトだ」
「また清掃だな」
「ああ」
二人はしばらく、ショッピングモールで清掃のバイトをしました。
「ボディーはやっぱりシリコンでいいのかな」
「姿勢の安定は、振り子でやってみるか」
「上下左右だぞ」
「設計してみる」
「お腹あたりで、制御できればいいんじゃあないかな」
「明日までにできるか」
「うーん、やってみるけど」
二人は、ボトルのお茶をおみました。
「気が付いたら、秋の虫の鳴き声ばかりだな、日暮が鳴いていたのに」
「ああ」
二人が政争のアルバイトをしている間、台風が二つ通り越して、殺人事件が4件怒り、首相が、引退すると宣言して、交通事故が6軒ありました。
そして夏休みが終わり、感染症がまた、危険信号をだして、異国の戦争は続いたままでした。
「来週あたりもう一度実験してみようよ」
「ああ、設計してみる。ラフスケッチはこれだ」
「さすが、頼むよ、資材の調達はやるから」
「ああ頼むよ」
「とりかかるか」
「ああ」
「帰って設計だ」
「ああ」
「やれるなあ」
「やってみよう」
「また、バイトだ」
「そうだな」
彼らは楽しみ始めたようです。
そして、カエルロボットの完成が見られるでしょう。
そしてスムーズに作動するでしょう。
無欲の楽しみはきりがないでしょう。
わつぃはここから彼らを見守っていきたいと思っています。
そろそろ、彼女たちが走ってくるよ。
どうする。
お腹空いてるだろう。
ろくなものをたべてないみたいだものな。
「あれ、いた」
「でたー」
「何よ」
「お腹すいたー」
「また」
「死ぬ―」
「待てて、野菜スープサラダパン」
「ヤッター」
ようやく朝食が食べられそうです。
どうやら彼ら仲良しですね。
グランドの入り口は笑っていますよ。
これからグランドで少年野球の練習が始まりそうです。
彼らはかつての中にいたようです。
「此処で食べるの」
「ああ、蛇口がるから、手と顔を洗って待っているよ」
「はい、タオル」
女の子は首にまいったタオルを取って、
彼らに渡しました。
「おい、ためしはまずいぞ」
「ああ300円払うか」
「これで頼む」
「何これ」
「食事代」
「本当は、もっとよ」
「うん、ただ、だったもんね」
「お願いします。食べさせてください。」
「あんたたち、高いものなのよ」
「お願いします、助けてください」
「いいけど、一回ロボット見せて」
「聞いてた」
「うん、楽しそうなんだもの」
「まだ実験段階だから、つまんあいよ」
「それは私たちが決めるの。楽しいか、くだらないか」
「下らんよ、昇るように作ってくるから」
「それは、まあいいから、とにかく朝ごはん用意してくるよ
緑の葉っぱから一滴白い雫が落ちて彼女の頬を輝かせました。
「あんた泣いた」
「いいえ、でもうれしいの、おかさんみちでしょ」
「何考えてんの」
「いいのよ」
「ま、そうか、面白いからつきあうよ」
「ありがあとう」
彼女たちは、朝ご飯の準備に帰っていきました。
「おい300えんじゃあまずかったかな」
「いいよ400えんにしょう、コンビニ弁当ぐりの値段ででいいよ」
「中華にいったら、1000円」
「たのまないのに作ってくれるというんだから、気持ちさ」
「そうだな」
「まああな」
「おまたせー」
「もう来た、はい、タオル」
「ちゃんと、吹いた」
「うん」
「ヤッター、貴重品ゲット」
「うーん、子の匂い、わすれないよ」
「あの女、あほか」
「何、なーし」
「300円もうはらったんだから、詐欺になるぞ」
「じゃあやるけど、さっき言ったが払いが足りん、むすぇん飲食だぞ」
「追加はいくらだ」
「億万円」
「詐欺はどっちだ、ただだろ」
「億万円」
「奈良ビル一棟だな」
「そうよ」
「そうか、そのうちな」
「いますぐ」
「物件がないからそのうちな」
「それならあそこのマンションでいいわ」
女は指さしました。
「俺あそこに住んでるんだ」
「え、本当、ブルジョアね」
「くちにあうといいけど、スープが覚めないうちに食べて」
女はベンチに、ナプキンを並べて。
「どうぞ」
「いただき、まーす」
彼らは、地面w指さして、
「蟻だ」
「うまいのがわかるんだな」
「食べよう」
「これ追加分」
と言って500円玉を置きました。
「ないこれ」
「たりないぶん」
「いらあい、チュー」
「何」
「ヤッター」
「やられた」
「もどせ」
「戻せよ」
「たりん」
「おつりは」
「もう一回」
「やるか、目を閉じて」
「うん」
「おいで」
「うん」
「明日も」
「うん」
女の子は木の幹に寄り添って立ちました。
ここか、
ちゅー。
「食べていいよ」
「ここでか」
「うん」
「箸」
「あるよ」
「食べていいよ」
「いただきます」
「わたしは」
「いらない」
「そう、じゃあと億万円」
「そのうち」
「また」
「どうして私を要らないの」
「ブス」
「なんだと」
「痛てー」
男の声がグランドに響きまあした。
「おい、気絶かよ」
「ほっとけ、死ぬか」
「これは、3日生き返らんぞ」
「食べないの」
「いただきまーす」
「スープがうまい」
「あなたはただでいいよ」
「はい、でもこいつは、天災だよ。天災にも、あっているけど」
「ただの、阿呆よ、私を認めない、大馬鹿な間抜け」
「こいつの設計がるから、カエルはジャンプできるんだ」
「カエルって」
「ロボット」
「とにかくこいつは許せない」
「また来るの」
「ああ」
「使い物にならないよこいつ、一生たたんぞ、たぶん、こいつ」
「クズ、ごみ」
「あーあ」
「スクワットは」
「やるよ」
「わたしも」
「そっちの美人もやるの」
「うん」
「やろう、くずはじゃまだ」
あーあ、彼大失敗だな、本気で怒らせてしまった。
みどりのこえだがゆっくりゆらいでいます。
クークー。鳩が首を振って、歩いて来ました。
「ボール」
「はい」
「はい」
「はい」
三人は、1時間近く楽しんでいました。
「今日は」
「こいつが設計図を描かにと俺はひま」
「そう」
「じゃあ後で、川遊びに行こうよ」
「うん」
「俺車出すよ、軽トラだけど」
「いけてる、夏よ」
「ああ」
「こいつは」
「寝かしとけ」
「川遊びのボートはないよ、バーベキューも」
「いいよ、眺めに行こう。走ればいいじゃん」
「東京方面と、茨城方面とどっちがいい」
「当然、田舎よ」
「字やあ、埼玉」
「田舎過ぎない」
「そう」
「千葉で済ます」
「それ」
「待てて15分で戻ってくるよ」
ドドドドド。
軽トラがやってきました。
「乗りな」
「いけてる、荷台ね」
「ああ、かがんでいろ、お巡りにみつかるな」
「いけてる。楽しい。レッツゴー」
「つかまっていろよ、荷台に」
あーあ、いってしまった。
あれは危険だぞ。木の根元でころがっているやつ。心臓動いているか。
行ってみるか。
「おい、痛いか」
「下腹部が窓もい」
「災難だな」
「おじさん、あの子どうしたらいい」
「幼馴染だからしかたないな」
「そうんんだ」
「きっと、彼女もそう思っているさ」
「蹴ることはないだろうしかも急所を迷わず、一撃」
「たくましく育ったもんだ。わしもうちのババアにはさからわん、やりたいようにさせとけ」
「そう、ですか」
「ああ」
「しゃべれるのなら大丈夫だ。お茶でも飲んで食事をしとけ」
「うまい」
「わしに言うな、彼女にいえ」
「あれ、みんないない」
「くぁあそびに来るまで行ったよ。お昼過ぎんには帰ってくるだろう。髪と鉛筆だ。設計でもしながらまっておけ」
「あーがとうございます」
「ではな」
「おーい、腰が痛くないか」
「うん」
「次の信号で、左に曲がって止めるから、こっちに手を伸ばせ」
「はい」
「最初kr渡せば寄った。はい、クッション」
「アーこれ、やっぱいるね」
「座席に来る」
「こっちがいい」
「退屈」
「いや、もう10曲歌い切った」
「だれの」
「夜遊び」
「こっちはヒゲダン、聞いてた」
「へー」
「後一時間で着くよ」
「いいよ」
「コンビによる」
「寄らないよ、ね」
「うん、いらない」
「分かった」
「ゴー」
「スタート」
「もうすぐ,霞ケ浦だから利根川の土手があるだろ。ナビしてくれないグーグル」
「このまま5キロまっすぐです。交差点で右です」
「OKゴーグル」
軽トラは順調に。利根川の河川敷につきました
「広ーい」
「お疲れ」
「うん、準備体操」
「おお、これテレビ体操」
「ユーチューブ」
「ああ」
「少し体を動かして走るわ」
「はい」
三人はたっぷりと川の風を感じて、走りました。
「気持ちいい」
ヒバリの声が響きました。
三人はたっぷり楽しんで。
「ご飯どうする」
「うなぎ」
「いいね」
「行こうか成田へ」
「いいよ」
「座席に来いよ」
「うん」
差人は成田へ向かい向かいました。
「行こう」
「スタート」
「ゴー」
「成田まで2時間だ」
「うな重3つ予約」
「どこ」
「中村屋の向かいの成田屋」
「吸い物付き」
「3つOK」
「食べるぞ」
「腹減った」
「お姉さんたち元気すぎる」
「同級生よ」
「うそー」
「あんたらがガキ過ぎるの」
「分かったよ、お姉さん」
「馬鹿」
「はい」
「早くだせ」
「動いています」
「とろい」
「すみません、渋滞にしっかりとはまりました」
「行け、腹減った」
「はい、でも先頭の運ちゃんと手をうってください、もしかしたら、ゆっくりひげをそってるかも」
「よしおっぱいで目を覚ましてやろう」
「女性がドライアーをかけてるかも」
「なら、いっぱつけりをいれてくる、お前棒を出せ」
「おねえさんさすが」
「うるさい、お前がこの道を行くからだ」
ばごーん。
すみません、出h遠回りの峠越えにします」
「方法がるのに面倒ンことをいわすな」
「はい」
「ところで一発けりをいれたやつ生きているかな」
「待ってるって、ラインが来ました」
「生きてるか、面倒にゃつ」
「おええさん、本当に殺すの」
「当たりまえだ。お目も昼までにウナギを田阿部挿せないと命がなくンるぞ」
「本気」
「ガキの遊びで生きてるんじゃあ、ないぞ」
「わかりました」
「しぬきでうんてんします」
「今迄では遊びか」
「いえ、はい、反省しています」
「死ぬ気で行け」
「はい」
「あ―うまかった」
「けるぞ」
「なんで」
「量が足りん」
「間に合った炉」
「予約に3分も遅れたから、減ったんだ。ばかやろう」
「予約より3分も遅れた」
「ああ」
「だってちゅうしゃじょうからはしってていったのにこけちゃったんだから」
「お前がとろいんだ。馬鹿野郎、覚悟はあるか」
「いいけど俺をやったら車で帰れん」
「馬鹿、もっといい車にいい運転手は沢山調達できるんだ」
「あのー」
「はいお嬢さん」
「千葉ですけどセダンですか」
「スポーツカーです」
「二人なの、いつでもサービスするよ」
「ああいいよ」
「ありがとう、ちょっとこいつを始末してから、お願い」
「ひぇー」
がしっ。彼は静かに沈んでいきました。
軽トラは成田の坂に沈みました。
「千葉のどこ」
「松戸よ」
「へー」
「ありがとう」
「柏から、三郷からどっちが近いかな、たぶん6号は、三郷からのほうが、スムーズだと思うけど」
「わかっているじゃん、ちらっ」
「法くぁい行けど甲地も色もいいね」(ママ)
「うん」
「三郷コースで」
「うん」
「オープンカーだけどあけていいかな」
「いいよ、シートがいいしね」
「曲は、軽いロックでいいかな」
「うん」
「お尻から響くよ」
「席のところに、ハイボールが置いてあるから、飲んだら」
「うん、睡眠薬入り」
「で、いいかな」
「うん」
「もう走ってるのね」
「ああ、お姫様を大事に送るよ」
「うん」
「ウナギ、好きなの」
「美味しかった」
「贅沢よ、年一の」
「そう」
「ええ」
「きみ男の子をつぶしてきちゃったけどいいの」
「うんもう一人つぶしてきた」
「最高よね」
「すごいな」
「うん」
「もう松戸だけど」
「小金原のグランドに」
「よし」
「早い」
「ついたよ」
「ありがとう」
「あ、生き返ってる」
「あまり、無茶しちゃダメだろ」
「うん、感謝します」
「あ、もどった。」
「うん」
「やつは」
「寝てる.成田のうなぎ屋で」
「やられたー」
「戻るよ、軽トラで」
「そう」
「気持ちよく寝てるよ」
「食べたの」
「最高においしかった」
「食べたんだ」
「ごちそうさま」
「食べたんだ」
「お昼はまだだけど」
「もう夕方だよ」
「昼は抜きだったんだ」
「夕飯食べなよ」
「やつを待ってるよ」
「待つの、相変わらずつまんないやつ」
ポケットに入れた紙をもう一度見直しました。
超低空超高速ジャンプ素材が問題だ。超軽量で衝撃に強い、カーボン繊維、ちょうたつできるかな。
「ウナギ、最高ね」
「帰りの人、スマートで素敵、いい日だった」
「うん」
「日が暮れるには早いね」
「うん」
「もう少し身体を動かそうよ」
「おい」
「え」
「ボール」
「やるのか」
「うん」
「飽きないな」
「トレーニングはかかせないよ」
「はい」
「はい」
グランドの入り口は
夕陽色に染まっています。
「はい」
「はい」
「仲いいじゃあないか」
「あーお帰り」
「4000円」
「何」
「払っておいたよ。二人の分」
「うん、それはこの人が食べた、朝食代よ」
「俺も食っていたんだ、くそ」
「早く帰ってきたね」
「まあ、荷台が軽かったから」
「荷台にあった、ジャガイモ全部捨てておいたから」
「えー」
「気づいてない」
「空っぽだ。一年かけて育てて収穫したのに、忘れていた」
「間抜け」
「感謝はないのか」
「うん、感謝したよ。それも忘れたの。アルツハイマーかもよ」
「疫病神め」
「設計はこんな感じだよ、ほぼ完成だよ」
「できたの」
「うん」
「じゃ早く製作しよう、こんな、疫病神、相手にするなよ」
「ああ」
「言ったな」
「蹴り」
「やばい」
女の子の足は空を切りました。
「逃げたな」
「いぇー」
「覚えてろ」
「またやろう」
「まだ、やってない」
「やったろ」
「やってに」
「気持ちをを込めて」
チュー。
「くさい」
「なんでだ」
「ウナギ臭い」
「もう一回」
チュー。
「いいから今日は帰ろう」
「やってね」
「ああ」
「気持ちを込めて」
「ああ」
「聞いてる」
「ああ」
「どうすればいいのあなたは」
「ごめんあさい」
「謝ってすむことじゃないの、返せ」
「すみません」
「だから」
「いいよもう」
「だめー」
「わかっているから」
「なにが」
「どうやら、逃げられないらしい」
「たりめよ」
「はい、ボール」
「はい」
「はい」
「はい」
「一日やってる」
「うん、明日」
「逃げる」
「もう暗いよ」
「明日よ」
「ああ、帰ってシャワーを浴びるよ」
「一人で」
「ああ」
「けち」
「なんで」
「夜よ」
「ああ」
「かぼちゃの馬車が来るわ」
「ハローウィーンだな」
「王子」
「姫」
「逃げるのですか」
「姫もおやすみなさい」
「ふわふわの天蓋月ベッドの用意は」
「勝手にしろ」
静まり返った、グランドでは、秋の虫の合唱が始まりました。
「なあ、寝たよな」
「ああ」
「ボディーだけど」
「ボディーブローはごめんだ」
「カエルの本体なんだけど」
「カーボン繊維調達できるかな」
「今日は食事代、高くついたからな」
「無理か」
「もう一度バイトだ」
「間に合わないよ」
「いいさ、完成させよう、完璧なのを」
「ああ」
「軽トラでも、オープンカーにはまけるもんか」
「なんだと」
「え」
「やったー」
「寝言か」
「助かった」
「パンチ」
ビューン。
バッゴーン。
「やられたじゃないか」
「かわいい寝顔で休んでるよ」
「寝ているとかわいいのにな」
「馬鹿、起こすな」
「ああ」
「聞いたよちゃんと」
「寝てなよ,かわいいのだから」
「うん、でも美人よ」
「美人はちょっと近づけないよ。かわいい、くらいがいいんだ」
「そう、やっぱり、んたら、ボクちゃん、ね」
「ガキじゃあないよ」
「音は言わないのよ、君ら、自分がお腹のすいた時に子供にお菓子をあげたことあるの」
「シーン」
「ないよね」
「シーン」
「出来ないよね。子供は」
「シーン」
「それができたら、会いましょう」
「やった、開放された」
「坊ちゃん」
「またな」
「またね」
「朝になったらとりかかろう」
「バイトもすぐに」
「カーボン繊維素材、ホームセンターでいくらか見ておくよ」
「ああ」
「痛みは、丈夫か」
「まだ、ずきずき」
「細いのに威力がすごいな、あのパワーをけるに注入してもろう」
「そうだな」
「蹴りもパンチも避けれそうだけど」
「れはもう嫌だ、死ぬよ」
「しぬな」
「ああ」
「休んで来いよ」
「ああ、寝る」
「風呂に入って来いよ」
「ああ、お前も」
「ああ」
「じゃあ朝にここで」
「ああ」
「グランドで」
「ああ」
「おはよう」
「寝ているな、二人のお嬢さん」
「起きないよな」
「組み立てに行こう」
「ああ」
「此処いつまで借りれたっけ」
「追い出されるまでいんだよ」
「此処ダンプの車庫だったよな、大きな木に囲まれて、日陰で快適でよかった」
入り口には小さな植え込みがって、適当に緑がって、あきにし、三軒先のスーパーに向く人が軽く歩いていくから、飽きないよ」
「お前、朝くってきたか」
「腹減った」
「お待たせ」
「出たー」
「8000円モーニング」
「いいえ、ただよ」
「チューは、なしでいいよな」
「いいよ」
「いただきます」
「やっぱりガキね」
「いただきまーす」
「しっかりたべて」
「はい」
「そこの工具」
「ああ加工をしてみるよ」
「ボディーの試作」
「見てこなきゃ、ホームセンターにもっていって」
「ああ」
「今日は作業に集中しよう」
「忙しそうね。私たち、走ってくるわ、犬の散歩」
「いってらっしゃーい」
「食べて、作ろう」
「ああ」
「静かになった」
「虫の鳴き声だけだ」
「とにかく先にサンプルを、作ろう」
「ああ」
「今週中に、実験だ」
「ああ」
「おまたせー」
「もう来た」
「野菜スープにトーストよ」
「サンキュー」
「朝食だ」
「マーガリンとジャムと蜂蜜どれにする」
「全部」
「全部、カロリー撮りすぎなるからとで腕相撲ね」
「蹴りとパンチが無いならやるよ」
「甘いよ、弱ったら蹴りは入れるよ」
「じゃあ、やられるんだ」
「弱いのね」
枝の葉っぱの上をテントウムシが忙しく足を動かせて、時計回りに走っていました。小さな黒い点が、テントウムシの後をちょろちょろと追いかけていました。朝露の雫がコロコロコロンと踊っています。時計まわりに。
「おい、見ろよ」
「時計回りだ」
「ああ、慣性の法則の一つか」
「おい、蹴るロボットにも生かせるかも、な」
「自然の重力を生かして安定すればいいんだ」
「ひらめくのはいいけど簡単に言うな」
「ああ、設計できるだろ」
「かんがあえてみるか」
「あんたたち、何をごちゃごちゃ言っているの、食べないの、片付けるよ」
「食べ、まーす」
「全部つけトースト」
「いただき、まーす」
「はい、食べたー」
「スープ飲み、まーす」
「あんたらの食事っていつもこんあにうるさいの」
「静かだよ」
むしゃむしゃ、ごくごく。
悪魔のように甘い。
天国の食卓だ。
「また、大げさな」
静かに風が枝を揺らして、小さな芽を落としました。
「食べ終わったら腕相撲よ。いい」
「はい」
ムシャムシャ、ゴクゴク。
「食べた」
「はい」
「あっちの切り株」
「はい」
「腕相撲よ」
「はい」
「こ、この切り株」
「あー」
「時計回り」
「試そう」
「うん」
「こっち向きの一で行くけどいい」
「弱い物がごちゃごちゃいうな」
「はっけ、よーい、残った」
「あ」
「何やってんだ」
「思ったよりやっぱり力は入ったんだけど」
「時計回りの謎か」
「うるさい」
バシッ。
「あー瞬殺だ」
「おい時計回りが」
「なあ、逆でキックしてくれるか」
バシッ。
「瞬殺だ」
「景気で張ったら違うかも」
「うるさいな」
「いま蹴ったぶんあとで、チューだぞ」
「時計回りだ」
「ああ」
「自転もそうだったっけ」
「確か」
「やっパリ、時計回りのパワー」
「これだな」
「ああ」
「また、ごちゃごちゃ何を言ってる」
漸く夜が明けて、昼の時間になりました。
陰が道にのびてきました。
ゴキブリも元気です。
トンボも飛んでます。
ミツバチでした。
樹の蜜もたっぷりに匂っていました。
差飯跡だ。
腕相撲は終わった。
「おい、大丈夫か」
「ああ」
「ファクトリーに向かおう」
「ああ」
「達だよね」
「ええ」
「ありがとう」
「差は食べて来るから、もういいよ」
「そう」
「感謝しています」
「なるほど」
「パンチと蹴りは、まだありますか」
「自分たちの心がけしだいよ」
「あーあるんだ」
「このくそガキども、いい加減分かれ」
「なんだろう、危険な生物だと、わかりました」
「分かっていない、ガキ」
「はい」
「パンチ」
「キター」
「もう一発」
「イテー」
「しょうがない、またな」
「キックの威力が増したよ」
「いいサンドバッグだ」
ピヒョー、トンビが笑っていました。
根元から慌てて、ネズミが飛び出しました。
猫がすり足でじろっと睨んで、ひげをなめました。
スーパーから特売の音楽が流れてきました。
「米あった」
「あったのよ、それがまたあがっているの」
「買わないとね」
「そうね」
「もう三日おせんべいを買うのをやめたの」
「おうね」
「おちゃだっていうの」
「分かってないよね」
「そうね」
「わたしお茶に梅干しと唐辛子いれてやるの」
「あたりまえよ」
「あーあ、いくつになっても、女子には勝てないんだな」
「まあな」
「ああ」
「はじめよう」
「ああ」
「ホームセンターに持っていけるとこまで作ろう」
「ああ」
二人はシリコンで、主型を作り始めました。
「今日は気持ちいいな」
「ああ」
「この、型で安定するかな」
「ああ」
「とりえずできた。水に浮かしてみるか」
「ああ」
「ブリキの桶に水をはって来るよ」
「ああ」
「ねえ、ちょっと」
「トマトみた」
「また値上がりよ」
「水ようかんとスイカどっち」
「水ようかん」
「100円」
「だったけど」
「上がった」
「そうよね」
「食べれないわ」
「旦那になんか絶対に無理」
「そうよえ」
ふたりは試作品を製作しています。
「おい、やっぱり苦労するな」
「ああ、やっぱり女子は怖い」
「ああ、あいつら同級生だぜ」
「確かに美人になったな」
「ああ、ついに」
「そうだな、ついに、おかんみたいになってきた」
「やばいかな」
「相当やばい」
「そうだな」
「ああ」
「できそうか」
「ああ」
「桶の準備はしたよ」
「網すぐできるよ」
「うかべるか」
「ああ」
「蝉」
「まだ,鳴いている」
「そうだな」
「後でまた、グランドのベンチに言ってゆっくり話そう」
「いつらもう帰ったろ」
「いたら一目散に逃げるだけだ」
「そうだけど、なんで逃げなきゃいけないんだ」
「防衛能力を高めるんだ」
「バランスよく浮いているな」
「ああ」
「ボディーはこれでいいかな」
「とりえず」
「風邪に対する抵抗と浮力を見なければ」
「まあそうだな」
「こいつの名前は」
「それは後で、ベンチで」
「ああ」
「そうだな」
「ホームセンターは今日行く」
「資金作りをしてからだ」
「あ、そうか」
「後で話そう」
「ああ」
「いつまでたっても暑いのね」
「そうよ、朝からクーラーの下に座って、昼はまだかって」
「うるさいよね」
「ええ、抜いてやりたいけど、餌よ」
「あれ君たち精を出してるね」
「うちの主人、ベンチに座って、えすぉ待ってるのよ」
「グランドのですか」
「そうよ」
「やっぱり餌なんですね」
「釣っても食えない、旦那よ」
「そのベンチ、僕たちも使います」
「ジジイになったらおしまいよ」
「はあ-、はい」
「あんたたちなにつくっているの」
「カエルロボットです」
「あー、ドラえもんみたいなの」
「まあ」
「それ、何に使うの」
「今のところ役に立ちません」
「そうなの、夢、なの」
「まあ、寝たら夢はみます」
「寝たらね、ところで昼は何食べたい」
「ソース焼きそば、宇宙おやつ」
「ユーフォ―」
「ええ」
「それ餌にいいわ」
「餌ですか、昼めしですよ」
「うちの旦那の餌よ」
「そうね、うちもそれにするわ」
「でも値上げしているの」
「量も減っているからいいお」
「まだ、シールは張っていないけど、ここの天丼弁当おいしいから、じぶんのは、それにしましょう」
「旦那阿讃はカップ焼きそば」
「そうよ」
「勉強になります」
「はい」
「あなたたち、私たちのようなしっかりした女性を見分けないとだめよ、チャラチャラしているのはダメよ」
「はい、勉強になります」
「いるでしょう。ちゃらちゃらしたの。うるさいのよ」
「でも、同級生なんです」
「やめときなさい。そういうの、一番ダメよ」
「はい、勉強になります」
二人はベンチに向かいました。
「なあ、昼どうする」
「ああ」
「名前は」
「そうだな」
「とんだ1号」
「飛ぶ、1号じゃあない」
「ケストナーみたいでいい」
「じゃあ、飛ぶ1号で」
「ああ」
「飛ぶ1号いけ」
「もう実験か」
「ああ」
「よーい」
「はい」
「スタート」
「スイッチ、音」
「行け飛ぶ1号」
「行った」
「安定してるよ」
「とはは、素材だ」
「バイト」
「ああ」
「また、清掃業」
「警備員のほうが稼げるかも」
「そうだな」
「ついでだから」
ふたりはこえをわせて
「二つ掛け持ちでやる」
二人は大笑いしました。
「これからいく」
「ああ」
「昼は」
「蕎麦」
「ああ」
500円ならある」
「食べていこう」
彼らは商店街の蕎麦屋に向かいました。
「盛り二つ」
「はい」
「しばらくは昼抜きになるな」
「ああ」
「バイト」
「そうだな」
「2夕刊はやろう」
「そうだな、そろそろマジに働かないと」
「のおばさんに」
二人は顔を、みあわせました。
「あら、ボクちゃん、たち」
「ヒェー」
「いらっしゃい」
「え」
「知らなかった、ここ実家よ」
「ヒェー」
「美味しかったかしら、はいそば茶」
「あ、ありがとうございます」
二人は固まっていました。
「あれ固まってる、ちょっとほぐすね」
「はい」
「チョー」
「キターキック」
「どう」
「ありがとうございました」
「よし」
「おい、知っていたか」
「知らなかった」
「ですまないところだったな」
「ああ」
「これで昼はしばらくなしだ」
「ああ」
二人はすぐにアルバイトに向かいました。
坂を下っていきました。鈴虫が鳴いています。
「おい、コオロギは食用になるんだって」
「そうらしい」
「鈴虫はだめか」
「お前もう、腹へったのか」
「腹は一つだから、無くなってはない」
「そうか残ってたか、それは残念だ、また、くいたくなるな」
「ああ、蕎麦はきをつけよう」
「だな」
ふたりはあるいていきました。
ある人を始めた二人は。朝早くから深夜まで、働きました。
昼はおにぎり一個で過ごしました。
2週間がたちました。
その間にセミの声は静かになって鈴虫が一晩中鳴くようになって、選挙がいくつかあって、総裁選が恥ってしまいました。
二渡はショッピングオールで
「お兄さん、トイレは」
「ちょっとじゃみょ」
「ありがとう」
とかいろんな人をンがめて過ごしました。
「タケシ―」
「え」
同級の裕二でした。
「お前たち会ってないか」
「え」
「美樹ちゃんたち」
「え」
「おんなじクラスの女子二人組」
「ああ」
「やられたか」
「ああ」
「やばいよな」
「ああ」
「逃げたか」
「ああ」
「バイトか」
「ああ」
「仕事は」
「バイトだけ」
「同じか」
「ああ」
ショッピングモールは人工的なひかりで平べったい空間が広がっています。
同じ音楽が繰り返し流れて、静かに聞こえます。
昼は社食が300円だけど、抜きにしようと思いました。
「食べないのか」
「ぶっとれるぞ」
「ビスケット10円尾を食べとく」
二人は一日人工的な空間で、清掃をやっています。
「警備のほうもそろそやってみようか」
「ああ」
「そうだな」
二人は、夕方から警備の仕事に入ることになりました。
「お疲れさまでした」
「お疲れさま、遅くまでよろしくお願いします」
見上げると瞳がいました。澄んだ美しい瞳ではっとする美人のお姉さんでした。
この人は蹴りを入れないだろうな。
「おつかれさまでした」
「あー終わった、今日の売り上げは低かったよ。ちっともおにぎりが売れていないよこのくそジジイ」
おばさん怖い。
二人は22時まで、出入り口の、番をしていました。
「足が棒になったな」
「せいそうをしたらなおりそうだけど、見回りもやらなきゃあ」
二人は、結局。深夜勤務もやってしまいした。
「あー疲れた」
「夜明けだ」
「どうする」
「一度帰ろう」
「ああ」
「今日は、やっぱり10時に入るか」
「もつか」
「ああ、稼げるだけ稼ごう」
「ああ」
部屋に戻った二人はベッドにバタンと倒れて熟睡しました。
「起きて」
窓の外で小鳥が起こしてくれました。
時計を見たら8時を指していました。
まずい10時までには行かなくては。
10分でシャワーを浴びて、朝食抜きだな。
二人は、お腹がすいているのも忘れて、坂道を走っていきました。
カラスが「アホー」と鳴きました。
「バーカ」
「アホー」
「バーカ」
ぽトン。
「糞を落としやがった、バーカ」
「アホー」
「いいから急いでるんだ」
「自転車にしないのか」
「そんな高価なものはない」
「つまらん、遊べない」
「遊びじゃあないんだ」
「そうか
「急いでるんだ」
二人はぎりぎり10時前に着きました。
「おはようございます」
二人は入り口の警備を始めました。
「おい、美人だな」
「ああ」
「全然違うな」
「あの女子が好きだな」
「ああ」
「もういいよ」
「とれにか」
「あとで食品売り場で、おにぎり一つ買おう」
「もったいない」
「倒れたらおしまいだ」
「おお、姉妹か」
「あ、美人の」
「いいな」
「幻覚を見てるな」
「おはよう」
「お早うございます」
「君たち牛乳飲みなさい」
「はい」
おばさん、怖い。
「おはようございます」
「いやご苦労」
「はい」
「君たち、頼むよ」
「はい」
「今の誰」
「知らないの」
「はいおはようございます」
「重役よ3階のフロア―長よ、助べえジジイ」
「いいんですかいって」
「きこえないからいいの」
「はい」
「おい、美人はやっぱり、怖いな」
「ああ、蹴りはなさそうだけど」
「青あざがまだひりひりするよ」
「ああ」
「おはようございます」
「おひょう」
「今度お茶しようよ」
「え」
「朝の冗談よ」
「はい」
ほ。
「がんばってください」
「がんばってね」
「いってらっしゃい」
「あれ、私にはないの」
「いいえ、応援してます。最高のプレーを」
「いいよ、最高のね」
「はい」
「あんたたち牛乳飲んだ」
「いいえまだ」
「半分寝てるよ」
「すみません」
「謝らない」
「はい」
「じゃあね、頑張って」
「ありがとうございます」
ようやく従業員の出勤が落ち着きました。
搬入の自動車もまだまだやってきます。
二人は、お腹がすいているひまもありませんでした。
車両の動きが落ち着いたころ、
「おーい遅くなった、交代の時間だ」
「はい」
安全の確認をしている仕事で、屋根の下の仕事だが、埃っぽいし、足が棒になる。道理で、面接が、ゆるい。
「おーい、二人、社食で食べろよ」
「300円ランチ、どうする」
「贅沢だが食べんと持たん」
「食べるか」
「ああ」
「はーい、交代お願いします」
「警備の制服だといいか、清掃の服よりは、ましに見えるだろう。どっちも汚いよ」
「そうだな、奇麗な姉さんたちも入って食事をしているところだしな」
「やめるか」
「いや、地下のおにぎりのほうが高くつく」
「近づかないし、端っこに行けば匂わないよ、鼻をつまんで睨まれたりはしないよ」
「いってみるか」
「あーあ、座ってるよ」
「げ、しかも」
「蕎麦屋の娘たち」
「逃げよう」
「昼は」
「抜きだ」
「え」
「もう一度チャレンジ」
「見つかるよ」
「並ぼう」
「ああ」
「いい匂いだ」
「腹へった」
「300円」
「手ににぎった」
「ランチ」
「ああ」
「奥の席が空いた」
「たすかった」
「ミートソースのハンバーグ」
「三重トロスープ付き、ご飯とパン、牛乳一本」
「見つかるなよ」
「ああ」
「あー」
「しまったみつかった」
「あんたたちに匂ってるよ」
「やってしまった」
「無視して食べよう」
さっきまで、月を眺めていたんだけど、
もう、明るい青空が出ている。
そして仕事も一段落して食事までできた。
大切に一日を過ごそう。
カエルロボットはさみしがっているな、きっと。
「おい、今日の帰りに、ファクトリーに寄ってみるか」
「いいけど、明日の朝だぞ」
「コーヒーを飲んだらささと逃げよう、ベランダにいってみよう」
「ああそうだな」
ベランダは澄んだ空気で、中央のベンチまで緩やかな坂道になっていて、燗に伏す紫の花が、満開になっていました。ハナミズキの実が赤くなっています。
「あと30分休んで、清掃に行こう」
「5基のトイレから、昼前に終わらせよう」
「そうだな」
「いたー」
「来たー」
「逃げよう」
「また逃げる」
「はい」
「雨よ」
「入ろう」
「あいつらまた、目の前に現れたら蹴りとパンチよ、今日の振る舞いは明らかに犯罪ね」
「そうよ、百倍パンチと蹴りよ、一か月入院確実ね」
「そうよ」
「店に入ったぞ」
「どうする」
「トイレ掃除で隠れていよう」
「やっぱり逃げるしかないか」
「ああそうだよ、頃さあれるぞ」
「何が、悪いんだ」
「謎だ」
「でもおばさんを見ていると、当然のことかも知れない」
「そうだな」
「トイレ掃除に行こう」
「5階から」
「ああ」
「はじめるか」
「ここがきれいじゃなかったら、お客がへるからだめだよな、おっかさん」
「においもけさなきゃあえんやとっと」
「もう一つ磨く鏡の奥の女子が鬼になるからえんやとっと」
「口紅で駄目オヤジの文字があるから消してしまえ、えんやとっと」
「ついでに滑って転んでしまえ、鬼女」
「なめても大丈夫この便器」
「なめたらあかん、のど飴」
「なめたら甘いこの便器」
「お前なめたか、もう一度百回拭き取れ」
「次」
「はい4階便所」
「台車OK」
「そういえばこれカエルロボットで出来ないか」
「役に立つカエルロボットはつまらん」
「おいつまったら便所がうんちだらけになるぞ」
「匂うぞ」
「まずい」
「お前、うんち食べたか」
「なめたときちょっと」
「残っていたらだめじゃあないか」
「ああ、終了」
「3階、トイレへ向かえ、あそこはいま混んでるぞ、ひるがおわったころだから」
「では、地下から」
「台車OK」
「汚いな」
「床を磨く」
「ねんいりにな」
「ひとふききもちをこめてどっこいしょ」
「もういちどきもちをこめてどっこいしょ」
「きみたち、いつもきもちがこもってない」
「え」
「やばい」
「隠れろ」
「蹴り」
「ぎゃあー」
「気持ちをこめるっていうのはこのことだ」
「はい」
「磨いたら舐めます」
「まだまだ、気持ちを込めてどっこいしょ」
「ぴかぴかの地下トイレ」
「何とか出来た」
「青あざが痛む」
「うるせーガキども」
「はい、お客様」
「気持ちを込めてなめろ」
「はい」
「そこじゃない、チュー」
「息苦しい」
「しぬ―」
「出来たか」
「はい」
「台車の準備」
「はい」
「では一階のトイレへ」
「はい」
「まだ済んでない」
「はい」
「気持ちを込めてなめろ」
「はい」
「死ぬ」
「気持ちを込めろ」
「死ぬ」
「お前本当に殺すぞ」
「おいやめとけ」
「私がこいつをおとなしくさせる」
「おいで」
「はい」
「飲むゆっくり飲んでね」
「はい」
「おとなしく言うことは聞くのよ」
「はい」
「分かった」
「助けてくださいバイトを首になったら死にます」
「おとなしくしなさい」
「こいつら団らん蹴るぞ」
「もう一発でおやめなさいよ、本当に死ぬよ」
「死刑だ」
「私刑、は自分が死ぬよ」
「もう悔しい」
「彼女の気持ちを分かってあげて」
「殺人者」
「わかってない、もう死ぬしかないね、バイトは首よ」
「どうして」
「私はここの所有者よ」
「仕事サボったでしょ、首よ」
「ご勘弁を」
「まじめにしているんだけどね、彼女に対して不誠実よ、一度デートに誘ってあげて」
「それはご勘弁を」
「じゃ死ぬのね」
「いえカエルロボットを完成させます」
「それなら、牛乳を飲んで」
「はい」
「糞、また、股を蹴るぞ」
「ヒェー」
「おとなしくしたら」
「はい」
「一機に向かいます」
「真面目にね、お客さんに失礼の無いようにね」
「こいつ失礼です客に不愉快思いをさせました」
「それはすみません」
こいつを一日ペットにしてください」
「掃除は」
「君やって」
「はい」
「え、俺ペット、バイトは」
「ペットで同じ時給にするわ」
「嫌です、警備と清掃でお願いします。急に卑怯です」
「ペットも立派なお仕事なのに」
「冗談じゃあない、どうして人間がペットになるんだ」
「この話公にしていいですか」
「いえ、やめときましょう」
「当り前です、それで僕は」
「バイトを続けてください」
「ごめんなさい、混んできそうなので止めましょう。キレイにしておいてください」
売り場は、お弁当コーナーの人だかりで、レジがさばき切れていませんでした。
「ちょっとヘルプにはいってくるから、よろしくね」
「私も手伝うよ」
「え、二人がレジに」
「いいからやろう」
「ああ、もう一度便器をピッカピカによっこいしょ」
「油アカも磨いてよっこいよ」
「なめてもおいしいこの便器」
「また、なめたな」
「ああ」
「誰が来ても快適にすっきりだ」
「はい」
「では台車OK」
「一階へ」
「静かだな」
「化粧品のにおいがきついな」
「ここはさっとやろう」
二人はす早く掃除を済ませました」
「一応舐めておくか」
「ああ」
「やっぱり、甘いな」
「残っていたのか」
「ああ、匂いはないけど」
「買って―」
「いやだー」
「またー」
この時間になったら子供が増えたな。
「ベビーベッドのチェック」
「OK」
「よし」
「子供たち元気だ」
「そうだな」
「ザリガニ捕りやろうか」
「うん」
「スルメ烏賊」
「糸だけでいいよ」
「ロボットにあってこよう」
「そろそろだな」
「ああ」
「ザリガニ、とろうぜ」
「池に行こう」
「子供たちが沢山だな」
「ああ」
「できたか」
「ああ」
「なめたか」
「ああ、大丈夫だ」
「台車、よし」
「二階に向かおう」
「ああ」
「行くぞ」
「静かだな」
「便所広いな」
「ああ」
「これ5階から全部やるんだよ」
「あと、三階、四階」
「広いな」
「磨くぞ」
「磨いて、つるつる」
「ビシャビシャはだめ」
「おい、詰まっているぞ」
「バキュームだ」
「匂うな」
「でかいのが一本浮いてきた」
「きもちよかったろうな」
「ああ」
「流れた」
「食わなくてよかった」
「ああ」
「こいつを磨いて三階だ」
「ああ」
「台車の準備」
二人は三階、四階のトイレ掃除を終わらせました。
「君たち」
「はい」
「あのね、困るのよ」
「すみません」
「お客さんがトイレがきれいすぎてゆっくりしちゃうのよ」
「すみません」
「それがね、高級品を買うようになったのよ」
「すみません」
「いいのよ、嬉しい悩みなの、店の棚の商品の入れ替えをグレードアップできるとブランドがつくわ」
「はい」
「このままトイレの、環境整備に気を付けて」
「はい」
「痛むの」
「はい」
「仕方ないわ、鈍感すぎるの」
「え」
「分からないよね」
「はい」
サティのピアノ曲が流れてきました。
二人は夕方の警備の仕事に向かいました。
トラックの荷下ろしは続いていました。
「お疲れ様です」
「王、早かったな、社食のランチは今日は何だった」
「あのー、aランチは生姜焼き味噌汁パスタ付きです。bは生姜焼きキャベツ、もりもり、でした味噌汁付きです」
「はーハーン食べてないな、今日は木曜だろ」
「はい」
「bは、蕎麦定食だ」
「あれ」
「まあしょうがない、牛乳は飲んだか」
「いいえ」
「じゃあ、また、抜きか」
「はい、ま、タヌキです」
「なんだ、食べたのか」
「はい」
「事故が起きやすい時間だから気をつけろ、交代するぞ、頼むよ」
「はい」
「では」
「はい」
ゴー。
「オーライ」
いきなり8トン車だ。
カートには米がいっぱいに積みあがっていました。
「あれに砂糖を乗っけたら」
「おっけてるよ」
「おーい」
「はい」
「ちょっと手を貸してくれ」
「それか」
「そうとうな重量になっているぞ」
「はーい」
「その前に、入館証の確認を。」
「ああ、これだ、いまするな、馬鹿」
k-都北五ゴロゴロ動いていきました。
二人は慌てて、カートを押さえました。
「うーん」
「これ警備の仕事か」
「そうだ、安全運航」
「青あざが痛むー」
二人は、いきなり汗びっしょり、になりました。
搬入口は、フロアーの担当者が集まって、
「おーい大丈夫か」
「邪魔するな」
「時間がない」
「時間で動いているんだぞ」
「気を付けてくださーい」
「ださくない」
「どけよ」
「はーい」
「もう着いたぞ」
「こっちのは高額商品なんだ。もう売り切れているやつで急いでいるんだ」
「はーい」
「へんじだけはいいんだな」
「今何とかします」
「がんばれよ」
「はーい」
何とか、止まった。
「とまりました、いってください」
「お疲れ」
「はい」
「このカート地下だろ,取りに来るよな」
「ああ、壁際に置いておこう」
「運ちゃん、行ったもんな」
「何とかなった」
「コメは今運送のピークみたいだな」
「ああ、米騒動だったからな」
「それは江戸末のはなしだろ」
「いや、8月のことだ」
「あ、そうか、道理で、スーパーにコメがなかった」
「コメがないなら、もやしでいいと思って、もやしで3日過ごした」
「生きて行けるもんだな」
「まあ、食べたら何とか」
「昼は結局ダメだったろ」
「あの二人の娘、頭がおかしいぞ」
「おかしいどころじゃあない」
「頭蓋骨の中が空洞だ」
「ひぇー、新人類」
「腹減ったな」
「腹は一つあるぞ」
「ああ」
「補給は必要だ」
「交代まで4時間」
「ああ」
トラックはまだまだ、続いてきています。
搬入口はまだまだ、埃っぽいです。
「食べるんだろ、だってあの女子くるっているからもうだめだ」
「ああ」
「どうする」
「とりえず、カロリーメイト」
「ああ」
「力百倍だ」
「そうだな」
「たべたもんな」
「ああ」
「もう、後5時間もつな」
「ああ」
「どうする」
「見ておこう」
「ああ」
「もう臭いな」
「ああ」
「しょうがない」
二人は、そのまま交替まで搬入口で、警備の仕事を続けました。
二人が汗を流している間少年野球グランドで、2試合行われて、
テレビでは大雨の災害のニュースが流れて、収穫前のコメが、水没したとつたえていました。緊急車両のサイレンが2度ひびいていました。
そして戦争をやめるには英雄がいると言っています。
拳をあげたのがどちらかを問うのではなく、相手の本心の長を湛えて、理解しあうえいゆうがいるといいました。
「おい理解できるか」
「ああ」
「できないよな」
「ああ、でもここにいる売り場の女性はおしいみたいだ」
「かくにんできてないよ」
「そんなめんどうんことは」
「するわけない」
「まそうだな」
「また、搬入だ」
「今度は、本」
「そうだな」
「いい本よみたいな」
「いい本って」
「昆虫図鑑」
「ああ」
「図鑑か、流行ってるし、麻雀も」
「博打はやらん」
「そう言ったら小学生に馬鹿にされるぞ」
「女子にじゃあなしで、そういえばあの女子教室でやっていたな」
「おばさんの言った通り」
「でもおばさん、麻雀、やっているよ、確実に」
「マジで」
「ああ」
「カートが出てきた」
「高校生かあの女の子、小柄だけど運べるかな」
「エレベーターまで手伝うか」
「ああ」
「大丈夫、エレベーターまで少し上りだから押していくよ」
「ありがとう、警備のお兄さん」
「ああ」
「あれ、あんたたちそうじはおわったの」
「はい」
「見たぞ、かわいい子には優しいんだね」
「何のことでしょう、空き箱のことですか」
「なにいってるんだ、蹴るぞ」
「今、忙しいので」
「うるさい」
バシッ。
「来たー」
「運びますよ」
「ありがとう」
「はい」
「やったー」
「本屋さん楽しい」
「はい」
「図鑑」
「あるよ、うんtの」
「へー」
「売れてる」
「うん」
「でも、安いから怒られるの」
「そうよ、家は、準でp-とを目指しているの」
「5000円の図鑑仕入れました」
「そう、それにはリボンをつけて売って」
「はい」
「でたー 、ブルジョア」
「おい、ここで、買えるか」
「いや、貧民は来れないところだ」
「何よ、貧民は、もやしとこんにゃくを食べてればいいの、私たちは、三食デザートにワインつきよ」
「ブルジョア、こわーい」
「何よ、クズたち」
「はい、餌をいただいています」
「芸くらいしてみろ」
「あのね、苦労しているのよ、あなたたちくずを雇ってさぼらないように。300円ランチを出しているの」
「でも一口も食べていません」
「次の休憩で食べて、牛乳ぐらい、サービスするよ」
「お兄さんたち、食べてないの、休み時間になったら、来るから一緒に行こう」
「ああ」
「いいよ」
「ヤッター」
「え」
「ヤッター、グー」
「ありがとう」
「あんたたちさぼったら、首よ」
「さぼる暇はありません」
「暇がなくても、今さぼっているでしょ」
「やばい罠にかかった。動かせ」
「遅いよ、今度さぼったら、蹴りよ」
「助けていただいて、ありがとうございます」
「ありがとうエレベーターがきたからはこぶわ」
「気を付けて」
今日はファクトリーに寄ろう。変えるロボットを眺めておこう。
かわいい女子に食堂に誘われたし、悪くない日だ。けりもくらったし、な。
蹴りはこれから毎日dkら腹筋が鍛えられる。感謝だなあ。
二人は、大笑いしました。
おい今度は肥料品だ。
奇麗な姉さんが待っている。
「ちょっと手伝いますよ、エレベーターまで」
「ありがとう、よくはたらいてるね。汗を拭いて」
「もったいないので、自分のハンカチで」
「とで、返品できにはいきぶんのすかーふもってくるから」
「はい」
「つかってね、汗をかくとよくないよ」
「くさいですか」
「ええ、でもいいことよ」
「ありがとうございます」
「助かったわ」
「気を付けて」
「エルメスよ」
「3万のやつ」
「それは二日前のものだからいいの」
「売り場にあるのは7万のものよ」
「また、ブルジョア」
「もう今に品切れよ」
「それトイレの魔術」
「普段から大槻威を丁寧にしているの、だからお客さんトイレでゆっくりできてうれしいそうよ」
「がんばります」
「よろしくね」
笑顔が輝いていました。
「がんばってください」
「ありがとう」
まだまだ交代までは長い。
やっぱり、臭いか。食堂は汗を拭いていこう。
服にしみついているから駄目なんだよ。
変えのTシャツを用意しておこう。
コインランドリーで洗濯すればいい。
300円ランチに600円。使うか。
問題だな。
考えておこう。
くさいのは問題だ、
食堂で匂ったら食えない。
シャワーを浴びとくか、便所で。
「馬鹿」
「びしょびしょだ」
「とにかくシャツを変えよう」
「ああ」
「つづけるぞ」
二人は交代まで、カートを運びました。
「腹減るな」
「ああ、カエルロボットがさみしがっているよ」
「そうだな」
「バイトは続けるか」
「そうだな、無職じゃあ格好つかん」
「無色でいいだろ」
「ああ」
「カエルロボットはスケルトンにするか」
「あやすあがりでいい」
「マックの真似」
「真似も芸のうちよ」
「ロゴは」
「お前マジックで、カエルのもじをかけばいい」
「それ、いいな」
「黒にする、赤にする」
「赤字か」
「カエルだから」
「緑だ」
二人はくすくす笑いました。
「そもそも、何でカエルなんだ」
「知らん、飛んできたろ、水溜まりから」
「泥水からだった」
「そうだよ、泥でびしゃびしゃだ」
「おれらにはっ泥つきでちょうどいい」
「匂いは」
「糞のにおいか」
「ああ」
「カエル」
「やっぱり、匂いはまずいな、帰るか」
「買えるに、変えるといいよ」
「なあ、騒音で、大声になって喉が枯れたよ」
「飴、半年目のが、ポケットにあるけど、舐めるか」
「その腐った匂いが」
「糞の匂いでいいだろ」
「馬鹿、シャツを変える前にそいつを捨てろ」
「便利なんだぞ」
「怒ったな」
「ああ」
「問題は臭いことなんだ」
「ああ」
「どうする」
「買い変えるよ」
「それがいい」
搬入口の向こうの空でトンビがヒューと言って笑って飛んでいきました」
「見て飛行機雲」
青い空に真っすぐに」
エプロンをつけ鳥羽さん二人が指さしていました。
ピンクのコスモスが一凛揺れていました。
二人は交代まで、カートとの戦いを続けていました。
二人は、蝉の声を聴きました。
「日暮が鳴いている」
「そろそろ搬入も落ち着いて閑散としてきたな」
「みんな、高額商品を自慢していたけど」
「お前、買う」
「アイスを贅沢なものにするくらいかな」
「ああ、まだ、ホームセンターに行っていないから」
「ファイバー繊維のボディーの素材いくらになるだろう、多めに調達しておかないと、
それに制御の基板の製作もこれからだから、相当かかるぞ」
「ああ」
「ここの商品は結局ブルジョアの人しか、買えない」
「うんちの図鑑も8000円だったりするのかな」
「おまえまたうんちかよ」
「ああ、飴はまだポケットの中だ」
「ポケットを触らないと、匂わないな」
「たたくとこの匂いだ」
「やめてくれ気絶する」
「ああ」
「これ、最強の武器だな」
「蹴りに勝てるか」
「ハイヒールキックがすかさず来るよ」
「やっぱり、勝てないのか」
「逃げるしかないよ」
「しょうがない」
「ほラ、廃品奇襲が来てるぞ」
「5年ものの飴は、古物買取委持っていくよ」
「なるほど、値が付くか」
「当り前だ、非番商品だから、エルメスのスカーフが5本くらい蹴るよ」
「自分で使うのか」
「そう、日替わりで」
「定食みたいだな」
「どうだ、ブルジョアは、違うだろう」
「質入れして、買い物をするブルジョアはいるか」
「ここいいる」
「だからよ、それは、大貧民の代表だ」
「庶民ではなく」
「平民ではなく」
「市民でもなく」
二人は声を和せて、
「ゴミだ、粗大ゴミだ」
二人は大笑いしました。
「匂うな」
「クサヤを焼いている一杯飲み屋のカウンターだ」
「あれか、ホッピー」
「ああ、酎ハイじゃあなく」
「ハイボールじゃなく」
「ジャックダニエルのロックダブルで、チェイサーはビールで」
「それは、ブルジョアの趣味だろ」
「3000円だな」
「クサヤは、やっぱりまずいぞ」
「うまいっていう人が多いよ」
「いや、うまいのはクサヤで、年代物の飴は舐めているのか」
「ああ、舐めては戻している」
「それじゃあ、うまい具合に、発酵している」
「それで便所の匂いになるんだな」
「ああ掃除をする前の、50人ぐらい使った後の匂いだ」
「自慢するな」
「なかなか、できないものなんだよ」
「そろそろそいつを何とかしろ」
「ああ、蹴るロボットのエネルギーにするよ」
「それはいい」
「だろ」
「回路の設計も急ごう」
「ああ」
「また米が付いた」
「はこぶか」
「ああ」
二人はコメが積みあがったカートをエレベーター前まで運びました。
「お兄さんありがとう、ヤッター、これを売りつくしたら、食堂へ行こうね」
「ああ、匂わないか」
「匂うよ。すっごく臭い」
「すまんな」
「いいよ、大人の男の匂いよ、父ちゃんみたい」
「そうか、じゃあ後で」
「うん、ありがとう」
「気を付けて運べよ」
「うん」
カラスが、
「まぬけ―、アホー」
と、夕焼け御空を飛んでいました。
「もう日暮れか」
「ああ」
「夕焼け小焼けが荒れてる」
「歩道も薄暗くなっている、そろそろお客の誘導に入らなきゃあ」
「交代の要員ももうすぐ来るだろう」
「お疲れ様」
「おはようございます」
「変わったことは」
「ありません」
「食事は」
「後で初手のバイトの女の子と行きます」
「早いん、もうかのじょができたか、おめでとう」
「いえ」
「高知だ」
「はい」
ふたりは、駐車場前の歩道に向かって、お客の誘導をしました。
もう少しで夕暮れです。暗い道が、寂しそうです。
「お疲れ様ね、ちゃんと食べるのよ」
「はい」
「着替えをちゃんとしてね」
「匂いますか」
「いいのよ、若いんだから」
「すみません」
「食べるのよ」
「はい」
「おばさん、木大部栗音階はシールが貼ってある、総菜に、見切り品の野菜で一杯だったな」
「庶民ができることだ」
「オーナーの女子、何か、違ってないか」
「高額品も売れているんだから、きっと大丈夫なんだ、高級品のそばの、安売りは安売りよりいいものなんだよ」
「便所掃除から、はじまったことなんだ」
「なのに、俺ら300円ランチも食べれないんだ」
「不条理だな」
「不条理じゃあないよ、しかるべき仕打ちだ、臭いのがだめなんだ」
「星がみえはじめた」
「食堂にさそわれたろ、匂いどうする」
「うん、シャツは着替えて飴はそっちに置いとく」
「一応、タオルで体を拭いておこう」
二人は5階のトイレでタオルをしぼって、顔と腕を入念にふきとりました。
「匂うか」
「とにかく戻ろう」
「お兄さん、行こう」
「ああ」
「ヤッター」
「並んでるね」
「平気」
「今日はもう仕事は終わったの」
「まだ、休憩よ」
「じゃあおごるよ」
「ヤッター」
三人は、照明を落とした食堂の中央のテーブルに座って、食事をはじめました。
ほかに二組億御テーブルでにぎやかに食事をしていました。
「今日も目標の1.3倍になっているよ」
「ここ3日奇跡だよ」
「神様、気まぐれな冗談は、勘弁です」
「だよな」
「おかげで残業が続いてしまった」
「これから、バーで、クールダウンしてこよう」
3人の男性たちの声が響いています。
「お兄さんたち、あれ反省会よ」
「景気よさそうだな」
「こっちもそうなの、高い図鑑が売れまくってるのよ」
「うんち図鑑」
「え」
「違うか」
「笑う」
「うんちだぜ」
「臭い―」
「いろいろ形も匂い餅群だ」
「臭い―」
「笑うな」
「パンをかじりながら眺めてるんだよ、学校便所で」
「流してないの」
「そうだよ」
「このハンバーグ大」
「そっくりだ」
「身に血記録するの」
「色と形と硬さ」
「よく観察してるな」
「美容と健康よ」
「そうか」
「サラダ食べよう」
「うん」
「匂いっ平気なの」
「うん、自然の香り」
「そうか」
「カエルは」
「笑う」
「そうか」
「ねえ」
「何」
三人は、はゆっくり夕食を楽しみました。
この、ショッピングモールができたのは、4年前、それまでは駅前のスーパーに行くか、塩中心街のデパートに行くか、あとは近所の商店街で買い物をすますだけだった。団地の中の公演は次第に整備されて、雑木林も、公園に代わって。栗林には住宅が建って、高台は、宅地造成されて、コンビニも数件新しくできてきた。
その間彼ら二人は地元御大学に居って、就職は、まだいいやと思って、バイト生活をしながら自分たちの好きなロボット政策を続けていたのでした。
「君、高校生」
「うん」
「私は林の森、でこっちは森の林」
「へー、私、森林翠です」
「みんなで森林浴みたいななまえだな」
「笑う」
「コーヒー、採ってくるよ」
「砂糖とミルクは」
「無しで、」
「ブラック」
「うん」
「森と林さん」
「はい」
「ハンバーグ美味しかったよ」
「ランチ蕎麦食べたことある」
「個々の蕎麦はないよ」
「蕎麦もうんちになるね」
「ああ」
「匂うよ」
「え」
「うんち御匂い」
「ごめん」
「いいよ」
「飴」
「あれは持っていない」
「飴」
「ああ唯一無二の飴だ」
「美味しいの」
「あれ5年ものだからね」
「へー」
「唯一無二の貴重品だよ」
「飴でしょ」
「ああ、特別に発酵した、うんち御匂いのあめだよ」
「キター、また、うんち」
「握って投げるぞ」
「いいよ、こっちもできたてのを投げてやる、硬い奴を」
「負けた、こっちは、握ったらぎゅっとなるやつだ」
「どこか具合悪いの」
「一寸怪我が多くて」
「森に林さん、それで重いカートを運んでいるの」
「まあな、あ」
「当り―、隙あり」
「すげー硬い」
「そうよ、ハンバーグ入りよ」
「早いね」
「オジサン達がとろいの」
「ここでやったら、まずい」
「マジ、出禁」
「ヤ-イ、出禁」
「逃げよう」
「行くよ」
「よーいドン」
三人は走って食堂を逃げました。もちろん、うんちは手で拾っていきました。
「おじさん、楽しい」
「だな」
「うん」
「グランドでスクワットをしよう」
「うん」
「その前の蕎麦屋に寄ろうか」
「ヤッター、蕎麦入りうんち」
「もしかしてロケット鉛筆」
「当り」
「速攻」
「うん」
「キャッチするよ」
「うん」
「うんちスクワット」
「ああ」
「蕎麦屋、もうやってるか」
「とにかく寄ろう」
「ブルジョアがいるが」
「ファクトリーにもよろう」
「ああ」
「何、それ」
「カエルロボットだよ」
「緑の」
「ああ、透明な」
「飛ぶの」
「ああ」
「飛ぶわ」
「ああ」
「蕎麦屋さん」
「おごるよ」
「お前、貧民に戻るぞしかも大貧民」
「まあ、うんち仲間だから」
「蕎麦屋に行こう」
「うん」
「うんちは、公園でしてね」
「うん」
「行こう」
「はーい」
「走るぞ」
「ヤッター」
「いらっしゃい、来たね」
「蕎麦,盛り、3つ」
「誰、この若い女の子」
「うんち仲間」
「なんだと馬鹿にしたな蹴るぞ」
「キター」
「また飛ばされた」
「オジサン達かっこいい」
「お願いします」
「わかったよ」
「君、本が好きなんだね」
「うん」
「オジサンも本のある風景が好きなんだ」
「へー」
「本の紙の匂いいいよね」
「そううんちしたくなるの」
「本はね、大切なんだよ」
「とても長い時間をかけて、作られてとても長い時間かけて読んでいかれるんだ」
「へー」
「知ってるかな」
「印刷のインクは、へらでこねるんだ」
「うん」
「へら」
「ああ」
「へらへら」
「そうだよ」
「そこに行くまでが大変なんだ」
「オジサンなんで知っているの」
「それはね、おじさん本ができるまでずっとお付き合いをする仕事をしていたんだ」
「へえー」
「本があると落ち着くでしょ」
「うん」
「本の壁があるときもちいい」
「そうだね」
「ほんがあると、しあわせがちかづいてくるんだよ」
「私寝る目に呼んで明日の朝が素敵な朝になりますように、って、お願いして寝るの」
「きっといいさが来るよ」
「りがとう」
「どうぞ」
「ありがとう」
「さあ、食べよう」
「いただきます」
「おいしい」
「食堂ランチもいいけど、生きかえった」
「ゆっくり食べよう」
「て、やんでえ、蕎麦は一口ですするんだよ、生きじゃあないとね」
「今朝の月はきれいだな」
「月は西に火は東に」
穏やかな朝です。
一寝入りして。また、10時に出勤だ。
「ファクトリーは寄って帰ろう」
「おじさんついていっていい」
「いいけど、家に帰らなくていいの、学校は」
「いいの」
「通ってるでしょ」
「聞かなくていいの」
「そうよ、あんた、いい子ね」
「はい」
「おねえさんきにいったわ」
「ありがとう」
「いつでもおいで」
「はい」
「あなた、学校に行っていないでしょう。いいけど、勉強はやりなよ」
「はい」
「この子は本が好きなんだ。うんちも」
「何言ってるの、あんたたち、いじめてないよね」
「ああ」
「私ら、あんたらが無視するからクラスでつらかったのよ、いじめよ」
「え、知らん」
「知らんじゃすまないのよ」
「おねえさんすごい」
「私男子をおい欠けたら、笑われたの、みんなに」
「いいのよ、しかとしちゃえ」
「逃げたらいけんのか」
「あんたら一番わかっていないよ」
「オジサンずるい」
「そうか」
「そうよ」
「ごめん」
「またそれで済まそうとする」
「カエルが待っているから帰る」
「また、あほか」
「ごちそうさま、ぜんぶでいくら」
「特別に億万円」
「また、500円二枚ね」
「足りん、5000円札4枚」
「それなら、付けで」
「つけはなしよ」
「仕方ない1万円札2枚」
「実数が違う」
「でも額はおなじだろ」
「額の問題じゃあないんだ」
「同じだろ」
「心の量の問題よ」
「それなら、沢山、あるよ、億万個」
「たったそれだけ」
「十分だろ」
「私の心の宇宙は埋まらないよ」
「へーすごい」
「あなたも男子に黙っていないでいってやんな」
「すごい」
「いいね」
「はい」
「お姉さんたち同級生、なの」
「知らんよ」
「また、全然わかっていない」
バシッ。
「中2のeクラスよ」
「だったけな」
「また、忘れたふりをする」
バシッ。
「このお姉さん、美人になりすぎて、わからん」
「くどい」
バシッ。
「すごい、三連発」
「こいつたちそれでもわからないらしい」
お見せはお客が、満席になっていました。
「まずい、休憩なしで、出勤だ」
「ごめん今日はここで」
「はい、ありがとう」
「いくのか」
「ああ」
「またね」
二人は一度部屋に帰って、シャツを着替えて、歯を磨いて、坂道をかけ降りていきました。
ぼったくり蕎麦屋だな、2万あったらチャリが買えたのに。もういけないな。5回目だな。道に立ち並ぶ住宅から、トーストを焼く、薫りがしてきます。
臭くないな。2万あったらチャリ、蹴るロボットのボディーの向上につながる、2万円。どうしてそうなったんだ。うんち仲間の絆はゆるがないはずだ。2万円ぽっちりで、グダグダになってたまるか。翠ちゃん、小柄で、動きがきびきびして、岩崎千尋が描いた、女の子みたいだ。どんな本が好きか、聞かなかった。話したことはうんちのことだけだ。子お足りの農家は江戸時代に声売りから、うんちを買っていたのかな。真面目に取り組めば、うんちの、民俗学会ができそうだけど。
装いえば、ばかりだけど、蕎麦屋の女子達、本当に同級生かな、翠ちゃんに似た子がいたのは覚えているけど。
体操部の子で、グランドやタイ区間で見かけて、こっちをむいてわらってくれていたな。もしかしてあれか。
「おはよう」
「ああ」
「ぼーっと、してたろ、危ないぞ」
「思ったけど、あれは違うよ」
「そうか」
「ああ、あれは、違うグループで、つるんでたやつだよ、同じクラスかどうかも、怪しい」
「そうか、やっぱり、わからんのだな」
「ああ」
「翠ちゃんだけど」
「とにかく急ごう」
「ああ」
二人は、搬入着地に着きました。
「お早うございます」
「あれ、雨」
霧雨のような雨が降ってきました。
道は次第に濡れていきます。
今日は、暇かな。
「お早う。体は休めたか」
「ええ」
「頼むぞ」
「はい」
エントランスの駐車場前の植え込みの緑が、グレーに見えています。
向こうに見える看板も優しく見えています。
「きたぞ」
「お早う」
「お疲れさまです」
「キャベツだから」
「はい」
二人は、カートをエレベーターに運びました
地下のおばさんがやってきました。
「あんたたち臭いよ、野菜に匂いを移さないで」
「はい」
「もっとしっかり運びなさいよ」
「はい」
「あんたたち、昨日翠ちゃんと食堂に言ったでしょ」
「知っているんですか」
「おばちゃんの連絡網を侮っちゃあだめよ、食堂のおばちゃんが心配していたよ」
「怖っ」
「みんな見られているんだな」
「あんたたちスーパーの横の樹ガレージで何しているの、変な事件起こさないでね」
「あそこで僕たちロボット製作をしているんです」
「ロボットって、何をするロボット」
「役立つことは何もしないロボットです」
「それで、事件を起こさないでね」
「ええなにもできないんですから」
「無駄な時間とお金をかけているのね」
「いえ、いろいろ知ることができます。労働なしでは生きていけあいと痛感しました」
「あきれた」
おばさんたちは顔を見合わせて、
指をさして固まっていました。
「翠ちゃんに、優しくするのよ」
「はい」
「翠ちゃんおばさんに守られているな」
「でもロケット鉛筆うんち爆弾だよ」
「ああ」
「おはようございます」
「お早う、お疲れ様。トイレ掃除評判いいぞ、ここ3年で、一番清潔になっているよ」
「ありがとうございます」
「おはよう」
「おはようございます」
「あんたたち、ちゃんと掃除しているの」
「はい、トイレ掃除をやっています」
「全然できてないじゃない」
「すみません」
「すみませんじゃないよ」
おばさんの怒りの声が全館に響いていきました。
「トイレの入り口から便器まではほぼ完璧すぎるくらい清潔なのに、洗面台のガラスの左下の隅の水垢がこびりついているの。2階のトイレの右から3番目のところの洗面台におぞましいくらい鮮明に残っているよ、気絶するくらい、みにくいあとがあるじゃあない」
「失礼しました」
「もうしわけありません」
そういえば蹴りが入ったところだ。二人は顔をみあわせました。
「ここがおわったらすぐにやります」
「そうね。お願いよ、一応拭いていておいたけど」
「すみません、おばさん」
「何、おばさんだと、禁句だぞ」
「すみません」
「カート、置いておきます」
「もうすこしエレベーターに近いほうの壁でいいでしょ」
「すみません、あの辺りは、超高額品と役員専用のスペースなので」
「あら、私、役員よ」
「しつれいしました」
「パート組合の役員くらい覚えておいて」
「すみません」
「おい、いいのかな、パート組合の役員も、使えるのか」
森さんは、林さんに小声で相談しました。
「面倒だから、移動してすぐに運んでもろおう」
「そうだな」
「失礼しました、すぐに動かします」
「お願いね」
「はい」
こういうオバサンにつかまってしまったら仕方ないな。
自分に都合のいいようにしないと、いつまでもしつこいから。これも勉強だな、水垢に気づかないままだったのは、悔やまれる。しかももう、吹いてある。嫌味を言われた後だから、勝ち目なかない。
二人はエレベーターまで運びました。
「ありがとうね」
「はい」
「おばさんいはまけるな」
「ああ」
「まだ、トイレ掃除までにはじかんがあるし」
「ああ」
「おはようございます」
「おはよう」
「あれ、やられたね」
「は」
「パート組合の役員、つかったでしょ」
「ええ」
「此処、私たちの専用よ」
「すみません」
「しょうがないね」
「すみません」
「気を付けてね」
「はい」
「がんばって」
「あ、はい」
二人は思わず尾を見合わせて、
「やっぱり」
「思った炉」
「すげー美人だ」
二人は声を合わせてさけびました。
「はい、頑張ります」
美人はいいけどこの人、もしかして役員。
「怒られる―」
「のび太君たち」
「はい、しずかちゃーん」
「緒音声が大きいよ」
「はい」
「のび太、勉強しなさい。この前のテスト100点中3点なんて、中途半端でみっともない」
「ヒェー」
「名前を書いたら3点くれたんだ」
「のび太君勉強しようね、後で役員室においで」
「はい」
「あのしずかって人役員だって」
「まあ、さすがに完璧ですね、素晴らしい」
おばちゃん、手のひら返しだ。
二人は、判裕の時間が落ち着いて、出勤の人が舞場あらになった頃、
「どうする、役員室は6階のはずだけど、トイレ掃除の支度をしたほうががいいのかな」
「ああ、お前、飴は持っていないだろうな、シャネルの15番御うんちバージョンのやつ」
「やっぱりうんちはまずいかな」
「それは、うまくはないだろう」
「股舐めたのか」
「ああ」
「うんちは、偉大なんだぞ」
「そうだな、人類と地球を救うひとらしい」
「うんちには、勘定餅性もあるんだぞ」
「お前、うんちと会話したのか」
「当り前田乃介」
「持っていないよな」
「持っているよ、ポケットの奥のほうに」
「役員の美人の前で舐めると、ガスマスクを用意することになるぞ」
「用意していこう」
「舐めるつもりなんだな」
「ああ、リラックスしたいだろ、しょんべんちびった音がしたら一大事だろ」
「ちびるなよ」
「保証はない」
「ないのか」
「ああ」
「むすんでおけ」
「糸でか」
「ああ」
「試しておくよ」
「ちびったな」
「いやまだ」
「6か言い向かうには早い」
「アマダ交替できない」
「おはようございます」
「はよう」
「翠ちゃん」
「はい」
「いい笑顔ですね」
「うん」
「カエルいたよ、緑で目玉がオレンジの」
「ああ」
「眼玉がオレンジのにしよう」
「ああ」
「翠ちゃんありがとう」
「うん、ち」
「はあ、そうだね」
「行ってきまーす」
2024/9/30