積乱雲
ヴォーン。
爆音がグランドに響く。省吾は、むずむずしてくる。俺、上半身の服を脱ぎ捨てている。汗が心地よく吹き出している。
仲間で楽しむランニング。水がうまい。
「なあ、これから氷でもたべにいこうか」
「そういえば今日町内会で催しがあるはずだけど」
「じゃあ、浴衣ぐらい着ろよ」
「まあそうだな」
「おれらでなんか今日できるか」
「そうだな、清掃か草取りならいいいんじゃないかな」
「ねえ君たち。わたしたちも、ゴミ袋にゴミ取りばさみを持ってきてるよ」
「へー、美人じゃん」
「私たちもやるから、邪魔しないでね」
「そういわなくていいから僕らもちゃんと早めにすましちゃうよ」
「熱中症に気を付けてね。水。とりあえずこれを飲んで。」
「ありがとう、夕方までには仕上げちゃうから」
「じゃあ、せっかくだから、後で一緒にビールでも飲もうか。自治会から出るみたいだから」
「やったー。」
ワォーン。グランドから犬の声が聞こえてきた。
「草を刈るのが先だな」
「きみたち。水をちゃんと飲んでね」
「ありがとう」
「ところで、わたしは、真由よ。しっかりがんばって」
「おれ、省吾。こいつら、子供の時からの仲間」
「保育園から」
「じゃあ、この団地が好きなの」
「知るか」
「そうか、とにかく、今日は子供たちが喜ぶといいね」
「おい、こんなにたばこのかす。誰がこんな樹の下で、タバコを吸ってるんだ、とにかくこのごみもきょうでおわりにしたい。せっかくみんなが楽しむ日なんだから」
「君、がんばろうね。」
「おい、きみたち。この犬も喜んでるよ。たのむよ」
曇り空が、明るくなってきた。もうすぐ夕焼けがみえてくる。
「お兄ちゃんたち楽しそう」
「君たちも、やってみる」
「うん」
「でも一度お母さんにお手伝いしますと、いっておいてね。」
「はい」
子供たちは元気な笑顔になっていました。泣きべそだった女の子は笑顔になって、男の子たちに段取りを、伝えました。
私は「頑張ろうね」
と子供たちを見つめました。積乱雲がもくもくと笑って空高く背伸びをしてます。
「省吾君。雨になるかな。夕方大丈夫かな」
「大丈夫。僕は晴れ男だからだから。早くすましてみんなで遊ぼう」
「ワン、犬も楽しそうに尻尾をふっていました。
「おい君たちおじさんの出番もくれよ。これから自治会にどうぐをだすようかけあってくるから。花火の準備もあるから手伝ってくれよ」
そらは明るいオレンジ色になってきました。
雨の匂いはなくなっていました。。
夕方祭りが始まって、たいことはなびでもりあがったら、わたしはなみだぐんでしまいました。
「真由さんこれ」
省吾は炭酸水を渡した。。
「ありがとう」
「どうしたの、具合が悪いの」
「だってきれいでしょ。どうしてこの広場がこんなにきれいなの」
「君たち歌ってみな」
おやじがまたよけいなことをして、省吾は「ちちぇ、ちがうだろう」と思って、その場で、歌って踊ってみせた。
「おにいちゃん、やったー」
子供たちも踊り始めた。
「よかったね。今日は」
おかあさんたちもたのしそうだった。
「お母さん夕ご飯は」
「カレーライスよ」
広場はいつまでもにぎやかだった。。
省吾はこれから本格的に後片付けだと腕をまくった。空で笑っていた
「お兄ちゃんたちまた今度もやろうね」
子供たちの声が広場に響いた。
「お姉ちゃんたちも浴衣に着替えてくるわ、後はゆっくりお祭りを楽しみましょう」
「わあーい、おにいちゃんほら」
「おっと」
こどもたちは拾ったボールを投げてきた。
「おっと、投げるのうまいな」
「当然」
「小学年くらいかな」
「2年」
「うまいな。野球すきなの」
「うん」
「今度昼居間にぐらんどで、やろうよ。これ~花火の準備をするから」
「やったー、ジュン君も呼んでくる」
「かけってると転ぶぞ」
「平気。みんなで花火」
「楽しそうね。スイカを切るから待ってて」
お母さんたちも元気になっています。
「みんな、幸せね。戦争じゃないからできるんだよ。平和でいいよ。昔は、、、でもそうだね今が一番ね」
「お母さんたちスイカありがとう、あっ、花火」
団地のひろばはもうすぐしずかなよるをむかえるでしょう。
「省吾さん、これから、一緒にお食事どうですか」
真由は思い切って誘ってみました。
「えー、おれらもうすうこしかたづけるよ。線香花火のあとここでいいんじゃない」
「それもありかな、」
「君たち、もうちょっとまぜて、おかあさんたちがみまもるから」
「省吾君たちとだけでよかったのに」
私は少し膨らんで呟いた。
「いいよ」
「ありがとう、君、省吾くんだよね、私たち小学校が同じよ、わたしたちかなりうえだけど」
「へー、わからなかった」
「えっ、わたしは、おいてけぼり」
真由はあっけにとられてしまった。
「もうそろそろ終わりにしないと、お年寄が、よく思わないよ」
「省吾君、そうね」
「5分で終ね」
「お母さんおなかすいた」
「花火をみて、おにいさんたちとさよならね」
「じゃあ、線香花火を一本づつもって、お姉さんが火をつけるから」
「付けたいのは別の火、だったのにな」
わたしは、すこしわらっていた。
せんこうはなびがすこしわらっていた。
2023/9/5