秋田県 太平山1,170m、弟子還岳1,090m、宝蔵岳1,036m、剣岳1,054m、鶴ヶ岳1,002m、中岳952m、前岳774m 2017年6月24日
(太平山)日本三百名山
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太平山に初めて登ったのは夏の日 頂上の手前で鐘を鳴らし、頂上に立つ大きな社を見上げる
四度目の太平山へは荒れた縦走路を辿る。マイヅルソウの群落をはじめ、花咲く縦走路
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女人堂には薄紫のシャガが咲き、その先の仏像が円形に立ち並んでいる小さな丘には青紫の花(ミヤコワスレ)がたくさん咲いていた。不思議な空間。
縦走路に向かうと中岳頂上の北側に展望所があり、鋭角の太平山に至る濃い緑の縦走路の稜線が見えた。まだだいぶ遠い。
その先はマイヅルソウとユキザサの群落で埋め尽くされた荒れた縦走路。小さな白い花の小さな輝き。
剣ヶ峰から見る太平山と弟子還岳の迫力。頂上に見える社。垂直に見える登山道を小さな人影が行く。
宝蔵岳からも花咲く縦走路。ピンクのウラジロヨウラクにタニウツギ、足元にはツガザクラ。黄色いヘビイチゴの群落。
そしてたどり着いた太平山頂上は和やかで、青空が広がり、大きな社のまわりに人々が集っていた。心和む山旅。
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かつて飛行機から、雪で丸く縁どられた、大きな噴火口のような地形を見て、それが太平山地だと気付く。その東側の外輪に縦走路があり、最高点が太平山。噴火口の底に旭又登山口があるのだろう。地表から見る鋭角の姿とは全く違う、巨大なカルデラの姿の太平山地。
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太平山に初めて登ったのは夏の日 頂上の手前で鐘を鳴らし、頂上に立つ大きな社を見上げる。四度目の太平山へは荒れた縦走路を辿る。マイヅルソウの群落をはじめ、花咲く縦走路。
アラームで目覚めるが、なかなか起きられず、太平山PAを出たのは4時前。旭又に向かう手前で右に入ると、すぐに金山滝登山口があった。小さな駐車場。スティックはザックの中、ヘルメットはザックに引っ掛けて歩き始める。今回はアペックス・ブーツ。左足が途中で痛くなり、靴紐を結びなおした。橋を渡った先にやや複雑な地形の中に沢が滝を作って流れており、階段や橋を伝って登っていく。滝の手前にあった社は弘法大師堂、中段の滝のそばにあるのが金山滝神社(綾戸大神、火結大神、三吉霊神)、滝の上には八宗山神社、とある。その先も中岳まで、道沿いに古い地蔵尊がいくつもあった。沢にかかった丸太橋を渡り、九十九折りを登ってようやく傾斜が緩む。登山道の左の土手に何かありそうなので登ってみると、三等三角点292mだった。ピークというほどでなく、すぐ先に300m地点もある。かなりの急坂をほとんど休まずに登っていたが、登っているときはそれほど急とは感じず、夕方の下りの時に実感。ようやく女人堂に着き、最初の休憩。シャガがたくさん咲いていて、社は囲いの中。南側のベンチからは平野が見渡せる。囲いの中には古い仏像がたくさん。そして女人堂の祠。静かな雰囲気。ホールズワースのワーデンクリフタワーのあたりのギターとシンタックスを聞く。軽いタッチの神業の速弾き。女人堂の先に仏像が円形に立ち並んでいる小さな丘があった。上がってみると、青紫の花(ミヤコワスレ)がたくさん咲いていた。不思議な空間。前岳への登りとなり、途中の頂上巻き道との分岐を右に入り、前岳に到着。ベンチがあるが視界は無し。
前岳から中岳へは1.2㎞とあったが、いったん下ってからの登り返しはきつい。樹間に見えるのは平らでないが、馬場目岳のようだ。三角井戸という水場があり、ここには帰りに置いてあるコップで少し飲んだが、冷たくておいしかった。その先で、マイヅルソウが現われ始める。中岳の頂上には三角形の山小屋に「木曽吉山神社」の木標と二等三角点の表示があったが、三角点は見当たらなかった。無くなったのだろうか。ここも周囲が灌木で囲まれていて、南側の視界が開けている。ベンチに座って休むと、頭上の木の枝にたくさん咲いている白い花はナナカマドだった。ここでヘルメットをかぶり、スティックを出す。縦走路に向かうと中岳頂上の北側に展望所があり、鋭角の太平山に至る濃い緑のく縦走路の稜線が見えた。まだだいぶ遠い。太平山の頂上には社が見える。縦走路はコルに下ってから稜線の西をトラバースしてゆき、鶴ヶ岳頂上の西を通過。アップダウンが少ないのは助かるが、斜面の道は荒れて歩きにくく、片手で笹や灌木を掴みながら進む。立木を越えるときの小さなアップダウン、沢を越えるときのアップダウンがいくつもあり、笹や灌木がないところではおっかなびっくり。倒木や枝も道をふさぐ。下ばかり見ていると、枝が頭にぶつかる。ヘルメットは必携。また一つ沢を越えた先で、縦走路で初めての固定ロープがあり、そこを登って稜線に上がると野田コース分岐。剣岳もトラバースしていたが、野田コースが剣岳頂上を通っており、わずかな距離なので、分岐から剣岳まで往復。往路では山菜を取らずに来たが、野田分岐に大きなタケノコがあり、コンビニ袋に取りながら歩く。
剣岳頂上には標識はなかったが、太平山を展望することができた。手前の宝蔵岳には垂直に見える登山道があり、なかなかの迫力。下るとき、アペックスの左の靴を履いている足が異常に痛み出し、靴紐をほどいて足首の留金部分を外に出し、そこを外して靴紐を結ぶ。ちょっと歩きにくくなるが、痛まなくなった。野田分岐に戻り、レインウェアの上を脱ぐ。靴紐も結び直し、ここからは格段に歩きやすくなる。旭又分岐の表示に、旭又まで5㎞とある。そんなに距離があるのなら、旭又に下って金山滝に戻るのは相当な大回りになるだろう。縦走路が荒れていたので帰りは旭又に下ることを考えていたが、往路を戻るほうが早そうだ。宝蔵岳には頂上標識なし。ここからの下りの途中で下ってきた男性に会う。ピンクのウラジロヨウラク、足元にはツガザクラ。強烈な岩壁が見えてきて、「弟子がえり」という表示があり、この先で岩場を鎖を使って登る。岩場を登り切ると平坦な頂上となり、弟子還嶽神社の石柱と祠がある。弟子還岳から太平山までは両側の切れ落ちた細尾根だが、道は歩きやすく、日当たりのよい道沿いにヘビイチゴの黄色い花がたくさん咲いていた。その他にもいくつか、このあたりだけに咲いている花は多かった。太平山頂上では、静かに休んでいる人たち。青空だが、遠景には雲がかかっていて秋田駒は見えていない。昨年登った御衣森は視界の左端にあり、少し前に出ないと見えないが、その奥にはゆったりと白子森が見えていた。帰るとき、「鳥海山が見える」という声。雲間に残雪の山腹がわずかに見えていた。
神社の売店が開いていたので、神主さんを探し、お守りと鐘を購入。鐘は2004年に登った時にも買ったが、人にあげていた。その後2回登った10月と5月は売店は閉まっていたので、ようやく13年ぶりに手に入れたことになる。案内によれば、毎年6月から10月に神社関係者が常駐、7月開山から9月閉山まで里宮から御神体を遷座、参詣所(山小屋)には30人宿泊可能、とある。山名について、「弟子帰岳、宝蔵岳、剣岳、鶴舞岳、中岳(木曽吉山)、前岳(神仙山)」とあり、地理院地図と微妙に違うものもある。レインウェアの下も脱ぎ、身軽になって下山にかかる。朝露で濡れた軍手からレイングローブに替えて岩場を下る。さすがに下りは楽だが、かばって歩いていた左足が痛む。それでも岩場あたりはスムーズに抜け、野田分岐で休憩。このときウォークマンを起動したが、ブルートゥーススピーカー2が鳴らず、スピーカー1を鳴らす。どうも故障らしく、翌日、3個目を購入。少し高くなっていた。野田分岐からの荒れたトラバースにやはり苦戦。タケノコとコゴミを取りながら行くが、タケノコで重くなったザックも多少影響し、腰が痛い。剣岳と鶴ヶ岳の中間あたりで休憩。横になって少し仮眠。山菜は2袋目を少しまで。コゴミはうまそうに見えたが、硬かった。鶴ヶ岳からの下りから道が広くなって歩きやすくなったが、その後も狭いトラバースは残っており、辛抱強くのぼりかえしてようやく展望所に着く。夕方になって青空が一時的に広がり、岩手山と秋田駒ヶ岳が見えていた。中岳のベンチでまた横になる。もう18時前なので、ヘッドランプを出し、ヘルメットをしまって中岳を下る。
3本と半分未満2本持ってきたポカリが残り1本となってしまい、三角井戸でコップに少し水を取って飲んでみる。すると、すごく冷たくてうまかった。もう一杯飲む。中岳からはだいぶ下り、前岳への登り返しがつらい。頂上トラバースはわずかな距離なので、頂上に寄ってベンチで横になる。女人堂で、国土山と神宮寺岳で見た大きな白い花(ホオノキ)のツボミらしきものを見る。急坂を下るうちに夕日となり、スキー場分岐の先でヘッドランプ点灯。林の中は暗いが、空はまだ明るい。心配した丸太橋とロープ場は簡単にクリア。朝渡った滝の上の橋は渡らず、ロープを降りた。階段を下り、橋を渡って駐車場に着く。もう20時を回っており、温泉はオーパスを諦めてユフォーレに行く。だが21時をちょっと過ぎてしまい、しかも20時半までですと言われたが、なんとか入れてもらえた。感謝。風呂には泊り客が入っていて、邪魔をしないように早めに出る。熱くていい湯だった。ネットには日帰り600円と出ているが、400円だったと思う。
朝の大鳥居と太平山
太平山の諸峰に登り、太平山地について何か書こうとすると、まだ主稜の縦走を果たしていないのに気づいた。今は太平山頂上に直接登れる旭又まで車で入れるが、昔は直線距離9㎞、標高差1,100mある主稜線を延々、歩いて登っていたのだ。歴史のある縦走路を歩いてみなければ。
朝の太平山
美しい鋭鋒
5時間くらいで登れるはずだが、余裕を見て朝5時前に金山滝から登り始める。アップダウンのある急登で、シャガの咲く女人堂。不思議な紫色の花咲く地蔵尊の丘に立ち寄る。ツクバネウツギとツクバネソウ。名前は似ているが姿は違う。
金山滝登山口の橋
旭又に向かう手前で右に入ると、すぐに金山滝登山口があった。小さな駐車場
金山滝神社
橋を渡った先にやや複雑な地形の中に沢が滝を作って流れており、階段や橋を伝って登っていく。滝の手前にあった社は弘法大師堂、中段の滝のそばにあるのが金山滝神社(綾戸大神、火結大神、三吉霊神)、滝の上には八宗山神社、とある。その先も中岳まで、道沿いに古い地蔵尊がいくつもあった。
丸木橋
沢にかかった丸太橋を渡り、九十九折りを登ってようやく傾斜が緩む。登山道の左の土手に何かありそうなので登ってみると、三等三角点だった。ピークというほどでなく、すぐ先に300m地点もある。
突然、三等三角点292m
千手観音
かなりの急坂をほとんど休まずに登っていたが、登っているときはそれほど急とは感じず、夕方の下りの時に実感。
フタリシズカ
観音菩薩
ヤマツツジ
金毘羅宮石柱
シャガ
女人堂の鳥居とベンチ
ようやく女人堂に着き、最初の休憩。シャガがたくさん咲いていて、社は囲いの中。南側のベンチからは平野が見渡せる。囲いの中には古い仏像がたくさん。そして女人堂の祠。静かな雰囲気。
秋田市街遠望
女人堂
紫の花・・・・・・ミヤコワスレ
女人堂の先に仏像が円形に立ち並んでいる小さな丘があった。上がってみると、紫色の花がたくさん咲いていた。不思議な空間
紫の花・・・・・ミヤコワスレ
紫色の花が怪しく輝く
不思議な仏像の丘
ツクバネソウ
ツクバネウツギとツクバネソウ。名前は似ているが姿は違う。
ツクバネウツギ
前岳頂上標識
前岳への登りとなり、途中の頂上巻き道との分岐を右に入り、前岳に到着。ベンチがあるが視界は無し
キイチゴ
タニウツギ
南西から見る馬場目岳
三角井戸
前岳から中岳へは1.2㎞とあったが、いったん下ってからの登り返しはきつい。樹間に見えるのは平らでないが、馬場目岳のようだ。三角井戸という水場があり、ここには帰りに置いてあるコップで少し飲んだが、冷たくておいしかった。その先で、マイヅルソウが現われ始める。
アマドコロ?
マイヅルソウ
ユキザサたち
エンレイソウ
中岳頂上
中岳の頂上には三角形の山小屋に「木曽吉山神社」の木標と二等三角点の表示があったが、三角点は見当たらなかった。無くなったのだろうか。ここも周囲が灌木で囲まれていて、南側の視界が開けている。ベンチに座って休むと、頭上の木の枝にたくさん咲いている白い花はナナカマドだった。ここでヘルメットをかぶり、スティックを出す。
二等三角点の位置
ナナカマドの花
三角形の小屋
縦走路に向かうと中岳頂上の北側に展望所があり、太平山とこれから歩く縦走路の稜線が見えた。鋭角の太平山に至る濃い緑の縦走路。まだまだ遠い。太平山の頂上には社が見える。緑の縦走路の東に、下山時には岩手山と秋田駒が見えていた。
太平山と縦走路・・・・・下山時には岩手山と秋田駒が見えていた:宝蔵岳、弟子還岳、太平山(奥岳)、剣岳、997m峰、鶴ヶ岳、岩手山、秋田駒ヶ岳
ユキザサ
中岳から先で縦走路は稜線の西側をトラバースしてゆき、アップダウンは少ないが荒れていて、ひどく歩きにくい。
片手で笹や灌木を掴みながら進む。立木を越えるときの小さなアップダウン、沢を越えるときのアップダウンがいくつもあり、笹や灌木がないところではおっかなびっくり。倒木や枝も道をふさぐ。下ばかり見ていると、枝が頭にぶつかる。ヘルメットは必携。
このトラバース路にはずっとマイヅルソウとユキザサの群落が咲いていた。かがまないとよく見えない、小さな白い花。写真もボケてしまい、撮るのが難しい。
時々、ツバメオモトやシロバナヘビイチゴ。
マイヅルソウ
チゴユリ
シロバナヘビイチゴ
鶴ヶ岳をトラバースし、剣ヶ峰もトラバースし、また一つ沢を越えた先で、縦走路で初めての固定ロープがあり、そこを登って稜線に上がると野田コース分岐。
野田コースが剣岳頂上を通っており、わずかな距離なので、分岐から剣岳まで往復しておく。イワカガミの咲く剣ヶ峰まで登ると、もう間近に太平山が見えた。その頂上に立つ社。鋭角に美しく立つ太平山とその傍らの弟子還岳。そこに向かう登山路はほとんど垂直に見え、なかなか迫力がある。
往路では山菜を取らずに来たが、野田分岐に大きなタケノコがあり、コンビニ袋に取りながら歩く。
ツバメオモト
イワカガミ
剣岳頂上
剣岳頂上には標識はなかったが、太平山を展望することができた。手前の弟子還岳には垂直に見える登山道があり、なかなかの迫力。
弟子還岳と太平山
弟子還岳に登る人影
太平山・頂上社
ミヤマザクラと蝶
旭又分岐
野田分岐に戻り、レインウェアの上を脱ぐ。靴紐も結び直し、ここからは格段に歩きやすくなる。宝蔵岳の頂上手前に旭又分岐。旭又分岐の表示に、旭又まで5㎞とある。そんなに距離があるのなら、旭又に下って金山滝に戻るのは相当な大回りになるだろう。縦走路が荒れていたので帰りは旭又に下ることを考えていたが、往路を戻るほうが早そうだ。
ウラジロヨウラク
宝蔵岳には頂上標識なし。ここからの下りの途中で下ってきた男性に会う。
宝蔵岳からは花がたくさん。ピンクのウラジロヨウラクにタニウツギ、足元にはツガザクラ。弟子還岳に登ると黄色いニッコウキスゲにニガナ。大きなヘビイチゴの群落が特に見事。
タニウツギ
馬場目岳
馬場目岳の頂上小屋
「弟子がえり」の岸壁
強烈な岩壁が見えてきて、「弟子がえり」という表示があり、この先で岩場を鎖を使って登る
岩場の鎖
ニッコウキスゲ
弟子還岳頂上
岩場を登り切ると平坦な頂上となり、ニッコウキスゲの先に弟子還嶽神社の石柱と祠がある。弟子還岳から太平山までは両側の切れ落ちた細尾根だが、道は歩きやすく、日当たりのよい道沿いにヘビイチゴの黄色い花がたくさん咲いていた。その他にもいくつか、このあたりだけに咲いている花は多かった。
弟子還岳から見る太平山
太平山・頂上社
ヘビイチゴ
ツガザクラ
ハクサンチドリ
カラマツソウ
白いスミレ
頂上まであと少し
一等三角点
岩場や鎖場を登り、たどり着いた太平山頂上は和やかで、錫かに休んでいる人たち。青空が広がっているが遠景には雲がかかっていて秋田駒は見えない。東には馬場目岳と東の稜線、西には昨年登った御衣森、その奥に白子森まで見えていた。帰るとき、「鳥海山が見える」という声。雲間に残雪の山腹がわずかに見えていた。大きな社にお参りし、お守りと鐘を購入。
太平山頂上から東の情景: 御衣森、白子森、大仏岳、番鳥森、(岩手山、秋田駒は見えていない)雲間に鳥海山
晴れた日の頂上から東の情景(2014年10月):御衣森、白子森、岩手山、大仏岳、秋田駒ヶ岳、番鳥森、鳥海山
頂上の社:太平山神社(奥宮)
太平山頂上から西の情景: 馬場目岳、赤倉岳、笹森、旭岳、雲間に森吉山、御衣森、白子森
太平山三吉神社総本宮の案内
売店
神社の売店が開いていたので、神主さんを探し、お守りと鐘を購入。鐘は2004年に登った時にも買ったが、人にあげていた。その後2回登った10月と5月は売店は閉まっていたので、ようやく13年ぶりに手に入れたことになる。案内によれば、毎年6月から10月に神社関係者が常駐、7月開山から9月閉山まで里宮から御神体を遷座、参詣所(山小屋)には30人宿泊可能、とある。山名について、「弟子帰岳、宝蔵岳、剣岳、鶴舞岳、中岳(木曽吉山)、前岳(神仙山)」とあり、地理院地図と微妙に違うものもある。レインウェアの下も脱ぎ、身軽になって下山にかかる。
太平山頂上から南の情景: 前岳、中岳、鶴ヶ岳、剣岳、宝蔵岳、弟子還岳、旭又、馬場目岳、赤倉岳
雲間の鳥海山
旭又に下って車道を歩くことも考えたが、だいぶ大回りになりそうなので、往路を戻る。頂上着は13時で、往路に8時間もかかっているので、帰りは日が暮れるだろう。
ミツバオウレン
ヘビイチゴとテントウムシ
ヘビイチゴ二輪
弟子還岳
朝露で濡れた軍手からレイングローブに替えて岩場を下る。さすがに下りは楽だが、かばって歩いていた左足が痛む。それでも岩場あたりはスムーズに抜け、野田分岐で休憩。
シロバナニガナ
ニガナ
野田分岐
野田分岐からの荒れたトラバースにやはり苦戦。タケノコとコゴミを取りながら行くが、タケノコで重くなったザックも多少影響し、腰が痛い。剣岳と鶴ヶ岳の中間あたりで休憩。横になって少し仮眠。山菜は2袋目を少しまで。コゴミはうまそうに見えたが、硬かった。
樹間の馬場雌岳
ツバメオモト
チゴユリ
キスミレ
サンカヨウ
ミミナグサ
秋田駒ヶ岳
鶴ヶ岳からの下りから道が広くなって歩きやすくなったが、その後も狭いトラバースは残っており、辛抱強くのぼりかえしてようやく展望所に着く。夕方になって青空が一時的に広がり、岩手山と秋田駒ヶ岳が見えていた。
岩手山
中岳頂上
中岳のベンチでまた横になる。もう18時前なので、ヘッドランプを出し、ヘルメットをしまって歩きやすい道を駆け下りる。ポカリが残り1本となってしまい、三角井戸でコップに少し水を取って飲んでみる。すると、すごく冷たくてうまかった。もう一杯飲む。
夕日
女人堂の先で夕日となり、スキー場分岐の先でヘッドランプ点灯。林の中は暗いが、空はまだ明るい。心配した丸太橋とロープ場は簡単にクリア。朝渡った滝の上の橋は渡らず、ロープを降りた。階段を下り、橋を渡って駐車場に着く。
もう20時を回っており、温泉はオーパスを諦めてユフォーレに行く。だが21時をちょっと過ぎてしまい、しかも20時半までですと言われたが、なんとか入れてもらえた。感謝。風呂には泊り客が入っていて、邪魔をしないように早めに出る。熱くていい湯だった。
(2008年12月16日)
空から見る巨大なカルデラの太平山地
かつて飛行機から、雪で丸く縁どられた、大きな噴火口のような地形を見て、それが太平山地だと気付く。その東側の外輪に縦走路があり、最高点が太平山。噴火口の底に旭又登山口があるのだろう。地表から見る鋭峰の姿とは全く違う、巨大なカルデラの姿の太平山地: 金山滝、中岳、縦走路、太平山、馬場目岳
問合せ・コメント等、メール宛先: kawabe.goro@meizan-hitoritabi.com