籠町南葉山 上越市の雪山散策

新潟県  909m  2010年2月21日

山スキールートガイド99

193

もったいないような青空に一人雪原を歩く。

ぐんぐん高度が上がり、振り返るとさっきの雪原がはるか下になっている。雪の田園風景。

最後のコルからの緩い登りはまばらな林の中。

そして林の中の雪広場になっている頂上に到着。座って熱いお茶を飲む。落葉樹の向こうには、青田難波がゆったりと稜線を広げており、反対側には妙高の首が微かなシルエットに見えている。

まっさらな雪の上にトレースを残し、頂上を出発。、869m峰から南尾根に滑り込む。パウダーに近い滑走。尾根はだんだん広くなって広めのターンも交えていく。

白い雪にくっきりターン・トレースをつけて滑る。こいつは気持ちいい。

広くなった支尾根をなおも滑り、支尾根の中間部末端に達すると広い林の斜面。

えいやっと滑って林道に滑り込む。登りトレースはまだ深くくっきりと残っている。

日が傾き、尾根の東側は日陰。真っ青な日向に出ると、眼下には出発点の谷間が見えて、妙高が逆光に霞んでいる。

籠町南葉山・・・・・869m峰の真下からトラバース。行く手には籠町への雪庇の主稜線。籠町南葉の頂上は主稜線の右奥
南尾根の滑走1
南尾根の滑走2
最後の斜面
青田難波山
重倉山
霞む妙高山
パノラマ1: 籠町南葉山(中央左)、南葉山(中央右)、青田難波山(右)・・・左端尾根に夏道があるようだが、今回コースはその向こう側(見えていない)
パノラマ2: 南尾根、869m峰(中央左)、籠町南葉山・・・右下の樹林雪原を登り、869m峰右で尾根に乗り、頂上へ。復路は869m峰から左の南尾根を左手前に滑走
9:57 駐車地点発10:23 尾根取付11:12 林道(歩行)12:12 休憩・植林雪原13:16 869m峰直下・主稜線13:51 籠町南葉山・・・・・・・・・・・・・・・・・登り3時間54分13:59 籠町南葉山発14:26 869m峰・南尾根滑走15:06 林道合流15:39 尾根取付き点15:55 駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復5時間58分

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除雪終点の駐車地点を出発すると、雪に埋まった車道沿いにスキートレースが残っている。いや、スノーモービルかな。もったいないような青空に一人雪原を歩く。正面奥の重倉の手前にたくさんピークが並んでいる。重倉(このときは籠町南葉と思っていた)は縦位置でずいぶん近く見えるが、実際はだいぶ遠いだろうと思う。万内川砂防公園の標識と雪に埋まったトイレの先に橋があり、それを渡って谷間に入っていく。その次の橋を渡ったところでモービル・トレースは左右に別れ、マップを取り出して確認。林道は左のようだが、ガイドではここから尾根に登るとある。確かに正面にそれらしき尾根があり、右のトレースを辿り、途中で尾根に取り付く。

そこは砂防ダムの手前で、尾根に上がる徒歩トレースがあったので、それに沿って九十九折に登ったが、そのトレースはどうもカモシカだったようだ。新雪が薄く積もっており、登りやすいが、この天気では帰りは腐っているだろう(上のほうは快適だった)。ぐんぐん高度が上がり、振り返るとさっきの雪原がはるか下になっている。雪の田園風景。

細尾根の小ピークに達し、少し下って次の広い尾根斜面を登る。背後に大毛無とその手前の栗立が見えてきた。あっちの方がずいぶん高い。そのとき登っていた広い急斜面はかなり急で、帰りの滑走で楽しめた。斜面を登りきると林道で、それをショートカットして斜面を登る。すぐにまた同じ林道に出て、更に3度目に林道を横切り、その先の林が詰まった斜面を登り、林の中のピーク(P1)に達する。もう半分くらいきたかなと思ったが(1時間半経過)、全然甘かった。このときマップの中間地点あたりを見ているが、実際はもっと手前の小ピーク。そこからは緩い下りで、シールのままで滑る。すると、右手前方に籠町南葉が見えてきた。これはスタート地点で見えていたのとは違うな、だけど籠町南葉に違いない、と思う。しかもまだずいぶん遠い。

細尾根を滑っていくと林を抜けて視界が広がり、前方に籠町南葉の全景が見える。更に進むと今度は左手に重倉が高くそびえている。その山は重倉だとその時気付く。そして細尾根の先端で林道に降下。このとき林道を辿ってもよかったのだが、反対側の尾根に登る。その細尾根はすぐに下りとなり、同じ林道に降下。こいつは全くの損だった。こうなるともうその先の斜面を登る気はなくなり、林道を辿ることにする。こっちの方がずいぶん楽だ。しかし、予定よりもだいぶ遅れていることに焦りを感じ始め、林道歩きの間はあまり写真を撮っていない(風景も変わらないが)。

雪の林道は斜面なのか道なのか分かりにくいが、曲がりくねりながら延々と続き、籠町南葉の下を左から右に横切っているのが見えるところまでくる。ガイドによるとどこかで左の斜面を登って稜線に上がるのだが、林道を真下まで行って直登してもいいような気もする。迷いながらも前進し、このあたりで登ろうかというあたりで、腰も痛み出していて、休憩をとる。スキーをひっくり返してシールを乾かすが、この時はまだ雪はついていない。

林道の左の斜面を登り始めるが、沢の窪みを登ったり降りたりする感じなので、沢筋を登っていくことにする。これならアップダウンは無くなる。次第に高度があがって視界が広がり、正面右手に869mピークが見えてくる。あれが目印だ。沢筋は支尾根の直下まで続いており、支尾根には雪庇が張り出している。あれでは支尾根に上がれないな、と思う。沢が終わり、支尾根に沿って登ってゆき、やがて869mピークの真下に到達。さてどう登ろうか。左右に雪庇の弱点は無いようなので、雪崩が気にはなったが、869mピークの真下を斜めにトラバースすることにする。雪はしっかりしていて問題なし。トラバースの最高点で四周を見る。行く手には籠町への雪庇の主稜線、背後には重倉に主稜線が続いており、その先に大毛無が連なっている。南には登ってきた雪原斜面が広大に広がり、その右端を雪庇の支尾根が細長く下っている。支尾根のかなたに登ってきた尾根の先端が見えているが、その陰になってスタート地点は見えない。

トラバース最高点からコルに向かって滑り込む。雪庇の弱点を乗り越えて主稜線に上がる。あとは頂上まで登るだけだ。しかしだいぶ疲れていて、この最後の登りはペースがにぶる。P3まで20分強かかっているが、その間、左手の樹間に青田難波がだんだん見えてくる。ピークが二つ見えるが、手前のは二つの南葉山を結ぶ尾根のピークだろう(それは下からも見えていた)。P3に到達。ここはもう頂上とほぼ同じ高さで、少し登り返しになる。ここまではシールで戻らないといけないな。背後の主稜線の先の重倉山は、ピークが二つ見えていたが、ここから見ると手前の方が高く、それが重倉山であることが分かる。大毛無の先の妙高はずっと雲をかぶっていて、微かにしか見えない。それでもほぼ8割青空の快晴である。

最後のコルからの緩い登りはまばらな林の中で、シールに雪がたっぷりつきだして重い。日陰なので水がたまっているのだろう。そして林の中の雪広場になっている頂上に到着。期待していた頂上標識は見当たらないが、この先は下りなので間違いないだろう。視界がないのが残念だが、ザックを下ろして休憩。シールに付いた雪をストックのバンドでこすり落とす。シールの雪落としには皮のようなものが良さそうだ(今はハンド・モップを愛用)。座って熱いお茶を飲む。落葉樹の向こうには、青田難波がゆったりと稜線を広げており、反対側には妙高の首が微かなシルエットに見えている。

まっさらな雪の上にトレースを残し、頂上を出発。P3の手前で青田難波に続く稜線連結部を確認。だいぶ下るようだが、縦走は可能だろう。P3に登り返すと雲が少し取れていて、妙高と火打が少し見えている。ここでシールを取って滑走開始。名残惜しいのか滑る直前にたくさん写真を撮っている。滑走してすぐに小ピークにぶつかる。登るのがいやで、雪庇の裏側をトラバースして向こう側に出る。雪はしっかりしていて問題なし。それでもスリルあり。大体、頂上直下の斜面を滑って林道まで下りてもいいなと思ったくらい(しかし、869mピークまで戻って支尾根を滑ったのは正解だった)。

次は869mピークを横登りで登る。ここで斜面に滑り降りてしまうともう支尾根に戻れなくなってしまうだろう。登りきって振り返ると、籠町南葉のP3と頂上が並んで見えている。正面には重倉への稜線が連なる。869m峰から南尾根に滑り込む。支尾根の滑り初めは片側にブッシュが出ていて狭く、広いところまで直滑降。少し登り返した先は急斜面で、狭いところをショートターンで通過。パウダーに近い滑走。支尾根はだんだん広くなって広めのターンも交えていく。

眼下の雪斜面に登ってきた沢筋のトレースが見えているが、林道自体は見えていない。白い雪にくっきりターン・トレースをつけて滑る。こいつは気持ちいい。振り返ると869m峰がもうだいぶ遠く見えている。広くなった支尾根をなおも滑る。西の谷の向こうに重倉が立派な山頂を立てている。反対側には対照的にゆったりした籠町南葉。支尾根の中間部末端に達すると広い林の斜面となり、やや南東方向に滑走。途中のオープン斜面に出るとはるか下に支尾根のピーク(P1)が見えている。ずいぶん登ってきたのだ。傾斜はきついが、ここは軽いショート・ターンで滑っている。眼下に下の斜面が見えてきたが、オーバーハングになっていて林道が見えないので、東に向かって滑る。最後に尾根になっているところをショートターンで下ると、林道と登りトレースが見えてくる。えいやっと滑って林道に滑り込む。登りトレースはまだ深くくっきりと残っている。

登りトレースに沿って歩く。ビンディングを外したと思う。斜面の上に滑走トレースが小さく見えている。尾根から下ったところに達し、尾根には登らずに林道を辿る。西側は深い谷。重倉はもう頭を立てていない。次の交差点も尾根には登らず、東側に林道を辿る。はるか後に籠町南葉が見え、その左端に869mピークが小さく見えている。日が傾き、尾根の東側は日陰。林道歩きは長く感じたが、実際には869mピークから林道に下るまでが40分、そこから林道を歩き、最初の林道交差までは20分。登りトレースが林道を横切っているところでショートカットしようと林に上るときに転び、立ち上がるのに苦労。やれやれ。その林からの下りは急斜面で、ビンディングをはめて滑走する。

真っ青な日向に出て、眼下には出発点の谷間が見えている。妙高が逆光に霞んでいる。林道を更に2回横切って滑走。最初の林道の上はかなりの急斜面だがもう雪が腐っていて、滑走トレースから小雪崩が落ちている。そして最後の斜面に来る。はるか下に雪の田園風景が広がっている。表面が硬く腐った雪面にスキーの後側を立てて少しだけターンする。バランスが微妙で、斜面を2/3くらい滑ったところで山側に倒れる。倒れなくても良かったのだが、リズムに乗ったままでいたので倒れてしまった感じ。疲れていなければリズムを変えられたのだろう。振り返ってみると、斜めのショート・ターン・トレースの最初の半分から大きく小雪崩が落ちていて、ザアザアいいながら谷底のあたりまで落ちていった。すごい。

そこからは狭い尾根に滑り込んでショートターンで快調に飛ばす。小雪崩は下の方ではかなり大きなことになっている。少し登り返しがあり、狭い林の尾根を過ぎ、取付の急斜面を数回のターンでこなして橋のあたりまで滑り込み、滑走終了。いやあ、前日とは大違いでいい滑走ができた。さすが山スキーのメッカ、頚城である。ビンディングを外し、日陰の林道を歩く。上越ケーブル・ビジョンの高床の建物。もうひとつの橋を渡ると、別のスキートレースがついている。橋を渡らずに車道沿いに進んでいるが、山スキーではなくて歩くスキーかもしれない。駐車地点に着き、車に戻る。

青海黒姫山・・・・・北陸道にて。夏山とはだいぶ違う印象

青田難波山・・・・・上越自動車道の北側から見る横長の姿

籠町南葉山・・・・・北東から見た姿。左(南)の尾根に夏道があるらしいが、今回の登路は頂上奥。この映像には見えていない

青田難波山・・・・・北東からの姿。ずいぶん形が変わる

妙高山・・・・・快晴だが、妙高や火打はかすんでいた

大毛無山・・・・・中央の山頂の右手前にリフトが見えている

重倉山・・・・・除雪終点付近より

除雪終点・・・・・雪原に上がる

雪原

谷から山へ

雪に埋まった植林帯

林道の左の斜面を登り始めるが、沢の窪みを登ったり降りたりする感じなので、沢筋を登っていくことにする。これならアップダウンは無くなる。

籠町南葉山の稜線・・・・・左上の雪庇ピークが869m峰。雪庇の真下を右にトラバースして主稜線に乗る。主稜線を右に行くと頂上

次第に高度があがって視界が広がり、正面右手に869mピークが見え、やがて869mピークの真下に到達。さてどう登ろうか。左右に雪庇の弱点は無いようなので、雪崩が気にはなったが、869mピークの真下を斜めにトラバースすることにする。

籠町南葉山・・・・・869m峰直下トラバースから主稜線に滑り込む直前

雪はしっかりしていて問題なし。トラバースの最高点で四周を見る。行く手には籠町への雪庇の主稜線。

トラバース最高点からコルに向かって滑り込む。雪庇の弱点を乗り越えて主稜線に上がる。あとは頂上まで登るだけだ。

重倉山と主稜線・・・・・奥が重倉山、その手前が869m峰

青田難波山・・・・・主稜線から北

左手の樹間に青田難波がだんだん見えてくる。ピークが二つ見えるが、手前のは二つの南葉山を結ぶ尾根のピークだろう(それは下からも見えていた)。

籠町南葉山頂上

そして林の中の雪広場になっている頂上に到着。期待していた頂上標識は見当たらないが、この先は下りなので間違いないだろう。視界がないのが残念だが、ザックを下ろして休憩。座って熱いお茶を飲む。落葉樹の向こうには、青田難波がゆったりと稜線を広げており、反対側には妙高の首が微かなシルエットに見えている。

微かなシルエットの妙高山

稜線と籠町南葉山

まっさらな雪の上にトレースを残し、頂上を出発。P3でシールを取って滑走開始。

869m峰から南尾根の滑走

869mピークに横登りで登る。ここで斜面に滑り降りてしまうともう支尾根に戻れなくなってしまうだろう。登りきって支尾根の滑り初めは片側にブッシュが出ていて狭く、広いところまで直滑降。少し登り返した先は急斜面で、狭いところをショートターンで通過。パウダーに近い滑走。支尾根はだんだん広くなって広めのターンも交えていく。

大毛無山、背後に妙高山、火打山

これから滑走する南尾根を見下ろす

途中のオープン斜面に出るとはるか下に支尾根のピーク(P1)が見えている。ずいぶん登ってきたのだ。

南尾根の滑走

ゆったりした籠町南葉山

眼下の雪斜面に登ってきた沢筋のトレースが見えているが、林道自体は見えていない。

869m峰(南尾根の起点)

振り返ると869m峰がもうだいぶ遠く見えている。


南尾根・中盤

支尾根の中間部末端に達すると広い林の斜面となり、やや南東方向に滑走。


南尾根・中盤の滑走

白い雪にくっきりターン・トレースをつけて滑る。こいつは気持ちいい。

734mコブへの横登り

734mコブ

重倉山

西の谷の向こうに重倉が立派な山頂を立てている。反対側には対照的にゆったりした籠町南葉

南尾根下部、往路に合流

眼下に下の斜面が見えてきたが、オーバーハングになっていて林道が見えないので、東に向かって滑る。最後に尾根になっているところをショートターンで下ると、林道と登りトレースが見えてくる。えいやっと滑って林道に滑り込む。登りトレースはまだ深くくっきりと残っている。

最後の斜面

真っ青な日向に出て、眼下には出発点の谷間が見えている。林道を更に2回横切って滑走。最初の林道の上はかなりの急斜面だがもう雪が腐っていて、滑走トレースから小雪崩が落ちている。そして最後の斜面に来る。はるか下に雪の田園風景が広がっている。

雪原

ビンディングを外し、日陰の林道を歩く。