白見山 林の老木との会話

岩手県  1,173m  2017年9月10日

岩手の山150

262

林道を歩いていて、左の土手の上に白見山が見えているのに気づく。土手を登ってみると、そこは樹木の無い草原になっていて、正面の青空の下に、白見山が丸い姿で見えていた。

平らな林の中で休憩していると、目の前にミズナラの老木が立っていた。やあ、いつからここにいるんだい、ずいぶん長いんだろうね。すると、老木が私に話しかけているように思えた。林の老木との会話。

✾✾✾✾✾

おーい秋風さん、

今日も元気に吹いてるね

山の上に行ったら、少し休んでくれ

おーい秋風さん、

そんなに寂しいのかい

もうすぐ大勢が登っていくよ

そうしたら秋を連れてきてくれ

赤や黄に染まるまぶしいばかりの秋を

(秋風に誘われて)

 土手を登ってみると、そこは樹木の無い草原になっていて、正面の青空の下に、白見山が丸い姿で見えていた
 平らな林の中で休憩していると、目の前にミズナラの老木が立っていた。やあ、いつからここにいるんだい、ずいぶん長いんだろうね。すると、老木が私に話しかけているように思えた。林の老木との会話。
 アケボノソウ
 天の湯のキバナコスモス?
 道の駅遠野の風車
 6:58 西側ゲート発(標高670m)  7:37 樺坂峠  8:10 登山道入口  8:20 老木の林  9:24 白見山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り2時間26分  9:34 白見山発10:06 老木の林10:11 登山道入口10:46 樺坂峠11:25 西側ゲート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復4時間27分
往復10.2㎞、標高差770m

SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS

樺坂峠へは、前日のカーナビは東からのルートだったが、西からのルートの方が距離が短いようなので、そちらに向かう。遠野市内に入り、右折してR340。途中から「遠野かっぱロード」という直線路。自転車向き。途中で右折して狭い舗装路。集落を抜け、最後の民家の先で砂利道。スピードを落とす。途中に白滝不動尊の雰囲気のある社。だが、樺坂峠まであと2km弱のところでゲートに遭遇。仕方ない。近くの広場に駐車して歩く。

これなら十分車で走れるのに、と思いながら林道を歩くと、大きく道がえぐれている。昨日の林道崩壊どころではなく、数十メートルもある穴になっている。崩壊地点の縁に沿って踏み跡があり、それをたどって対岸に渡る。最初の崩壊地点のすぐ先に、二つ目の崩壊地点。えぐれかたは最初のほどではない。道端の花は小さなアケボノソウ。行く手にガードレールが見え、そこからはいい道なのかな、と思ったが、そのガードレールは左側が宙に浮いていて、崩壊しているようだ。その下のトンネルをくぐり、林道はループになって右回りに登り、トンネルの上を越えていき、その先で崩壊している。土手をたどって先に進む。

ややえぐれた箇所の先で、樺坂峠に着く。そこには立派な林道が左右に走っていた。愕然。東側から来ればよかった。ヨメナがたくさん咲いている。立派な林道を登っていると、案の定、車が一台やってきて、登っていく。先を越されたが、山登りでなく、キノコ採りかな。だが、しばらく先にゲートがあり、工事中・通行止めになっている。さっきの車はこれを越えて進んだらしいが、戻ってきた。この先で道がえぐれているらしい。私はどうせ歩いているので、先に進む。そこの崩壊地点は工事中で、小型ショベルが数台。えぐれた底から直しているようだ。工事はやっていないので、えぐれたところに少し下り、土手に登り返すが、最初から縁を歩けばよかった。

その先の林道を歩いていて、左の土手の上に白見山が見えているのに気づく。写真を撮るが、やや木の枝が邪魔。その木の枝の先が開けているようなので、土手を登ってみると、そこは樹木の無い草原になっていて、正面の青空の下に、白見山が丸い姿で見えていた。東の林道か風車のあたりからは見えたかもしれないが、結局、白見山の全景が見えたのはここからだけだった。GPSを見ると、林道はこの先で分岐していて、草原の先に続いているようなので、草原を渡り、笹ヤブを越え、林の斜面の獣道を下り、林道に復帰。

だいぶくたびれた林道の先に笹の切分け道があり、白見山登山道の標識があった。笹原はかなり強力で、切分け道がないと登るのはかなりしんどいだろう。途中、平らな林の中で休憩していると、目の前にミズナラの老木が立っていた。やあ、いつからここにいるんだい、ずいぶん長いんだろうね。すると、老木が私に話しかけているように思えた。林の老木との会話。

(旅人) やあ、いつからここにいるんだい。ずいぶん長いんだろうね

(老木)  あんたこそ、どうしてそんなにあくせく、急いでいるんだね?じっくり根を下ろしてみたらどうかね

(旅人) 世の中を旅してまわって、いろんなものを見たり、聞いたりするのさ。同じところにじっとしているんじゃあ、世の中が分からないもの

(老木)  ほう-、世の中を分かるために旅するのか。そいつはいいかもしれない。だけど、旅に疲れたら、ここに来て、風に耳を澄ませてみたら。緑の中の光をながめてみたらどうかね

(旅人) そうか、君は心で旅をするんだね。

(老木)  旅人さん、気を付けて。よい旅を

(旅人) あなたも、よい一日を、老木さん

笹の切り分けの道を登っていて、右のスティックのゴムが抜けてしまった。しまった、このスティックのゴムは櫛ヶ峰で両方なくし、一個700円で買ったものだったのだが、道のくぼみをほじくると、奇跡的にゴムを見つけた。よかった。そこで、笹の切り分け道の間、両方のゴムを外しておく。切り分けは傾斜がややきつく、昨日の登山で痛めた足で登るのはしんどく、休み休み登る。

そうしてたどり着いた白見山の頂上は林の中の切り分けの広場で、まるで視界はなし。だが、そこには立派な一等三角点があった。横になって休憩。さっきまで青空だったのに、その時は空は曇り、冷たい風が吹いていた。

ゴムのないスティックを撞いて、急な切り分道を下る。足が痛くなければ小走りなのだが、そうもいかない。そして老木の林に着く。やあ老木さん、また会ったね。おや、帰り道だね旅人さん。気を付けておかえり。老木は枝を広げて、私を見送っているような気がした。それは風の声で囁き、光と影で姿を変える。いつまでも、どんなところでも。

もう曇り空なのだが、もう一度土手に上がり、白見山を写す。ループ橋のところで、崩壊地点から直接、トンネル入り口に下ってみる。そこには、獣道かもしれない踏み跡があった。そのとき雨が降ってきたので、トンネルに入り、レインウェアを出す。しかし、ズボンをはいたところで雨は止み、上は着ずに歩く。結局、その後は雨は降らず、逆に日が差してきた。ようやく駐車地点に戻り、ゆっくり着替える。駐車地点の奥は牧場か何かの跡らしい。そこから北に山が見えてたが、それは白見山ではなく、樺坂峠付近の854m峰のようだ。

セキレイ・・・・・道の駅釜石仙人峠

樺坂峠へは、前日のカーナビは東からのルートだったが、西からのルートの方が距離が短いようなので、そちらに向かう。遠野市内に入り、右折してR340。途中から「遠野かっぱロード」という直線路。自転車向き。途中で右折して狭い舗装路。集落を抜け、最後の民家の先で砂利道。スピードを落とす。途中に白滝不動尊の雰囲気のある社。だが、樺坂峠まであと2km弱のところでゲートに遭遇。仕方ない。近くの広場に駐車して歩く。

白滝不動尊

アケボノソウ

これなら十分車で走れるのに、と思いながら林道を歩くと、大きく道がえぐれている。昨日の林道崩壊どころではなく、数十メートルもある穴になっている。崩壊地点の縁に沿って踏み跡があり、それをたどって対岸に渡る。最初の崩壊地点のすぐ先に、二つ目の崩壊地点。えぐれかたは最初のほどではない。道端の花は小さなアケボノソウ。行く手にガードレールが見え、そこからはいい道なのかな、と思ったが、そのガードレールは左側が宙に浮いていて、崩壊しているようだ。その下のトンネルをくぐり、林道はループになって右回りに登り、トンネルの上を越えていき、その先で崩壊している。土手をたどって先に進む。

ループ橋

崩壊したループ橋

アケボノソウ

窓貫峠の風車

ややえぐれた箇所の先で、樺坂峠に着く。そこには立派な林道が左右に走っていた。愕然。東側から来ればよかった。ヨメナがたくさん咲いている。立派な林道を登っていると、案の定、車が一台やってきて、登っていく。先を越されたが、山登りでなく、キノコ採りかな。だが、しばらく先にゲートがあり、工事中・通行止めになっている。さっきの車はこれを越えて進んだらしいが、戻ってきた。この先で道がえぐれているらしい。私はどうせ歩いているので、先に進む。そこの崩壊地点は工事中で、小型ショベルが数台。えぐれた底から直しているようだ。工事はやっていないので、えぐれたところに少し下り、土手に登り返すが、最初から縁を歩けばよかった。

樹間の白見山

その先の林道を歩いていて、左の土手の上に白見山が見えているのに気づく。写真を撮るが、やや木の枝が邪魔。その木の枝の先が開けているようなので、土手を登ってみると、そこは樹木の無い草原になっていて、正面の青空の下に、白見山が丸い姿で見えていた。東の林道か風車のあたりからは見えたかもしれないが、結局、白見山の全景が見えたのはここからだけだった。GPSを見ると、林道はこの先で分岐していて、草原の先に続いているようなので、草原を渡り、笹ヤブを越え、林の斜面の獣道を下り、林道に復帰。

白見山

老木

だいぶくたびれた林道の先に笹の切分け道があり、白見山登山道の標識があった。笹原はかなり強力で、切分け道がないと登るのはかなりしんどいだろう。途中、平らな林の中で休憩していると、目の前にミズナラの老木が立っていた。やあ、いつからここにいるんだい、ずいぶん長いんだろうね。すると、老木が私に話しかけているように思えた。林の老木との会話。

(旅人) やあ、いつからここにいるんだい。ずいぶん長いんだろうね

(老木)  あんたこそ、どうしてそんなにあくせく、急いでいるんだね?じっくり根を下ろしてみたらどうかね

(旅人) 世の中を旅してまわって、いろんなものを見たり、聞いたりするのさ。同じところにじっとしているんじゃあ、世の中が分からないもの

(老木)  ほう-、世の中を分かるために旅するのか。そいつはいいかもしれない。だけど、旅に疲れたら、ここに来て、風に耳を澄ませてみたら。緑の中の光をながめてみたらどうかね

(旅人) そうか、君は心で旅をするんだね。

(老木)  旅人さん、気を付けて。よい旅を

(旅人) あなたも、よい一日を、老木さん

老木

笹の向こうの白見山

笹の切り分けの道を登っていて、右のスティックのゴムが抜けてしまった。しまった、このスティックのゴムは櫛ヶ峰で両方なくし、一個700円で買ったものだったのだが、道のくぼみをほじくると、奇跡的にゴムを見つけた。よかった。そこで、笹の切り分け道の間、両方のゴムを外しておく。切り分けは傾斜がややきつく、昨日の登山で痛めた足で登るのはしんどく、休み休み登る。

白見山頂上

そうしてたどり着いた白見山の頂上は林の中の切り分けの広場で、まるで視界はなし。だが、そこには立派な一等三角点があった。横になって休憩。さっきまで青空だったのに、その時は空は曇り、冷たい風が吹いていた。

一等三角点と壊れた頂上標識

ガマズミの実

帰りの老木

ゴムのないスティックを撞いて、急な切り分道を下る。足が痛くなければ小走りなのだが、そうもいかない。そして老木の林に着く。やあ老木さん、また会ったね。おや、帰り道だね旅人さん。気を付けておかえり。老木は枝を広げて、私を見送っているような気がした。それは風の声で囁き、光と影で姿を変える。いつまでも、どんなところでも。

アケボノソウ

ゲンノショウコ

ヨメナ

キオン

樺坂峠854m峰

もう曇り空なのだが、もう一度土手に上がり、白見山を写す。ループ橋のところで、崩壊地点から直接、トンネル入り口に下ってみる。そこには、獣道かもしれない踏み跡があった。そのとき雨が降ってきたので、トンネルに入り、レインウェアを出す。しかし、ズボンをはいたところで雨は止み、上は着ずに歩く。結局、その後は雨は降らず、逆に日が差してきた。ようやく駐車地点に戻り、ゆっくり着替える。駐車地点の奥は牧場か何かの跡らしい。そこから北に山が見えてたが、それは白見山ではなく、樺坂峠付近の854m峰のようだ。

オオハンゴンソウ

天ヶ森・・・・・遠野市街付近

天の湯の白い花(秋明菊)

天の湯のだいだい色の花(キバナコスモス?)

天の湯のピンクの花(ヤナギハナガサ)

道の駅遠野の風車