礼文岳、ゴロタ山 礼文島の散策と景観
北海道・道北 礼文岳490m、ゴロタ山180m、スコトン岬15m、桃岩250m 2018年4月30日~5月1日
(礼文岳)北海道百名山、花の百名山
303
最北の海を渡れば
港から突き出した土色の岬
まだ冷たい風の道端に咲く紫や黄色の花
道東で噴煙を上げる小さな活火山
☼☼☼☼☼
5月連休に礼文島に行ったのは、山スキーができるというネット情報があったからだ。利尻島では麓は全く雪がなくても利尻岳は雪山だった。だから、礼文島の港や道に雪が無くても、礼文岳にはあるだろうと信じ、スキーを担ぎ、スキーブーツで登った。だが、雪はなかった。
礼文岳の頂上でホットレモンを飲みながらしばらく憩う。持ってきたスキーとスキーブーツがなんとも場違い。それでも礼文島の中心にあり、礼文島の最高点のこの山に登れて幸せだ。きちんと整備された頂上で、三角点も頂上標識も健在。周囲は山また山に囲まれている。
久種湖に下る手前の峠で、背後に礼文岳を見る。表示は何もないが、あの山に違いない。夕陽を背景に、少し残雪のあるなめらかな黒の礼文岳は、すばらしく優雅に見えた。今日、あの山に登れて本当によかった。
ゴロタ山に向かって歩き始めてすぐ、道端にエゾエンゴサクがたくさん咲いているのに気づく。紫に青に白。賑やか。そして黄色い小さな花はキバナノアマナ。大きな黄色い花も少し咲いていて、それはエゾノリュウキンカらしい。大きな華やかな花。
ゴロタ山から見た、真っ白なごつごつした姿の利尻に対し、黒々となめらかな姿の礼文は実に対照的。高さはだいぶ違うが、このアングルだとほぼ対等な両者だ。このとき見た、朝日を浴びて赤く染まった利尻岳は見事。
ゴロタ山登山口の北にある斜面の下に紫のエゾエンゴサクと黄色いリュウキンカの群落がわんさと見えた。すごい花園。近寄れないので遠目に映す。
西上泊から東に戻る途中、北にゴロタ山を見る。断崖絶壁に見えるが、その上には緩やかな草原が広がっており、遊歩道に花が彩りを添えている。
もやに霞む幻想的な利尻の手前を横切るフェリーの黒いシルエット。自然の造形と人の作ったものの見事な調和。
往復9.0㎞、標高差658m
(5月1日) 4:27 駐車地点発 4:49 ゴロタ山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴロタ山登り22分 5:16 遊歩道引返 5:34 ゴロタ山 5:50 駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴロタ山往復1時間23分 7:29 スコトン岬 8:01 西上泊 8:22 金田ノ岬 9:17 駐車場発 9:22 桃岩展望所 9:30 駐車場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・桃岩展望所往復13分 9:46 メノウ浜10:08 カランナイ岬13:09 郷土資料館15:50 香深港フェリー乗船
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(4月30日)
5月連休に礼文島に行ったのは、山スキーができるというネット情報(森林管理局 冬の礼文岳に登る、スキー可)があったからだ。利尻島では麓は全く雪がなくても利尻岳は雪山だった。だから、礼文島の港や道に雪が無くても、礼文岳にはあるだろうと信じ、スキーを担ぎ、スキーブーツで登った。だが、雪はなかった。
利尻から礼文は近い。すぐにアナウンスが流れ、車に乗り込む前に初めて礼文島(香深港)を見る。海の上は強風で、まっすぐ立てないほどだった。これでは登山もスキーも難しいかもしれない。下船してすぐに北に向かう。全く雪は見えない。低いところはなくても山の上にはあるだろう。10㎞弱走って内路の礼文岳登山口に着くが、登山道入口の階段は閉鎖されていて、通行禁止の札が下がっている。なんだ、登れないのか。こいつは困った。
時期で登山が規制されているとは知らなかったので、一応インターネットで調べてみるが、礼文島の公式サイトにもそのような記載はない。いつの間にか風もなくなり、暑いくらい。ここは初志貫徹でいこう。もし夏靴を持ってきていたら、夏靴で登ったと思うが、あいにく持ってきていない。スキーブーツで行くならスキーも持っていこうという訳だ。スキーをザックに括り付け、閉じられたゲートの向こう側に置き、次にピッケルストックを向こう側に置いてからゲートを乗り越え、歩き始める。九十九折りの途中におばさんがいた。畑仕事をしているらしかったが、私を見て、「雪はないんじゃないか。頂上まではいけるだろう」と言う。雪がないかもしれないのはがっかりだが、停められなくてよかった。
M1のトラバース路から行く手に小さく礼文岳が初めて見えた。だいぶあるなあ。しかも雪はなさそうだ。M3に達すると行く手に雪のあるピークが現われたが、それはM4で、礼文岳はその右奥。やっぱり礼文岳は白くない。M4・410mには頂上直下まで雪がついていた。登山道は雪のついていない南側に逸れていたので、雪の上を歩いてM4頂上まで登る。そこからなら少しは滑れそうだ。だが、滑るのは帰り道でなので、ここはまずM4の頂上のヤブを分けて登山道に戻る・・・・・戻ろうとしたのだが、ヤブはすさまじく、背の高い強烈なチシマザサに屈強なハイマツが行く手を阻んでいて、やっとのことで抜けたところには登山道はなかった。少しじたばたした後、M4の雪の上に戻り、雪の上を下って夏道に戻る。夏道はM4のだいぶ南側をトラバースしていた。
M4のトラバースからいったん下り、M5に登り返してまた下り、最後の礼文岳への登りとなる。曇り空だがなんとなく空気が湿っている。そして礼文岳に着く。三角点と頂上標識。360度の展望で、礼文島の全方位が見渡せる。このときは利尻岳も見えておらず、礼文岳の頂上でホットレモンを飲みながらしばらく憩う。持ってきたスキーとスキーブーツがなんとも場違いで、登山口近く以外には花は見なかったが、それでも礼文島の中心にあり、礼文島の最高点のこの山に登れて幸せだ。きちんと整備された頂上で、三角点も頂上標識も健在。周囲は山また山に囲まれている。
なごりを惜しみつつ頂上から帰路につく。パラついていた雨粒は次第に小雨となり、イクシーをタフに持ち替える。やがて本降りに近くなってくる。レインウェアを着込んでいたが、ザックカバーはなし。しかもスキーブーツが泥んこになってしまうが、仕方ない。登山口付近で花を撮影。小さな黄色いのはキバナノアマナだろうが、白い花はなんだろう?黄色い大きな花は水仙だろうか。ようやく登山口に戻り、慎重にゲートを乗り越える。
着替えてから雨と泥で汚れたスキーブーツの掃除をする。まあ、スキーは汚さずに済んだ。香深まで戻り、港の近くのうすゆきの湯で冷えたからだを温める。温泉の廊下には礼文の花の写真が貼ってあったが、その中に雪の礼文岳に登っている写真もあった。歩いて登っているものだったが、そのくらい雪があれば、スキーもできそうだった。セイコーマートで夕食を購入し、宿泊場所を探す。どんどん車で北に走り、久種湖に下る手前の峠で、背後に礼文岳を見る。表示は何もないが、あの山に違いない。夕陽を背景に、少し残雪のあるなめらかな黒の礼文岳は、すばらしく優雅に見えた。今日、あの山に登れて本当によかった。
(5月1日)
(ゴロタ山)
ゴロタ山登山口で車中泊し、翌朝起きて車から出ると朝日が射してきた。よおし、このままゴロタ山に登ってしまおう。しかし、ゴロタは思ったより遠く、風も冷たかった。歩き始めてすぐ、道端にエゾエンゴサクがたくさん咲いているのに気づく。紫に青に白。賑やか。そして黄色い小さな花はキバナノアマナというらしく、いっしょに咲いていることが多いという。大きな黄色い花も少し咲いていて、それはエゾノリュウキンカらしい。大きな華やかな花。高度が上がるとスコトン岬が見え、海岸線が美しい。ゴロタ山頂上には大きなカラスがいて、私が近づくと迷惑げにガアガアと鳴き、なかなか逃げない。「ゴロタ岬」という表示が頂上だろう。頂上の先(西)に岬の先端があり、南には断崖の下に海が湾になって広がり、その向こうに礼文岳と利尻岳が並んでいた。ここからこんなふうに見えるのか。それにしても、真っ白なごつごつした姿の利尻に対し、黒々とした三角形の礼文は実に対照的。高さはだいぶ違うが、このアングルだとほぼ対等な両者だ。このとき見た、朝日を浴びて真っ赤に染まった利尻岳は見事。
GPSもマップも持ってきてなかったのは失敗で、引き返さずとも、周回して登山口に戻れると思ったのは、東に見える緩い丘の上に登山道があるように見えたからだ。ゴロタから下っていくと、その南側がすさまじい崖になっているのが見えてくる。山の上はゆったりした草原の丘なのに、その下は海岸まで切れ落ちているのだ。これもまた自然の作り上げた絶景。だが、遊歩道はどんどん南にくだっていって北に戻りそうもないので、見切りをつけて引返す。スニーカーはもうびしょぬれ。ゴロタ山登山口の北にある斜面の下に紫のエゾエンゴサクと黄色いリュウキンカの群落がわんさと見えた。すごい花園。近寄れないので遠目に映す。車を出すと花の掲示版があり、エゾエンゴサクやキバナノアマナがでていたが、リュウキンカは出ていなかった。
(スコトン岬)
スコトン岬の手前に巨大な駐車場があり、そこに停めるとバスがやってきて、唯一の乗客らしい外人が一人降りてきて、スコトン岬に歩いて行った。私はトイレにも寄りたかったが、売店の隣のトイレは閉鎖されているようだった。岬のすぐ手前の崖下に二階建ての建物があり、どうやら民宿らしい。スコトン岬は礼文島で最北だが、地図を見ると、北海道の宗谷岬の方がわずかに北に位置しているようだ。北には、樺太の一部らしき陸地がかすかに見えていた。樺太や千島に気軽に旅行できる日は来るのだろうか。スコトン岬から車を出すと、さっきの外人さんが車道を南に歩いていた。バスで北端まできて、一日かけて香深あたりまで下るのだろうか。それとも飛行場までかな。
(西上泊)
礼文島は島を一周する車道はなく、西側が途切れている。とりあえず北側で最も西にある西上泊に向かうと、途中にレブンアツモリソウ群生地というのがあった。が、木道の道は閉鎖されていて、まだ花の時期ではないらしかった(6月が時期らしい)。港まで降りるとトイレがあり、借りていく。西上泊から東に戻る途中、北にゴロタ山を見る。断崖絶壁に見えるが、その上には緩やかな草原が広がっており、遊歩道に花が彩りを添えている。
(金田ノ岬と東海岸)
今度は北東の岬、金田ノ岬に向かうと、ごつごつと大きな平らな岩が斜めに重なったようなゴロタ山を見る。あの背中を右下から上まで登ったのか。意外に急だな。飛行場の脇を過ぎて北端までくると、車道の脇にぽつんと標識あり。その向こうには青い海と果てしない水平線。オートバイでやってきて、写真を撮っている男性がいた。東の海岸を下るとき、道端の黄色い花を見に車を止める。それはゴロタ山にあったリュウキンカではなく、スイセンのようであり、花びらがたくさんついているのは礼文岳登山口付近でみたのと同じ。この黄色いスイセンは利尻島でも見たと思う。南には利尻岳が海の上に浮いている。もやに霞む幻想的な利尻の手前を横切るフェリーの黒いシルエット。自然の造形と人の作ったものの見事な調和。
(桃岩とメノウ浜)
今度は香深から西に向かい、桃岩を目指す。狭い車道に入ると降りてくる車がいて、バックして道を譲る。上には小さな駐車場と休憩所があり、管理人らしき人。キバナノアマナの咲く遊歩道を登ると展望台に出て、谷向こうにあるのが桃岩のようだった。巨大な桃の形をした大岩が海との間にデンと座っている。豪放。だが、桃岩に登る道はないらしい。そこで引返す。桃岩トンネルというのは閉鎖されていて、もっと手前から新設された新桃岩トンネルを通って西海岸の元地に出る。メノウ浜というところに駐車場とトイレがあった。砂浜を歩く男性が一人。この人も徒歩のさすらい人のようだ。
(カランナイ岬)
最後に島の南端に向かう。東側の会津ノ崎というところには何もなし。知床という集落を抜け、車道の終点が駐車場になっていて、そこがカランナイ岬。少し歩いてみるが、海と岩浜だけ。港に戻るとちょうどフェリーがいたが、利尻は雲をかぶっていた。
(香深港と郷土資料館)
またうすゆきの湯に入り、香深港の駐車場の利尻岳の正面に駐車してフェリーを待つ。13:25便と15:50便のフェリーが利尻岳と交錯するところを写す。フェリーを待った港の駐車場の正面にあった郷土資料館に入ってみる。入館料300円だったかな。縄文時代くらいからアイヌの時代、江戸時代の入植。鉄道が普及する前は定期船の航路になっていたらしい。今度乗ったフェリーは二等席も座席になっていて、利尻岳の見える右窓側に陣取る。だが、ガラス越しではどうにも我慢ならず、甲板に出て何枚も撮る。さらば、利尻、礼文。また来ることがあるだろうか。
4月30日
初めて見えた礼文島
5月連休に礼文島に行ったのは、山スキーができるというネット情報(森林管理局 冬の礼文岳に登る、スキー可)があったからだ。利尻島では麓は全く雪がなくても利尻岳は雪山だった。だから、礼文島の港や道に雪が無くても、礼文岳にはあるだろうと信じ、スキーを担ぎ、スキーブーツで登った。だが、雪はなかった。
香深港
利尻から礼文は近い。すぐにアナウンスが流れ、車に乗り込む前に初めて礼文島(香深港)を見る。海の上は強風で、まっすぐ立てないほどだった。これでは登山もスキーも難しいかもしれない。下船してすぐに北に向かう。全く雪は見えない。低いところはなくても山の上にはあるだろう。10㎞弱走って内路の礼文岳登山口に着くが、登山道入口の階段は閉鎖されていて、通行禁止の札が下がっている。なんだ、登れないのか。こいつは困った。
礼文岳登山口
キバナノアマナ
水仙(ディックウィルデン?)
白い花(ワサビ?ニンニクガラシ?)
内路港
時期で登山が規制されているとは知らなかったので、一応インターネットで調べてみるが、礼文島の公式サイトにもそのような記載はない。いつの間にか風もなくなり、暑いくらい。ここは初志貫徹でいこう。もし夏靴を持ってきていたら、夏靴で登ったと思うが、あいにく持ってきていない。スキーブーツで行くならスキーも持っていこうという訳だ。スキーをザックに括り付け、閉じられたゲートの向こう側に置き、次にピッケルストックを向こう側に置いてからゲートを乗り越え、歩き始める。九十九折りの途中におばさんがいた。畑仕事をしているらしかったが、私を見て、「雪はないんじゃないか。頂上まではいけるだろう」と言う。雪がないかもしれないのはがっかりだが、停められなくてよかった。
初めて見えた礼文岳
M1のトラバース路から行く手に小さく礼文岳が初めて見えた。だいぶあるなあ。しかも雪はなさそうだ。M3に達すると行く手に雪のあるピークが現われたが、それはM4で、礼文岳はその右奥。やっぱり礼文岳8は白くない。M4・410mには頂上直下まで雪がついていた。登山道は雪のついていない南側に逸れていたので、雪の上を歩いてM4頂上まで登る。そこからなら少しは滑れそうだ。だが、滑るのは帰り道でなので、ここはまずM4の頂上のヤブを分けて登山道に戻る・・・・・戻ろうとしたのだが、ヤブはすさまじく、背の高い強烈なチシマザサに屈強なハイマツが行く手を阻んでいて、やっとのことで抜けたところには登山道はなかった。少しじたばたした後、M4の雪の上に戻り、雪の上を下って夏道に戻る。夏道はM4のだいぶ南側をトラバースしていた。
中間地点の標識
P4・410mと礼文岳
P4・410mと雪斜面
礼文岳
三角点
M4のトラバースからいったん下り、M5に登り返してまた下り、最後の礼文岳への登りとなる。曇り空だがなんとなく空気が湿っている。そして礼文岳に着く。三角点と頂上標識。360度の展望で、礼文島の全方位が見渡せる。このときは利尻岳も見えておらず、登山口付近以外は花もなかったが、礼文岳の頂上でホットレモンを飲みながらしばらく憩う。持ってきたスキーとスキーブーツがなんとも場違いで、登山口近く以外には花は見なかったが、それでも礼文島の中心にあり、礼文島の最高点のこの山に登れて幸せだ。きちんと整備された頂上で、三角点も頂上標識も健在。周囲は山また山に囲まれている。
頂上標識
なごりを惜しみつつ頂上から帰路につく。パラついていた雨粒は次第に小雨となり、イクシーをタフに持ち替える。やがて本降りに近くなってくる。レインウェアを着込んでいたが、ザックカバーはなし。しかもスキーブーツが泥んこになってしまうが、仕方ない。登山口付近で花を撮影。小さな黄色いのはキバナノアマナだろうが、白い花はなんだろう?黄色い大きな花は水仙だろうか。ようやく登山口に戻り、慎重にゲートを乗り越える。
夕焼けの礼文岳
着替えてから雨と泥で汚れたスキーブーツの掃除をする。まあ、スキーは汚さずに済んだ。香深まで戻り、港の近くのうすゆきの湯で冷えたからだを温める。温泉の廊下には礼文の花の写真が貼ってあったが、その中に雪の礼文岳に登っている写真もあった。歩いて登っているものだったが、そのくらい雪があれば、スキーもできそうだった。セイコーマートで夕食を購入し、宿泊場所を探す。どんどん車で北に走り、久種湖に下る手前の峠で、背後に礼文岳を見る。表示は何もないが、あの山に違いない。夕陽を背景に、少し残雪のあるなめらかな黒の礼文岳は、すばらしく優雅に見えた。今日、あの山に登れて本当によかった。
久種湖と夕焼け
夕焼けとスコトン岬とトド島
5月1日
ゴロタ山
夜明け
ゴロタ山登山口で車中泊し、翌朝起きて車から出ると朝日が射してきた。よおし、このままゴロタ山に登ってしまおう。しかし、ゴロタは思ったより遠く、風も冷たかった。
水色のエゾエンゴサク
歩き始めてすぐ、道端にエゾエンゴサクがたくさん咲いているのに気づく。紫に青に白。賑やか。そして黄色い小さな花はキバナノアマナというらしく、いっしょに咲いていることが多いという。大きな黄色い花も少し咲いていて、それはエゾノリュウキンカらしい。大きな華やかな花。高度が上がるとスコトン岬が見え、海岸線が美しい。
青紫のエゾエンゴサク
白いエゾエンゴサク
エゾノリュウキンカ
エゾノリュウキンカ
イワベンケイ
エゾエンゴサクの群落
頂上とカラス
ゴロタ山頂上には大きなカラスがいて、私が近づくと迷惑げにガアガアと鳴き、なかなか逃げない。「ゴロタ岬」という表示が頂上だろう。頂上の先(西)に岬の先端があり、南には断崖の下に海が湾になって広がり、その向こうに礼文岳と利尻岳が並んでいた。ここからこんなふうに見えるのか。それにしても、真っ白なごつごつした姿の利尻に対し、黒々とした三角形の礼文は実に対照的。高さはだいぶ違うが、このアングルだとほぼ対等な両者だ。このとき見た、朝日を浴びて真っ赤に染まった利尻岳は見事。
ゴロタ山頂上標識と海と利尻岳、礼文岳
ゴロタ岬の先端
朝の利尻岳
朝の礼文岳
利尻岳と礼文岳
ヒメイチゲ?(ニリンソウ?)
GPSもマップも持ってきてなかったのは失敗で、引き返さずとも、周回して登山口に戻れると思ったのは、東に見える緩い丘の上に登山道があるように見えたからだ。ゴロタから下っていくと、その南側がすさまじい崖になっているのが見えてくる。山の上はゆったりした草原の丘なのに、その下は海岸まで切れ落ちているのだ。これもまた自然の作り上げた絶景。だが、遊歩道はどんどん南にくだっていって北に戻りそうもないので、見切りをつけて引返す。スニーカーはもうびしょぬれ。
谷底のエゾノリュウキンカの群落
ゴロタ山登山口の北にある斜面の下に紫のエゾエンゴサクと黄色いリュウキンカの群落がわんさと見えた。すごい花園。近寄れないので遠目に映す。車を出すと花の掲示版があり、エゾエンゴサクやキバナノアマナがでていたが、リュウキンカは出ていなかった。
谷底のエゾエンゴサクの群落
南から見るゴロタ山(西上泊への途上より)
西上泊から東に戻る途中、北にゴロタ山を見る。断崖絶壁に見えるが、その上には緩やかな草原が広がっており、遊歩道に花が彩りを添えている。
東から見るゴロタ山(金田岬付近より)
金田ノ岬に向かうと、ごつごつと大きな平らな岩が斜めに重なったようなゴロタ山を見る。あの背中を右下から上まで登ったのか。意外に急だな。
スコトン岬
ゴロタ山から見るスコトン岬
スコトン岬の手前に巨大な駐車場があり、そこに停めるとバスがやってきて、唯一の乗客らしい外人が一人降りてきて、スコトン岬に歩いて行った。私はトイレにも寄りたかったが、売店の隣のトイレは閉鎖されているようだった。岬のすぐ手前の崖下に二階建ての建物があり、どうやら民宿らしい。スコトン岬は礼文島で最北だが、地図を見ると、北海道の宗谷岬の方がわずかに北に位置しているようだ。北には、樺太の一部らしき陸地がかすかに見えていた。樺太や千島に気軽に旅行できる日は来るのだろうか。スコトン岬から車を出すと、さっきの外人さんが車道を南に歩いていた。バスで北端まできて、一日かけて香深あたりまで下るのだろうか。それとも飛行場までかな。
ゴロタ山から見るスコトン岬(手前)とトド島(奥)
スコトン岬
白い花(シロタエギク?)
金田ノ岬から東海岸
金田ノ岬
今度は北東の岬、金田ノ岬に向かう。
飛行場の脇を過ぎて北端までくると、車道の脇にぽつんと標識あり。その向こうには青い海と果てしない水平線。オートバイでやってきて、写真を撮っている男性がいた。
水仙(ディックウィルデン?)
東の海岸を下るとき、道端の黄色い花を見に車を止める。それはゴロタ山にあったリュウキンカではなく、スイセンのようであり、花びらがたくさんついているのは礼文岳登山口付近でみたのと同じ。この黄色いスイセンは利尻島でも見たと思う。
水仙(ラッパスイセン)
海上に霞む利尻岳
南には利尻岳が海の上に浮いている。
利尻岳とフェリー
もやに霞む幻想的な利尻の手前を横切るフェリーの黒いシルエット。自然の造形と人の作ったものの見事な調和。
桃岩とメノウ浜
キバナノアマナ
今度は香深から西に向かい、桃岩を目指す。狭い車道に入ると降りてくる車がいて、バックして道を譲る。上には小さな駐車場と休憩所があり、管理人らしき人。キバナノアマナの咲く遊歩道を登ると展望台に出て、谷向こうにあるのが桃岩のようだった。
キバナノアマナ
桃岩展望台から桃岩
桃岩
巨大な桃の形をした大岩が海との間にデンと座っている。豪放。だが、桃岩に登る道はないらしい
メノウ浜
桃岩トンネルというのは閉鎖されていて、もっと手前から新設された新桃岩トンネルを通って西海岸の元地に出る。メノウ浜というところに駐車場とトイレがあった。砂浜を歩く男性が一人。この人も徒歩のさすらい人のようだ。
香深港
出港するフェリー(10:50便)
またうすゆきの湯に入り、香深港の駐車場の利尻岳の正面に駐車してフェリーを待つ。13:25便と15:50便のフェリーが利尻岳と交錯するところを写す。
雲をかぶった利尻岳とフェリー(10:50便)
入港したフェリー(13:25便)
利尻岳と出港するフェリー(13:25便)
利尻岳と入港するフェリー(15:50便)
郷土資料館パンフレット
表紙
フェリーを待った港の駐車場の正面にあった郷土資料館に入ってみる。入館料300円だったかな。縄文時代くらいからアイヌの時代、江戸時代の入植。鉄道が普及する前は定期船の航路になっていたらしい。
重要文化財
文化財
分布図
ピスカ21
フェリーからの情景
礼文岳と礼文島
今度乗ったフェリーは二等席も座席になっていて、利尻岳の見える右窓側に陣取る。だが、ガラス越しではどうにも我慢ならず、甲板に出て何枚も撮る。さらば、利尻、礼文。また来ることがあるだろうか。
利尻岳
問合せ・コメント等、メール宛先: kawabe.goro@meizan-hitoritabi.com